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【発明の名称】 蛇腹板の製造方法と装置
【発明者】 【氏名】多賀 正展

【要約】 【課題】高さの高い蛇腹板を高精度に製造することができる蛇腹板の製造方法と装置を提供する。

【構成】第1型枠11と第2型枠12とを圧接させて蛇腹板1を挟持させることができる。この状態で複数の型枠11〜15によって、該蛇腹板1に後続する帯状薄板1aに1ピッチ分の蛇腹板を成形することができる(工程IV〜VII)。このとき1ピッチ分の蛇腹板を複数の型枠によって成形することができるので、高さの高い蛇腹板を高精度に製造することができる。上記第1型枠11は往復動自在に設けられていて、該第1型枠の上記突起11a〜11cに蛇腹板を係合させた状態で前進して1ピッチ分だけ蛇腹板と帯状薄板を前進させることができ(工程IX)、1ピッチ分前進させたら蛇腹板から離脱し(工程XI)、1ピッチ分だけ後退して(工程XII)、後方の蛇腹板に再び係合することができる(工程IV)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇腹板は、帯状薄板を一定間隔で表面側に向けて折り曲げた第1折り曲げ部と、裏面側に向けて折り曲げた第2折り曲げ部とが交互に形成されており、かつ1つの第1折り曲げ部を挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部とが連設されるとともに、各第1傾斜部と第2傾斜部とにそれぞれ第2折り曲げ部が連設されることによって構成されており、
上記蛇腹板に後続する帯状素材に、上記第1傾斜部と、第1折り曲げ部と、第2傾斜部と、第2折り曲げ部とからなる1ピッチ分の蛇腹板を成形して、これを既に製造されている蛇腹板の後部に連設することにより蛇腹板を順次1ピッチ分づつ製造するようにした蛇腹板の製造方法において、
上記1ピッチ分の蛇腹板は、複数の型枠を協働させて成形させるようになっており、これら複数の型枠内に上記蛇腹板に後続する帯状素材を供給してその前進を停止させた状態で、上記複数の型枠により該帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形し、次に当該1ピッチ分の蛇腹板を含む蛇腹板ならびにこれに後続する帯状素材を上記複数の型枠に対して1ピッチ分前進させて、該蛇腹板に後続する新たな帯状素材を上記複数の型枠内に供給してその前進を停止させ、この状態で上記複数の型枠により帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形し、かかる工程を繰り返して蛇腹板を1ピッチ分づつ製造することを特徴とする蛇腹板の製造方法。
【請求項2】
蛇腹板は、帯状薄板を一定間隔で表面側に向けて折り曲げた第1折り曲げ部と、裏面側に向けて折り曲げた第2折り曲げ部とが交互に形成されており、かつ1つの第1折り曲げ部を挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部とが連設されるとともに、各第1傾斜部と第2傾斜部とにそれぞれ第2折り曲げ部が連設されることによって構成されており、
上記蛇腹板に後続する帯状素材に、上記第1傾斜部と、第1折り曲げ部と、第2傾斜部と、第2折り曲げ部とからなる1ピッチ分の蛇腹板を成形して、これを既に製造されている蛇腹板の後部に連設することにより蛇腹板を順次1ピッチ分づつ製造するようにした蛇腹板の製造装置において、
該蛇腹板の製造装置は、それぞれ昇降可能に設けられて蛇腹板を挟持する第1型枠と第2型枠と、これら第1型枠と第2型枠とに隣接されて配置されて、第1型枠と第2型枠とに挟持された蛇腹板に後続する帯状薄板に上記1ピッチ分の蛇腹板を成形する複数の型枠とを備えており、
