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【発明の名称】 押出し成形装置
【発明者】 【氏名】栄 輝

【要約】 【課題】押出された形材の後処理を行いやすい押出し成形装置を提供する。

【構成】この押出し成形装置は、押出し方向に貫通する貫通孔6aを有する固定ダイス6と、貫通孔6a内に移動可能に配設される一対の可動ダイス10,10とを備え、一対の可動ダイス10,10の各成形部の成形面間の間隙を通して形材を押出すようになっている。そして、各可動ダイス10には、それぞれ可動ダイス10を駆動するための駆動部材12が連結され、この各駆動部材12は、押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出し方向に貫通する貫通孔を有する固定ダイスと、前記貫通孔内に移動可能に配設される一対の可動ダイスとを備え、前記一対の可動ダイス間の間隙を通して形材を押出す押出し成形装置であって、
前記各可動ダイスには、それぞれ前記可動ダイスを駆動するための駆動部材が連結され、この各駆動部材は、押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されている、押出し成形装置。
【請求項2】
前記固定ダイスの押出し方向の下流側にダイガイドが設けられているとともに、当該ダイガイドには前記可動ダイスを案内するガイド溝が設けられており、
前記可動ダイスは、前記ダイガイド側に延びるとともに前記ガイド溝によって案内されるガイド部を有する、請求項1に記載の押出し成形装置。
【請求項3】
前記固定ダイスには前記可動ダイスを案内するガイド溝が設けられており、
前記可動ダイスは、前記形材を成形する成形部に隣接した位置に設けられるとともに前記ガイド溝によって案内されるガイド部を有する、請求項1に記載の押出し成形装置。
【請求項4】
前記各駆動部材による前記各可動ダイスへの駆動力の付与方向は、対応する前記ガイド溝の延びる方向に一致している、請求項2または3に記載の押出し成形装置。
【請求項5】
駆動源と、この駆動源によって駆動される駆動軸と、この駆動軸の一側部に結合され、前記駆動軸に連動して揺動するピボットレバーとをそれぞれ一対ずつ備え、
前記各駆動部材は、それぞれ対応するピボットレバーに結合されるとともに、そのピボットレバーの揺動によって移動するように構成されており、
前記駆動軸は、前記駆動部材の延長線に対して前記形材の流通領域と反対側に向かって前記一側部から延び、他側部に前記駆動源が結合されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出し成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、押出し成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の間隙を隔てて対向配置された一対の可動ダイスを押出し方向に対して斜めに移動させてそれらの間の間隙の大きさを変えることにより、押出す形材の幅を変更するように構成された押出し成形装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された押出し成形装置では、可動ダイスが固定ダイスに設けられた傾斜面に沿って押出し方向に対して斜めに移動するようになっているとともに、一対の可動ダイスの押出し方向の下流側に各可動ダイスをそれぞれ駆動するためのシリンダが押出し方向に沿って配設されている。そして、各シリンダが押出し方向に伸縮して可動ダイスを移動させるようになっている。
【特許文献1】特許第3630227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、押出し成形装置では、押出し方向の下流側で形材を切断したり冷却する等の後処理を行う場合がある。しかしながら、上記特許文献1のように、可動ダイスの押出し方向の下流側に一対のシリンダが押出し方向に沿って配置されている場合には、その後処理を一対のシリンダ間の狭いスペースで行うことになるため、後処理を行いにくい。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、押出された形材の後処理を行いやすい押出し成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による押出し成形装置は、押出し方向に貫通する貫通孔を有する固定ダイスと、前記貫通孔内に移動可能に配設される一対の可動ダイスとを備え、前記一対の可動ダイス間の間隙を通して形材を押出す押出し成形装置であって、前記各可動ダイスには、それぞれ前記可動ダイスを駆動するための駆動部材が連結され、この各駆動部材は、押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されている。
