トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 金属部材の固定方法及びフランジ付軸部材
【発明者】 【氏名】吉村 豹治

【氏名】小坂田 宏造

【氏名】花見 眞司

【氏名】松本 良

【氏名】渡部 豊

【要約】 【課題】複数の軸状の金属部材を同種あるいは異種金属の板状部材とを固定するに際し、板材に形成する穴や孔のはめあい寸法を設計する必要がある点、板材に寸法精度の良い孔を要する点、安価で大量に作成することができない点を解消する。

【構成】本発明の金属部材の固定方法は、軸材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法の穴又は孔を形成した後、軟化する温度に加熱した板状の一方部材と、常温の軸状の他方部材とを押し込むようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の一方部材と軸状の他方部材の両金属部材を固定する方法であって、前記板状の一方部材について前記軸状の他方部材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法とされた穴又は孔を形成した後、軟化する温度に加熱し、この一方部材に対し、常温とされた軸状の他方部材を押し込むことを特徴とする金属部材の固定方法。
【請求項2】
軸状の他方部材において板状の一方部材に押し込まれる範囲の周面の一部又は全周に、凹部を形成していることを特徴とする請求項1記載の金属部材の固定方法。
【請求項3】
板状の一方部材と軸状の他方部材とを、請求項1又は2の方法により固定して作成したことを特徴とするフランジ付軸部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材を簡単でかつ強固に固定する方法及びその方法によって得たフランジ付軸部材に関する。なお、本願において、「金属」とは、鉄や非鉄などあらゆる種類を含む広義の意味で用いることとする。
【背景技術】
【0002】
金属同士を接合するには、種々の手法があるが、例えば、棒材の外面を囲んで該棒材の長さ方向に対して平行ではない面(フランジ)を有する部材を、金属製の棒材と板材とから作成する際、該棒材と板材とを強固に固定するには以下の手法が提案されている。
【0003】
ダイス上の板材に対してハンマーで棒材を打撃して板材を打ち抜く「高速剪断接合」。ねじと共にテーパを形成した棒材を予め穴(有底)又は孔(貫通)が形成された板材に対して押し込む「シェービング接合」。例えば硬度の高い棒材を硬度の低い板材に対して打ち込む「高強度塑性結合」。
【0004】
また、板材に棒材が嵌められる穴(有底)又は孔(貫通)を形成し、板材を膨張し得る温度まで加熱して常温の棒材を嵌めて、板材の常温に戻る際の収縮作用で棒材を締め付けて固定するいわゆる「焼嵌め」。焼嵌めの逆で、棒材を収縮し得る温度まで冷却して常温の板材の穴又は孔に嵌めて、棒材が常温に戻る際の膨張作用で板材との相対的な締め付けで固定するいわゆる「冷嵌め」。
【0005】
さらに、超塑性変形に必要とされる最低温度以上に両部材を加熱し、部材同士の境界面を塑性変形させつつ融接して一体化する以下の特許文献1が特許となっている。
【特許文献1】特許登録第2980661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の手法においては、次の問題点があった。まず、「高速剪断接合」は、ハンマーを高速で駆動させるための専用の装置が必要となり、既存の例えばプレス装置で行うことができない。
【0007】
「シェービング接合」は、板材を加熱する場合もあるため、熱膨張や熱収縮後の寸法変化を見越して、棒材のねじ部分が適切に螺入されるよう、板材に設ける穴や孔を正確に設計する必要がある。
【0008】
「高強度塑性結合」は、硬度差を必要とするため、板材と棒材の材料の組み合わせが限定されるという問題がある。また、高強度な接合を望む場合は別途焼き入れを施す必要があるという問題がある。
【0009】
さらに、「焼嵌め」や「冷嵌め」及び上記特許文献1は、予め、材料の種類や寸法によって綿密に膨張又は収縮を計算したはめあい寸法を設計する必要があるほか、熱膨張又は収縮に要する材料の温度管理も正確に行う必要があり、効率が悪く、安価でかつ大量に作成することができないという問題がある。
【0010】
また、特許文献1は、部材同士を融接して一体化するので、部材を双方共に超塑性変形に必要とされる最低温度以上に加熱しなくてはならない。したがって冶金学的な知識や設備が必要とされ、機械的に固定するほどは簡単ではなく、よって効率も悪く安価で大量に作成できない。
【0011】
