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【発明の名称】 圧延機
【発明者】 【氏名】池本 裕二

【氏名】佐古 彰

【氏名】林 寛治

【氏名】左田野 豊

【氏名】小川 茂

【氏名】四阿 佳昭

【氏名】若月 邦彦

【要約】 【課題】荷重検出装置の検出精度の向上が図れる圧延機を提供する。

【解決手段】所謂知能型圧延機10において、各々の分割上バックアップロール28は同分割上バックアップロール毎に軸方向へ分割されて個別圧下装置32により偏心回転される偏心軸33上に回転自在に支持され、偏心軸はミルハウジング11に内蔵された上キャリッジ21に対し荷重方向へ弾性的に支持されたロールチョック27に枢支されて個別圧下装置によってその回転角が制御され、ロールチョックは上キャリッジにリニアガイド60を介して荷重方向へ摺動自在に支持され、荷重検出装置は、ロールチョックとフレーム側との間に介装され、かつその検出位置が前記偏心軸の中心から分割バックアップロールの中心方向へずらして配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上下いずれか一方において、軸方向に3分割以上複数分割した入側及び出側の分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、入出側の各々の分割バックアップロールに対しそれぞれ独立して荷重を検出し得る荷重検出装置とそれぞれ独立して圧下力を付与し得る個別圧下装置とを設けた圧延機において、
前記各々の分割バックアップロールは、同分割バックアップロール毎に軸方向へ分割されて前記個別圧下装置により偏心回転される偏心軸上に回転自在に支持され、
前記偏心軸は、ミルハウジングに内蔵されたフレーム側に対し荷重方向へ弾性的に支持されたロールチョックに枢支されて前記個別圧下装置によってその回転角が制御され、
前記ロールチョックは、前記フレーム側にガイドを介して荷重方向へ摺動自在に支持され、
前記荷重検出装置は、前記ロールチョックとフレーム側との間に介装され、かつその検出位置が前記偏心軸の中心から分割バックアップロールの中心方向へずらして配置されることを特徴とする圧延機。
【請求項2】
前記荷重検出装置を、前記偏心軸に前記個別圧下装置から作用する力と前記分割バックアップロールに作用する圧延荷重との合力ベクトルのふれる範囲のバックアップロール中心方向の一番外側に配置することを特徴とする請求項1記載の圧延機。
【請求項3】
前記荷重検出装置は、前記フレーム側とロールチョックとの間の荷重方向位置にロール軸方向へ二個並べて配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の圧延機。
【請求項4】
前記ロールチョックは、前記フレーム側を荷重方向へ移動可能に貫通してその先端部が同ロールチョックに結合されるロッドと、該ロッドの頭部とフレーム側との間に位置して当該ねじに巻装されたスプリングとで、前記フレーム側に弾性的に支持されることを特徴とする請求項1,2又は3記載の圧延機。
【請求項5】
前記ガイドは、リニアガイドであることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の圧延機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、個別に荷重検出及び圧下制御可能な分割バックアップロールを備えた所謂知能型圧延機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種圧延機として、例えば特許文献1に開示されたようなものがある。
これは、軸方向のロールクラウンパターンを調整可能とする分割バックアップロールにおいて、分解、組み立て作業を簡易化することを目的として、補強ロールフレームにロール支持軸を回動自在に支持すると共に、該ロール支持軸の複数箇所に偏心量の異なる偏心部を設け、この偏心部に分割補強ロールを軸着してなる分割バックアップロールにおいて、前記ロール支持軸が、軸方向と交差する方向に複数に分割可能に構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−118822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたものにあっては、ロールクラウンパターンの調整時には、全ての分割補強ロールが一本に連続したロール支持軸上に軸着され、構造上、隣接する分割補強ロールの位置に拘束されることから、自由度のある高精度な位置制御を応答性良く行うことができないという問題点があった。