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【発明の名称】 曲面加工方法及びその装置
【発明者】 【氏名】辻出 元秋

【氏名】徳武 利洋

【要約】 【課題】金属板材の曲面加工について、加工精度を高めることができ、生産性を向上できる曲面加工方法及びその装置を提供すること。

【構成】円柱の外周曲面の一部である断面円弧状の曲面21を備えて基体に固定された固定曲面型20と、固定曲面型20の曲面21上を移動可能且つ転動可能に固定曲面型20と軸心同士が平行に配された円柱状の移動ロール30との間に、金属板材10を挟み、その金属板材10が固定曲面型20の曲面真上に押し当てられるように、移動ロール30を押圧しつつ転動可能に移動させ、その金属板材10を固定曲面型20の曲面21に倣わせて曲げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板材の少なくとも一部をR曲げする曲面加工方法であって、
柱の外周曲面の一部である断面曲線状の曲面を備えて基体に固定された固定曲面型と、該固定曲面型の曲面上を移動可能且つ転動可能に前記固定曲面型と軸心同士が平行に配された円柱状の移動ロールとの間に、前記金属板材を挟み、
前記金属板材が前記固定曲面型の曲面上に押し当てられるように、前記移動ロールを押圧しつつ転動可能に移動させ、前記金属板材を前記固定曲面型の曲面に倣わせて曲げることを特徴とする曲面加工方法。
【請求項2】
前記柱の外周曲面が円柱状の外周曲面である前記固定曲面型であって、該固定曲面型の軸心と、前記移動ロールが前記固定曲面型の曲面上を移動するための回動中心の軸心とが同一線上にあることを特徴とする請求項1記載の曲面加工方法。
【請求項3】
金属板材の少なくとも一部をR曲げする曲面加工装置であって、
円柱の外周曲面の一部である断面円弧状の曲面を備えて基体に固定された固定曲面型と、
該固定曲面型の曲面上を移動可能且つ転動可能に前記固定曲面型と軸心同士が平行に配された円柱状の移動ロールと、
該移動ロールを転動可能に保持して前記固定曲面型の曲面上を移動させるべく回動可能に、前記固定曲面型の軸心と回動中心の軸心とが同一線上に設けられた回動アームと、
該回動アームを回動させることで前記移動ロールを前記固定曲面型の曲面上で移動させる回動駆動手段と、
前記回動アームに保持されて前記移動ロールを前記固定曲面型の曲面へ押し当てるように押圧するロール押圧手段と、
前記金属板材を、前記固定曲面型と前記移動ロールとの間に位置させて曲面加工可能に固定するワーク固定手段とを具備することを特徴とする曲面加工装置。
【請求項4】
前記ロール押圧手段が、前記移動ロールの長手方向に間隔をおいて配された複数のシリンダ装置であることを特徴とする請求項3記載の曲面加工装置。
【請求項5】
前記移動ロールが、前記シリンダ装置のピストンロッドの先端部で円周方向に間隔をおいて配された複数のベアリングによって転動可能に受けられていることを特徴とする請求項4記載の曲面加工装置。
【請求項6】
前記ワーク固定手段が、金属板材の一端部を複数のシリンダ装置の押圧力によって挟んで固定する挟持機構であることを特徴とする請求項3、4又は5記載の曲面加工装置。
【請求項7】
前記固定曲面型が、前記基体に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の曲面加工装置。
【請求項8】
前記固定曲面型の長手方向の両端に軸部が設けられ、該軸部が前記基体に設けられた被係合部に受けられることで、前記固定曲面型が着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項7記載の曲面加工装置。
【請求項9】
前記固定曲面型は、前記軸部が前記被係合部に押圧されることで固定状態が維持されるように、固定曲面型の装着用押圧機構を備えることを特徴とする請求項8記載の曲面加工装置。
【請求項10】
前記固定曲面型の曲面にかかるR径を板厚分大きくして調整可能に、該曲面に沿って被覆する断面円弧状の曲面調整板が着脱可能に設けられていることを特徴とする3、4、5、6、7、8又は9記載の曲面加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、金属板材の少なくとも一部をR曲げする曲面加工方法及び曲面加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属板材に曲面加工(R曲げ)を施す方法としては、プレスブレーキや、ロールベンダーを用いる方法がある。プレスブレーキを用いる方法にあっては、金属板材を上下の型で挟んでプレスすることで、曲面が形成される。また、ロールベンダーを用いる方法にあっては、金属板材をロールの間に挟んで送ることで、曲面が形成される。なお、ロールベンダーには、3本のロールを備えるものが一般的であるが、2本のロールによるものもある。
【0003】
しかし、プレスブレーキによって金属板材のR曲げを施す場合は、金属板材を型に対して少しずつずらして連続曲面を形成する作業が行われる。これによれば、非連続加工の繰り返しによって連続曲面を得ることとなり、加工ムラが発生し易く、加工精度を向上できない。また、生産性を向上させることも難しい。