本発明が解決しようとする問題点は、「高速剪断接合」では既存のプレス装置によって実施できない点、また、「高強度塑性結合」では板材と棒材の材料の組み合わせが限定されると点、及び別途焼き入れを施す必要がある点、並びに「シェービング接合」及び「焼嵌め」や「冷嵌め」では板材に形成した穴や孔の寸法を正確に計算して設計する必要がある点、特許文献1では、簡単で強固な固定ができない点、を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した問題点を解消するために、本発明は、金属部材である板状の一方部材について、同様に金属部材である軸状の他方部材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法とされた穴又は孔を形成した後、軟化する温度に加熱し、この一方部材に対し、常温とされた軸状の他方部材を押し込む一方部材を軟化する温度に加熱し、この一方部材に対し常温とされた他方部材を押し込むこととした。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る金属部材の固定方法は、板状の一方の金属材について、「シェービング接合」及び「焼嵌め」及び「冷嵌め」のように、厳密で精度の高い穴や孔を形成する必要はなく、また、「高速剪断接合」のように、特別な装置によってハンマーを高速に打ち下ろす必要はなく、既存のプレス装置によって実施できる。
【0014】
さらに、本発明に係る金属部材の固定方法は、「高強度塑性結合」のように、板材と棒材の材料の組み合わせは何ら限定されることもなく、かつ別途焼き入れを施す必要もなく、また、特許文献1のように、板状の一方部材と軸状の他方部材を共に超塑性変形に必要とされる最低温度まで加熱する必要がない。
【0015】
すなわち、本発明に係る金属部材の固定方法で言う穴や孔の径は、後に詳述するが、軸状の他方部材を板状の一方部材に押し込む際に、該軸状の他方部材が板状の一方部材の穴や孔の内面を剪断、換言すると板状の一方部材の穴や孔の内面を削り取り、新生面での凝着力が生じればよいので、正確な寸法でなくてもよいのである。
【0016】
また、上記したように穴や孔の径について正確さを要求されず、かつ板状の一方部材と軸状の他方部材とにおける新生面での凝着力が生じればよいから、特別な装置は必要ではなく、既存のプレス装置により実施が可能で、また、金属種の硬度で限定されることもなく、さらには軸状の他方部材までも加熱する必要はない。
【0017】
さらに、本発明は、上記したように軸状の他方部材の外面と、板状の一方部材の穴や孔の内面において(削り取られた)新生面との間で凝着力が生じていること、及び板状の一方部材の冷却時の熱収縮で軸状の他方部材の外面を強固に締め付けること、から別途に焼き入れが必要とならない。
【0018】
また、本発明は、予め板状の一方部材に穴や孔が形成されていることと、軟化する程度まで加熱していることから、軸状の他方部材を板状の一方部材へ押し込む際の荷重を小さくすることができる。
【0019】
したがって、本発明に係る金属部材の固定方法は、必要に応じて異なる複数の金属部材を少ない工数で簡単かつ強固に固定させることができ、また、高効率で大量生産が可能となって完成品のコストダウンを図ることができる。
【0020】
そして、前記、本発明に係る金属部材の固定方法により作成された、板状の一方部材の厚みに対して軸状の他方部材が貫通又は途中まで達したフランジ付軸部材は、前記の手法によって作成されているので、高効率で大量に作成できると共に、軸状の他方の金属材が板状の一方の金属材から抜けにくく、かつ軸回転しにくくなり、機械的強度に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、例えば、金属製の軸状部材(他方部材:以下、軸材という)と同じく金属製の板状部材(一方部材:以下、板材という)とから、板材によるフランジを有する軸材(以下、フランジ付軸部材という)を作成する場合、以下の第1及び第2形態を実施する。
【0022】
なお、軸材とは、本例では説明上、円柱で軸方向に長い材料とするが、断面形状はこれに限定されず(軸方向に)細長い材料という意味である。また、板材とは、本例では、説明上、円形の平板とするが、外形形状及び厚さ分布はこれに限定されない。
【0023】
また、第1形態において、基本的な説明を行い、第2形態においては、第1形態と異なる点について説明し、重複する説明は省略することとする。
【0024】
(第1形態)
まず、板材に対して、押し込むべき軸材の断面形状と相似形で、該軸材の断面形状(本例の場合は外径)の寸法より10〜50%だけ小さい寸法の(小径の)穴又は孔を形成する。本例では孔(貫通)を形成することとする。
