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【発明の名称】 ワークの角部成形装置
【発明者】 【氏名】関根 利久

【要約】 【課題】ワークの角部成形装置において、ダイに対する成形ローラの位置を適正な位置に保つことにより、ワークに対して正確な加工を行うことができるワークの角部成形装置を提供する。

【構成】ダイ5と成形ローラ7との協働によって、板状のワークWの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位W5のところに塑性変形をおこし、角部近傍部位W5に沿い連続して立ち上がる側壁部W7を形成するワークの角部成形装置3において、ワークWを成形するときにワークWから受ける力によって、成形ローラ7の姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構41を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイと成形ローラとの協働によって、板状のワークの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに塑性変形をおこし、前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成するワークの角部成形装置において、
前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって、前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項2】
板状のワークを設置する平面を備えてこの平面の縁に角部が形成されているダイを設置するためのベース部材と;
前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して交差する方向に移動自在な移動部材と;
前記移動部材に回転自在に設けられていると共に、前記移動部材の移動により前記ダイと協働して、前記角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに存在しているワークの部位に、前記ダイの平面に接している前記ワークの部位から所定の角度で前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成する塑性加工を行う成形ローラと;
前記成形ローラを移動して前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって、前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構と;
を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項3】
板状のワークを載置する平面を備えこの平面の縁に角部が形成されているダイを設置するためのベース部材と;
前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対してほぼ直交する方向に移動自在な移動部材と;
前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して直交する方向から眺めた場合、前記ダイの平面の展伸方向に延びて前記ダイの角部から離れている軸を回転中心にして前記移動部材に回転自在に設けられていると共に、前記ダイの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位と所定の僅かな距離を保ってほぼ平行に延びている線である縁線を、前記回転中心軸を中心にして回転したときに得られる面を備えた形状に形成されている成形ローラと;
前記成形ローラを移動して前記ワークを成形するときに、前記ワークから受ける力によって前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構と;
を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項4】
請求項3に記載のワークの角部成形装置において、
前記成形ローラの姿勢を保ったまま、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面の展伸方向で前記ダイに対して接近離反する方向に、前記成形ローラを移動位置決め自在な成形ローラ調整機構を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のワークの角部成形装置において、
前記調芯機構は、
前記成形ローラのほぼ中心を通り前記移動部材の移動方向に延びている軸を中心にして、前記移動部材に対して回動する中間部材と;
前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して直交する方向から眺めた場合、前記ダイの角部近傍部位と前記成形ローラの縁部とが平行になるように、前記中間部材を付勢する付勢手段と;
を備えて構成されていることを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項6】
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のワークの角部成形装置において、
前記成形ローラは、この回転中心軸の延伸方向に僅かに移動可能なように設けられていることを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項7】
請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のワークの角部成形装置において、
前記ダイに載置され、前記成形ローラの移動により成形された前記ワークの余剰部を、前記移動部材の移動による力を用いて切断する切断手段を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項8】
加圧装置のフレームに一体的に設置されると共に、金属製の薄い板状のワークを載置する平面を備えこの平面の縁に角部を備えた板状のダイを直接的もしくは間接的に一体的に設置するベース部材と;
前記加圧装置の可動体に一体的に設置され、前記ベース部材および前記ダイから離れ、前記フレームに設置された前記ダイの平面に直交する方向に移動自在である移動部材と;
前記ダイから離れた側で移動部材に支持され、前記移動部材の移動方向に対して直交する方向であって前記ベース部材に設置された前記ダイの角部の角度を二等分する直線である二等分直線が延伸する方向で、前記移動部材に対して移動位置決め自在であると共に、前記二等分直線の上に中心軸が存在している円柱の側面の一部で形成された凹部を、前記ダイの角部に対向して備えた第1の中間部材と;
前記ベース部材に設置された前記ダイの角部と前記第1の中間部材との間で前記角部から離れ前記第1の中間部材に係合していると共に、前記第1の中間部材の凹部と面接触することにより、前記第1の中間部材の凹部の前記中心軸を中心にして回動する第2の中間部材と;
前記ベース部材に設置された前記ダイの平面の展伸方向であって前記二等分直線と直交する方向に延伸している軸であって前記ダイから離れた側で延伸している軸を回転中心にして、前記第2の中間部材に対して回転自在に設けられていると共に、前記ダイの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位と所定の僅かな距離を保ってほぼ平行に延びている線である縁線を、前記回転中心軸を中心にして回転したときに得られる面を備えて、互いの頂点が接している略対向円錐形状に形成されている成形ローラと;
前記成形ローラを間にして前記ベース部材に設置された前記ダイとは反対側で、前記移動部材と前記第1の中間部材とを貫通して設けられた長孔であって、前記第1の中間部材の円柱側面状の凹部の円周方向に延びて設けられた長孔を貫通して、基端部が前記第2の中間部材に一体的に設けられ、フランジ部を備えた先端部側の部位が、前記移動部材から突出し、前記第2の中間部材の回動に応じて、前記長孔内を揺動自在である引っ張り部材と;
前記第2の中間部材が前記第1の中間部材の凹部に押圧されるように、前記引っ張り部材のフランジ部と前記移動部材との間に設けられた弾性体と;
を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項9】
請求項8に記載のワークの角部成形装置において、