また、ロールベンダーにあっては、金属板材の送り方向に直交する幅方向について均一に加工することが難しく、製品にそりや縁波という問題が発生し易い。また、ロール間隔等の調整作業は極めて難しく、生産性を向上できなかった。
【0004】
これに対し、2本のロールによる装置としては、互いに圧接される固定ロールと可動ロールからなる平行ロール間に板材を供給することにより前記板材を円筒状に巻き上げ成形するロール成形機において、前記可動ロールの軸受板に駆動シリンダのロッドを連結し、当該駆動シリンダにより直接可動ロールを昇降させることにより前記固定ロールに接離可能としたことを特徴とするロール成形機が開示されている(特許文献1参照)。これによれば、3本のロールの場合のような調整作業を要せず、生産性を向上できる。
しかし、この装置は、板材を円筒状に成形するものであり、金属板材に精度の高いR曲げを施すものではない。
【特許文献1】実開昭64−27118号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
曲面加工方法及びその装置に関して解決しようとする問題点は、従来の金属板材に曲面加工を施す方法及び装置では、加工精度を高めることが難しく、装置の調整が難しいなど生産性を向上できない点にある。
そこで本発明の目的は、金属板材の曲面加工について、加工精度を高めることができ、生産性を向上できる曲面加工方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる曲面加工方法の一形態によれば、金属板材の少なくとも一部をR曲げする曲面加工方法であって、柱の外周曲面の一部である断面曲線状の曲面を備えて基体に固定された固定曲面型と、該固定曲面型の曲面上を移動可能且つ転動可能に前記固定曲面型と軸心同士が平行に配された円柱状の移動ロールとの間に、前記金属板材を挟み、前記金属板材が前記固定曲面型の曲面上に押し当てられるように、前記移動ロールを押圧しつつ転動可能に移動させ、前記金属板材を前記固定曲面型の曲面に倣わせて曲げることを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる曲面加工方法の一形態によれば、前記柱の外周曲面が円柱状の外周曲面である前記固定曲面型であって、該固定曲面型の軸心と、前記移動ロールが前記固定曲面型の曲面上を移動するための回動中心とが同軸であることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、金属板材の少なくとも一部をR曲げする曲面加工装置であって、円柱の外周曲面の一部である断面円弧状の曲面を備えて基体に固定された固定曲面型と、該固定曲面型の曲面上を移動可能且つ転動可能に前記固定曲面型と軸心同士が平行に配された円柱状の移動ロールと、該移動ロールを転動可能に保持して前記固定曲面型の曲面上を移動させるべく回動可能に、前記固定曲面型の軸心と回動中心の軸心とが同一線上に設けられた回動アームと、該回動アームを回動させることで前記移動ロールを前記固定曲面型の曲面上で移動させる回動駆動手段と、前記回動アームに保持されて前記移動ロールを前記固定曲面型の曲面へ押し当てるように押圧するロール押圧手段と、前記金属板材を、前記固定曲面型と前記移動ロールとの間に位置させて曲面加工可能に固定するワーク固定手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記ロール押圧手段が、前記移動ロールの長手方向に間隔をおいて配された複数のシリンダ装置であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記移動ロールが、前記シリンダ装置のピストンロッドの先端部で円周方向に間隔をおいて配された複数のベアリングによって転動可能に受けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記ワーク固定手段が、金属板材の一端部を複数のシリンダ装置の押圧力によって挟んで固定する挟持機構であることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記固定曲面型が、前記基体に対して着脱可能に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記固定曲面型の長手方向の両端に軸部が設けられ、該軸部が前記基体に設けられた被係合部に受けられることで、前記固定曲面型が着脱可能に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記固定曲面型は、前記軸部が前記被係合部に押圧されることで固定状態が維持されるように、固定曲面型の装着用押圧機構を備えることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる曲面加工装置の一形態によれば、前記固定曲面型の曲面にかかるR径を板厚分大きくして調整可能に、該曲面に沿って被覆する断面円弧状の曲面調整板が着脱可能に設けられていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の曲面加工方法及びその装置によれば、金属板材のR曲げについて、加工精度を高めることができ、生産性を向上できるという特別顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明にかかる曲面加工方法及びその装置の最良の形態例を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかる曲面加工装置の主要部の形態例を示す一部破断側面図である。