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【発明の名称】 金型データ管理装置
【発明者】 【氏名】大西 大

【要約】 【課題】セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、誤った金型データに基づいてプレス機械の設定がなされることを防止できる金型データ管理装置を提供する。

【構成】セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、この金型に関する金型データが正常かどうかを判断する金型データ管理装置10であって、金型に取り付けられた金型データ記憶手段から、これに記憶されている金型データを読み取る読み取り装置12と、該読み取り装置により読み取られた金型データを、照合用金型データと照合する照合装置15と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、この金型に関する金型データが正常かどうかを判断する金型データ管理装置であって、
金型に取り付けられた金型データ記憶手段から、これに記憶されている金型データを読み取る読み取り装置と、
該読み取り装置により読み取られた金型データを、照合用金型データと照合する照合装置と、を備える、ことを特徴とする金型データ管理装置。
【請求項2】
前記照合用金型データを記憶している記憶装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の金型データ管理装置。
【請求項3】
前記照合用金型データは、前記金型データ記憶手段に記憶されており、
前記読み取り装置は、前記金型データ記憶手段から前記照合用金型データを読み取る、ことを特徴とする請求項1に記載の金型データ管理装置。
【請求項4】
前記金型データ及び照合用金型データには、対象の金型に合わせてプレス機械を設定するための設定情報が含まれており、
前記照合装置は、前記設定情報について照合を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の金型データ管理装置。
【請求項5】
前記金型データ記憶手段には、3つ以上の金型データが記憶されており、
前記読み取り装置は、前記金型データ記憶手段から3つ以上の金型データを読み取り、
前記照合装置は、読み取られた3つ以上の金型データのいずれかを前記照合用金型データとして照合を行い、これら3つ以上の金型データのうち少なくとも一対が同一であると判断した場合には、その旨の信号を出力する、ことを特徴とする請求項3に記載の金型データ管理装置。
【請求項6】
前記金型データ記憶手段は、3つ以上の別個の金型データ記憶手段であり、前記3つ以上の金型データは、それぞれ前記3つ以上の別個の金型データ記憶手段に記憶されている、ことを特徴とする請求項5に記載の金型データ管理装置。
【請求項7】
セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に使用する金型データを管理する金型データ管理装置であって、
同一の金型に取り付けられ該金型に関する金型データが記憶されている複数の別個の金型データ記憶手段と、
これら金型データ記憶手段から前記金型データを読み取る読み取り装置と、
読み取られた金型データに基づいてプレス機械の設定調節を行う制御装置と、を有する、ことを特徴とする金型データ管理装置。



【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機械に金型をセットする場合に、この金型に関する金型データが正常かどうかを判断する金型データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械は、通常、複数の金型を交換可能にセットできるようになっており、プレス機械に金型をセットする場合、この金型の高さ、重さなどの金型データを、例えば、プレス機械のPLC(Programmable Logic Controller)に入力する。PLCは、入力された金型データに基づいて、プレス機械の設定を調節し、プレス機械の運転を制御する。
【0003】
金型データの入力をオペレータの手入力により行うと、入力ミスが起こる場合がある。そのため、次の方法で、金型に合わせたプレス機械の設定調節を行うことが提案されている。
即ち、RFID(Radio Frequency Identification)タグやバーコードシンボルなどに金型の識別情報を予め記憶させておき、このRFIDタグやバーコードシンボルを金型に取り付けておく。そして、金型をプレス機械にセットする時に、金型に取り付けられたRFIDタグやバーコードシンボルから、読み取り装置により金型の識別情報を読み取る。続いて、読み取った識別情報から、この識別情報に対応する設定情報が抽出され、抽出された設定情報に基づいて、プレス機械の設定調節が行われる。
