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スリットコイル分離設備および分離方法 - 特開2008−49386 | j-tokkyo
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【発明の名称】 スリットコイル分離設備および分離方法
【発明者】 【氏名】榎枝 成治

【氏名】吉永 陽一

【氏名】西名 慶晃

【氏名】板橋 和男

【要約】 【課題】安全性が高く、かつコンパクトであり、効率的かつ迅速にスリットコイルを分離して搬送することができるスリットコイル分離装置を提供すること。

【構成】支持部材7a〜7fと水平フレーム11a,11bは、スリットコイル1の中心空間2に挿入された際に、互いに干渉することなくスリットコイル1を支持可能に構成され、分離前のスリットコイル1を水平フレーム11a,11bで吊り上げた状態で、中心空間2に台部材3が挿入され、少なくとも水平フレーム11a,11bが下降されて支持部材7a〜7fに分離前のスリット1が支持された状態でスリットコイル1の分離が行われること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、本体に取り付けられ、分離前スリットコイルの中心空間に挿入される台部材と、前記台部材をその挿入方向に沿って移動可能に設けられ、分離前のスリットコイルを支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士をこれらが離隔した状態で拘束する拘束機構と、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が離隔するように、前記支持部材の少なくとも一つを駆動する駆動機構とを有する分離装置と、
分離前のスリットコイルの中心空間に挿入してスリットコイルを吊り上げるための水平フレームを有し、前記水平フレームで吊り上げた状態でスリットコイルを支持する、少なくとも前記水平フレームが上下動可能な支持手段と
を具備し、
前記支持部材と前記水平フレームは、スリットコイルの中心空間に挿入された際に、互いに干渉することなくスリットコイルを支持可能に構成され、
分離前のスリットコイルを前記水平フレームで吊り上げた状態で、前記中心空間に前記台部材が挿入され、少なくとも前記水平フレームが下降されて前記支持部材に前記分離前のスリットが支持された状態でスリットコイルの分離が行われることを特徴とするスリットコイル分離設備。
【請求項2】
前記水平フレームは、前記中心空間に挿入された際に前記支持部材の両側に位置するように水平に対向して設けられた一対の棒状部材を有することを特徴とする請求項1に記載のスリットコイル分離設備。
【請求項3】
前記各支持部材は、その内部に前記水平フレームを挿入可能な凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のスリットコイル分離設備。
【請求項4】
前記各支持部材は、前記凹部の内側角部に補強材を有することを特徴とする請求項3に記載のスリットコイル分離設備。
【請求項5】
前記各支持部材は、その上面が前記スリットコイルの中心空間の曲率に合わせた形状であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のスリットコイル分離設備。
【請求項6】
前記支持手段は、スリットコイルを搬送する機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスリットコイル分離設備。
【請求項7】
前記拘束機構は、前記複数の支持部材の隣接するもの同士をつなぐワイヤーまたはチェーンを有することを特徴とする請求項1に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項8】
前記拘束機構は、前記各支持部材に設けられた連結部と、隣接する支持部材において前記各支持部材の連結部が係止される係止部とを有し、互いに隣接する支持部材が離隔した状態で一方の支持部材の連結部が他方の支持部材の係止部に係止されることを特徴とする請求項7に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項9】
前記拘束機構は、前記複数の支持部材の隣接するもの同士を連結する連結ピンを有し、互いに隣接する支持部材が離隔した状態で対応する連結ピンがこれらの間を連結することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項10】
前記各支持部材が離隔した際に、隣接する支持部材の間に充填される充填部材をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項11】
