トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 エレベーター用ガイドレール圧延における鋼材の誘導方法
【発明者】 【氏名】宮本 貴弘

【氏名】伊藤 亨

【要約】 【課題】圧延工程における鋼材の温度低下を図ると共に、安定誘導による連続圧延を可能とする。

【解決手段】鋼材を圧延機によって圧延する工程中であって、少なくとも1回ねじり、その圧延する向きを変えて圧延する過程において、出口ツイストローラーガイドG1によって鋼材S5をねじれ誘導しながら入口ローラーガイドG2を介して圧延ロールに誘導し圧延し、ねじれ圧延された鋼材S6を出口ローラーガイドG3によって誘導して、連続圧延を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材を圧延機によって圧延する工程中であって、少なくとも1回ねじり、その圧延する向きを変えて圧延する過程において、出口ツイストローラーガイドによって上記鋼材をねじれ誘導しながら入口ローラーガイドを介して圧延ロールに誘導し圧延し、ねじれ圧延された鋼材を出口ローラーガイドによって誘導することを特徴とするエレベーター用ガイドレール圧延における鋼材の誘導方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターの枠を構成するエレベーター用ガイドレールの圧延における鋼材の誘導方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーター用ガイドレールは、例えば特開平5−278967号公報に記載の図6〜図8に図示されているように素材(圧延鋼材)の断面形状が異形であり、その製造方法においては各圧延工程でのねじれが大きいために、現在ではリバースミルでの圧延工程が主である。各圧延工程では上記ねじれを誘導シュートやガイドによって防止したり、圧延する向きを変えるために90°転回ロボットで転回するのが実情である。
【特許文献1】特開平5−278967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
断面形状が異形のエレベーター用ガイドレールの素材となる圧延鋼材のねじれを防ぐための従来例では、鋼材の温度低下と安定した生産性の向上を見込むことが難しい。
そこで、鋼材を安定誘導して連続圧延を可能とする技術の開発が期待されていた。
この発明の目的は、圧延工程における鋼材の温度低下を図ると共に、安定誘導による連続圧延を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の特徴は、エレベーター用ガイドレールの鋼材を圧延する圧延工程であって、途中で少なくとも1回ねじり、その圧延する向きを変える過程において、出口ツイストローラーガイドによって上記鋼材をねじれ誘導しながら入口ローラーガイドを介して圧延ロールに誘導し圧延し、ねじれ圧延された鋼材を出口ローラーガイドによって誘導することにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、ローラーガイドを用いて鋼材のねじれ防止やその逆のねじれ誘導など誘導姿勢を制御することで、ミスロールの防止、擦り疵の低減を図りながら、連続圧延を行うことができるから、エレベーターガイドレール用の鋼材の温度低下防止と生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
エレベーター用ガイドレール圧延における鋼材の誘導方法について、図面を参照して説明する。
熱間圧延工程において、図1に示すように、まず、エレベーター用ガイドレールの鋼材を第1のロールスタンドのカリバーK1により、断面形状がほぼ横長四角形状の鋼材S1に圧延し、ついでこの鋼材を矢印に示す経路にしたがって、第2のロールスタンドへ誘導してカリバーK2により、断面四角形状の鋼材S2に圧延し、そしてこの鋼材を第3のロールスタンドへ誘導してカリバーK3により、断面千鳥状の鋼材S3に圧延し、その後、この鋼材を第4及び第5の各ロールスタンドへ誘導してカリバーK4,K5により、断面形状がほぼ逆T形の鋼材S4,S5に圧延する。
隣接している第1乃至第5のロールスタンド間に鋼材の誘導手段を配置して、各段階における誘導手段によって上記各鋼材を円滑に誘導している。
カリバーK5によって圧延された鋼材S5は第6のロールスタンドのカリバーK6で上記鋼材S5を90°転回させて圧延し、90°転回され圧延された鋼材S6を第7のロールスタンドのカリバーK7で鋼材S7に圧延し、この鋼材を第8及び第9の各ロールスタンドのカリバーK8,K9で、順次圧延し、鋼材S8から鋼材S9に仕上げる。
鋼材S1から鋼材S9までに至る圧延過程において、鋼材S5を90°転回させて圧延する工程の前後に出口ツイストローラーガイドG1(図2)、入口ローラーガイドG2(図4)及び出口ローラーガイドG3(図6)を用いて、鋼材のねじれ防止やその逆のねじれ誘導など誘導姿勢を制御しながら、連続圧延を実現するものである。
【0007】
上述したように、第5のロールスタンドのカリバーK5によって圧延された鋼材S5は第6のロールスタンドのカリバーK6で上記鋼材S5を90°転回(ツイスト)させて圧延して、第7のロールスタンドに移行するが、この転回の段階での連続圧延を可能にするために、第5のロールスタンドの圧延ロールR5の出口側に出口ツイストローラーガイドG1(図2)を、そして第6のロールスタンドの圧延ロールR6の入口側と出口側にそれぞれ入口ローラーガイドG2及び出口ローラーガイドG3(図4及び図6)を配置している。
【0008】
出口ツイストローラーガイドG1を図2及び図3を参照して説明する。