上記1型枠と第2型枠とはそれぞれ上記蛇腹板の表面側又は裏面側の形状に沿った突起を備え、両第1型枠と第2型枠とを圧接させた際には両突起間で上記蛇腹板を挟持させることができるようにしてあり、また上記第1型枠は往復動自在に設けられて、該第1型枠の上記突起に蛇腹板を係合させた状態で前進して1ピッチ分の蛇腹板並びにこれに後続するを帯状薄板を前進させたら、蛇腹板から離脱して1ピッチ分だけ後退するとともに1ピッチ分だけ後方の蛇腹板に再び係合可能となっていることを特徴とする蛇腹板の製造装置。
【請求項3】
上記第1型枠に第1傾斜成形面が形成されており、上記複数の型枠は、上記第1傾斜成形面に圧接されて、該第1傾斜成形面との間で上記蛇腹板に後続する帯状薄板に第1傾斜部を成形する第3型枠と、上記第1型枠に圧接されて、該第1型枠との間で上記第1傾斜部に連続させて第1折り曲げ部を成形する第4型枠と、この第4型枠に設けられた第2傾斜成形面に圧接されて、該第2傾斜成形面との間で上記第2折り曲げ部に連続させて第2傾斜部と第2折り曲げ部とを成形する第5型枠とを備えることを特徴とする請求項2に記載の蛇腹板の製造装置。
【請求項4】
上記第1型枠の第1傾斜成形面は第3型枠側に僅かに膨出し、該第3型枠の第1傾斜成形面はその分へこむように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の蛇腹板の製造装置。
【請求項5】
上記第4型枠の第2傾斜成形面は第5型枠側に僅かに膨出し、該第5型枠の第2傾斜成形面はその分へこむように形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の蛇腹板の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、蛇腹板の製造方法と装置に関し、より詳しくは、既に製造されている蛇腹板の後部に順次1ピッチ分の蛇腹板を成形しながら、間欠的に蛇腹板を製造するようにした蛇腹板の製造方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、蛇腹板1は、帯状薄板1aを一定間隔で表面側に向けて折り曲げた第1折り曲げ部1bと、裏面側に向けて折り曲げた第2折り曲げ部1cとが交互に形成されており、かつ1つの第1折り曲げ部1bを挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとが連設されるとともに、各第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとにそれぞれ第2折り曲げ部1cが連設されることによって構成されている。
従来、例えば互いに逆回転している一対の歯車間に帯状薄板を通過させることによって連続的に蛇腹板を製造することは、周知である。
【0003】
また従来、上記蛇腹板1に後続する帯状素材1aに、上記第1傾斜部1dと、第1折り曲げ部1bと、第2傾斜部1eと、第2折り曲げ部1cとからなる1ピッチ分の蛇腹板を成形して、これを既に製造されている蛇腹板の後部に連設することにより蛇腹板を順次1ピッチ分づつ間欠的に製造するようにした蛇腹板の製造装置も知られている(特許文献1)。
この製造装置は、上面に予め製造すべき蛇腹板1の下面に倣った多数の突起を等間隔で形成した下型と、この下型の上方にそれぞれ昇降自在に設けたストリッパーとパンチとを備えており、ストリッパーとパンチとの各下面にはそれぞれ上記下型の突起間に圧入される1つの突起を備えている。
上記製造装置で蛇腹板を製造する際には、先ず下型に設けた多数の突起上に帯状素材を載置し、次にストリッパーの突起を下型の突起間に圧入させてストリッパーの突起と下型の突起間で帯状素材を固定する。この状態となったら、ストリッパーの突起が圧入された突起間に隣接する突起間にパンチの突起を圧入させて、当該圧入により1ピッチ分の蛇腹板を成形する。
次に、ストリッパーとパンチとを上昇させて各突起を蛇腹板から離脱させたら、ストリッパーとパンチとを1ピッチ分だけ移動させ、最初にストリッパーを降下させて、前回パンチによって成形された蛇腹板を保持している下型の突起間に該ストリッパーの突起を圧入させて、蛇腹板の後端部を固定する。