前記充填部材は、前記各支持部材から突出して設けられ、前記各支持部材が隣接する支持部材と一体的である場合には、前記充填部材は隣接する支持部材の内部に挿入され、前記各支持部材が隣接する支持部材と離隔した場合には、前記充填部材はこれらの間を充填することを特徴とする請求項10に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項12】
前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士を連結可能に設けられた連結機構をさらに具備し、前記連結機構は分離前のスリットコイルの状態に応じて所定の支持部材同士を連結することを特徴とする請求項1に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項13】
前記連結機構は、前記各支持部材に設けられた連結アームと、前記各支持部材に設けられた、隣接する支持部材の連結アームが係合される係合部とを有し、互いに隣接する支持部材において一方の支持部材の連結アームが他方の支持部材の係合部に係合されることを特徴とする請求項12に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項14】
前記駆動機構は、先端に位置する支持部材のみを駆動することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のスリットコイルの分離設備。
【請求項15】
本体と、本体に取り付けられ、分離前スリットコイルの中心空間に挿入される台部材と、前記台部材をその挿入方向に沿って移動可能に設けられ、分離前のスリットコイルを支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士をこれらが離隔した状態で拘束する拘束機構と、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が離隔するように、前記支持部材の少なくとも一つを駆動する駆動機構とを有する分離装置と、
分離前のスリットコイルの中心空間に挿入してスリットコイルを吊り上げるための水平フレームを有し、前記水平フレームで吊り上げた状態で前記スリットコイルを支持する支持手段と
を具備するスリットコイル分離設備を用いてスリットコイルを分離するスリットコイル分離方法であって、
分離前のスリットコイルの中心空間に前記水平フレームを挿入して分離前のスリットコイルを吊り上げた状態で支持する工程と、
前記支持手段と前記台部材とを相対的に移動させて前記台部材を前記水平フレームに干渉しないように前記スリットコイルの中心空間に挿入する工程と、
前記水平フレームを下降させて前記スリットコイルを前記支持部材に支持させる工程と、
前記駆動機構により前記支持部材の少なくとも一つを駆動し、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が前記拘束機構で拘束された状態で離隔させて前記スリットコイルを分離する工程と、
前記水平フレームを上昇させて前記分離後のスリットコイルを吊り上げる工程と
を有することを特徴とするスリットコイルの分離方法。
【請求項16】
前記分離後のスリットコイルを結束する工程をさらに有することを特徴とする請求項15に記載のスリットコイルの分離方法。
【請求項17】
前記結束する工程の後、結束されたスリットコイルを前記水平フレームで吊り上げた状態で次工程へ搬送する工程をさらに有することを特徴とする請求項16に記載のスリットコイルの分離方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼帯などの金属帯を巻回したコイルを幅方向に複数条に切断してなるスリットコイルを分離するスリットコイルの分離設備および分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広幅の鋼帯などの金属帯コイルは、その後の製品に合わせて幅方向に複数条に切断(スリット)され、狭幅のスリットコイルとされる。スリットコイルは、ハンドリング過程で弛緩したり、巻きずれが生じたりして、コイルの損傷やハンドリング上の不都合を生じさせないため、スリット直後に、外周方向(縦バンドかけ)および内周から外周に向けた半径方向(横バンドかけ)にバンドをかけ固定される。
【0003】
上述の横バンドかけの際には、スリットコイルを分離する必要があるが、従来、この分離作業はクレーンを用いて作業者の手作業で行っている。しかし、金属帯コイルは大きく重いため、危険であるとともに作業効率が悪いという不都合がある。
【0004】
一方、特許文献1には、このようなスリットコイルを作業者を介することなく分離する装置が開示されている。この装置は作業者を介在させないので安全ではあるが、スリットコイルを1個ずつ掴んで移動させなくてはならず、位置決めやコイルを掴む動作等の一連の動作をスリットコイル毎に行うので、極めて時間がかかる。また、スリットコイルを掴んで移動する機構が必要であり設備が大がかりなものとなってしまう。さらに、分離後のスリットコイルはクレーンを用いて1個ずつ掴んで搬送されるため、搬送作業にも時間がかかる。