図2に示す出口ツイストローラーガイドG1はガイドボックス1を備えている。ガイドボックス1の両側にはホルダー受け部1a,1bが起立状態に設けてある。ガイドボックス1内にはローラーホルダー2を回転可能に配置し、このローラーホルダーには上下に形状の異なるツイストガイドローラー3a,3bを設けてある。ローラーホルダー2は、その両側のスリーブ部分がホルダー受け部1a,1b内を貫通していると共に、ホルダー受け部に固定可能である。ローラーホルダー2は、捻転角調整機構5によってその回転角度が制御される。
【0009】
捻転角調整機構5は、調整板51、ギヤ52及びツイストピニオン53を備えている。
調整板51はローラーホルダー2の図2右側外周に設けてあり、ホルダー受け部1bの内側に配置されている。ギヤ52は調整板51の上部外周に形成されている雄ねじからなる。ツイストピニオン53は、ホルダー受け部1bの上部に取り付けてある軸受け54に軸受けされている。ツイストピニオン53はウォームギヤ55に噛み合っている。ウォームギヤ55は軸受け56に保持されている操作軸57に取り付けられている。
【0010】
ツイストガイドローラー3a,3bは、図2及び図3に示すように、偏心軸6,7に設けてある支持軸6a,7aを回転中心としてローラーホルダー2に取り付けられている。図3に示すように、一方のツイスガイドトローラー3aは断面形状がほぼH形状に形成されており、他方のツイストガイドローラー3bは断面円錐台状に形成されている。支持軸6a,7aは、その上部の偏心軸6,7と一体的に形成されている。偏心軸6,7はローラーホルダー2内に回転可能に配置されており、面間調整機構8と連動関係にある。
したがって、操作軸57を操作してウォームギヤ55を所定角度回転させることにより、ウォームギヤを経てツイストピニオン53に噛み合っているギヤ52を介して調整板51と一体となってローラーホルダー2は、所定角の回転が可能となる。同時に、ツイストガイドローラー3a,3bの軸心方向が傾斜可能となる。この結果、ツイストピニオン53の回転を通じて捻転角の調整が可能となる。
【0011】
面間調整機構8は、図2に示すようにギヤ81a,81b、ペデスタル82及びセンターピニオン83a,83bを備えている。
各ギヤ81a,81bは前記各偏心軸6,7に一体的に形成されており、ローラーホルダー2の外面より露出されている。ペデスタル82はローラーホルダー2の外面上に取り付けられている。ペデスタル82には互いに逆ねじ関係にあるセンターピニオン83a,83bが回転自在に取り付けられており、各センターピニオンがギヤ81a,81bにそれぞれ噛み合っている。
センターピニオン83a,83bを回転させることにより、ギヤ81a,81bの回転に伴って偏心軸6,7を介してツイストガイドローラー3a,3bの面間距離が調整可能となる。
【0012】
ガイドボックス1の圧延ロールR5側にあって、ツイストガイドローラー3a,3bまでの間にばね10で吊ったフンド9を備えている。
【0013】
入口ローラーガイドG2を図4及び図5を参照して説明する。
入口ローラーガイドG2はガイドボックス101を備えている。ガイドボックス101には圧延ロールR6(図6)の入口側の上下に対のガイドローラー103a,103bを水平に設け、その反対側にガイドローラー104を垂直に設けてある。
対のガイドローラー103a,103bは、図4に示すように、偏心軸106,107に設けてある支持軸106a,107aを回転中心としてガイドボックス101に取り付けられている。支持軸106a,107aは、その上部に偏心軸106,107と一体的に形成されている。偏心軸106,107はガイドボックス101内に回転可能に配置されており、面間調整機構108a,108bと連動関係にある。
【0014】
面間調整機構108a,108bは、図4に示すように対のギヤ181a,181b、ペデスタル182a,182b及びピニオン183a,183bを備えている。
各ギヤ181a,181bは前記各偏心軸106,107に一体的に形成されており、ガイドボックス101の外面より露出されている。ペデスタル182a,182bはガイドボックス101の外面上に取り付けられている。ペデスタル182a,182bにはピニオン183a,183bが回転自在に取り付けられており、各ピニオンがギヤ181a,181bにそれぞれ噛み合っている。
ピニオン183a,183bを回転させることにより、ギヤ181a,181bの回転に伴って偏心軸106,107を介してガイドローラー103a,103bの面間距離が調整可能となる。
【0015】
ガイドローラー104は偏心軸111に設けてある支持軸111aを回転中心としている。図5に示すようにガイドローラー104の対向側にはフリクションガイド112を設けてある。
図4に示すように、支持軸111aの上部に偏心軸111と一体的にギア181cを形成してある。ギア181cにはペデスタル182cに回転可能に支持されているピニオン183cが噛み合っている。
ピニオン183cの回転によって、ギア181c及び偏心軸111を介してガイドローラー104は回転し、このガイドローラーとフリクションガイド112との面間の幅が調整される。ギア181c、ペデスタル182c及びピニオン183cは面間調整機構108cを構成している。
【0016】
出口ローラーガイドG3を図6及び図7を参照して説明する。
出口ローラーガイドG3はガイドボックス201を備えている。ガイドボックス201にはローラーホルダー202を設けてある。ローラーホルダー202には圧延ロールR6側に左右に対のガイドローラー204a,204bを垂直方向に、また反対側の上下に対のガイドローラー203a,203bを水平方向にそれぞれ設けてある。