この状態となったら、ストリッパーの突起が圧入された突起間に隣接する突起間にパンチの突起を圧入させて、当該圧入により既に製造されている蛇腹板の後部に1ピッチ分の蛇腹板を成形する。以後、これを繰り返して、既に製造されている蛇腹板の後部に順次1ピッチ分の蛇腹板を成形しながら、間欠的に蛇腹板を製造することができる。
【特許文献1】特開2005−152921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の製造装置では、パンチの突起を下型の突起間に圧入させて、一挙動で1ピッチ分の蛇腹板を成形するようにしていたので、大きく折畳んだ蛇腹板を製造すること、すなわち上記第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとの図1における上下方向の距離が長い蛇腹板を製造することは、困難であった。
すなわち、上記1ピッチ分の蛇腹板を成形するためにパンチの突起を下型の突起間に圧入させた際には、一側がストリッパーの突起で固定されている帯状薄板の他側は、パンチの突起が下型の突起の間に圧入されるのに伴ってその間に引き込まれるようになるが、下型の突起の深さを深くし、それに伴ってパンチの突起の長さを長くするか、蛇腹板の傾斜角度を鋭角にすると、下型の突起の間とパンチの突起との間に円滑に引き込まれることが困難となる。これは、パンチの突起が下型の突起の間に圧入される際、下型の突起の先端と帯状薄板との間に相対的に大きな摩擦力が発生することによるものである。
その結果、帯状薄板が局部的に伸ばされて破断したり、或いは各第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとの高さが不揃いとなったり、蛇腹形状が一様に傾斜したりして高精度な蛇腹板を製造することが困難となっていた。これは、一対の歯車で蛇腹板を成形する場合であっても同様で、蛇腹板のピッチに対して深さが大きい場合や、鋭角な成形角度の場合に共通の問題である。
本発明はかかる事情に鑑み、蛇腹状を高精度に製造することができる蛇腹板の製造方法と装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明は、上述したような従来の製造方法において、すなわち蛇腹板は、帯状薄板を一定間隔で表面側に向けて折り曲げた第1折り曲げ部と、裏面側に向けて折り曲げた第2折り曲げ部とが交互に形成されており、かつ1つの第1折り曲げ部を挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部とが連設されるとともに、各第1傾斜部と第2傾斜部とにそれぞれ第2折り曲げ部が連設されることによって構成されており、
上記蛇腹板に後続する帯状素材に、上記第1傾斜部と、第1折り曲げ部と、第2傾斜部と、第2折り曲げ部とからなる1ピッチ分の蛇腹板を成形して、これを既に製造されている蛇腹板の後部に連設することにより蛇腹板を順次1ピッチ分づつ製造するようにした蛇腹板の製造方法において、
上記1ピッチ分の蛇腹板は、複数の型枠を協働させて成形させるようになっており、これら複数の型枠内に上記蛇腹板に後続する帯状素材を供給してその前進を停止させた状態で、上記複数の型枠により該帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形し、次に当該1ピッチ分の蛇腹板を含む蛇腹板ならびにこれに後続する帯状素材を上記複数の型枠に対して1ピッチ分前進させて、該蛇腹板に後続する新たな帯状素材を上記複数の型枠内に供給してその前進を停止させ、この状態で上記複数の型枠により帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形し、かかる工程を繰り返して蛇腹板を1ピッチ分づつ製造することを特徴とするものである。
【0006】