前記第1の中間部材を、流体圧シリンダと弾性体とを用いて移動すると共に、前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって前記第1の中間部材の位置を自動的に調整する構成であることを特徴とするワークの角部成形装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のワークの角部成形装置において、
前記ダイに載置され前記成形ローラの移動により成形された前記ワークの余剰部を、前記ダイと協働してせん断するための板状の切断刃を設置すると共に、前記ベース部材に設置されたダイに対して接近離反する方向に移動自在なせん断用移動部材と;
前記せん断用移動部材を、前記せん断用移動部材に設置された切断刃が前記ワークから離れた位置から前記ワークに当接する位置まで移動するアクチュエータと;
前記せん断用移動部材に一体的に設けられたカムの従動節と;
前記移動部材に一体的に設けられ、前記ワークに当接している前記せん断刃で前記ワークの余剰部をせん断すべく、前記カムの従動節に係合して前記せん断用移動部材を移動させるカムの動節と;
を有することを特徴とするワークの角部成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの角部成形装置に係り、特に、板状のワークのコーナー部に継ぎ目の無い起立部を塑性加工にて形成するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、板材のコーナーの成形を行う装置として、ダイと成形ローラとの協働によって、コーナー成形を行うコーナー成形機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−24717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来のコーナー成形機(ワークの角部成形装置)では、ワークの板厚を変更した場合や、フォーミングツール(成形ローラ)とダイとの交換を行った場合に、ダイと成形ローラとを適正な位置に位置決めし、またダイと成形ローラとの隙間を調整しなければ、良好な成形を行うことができない。
【0004】
そこで、前記従来のコーナー成形機では、シムやクサビを利用して、ダイ、成形ローラの少なくとも一方を移動し固定することで隙間(成形加工の際にワークWが入り込む隙間)を調整するようにしている。
【0005】
しかし、成形ローラR1とダイD1との間を成形加工に最適な隙間に調整することは難しく、図25(ダイD1と成形ローラR1との隙間の状態を示す図)に示すように、ダイD1に対する成形ローラR1の角度がΔt1だけ傾いてくるってしまい、ダイD1と成形ローラR1との隙間の平行度が保てない自体が発生することがある。
【0006】
前述したくるいを調整するには、成形ローラR1の前後方向(図25の上下方向)および、成形ローラR1の姿勢(図25の紙面に垂直に延びた軸を中心にして回動するときの姿勢)を調整しなければならず、困難を伴う。
【0007】
また、シムやクサビを使用して調整する構造において、ダイD1に対する成形ローラR1の位置が適切なものか否かを判断するには、実際にワークをためし成形加工する必要がある等、調整に時間がかかる。したがって、素材(ワークW)の板厚にばらつきがある場合には、隙間の調節は事実上不可能になる。
【0008】
また、図26(ダイD1と成形ローラR1との隙間の状態を示す図)に示すように、成形ローラR1の回転中心軸CL1の延伸方向における成形ローラR1の位置の調節(Δt3を0にするための調整)は、従来のコーナー成形機では考慮されておらず、ダイD1と成形ローラR1との間の隙間Δt5、Δt7を均一にすることは難しい。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、ダイと成形ローラとの協働によって、板状のワークの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに塑性変形をおこし、前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成するワークの角部成形装置において、ダイに対する成形ローラの位置を適正な位置に保つことにより、ワークに対して正確な加工を行うことができるワークの角部成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、ダイと成形ローラとの協働によって、板状のワークの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに塑性変形をおこし、前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成するワークの角部成形装置において、前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって、前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構を有するワークの角部成形装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、板状のワークを設置する平面を備えてこの平面の縁に角部が形成されているダイを設置するためのベース部材と、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して交差する方向に移動自在な移動部材と、前記移動部材に回転自在に設けられていると共に、前記移動部材の移動により前記ダイと協働して、前記角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに存在しているワークの部位に、前記ダイの平面に接している前記ワークの部位から所定の角度で前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成する塑性加工を行う成形ローラと、前記成形ローラを移動して前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって、前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構とを有するワークの角部成形装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、板状のワークを載置する平面を備えこの平面の縁に角部が形成されているダイを設置するためのベース部材と、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対してほぼ直交する方向に移動自在な移動部材と、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して直交する方向から眺めた場合、前記ダイの平面の展伸方向に延びて前記ダイの角部から離れている軸を回転中心にして前記移動部材に回転自在に設けられていると共に、前記ダイの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位と所定の僅かな距離を保ってほぼ平行に延びている線である縁線を、前記回転中心軸を中心にして回転したときに得られる面を備えた形状に形成されている成形ローラと、前記成形ローラを移動して前記ワークを成形するときに、前記ワークから受ける力によって前記成形ローラの姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構とを有するワークの角部成形装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のワークの角部成形装置において、前記成形ローラの姿勢を保ったまま、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面の展伸方向で前記ダイに対して接近離反する方向に、前記成形ローラを移動位置決め自在な成形ローラ調整機構を有するワークの角部成形装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のワークの角部成形装置において、前記調芯機構は、前記成形ローラのほぼ中心を通り前記移動部材の移動方向に延びている軸を中心にして、前記移動部材に対して回動する中間部材と、前記ベース部材に設置される前記ダイの平面に対して直交する方向から眺めた場合、前記ダイの角部近傍部位と前記成形ローラの縁部とが平行になるように、前記中間部材を付勢する付勢手段とを備えて構成されているワークの角部成形装