【0007】
この押出し成形装置では、可動ダイスを駆動する一対の駆動部材が押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されているので、この一対の駆動部材間に形材の後処理を行うための広いスペースを確保することができる。これにより、従来のように一対のシリンダが押出し方向の下流側に押出し方向に沿って配設されている場合に比べて、押出された形材の後処理を行いやすくすることができる。
【0008】
上記押出し成形装置において、前記固定ダイスの押出し方向の下流側にダイガイドが設けられているとともに、当該ダイガイドには前記可動ダイスを案内するガイド溝が設けられており、前記可動ダイスは、前記ダイガイド側に延びるとともに前記ガイド溝によって案内されるガイド部を有していてもよい。固定ダイスにガイド溝を設ける場合には、形成する形材の形状及び寸法に応じてガイド溝及びそのガイド溝に案内される可動ダイスのガイド部の形状と寸法がある程度制限されるが、上記のように固定ダイスとは別に設けられたダイガイドにガイド溝を設けて、そのガイド溝により可動ダイスのガイド部を案内する場合には、固定ダイスにガイド溝を設ける場合に比べてガイド溝及びガイド部の形状と寸法に自由度を持たせることができる。このため、固定ダイスにガイド溝を設ける場合に比べて、ガイド部の形状及び寸法を強度が向上するように設計してガイド部の強度を向上させることができる。
【0009】
上記押出し成形装置において、前記固定ダイスには前記可動ダイスを案内するガイド溝が設けられており、前記可動ダイスは、前記形材を成形する成形部に隣接した位置に設けられるとともに前記ガイド溝によって案内されるガイド部を有していてもよい。このように構成すれば、形材を成形する成形部の近傍でガイド部がガイド溝によって案内されるので、一対の可動ダイスの成形部間の間隙を精度良く制御することができる。これにより、一対の可動ダイスの成形部間の間隙を通して押出す形材の寸法精度を向上させることができる。
【0010】
上記ガイド溝が設けられた構成において、前記各駆動部材による前記各可動ダイスへの駆動力の付与方向は、対応する前記ガイド溝の延びる方向に一致しているのが好ましい。駆動部材による可動ダイスへの駆動力の付与方向がガイド溝の延びる方向と異なる場合には、駆動部材から可動ダイスに駆動力を与えて可動ダイスを移動させる際に可動ダイスがガイド溝の内壁面から反力を受けることに起因して可動ダイスをガイド溝に沿ってスムーズに移動させにくくなる。これに対して、上記のように駆動部材による可動ダイスへの駆動力の付与方向が対応するガイド溝の延びる方向に一致している場合には、可動ダイスがガイド溝の内壁面から反力を受けるのを抑制することができるので、可動ダイスをガイド溝に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0011】
上記押出し成形装置において、駆動源と、この駆動源によって駆動される駆動軸と、この駆動軸の一側部に結合され、前記駆動軸に連動して揺動するピボットレバーとをそれぞれ一対ずつ備え、前記各駆動部材は、それぞれ対応するピボットレバーに結合されるとともに、そのピボットレバーの揺動によって移動するように構成されており、前記駆動軸は、前記駆動部材の延長線に対して前記形材の流通領域と反対側に向かって前記一側部から延び、他側部に前記駆動源が結合されているのが好ましい。このように構成すれば、可動ダイスを移動させるために必要なモータ等の駆動源を熱間押出しの際に高温となる形材近傍から成形装置の外側へ遠ざけて配置することができるので、形材からの熱による影響を低減して駆動源を安定して精度良く駆動させることができる。このため、可動ダイスの移動位置を精度良く制御しながら可動ダイスを移動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の押出し成形装置によれば、押出された形材の後処理を行いやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1には、本発明の一実施形態による押出し成形装置の全体構成が示されており、図2には、図1に示した押出し成形装置の要部の構造が概略的に示されている。ただし、図2では、後述する一対の可動ダイス10,10のうち一方のみを示している。
【0015】
本実施形態による押出し成形装置(以下、単に成形装置という)は、図1に示すように、コンテナ2と、ステム4と、固定ダイス6と、ダイホルダ7と、ダイガイド8と、一対の可動ダイス10,10と、一対の駆動部材12,12と、一対の駆動機構14,14とを備えている。コンテナ2にはビレット(図示省略)が装填され、このコンテナ2内のビレットをステム4で押出すようになっている。
【0016】