対のガイドローラー203a,203bの支持手段である偏心軸206,207及び面間調整機構208a,208bは前記入口ローラーガイドG2のガイドローラー103a,103bの支持手段である偏心軸106,107及び面間調整機構108a,108bと共通しているので、その詳細説明を省略する。
支持軸206a,207a、ギヤ281a,281b、ペデスタル282a,282b及びピニオン283a,283bは、入口ローラーガイドG2の支持軸106a,107a、ギヤ181a,181b、ペデスタル182a,182b及びピニオン183a,183bにそれぞれ対応している。
また対のガイドローラー204a,204bのうち、図示している一方のガイドローラー204aの支持手段である偏心軸211及び面間調整機構208cは、前記入口ローラーガイドG2のガイドローラー104の支持手段である偏心軸111及び面間調整機構108cと共通しているので、その詳細説明を省略する。
支持軸211a、ギヤ281c、ペデスタル282c及びピニオン283cは、入口ローラーガイドG2の支持軸111a、ギヤ181c、ペデスタル182c及びピニオン183cにそれぞれ対応している。
他方のガイドローラー204b(図7)の支持手段である偏心軸及び面間調整機構については図示していないが、偏心軸211及び面間調整機構208cと実質的に同一構成であるので、その詳細説明を省略する。
ガイドボックス201の圧延ロールR6側にあって、ガイドローラー204a,204bまでの間にばね(図示せず。)で吊ったフンド219を備えている。
圧延ロールR6によって圧延されたエレベーターガイドレール用の鋼材S6は、出口において図7に示すように、左右のガイドローラー204a,204bによって垂直部分であるフランジの端面が、また上下のガイドローラー203a,23bによって水平部分であるウェブの端面が案内される。
【0017】
出口ツイストローラーガイドG1、入口ローラーガイドG2及び出口ローラーガイドG3は上記構成であるから、図1に示すカリバーK5によって圧延された鋼材S5を圧延を中断させることなく連続して第6のロールスタンドのカリバーK6で90°転回させて圧延するために、第5のロールスタンドの圧延ロールR5から出てきた鋼材S5を出口ツイストローラーガイドG1のツイストガイドローラー3a,3bによってねじれ誘導して、誘導姿勢を制御しながら入口ローラーガイドG2のガイドローラー104を経てガイドローラー103a,103bへ案内し、この入口ローラーガイドが第6のロールスタンドの圧延ロールR6へ誘導し、圧延ロールR6にて90°転回され圧延された鋼材S6を出口ローラーガイドG3のガイドローラー204a,204b及びガイドローラー203a,203bによって第7のロールスタンドへ鋼材S6のねじれを防止しながら誘導する。
このように、圧延工程中に、第6のロールスタンドの前後に出口ツイストローラーガイドG1並びに入口ローラーガイドG2及び出口ローラーガイドG3を用いて、鋼材のねじれ防止やその逆のねじれ誘導など誘導姿勢を制御することにより、鋼材S1から鋼材S9に至るまでの連続圧延が可能となり、圧延を一時的に中断する必要がない分だけ、圧延工程における鋼材の温度低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明に係るエレベーター用ガイドレール鋼材の圧延の過程を示すフロー図である。
【図2】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材を誘導する出口ツイストローラーガイドを示す正面図である。
【図3】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材とツイストガイドローラーとの関係を拡大して示す側面図である。
【図4】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材を誘導する入口ローラーガイドを示す正面図である。
【図5】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材を誘導する入口ローラーガイドを示す側面図である。
【図6】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材を誘導する出口ローラーガイドを示す側面図である。
【図7】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの鋼材とガイドローラーとの関係を拡大して示す側面図である。
【符号の説明】
【0019】
1,101,201 ガイドボックス
3a,3b ツイストガイドローラー
103a,103b ガイドローラー
104 ガイドローラー
203a,203b ガイドローラー
204a,204b ガイドローラー
9,219 フンド
10 ばね
G1 出口ツイストローラーガイド
G2 入口ローラーガイド
G3 出口ローラーガイド
R5 圧延ロール
R6 圧延ロール
S1〜S9 鋼材
【出願人】 【識別番号】595131374
【氏名又は名称】大阪製鐵株式会社
【識別番号】000182476
【氏名又は名称】寿産業株式会社
【出願日】 平成18年11月13日(2006.11.13)
【代理人】 【識別番号】100086254
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 進


【公開番号】 特開2008−119722(P2008−119722A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−306317(P2006−306317)