【特許文献1】特開昭63−168224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、安全性が高く、かつコンパクトであり、効率的かつ迅速にスリットコイルを分離して搬送することができるスリットコイル分離設備、およびそのような設備を用いたスリットコイル分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
スリットコイルを分離するための装置として、本出願人は先に、分離前のスリットコイルを載置台に立てた状態で、その中心空間に台部材を挿入し、スリットコイルを台部材上にある複数の支持部材に支持させて、これら複数の支持部材の少なくとも一つを駆動して複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部を離隔させることにより、その上に支持されているスリットコイルを各コイル片に分離させるものを提案した(特願2006−023437号)。この装置によれば支持部材の移動により、作業者を介することなくスリットコイルを分離することができ安全であるとともに、支持部材の少なくとも一つを駆動するだけで、その他の支持部材は所定距離離隔した段階で順次移動され、それにともなってスリットコイル片が分離するので、効率的かつ迅速にスリットコイルを分離することができる。また、支持部材を駆動させるだけでスリットコイルを分離することができるので、大がかりな機構は不要であり、コンパクトな構成とすることができる。しかしながら、この装置では、スリットコイルの分離作業中にスリットコイルを支持していた支持手段である搬送機構をスリットコイルから退避させる必要があり、この点において改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明では、上記課題を解決するのみならず、このような搬送作業の問題をも解決する。
【0008】
すなわち、本発明は、本体と、本体に取り付けられ、分離前スリットコイルの中心空間に挿入される台部材と、前記台部材をその挿入方向に沿って移動可能に設けられ、分離前のスリットコイルを支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士をこれらが離隔した状態で拘束する拘束機構と、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が離隔するように、前記支持部材の少なくとも一つを駆動する駆動機構とを有する分離装置と、分離前のスリットコイルの中心空間に挿入してスリットコイルを吊り上げるための水平フレームを有し、前記水平フレームで吊り上げた状態でスリットコイルを支持する、少なくとも前記水平フレームが上下動可能な支持手段とを具備し、前記支持部材と前記水平フレームは、スリットコイルの中心空間に挿入された際に、互いに干渉することなくスリットコイルを支持可能に構成され、分離前のスリットコイルを前記水平フレームで吊り上げた状態で、前記中心空間に前記台部材が挿入され、少なくとも前記水平フレームが下降されて前記支持部材に前記分離前のスリットが支持された状態でスリットコイルの分離が行われることを特徴とするスリットコイル分離設備を提供する。
【0009】
前記水平フレームは、前記中心空間に挿入された際に前記支持部材の両側に位置するように水平に対向して設けられた一対の棒状部材を有する構成とすることができる。
【0010】
前記各支持部材は、その内部に前記水平フレームを挿入可能な凹部を有する構成とすることができ、前記凹部の内側角部に補強材を有することが好適である。また、その上面が前記スリットコイルの中心空間の曲率に合わせた形状であることが好ましい。
【0011】
前記支持手段は、スリットコイルを搬送する機能を有するように構成することができる。
【0012】
前記拘束機構は、前記複数の支持部材の隣接するもの同士をつなぐワイヤーまたはチェーンを有するもの、前記拘束機構は、前記各支持部材に設けられた連結部と、隣接する支持部材において前記各支持部材の連結部が係止される係止部とを有し、互いに隣接する支持部材が離隔した状態で一方の支持部材の連結部が他方の支持部材の係止部に係止されるもの、前記複数の支持部材の隣接するもの同士を連結する連結ピンを有し、互いに隣接する支持部材が離隔した状態で対応する連結ピンがこれらの間を連結するものを用いることができる。
【0013】