また、シャフト+偏心ブッシュ等の構造となるので、偏心機構の部品点数が多く、メンテナンス性が悪いという問題点もあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、分割バックアップロールにおける高精度な位置制御を応答性良く行うことができると共に偏心機構の簡素化によりメンテナンス性の向上が図れる一方で、荷重検出装置の検出精度の向上も図れる圧延機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明に係る圧延機は、少なくとも上下いずれか一方において、軸方向に3分割以上複数分割した入側及び出側の分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、入出側の各々の分割バックアップロールに対しそれぞれ独立して荷重を検出し得る荷重検出装置とそれぞれ独立して圧下力を付与し得る個別圧下装置とを設けた圧延機において、
前記各々の分割バックアップロールは、同分割バックアップロール毎に軸方向へ分割されて前記個別圧下装置により偏心回転される偏心軸上に回転自在に支持され、
前記偏心軸は、ミルハウジングに内蔵されたフレーム側に対し荷重方向へ弾性的に支持されたロールチョックに枢支されて前記個別圧下装置によってその回転角が制御され、
前記ロールチョックは、前記フレーム側にガイドを介して荷重方向へ摺動自在に支持され、
前記荷重検出装置は、前記ロールチョックとフレーム側との間に介装され、かつその検出位置が前記偏心軸の中心から分割バックアップロールの中心方向へずらして配置されることを特徴とする。
【0007】
前記荷重検出装置を、前記偏心軸に前記個別圧下装置から作用する力と前記分割バックアップロールに作用する圧延荷重との合力ベクトルのふれる範囲のバックアップロール中心方向の一番外側に配置することを特徴とする。
【0008】
前記荷重検出装置は、前記フレーム側とロールチョックとの間の荷重方向位置にロール軸方向へ二個並べて配置されることを特徴とする。
【0009】
前記ロールチョックは、前記フレーム側を荷重方向へ移動可能に貫通してその先端部が同ロールチョックに結合されるロッドと、該ロッドの頭部とフレーム側との間に位置して当該ねじに巻装されたスプリングとで、前記フレーム側に弾性的に支持されることを特徴とする。
【0010】
前記ガイドは、リニアガイドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成の本発明に係る圧延機によれば、各々の分割バックアップロールを回転自在に支持する偏心軸を分割バックアップロール毎に分割したので、隣接する分割バックアップロールの位置に拘束されることはなく、高精度な位置制御を応答性良く行うことができる。また、各々の分割バックアップロールは偏心軸に回転自在に支持されるので、偏心機構の簡素化によりメンテナンス性の向上が図れる。また、ロールチョックはフレーム側にガイドを介して荷重方向へ摺動自在に支持されると共に、荷重検出装置はロールチョックとフレーム側との間に介装されかつその検出位置が偏心軸の中心から分割バックアップロールの中心方向へずらして配置されるので、ガイドでの摩擦(摺動)抵抗を低減して荷重検出装置の検出精度の向上が図れる一方で、ガイドの寿命延長がはかれる。
【0012】
また、前記荷重検出装置を、前記偏心軸に前記個別圧下装置から作用する力と前記分割バックアップロールに作用する圧延荷重との合力ベクトルのふれる範囲のバックアップロール中心方向の一番外側に配置することで、荷重・モーメントの釣り合いにより、ガイドでの摩擦(摺動)抵抗をより一層低減して荷重検出装置の検出精度の向上が図れる。
【0013】
また、前記荷重検出装置は、前記フレーム側とロールチョックとの間の荷重方向位置にロール軸方向へ二個並べて配置されることで、分割上バックアップロールの偏荷重が検出できる。
【0014】
また、前記ロールチョックは、前記フレーム側を荷重方向へ移動可能に貫通してその先端部が同ロールチョックに結合されるロッドと、該ロッドの頭部とフレーム側との間に位置して当該ロッドに巻装されたスプリングとで、前記フレーム側に弾性的に支持されることで、荷重方向への移動を円滑に許容しつつロールチョックを支持することができる。
【0015】