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のワークの角部成形装置において、前記成形ローラは、この回転中心軸の延伸方向に僅かに移動可能なように設けられているワークの角部成形装置である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のワークの角部成形装置において、前記ダイに載置され、前記成形ローラの移動により成形された前記ワークの余剰部を、前記移動部材の移動による力を用いて切断する切断手段を有するワークの角部成形装置である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、加圧装置のフレームに一体的に設置されると共に、金属製の薄い板状のワークを載置する平面を備えこの平面の縁に角部を備えた板状のダイを直接的もしくは間接的に一体的に設置するベース部材と、前記加圧装置の可動体に一体的に設置され、前記ベース部材および前記ダイから離れ、前記フレームに設置された前記ダイの平面に直交する方向に移動自在である移動部材と、前記ダイから離れた側で移動部材に支持され、前記移動部材の移動方向に対して直交する方向であって前記ベース部材に設置された前記ダイの角部の角度を二等分する直線である二等分直線が延伸する方向で、前記移動部材に対して移動位置決め自在であると共に、前記二等分直線の上に中心軸が存在している円柱の側面の一部で形成された凹部を、前記ダイの角部に対向して備えた第1の中間部材と、前記ベース部材に設置された前記ダイの角部と前記第1の中間部材との間で前記角部から離れ前記第1の中間部材に係合していると共に、前記第1の中間部材の凹部と面接触することにより、前記第1の中間部材の凹部の前記中心軸を中心にして回動する第2の中間部材と、前記ベース部材に設置された前記ダイの平面の展伸方向であって前記二等分直線と直交する方向に延伸している軸であって前記ダイから離れた側で延伸している軸を回転中心にして、前記第2の中間部材に対して回転自在に設けられていると共に、前記ダイの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位と所定の僅かな距離を保ってほぼ平行に延びている線である縁線を、前記回転中心軸を中心にして回転したときに得られる面を備えて、互いの頂点が接している略対向円錐形状に形成されている成形ローラと、前記成形ローラを間にして前記ベース部材に設置された前記ダイとは反対側で、前記移動部材と前記第1の中間部材とを貫通して設けられた長孔であって、前記第1の中間部材の円柱側面状の凹部の円周方向に延びて設けられた長孔を貫通して、基端部が前記第2の中間部材に一体的に設けられ、フランジ部を備えた先端部側の部位が、前記移動部材から突出し、前記第2の中間部材の回動に応じて、前記長孔内を揺動自在である引っ張り部材と、前記第2の中間部材が前記第1の中間部材の凹部に押圧されるように、前記引っ張り部材のフランジ部と前記移動部材との間に設けられた弾性体とを有するワークの角部成形装置である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のワークの角部成形装置において、請求項8に記載のワークの角部成形装置において、前記第1の中間部材を、流体圧シリンダと弾性体とを用いて移動すると共に、前記ワークを成形するときに前記ワークから受ける力によって前記第1の中間部材の位置を自動的に調整する構成であるワークの角部成形装置である
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載のワークの角部成形装置において、前記ダイに載置され前記成形ローラの移動により成形された前記ワークの余剰部を、前記ダイと協働してせん断するための板状の切断刃を設置すると共に、前記ベース部材に設置されたダイに対して接近離反する方向に移動自在なせん断用移動部材と、前記せん断用移動部材を、前記せん断用移動部材に設置された切断刃が前記ワークから離れた位置から前記ワークに当接する位置まで移動するアクチュエータと、前記せん断用移動部材に一体的に設けられたカムの従動節と、前記移動部材に一体的に設けられ、前記ワークに当接している前記せん断刃で前記ワークの余剰部をせん断すべく、前記カムの従動節に係合して前記せん断用移動部材を移動させるカムの動節とを有するワークの角部成形装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ダイと成形ローラとの協働によって、板状のワークの角部およびこの角部の近傍の部位である角部近傍部位のところに塑性変形をおこし、前記角部近傍部位に沿い連続して立ち上がる側壁部を形成するワークの角部成形装置において、ダイに対する成形ローラの位置を適正な位置に保つことにより、ワークに対して正確な加工を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る加圧装置1の概略構成を示す斜視図であり、図4は、加圧装置1に設置されて使用されるワークの角部成形装置3の概略構成を示す斜視図である。
【0021】
なお、説明の便宜上、本実施形態では、水平方向の一方向(たとえば、加圧装置1、ワークの角部成形装置3の左右方向)をX軸方向とし、水平方向の一方向であってX軸方向に垂直な方向(たとえば、加圧装置1、ワークの角部成形装置3の前後方向)をY軸方向とし、鉛直方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0022】
ワークの角部成形装置3は、加圧装置(プレス機)1に設置されて、ダイ5と成形ローラ(フォーミングツール)7との協働により、特開2000−24717号公報で示した場合と同様に、図15に示すような板状のワークWの角部W1およびこの角部の近傍の部位W3である角部近傍部位W5のところに塑性変形をおこし、板状のワークWの中央部W11から角部近傍部位W5に沿い連続してほぼ直角に立ち上がる側壁部(起立部)W7を形成する装置である。
【0023】
より詳しく説明すると、まず、金属製の薄い矩形な板状の部材の角部近傍部位W5を除く4箇所の辺部W9を、図15(a)に示すように、ベンダー等を用いワークWの中央部W11に対して所定の幅(高さ)でほぼ直角に折り曲げる。
【0024】
そして、15(a)のようなワークWの角部近傍部位W5を、ダイ5と成形ローラ7とで挟み込んで成形し、図15(b)、(c)に示すような箱状の製品を形成するものである。
【0025】
ここで、加圧装置1について説明する。加圧装置1は、たとえば「C」字状に形成されたフレーム9を備え、フレーム9の凹部の下側の部位11に、ワークの角部成形装置3が載置され設置されるようになっている。加圧装置1は、フレーム9に対してZ軸方向に移動自在なスライド部材(可動体)13を、フレーム9の凹部の上側に備えており、このスライド部材13が移動することにより、成形ローラ7が移動し前述したワークWの加工がなされるようになっている。加圧装置1に設置されたワークの角部成形装置3では、ワークの角部成形装置3のベース部材(詳しくは後述)43が下側に位置し、ワークの角部成形装置3の移動部材(詳しくは後述)45が上側に位置し、ダイ5が前側に位置し、成形ローラ7がダイ5よりも後側に位置している。
【0026】
ここで、加圧装置1のスライド部材13を移動するための機構について説明する。
【0027】
図2は、加圧装置1のスライド部材13を移動するための機構の概略構成を示す図である。
【0028】
加圧装置1のスライド部材13の上側には、出力軸部材15がスライド部材13から離れて設けられている。出力軸部材15は、この外周部を支持されることによりフレーム9に回転自在に設けられていると共に、一般的なモータ17の回転出力軸19に連結されて回転するようになっている。また、出力軸部材15は、この回転中心軸(Z軸方向に延びた軸)CL1の下側の一端部から上側の他端部に向かって延びた孔21を中央部に備えている。なお、標準仕様の入手容易な一般的なモータ17は、筐体23とこの筐体23の一端部から円柱状の中実の回転出力軸19が突出しているモータである。
【0029】
出力軸部材15には、回転中心軸CL1と同じ軸を回転中心にして回転するナット25が一体的に設けられており、ナット25には、ネジ軸部材27が螺合している。ネジ軸部材27の一部は、出力軸部材15の孔21内に入り込んでいる。ネジ軸部材27は、出力軸部材15の回転によって、回転することなくZ軸方向にのみ移動するようになっている。スライド部材13は、リニアガイドベアリング28を介してフレーム9に対してZ軸方向に移動自在になっており、ネジ軸部材27に係合しており、出力軸部材15の回転によって、Z軸方向に移動するようになっている。