スリットコイルの転動を防止するため、前記各支持部材が離隔した際に、隣接する支持部材の間に充填される充填部材をさらに具備することが好ましく、前記充填部材は、前記各支持部材から突出して設けられ、前記各支持部材が隣接する支持部材と一体的である場合には、前記充填部材は隣接する支持部材の内部に挿入され、前記各支持部材が隣接する支持部材と離隔した場合には、前記充填部材はこれらの間を充填する構成のものを用いることができる。また、前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士を連結可能に設けられた連結機構をさらに具備することにより、前記連結機構は分離前のスリットコイルの状態に応じて所定の支持部材同士を連結することができる。前記連結機構は、前記各支持部材に設けられた連結アームと、前記各支持部材に設けられた、隣接する支持部材の連結アームが係合される係合部とを有し、互いに隣接する支持部材において一方の支持部材の連結アームが他方の支持部材の係合部に係合されるものを用いることができ、前記連結機構により連結された支持部材は一体的に動くことができる。さらに、前記駆動機構は、先端に位置する支持部材のみを駆動するように構成することができる。
【0014】
さらに本発明は、本体と、本体に取り付けられ、分離前スリットコイルの中心空間に挿入される台部材と、前記台部材をその挿入方向に沿って移動可能に設けられ、分離前のスリットコイルを支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のうち隣接するもの同士をこれらが離隔した状態で拘束する拘束機構と、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が離隔するように、前記支持部材の少なくとも一つを駆動する駆動機構とを有する分離装置と、分離前のスリットコイルの中心空間に挿入してスリットコイルを吊り上げるための水平フレームを有し、前記水平フレームで吊り上げた状態で前記スリットコイルを支持する支持手段とを具備するスリットコイル分離設備を用いてスリットコイルを分離するスリットコイル分離方法であって、分離前のスリットコイルの中心空間に前記水平フレームを挿入して分離前のスリットコイルを吊り上げた状態で支持する工程と、前記支持手段と前記台部材とを相対的に移動させて前記台部材を前記水平フレームに干渉しないように前記スリットコイルの中心空間に挿入する工程と、前記水平フレームを下降させて前記スリットコイルを前記支持部材に支持させる工程と、前記駆動機構により前記支持部材の少なくとも一つを駆動し、前記複数の支持部材における他との隣接部分の一部または全部が前記拘束機構で拘束された状態で離隔させて前記スリットコイルを分離する工程と、前記水平フレームを上昇させて前記分離後のスリットコイルを吊り上げる工程とを有することを特徴とするスリットコイルの分離方法を提供する。
【0015】
この場合に、前記分離後のスリットコイルを結束する工程をさらに有することができ、また、前記結束する工程の後、結束されたスリットコイルを前記水平フレームで吊り上げた状態で次工程へ搬送する工程をさらに有することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上述したように、支持部材の移動により、作業者を介することなくスリットコイルを分離することができ安全であるとともに、支持部材の少なくとも一つを駆動するだけで、その他の支持部材は所定距離離隔した段階で順次移動され、それにともなってスリットコイル片が分離するので、効率的かつ迅速にスリットコイルを分離することができる。また、支持部材を駆動させるだけでスリットコイルを分離することができるので、大がかりな機構は不要であり、コンパクトな構成とすることができる。さらに、分離前のスリットコイルを支持手段、典型的には搬送機構の水平フレームで吊り上げた状態で支持部材に移し替えて分離作業を行うことができるので、スリットコイルを載置台に載置し、次いで支持手段をスリットコイルから退避させる作業、および分離装置をスリットコイルから外し、次いで水平フレームを挿入して分離後のスリットコイルを搬送するために吊り上げる作業を省略することができる。このため、スリットコイルの分離工程の時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備を示す側面図、図2は図1のスリットコイル分離設備の支持スライダーを拡大して示す斜視図である。このスリットコイル分離設備100は、スリットコイルを分離するスリットコイル分離装置20と、スリットコイル1を分離装置20により分離する際にスリットコイル1の支持手段として機能するスリットコイル1を搬送する搬送機構30とを有している。スリットコイル分離装置20は、分離前のスリットコイル1の中心空間2が挿入される台部材3と、この台部材3を保持する本体4と、この本体4を支える基台5を有している。
【0018】
台部材3の上面には、図2に示すように、その長手方向(挿入方向)に沿ってガイドレール6が設けられており、ガイドレール6上には6つの支持スライダー(支持部材)7a,7b,7c,7d,7e,7fが台部材3の長手方向に沿ってスライド可能に設けられている。支持スライダー7a〜7fはその隣接するもの同士がワイヤー8で繋がれており、支持スライダー7a〜7fはその隣接するもの同士が所定長離隔した段階でワイヤー8により互いに拘束されるようになっている。図示しているように、これら支持スライダー7a〜7fが一体的に配置され離隔していない初期状態ではワイヤー8はたるんだ状態となっている。また、支持スライダー7a〜7fの上面はスリットコイル1の中心空間2の曲率に合わせた曲線になっている。