この曲面加工装置は、金属板材の少なくとも一部をR曲げする装置である。図2は、図1の曲面加工装置によって金属板材の一部を固定曲面型の曲面に倣って45°曲げた状態を示す一部破断側面図である。また、図3は、金属板材の一部を固定曲面型に倣って120°曲げた状態を示す一部破断側面図である。さらに、図4は全体装置の形態例を示す一部破断正面図であり、図5は図4の形態例の一部省略平面図である。
【0014】
20は固定曲面型であり、円柱の外周曲面の一部である断面円弧状の曲面21を備えて基体15(図4参照)に固定された曲面型である。
本形態例の曲面21は、断面が180°の円弧状に設けられており、金属板材10(図2及び図3参照)の幅に対応して所要の幅(図4参照)に設けられている。また、固定曲面型の曲面21は、装置の前面側に形成されている。
【0015】
また、本形態例の固定曲面型20の上部には、曲面21に連続して上面22が後方接線方向へ延びるように、ワーク保持用のプレート24が固定されている。このプレート24の水平面である上面22に、ワークである金属板材10の一端縁側が、載置されて後述するワーク固定手段70によって保持される。
そして、固定曲面型20の下部には、曲面21に連続して下面23が後方接線方向へ延びるように、取付け用プレート26が固定されている。このプレート26の水平面である下面23に、ベースプレート81(図4、6、7参照)が当接され、固定曲面型20が支持されて基15に固定される。
【0016】
また、固定曲面型20の両端には、中心部に水平方向へ延びる軸部28(図4参照)が設けられている。この一対の軸部28、28は、後述する一対の被係合部17、17に受けられるように設けられており、固定曲面型20が着脱・交換できる構成となっている。
なお、以上の説明においては、具体例として上下及び前後の位置を示して説明したが、本発明はこのような位置に限定されるものではない。例えば、上下が反対になった場合であっても、各部が所要の位置関係にあれば、同様の機能を奏する(以下の説明について同じ。)。
【0017】
30は移動ロールであり、固定曲面型20の曲面21上を移動可能且つ転動可能に、固定曲面型20と軸心同士が平行に配された円柱状のロールである。この移動ロール30は、金属板材10(図2及び図3参照)の幅に対応して所要の幅(図4参照)に設けられている。なお、本形態例の移動ロール30の幅は、固定曲面型20の幅より広くなっている。
また、本形態例の移動ロール30の両端には、ロール部31よりは小径の軸部32が水平方向へ延設されている。
【0018】
40は回動アームであり、移動ロール30を転動可能に保持して固定曲面型20の曲面21上を移動させるべく回動可能に、固定曲面型20の軸心と回動中心の軸心とが同一線上に設けられている。
本形態例の回動アーム40は、一対のアーム板41、41と、水平連結梁部42によって略門形の枠体状に形成されている。そして、この回動アーム40は、フレーム状の基体15のベースブロック部16に回動可能に軸着されている。さらに詳細には、一対のアーム板41、41の各一端部41aが、一対のベースブロック部16から水平方向外側へ延設された各軸部18に、ベアリング43を介して回動可能に軸着されている。
【0019】
また、この一対のアーム板41、41のそれぞれに設けられた長孔45(図4及び図6参照)に、移動ロール30の軸部32がベアリング33を介して嵌っている。長孔45はアーム板41の長手方向に長く開口しており、その方向へ移動ロール30が往復動することを許容する。
このように、移動ロール30が、一対のアーム板41、41に係合されていることで、回動アーム40に好適に保持された状態となっている。
【0020】
また、図5に示すように、50は回動駆動手段であり、回動アーム40を回動させることで移動ロール30を固定曲面型20の曲面21上で移動させる。
51は直交軸モータであり、一対のカップリング52及び一対のシャフト53を介して、一対のベースブロック部16、16に回転可能に配された一対の駆動ギア55、55を回動させる。この各駆動ギア55は、各アーム板41の外側面に固定された従動ギア47に噛合している。これにより、駆動ギア55が駆動することで、回動アーム40が回動できる。
【0021】
60はロール押圧手段であり、回動アーム40に保持されて移動ロール30を固定曲面型20の曲面21へ押し当てるように押圧する。