また、前記ガイドは、リニアガイドであることで、摩擦(摺動)抵抗を効果的に低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る圧延機を実施例により図を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は本発明の一実施例を示す圧延機の側断面図、図2は上キャリッジの側断面図、図3は上キャリッジにおける圧下機構の側断面図、図4は圧下装置の圧延時の作用説明図、図5は圧下装置のキャリッジ組替時の作用説明図、図6は荷重検出装置の作用説明図である。
【0018】
図1に示す圧延機10は、個別に荷重検出及び圧下制御可能な分割バックアップロールを備えた所謂知能型圧延機である。
【0019】
これを詳述すると、架構体を呈するミルハウジング11内に上下一対のワークロール12a,12bがそれぞれ上下一対のワークロールチョック13a,13bを介して回転自在支持され、この上下一対のワークロール12a,12b間を適当数のサポートロール14を介して、圧延機10の入側(前側:図中左方)から圧延機10の出側(後側:図中右方)へと板材が通板可能になっている。
【0020】
下ワークロール12bを支持する下ワークロールチョック13bは下キャリッジ52に支持され、ミルハウジング11上に下キャリッジ52と一体で支持される。下キャリッジ52には前後一対の分割下バックアップロール50が回転自在に支持されている。一方、上ワークロール12aを支持する上ワークロールチョック13aは、下ワークロールチョック13bに内蔵される前後一対のリフトシリンダ54で下方より支持される。
【0021】
上記ミルハウジング11には、前後一対の油圧等流体圧タイプのバランスシリンダ19によりフレーム18が上下動可能に支持される。また、フレーム18は、ミルハウジング11に下向きに支持された左右一対の油圧等流体圧タイプの圧下シリンダ20により、バランスシリンダ19の付勢力に抗して下方へ付勢され、所定の圧下力を上ワークロール12a及び下ワークロール12bに付与し得るようになっている。
【0022】
そして、フレーム18はブロック状の本体部18a下方に前後一対の脚部18bを有し、これら前,後両脚部18b間に、上キャリッジ21が圧延ラインの作業側から出入り可能に支持されると共に前後一対の油圧等流体圧タイプのリフトシリンダ22により上下動可能に支持される。
【0023】
上記上キャリッジ21は、フレーム18の前面における板幅方向中央部に設けたクランプ機構23により、当該位置でフレーム18に対し位置決め・固定されるようになっていると共に、図1中に吹き出しで示すように、フレーム18に内蔵された左右一対の押付けシリンダ56によって上キャリッジ21をフレーム18の後脚部18bにおける基準面に押し付けることでライン方向の位置決めも可能になり、ワークロールとバックアップロールの軸心を平行に保つことが可能になっている。
【0024】
上記キャリッジ21の下面部には、圧延機入側と出側に位置して、ロールチョック27が板幅方向(軸方向)に3分割以上複数配置され、これらロールチョック27に分割上バックアップロール28が回転自在に支持されている。
【0025】
上記各ロールチョック27は、図2及び図3に示すように、正面視で二股状の本体部27aと該本体部27aの二股状部にそれぞれボルト等で結合される左右一対のキャップ27bとからなり、その本体部27aにおいて上キャリッジ21に対し当該本体部27aに結合されたロッド29と該ロッド29の先端部に巻装されたスプリング30により荷重方向に摺動可能に支持される(図2参照)。
【0026】
前記本体部27aの二股状部とキャップ27bとで形成される円孔部に、分割上バックアップロール28を同芯で支持する偏心軸33の両端部がそれぞれ図示しないベアリングを介して回転自在に支持される。図中C1は偏心軸33の回転中心で、C2は分割上バックアップロール28の回転中心であり、Lがその偏心量である。
【0027】
そして、各ロールチョック27の本体部27aの上面と上キャリッジ21の下面との間に、各分割上バックアップロール28に加わる荷重を検出する例えばロードセル等の荷重検出装置31が介装される。この荷重検出装置31は、板幅方向(ロール軸方向)へ二個並べて配置される。
【0028】
図示例では、図6に示すように、荷重検出装置31は偏心軸33の中心C1から分割上バックアップロール28の中心方向へずらして配置される。より具体的には、前記荷重検出装置31の検出位置は、偏心軸33の偏心荷重F1と分割上バックアップロール28に作用する圧延荷重F2との合力F3の略ベクトル線上に設定される。即ち、図6において、F11=F22の関係が成り立つ位置(力・モーメントの釣合う位置)に設定されるのである。尚、F2とL2は、ワークロール径とバックアップロール径の組み合わせで変化し、L2は、偏心軸33の回転角によって変化するため、検出位置は基準位置から±10mm程度の操業条件に合わせて範囲を持たせている。