【0030】
さらに説明すると、出力軸部材15は、円柱状の大径部29と、この大径部29と同軸でしかも大径部29の軸方向の上側の一端部で大径部29に一体的に設けられた円柱状の小径部31とによって構成されている。また、出力軸部材15は、大径部29の下側端部から大径部29の上端部側に向かって延びた円柱状の孔21を中央部に備えている。孔21の長さは、大径部29の長さよりも短くなっている。また、大径部29の外周がベアリング(たとえばアンギュラベアリング)で支持されることにより、軸CL1の方向には移動しないようにして、軸CL1を回転中心にし、出力軸部材15がフレーム9に回転自在になっている。
【0031】
なお、出力軸部材15はアンギュラベアリングによって支持されているが、アンギュラベアリングに代えて、円錐コロ軸受け、または、円筒コロ軸受けもしくは深溝玉軸受けとスラストベアリングとを組み合わせたものを採用してもよい。
【0032】
なお、小径部31は、カップリング33等の連結部材を介してモータ17の回転出力軸19に連結されており、モータ17の回転出力軸19が回転することによって、出力軸部材15が回転するようになっている。また、前述したように、モータ17は、筐体23とこの筐体23の一端部から円柱状の中実の回転出力軸(外径が筐体23の外径に比べて十分に小さい回転出力軸)19が突出している市販の(汎用の;一般的な)モータ(たとえば、サーボモータ)であり、モータ17の筐体23がフレーム9に一体的に設けられている。また、モータ17は、回転出力軸19を下方に向け、出力軸部材15から離れて出力軸部材15の上側に配置され、出力軸部材15の回転中心軸CL1とモータ17の回転出力軸19の回転中心軸とは互いに一致している。
【0033】
ナット25は、大径部29の下側端部で出力軸部材15から離れる方向(下方)に延びて出力軸部材15に一体的に設けられており、軸CL1と同じ軸を回転中心にして回転するようになっている。なお、ナット25には、大径部29の孔21の内径よりも大きい外径のフランジ部35が設けられており、このフランジ部35がボルト等の締結具で大径部29に一体的に取り付けられている。
【0034】
ネジ軸部材27とナット25とは、たとえばボールネジを構成している。また、ネジ軸部材27の外径は、出力軸部材15の孔21の内径よりも小さくなっている。ネジ軸部材27の軸(出力軸部材15の軸CL1と一致した軸)方向の上端部側が出力軸部材15の孔21内に位置し、出力軸部材15とは反対側に位置しているナット25の先端部(下端部)から、ネジ軸部材27の軸方向の下端部側が延出しており、出力軸部材15の回転によってネジ軸部材27がスライド部材13と共に軸CL1方向(上下方向)に直線的に移動するようになっている。
【0035】
なお、ネジ軸部材27は、たとえば、スライド部材13に一体的に設けられており、ネジ軸部材27とスライド部材13とはいっしょに移動するようになっている。
【0036】
ネジ軸部材27の軸方向の長さL1は、出力軸部材15の孔21の深さL3とナット25の軸方向の長さL5との和よりもわずかに長くなっている。また、ネジ軸部材27は、ネジ軸部材27が小径部31に最も近づいた位置である第1の位置(図2に示す位置)と、ネジ軸部材27が小径部31から最も離れた位置である第2の位置(図2に示す位置よりも下の位置)との間で移動するようになっている。そして、前記第1の位置においては、出力軸部材15の孔21の底部(図2では孔21の上方に位置している底部)とネジ軸部材27の上端部とが互いに接近して、出力軸部材15の孔21がネジ軸部材27によってほぼ満たされていると共に、ネジ軸部材27の下端部とスライド部材13とがナット25に近づいている。
【0037】
また、前記第2の位置においては、出力軸部材15の孔21の底部とネジ軸部材27の上端部とが離れて、ネジ軸部材27の上端部とナット25とが互いに近づき、出力軸部材15の孔21内にはネジ軸部材27がわずかに存在しているだけであると共に、ネジ軸部材27の下端部とスライド部材13とがナット25から離れている。なお、前記第1の位置、第2の位置においても、ナット25の全長L5でネジ軸部材27の一部がナット25に螺合しており、前記第1の位置、第2の位置の間を移動することによって、スライド部材13は、ストロークS1で移動するようになっている。
【0038】
ここで、加圧装置1のスライド部材13を移動するための機構の変形例について説明する。
【0039】
図3は、加圧装置1のスライド部材13を移動するための機構の変形例を概略的に示す図である。
【0040】
図3に示す機構は、出力軸部材15Aに貫通孔21Aを設け、ギヤ37、39等を介しモータ17で出力軸部材15Aを回転する点が、図2に示す機構とは異なり、その他の点は、図2に示す機構とほぼ同様に構成されている。
【0041】
すなわち、図3に示す機構では、出力軸部材15Aが、円柱状の大径部29と円柱状の小径部31とによって構成されており、大径部29と小径部31との軸CL1方向に沿って延びた円柱状の貫通孔(内径が小径部31の外径よりも小さい貫通孔)21Aを中央部に備えている。小径部31には、ギヤ37または歯付きプーリ等の動力伝達部材が一体的に設けられており、前記動力伝達部材を介してモータ17の回転出力軸19に設けられたギヤ39または歯付きプーリ等の動力伝達部材に連動連結させており、モータ17の回転出力軸19が回転することによって、出力軸部材15Aが回転するようになっている。また、モータ17は、前述した一般的なモータであり、出力軸部材15Aの回転中心軸CL1とモータ17の回転出力軸19の回転中心軸CL3とは、互いに平行に延伸している。このように構成することで、図2に示すスライド部材13のストロークS1よりも長いスライド部材13のストロークS3を、装置のコンパクト化をはかりつつ容易に得ることができる。
【0042】
次に、ワークの角部成形装置3について詳しく説明する。
【0043】
図4は、前述したように、ワークの角部成形装置3の概略構成を示す斜視図であり、図5は、ワークの角部成形装置3の正面図であり、図4におけるV矢視図である。
【0044】
図6は、図5におけるVI矢視図であり、図7は、図6におけるVII矢視図であり、図8は、図6におけるVIII−VIII断面を示す図である。
【0045】
図9は、図5におけるIX−IX断面を示す図であり、図10は、図5におけるX−X断面を示す図であり、図11は、図7におけるXI−XI断面を示す図である。
【0046】
図12は、図6におけるXII−XII断面を示す図であり、図13は、図6におけるXIII−XIIIの部分的な断面を示す図であり、図14は、図6におけるXIV−XIV断面を示す図である。
【0047】
ワークの角部成形装置3は、前述したように、ダイ5と成形ローラ7との協働によって、ダイ5に設置された金属製の薄い板状のワークWの角部W1およびこの角部W1の近傍の部位W3である角部近傍部位W5のところ(図15参照)に塑性変形をおこし、角部近傍部位W5に沿い連続して立ち上がる側壁部W7を形成する装置である。
【0048】
ワークの角部成形装置3は、加圧装置1のフレーム9と、このフレーム9に対してZ軸方向に移動自在な可動体(スライド部材)13とに着脱自在なようにするために、ユニット化されていると共に、ワークWを成形するときにワークWから受ける力によって、成形ローラ7の姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構41を備えている。成形ローラ調芯機構41は、成形ローラ7を移動してワークWを成形するときにワークWから受ける力によって、成形ローラ7の姿勢(成形ローラ7の回転中心軸CL5方向の移動は含まない)を自動的に調整するようになっている。
【0049】
詳しく説明すると、たとえば、図5や図9に示すように、ワークの角部成形装置3は、ベース部材43と、移動部材45とを備えている。ベース部材43には、ダイ5が設置されるようになっており、また、ベース部材43は、加圧装置1のフレーム9に、ボルト等の締結部材を用いて容易に着脱自在になっている。ダイ5は、板状のワークWを設置する(載置する)平面(上面)5Aを備えこの上面5Aの縁に角部73が形成されている。
【0050】
移動部材45は、可動体13と共に移動すべく、加圧装置1の可動体13に、ボルト等の締結部材を用いて容易に着脱自在になっている。可動体13に設置された移動部材45は、ベース部材43に設置されるダイ5の上面5Aに対して交差する方向(たとえば、Z軸方向)に移動するものである。
【0051】