このような技術は、例えば、下記特許文献1、2に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されている「パンチプレス用金型のID読み取りシステム」では、パンチプレスに用いる金型に、金型を識別可能な各種情報を記憶したRFIDタグを金型に付設し、金型が格納される場所に、金型のRFIDタグとの間で情報の送受信が可能なアンテナを配置し、アンテナを介して金型のRFIDタグに対して記憶された情報の読み取りを行うコントローラを設けている。
この構成により、機械にセットした金型のID情報を、そのセットされた状態のままで、人間の視覚を借りずシステムが直接読み取ることができるようにしている。
【0005】
特許文献2に記載されている「板材折曲げ加工機の金型セッティングシステム」では、各パンチ金型、各ダイ金型にバーコードシンボルを取り付けて金型識別情報を格納する。ホルダに装着された金型の芯合わせ時に金型の位置に応じて移動するバックゲージの突当本体に、バーコードシンボルの読み取り手段を設ける。
この構成により、芯合わせ時に突当本体がパンチ金型、ダイ金型に接近することで、読み取り手段がバーコードシンボルの金型識別情報を読み取る。そして、この金型識別情報に基づいて、金型情報を抽出し、抽出された金型情報に基づいて、所要の確認動作を行っている。
【特許文献1】特開2003−164928号公報
【特許文献2】特開2005−74446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されたシステムにおいて、RFIDタグの劣化、誤ったデータの書き込みや書き換えなどにより、RFIDタグに記憶されたデータが誤ったものとなってしまうことがあり得る。
同様に、特許文献2に記載されたシステムでも、バーコードシンボルの汚れ、誤ったデータの書き込みや書き換えなどにより、バーコードシンボルに記憶されたデータが誤ったものとなってしまうことがあり得る。
【0007】
このような場合、誤ったデータが読み取られ、これに基づいてプレス機械の設定調整がなされ、この状態で、プレス機械の運転を行うと、各機器の故障だけでなく、事故に発展してしまうことがあり、安全性の面で問題となる。
従って、セットされる金型に合わせたプレス機械の設定調節をより確実に行い、プレス運転の安全性を高めることが望まれている。
【0008】
また、バーコードシンボルが1次元シンボルの場合には、1次元シンボルの下に、1次元シンボルのデータとして、人が目で読める文字を付加しておくことで、1次元シンボルのデータが読み取れなくなっても、付加された文字をキーボードで入力できる。しかし、2次元シンボルの場合には、そのデータ量が1次元シンボルのデータ量よりも大幅に多いので、2次元シンボルの下に、そのデータを表わす文字を付加しておくのは現実的でない。従って、2次元シンボルがデータを復元できないほど損傷すると、データを入力することができなくなってしまう。
従って、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも対処できる手段が望まれている。
【0009】
そこで、上記問題点を鑑み、本発明の第1の目的は、セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、誤った金型データに基づいてプレス機械の設定がなされることを防止できる金型データ管理装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、金型データを記憶する手段として2次元シンボルを使用した場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも対処できる金型データ管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記第1の目的を達成するため、本発明によると、セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、この金型に関する金型データが正常かどうかを判断する金型データ管理装置であって、金型に取り付けられた金型データ記憶手段から、これに記憶されている金型データを読み取る読み取り装置と、該読み取り装置により読み取られた金型データを、照合用金型データと照合する照合装置と、を備える、ことを特徴とする金型データ管理装置が提供される。
【0011】
この金型データ管理装置では、読み取り装置に読み取られた金型データを、照合用金型データと照合させる。従って、金型データ記憶手段(例えば、RFIDタグやバーコードシンボル)に記憶された金型データが正常であれば、この金型データは照合用金型データと同一であるので、照合装置により同一であると判断される。一方、金型データ記憶手段の劣化、汚れ、誤ったデータ書き込み・書き換えなどにより前記金型データが誤ったものとなっている場合には、この金型データは照合用金型データと同一でないと照合装置により判断される。
これにより、金型データ記憶手段に記憶された金型データの異常を自動的に検出することができ、この場合に、制御装置が、警告を発したり、プレス機械の運転を停止するなどの処置をとることができる。従って、誤った金型データに基づいてプレス機械の設定がなされることを防止できる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によると、前記照合用金型データを記憶している記憶装置を備える。