【0019】
先端に設けられた支持スライダー7aには水平方向に沿って延びるボールネジ9が螺合されおり、台部材3にはこのボールネジ9を回転させるモータ10が取り付けられている。その他の支持スライダー7b〜7fには、支持スライダー7aがモータ10によって駆動されて先端方向に移動した際にボールネジ9が挿入可能な孔が形成されている。
【0020】
搬送機構30は、図1のA−A断面図である図3に示すように、分離前のスリットコイル1の中心空間2に挿入してスリットコイル1を吊り上げるための水平フレーム11a,11bを有する。この水平フレーム11a,11bは、スリットコイル1の中心空間2に挿入された際に支持スライダー7a〜7fの両側に位置するように水平に対向して設けられた一対の棒状部材である。このため支持スライダー7a〜7fと互いに干渉することなくスリットコイル1を支持できる。
【0021】
図4の(a)に示すように、各支持スライダー7b〜7fには(7b〜7dのみ図示)、それぞれ、支持スライダー7a〜7eに収納されるように、充填部材12b〜12fが水平方向に突出して設けられており、これら充填部材12b〜12fは、図4の(b)に示すように、支持スライダー7a〜7fが離隔した際に、これらの間を充填し、スリットコイル1を支持してコイル片に分離する際にスリットコイル1の転動を防止するようになっている。
【0022】
次に、このように構成されるスリットコイル分離設備100の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。図6の(a1)〜(c1)は、スリットコイル分離設備100の側面図であり、図6の(a2)〜(c2)は、図6の(a1)〜(c1)にそれぞれ対応したA−A断面図である。
まず、図6の(a1)、(a2)に示すように、縦バンドをかけた状態の分離前のスリットコイル1の中心空間2に水平フレーム11a,11bを挿入した搬送機構30により、このスリットコイル1を台部材3へ搬送する(工程1)。次に、図6の(b1)、(b2)に示すように、搬送機構30を用いて、水平フレーム11a,11bと支持スライダー7a〜7fが互いに干渉しないように水平フレーム11a,11bを支持スライダー7a〜7fの両側面から通過させて、スリットコイル1の中心空間2に台部材3を挿入する(工程2)。次いで、図6の(c1)、(c2)に示すように、搬送機構30を下降させて、支持部材7a〜7fによりスリットコイル1を支持する(工程3)。この時の水平フレーム11a,11bは、中心空間2内で待機している状態にある。
【0023】
この状態から支持スライダー7a〜7fを互いに離隔させ、それにともなってスリットコイル1をコイル片a,b,c,d,eに分離する(工程4)。この分離作業の手順について図7を参照して詳細に説明する。まず、モータ10によりボールネジ9を回転させ、先頭の支持スライダー7aをガイドレール6に沿って移動させる。これにともなって、スリットコイル1のうち主に支持スライダー7aに重量が乗っていた先頭のコイル片aが支持スライダー7aの移動にともなって移動し、隣接するコイル片bから分離する(図7の(a))。さらに支持スライダー7aが移動して支持スライダー7bと所定長離隔すると、支持スライダー7aと7bとの間のワイヤー8が張った状態となり、支持スライダー7bも移動し始める。このようにして、支持スライダー7c、7d‥‥と順次同様に移動して行き、他のコイル片b、c、d‥‥は、支持スライダー7b、7c‥‥のうち主に重量が乗っていたものにともなって移動し、図7の(b)の状態を経て、図7の(c)に示すように、5つのコイル片a,b,c,d,eに分離される。
【0024】
このようにスリットコイル1がコイル片a,b,c,d,eに分離した後、これらコイル片に横バンドかけを行って結束する(工程5)。この際の作業は、バンド(ワイヤー等)を自動的に巻回して結束する装置を用いることが好ましいが、作業者の手作業で行ってもよい。
【0025】
その後、支持スライダー7a〜7fを分離前の状態に戻す(工程6)。この状態でスリットコイル1の中心空間2に待機していた搬送機構30を上昇させて分離後のスリットコイル1を水平フレーム11a,11bに支持する(工程7)。次いで、搬送機構30を用いてスリットコイル1を吊り上げ、台部材3からこのスリットコイル1を抜き出して、次工程に搬送する(工程8)。
【0026】