固定ダイス6は、コンテナ2の押出し側端部に固定されるものであり、押出し方向に貫通する貫通孔6a(図2参照)が設けられている。この貫通孔6aは、押出し方向に垂直な断面が矩形状に形成されており、この断面内における一方向(図2のY方向)の幅が押出し方向に沿って一定に形成されている。すなわち、Y方向に対向する一対の内面は平行な平面6bとなっている。一方、前記断面内でY方向に直交するX方向(図2参照)に対向する一対の内面は押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる傾斜面6c,6cとして形成されている。これら傾斜面6c,6cは、押出し方向に対してそれぞれ同じ傾斜角度となっている。ダイホルダ7は、固定ダイス6を上記の固定された状態で保持している。
【0017】
ダイガイド8は、固定ダイス6の押出し方向下流側に設けられており、固定ダイス6の押出し方向下流側の端部に結合している。このダイガイド8には、押出し方向に貫通する貫通孔8aが設けられている。この貫通孔8aのY方向端部に可動ダイス10の後述するガイド部10bを案内する一対のガイド溝8b,8bが設けられている。これらガイド溝8b,8bは、それぞれ前記固定ダイス6の各傾斜面6cの下流側に設けられており、押出し方向に対して傾斜した方向に延びている。そして、ガイド溝8b,8bは、押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかるように同じ傾斜角度で設けられており、各ガイド溝8bと対応する前記固定ダイス6の傾斜面6cとは互いに平行に設けられている。貫通孔8aのX方向に対向する一対の内面は、押出し方向の下流側へ向かうに従って同じ傾斜角度で互いに遠ざかる傾斜面8c,8cとして形成されている。各傾斜面8cは、対応する前記固定ダイス6の傾斜面6cと平行に設けられている。そして、各傾斜面8cは、対応する前記傾斜面6cよりもX方向において外側に配置されており、各傾斜面8cと対応する前記傾斜面6cとの間で段差9が形成されている。
【0018】
一対の可動ダイス10,10は、互いに対称な形状に形成されており、それぞれ成形部10aとガイド部10bと連結部10cとを一体に有している。各可動ダイス10は、X方向において互いに対向する姿勢で固定ダイス6の貫通孔6a及びダイガイド8の貫通孔8a内に配置されている。各可動ダイス10は、対応する前記ガイド溝8bに沿って押出し方向に対して傾斜した方向に移動可能に設けられている。
【0019】
成形部10aと連結部10cとガイド部10bとは、押出し方向の上流側から下流側へこの順番で設けられている。成形部10aは、前記貫通孔6a内で形材を成形する部分である。成形部10aは、成形面を有しており、可動ダイス10,10の各成形部10aの成形面は、前記貫通孔6a内でX方向において互いに対向している。そして、これら両成形部10aの成形面間の間隙をビレットが通過して形材が押出されるようになっている。そして、成形部10aは、可動ダイス10が上記のように移動するのに応じて前記貫通孔6a内で押出し方向に対して傾斜した方向に移動するように構成されている。
【0020】
ガイド部10bは、前記ガイド溝8bによって案内される部分である。このガイド部10bは、成形部10aから連結部10cを介してダイガイド8側へ延びており、前記ガイド溝8b内に摺動可能に嵌め込まれている。ガイド部10bは、断面矩形状で長手方向に沿って幅が一定となっている。そして、ガイド部10bの押出し方向に直交する方向の断面積は、成形部10a及び連結部10cよりも大きくなっている。
【0021】
成形部10a及び連結部10cのX方向の外側の面には、連続した平面状の摺接面10dが形成されている。この摺接面10dは、可動ダイス10が移動するときに固定ダイス6の傾斜面6c上を摺動するようになっている。また、連結部10cとガイド部10bとの境界部分に段差部10eが形成されている。この段差部10eが前記段差9に当接することにより、可動ダイス10の上流側への移動し過ぎが確実に抑止されるようになっている。ガイド部10bの押出し側端部には、Y方向において所定の間隙を挟んで対向する一対の結合部10f,10fが設けられている。この一対の結合部10f,10f間に駆動部材12の上流側の端部が差し込まれた状態でピン結合されている。
【0022】
一対の駆動部材12,12は、それぞれ駆動機構14の後述するピボットレバー20の揺動を受けて可動ダイス10を駆動するものである。各駆動部材12は、断面矩形状で細長い棒状の部材であり、前記ガイド溝8bに沿って押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配置されている。
【0023】
一対の駆動機構14,14は、それぞれ前記各駆動部材12に対応して設けられている。この駆動機構14は、駆動部材12を介して可動ダイス10を押出し方向に駆動するためのものである。各駆動機構14は、サーボモータ16(駆動源)と、サーボモータ16によって駆動される駆動軸18と、駆動軸18の駆動に連動して揺動するピボットレバー20とを有する。