【0029】
また、各ロールチョック27の本体部27aと上キャリッジ21との荷重方向に沿った対向面間には、リニアガイド60が左右一対介装される。
【0030】
また、上記フレーム18と上キャリッジ21間に、各分割上バックアップロール28に対し個別に圧下力を付与する圧下装置(個別圧下装置)32が設けられる(図1参照)。
【0031】
即ち、圧下装置32は、上キャリッジ21において各分割上バックアップロール28を回転自在に支持する偏心軸33の一端面に、隣接する各分割上バックアップロール28間の隙間を利用して、ボルト34で結合されたアーム35と、図1に示すように、フレーム18において当該フレーム18上に水平に取り付けられた油圧等流体圧タイプの圧下力調整シリンダ(アクチュエータ)36により揺動自在に支持されたレバー37と、を有すると共に、各アーム35の上端部と各レバー37の下端部とはピンレス構造で連係される。尚、偏心軸33の一端面にはキー溝61が形成され、このキー溝61にアーム35の下部側面に形成したキー62が嵌合されて組付精度が高められている。
【0032】
図示例では、上記ピンレス構造として、各アーム35の上端部にピン38で支持されたコロ39が各レバー37の下端部に形成されたU字状の受け口(ワニ口)40(図1参照)に微小隙間を有して挿入されている。また、各レバー37の中間部はフレーム18の本体部18aに付設された左右一対のブラケット間にピン42で結合されると共に、その上端部に上述した圧下力調整シリンダ36のピストンロッド先端がピン43で結合されている。
【0033】
なお、圧下装置32は、圧延機10の入側の分割上バックアップロール28用と圧延機10の出側の分割上バックアップロール28用とが、フレーム18及び上キャリッジ21において前後方向に互いに反転した状態で、かつ左右方向に交互に配設されている。尚、後述する作用説明に用いる図4及び図5中44は、各圧下力調整シリンダ36の原点位置を検出するためにその伸限位置を規制するストッパで、図5中45は、コロ39と受け口40との間に隙間を設けるために無負荷時(キャリッジ組替時)に各アーム35が重心によるモーメントによって倒れる位置を規制するストッパである。
【0034】
そして、圧下装置32は、図4に示すように、圧延(矯正)時には、圧下力調整シリンダ36が伸縮することで、レバー37がピン42を中心に例えば図4の(b)の状態から時計方向(図4の(c)参照)或いは反時計方向(図4の(a)参照)に揺動し、これによりアーム35を介して偏心軸33(図4中には図示せず)が分割上バックアップロール28と共に反時計方向(図4の(c)参照)或いは時計方向(図4の(a)参照)に偏心回転することにより、上ワークロール12aに対する圧下力が調整(増減)されるようになっている。この際、コロ39は受け口40内を上下方向に転動し、偏心軸33及び分割上バックアップロール28を円滑に偏心回転させる。
【0035】
一方、上キャリッジ組替時は、図5に示すように、圧下力調整シリンダ36を例えば図4の(a)の状態から所定ストロークだけ収縮させてアーム35を偏心軸33の回転中心C1を中心に時計方向に揺動させた後(図5の(a)参照)、リフトシリンダ22を収縮して上キャリッジ21をフレーム18に対し下降させれば(図5の(b)参照)、コロ39が受け口40から下方へ抜け出し、フレーム18に対し上キャリッジ21が分離されるようになっている。コロ39の抜出し後、アーム35は自重で時計方向に倒れるが、やがてストッパ45で倒れ位置が規制されるので、その後上キャリッジ21が圧延ラインの作業側へ搬出されるときの動作に支障をきたすことがない。
【0036】
また、下ワークロール12bに圧下力を付与する分割下バックアップロール50は、分割上バックアップロール28と同様に、圧延機10の入側と出側に位置して、板幅方向に複数配置されるが、これらは圧延機10の入側と出側とでそれぞれ1本のロール支持軸51上に所定の偏心量を有した後述する偏心ブッシュを介して回転自在に支持される点で、個別に圧下力を調整することができる上述した分割上バックアップロール28とは構造が異なる。なお、このような分割下バックアップロール50は、特許文献1等で既に公知である。
【0037】