なお、拘束機構は図8に示すようなものであってもよい。この拘束機構は図2の拘束機構に対して支持スライダー7a〜7fの側面にそれぞれ連結機構として連結アーム13a〜13fと連結ピン14a〜14fが付加されている。連結ピン13a〜13fは、それぞれ連結ピン14a〜14fに係合可能になっており、図9の(a)に示す連結ピン14a〜14fから離隔した退避位置と図9の(b)に示す連結ピン14a〜14fに係合した連結位置との間で回動可能となっている。支持スライダー7a〜7fの連結アームは、隣り合う支持スライダーの連結アームがその連結ピンに係合した状態で、支持スライダー同士が連結され、連結された支持スライダーは一体的に動くことが可能となる。なお、ワイヤー8の状態については、拘束機構に連結機構が付加されていない場合と同様に、支持スライダー7a〜7fはその隣接するもの同士が所定長離隔した段階でワイヤー8により互いに拘束され、初期状態ではたるんだ状態である。
【0027】
この場合には、まず、分離するコイル片の幅に応じて、支持スライダー7a〜7fの隣接するもののうち連結が必要なものについて、連結アーム13a〜13fのうち対応するものを連結ピン14a〜14fのうち対応するものに係合させる。具体的には、分離するコイル片の幅が支持スライダー2つ分の幅である場合、図10の(a)に示すように、連結ピン14bに連結アーム13aを係合して支持スライダー7aと7bとを一体的に連結する。支持スライダー7cと7d、7eと7fについても同様に一体的に連結する。次に、搬送機構30を用いて台部材3をスリットコイル1の中心空間2に挿入し、スリットコイル1を支持スライダー7a〜7fにより支持する。次に、図6の(c)に示すように、搬送機構30を下降させて支持部材7a〜7fによりスリットコイル1を支持する。
【0028】
この状態から一体的に連結された支持スライダー7aと7bとの組、7cと7dとの組、7eと7fとの組を互いに離隔させ、それにともなってスリットコイル1をコイル片f,g,hに分離する。すなわち、ボールネジ9を回転させ、まず、先頭の支持スライダー7aと7bとの組を移動させ、これらに乗っているコイル片fを分離する(図10の(b))。そして、さらにボールネジ9を回転させることにより7cと7dとの組、7eと7fとの組を順次移動させ、コイル片f,g,hを分離する(図10の(c))。
【0029】
なお、この場合においても支持スライダーに充填部材12b〜12fを用いることにより転動を防止することができる。
【0030】
このように拘束機構に連結機構が付加されることにより、先端に位置する支持スライダー7aを駆動するだけで、その他の支持スライダー7aと7bとの組、7cと7dとの組、7eと7fとの組は所定距離離隔した段階で順次移動され、それにともなってスリットコイル1のコイル片f〜hが分離するので、上記手順のように6個の支持スライダー7a〜7fすべてを離隔する必要がなく、連結機構が付加されていない場合よりもより効率的かつ迅速にスリットコイルを分離することができる。
【0031】
次に、第2の実施形態について図11〜13を参照して説明する。図11は本発明第2の実施形態に係るスリットコイル分離装置の搬送機構のフレームがスリットコイルを支持する状態を示す断面図、図12はそのスリットコイル分離装置の支持スライダーを拡大して示す斜視図、図13はその支持スライダーの断面図である。この実施形態では、支持スライダー7a〜7fと搬送機構30のフレーム形状が上記第1の実施形態と異なっている。それ以外の構成は第1の実施形態と同じであるから、同じものは同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
搬送機構30は、図11に示すように、分離前のスリットコイル1の中心空間2に挿入してスリットコイル1を吊り上げるための棒状フレーム15を有する。また、図12に示すように、支持スライダー7a〜7fは、その内側に搬送機構30の棒状フレーム15が挿入可能な凹部16を有する。図13の断面図に示すように、支持スライダー7a〜7fの凹部16の内側角部には側面部を補強するための補強材17が設けられている。また、上面部18はスリットコイル1の中心空間2の曲率に合わせた曲線になっている。
【0033】
このように支持スライダー7a〜7fの内部に棒状フレーム15が挿入可能な凹部16を有しているので、棒状フレーム15で支持されたスリットコイル1の中心空間2に支持スライダー7a〜7fが挿入された際に、これらが互いに干渉することなくスリットコイル1を支持することができる。
【0034】
次に、第2の実施形態のスリットコイル分離設備の動作について説明する。
まず、図14の(a1)、(a2)に示すように、縦バンドをかけた状態の分離前のスリットコイル1の中心空間2に棒状フレーム15を挿入した搬送機構30により、このスリットコイル1を台部材3へ搬送する。次に、図14の(b1)、(b2)に示すように、搬送機構30を用いて、棒状フレーム15と支持スライダー7a〜7fの凹部16が互いに干渉しないように棒状フレーム15を凹部16から通過させて、スリットコイル1の中心空間2に台部材3を挿入する。次いで、図14の(c1)、(c2)に示すように、搬送機構30を下降させて、支持部材7a〜7fによりスリットコイル1を支持する。この時の棒状フレーム15は、凹部16内で待機している状態にある。
【0035】