【0013】
このように、照合用金型データを金型データ記憶手段とは別の記憶装置に記憶させておき、金型データ記憶手段から読み取られた金型データを、記憶装置の照合用金型データと照合することで、金型データが正常かどうかを確認できる。
【0014】
また、本発明の好ましい実施形態によると、前記照合用金型データは、前記金型データ記憶手段に記憶されており、前記読み取り装置は、前記金型データ記憶手段から前記照合用金型データを読み取る。
【0015】
このように、照合用金型データも金型データ記憶手段に記憶させておき、金型データと照合用金型データを読み取り装置により読み取り、これらを照合することで、金型データが正常かどうかを確認できる。
また、照合用金型データも金型データ記憶手段に記憶させることで、照合用金型データを保持するための記憶装置を設ける必要がなくなる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によると、前記金型データ及び照合用金型データには、対象の金型に合わせてプレス機械を設定するための設定情報が含まれており、前記照合装置は、前記設定情報について照合を行う。
【0017】
従来では、プレス機械の設定を行う制御装置に、金型の識別情報に対応する設定情報が記憶されており、金型の識別情報が読み取られると、この識別情報に基づいて設定情報が抽出され、抽出された設定情報に基づいてプレス機械の設定を行っている。しかし、設定情報の入力ミスや誤った書き込み・書き換えなどにより、この設定情報が誤っている場合には、プレス機械の設定が正常に行われなくなってしまう。
これに対し、上記本発明の好ましい実施形態では、金型データ及び照合用金型データには、対象の金型に合わせてプレス機械を設定するための設定情報が含まれており、照合装置は、設定情報について照合を行う。このように、設定情報自体を照合するので、プレス機械の運転の安全性を一層高めることができる。即ち、照合装置により設定情報が同一と確認された場合に、制御装置が、この設定情報に基づいてプレス機械の設定を調節することがきるが、照合装置により設定情報が同一と確認されない場合には、制御装置は、警告を発したり、プレス機械の運転を停止するなどの処置をとることができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によると、前記金型データ記憶手段には、3つ以上の金型データが記憶されており、前記読み取り装置は、前記金型データ記憶手段から3つ以上の金型データを読み取り、前記照合装置は、読み取られた3つ以上の金型データのいずれかを前記照合用金型データとして照合を行い、これら3つ以上の金型データのうち少なくとも一対が同一であると判断した場合には、その旨の信号を出力する。
【0019】
このように、照合装置は、金型データ記憶手段に記憶された3つ以上の金型データのうち少なくとも一対が同一であると判断した場合に、その旨の信号を出力する。従って、金型データ記憶手段に記憶された3つ以上の金型データのうち、一部が誤ったものとなっていた場合でも、少なくとも一対の金型データが正常であれば、制御装置がこの正常な金型データに基づいてプレス機械の設定調節を適切に行うことができる。
従って、金型データ記憶手段の劣化、汚れ、誤ったデータ書き込み・書き換えなどによりその一部のデータが異常となっていても、少なくとも一対の金型データが正常であれば、金型データ記憶手段をそのまま用いることができるので、金型データ記憶手段の使用期間をより長くすることができる。
【0020】
上記第2の目的も達成するために、前記金型データ記憶手段は、3つ以上の別個の金型データ記憶手段であり、前記3つ以上の金型データは、それぞれ前記3つ以上の別個の金型データ記憶手段に記憶されている。
【0021】
このように、金型データ記憶手段は、3つ以上の別個の金型データ記憶手段なので、いずれかの金型データ記憶手段が損傷してそのデータが読み取り不可能となっても、他の金型データ記憶手段から読み取った金型データ同士を照合することができる。
特に、金型データ記憶手段が2次元シンボルである場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも、損傷していない残りの2次元シンボルのデータに基づいて照合を行いプレス機械の設定調節を行える。
【0022】
また、上記第2の目的を達成するため、本発明によると、セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に使用する金型データを管理する金型データ管理装置であって、同一の金型に取り付けられ該金型に関する金型データが記憶されている複数の別個の金型データ記憶手段と、これら金型データ記憶手段から前記金型データを読み取る読み取り装置と、読み取られた金型データに基づいてプレス機械の設定調節を行う制御装置と、を有する、ことを特徴とする金型データ管理装置が提供される。
【0023】