【0024】
駆動軸18は、駆動部材12の延長線に対して形材の流通領域と反対側に向かって一方端部から他方端部側へ直線的に延びており、その一方端部がピボットレバー20の下流側の端部に連結している。換言すれば、駆動軸18は、ピボットレバー20の下流側の端部から成形装置の側方外側へ向かって直線的に延びている。サーボモータ16は、駆動軸18の他方端部に結合されている。これにより、サーボモータ16は、成形装置の外側に離れた位置に配置されている。
【0025】
また、駆動軸18は、サーボモータ16の駆動によりその長手方向(図1のAB方向)に進退移動するようになっている。ピボットレバー20は、支軸20a回りに揺動可能に構成されている。そして、ピボットレバー20の下流側の端部には駆動軸18と結合する下流側連結部20bが設けられている一方、上流側の端部には駆動部材12と結合する上流側連結部20cが設けられている。このピボットレバー20は、支軸20aから下流側連結部20bへ延びる部分に対して支軸20aから上流側連結部20cへ延びる部分が成形装置の内側へ屈曲した形状に形成されている。ピボットレバー20の下流側連結部20bは、駆動軸18に対して図1のCD方向に回動可能に連結されている。ピボットレバー20の上流側連結部20cは、駆動部材12の下流側の端部とピン結合しており、この構成によってピボットレバー20の揺動が前記ガイド溝8bに沿った駆動部材12の直線運動に変換される。
【0026】
そして、サーボモータ16の駆動により駆動軸18がその長手方向(図1のAB方向)に進退移動することによって、ピボットレバー20が支軸20aを支点として揺動し、それを受けて駆動部材12がガイド溝8bに沿って移動するようになっている。そして、駆動部材12がこのように移動することによって、可動ダイス10がガイド溝8bに沿って押出し方向に傾斜した方向に移動するように構成されている。
【0027】
上記した成形装置では、例えば図3に示すような平行部51,52と傾斜部55,56とが押出し方向に交互に形成された形材50を押出し成形することが可能である。なお、この押出し成形は、熱間押出しによって行う。本実施形態の成形装置によって形材50を成形するには、まずコンテナ2内にビレットを装填し、このビレットをステム4によって押出す。
【0028】
押出し時において図4(a)のように両可動ダイス10,10が押出し方向下流側に位置していてそれぞれの成形部10aが互いに遠ざかった状態に固定されていれば、幅広の平行部51が押出されることになる。そして図4(b)に示すように、押出し中に両可動ダイス10,10を駆動機構14によって上流側へ移動させる。この際、サーボモータ16の駆動により駆動軸18を図1のA方向に移動させる。これにより、ピボットレバー20は図1のE方向に揺動し、それを受けて駆動部材12がガイド溝8bに沿って上流側へ移動することによって可動ダイス10がガイド溝8bに案内されながら上流側へ移動する。そして、両可動ダイス10,10が上流側へ移動すると、成形部10a,10a間の間隙が次第に狭くなるため、それに伴って押出される形材50の幅が次第に狭くなる。このようにして傾斜部55が成形される。
【0029】
その後、図4(c)に示すように、可動ダイス10,10が押出し方向上流側に固定されると、形材50は一定の幅で押出される。このときは幅の狭い平行部52が押出されることになる。そして、図4(d)に示すように両可動ダイス10,10を駆動機構14によって今度は下流側へ移動させる。この際、サーボモータ16の駆動により駆動軸18を図1のB方向に移動させる。これにより、ピボットレバー20は図1のF方向に揺動し、それを受けて駆動部材12がガイド溝8bに沿って下流側へ移動することによって可動ダイス10がガイド溝8bに案内されながら下流側へ移動する。そして、両可動ダイス10,10が下流側へ移動すると、成形部10a,10a間の間隙が次第に広くなるため、それに伴って押出される形材50の幅が次第に広くなる。このようにして傾斜部56が成形される。その後、可動ダイス10,10が下流側に固定されると、図4(e)に示すように再び平行部51が押出されることになる。これらを繰り返すことによって図3に示す形材50が押出し成形される。
【0030】
そして、押出した形材50を例えば図3に示した仮想線59毎に切断したり、熱間押出しによって高温となっているのを冷却する等の後処理が一対の駆動部材12,12間及び一対のピボットレバー20,20間のスペースで行われる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態では、可動ダイス10を駆動する一対の駆動部材12,12が押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されているので、この一対の駆動部材12,12間に形材の後処理を行うための広いスペースを確保することができる。これにより、従来のように一対のシリンダが押出し方向の下流側に押出し方向に沿って配設されている場合に比べて、押出された形材の後処理を行いやすくすることができる。