また請求項2の発明は、上述したような従来の製造装置において、すなわち蛇腹板は、帯状薄板を一定間隔で表面側に向けて折り曲げた第1折り曲げ部と、裏面側に向けて折り曲げた第2折り曲げ部とが交互に形成されており、かつ1つの第1折り曲げ部を挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部と第2傾斜部とが連設されるとともに、各第1傾斜部と第2傾斜部とにそれぞれ第2折り曲げ部が連設されることによって構成されており、
上記蛇腹板に後続する帯状素材に、上記第1傾斜部と、第1折り曲げ部と、第2傾斜部と、第2折り曲げ部とからなる1ピッチ分の蛇腹板を成形して、これを既に製造されている蛇腹板の後部に連設することにより蛇腹板を順次1ピッチ分づつ製造するようにした蛇腹板の製造装置において、
該蛇腹板の製造装置は、それぞれ昇降可能に設けられて蛇腹板を挟持する第1型枠と第2型枠と、これら第1型枠と第2型枠とに隣接されて配置されて、第1型枠と第2型枠とに挟持された蛇腹板に後続する帯状薄板に上記1ピッチ分の蛇腹板を成形する複数の型枠とを備えており、
上記1型枠と第2型枠とはそれぞれ上記蛇腹板の表面側又は裏面側の形状に沿った突起を備え、両第1型枠と第2型枠とを圧接させた際には両突起間で上記蛇腹板を挟持させることができるようにしてあり、また上記第1型枠は往復動自在に設けられて、該第1型枠の上記突起に蛇腹板を係合させた状態で前進して1ピッチ分の蛇腹板並びにこれに後続するを帯状薄板を前進させたら、蛇腹板から離脱して1ピッチ分だけ後退するとともに1ピッチ分だけ後方の蛇腹板に再び係合可能となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の製造方法によれば、互いに協働する複数の型枠内に、蛇腹板に後続する帯状素材を供給してその前進を停止させた状態で、上記複数の型枠により該帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形することができる。すなわち、1ピッチ分の蛇腹板を複数の型枠によって成形することができるので、該1ピッチ分の蛇腹板を自由な大きさで、かつ高精度に製造することができる。
そして1ピッチ分の蛇腹板を成形したら、当該1ピッチ分の蛇腹板を含む蛇腹板ならびにこれに後続する帯状素材を上記複数の型枠に対して1ピッチ分前進させて、該蛇腹板に後続する新たな帯状素材を上記複数の型枠内に供給してその前進を停止させることができ、この状態で、再び上記複数の型枠により帯状素材に1ピッチ分の蛇腹板を成形することができる。
そしてかかる工程を繰り返して蛇腹板を1ピッチ分づつ製造すれば、高さの高い蛇腹板、或いは成形角度の鋭角な蛇腹板を高精度に製造することができる。
【0008】
また請求項2の製造装置によれば、第1型枠と第2型枠とを圧接させて両突起間で上記蛇腹板を挟持させた状態で、これら第1型枠と第2型枠とに隣接されて配置されている複数の型枠によって、上記第1型枠と第2型枠とに挟持された蛇腹板に後続する帯状薄板に上記1ピッチ分の蛇腹板を成形することができる。すなわち、1ピッチ分の蛇腹板を複数の型枠によって成形することができるので、該1ピッチ分の蛇腹板を自由な大きさで、かつ高精度に製造することができる。
そして上記第1型枠は往復動自在に設けられていて、該第1型枠の上記突起に蛇腹板を係合させた状態で前進して1ピッチ分の蛇腹板並びにこれに後続するを帯状薄板を前進させることができ、蛇腹板並びにこれに後続するを帯状薄板を1ピッチ分前進させたら、蛇腹板から離脱して1ピッチ分だけ後退するとともに1ピッチ分だけ後方の蛇腹板に再び係合することができる。
これにより、1ピッチ分だけ後方の蛇腹板を第1型枠と第2型枠と挟持することができ、この状態で再び該第1型枠と第2型枠とに挟持された蛇腹板に後続する帯状薄板に上記1ピッチ分の蛇腹板を成形することができる。
そしてかかる工程を繰り返して蛇腹板を1ピッチ分づつ製造すれば、高さの高い蛇腹板や成形角度の鋭角なV字形の蛇腹板をを高精度に製造することができる。