この金型データ管理装置では、複数の別個の金型データ記憶手段に同一の金型に関する金型データが記憶されているので、これら金型データ記憶手段のいずれかが損傷してそのデータの読み取りが不可能となっても、残りの金型データ記憶手段から金型データを読み取りこれに基づいてプレス機械の設定調節をすることができる。
従って、金型データ記憶手段が2次元シンボルである場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも、損傷していない残りの2次元シンボルのデータに基づいてプレス機械の設定を行える。
【発明の効果】
【0024】
上述のように本発明によると、セットする金型に合わせてプレス機械の設定を調節する時に、誤った金型データに基づいてプレス機械の設定がなされることを防止でき、プレス機械の運転の安全性を高めることができる。また、金型データを記憶する手段として2次元シンボルを使用した場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも対処できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、プレス機械3の金型交換の概要を説明するための図である。プレス機械3の金型を交換するために、搬送ラインに沿って搬送されてくるパネルなどの被加工物1をプレスするプレス機械3の両側に、プレス機械3の内部と外部との間で移動する金型搬送台車5,6が設けられている。
金型交換時に、プレス機械3内に位置している金型搬送台車5により、プレス機械3に既にセットされている金型8をプレス機械3外へ引き出す。そして、他方の金型搬送台車6に新たな金型9をセットし、この金型搬送台車6をプレス機械3内へ移動させて、新たな金型9をプレス機械3にセットする。
【0026】
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による金型データ管理装置10について説明する。図2は図1に示すプレス機械3の制御部11の構成を示している。
図2に示すように、この金型データ管理装置10は、金型搬送台車6に設置された金型9に取り付けられているRFIDタグ又はバーコードシンボルからこれに記憶されている金型データを読み取る読み取り装置12と、RFIDタグ又はバーコードシンボルに記憶した金型データと同一の金型データを記憶した記憶装置14と、読み取り装置12により読み取られた金型データと、記憶装置14に記憶された金型データを照合する照合装置15と、を備える。
また、金型データ管理装置10は、照合装置15の照合により、金型データが同一であると確認されると、この金型データに基づいてプレス機械3の設定を調節するPLC(Programmable Logic Controller)などの制御装置17を備える。
【0027】
金型データは、対象とする金型の識別情報と、この金型に対するプレス機械3の設定情報とを含んでよい。識別情報は、例えばID番号である。設定情報は、金型の高さ、重さ、プレス機械3の自動化装置をオン又はオフするタイミングなどの情報を含む。この自動化装置は、例えば、プレス機械3の昇降するスライドがある特定の位置に来た時にオン又はオフするようになっており、正しくオン又はオフされないと、自動化装置が壊れてしまう。また、プレス機械の設定がセットした金型に合っていないと、事故に発展する場合がある。
従って、セットする金型の設定情報に正確に基づいて、プレス機械3を設定することは重要である。
【0028】
金型に取り付けられるRFIDタグ又はバーコードシンボルには、上述のように、この金型に関する金型データが記憶されている。
バーコードシンボルを用いる場合には、2次元シンボルを用いることが好ましい。2次元シンボルは、2方向に情報を持っているため、1次元シンボルの数十倍〜数百倍のデータ(例えば、3000文字の情報)を記憶させることができる。従って、2次元シンボルを用いることで、これに十分な上記設定情報を記憶させることができる。
なお、RFIDタグ又はバーコードシンボルは、金型データ記憶手段を構成する。なお、他の適切な手段で金型データ記憶手段を構成してもよい。
また、RFIDタグ又はバーコードシンボルからこれに記憶されているデータを読み取る読み取り装置12は、RFIDリーダ/ライタやバーコードリーダなどの適切な装置であってよい。
【0029】
上述の金型データを人がパソコンなどを用いて作成する。RFIDタグを用いる場合には、作成した金型データをRFIDリーダ/ライタによりRFIDタグに書き込んで記憶し、このRFIDタグを金型に取り付ける。2次元シンボルを用いる場合には、例えば、作成した金型データが書き込まれた2次元シンボルをパソコンに接続されたプリンタにより印刷し、この印刷された2次元シンボルを金型に貼り付ける。
また、パソコンで作成された金型データを、照合用金型データとして記憶装置14にも予め記憶しておく。
【0030】
上述した金型データ管理装置10を用いたプレス機械設定調節のための処理の流れを図3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、ステップS1において、プレス機械3にセット可能な複数の金型にそれぞれ対応する金型データを人がパソコンで作成し、これら金型データを、それぞれ対応する金型に取り付けられる金型データ記憶手段に記憶させる。そして、金型データが記憶された各金型データ記憶手段を、対応する金型に取り付ける。従って、金型に取り付けられた金型データ記憶手段には、取り付けられている金型の金型データが記憶されている。