【0025】
ここで、孔を軸材の断面形状と相似形とする理由、及び孔の寸法を該軸材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法とする理由を説明する。本発明の金属部材の固定方法では、軸材を板材に押し込むことにより、該板材に剪断変形を生じさせ、そのときの新生面での凝着力と、板材の冷却時に熱収縮によって強固な固定力を発現させるものである。
【0026】
軸材は、板材に形成した孔の内面を削り取るように押し込まれる必要があるが、孔が存在しないと軸材の押し込みに大きな力を要する。ところが、この押し込み時の力を軽減することに重きを置くと、今度は固定力を発現する上記新生面での凝着力が満足に生じ得ないこととなる。
【0027】
したがって、孔は、軸材の外面全域により板材の孔の内面全域を確実に削り取るよう、相似形としたのである。また、孔の寸法が、軸材の外径に対して50%より小径であると、該軸材の押し込みに孔が形成されていないのと同程度の力を要することになり、90%より大径であると、新生面での凝着力が生じないから、孔は、軸材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法としたのである。
【0028】
つまり、孔は、軸材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法という範囲を有し、また、熱膨張や熱収縮、はめ合い寸法などは一切考慮しなくてよいから、極めて容易に設計することができる。
【0029】
なお、孔は、上記のとおり、軸材の断面形状の寸法に対して10〜50%だけ小さい寸法であることから、結果的に、必ず該軸材の外面が孔の内面を削り取ることになるから、必ずしも軸材の断面形状と相似形でなくてもよいが、このようにしておけば、孔の内面において新生面での凝着力が均一に生じ、固定力もまた均一なものとすることができる。また、上記のとおり、孔は、有底の穴であっても構わない。
【0030】
続いて、板材に孔を形成した後、該板材を軟化する温度まで加熱する。なお、板材については、例えば熱間鍛造で作成される場合は、鍛造後に改めて加熱しなくても、鍛造後で高温状態にある板材を用いても構わない。
【0031】
ここで、軟化する温度とは、板材自身については常温時より変形しやすくなる状態の温度を意味し、また、軸材に対しては該軸材の方が硬く、軸材を押し込んだときに該軸材が挿入又は貫通できる硬度差を生じる程度に板材が軟化する温度を意味する。具体的には、板材の加熱時の強度が軸材の室温での強度の1/2〜1/3まで軟化すればよい。
【0032】
さらに、軟化する温度とは、当然軟化する温度に加熱すれば熱膨張が生じるが、十分な熱膨張が生じ得る温度を意味する。ただし、軟化する温度という意味には、板材が液相になって流動する温度は含まない。
【0033】
この理由は、本発明の金属材料の固定方法は、あくまで固相にある既に作成済みの金属部材同士を機械的に、例えば既存のプレス装置などを用いて極めて容易でありながら強固に固定する点に特化しているからである。
【0034】
ここで、加熱するのは必ず一方部材(板材)であり、他方部材(軸材)は常温とする。また、加熱温度は、板材の金属種によって各々異なるので一様に決められないが、前記した条件を満たせば、それ以上の高温に加熱しなくてよい。
【0035】
本発明は、上記したように金属部材同士を「一体的に融接」するものではないから板材と軸材の両方を加熱する必要はなく、むしろ軸材については加熱しない方が望ましい(理由は後述)。
【0036】
続いて、板材をプレス装置の下型に配置する。下型は、軸材を板材の穴に対して押し込む場合、板材の孔に対して押し込む場合、いずれにしても板材において軸材が押し込まれる側の面の反対面が対向する面に、軸材により押し出される板材を受ける穴(孔でもよい)を形成しておくことが望ましい。
【0037】
この理由は、下型に穴を形成していないと、板材が軸材の押し込み箇所を中心に窪む(ひずむ)からである。つまり板材における軸材の押し込み部分が板材の面方向に移動して平坦度が損なわれるからである。
【0038】
そして、常温の軸材をプレス装置の上型に配置するが、このとき軸材は板材に対する押し込み位置に位置決めしておく。また、特に軸材は、軸方向における板材への押し込み部位から反対側に離れた箇所を上型で把持すると、押し込み時に座屈変形する可能性がある。したがって、上型は、軸材において押し込み部位の直上部位を把持すればよい。
【0039】
そして、プレス装置により、本例の場合は例えば軸材を板材に対して押し込む。もちろん板材を軸材に押し込んでもよいし、両者を互いに押し込んでも構わない。このとき、本発明で言う押し込むとは、次の条件を満たしていることを意味する。