さらに従来公知の製造装置は、下型に必要に応じて多数の突起の形成を必要とし、また、ストリッパーとパンチの移動距離を確保するために大掛かりなものとなるが、本発明によれば蛇腹の折り曲げ成形部をコンパクトにすることができ、したがって製造装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、上述したように蛇腹板1は、銅などからなる金属製の帯状薄板1aを一定間隔で表面側(上面)に向けて折り曲げる第1折り曲げ部1bと、裏面側(下面)に折り曲げる第2折り曲げ部1cとを交互に形成することによって製造されている。そして1つの第1折り曲げ部1bを挟んで互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとが連続してそれらによりV字形状が形成され、また1つの第2折り曲げ部1cを挟んでやはり互いに逆方向に傾斜する第1傾斜部1dと第2傾斜部1eとが連続してそれらにより山形形状が形成されることになる。
そして、連続した第1傾斜部1dと、第1折り曲げ部1bと、第2傾斜部1eと、第2折り曲げ部1cとによって1ピッチ分の蛇腹板が構成されることになる。なお1ピッチ分の蛇腹板は、上述した第1傾斜部1dから始まる連続した4種の部分のみによって構成されるのではなく、いずれかの部分から始まっても4種の部分が連続していればよいことは勿論である。
【0010】
図3は上記蛇腹板1を製造するための製造装置を示したもので、5つの互いに協働して作動する5つの型枠11〜15を備えている。帯状薄板1aの右端部は図示しないがコイル材等が用いられ、上下一対の供給ローラ2,2によって帯状薄板1aの表裏面を挟持させた状態で供給ローラ2,2を回転駆動させることにより、帯状薄板1aはアンコイルなどで直線的に矯正されながらその左端部が水平方向に間欠的に搬送されて、上記5つの型枠11〜15内に供給されるようになっている。
上記型枠11〜15の出口側には上下にガイド3,3が設けられ、5つの型枠11〜15によって製造された蛇腹板1は、そのガイド3,3の間に押し込まれるようになっている。
【0011】
上記5つの型枠のうち、帯状薄板1aよりも下方に位置する第1型枠11は、上方に突出する4つの突起11a、11b、11c、11dを備えており、それら4つの突起11a〜11dが連続する部分の表面形状は、蛇腹板1の裏面側(下面)の形状に一致するように成形されている。
上記帯状薄板1aよりも上方で、上記第1型枠11の上方に配置された第2型枠12は、下方に突出する2つの突起12a、12bを備えており、それら2つの突起12a、12bが連続する部分の表面形状は、蛇腹板1の表面側(上面)の形状に一致するように成形されている。
【0012】
上記第1型枠11と第2型枠12はそれぞれ昇降自在に設けられている。後に詳述するように下方の第1型枠11は水平方向にも進退動自在に設けられているが、図3、図4に示すように第1型枠11を図示右側の後退位置Bに位置させた状態で、上記第1型枠11を上昇させるとともに、第2型枠12を下降させた際には、第1型枠11の突起11bが第2型枠12の突起12a、12b間にはまり込むとともに、第2型枠12の突起12aが第1型枠11の突起11a、11bの間にはまり込み、またこれと同時に第2型枠12の突起12bが第1型枠11の突起11b、11cの間にはまり込むようになる。これによって、各突起の間に製造済みの蛇腹板1の表裏面を強固に挟持することができるようになっている(図4の状態)。
またこの状態では、蛇腹板1の上下方向の中心位置が、上記帯状薄板1aの水平方向における供給高さ位置にほぼ一致するようになっている。
なお、蛇腹板1を製造するための最初の作業は、図3に示すように、手作業で帯状薄板1aの先端部を下方に折り曲げてやり、その折曲げ部分を第1型枠11の突起11cと第2型枠12の突起12bとによって挟持させるようにすれば良い。
【0013】