【0032】
また、本実施形態では、固定ダイス6の押出し方向の下流側に位置するダイガイド8にガイド溝8bが設けられており、可動ダイス10のダイガイド8側に延びるガイド部10bがそのダイガイド8のガイド溝8bによって案内される。固定ダイス66にガイド溝を設ける場合には、形成する形材の形状及び寸法に応じてガイド溝及びそのガイド溝に案内されるガイド部の形状と寸法がある程度制限されるが、上記のように固定ダイス6とは別に設けられたダイガイド8にガイド溝8bを設けて、そのガイド溝8bにより可動ダイス10のガイド部10bを案内する場合には、固定ダイス6にガイド溝を設ける場合に比べてガイド溝8b及びガイド部10bの形状と寸法に自由度を持たせることができる。このため、固定ダイス6にガイド溝を設ける場合に比べて、ガイド部10bの形状及び寸法を強度が向上するように、例えば断面積が大きくなるように設計してガイド部10bの強度を向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態では、各駆動部材12による各可動ダイス10の駆動方向は、対応するガイド溝8bの延びる方向に一致している。駆動部材12による可動ダイス10の駆動方向がガイド溝8bの延びる方向と異なる場合には、駆動部材12から可動ダイス10に駆動力を与えて可動ダイス10を移動させる際に可動ダイス10がガイド溝8bの内壁面から反力を受けることに起因して可動ダイス10をガイド溝8bに沿ってスムーズに移動させにくくなる。これに対して、上記のように駆動部材12による可動ダイス10の駆動方向が対応するガイド溝8bの延びる方向に一致している場合には、可動ダイス10がガイド溝8bの内壁面から反力を受けるのを抑制することができるので、可動ダイス10をガイド溝8bに沿ってスムーズに移動させることができる。
【0034】
また、本実施形態では、駆動軸18が駆動部材12の延長線に対して形材の流通領域と反対側に向かってピボットレバー20に連結する一方端部から延び、その駆動軸18の他方端部にサーボモータ16が結合されているので、サーボモータ16を熱間押出しの際に高温となる形材近傍から成形装置の外側へ遠ざけて配置することができる。これにより、形材からの熱による影響を低減してサーボモータ16を安定して精度良く駆動させることができる。このため、可動ダイス10の移動位置を精度良く制御しながら可動ダイス10を移動させることができる。
【0035】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0036】
例えば、上記実施形態による駆動機構14以外の構成を有する駆動機構によって可動ダイス10を押出し方向に傾斜した方向に移動させてもよい。この際、各可動ダイス10に結合して各可動ダイス10を駆動させる各駆動部材としては、押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかる姿勢で配設されるものであれば、上記実施形態による駆動部材12のようなものに限らず、種々の構成のものを用いることができる。
【0037】
また、上記実施形態では、固定ダイス6の下流側に位置するダイガイド8にガイド溝8bを設けるともに、そのガイド溝8bで可動ダイス10のダイガイド8側へ延びるガイド部10bを案内して可動ダイス10を押出し方向に傾斜した方向に移動させたが、本発明はこれに限らず、上記以外の構成により可動ダイス10を押出し方向に傾斜した方向に移動させてもよい。
【0038】
例えば、図5に示した変形例の構成のように固定ダイス66にガイド溝66bを設けるとともに、可動ダイス60の成形部60aに隣接した位置にガイド部60bを設け、このガイド部60bを固定ダイス66のガイド溝66bで案内することによって可動ダイス60を押出し方向に傾斜した方向に移動させてもよい。この構成では、一対のガイド溝66b,66bが固定ダイス66の貫通孔66aのY方向端部に設けられている。貫通孔66aのX方向に対向する一対の傾斜面66c,66cは、上記実施形態による傾斜面6c,6cと同様に押出し方向の下流側へ向かうに従って同じ傾斜角度で互いに遠ざかるように配置されている。また、両ガイド溝66b,66bも押出し方向の下流側へ向かうに従って互いに遠ざかるように傾斜しており、それぞれ対応する傾斜面66cと同じ角度で設けられている。
【0039】