また、ステップS1において、各金型に取り付ける金型データ記憶手段に記憶した金型データと同一の金型データを照合用金型データとして記憶装置14にも記憶させる。
【0031】
次に、ステップS2において、プレス機械3にセットする金型を金型搬送台車6に設置し、この金型に取り付けられている金型データ記憶手段から金型データを読み取り装置12により読み取る。この読み取りは、自動で行ってもよいし、オペレータの操作により行ってもよい。
【0032】
読み取ったら、ステップS3において、読み取り装置12により読み取られた金型データが照合装置15に入力され、記憶装置14に記憶されている複数の照合用金型データも照合装置15へ読み出される。そして、照合装置15は、読み取り装置12から読み取られた金型データと、記憶装置14に記憶されている照合用金型データとを照合する。
これにより、照合装置15は、記憶装置14に記憶されている照合用金型データの中に、読み取り装置12から入力された金型データと同一の金型データがあるかどうかを判断し、判断結果を示す信号を制御装置17に出力する。
【0033】
続いて、照合装置15から制御装置17に入力された信号が、読み取り装置12に読み取られた金型データと同一の照合用金型データが記憶装置14に記憶されていないことを示している場合には(ステップS4で、NO)、ステップS5において、制御装置17は、音や光などにより警告を発し、プレス機械3の運転を停止させる制御を行う。
一方、照合装置15から制御装置17に入力された信号が、読み取り装置12に読み取られた金型データと同一の照合用金型データが記憶装置14に記憶されていることを示している場合には(ステップS4で、YES)、ステップS6において、制御装置17は、金型搬送台車6をプレス機械3内へ移動させ、金型をプレス機械3にセットする制御を行い、同一と判断された金型データに基づいてプレス機械3の設定を調節する。この調節は、例えば、制御装置17が、直接若しくは照合装置15を介して、金型データを、読み取り装置12から受け取り、又は、参照して行ってよい。又は、この調節は、制御装置17が、記憶装置14から照合用金型データを受け取り、若しくは、記憶装置14の照合用金型データを参照して行ってもよい。
これにより、対象の金型の高さ、重さ、この金型に対するプレス機械3の自動化装置の適切なオン又はオフタイミングなどに基づいて、プレス機械3の設定が調節される。
【0034】
上述した本発明の第1実施形態によると、読み取り装置12に読み取られた金型データと、記憶装置14に記憶された照合用金型データとが、照合装置15により照合されるので、金型データの損傷又は誤った書き込み・書き換えなどにより金型データが誤ったものとなっている場合には、照合装置15がその旨の信号を制御装置17へ出力することで、金型データの異常を自動的に検出できる。この場合、制御装置17が、警告を発したり、プレス機械3の運転を停止するなどの処置をとることができ、プレス運転の安全性を高めることができる。
【0035】
なお、上述では、金型データ記憶手段に記憶したデータを金型データとし、記憶装置14に記憶したデータを照合用金型データとして、説明の便宜上区別した。しかし、正常であれば、金型データと照合用金型データは同一のデータであるので、照合装置15の照合により、照合用金型データが誤っていることも検出できる。
【0036】
上述したプレス機械3の設定調節の一例として、金型データ記憶手段には、金型データとして金型の識別情報だけを記憶させておき、記憶装置14には、照合用金型データとしての金型の識別情報と、この金型に合わせたプレス機械3の設定情報とを記憶させておく。そして、照合装置15は金型データ記憶手段に記憶された識別情報と、記憶装置14に記憶された識別情報とを照合する。そして、照合装置15により、記憶装置14に記憶されている複数の識別情報の中に、金型データ記憶手段から読み取られた識別情報と同一の識別情報があると判断された場合に、制御装置17は、照合装置15により同一と判断された識別情報に基づいて、対応する設定情報を記憶装置14から抽出し、抽出した設定情報に基づいて、プレス機械3の設定を調節することができる。
好ましくは、他の例として、金型データ記憶手段に記憶された金型データと、記憶装置14に記憶されている照合用金型データには、それぞれ、設定情報が含まれており、照合装置15は、金型データ記憶手段に記憶された設定情報と記憶装置14に記憶された設定情報とを照合する。そして、照合装置15により、記憶装置14に記憶されている複数の設定情報の中に、金型データ記憶手段から読み取られた設定情報と同一の設定情報があると判断された場合に、制御装置17は、同一と判断された設定情報に基づいて、プレス機械3の設定を調節する。一方、設定情報の損傷又は誤った書き込み・書き換えなどにより金型データ記憶手段又は記憶装置14に記憶されている設定情報が誤ったものとなっている場合には、照合される設定情報は同一でないと照合装置15に判断される。この場合、照合装置15は、その旨の信号を制御装置17へ出力し、制御装置17は、この信号に基づいて、警告を発したり、プレス機械3の運転を停止するなどの処置をとることができる。このように、設定情報自体を照合することで、プレス運転の安全性を一層高めることができる。なお、この例では、金型の識別情報を用いなくてもよく、設定情報のみを金型データ及び照合用金型データとして使用してよい。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による金型データ管理装置を説明する。第2実施形態の金型データ管理装置は、次の点以外は、第1実施形態と同様の構成を有する。