たとえば、ベース部材43に立設された円柱状のガイドポスト47とこのガイドポスト47に係合し移動部材45に一体的に設けられている円筒状のブッシュ49とを介して、移動部材45がベース部材43に係合している(図11参照)。そして、前述したように、移動部材45は、ベース部材43に設置されるダイ5の上面5Aに対して交差する方向(たとえば直交する方向であるZ軸方向)に移動自在になっている。そして、移動部材45が下方向に移動しても、ベース部材43からは離脱しないようになっている。なお、移動部材45が上方向に移動すれば、ベース部材43から容易に離脱するものである。
【0052】
前述したようにして、移動部材45がベース部材43に係合しているので、ワークの角部成形装置3を搬送する場合には、ベース部材43を下側に位置させて、ベース部材43のみに持ち上げのための力を加えればよいことになる。
【0053】
成形ローラ7は、移動部材45からは容易には離脱しないように移動部材45(より詳しくは、たとえば、後述するカムの動節119;図11、図12参照)に回転自在に設けられている。また、成形ローラ7は、移動部材45の移動により回転(ワークWと転がり対隅をなすことによって回転)しつつダイ5と協働して、ワークWの角部近傍部位W5に沿い連続して立ち上がる側壁部W7を形成する塑性加工を行うようになっている。
【0054】
より詳しくは、ダイ5に設置されたワークWの角部近傍部位W5のところに存在しているワークWの部位(ベース部材43に設置されるダイ5の上面5Aに載置されたワークWの部位であって、ダイ5の角部73(たとえば、図9参照)からオーバーハングしている部位)に、ダイ5の上面5Aに接しているワークWの平面状の部位W11から所定の角度で(たとえば、直角に)角部近傍部位W5に沿い連続して立ち上がる側壁部W7を形成する塑性加工を行うようになっている。
【0055】
また、図5や図6に示すように、ワークの角部成形装置3には、ダイ5に設置されたワークWがダイ5に対して固定されるようにワークWを仮クランプする仮クランプ装置51と本クランプ装置53とが設けられている。これらの各クランプ装置51、53も、ワークの角部成形装置3からは容易に離脱しないように設けられている。本クランプ装置53は、成形ローラ7で塑性加工を行うときに、仮クランプ装置51よりも大きな力で、ダイ5に設置されたワークWをクランプする装置である。
【0056】
仮クランプ装置51は、ダイ支持部材54を介してベース部材43に一体的に設置されたダイ5の上側で、X軸方向に延びて設けられているビーム55と、このビーム55に一体的に設けられたクランプ部材(ビーム55と同様にX軸方向に延びていると共にX軸方向の中央部でワークWに当接する部材)61とを備えて構成されている。ビーム55は、ベース部材43に立設されている円柱状のポスト57に、ブッシュ(ビーム55に一体的に設けられたブッシュ)59を介して係合し、Z軸方向に移動自在になっており、空気圧シリンダ63等のアクチュエータでZ軸方向に移動するようになっている。そして、クランプ部材62でワークWを仮クランプすることができるようになっている。
【0057】
本クランプ装置53は、円柱状のポスト64を備えて構成されている。ポスト64は、移動部材45に一体的に設けられたブッシュ65を介して移動部材45に係合し、Z方向に移動自在になっている。ポスト64の下側の部位は、移動部材45よりも下方に突出しており、ポスト64の上側の部位は、移動部材45よりも上方に突出している。ポスト64の下部は、クランプ部材61に当接し、ビーム55(クランプ部材61)の上下動により、ポスト64も上下動するようになっている。
【0058】
ポスト64は少なくとも2本設けられており、1本は、X軸方向で移動部材45(ビーム55;クランプ部材61)の一端部側(図6の右側)に位置しており、他の1本は、X軸方向で移動部材45の他端部側(図6の左側)に位置している。
【0059】
また、本クランプ装置53は、加圧装置1の可動体13に設けたリング状のシリンダ66により(図2参照)、ワークWを本クランプするようになっている。
【0060】
より詳しく説明すると、図2に示すように、加圧装置1に設置されたワークの角部成形装置3のポスト64が設けられている可動体13の位置には、貫通孔67が設けられており、各貫通孔67にポスト64の上側の部位が入り込むようになっている。
【0061】
シリンダ66は、軸CL1を中心としたリング状(円環状)のピストン69を備えている。ピストン69の円周の箇所に各貫通孔67が位置している。ピストン69の上部の空間71には、図示しない配管を介して図示しない供給源から油圧もしくは空気圧等の圧縮された流体が供給されるようになっている。空間71に圧縮流体が供給されることにより、ピストン69は下方向に付勢されるようになっている。なお、空間71に供給される圧縮流体が、油圧等の非圧縮性流体である場合には、前記配管にリリーフバルブが設けられている。
【0062】
仮クランプ装置51で仮クランプがされ空間71に圧縮流体を供給してある状態で、可動体13が下降すると、ポスト64を介して、クランプ部材61に下向きの力が加わり、ワークWが本クランプされるようになっている。
【0063】
シリンダ66をリング状に形成したことにより、ナット25等の干渉を避けて、シリンダ66を設置することができたものである。また、クランプ部材61のX軸方向の両側(図6の右側、左側)で、各ポスト64がクランプ部材61を下方向に押すので、ワークWをクランプ部材61でバランス良く本クランプすることができる。なお、Y方向において、各ポスト64の位置は、クランプ部材61がワークWに当接する位置とほぼ一致している。
【0064】
また、ポスト64を1本だけ設けた構成にしてもよい。この場合、ポスト64は、X軸方向およびY軸方向においてクランプ部材61がワークWに当接する位置とほぼ同じ位置に設けられるものとし、環状のシリンダ66の代わりに通常の形態のシリンダを1本用いて、ポスト64を押すものとする。
【0065】
ここで、ワークの角部成形装置3についてより詳しく説明する。
【0066】
ダイ5は、平面(上面)5Aを備え、この上面5Aに対して直交する方向(Z軸方向)から眺めると、図15(a)の形状のワークWを図15(b)に示す形状に形成するための角部73が、上面5Aの縁に形成されている(図9参照)。この角部73は、互いが交差する2本の直線75、77の交差部位に形成されている。この交差部位は、直線が急激に折れ曲がって形成されていてもよいが、本実施形態では、直線が急激に折れ曲がって形成されているのではない。すなわち、2本の直線75、77の間には、所定の半径を備えた円弧状の部位79が形成されており、この円弧状の部位79を間にして角部73の形状が緩やかに移行している。また、少なくとも角部73およびこの角部73の近傍の部位である角部近傍部位81では、ダイ5の上面5Aに対してほぼ直交する側面83(図8参照)が形成されている。
【0067】
成形ローラ7は、ベース部材43に設置されるダイ5の上面5Aに対して直交する方向(Z軸方向)から眺めた場合、ダイ5の上面5Aと平行であって(上面5Aの展伸方向に延びていて)ダイ5の角部73から離れている軸CL5を回転中心にして、移動部材45に回転自在に設けられている(図12参照)。
【0068】
また、成形ローラ7は、ダイ5の角部73およびこの角部73の近傍の部位である角部近傍部位81(ワークWの角部近傍部位W5に対応した部位)と所定の僅かな距離(ワークWの厚さとほぼ等しい距離)を保ってほぼ平行に延びている線(互いが交差する2本の線分85、87とこの2本の線分85、87間の円弧状の曲線89とで形成された線)である縁線83を、回転中心軸CL5を中心にして回転したときに得られる面を備えた形状に形成されている(図12参照)。
【0069】
調芯機構41は、たとえば、図12に示すように、成形ローラ7のほぼ中心を通り移動部材45の移動方向(Z軸方向)に延びている軸CL7をたとえば中心にして、移動部材45に対して回動する中間部材91と、付勢手段93とを備えて構成されている。付勢手段93は、Z軸方向から眺めた場合、ダイ5の角部近傍部位81と成形ローラ7の縁部(縁線83)とが互いに平行になるように、中間部材91を付勢するようになっている。
【0070】
また、ワークの角部成形装置3には、成形ローラ調整機構94が設けられている。成形ローラ調整機構94は成形ローラ7の姿勢を保ったまま、(Z軸方向から眺めた場合における、角部近傍部位81と成形ローラ7の縁線83との間の平行度をほぼ保ったまま、また、成形ローラ7の回転中心軸CL5がダイ5の上面5Aとほぼ平行に延伸している状態を保ったまま、)成形ローラ7をダイ5に対して接近離反する方向(Y軸方向)に移動位置決め自在な機構である。