各可動ダイス60は、ガイド溝66bの幅に対応した厚みを有する平板状の連結部60cを有しておりこの連結部60cの上流側の端部の内側面に成形部60aが貫通孔66aの内側に突出するように設けられている。そして、連結部60cのY方向の両端部がそれぞれガイド部60bとなっており、このガイド部60bが対応するガイド溝66bに摺動可能に嵌め込まれている。連結部60cの下流側の端部には、Y方向において所定の間隙を挟んで対向する一対の結合部60f,60fが一体に設けられている。この結合部60f,60fが設けられた部分は、連結部60cよりもX方向の幅が大きくなっており、強度が向上されている。そして、一対の結合部60f,60f間に駆動部材12の上流側の端部が差し込まれた状態でピン結合されている。なお、この変形例による構成では、上記実施形態によるダイガイド8は省略可能である。
【0040】
そして、駆動部材12によって可動ダイス60が駆動される際には、ガイド部60bが固定ダイス66のガイド溝66bで案内されながら可動ダイス60がガイド溝66bに沿って押出し方向に対して傾斜した方向に移動するようになっている。この変形例による構成の上記以外の構成は、上記実施形態による構成と同様である。
【0041】
この変形例による構成では、固定ダイス66にガイド溝66bが設けられており、そのガイド溝66bによって可動ダイス60の成形部60aに隣接した位置に設けられたガイド部60bが案内されるので、成形部60aの近傍でガイド部60bをガイド溝66bによって案内させることができる。これにより、一対の可動ダイス60,60の成形部60a間の間隙を精度良く制御することができるので、一対の可動ダイス60,60の成形部60a間の間隙を通して押出す形材の寸法精度を向上させることができる。さらに、上記実施形態と異なり、可動ダイス60を案内するためにガイド溝を有するダイガイド等を固定ダイス66の下流側に設けなくてもよいので、押出した形材の後処理のためのスペースをより確保しやすい。
【0042】
また、上記実施形態では、固定ダイス6において貫通孔6a内の傾斜面6c,6cを同じ傾斜角度で対称的に配置した。さらに、上記実施形態では、ダイガイド8においてガイド溝8b,8bを同じ傾斜角度で対称的に配置するとともに、貫通孔8a内の傾斜面8c,8cを同じ傾斜角度で対称的に配置した。また、上記変形例では、固定ダイス66において貫通孔66a内の傾斜面66c,66cを同じ傾斜角度で対称的に配置するとともに、ガイド溝66b,66bを同じ傾斜角度で対称的に配置した。しかしながら、本発明はこれらの構成に限らず、上記傾斜面6c,6cの傾斜角度は互いに異なっていてもよく、上記ガイド溝8b,8bの傾斜角度は互いに異なっていてもよい。また、上記傾斜面8c,8cの傾斜角度は互いに異なっていてもよい。さらに、上記傾斜面66c,66cの傾斜角度は互いに異なっていてもよく、上記ガイド溝66b,66bの傾斜角度は互いに異なっていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、一対の可動ダイス10,10を互いに対称な形状に形成したが、これに限らず、可動ダイス10,10を非対称な形状に形成してもよい。また、上記変形例においても同様に、一対の可動ダイス60,60を非対称な形状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態による押出し成形装置の全体構成を示した図である。
【図2】図1に示した押出し成形装置の要部の構造を概略的に示した一部破断斜視図である。
【図3】図1に示した押出し成形装置によって成形される形材の一例を示した斜視図である。
【図4】図1に示した押出し成形装置による形材の押出し成形の様子を説明するための図であり、(a)は平行部の押出し時を示し、(b)はそれに続く傾斜部の押出し時を示し、(c)はさらにそれに続く平行部の押出し時を示し、(d)はさらにそれに続く傾斜部の押出し時を示し、(e)はさらにそれに続く平行部の押出し時を示している。
【図5】本発明の一実施形態の変形例による押出し成形装置の要部の構造を概略的に示した一部破断斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
6、66 固定ダイス
6a、66a 貫通孔
8 ダイガイド
8b、66b ガイド溝
10、60 可動ダイス
10b、60b ガイド部
12 駆動部材
16 サーボモータ(駆動源)
18 駆動軸
20 ピボットレバー
60a 成形部
【出願人】 【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎

【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久


【公開番号】 特開2008−68268(P2008−68268A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247060(P2006−247060)