上記第1型枠11の突起11cにおける帯状薄板1aの供給側の表面は、上記蛇腹板1の第1傾斜部1d(図1、図5参照)を成形するための第1傾斜成形面11eとなっている。図4に示すように、この第1傾斜成形面11eは、第1型枠11と第2型枠12とによって挟持された蛇腹板1から伸びる帯状薄板1aの裏面側に位置している。
第3型枠13は帯状薄板1aよりも上方側すなわち表面側に設けられており、上記第1傾斜成形面11eに向けて斜め方向に進退動自在となっている。この第3型枠13の先端面は第1傾斜成形面13aとなっており、この第1傾斜成形面13aが第1型枠11の第1傾斜成形面11eに押圧された際に、第1傾斜成形面11eとの間で、蛇腹板1に連続する帯状薄板1aに第1傾斜部1dを成形することができるようになっている。
このとき、第3型枠13の第1傾斜成形面13aは斜め下方に向けて第1型枠11の第1傾斜成形面11eに押圧されるようになるので、帯状薄板1aの裏面は第1型枠11の突起11cの頂部に密着されながら巻き付けられるようになり、それによって第2折り曲げ部1cの右半分が予備成形されるようになる。
【0014】
上記第1型枠11の第1傾斜成形面11eと第3型枠13の第1傾斜成形面13aとは、その高さ方向の中央部位置が、第3型枠13の第1傾斜成形面13aに向けて僅かに突出するように形成されている。すなわち第1傾斜成形面11eは第3型枠13側に僅かに膨出し、第1傾斜成形面13aはその分へこむように形成されている。これによって第1傾斜部1dが自己の弾性によってスプリングバックを起こしても、可及的に直線状となるように配慮してある。
上記第3型枠13によって第1傾斜部1dが成形されるとともに第2折り曲げ部1cが予備成形されたら(図5の状態)、該第3型枠13は斜め上方に退避されるようになる。
【0015】
上記第2型枠12と第3型枠13の間で、第1型枠11の上方に、したがって帯状薄板1aよりも上方側に第4型枠14が昇降自在に設けられている。
第4型枠14は下方に大きく突出する突起14aと僅かに突出する突起14bとを備えており、図6に示すように、第2型枠12と第4型枠14とが同時に下降端位置となった際には、第2型枠12の2つの突起12a、12bと、これに隣接する第4型枠14の大きな突起14a並びに第4型枠14の小さな突起14bとが連続する部分の表面形状は、蛇腹板1の表面側(上面)の形状に一致するようになっている。
上記第4型枠14は、上述した第3型枠13が斜め上方に退避された後に降下されるようになっており、その下降端位置では突起14aの先端部は第1型枠11の突起11cと11dとの間に圧入され、その先端部によって既に成形されている上記第1傾斜部1dの先端部に、第1折り曲げ部1bを形成するようになる。またこれと同時に、第1型枠11の突起11cの先端部と第4型枠14の突起14aの基部との間で、第2折り曲げ部1cの右半分が完全に成形されるようになる。
【0016】
上記第4型枠14の突起14aにおける帯状薄板1aの供給側の表面は、上記蛇腹板1の第2傾斜部1e(図1、図7参照)を成形するための第2傾斜成形面14cとなっている。図6に示すように、この第2傾斜成形面14cは、第1型枠11と第2型枠12及び第4型枠14とによって挟持された蛇腹板1から伸びる帯状薄板1aの表面側に位置している。
第5型枠15は帯状薄板1aよりも下方側すなわち裏面側に設けられており、上記第2傾斜成形面14cに向けて斜め方向に進退動自在となっている。この第5型枠15の先端面は第2傾斜成形面15aとなっており、この第2傾斜成形面15aが第4型枠14の第2傾斜成形面14cに押圧された際に、第2傾斜成形面14cとの間で、蛇腹板1に連続する帯状薄板1aに第2傾斜部1eを成形することができるようになっている。
【0017】
また、上記第5型枠15の第2傾斜成形面15aの上方端部は断面円弧部15bとなっており、この円弧部15bは第4型枠14の大きな突起14aと小さな突起14bとの間に図7のように圧入されて、上記第2傾斜部1eの先端部に第2折り曲げ部1cの左半分を形成することができるようになっている。