【0071】
また、成形ローラ7は、ローラベアリング96等の軸受けを介して、移動部材45(より詳しくは、後述するカムの動節119)に支持されており、回転中心軸CL5の延伸方向に僅かに移動することができるように構成されている。この場合において、Z軸方向から眺めた場合、角部近傍部位81のうちの一方の側の直線状の部位とこの一方の部位に対向している成形ローラ7の縁部との間の距離と、角部近傍部位81のうちの他方の側の直線状の部位とこの他方の部位に対向している成形ローラ7の縁部との間の距離とが互いにほぼ等しくなるようにすべく、すなわち、図26に示すΔt5とΔt7とがほぼ等しくなるようにすべく、成形ローラ7をこの回転中心軸CL5方向に付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0072】
また、ワークの角部成形装置3には、ダイ5に載置され成形ローラ7の移動により成形されたワークWの余剰部W13(図15(b)参照)を、移動部材45の移動による力を用いて切断する切断手段99が設けられている(図5参照)。
【0073】
ワークの角部成形装置3について、さらに詳しく説明する。
【0074】
ダイ5は、たとえば所定の厚さを備えた矩形な平板状に形成されている。板状のワークWを載置する上面5Aは、ダイ5の厚さ方向の一方の面で形成されるものである。また、ダイ5の角部73の先端部は、前述したように、急激に折れ曲がっているのではなく、たとえば、所定の半径を備えた円弧状の面取りが形成されている(図5、図9参照)。なお、ベース部材43は、板状に形成されているので、ダイ5は、ダイ支持部材54を介して間接的にベース部材43に設置されるようになっているが、ベース部材43の形態を変更して、ベース部材でダイ5を直接的に支持してもよい。
【0075】
移動部材45は、加圧装置1の可動体13に一体的に設置され、前述したように、Z軸方向に移動自在になっている。より詳しく説明すると、移動部材45は、所定の厚さを備えた矩形な平板状の上側部材100と、「コ」字状に形成され上側部材100に一体的に設けられた下側部材102とで構成されている(図8参照)。
【0076】
移動部材45には、図12に示すように、成形ローラ調整機構94を構成している中間部材95が設けられている。中間部材95は、ベース部材43に設置されたダイ5の角部73に対してダイ5から離れた側で移動部材45に支持されている。また、中間部材95は、移動部材45の移動方向(Z軸方向)に対して直交する方向であってベース部材43に設置されたダイ5の角部73の角度を二等分する直線である二等分直線L7(図9、図12参照)が延伸する方向(X軸方向)で、ボルト等の部材98を用いることにより、移動部材45に対して移動位置決め自在になっている。また、中間部材95は、二等分直線L7の上に中心軸(たとえば中心軸CL7)が存在している円柱の側面の一部で形成された凹部97を、ダイ5の角部73に対向して備えている。
【0077】
また、移動部材45には、たとえば、図12に示すように、中間部材91が設けられている。中間部材91は、ベース部材43に設置されたダイ5の角部73(成形ローラ7)と中間部材95との間で角部73から離れ移動部材45に支持され中間部材95に係合している。各中間部材91、95は、移動部材45の下側部材102の内側に設けられ、ストッパー104により、移動部材45から落下しないようになっている(図8参照)。
【0078】
さらに、中間部材91は、中間部材95の凹部97に面接触し滑り対隅をなすことにより、中間部材95の凹部97の中心軸CL7を中心にして回動するようになっている。このように回動することで、図12に示す成形ローラ7は、Z軸方向に延びた軸CL7を中心に回動し、成形ローラ7が姿勢を変えることができるようになっている。なお、前記滑りにおける摩擦力を低減するために、凹部97と中間部材91との間にグリース等の潤滑剤が存在していることが望ましい。また、潤滑剤に代えてもしくは加えて、凹部97等に摩擦低減のための表面処理を施してもよい。さらには、中間部材91と中間部材95とを転がり接触させる構成にしてもよい。
【0079】
中間部材91が、図12に示すように、デフォルトな姿勢である場合には、成形ローラ7の回転中心軸CL5は、ダイ5の角部73に対してダイ5から離れた側でX軸方向に延びて、二等分直線L7に対して直交する方向に延伸している。なお、成形ローラ7は、既に理解されるように、互いの頂点が接している略対向円錐形状に形成されている。
【0080】
ワークWの成形をすべく、成形ローラ7は、移動部材45の移動によりダイ5の上面5Aを間にして上面5Aの一方の側(上側)と上面5Aの他方の側(下側)との間をZ軸方向で移動するようになっている。なお、すでに理解されるように、成形ローラ7の各円錐は、互いが等しい形状をしている。しかし、成形ローラの回転中心軸CL5の延伸方向がダイ5の上面5Aに平行であれば、成形ローラの回転中心軸が他の方向(X軸方向とY軸方向の成分を含んだ方向)に延伸していてもよい。この場合、成形ローラの2つの円錐の各頂角の角度が互いに異なることになる。
【0081】
付勢手段93は、引っ張り部材101と、弾性体(たとえば圧縮コイルバネ)103とで構成されている(図13(a)参照)。引っ張り部材101は、貫通孔105を貫通して設けられている。貫通孔105は、図13(b)(図13(a)におけるXIII矢視図)に示すように、X軸方向(中間部材95の円柱側面状の凹部97の円周方向)に延びた長い孔である。貫通孔105は、成形ローラ7を間にしてベース部材43に設置されたダイ5とは反対側(移動部材45の後側)で、移動部材45(下側部材102)と中間部材95とを貫通して設けられている。
【0082】
円柱状の引っ張り部材101は、この基端部が中間部材91に一体的に設けられ、フランジ部107を備えた先端部側の部位が、移動部材45から突出し、中間部材95の回動に応じて、長孔105内を揺動自在になっている。また、弾性体103は、たとえば圧縮バネで構成されており、中間部材91が中間部材95の凹部97に押圧されるように(図13(a)において、中間部材91が上方に移動するように)、引っ張り部材101のフランジ部107と移動部材45との間に設けられている。
【0083】
ところで、図15(a)で示すワークWを図15(b)に示す形状に加工するためには、すでに理解されるように、ダイ5の上面5AにワークWの面W11が接触し、ワークWの角部近傍部位W5がダイ5の角部近傍部位81のところに位置し、図15(a)の面W1よりも下側に曲がっている部位が、ダイ5の下側に位置するようにして、ワークWをダイ5に載置する必要がある。そして、ダイ5と成形ローラ7とでワークWを挟み込んで、成形加工がなされる。また、図15(a)で示すワークWを図15(b)に示す形状に加工するためには。ワークWの4つの角部において、成形加工を行う必要がある。
【0084】
ここで、切断手段99について詳しく説明する。
【0085】
切断手段99は、せん断用移動部材109を備えて構成されている(図5参照)。せん断用移動部材109は、リニアガイドベアリング111を介してベース部材43に支持されており、成形ローラ7の下側で、ベース部材43に設置されたダイ5に対して接近離反する方向(たとえば、Y軸方向)に、移動自在になっている。
【0086】
また、せん断用移動部材109には、ダイ5に載置され成形ローラ7の移動により成形されたワークWの余剰部W13(図15(b)、図8、図20(a)参照)を、ダイ5と協働してせん断するための板状の切断刃113を設置することができるようになっている。
【0087】
ワークWの余剰部W13の切断(せん断)は、ダイ5の下面5Bと切断刃113の上面113Aとが協働して、なされるようになっている。
【0088】
また、せん断用移動部材109は、アクチュエータ(たとえば空気圧シリンダ)115により、せん断用移動部材109に設置された切断刃113がワークWから離れた位置(図5に示す位置)からワークWに当接する位置まで移動するようになっている。
【0089】
せん断用移動部材109には、斜面117Aを備えたカムの従動節117が、一体的に設けられている。移動部材45には、斜面119Aを備えたカムの動節119が一体的に設けられている。そして、ダイ5と成形ローラ7との協働によりワークWの成形加工が終了し余剰部W13が残っており、図5に示すように、移動部材45(成形ローラ7)が上昇しており、せん断用移動部材109を図5の左方向に移動し切断刃113がワークWに当接している状態で、移動部材45を下降すると、カムの従動節117の斜面117Aに、カムの動節119の斜面119Aが当接し、強い力で切断刃113をさらに左方向に移動し、ワークWの余剰部W13のせん断がなされるようになっている。