そして、上記ロール支持軸51の両端部は下キャリッジ52に回転自在に支持され、圧延ラインの駆動側において、図示しない駆動源によりスピンドル等を介して所要の角度宛回転されるようになっている。
【0038】
上記下キャリッジ52は、ミルハウジング11に対し圧延ラインの作業側から出入り可能に支持されると共に、板幅方向の所定位置で、上述したクランプ機構23と同様のクランプ機構53により、ミルハウジング11に対し位置決め・固定されるようになっている。また、下キャリッジ52の下方に位置したミルハウジング11には、下キャリッジ52の組立時に当該下キャリッジ52を持ち上げるための前後一対のリフトシリンダ55が内蔵される。
【0039】
このように構成されるため、圧延(矯正)時には、フレーム18がバランスシリンダ19の収縮で図1の状態から下降された状態となり、この状態下で板材が上,下両ワークロール12a,12b間を通板される。
【0040】
この際、上,下両ワークロール12a,12bには、左右一対の圧下シリンダ20によりフレーム18がミルハウジング11に対し下方に付勢されることで所定の圧下力が付与される。また、圧延機10の入側及び出側に配置した分割上バックアップロール28と分割下バックアップロール50によって、板幅方向の圧下力が調整される。
【0041】
分割上バックアップロール28にあっては、荷重検出装置31により個々に荷重が検出される。そして、図示しない制御装置により、分割上バックアップロール28の個々の荷重が目標荷重になるように、圧下装置32を介して分割上バックアップロール28の個々の圧下力が調整される。
【0042】
分割下バックアップロール50にあっては、図示しない制御装置により、ロール支持軸51が図示しない駆動源によりスピンドル等を介して所要の角度宛回転され、この時の各偏心ブッシュの偏心量に見合った圧下力に個々に調整される。
【0043】
従って、特に、分割上バックアップロール28にあっては、圧延機10の出側で板形状を検出してフィードバックする必要はなく、時間遅れなく直接的に板形状を制御することができる。また、複数分割された分割上バックアップロール28及び分割下バックアップロール50によって板幅方向に細かい調整が可能となり、良好な板品質、つまり良好な板クラウンおよび平坦度を得ることができる。
【0044】
そして、本実施例では、点検・交換頻度の高い分割上バックアップロール28を上キャリッジ21に支持させ、該上キャリッジ21を点検・交換頻度の低いフレーム18に支持させると共に、圧下装置32をフレーム18と上キャリッジ21とに分割して支持させている。
【0045】
これにより、フレーム18及び上キャリッジ21の軽量化が図れると共に上キャリッジ21を可及的に小型化できる一方で、必要に応じてフレーム18と上キャリッジ21とを分離して取り扱うことができる。
【0046】
この結果、分割上バックアップロール28の分割数が多くなってフレーム18や上キャリッジ21等の構造物が大きく、重量物となっても、分割上バックアップロール28の組替や圧下装置32(単独圧下機構)等の保全作業性を向上させると共にクレーン等の輸送機器や治具等の軽量化・低容量化が実現できる。
【0047】
また、各々の分割上バックアップロール28は、上キャリッジ21に対しロールチョック27を介して荷重方向に摺動自在に支持され、該ロールチョック27(の本体部27a)と上キャリッジ21との間に荷重検出装置31が介装されることで、各々の分割上バックアップロール28の荷重を確実に精度良く検出できる。
【0048】
また、圧下装置32において、アーム35とレバー37とがピンレス構造で連係されることで、フレーム18と上キャリッジ21を容易に分離させられる。つまり、分割上バックアップロール28の組替時等に上キャリッジ21のみをフレーム18から容易に機外へ抜き出すことができるのである。
【0049】
また、クランプ機構23により、上キャリッジ21をフレーム18に対し板幅方向中央部で位置決めさせることで、圧延機10が曲げ変形してもフレーム18と上キャリッジ21の位置関係を一定に保つことができると共に、フレーム18に内蔵した左右一対の押付けシリンダ56で上キャリッジ21をフレーム18の後脚部18bにおける基準面に押し付けることによって、ライン方向の位置関係を一定に保つことができる。
【0050】
さらに、本実施例によれば、各々の分割上バックアップロール28を回転自在に支持する偏心軸33を分割上バックアップロール毎に分割したので、隣接する分割上バックアップロール28の位置に拘束されることはなく、高精度な位置制御を応答性良く行うことができる。また、各々の分割上バックアップロール28は偏心軸33に回転自在に支持されるので、偏心機構の簡素化により大きな偏心量が設計可能で、かつメンテナンス性の向上も図れる。