本形態例のロール押圧手段60は、移動ロール30の長手方向に間隔をおいて配された複数のシリンダ装置61(図4参照)によって構成されている。シリンダ装置61は、前記水平連結梁部42に一体に固定された取付け板部44に、シリンダ部61aが固定されることで、回動アーム40に保持されている。これにより、ピストンロッド61bがシリンダ部61aから下方へ伸縮できる。本形態例では、4本のシリンダ装置61が配されているが、その本数に限定されるものではない。装置の幅や、移動ロール30をより均等に押圧するためには、シリンダ装置61の数を増やしてもよい。また、各シリンダ装置61の押圧力を別々に調整したり、制御してもよい。
なお、シリンダ装置61としては、電気式、油圧式又は空圧式の装置を適宜選択的に使用することができる。電気式のシリンダ装置を用いると、流体の配管を要せず、制御し易い利点がある。また、押圧手段としては、シリンダ装置61に限定されず、バネ圧など、弾性部材の弾性力を利用してもよい。
【0022】
また、本形態例の移動ロール30は、シリンダ装置61のピストンロッド61bの先端部で円周方向に間隔をおいて配された複数のベアリング65によって転動可能に受けられている。さらに詳細には、4個のベアリング65が、移動ロール30の円周方向180°以上の範囲に配されている。これによれば、移動ロール30が落下しないで転動できるように、その移動ロール30を保持することができる。
なお、移動ロール30を保持する機能については、一対のアーム板41、41等の他の手段を用い、例えば、2個又は3個のベアリング65で、押圧による反作用の荷重を受けるようにしてもよい。
【0023】
さらに、ピストンロッド61bの先端部からの移動ロール30の脱落を防止するためには、複数のベアリング65の配置によらなくてもよい。例えば、ピストンロッド61bの先端部におけるベアリング65の取付け枠部64を、移動ロール30の円周方向180°以上を囲むように形成すればよい。
また、移動ロール30を転動可能に受ける手段としては、ベアリング65に限定されるものではない。例えば、移動ロール30と軸心同士が平行に配された断面円形の棒状材を、移動ロール30の長手方向の全長について線接触させて、荷重を受けてもよい。これによれば、押圧による反作用の荷重をより均一に受け、金属板材10をより均一にR曲げすることに寄与できる。
【0024】
70はワーク固定手段であり、金属板材10を、固定曲面型20と移動ロール30との間に位置させて曲面加工可能に固定する。
本形態例のワーク固定手段70は、金属板材10の一端部を複数のシリンダ装置71(図4参照)の押圧力によって挟んで固定する挟持機構によって構成されている。さらに詳細には、図4に示すように、基体15に一体的に形成された門形の取付けフレーム19に、3個のシリンダ装置71が固定されている。そして、そのシリンダ装置71のピストンロッド71bの先端部に、挟持用のチャック板75が固定されている。このチャック板75とワーク保持用のプレート24との間に、金属板材10を、シリンダ装置71の押圧力で挟むことで保持する。なお、シリンダ装置71の数は限定されるものではなく、装置の幅や、金属板材10をより均等に保持するためには、シリンダ装置71の数を増やしてもよい。
【0025】
また、図4、6、7に示すように、固定曲面型20が、基体15に対して着脱可能に設けられている。これにより、サイズの異なる種々の固定曲面型20と交換でき、曲率半径の異なるR曲げを行うことができる。
本形態例では、固定曲面型20の長手方向の両端に軸部28が設けられ、その軸部28が基体15に設けられた被係合部17に受けられることで、固定曲面型20が着脱可能に設けられている。さらに詳細には、各ベースブロック16に下方に開放されて溝状に設けられた被係合部17に、軸部28が下方から嵌って係合状態となることで、固定曲面型20が基体15に対して装着される。なお、着脱方向や係合方法はこれに限定されるものではなく、適宜設定できるのは勿論である。
【0026】
また、本形態例では、固定曲面型20は、軸部28が被係合部17に押圧されることで固定状態が維持されるように、固定曲面型20の装着用押圧機構80を備える。
具体的には、図4、6、7に示すように、ベースプレート81が装着用押圧シリンダ83のピストンロッド83bの先端にベース部82を介して固定されている。このベースプレート81上に、固定曲面型20が載置された状態で、基体15に装着される。また、85は往復動ガイド手段であり、ベースプレート81やベース部82を介して固定曲面型20が昇降できるように、その動作を案内している。往復動ガイド手段85は、固定筒86内で、ベース部82に固定された円柱部87が上下方向に往復動可能に嵌っている。
これによれば、装着用押圧シリンダ83を作動させることで、昇降動作をさせることができる。従って、この装着用押圧機構80は、固定曲面型20の昇降装置になっている。
【0027】
また、図8に示すように、90は曲面調整板であり、固定曲面型20の曲面21にかかるR径を板厚分大きくして調整可能に、その曲面21に沿って被覆する断面円弧状の部材である。固定曲面型20の曲面21に着脱可能に設けられている。図8では、一枚の曲面調整板90を装着した状態を示したが、その上にさらに大きなものを重ねて、複数層にして固定曲面型20の曲面21のR径を調整してもよい。