【0090】
なお、各斜面117A、119Aの間の摩擦力を低減するために、各斜面117A、119Aにグリース等の潤滑剤が存在していることが望ましい。また、潤滑剤に代えてもしくは加えて、各斜面117A、119Aに摩擦低減のための表面処理を施してもよい。さらには、各斜面117A、119Aとを転がり接触させる構成にしてもよい。
【0091】
また、図9に示すように、切断刃113は、ダイ5の角部73と対応した「V」字状の角部121を備えて板状に形成されている。そして、切断刃113の上面113Aがダイ5の平面(下面)5Bと平行で平面5Bに直角な方向でごく僅かに離れた状態を維持ししたまま、せん断用移動部材109に設置された切断刃113がベース部材43に対して移動し、ワークWの余剰部W13をせん断するようになっている。
【0092】
なお、図15(b)に示す側壁部W7の高さh1にあわせて、ダイ5の厚さt2、切断刃113の上面113Aの高さ位置が調整されるものである(図5参照)。
【0093】
また、図14(ワークWの突き当て部の概略構成を示す図)に示すように、ワークWをダイ5に載置する際、ワークWの位置決めを行うための突き当て部材(円柱状の突き当てピン)123が、ダイ支持部材54に設けられている。突き当て部材123は、ダイ支持部材54に一体的に設けられたピン支持部材125に対して、揺動自在な揺動部材127の先端部に立設されており、調整ネジ129により、位置を微調整することができるようになっている。
【0094】
なお、ダイ5と成形ローラ7との協働によって成形加工がなされる前のワークとして、図15(a)に示すものに代えて、図16に示すような、のコーナー(角部)に非対称の曲げ加工がなされているワークを採用してもよい。
【0095】
次に、加圧装置1に設置されたワークの角部成形装置3の動作について説明する。
【0096】
初期状態を、図5や図8に示すように、移動部材45が上昇しており、せん断用移動部材109が後退しており、図15(b)に示すワークWが所定の姿勢で位置決めされてダイ5に載置されており、シリンダ66の空間71に油圧が供給されている状態とする。
【0097】
この初期状態において、加圧装置1の制御装置(図示せず)の制御の下、クランプ部材61が下降しワークWを仮クランプする。
【0098】
続いて、可動体13を下降すると、この下降中(成形ローラ7がワークWに当接する前)に、ポスト64の上部が、シリンダ66のピストン69に当接し、ポスト64を介してクランプ部材61が下方に押され、ワークWが本クランプされる。
【0099】
ワークWが本クランプされている状態を維持したまま、可動体13がさらに下降すると、成形ローラ7がワークWに当接し、成形ローラ7とダイ5との間にワークWが挟まれ、図15(b)に示すように、ワークWのコーナーの成形が行われる。なお、図8に示すPS1は、成形ローラ7で成形がなされる前のワークWの位置を示し、図8に示すPS3は、成形ローラ7で成形がなされた後のワークWの位置を示す。
【0100】
続いて、ワークWをクランプ(本クランプでもよいし、仮クランプでもよい)したまま、可動体13が上昇する。可動体13の上昇高さは、余剰部W13のせん断がなされる際に、切断刃113やせん断用移動部材109やカムの従動節117等と、移動部材45やカムの動節119等とが互いに干渉しない高さとする。
【0101】
次に、ワークWをクランプ(本クランプでもよいし、仮クランプでもよい)したまま、せん断用移動部材109を前進させ、切断刃113をワークWに当接させ、可動体13を下降しワークWを本クランプした状態で、カムの従動節117にカムの動節119を係合させ、せん断用移動部材109をさらに前進して、ワークWの余剰部W13を切断して除去する。
【0102】
続いて、可動体13を上昇させ、せん断用移動部材109を後退させ、ワークWをダイ5に載置しなおし、ワークWの他のコーナーの成形を同様に行う。
【0103】
加圧装置1によれば、出力軸部材15が一般的なモータ17の回転出力軸19に連結されて回転するようになっているので、モータ17のメンテナンスが必要な場合、モータ17のみを取り外してメンテナンスを行えばよく、メンテナンスが容易になっている共に、モータ17から発生する熱の影響を極力小さくすることができる。
【0104】
また、加圧装置1によれば、ネジ軸部材27が出力軸部材15の孔21に入り込んでいるので、たとえばこの入り込んでいる分だけ装置をコンパクト化することができる。すなわち、図24(従来の加圧装置の概略構成を示す図)における寸法L11の長さだけ、装置の高さを低くすることができる。
【0105】
ワークの角部成形装置3によれば、ワークの角部成形装置3がユニット化されているので、多種類のワークを加工することが容易でありワークの形態の種類が多くなっても、ワークの角部成形装置3の交換に必要な加圧装置1の停止時間を短縮することができ、加圧装置1の稼働率が低下することを抑制することができる。
【0106】
また、ワークの角部成形装置3が故障した場合であっても、故障したワークの角部成形装置3を他のワークの角部成形装置に交換することが容易であるので、加圧装置1の停止時間を短くすることができ、稼働率を向上させることができる。
【0107】
さらに、ユニット化されているワークの角部成形装置3を他の金型に交換することで、加圧装置1を適宜のプレス装置として使用することが容易になっている。
【0108】
また、ワークの角部成形装置3によれば、成形ローラ7の姿勢を自動的に調整する成形ローラ調芯機構41を備えているので、成形ローラ7の姿勢の調整を作業者が行う必要がなく、ワークWを加工する際にダイ5に対する成形ローラ7の姿勢や位置を、図17(成形ローラ7の挙動等を示す図)に示すように、適正な位置に保つことができ均一な力をワークWに加えることができ、ワークWに対して正確な加工を行うことができる。なお、図17における「t1」は、平面視におけるダイ5と成形ローラ7との間の隙間を示し、各矢印AR1、AR3は、成形ローラ7の挙動を示している。
【0109】
また、ワークの角部成形装置3によれば、成形ローラ7をダイ5に対して接近離反する方向(Y軸方向)に移動位置決め自在な成形ローラ調整機構94を備えているので、ワークWの板厚が変わった場合であっても、成形ローラ7の位置(ダイ5と成形ローラ7との間の隙間)を容易に調整することができ、正確な加工を行うことができる。
【0110】
また、ワークの角部成形装置3によれば、成形ローラ7が、この回転中心軸CL5の延伸方向に僅かに移動可能なように設けられているので、調芯機構41での成形ローラ7の姿勢の調整に加えて、成形ローラ7のさらなる位置の調整を自動的に行うことができ、ワークWの正確な加工を行うことができる。
【0111】
さらに、ワークの角部成形装置3によれば、ダイ5と成形ローラ7との協働により加工されたワークWの余剰部W13を、移動部材45の移動による力を用いて切断するようになっているので、ワークWの余剰部W13を切断するための大推力の駆動源を別途設ける必要がなく、装置の構成が簡素になっている。
【0112】
ところで、ワークの角部成形装置3では、ダイ5に対して、成形ローラ7の位置や姿勢が変わるようになっているが、図18(ワークの角部成形装置の変形例を示す図)に示すように、成形ローラ7が、X軸方向にのみ僅かに移動し、ダイ5が、軸CL9を中心にして僅かに回動し、前後方向(Y軸方向)に僅かに移動するように構成してもよい。また、図19(ワークの角部成形装置の変形例を示す図)に示すように、ダイ5が、軸CL9を中心にして僅かに回動し、前後方向(Y軸方向)に僅かに移動し、X軸方向にのみ僅かに移動するように構成してもよい。
【0113】
また、ワークの角部成形装置3では、図20(a)に示すように、成形ローラ7とダイ5とにより、ワークWにほぼ直角な側壁部W7を形成しているが、図20(b)に示すように、成形ローラ7とダイ5とにより、ワークWに直角以外の側壁部W7を成形してもよい。なお、図20(b)に示す角度「θ」は、鈍角であることが望ましい。
【0114】
また、ワークの角部成形装置3では、図21(ワークの角部成形装置3の変形例を示す平面図)に示すように、ダイ5をインデックス位置決めし、ワークWの各コーナーに順に成形加工を施してもよいし、図22に示すように、ダイ5をインデックス位置決めすると共に、ワークWの各コーナーのうち2つのコーナーづつ順に成形加工を施してもよいし、さらに、図23に示すように、ワークWの総てのコーナーに同時に成形加工を施してもよい。