【0038】
即ち、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、金型データだけでなく照合用金型データも、金型に取り付けられるRFIDタグ又はバーコードシンボルに記憶させ、読み取り装置12は、RFIDタグ又はバーコードシンボルから金型データと照合用金型データを読み取る。そして、照合装置15は、読み取られた金型データと照合用金型データとを照合する。従って、第2実施形態の場合には、照合用金型データを記憶する記憶装置14を設けなくてもよい。
【0039】
第2実施形態の一例では、プレス機械3に設定可能な各金型に関する金型データを、単一のRFIDタグ又はバーコードシンボルの複数の記憶領域に記憶させておく。つまり、1つの金型に取り付けられる単一のRFIDタグ又はバーコードシンボルには、この金型に関する同一の金型データが複数記憶される。なお、この例では、単一のRFIDタグ又はバーコードシンボルは金型データ記憶手段を構成する。
【0040】
第2実施形態の別の例では、プレス機械3にセット可能な各金型に複数のRFIDタグ又はバーコードシンボルを取り付ける。1つの金型に取り付けられるこれら複数のRFIDタグ又はバーコードシンボルには、この金型に関する同一の金型データが記憶させられる。つまり、同一の金型データが記憶された複数のRFIDタグ又はバーコードシンボルが1つの金型に取り付けられる。なお、この例では、1つの金型に取り付けられる複数のRFIDタグ又はバーコードシンボルは金型データ記憶手段を構成する。
【0041】
従って、第2実施形態では、1つの金型に取り付けられた金型データ記憶手段には、この金型に関する同一の金型データが複数記憶されている。
そして、プレス機械3にセットする金型に取り付けられた金型データ記憶手段から読み取り装置12により複数の金型データが読み取られ、これらの金型データ同士を照合させる。なお、第2実施形態では、金型データ記憶手段に記憶される複数の同一の金型データのいずれを、上述の照合用金型データとしてもよい。
【0042】
上述した金型データ管理装置を用いたプレス機械設定調節のための処理の流れを図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、ステップS11において、プレス機械3にセット可能な複数の金型にそれぞれ対応する金型データを人がパソコンで作成し、各金型に取り付けられる金型データ記憶手段に、対応する金型データを複数記憶させる。これにより、各金型に取り付ける金型データ記憶手段には、複数の同一である金型データが記憶されることになる。
また、ステップS11において、同一の金型データが複数記憶された金型データ記憶手段を、対応する金型に取り付ける。
【0043】
次に、ステップS12において、プレス機械3にセットする金型を金型搬送台車6に設置し、読み取り装置12は、この金型に取り付けられている金型データ記憶手段(即ち、単一のRFIDタグ又はバーコードシンボルの複数の記憶領域、又は、複数のRFIDタグ又はバーコードシンボル)に記憶されている複数の金型データを読み取る。この読み取りは、自動で行ってもよいし、オペレータの操作により行ってもよい。
【0044】
読み取ったら、ステップS13において、読み取り装置12により読み取られた複数の金型データが照合装置15に入力される。そして、照合装置15は、これら複数の金型データを互いに照合してこれらが同一であるかどうかを判断し、判断結果を示す信号を制御装置17に出力する。
【0045】
続いて、照合装置15から制御装置17に入力された信号が、読み取られた複数の金型データが同一ではないことを示している場合には(ステップS14で、NO)、ステップS15において、制御装置17は、音や光などにより警告を発し、プレス機械3の運転を停止させる制御を行う。
一方、照合装置15から制御装置17に入力された信号が、読み取られた複数の金型データが同一であることを示している場合には(ステップS14で、YES)、ステップS16において、制御装置17は、金型搬送台車6をプレス機械3内へ移動させ、金型をプレス機械3にセットする制御を行い、同一と判断された金型データに基づいてプレス機械3の設定を調節する。この調節は、例えば、制御装置17が、直接若しくは照合装置15を介して、金型データを、読み取り装置12から受け取り、又は、参照して行ってよい。
これにより、対象の金型の高さ、重さ、この金型に対するプレス機械3の自動化装置の適切なオン又はオフタイミングなどに基づいて、プレス機械3の設定が調節される。