【0040】
まず、加熱した板材に対し軸材を時間をかけて板材へ押し込むと、軸材が板材からの熱伝達によって加熱されて軟化し、この加熱に起因した変形によって押し込むことができない可能性がある。また、軸材に板材からの熱が伝達されないとしても、軸材は、加熱により軟化した板材の孔の内面を削り取るように押し込まれなければならない。
【0041】
すなわち、板材は、軸材の押し込みにより孔の内面が削り取られるように剪断変形が生じ、下型に設けられた穴に削り取られた部分が押し出される。剪断により生じた板材の孔の内面の新生面と、押し込まれた軸材外面との界面では、凝着力が生じる。この現象が、軸材と板材を強固に固定する原理の一つだからである。
【0042】
したがって、本発明で言う押し込むとは、板材からの熱が軸材に伝達しないこと、及び板材からの熱が押し込んだときに板材との新生面における凝着力が生じること、の条件を満たしていることを意味する。
【0043】
軸材を板材に押し込んだ後、自然冷却する。板材は、先の加熱により膨張しているから、常温への冷却が進行するに伴って収縮する。このとき、既に上記凝着力により軸材と板材は固定されているうえに、板材の冷却により軸材は板材の収縮による締め付けでさらに強固に固定される。この現象が、軸材と板材を強固に固定する原理のもう一つである。
【0044】
このようにすることで、板材と軸材とから、これら両者を簡単で強固に固定したフランジ付軸部材を得ることができる。また、板材に複数の軸材を押し込んでもよいし、板材と軸材が異種金属であっても構わないし、また、板材と軸材の硬度差も厳密には要求されない。つまり、本発明は、異種金属でも簡単かつ強固に固定できるということである。
【0045】
このように作成されたフランジ付軸部材は、作成が容易であることは上記した通りであるが、製品としては、軸材の板材に対する引き抜き荷重、及び軸回転の荷重が、共に増加しているので、過酷な使用状況下においても強固な固定状態を実現できる。
【0046】
(第2形態)
第2形態においては、軸材の周面に凹部を形成しておく。軸材に凹部を形成するタイミングは、板材について穴又は孔を形成する前でも形成した後でも構わないが、該板材を加熱する前であることが望ましい。この理由は、当然、軸材に凹部を形成している間に、加熱した板材が自然冷却されてしまうからである。
【0047】
また、凹部は、軸材において板材に押し込まれる領域の全周又は周面の一部に形成される。さらに、凹部形状は限定しないが、軸方向に長く周方向に平行に複数形成した場合は軸材の転回転の荷重を特に増加させることができ、一方、軸方向に短く周方向に一連又は複数形成した場合は引き抜き荷重を特に増加させることができる。
【0048】
このように作成された第2形態におけるフランジ付軸部材は、板材の孔に対する軸材の押し込みの剪断により生じた該孔内面の新生面と、押し込まれた軸材外面との界面で凝着力が生じ、後に板材の自然冷却による熱収縮して、板材と軸材とは強固に固定される点は第1形態と同様である。
【0049】
ここで、第2形態では、特に、板材の熱収縮時に、収縮変形した板材の一部が軸材の凹部に嵌り込むことで、凹部を形成していない軸材を用いるときに較べて、該凹部形状に応じた機械的強度、例えば引き抜きや軸回転の荷重を大幅に増加させることができる。
【0050】
また、第2形態の効果としては、例えば強化すべき方向の荷重を考慮して(特化して)軸材に凹部を形成すれば、加工作業面の改善も可能となる。すなわち、例えば、押し込む方向に次第に径が小さくなるような凹部を周面全域に形成することで、押し込み方向に特化して引き抜き(押し込み)荷重を増加させることができるが、このときは軸材の押し込みに要する圧力をも低減できるといった効果も得ることができる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明に係る金属部材の固定方法について、その効果を確認するために行った実験について説明する。
【0052】
(実験1)
実験1は、円盤状の板材と軸材の2部材から、軸材が板材を貫通したフランジ付軸部材を作成する際の1)軸材を板材に押し込む際の力、2)引き抜き荷重について比較した。
【0053】
本発明の第1形態の金属部材の固定方法(実施例1)と本発明を採用していない金属部材の固定方法(比較例1)において板材と軸材は、共通の仕様とした。
板材:直径は48mm、厚みは8mm、金属種はJIS S45Cである。
軸材:直径は8mm、長さは60mm、金属種はJIS SCM435である。
フランジ付軸部材は、軸材の軸方向中央に板材の厚み中央が位置する。
【0054】
(実施例1)