この状態から、第1の実施形態の手順と同様に、支持スライダー7a〜7fを互いに離隔させ、それにともなってスリットコイル1をコイル片a,b,c,d,eに分離し、分離したコイル片に横バンドかけを行って結束する。その後、支持スライダー7a〜7fを分離前の状態に戻し、この状態でスリットコイル1を搬送機構30の棒状フレーム15に支持し、スリットコイル1を吊り上げて、スリットコイル1の中心空間2を台部材3から抜き出して、次工程に搬送する。
【0036】
なお、本実施形態においても支持スライダーに充填部材を用いることにより転動を防止することができ、また、支持スライダーに連結機構を用いることにより、より効率的かつ迅速にスリットコイルを分離することができる。
【0037】
上記第1および第2の実施形態によれば、支持スライダー7a〜7fの移動により、作業者を介することなくスリットコイル1を分離することができ安全であるとともに、支持スライダー7a〜7fの少なくとも一つを駆動するだけで、その他の支持スライダー7a〜7fは所定距離離隔した段階で順次移動され、それにともなってコイル片a〜eが分離するので、効率かつ迅速にスリットコイルを分離することができる。また、支持スライダー7a〜7fを駆動させるだけでスリットコイル1を分離することができるので、大がかりな機構は不要であり、コンパクトな構成とすることができる。さらに、分離前のスリットコイル1を搬送機構30の水平フレーム11a,11bで吊り上げた状態で支持スライダー7a〜7fに移し替えて分離作業を行うことができるので、スリットコイル1を基台5に載置し、次いで搬送機構30をスリットコイル1から退避させる作業、および分離装置20をスリットコイル1から外し、次いで水平フレーム11a,11bを挿入して分離後のスリットコイル1を搬送するために吊り上げる作業を省略することができる。このため、スリットコイルの分離工程の時間を短縮することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々変更可能である。例えば、本実施形態では、搬送機構を支持手段として用いてスリットコイルの分離を行ったが、必ずしも搬送機構を用いる必要はなく、水平フレームで吊り上げた状態でスリットコイルを支持することができ、少なくとも水平フレームが上下動可能であるようなものであればよい。また、支持スライダーおよび搬送機構のフレームは、スリットコイルの中心空間に挿入された際に、支持スライダーと互いに干渉することなくスリットコイルを支持可能であれば上記のような形状に限らずともよい。さらに、支持部材である支持スライダーのうち隣接するもの同士をこれらが離隔した状態で拘束する拘束機構として、隣接する支持スライダーを繋ぐワイヤーを用いたが、これに限らず、チェーンや他の糸状要素を用いてもよい。さらにまた、支持スライダーの内側角部に補強材を設けたが、側面部の強度が支持スライダーを支持するために十分であればこの補強材は必ずしも必要ではない。
【0039】
また、図15に示すように、支持スライダー7b〜7fにそれぞれ連結部21を突出するように設け、支持スライダー7a〜7eの内部にそれぞれ連結部21が挿入される空洞部22およびそれぞれ連結部21が係止される係止部23を設けて、支持スライダー7a〜7fが離隔せずに一体的に存在している際には、図15の(a)に示すように、連結部21が空洞部22内に収納され、図15の(b)に示すように、いずれかの隣接する支持スライダーが所定長離隔した際に、対応する連結部21の先端が係止部23に係止されるようにしてもよい。この場合には、連結部21を上述した充填部として機能させることも可能である。さらに、図16に示すように、支持スライダー7b〜7fに、切り欠き部24を設け、互いに隣接する支持スライダーが所定長離隔した際にこれらを連結する連結ピン25の両端の係止部26がこれら互いに隣接する支持スライダーの各切り欠き部24に係止されるようにしてもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態では、支持スライダーを駆動する機構としてボールネジ機構を用いたが、これに限定されることなく、ベルト駆動機構、チェーン駆動機構等の他の駆動機構であってもよい。駆動する支持スライダーとして先端のものを用いたが、これに限らず、少なくとも一つの支持スライダーを駆動するようにすればよい。
【0041】
さらにまた、第1の実施形態である上記図7では、スリットコイルのコイル片が全て分離した際に、支持スライダーも全て離隔するように描いているが、支持スライダーの離隔の有無および離隔距離は、スリットコイルの乗り方によって影響され、例えば図17に示すように、コイル片が2つの支持スライダーに均等に乗っている場合等はその2つの支持スライダーの間は開かないことがあるし(支持スライダー7c,7dとコイル片c)、また、互いに隣接する支持スライダーの間が完全に最後まで離隔しない場合もある。
【0042】