【0046】
好ましくは、金型データには、設定情報が含まれており、照合装置15は、金型データ記憶手段から読み出した複数の設定情報を互いに照合する。この場合には、金型の識別情報を用いなくてもよく、設定情報のみを金型データとして使用してよい。
【0047】
また、好ましくは、3つ以上の同一の金型データが、各金型に取り付けられる金型データ記憶手段に記憶されている。この場合、上記ステップS12において、これら3つ以上の金型データが読み取り装置12により読み取られ、上記ステップS13において、これらの金型データのうち少なくとも一対が同一であると照合装置15により判断された場合に、制御装置17は、その旨の信号を照合装置15から受け取り、上記ステップS16において、同一と判断された金型データに基づいてプレス機械3の設定を調節する。
これにより、金型データ記憶手段に記憶された3つ以上の金型データのうち一部が誤っていても、少なくとも一対の金型データが正常であれば、金型データ記憶手段を新しい金型データ記憶手段に交換したり、データ書き換えを行う必要がなくなり、金型データ記憶手段をそのまま用いることができる。従って、金型データ記憶手段の使用期間をより長くすることができる。
【0048】
また、金型データ記憶手段が3つ以上の別個の金型データ記憶手段である場合には、いずれかの金型データ記憶手段が損傷してそのデータが読み取り不可能となっても、他の金型データ記憶手段から読み取った金型データ同士を照合することができる。特に、金型データ記憶手段が2次元シンボルである場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも、損傷していない残りの2次元シンボルのデータに基づいて照合を行いプレス機械の設定調節を行える。
【0049】
上述した本発明の第2実施形態では、同一の金型データが複数記憶されている金型データ記憶手段からこれら複数の金型データを読み取り、照合装置15によりこれらの金型データが互いに照合される。これにより、金型データの異常を検出することができる。
この場合、その旨の信号を照合装置15から受けた制御装置17が、警告を発したり、プレス機械3の運転を停止するなどの処置をとることができ、プレス運転の安全性を高めることができる。
【0050】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による金型データ管理装置では、上述した実施形態と異なり、金型データの照合を行わなくてもよい。即ち、同一の金型に複数の別個の金型データ記憶手段を取り付け、読み取り装置12はこれら金型データ記憶手段に記憶されている金型データを読み取り、読み取った金型データに基づいて制御装置17がプレス機械の設定調節を行う。従って、第3実施形態では、照合装置15や記憶装置14を省略してもよい。第3実施形態による金型データ管理装置の他の構成は、上述の実施形態と同様であってよい。
【0051】
この金型データ管理装置では、複数の金型データ記憶手段には同一の金型に関する金型データが記憶されているので、これら金型データ記憶手段のいずれかが損傷してそのデータの読み取りが不可能となっても、残りの金型データ記憶手段から金型データを読み取りこれに基づいて、プレス機械の設定をすることができる。
従って、金型データ記憶手段が2次元シンボルである場合に、2次元シンボルがそのデータを復元できないほど損傷した場合にも、損傷していない残りの2次元シンボルのデータに基づいてプレス機械の設定を行える。
【0052】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】プレス機械の金型交換の説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態による金型データ管理装置の構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態の金型データ管理装置を用いた処理の流れを示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の金型データ管理装置を用いた処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 被加工物
3 プレス機械
5、6 金型搬送台車
8、9 金型
11 制御部
12 読み取り装置
14 記憶装置
15 照合装置
17 制御装置
10 金型データ管理装置



【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実

【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴

【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博


【公開番号】 特開2008−6489(P2008−6489A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181402(P2006−181402)