【0051】
また、ロールチョック27は上キャリッジ21にリニアガイド60を介して荷重方向へ摺動自在に支持されると共に、荷重検出装置31はロールチョック27と上キャリッジ21との間に介装されかつその検出位置が偏心軸33の中心C1から分割上バックアップロール28の中心方向へずらして配置されるので、リニアガイド60に作用する反力が最小となることから、リニアガイド60での摩擦(摺動)抵抗を低減して荷重検出装置31の検出精度の向上が図れる一方で、リニアガイド60の寿命延長が図れる。
【0052】
図示例では、前記荷重検出装置31の検出位置は、偏心軸33の偏心荷重F1と分割上バックアップロール28に作用する圧延荷重F2との合力F3のベクトル線上にある範囲で設置されているので、荷重・モーメントの釣り合いにより、リニアガイド60での摩擦(摺動)抵抗をより一層低減して荷重検出装置31の検出精度の向上が図れる。
【0053】
また、ロールチョック27は、上キャリッジ21を荷重方向へ移動可能に貫通してその先端部が同ロールチョック27に結合されるロッド29と、該ロッド29の頭部と上キャリッジ21との間に位置して当該ロッド29に巻装されたスプリング30とで、上キャリッジ21に弾性的に支持されることで、荷重方向への移動を円滑に許容しつつロールチョック27を支持することができる。
【0054】
また、ガイドに高剛性のリニアガイド60を用いているので、摩擦(摺動)抵抗を効果的に低減でき、かつ変形も小さくできる。
【0055】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、圧下装置32(単独圧下機構)を分割下バックアップロール50に適用したり、圧下装置32の構造を変更する等各種変更が可能であることはいうまでもない。また、フレーム18と上キャリッジ21とを一体に形成し、アーム35を圧下力調整シリンダ36で直接揺動させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例を示す圧延機の側断面図である。
【図2】キャリッジの側断面図である。
【図3】キャリッジにおける圧下機構の側断面図である。
【図4】圧下装置の圧延時の作用説明図である。
【図5】圧下装置のキャリッジ組替時の作用説明図である。
【図6】荷重検出装置の作用説明図である。
【符号の説明】
【0057】
10 圧延機、11 ミルハウジング、12a 上ワークロール、12b 下ワークロール、13a 上ワークロールチョック、13b 下ワークロールチョック、14 サポートロール、18 フレーム、18a 脚部、18b 本体部、19 バランスシリンダ、20 圧下シリンダ、21 上キャリッジ、22 リフトシリンダ、23 クランプ機構、27 ロールチョック、27a 本体部、27b キャップ、28 分割上バックアップロール、29 ロッド、30 スプリング、31 荷重検出装置、32 圧下装置、33 偏心軸、35 アーム、36 圧下力調整シリンダ、37 レバー、38 ピン、39 コロ、40 受け口、42 ピン、43 ピン、44 ストッパ、45 ストッパ、50 分割下バックアップロール、51 ロール支持軸、52 下キャリッジ、53 クランプ機構、54 リフトシリンダ、55 リフトシリンダ、56 押付けシリンダ、60 リニアガイド。
【出願人】 【識別番号】502251784
【氏名又は名称】三菱日立製鉄機械株式会社
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【出願日】 平成18年10月27日(2006.10.27)
【代理人】 【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎

【識別番号】100074480
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 忠敬

【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸

【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋


【公開番号】 特開2008−105079(P2008−105079A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−292207(P2006−292207)