一方、上記図10では、支持スライダーの幅とコイル片の幅を合わせるように支持スライダーを連結しているが、例えば、コイル片gの重量が主に一体的に連結された支持スライダー7cと7dとの組に乗っていればコイル片gをコイル片hと分離することができるため、必ずしも正確に支持スライダーの幅とコイル片の幅を合わせる必要はない。
【0043】
また、図10のように、一体的に連結された支持スライダー7aと7bとの組、7cと7dとの組、7eと7fとの組にそれぞれコイル片f,g,hを乗せて、それぞれ分離する例を示したが、連結する支持スライダーの数はコイル片の幅に応じて適宜変更すればよい。例えば、コイル片fの幅が支持スライダー7a〜7cの3つに対応する場合は、支持スライダー7a〜7cを連結機構により連結すればよい。
【0044】
さらに、分離するコイル片の幅が互いに異なる場合についても、連結する支持スライダーの数をコイル片の幅に応じて適宜変更することによりコイル片を分離することができる。例えば、コイル片fの幅が支持スライダー7aの1つ、コイル片gの幅が支持スライダー7bと7cとの2つ、コイル片hの幅が支持スライダー7d〜7fの3つに対応する場合は、支持スライダー7aは連結せず、支持スライダー7bと7c、支持スライダー7d〜7fをそれぞれ連結機構により連結すればよい。
【0045】
さらにまた、上記実施形態では、支持部材としてガイドレール状をスライドする支持スライダーを用いたが、スリットコイルの分離方向に移動可能であれば、スライダーに限らず、車輪等で走行させる他の移動態様のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るスリットコイル分離設備を示す側面図。
【図2】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備の支持スライダーを拡大して示す斜視図。
【図3】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備の搬送機構のフレームがスリットコイルを支持する状態を示す図。
【図4】支持スライダーが分離した際に隣接する支持スライダーの間を充填する充填部材を説明するための図。
【図5】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備の一連の工程を説明するフローチャート。
【図6】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備のスリットコイルの搬送動作を詳細に説明するための側面図および断面図。
【図7】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備によりスリットコイル分離工程の動作を詳細に説明するための図。
【図8】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備の支持スライダーの他の例を拡大して示す斜視図。
【図9】本発明第1の実施形態に係る支持スライダーの退避および連結状態を示す図。
【図10】本発明第1の実施形態に係るスリットコイル分離設備によりスリットコイル分離工程の動作を詳細に説明するための図。
【図11】本発明第2の実施形態に係るスリットコイル分離設備の搬送機構のフレームがスリットコイルを支持する状態を示す断面図。
【図12】本発明第2の実施形態に係るスリットコイル分離設備の支持スライダーを拡大して示す斜視図。
【図13】本発明第2の実施形態に係る支持スライダーの断面図。
【図14】本発明第2の実施形態に係るスリットコイル分離設備のスリットコイルの搬送動作を詳細に説明するための側面図および断面図。
【図15】拘束機構の他の例を説明するための模式図。
【図16】拘束機構のさらに他の例を説明するための模式図。
【図17】スリットコイルが分離された際の支持スライダーの他の状態を示す模式図。
【符号の説明】
【0047】
1…スリットコイル
2…中心空間
3…台部材
4…本体
5…基台
6…ガイドレール
7a〜7f…支持スライダー(支持部材)
8…ワイヤー(拘束機構)
9…ボールネジ
10…モータ
11a,11b…水平フレーム
12b〜12f…充填部材
13a〜13f…連結アーム
14a〜14f…連結ピン
15…棒状フレーム
16…凹部
17…補強材
18…上面部
20…スリットコイル分離装置
21…連結部
22…空洞部
23…係止部
24…切り欠き部
25…連結ピン
26…係止部
30…搬送機構
100…スリットコイル分離設備
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
【識別番号】505382098
【氏名又は名称】株式会社JFE甲南スチールセンター
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志


【公開番号】 特開2008−49386(P2008−49386A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−230948(P2006−230948)