これによれば、固定曲面型20のサイズを簡単に調整できるので、曲率半径の異なるR曲げの作業に好適に対応できる。また、このようにサイズを調整できる範囲においては、そのベースとなる固定曲面型20が一つあれば良く、保持すべき固定曲面型20の数を少なくすることができる。
【0028】
なお、金属板材10の曲げ加工の方法として、本発明の曲面加工装置で複数枚の金属板材10を重ねてR曲げ加工し、最外層でR曲げされたものを製品とすれば、内層側でR曲げされたものは、上記曲面調整板90として機能する。
また、曲面調整板90の材質は、金属に限定されず、樹脂材でも良い。
さらに、上記のように複数層の板材を重ねて加工する場合には、製品となるべき最外層の板材が金属板材10で、内層側の板材が樹脂材の平板であってもよい。その樹脂材の平板は、好適に塑性変形しないために好適に成形されなくとも、曲面調整板90としては好適に機能する。
また、金属板材10の曲げ加工の方法としては、製品となるべき金属板材10の外側の層に樹脂材からなる平板を重ねて、R曲げ加工をしてもよい。これによれば、金属板材10の表面を好適に保護してR曲げ加工ができる。
【0029】
以上の構成から成る曲面加工装置によれば、以下の手順によって、金属板材の少なくとも一部を好適にR曲げ加工できる。
先ず、ワークである金属板材10のスプリングバックを考慮して、製品の曲率半径よりも一回り小さい径のR曲面21を備える固定曲面型20を選定して基体15に固定する。
次に、金属板材10を、固定曲面型20と移動ロール30との間を通し、その一端部をワーク固定手段70で挟持して固定する。
次に、移動ロール30を、複数のシリンダ装置61によって下降させて金属板材10の表面に接触させ、さらに、その金属板材10を固定曲面型20へ押し当てる。
【0030】
そして、移動ロール30が金属板材10の表面へ押圧された状態で、回動駆動手段50を作動させて、回動アーム40を回動させる。すると、移動ロール30が固定曲面型20の曲面に沿って移動、且つ転動することになる(図2及び図3参照)。
これにより、金属板材10を固定曲面型20の曲面21に倣わせて曲げることができる。この際に、固定曲面型20の軸心と、移動ロール30が固定曲面型20の曲面21上を移動するための回動中心の軸心とが同一軸線上にある。そのため、移動ロール30がスムースに移動して金属板材10を好適に曲げることができる。
なお、その際の回動アーム40の回動角度は、金属板材10のスプリングバックを考慮して、製品のR角度よりも若干大きくなるように設定しておくとよい。
また、回動アーム40の回動速度は、板厚、R曲げの曲率半径等の条件によって、金属板材10表面の傷の発生を防止することや、生産効率を考慮して適宜選択的に設定すればよい。
【0031】
次に、回動アーム40を所定の角度まで回動してR曲げを完了した後、回動アーム40を初期位置へ戻して、移動ロール30による押圧を解除する。
そして、ワーク固定手段70による固定を解除してR曲げがなされた金属板材10を外し、R曲げ加工の1サイクルが終了する。
以上のサイクルを順次繰り返すことで、R曲げ加工の作業を効率よく行うことができる。
【0032】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る曲面加工装置の主要部の形態例を示す側面図である。
【図2】金属板材を固定曲面型に倣って曲げた状態を示す側面図である。
【図3】金属板材を固定曲面型に倣ってさらに曲げた状態を示す側面図である。
【図4】本発明に係る曲面加工装置の形態例を示す正面図である。
【図5】本発明に係る曲面加工装置の形態例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る曲面加工装置の形態例を示す側面図である。
【図7】本発明に係る曲面加工装置の形態例を示す側面図である。
【図8】固定曲面型の他の形態例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 金属板材
15 基体
17 被係合部
20 固定曲面型
21 曲面
28 軸部
30 移動ロール
40 回動アーム
50 回動駆動手段
60 ロール押圧手段
61 シリンダ装置
65 ベアリング
70 ワーク固定手段
71 シリンダ装置
80 装着用押圧機構
90 曲面調整板
【出願人】 【識別番号】506182778
【氏名又は名称】株式会社ツジデ
【識別番号】596171384
【氏名又は名称】株式会社 徳武製作所
【出願日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【代理人】 【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟


【公開番号】 特開2008−6498(P2008−6498A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−137412(P2007−137412)