そして第4型枠14の第2傾斜成形面14cと第5型枠15の第2傾斜成形面15aとは、その高さ方向の中央部位置が、第5型枠15の第2傾斜成形面15aに向けて僅かに突出するように形成されている。すなわち第2傾斜成形面14cは第5型枠15側に僅かに膨出し、第2傾斜成形面15aはその分へこむように形成されている。これによって第2傾斜部1eが自己の弾性によってスプリングバックを起こしても、可及的に直線状となるように配慮してある。
【0018】
上記第5型枠15によって第2傾斜部1eと第2折り曲げ部1cの左半分とが成形されたら、すなわち上記一連の作業により、第2折り曲げ部1cの右半分と、第1傾斜部1dと、第1折り曲げ部1bと、第2傾斜部1eと、第2折り曲げ部1cの左半分とによって1ピッチ分の蛇腹板を成形したら、次に図8に示すように、第5型枠15は斜め下方に退避されるようになる。またこれと同時に、第1型枠11に蛇腹板1を残した状態で、第2型枠12と第4型枠14とが上昇される。
第2型枠12と第4型枠14が上昇されると、図9に示すように、第1型枠11が上記1ピッチ分の蛇腹板に相当する距離だけ、つまり隣接する第2折り曲げ部1cのピッチp分だけ図の左方向に前進されて前進位置Fとなる。これにより蛇腹板1も上記ピッチp分だけ左行され、またこれと同時に上記供給ローラ2,2が回転駆動され、新たに成形された蛇腹板に後続する新たな帯状薄板1aが上記ピッチp分だけ型枠11〜15内に向けて供給されて停止されるようになる。
そして、上記第1型枠11が1ピッチp分だけ前進されてその前進位置Fで停止すると、第2型枠12が降下して第1型枠11との間で蛇腹板1を挟持するようになり(図10)、この状態となると蛇腹板1を第2型枠12に残した状態で第1型枠11が下降するとともに(図11)、元の後退位置Bまで後退し(図12)、さらにその位置で上昇して、再び第1型枠11と第2型枠12との間で蛇腹板1を挟持するようになる(図4の状態参照)。
この後、上述した作業が繰り返されて、既に製造されている蛇腹板の後方に、1ピッチ分づつの蛇腹板が間欠的に製造されるようになる。
【0019】
なお、上記実施例では合計5つの型枠11〜15を設けているが、これに限定されるものではない。また、どの型枠によって蛇腹板のどの部分を成形するかは、その型枠の個数を参酌した上で、最適となるように設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】蛇腹板1とそれに後続する帯状薄板1aとを示す正面図。
【図2】本発明に係る製造工程を示す概略図。
【図3】本発明に係る製造装置を示す正面図。
【図4】図2に示す工程IVの拡大図。
【図5】図2に示す工程Vの拡大図。
【図6】図2に示す工程VIの拡大図。
【図7】図2に示す工程VIIの拡大図。
【図8】図2に示す工程VIIIの拡大図。
【図9】図2に示す工程IXの拡大図。
【図10】図2に示す工程Xの拡大図。
【図11】図2に示す工程XIの拡大図。
【図12】図2に示す工程XIIの拡大図。
【符号の説明】
【0021】
1 蛇腹板 1a 帯状素材
1b 第1折り曲げ部 1c 第2折り曲げ部
1d 第1傾斜部 1e 第2傾斜部
11 第1型枠 11a〜11d 突起
11e 第1傾斜成形面 12 第2型枠
12a、12b 突起 13 第3型枠
13a 第1傾斜成形面 14 第4型枠
14a、14b 突起 14c 第2傾斜成形面
15 第5型枠 15a 第2傾斜成形面
【出願人】 【識別番号】593051308
【氏名又は名称】株式会社多賀製作所
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎


【公開番号】 特開2008−23557(P2008−23557A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198404(P2006−198404)