【0115】
さらに、ワークの角部成形装置3では、各中間部材91、95を円柱側面状の面で面接触させて、成形ローラ7の姿勢を変えるようにしているが、各中間部材91、95を球面(球面の一部を用いて形成された面)で互いに面接触させて、成形ローラ7の姿勢を変えるようにしてもよい。
【0116】
ところで、図12に示した態様では、ボルト98を用いて、中間部材95を移動位置決めしているが、図27に示すように、流体圧シリンダ(単動シリンダ)151、段付きボルト155、弾性体の例である圧縮コイルバネ157を用いて中間部材95を移動するようにしてもよい。
【0117】
流体圧シリンダ151は、中間部材95に一体的に設けられたピストン152を備えており、ピストン152の一方の側(中間部材95とは反対側)には、空間153が形成されており、ピストン152の他方の側(中間部材95側)には、空間159が形成されている。空間159は、図示しない流路を介して大気に開放されており、空間153には、図示しない流路を介して図示しない油圧ポンプ等の油圧発生装置からたとえば油圧が供給されるようになっている。
【0118】
空間153に油圧が供給されると、中間部材95(成形ローラ7)は、ダイ5に近づく方向(図27の上方向)に移動する。一方、空間153への油圧の供給が停止され空間153の圧力がたとえば大気圧程度まで下がると、圧縮コイルバネ157で逆方向(図27の下方向)に付勢されているので、中間部材95(成形ローラ7)は、ダイ5から遠ざかる方向(図27の下方向)に移動するようになっている。
【0119】
すなわち、空間153に油圧が供給されると、図27に示す寸法t11が「0」になるまで、ピストン152が上方に移動し、空間153の圧力がたとえば大気圧程度まで下がると、図27に示す寸法t13が「0」になるまで、ピストン152が下方に移動するようになっている。
【0120】
なお、成形ローラ7がワークWで押圧されたときに(ワークを成形するときにワークから受ける力によって)、成形ローラ7(中間部材95)の位置が変化し、中間部材95の位置が自動的に調整されるようにするために、空間153に供給されている油圧の圧力を、アキュムレータまたはリリーフ弁等を用いて調整することができるようになっている。
【0121】
次に、図27に示す構成で、中間部材95を移動調整する動作について説明する。
【0122】
まず、加工するワークがダイ5の上にセットされており、また、空間153に油圧が供給されておらず、中間部材95(成形ローラ7)は図27の下側に位置し、寸法t13は「0」になっている。すなわち、成形ローラ7は後退端で停止しているものとする。
【0123】
続いて、空間153に油圧を供給すると、中間部材95(成形ローラ7)は図27の上側に移動し、寸法t11は「0」になる。すなわち、成形ローラ7は前進端で停止する。
【0124】
なお、成形ローラ7が後退端で停止している状態では、ダイ5と成形ローラ7との間の距離(図17の寸法t1)は、ワークの厚さよりも大きくなっており、成形ローラ7が前進端で停止している状態では、ダイ5と成形ローラ7との間の距離(図17の寸法t1)は、ワークの厚さの半分程度になっている。たとえば、ワークの板厚が0.8mmである場合には、成形ローラ7が前進端で停止している状態における寸法t1(図17の寸法t1)は、0.4mm〜0.6mm程度になっている。
【0125】
続いて、成形ローラ7が下降して、成形ローラ7がワークに当接すると、ワーク成形中にワークから受ける力によって、空間153に油圧が供給されているにもかかわらず、成形ローラ7(中間部材95)が、図27の下方向に適宜移動し中間部材の位置が自動的に調整され、ワークの加工がなされる。すなわち、ワークに所定の押圧力を加えながら、ワークの成形加工がなされる。
【0126】
成形ローラ7がさらに下降しワークの成形が終了すると、空間153への油圧の供給を停止し、バネ157によって成形ローラ7を後退させ、成形ローラ7を上昇させる。このとき、成形ローラ7が後退しているので、成形ローラとワークとの接触を避けることができ、ワークへの傷付きを防止することができる。
【0127】
なお、流体圧シリンダを用いて、中間部材95を図27の下方向に移動し、弾性体を用いて中間部材95を図27の上方向に移動する構成であってもよい。
【0128】
また、図28に示すように、流体圧シリンダ151を、X軸方向で2つ並べた構成であってもよい。この場合、ボルト155や圧縮コイルバネ157は、各流体圧シリンダ151の間に設ければよい。さらには、流体圧シリンダ151を用いる代わりに、バネ等の弾性体を用いた構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施形態に係る加圧装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】加圧装置のスライド部材を移動するための機構の概略構成を示す図である。
【図3】加圧装置のスライド部材を移動するための機構の変形例を概略的に示す図である。
【図4】加圧装置に設置されて使用されるワークの角部成形装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】ワークの角部成形装置の正面図であり、図4におけるV矢視図である。
【図6】図5におけるVI矢視図である。
【図7】図6におけるVII矢視図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII断面を示す図である。
【図9】図5におけるIX−IX断面を示す図である。
【図10】図5におけるX−X断面を示す図である。
【図11】図7におけるXI−XI断面を示す図である。
【図12】図6におけるXII−XII断面を示す図である。
【図13】図6におけるXIII−XIIIの部分的な断面を示す図である。
【図14】図6におけるXIV−XIV断面を示す図である。
【図15】ワークの概略構成を示す斜視図であり、(a)は、ワークの角部成形装置で加工される前のワークの形態を示し、(b)は、ワークの角部成形装置で加工されたワークの形態を示し、(c)は、(b)に示すワークを裏側から眺めた図である。
【図16】ワークの変形例を示す図である。
【図17】成形ローラ7の挙動等を示す図である。
【図18】ワークの角部成形装置の変形例を示す図である。
【図19】ワークの角部成形装置の変形例を示す図である。
【図20】ワークの成形加工の変形例を示す図である。
【図21】ワークの角部成形装置の変形例を示す平面図である。
【図22】ワークの角部成形装置の変形例を示す平面図である。
【図23】ワークの角部成形装置の変形例を示す平面図である。
【図24】従来の加圧装置のスライド部材を移動するための機構の概要を示す図である。
【図25】ダイと成形ローラとの隙間の状態を示す図である。
【図26】ダイと成形ローラとの隙間の状態を示す図である。
【図27】図6に対応した断面図であり、ワークの角部成形装置の変形例を示す断面図である。
【図28】図6に対応した断面図であり、ワークの角部成形装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 加圧装置
3 ワークの角部成形装置
5 ダイ
5A ダイの上面(平面)
7 成形ローラ
9 フレーム
13 スライド部材(可動体)
15、15A 出力軸部材
17 モータ
19 回転出力軸
21 孔
21A 貫通孔
25 ナット
27 ネジ軸部材
29 大径部
31 小径部
41 成形ローラ調芯機構
43 ベース部材
45 移動部材
51 仮クランプ装置
53 本クランプ装置
73 ダイの角部
81 ダイの角部近傍部位
91、95 中間部材
93 付勢手段
94 成形ローラ調整機構
97 凹部
99 切断手段
105 貫通孔
109 切断用移動部材
113 切断刃
117 カムの従動節
119 カムの動節
W ワーク
W1 角部
W5 角部近傍部位
W7 側壁部
W11 中央部
L7 二等分直線
【出願人】 【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
【識別番号】591193336
【氏名又は名称】株式会社アマダプレステック
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−18445(P2008−18445A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191539(P2006−191539)