軸材の径に対して10%小径の孔を形成した板材を1000℃(当該金属種において変形しやすくなる程度に軟化する温度)まで加熱し、機械プレス装置により、軸材を約100mm/秒の速度で軸方向中央が板材の厚み中央に位置するまで一気に押し込んだ。その後、5分、常温で放置して、フランジ付軸部材を得た。
【0055】
(比較例1)
軸材の径に対して70%(本発明範囲の上限値を超える)小さい径の孔を形成し、この後に、実施例1と同様に、加熱し、押し込み、放置して、フランジ付軸部材を得た。
【0056】
1)押し込みに要する圧力
実施例1は、180Mpaであった。
比較例1は、450Mpaであった。
【0057】
2)引き抜き荷重
実施例1は、2.4tonであった。
比較例1は、2.0tonであった。
【0058】
以上のことから、実施例1は、比較例1に較べ、押し込みに要する圧力は2/5倍に、引き抜き荷重は1.2倍になることが判明した。
【0059】
(実験2)
実験2も実験1同様、円盤状の板材と軸材の2部材から、軸材が板材を貫通したフランジ付軸部材を作成する際の1)軸材を板材に押し込む際の力、2)引き抜き荷重について比較した。
【0060】
本発明の第2形態の金属部材の固定方法(実施例2)と第1形態の固定方法(実施例3)において板材と軸材は、共通の仕様とした。
板材:直径は78mm、厚みは28mm、金属種はJIS S45Cである。
軸材:押し込み領域の直径は22mm、押し込み長さは先端から28mm(全長85mm)、金属種はJIS SCM420である。
フランジ付軸部材は、軸材の軸方向中央に板材の厚み中央が位置する。
【0061】
ただし、実施例2の軸材については、板材を加熱する前に、先端から23mmの位置に押し込み方向と反対の方向に8.7mmの軸方向の長さで、周方向全域に深さ2mm凹部を形成した。
【0062】
(実施例2,3)
軸材の径に対して5%小径の孔を形成した板材を950℃(当該金属種において変形しやすくなる程度に軟化する温度)まで加熱し、機械プレス装置により、実施例2及び3のそれぞれの軸材を、約100mm/秒の速度で軸方向中央がそれぞれの板材の厚み中央に位置するまで一気に押し込んだ。その後、5分、常温で放置して、実施例2及び3の各々のフランジ付軸部材を得た。
【0063】
1)押し込みに要する圧力
実施例2は、285Mpaであった。
実施例3は、304Mpaであった。
【0064】
2)引き抜き荷重
実施例2は、21.0tonであった。
実施例3は、18.9tonであった。
【0065】
以上のことから、実施例2は、実施例3に較べ、押し込みに要する圧力は0.94倍に、引き抜き荷重は1.1倍になることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0066】
軸材と板材を固定する例で説明したが、一方部材と他方部材の複数部材において、他方部材は、一方部材との押し込み時に塑性変形や座屈を生じないならば特に限定されず、また、一方部材は、加熱時の強度が他方部材の室温強度の1/2〜1/3となるまで軟化するならば特に限定されず、全体形状、金属種に限定されず、幅広く適用できる。
【0067】
さらに、一方部材と他方部材の相対的な押し込みは、加熱した一方部材の熱が、常温の他方部材に伝達しないと共に、押し込んだときに一方及び他方部材との間で生じる新生面における凝着力が生じるならば、特に限定しない。
【出願人】 【識別番号】591105074
【氏名又は名称】株式会社ニチダイ
【識別番号】505189349
【氏名又は名称】新井工業株式会社
【識別番号】507168801
【氏名又は名称】小坂田 宏造
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
【出願日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【代理人】 【識別番号】100089462
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 哲也

【識別番号】100060829
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 満好

【識別番号】100116344
【弁理士】
【氏名又は名称】岩原 義則

【識別番号】100129827
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 進


【公開番号】 特開2008−817(P2008−817A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−137601(P2007−137601)