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【発明の名称】 スラブ設計方法及びスラブ設計装置
【発明者】 【氏名】宮本 一範

【氏名】乳原 寧

【氏名】荒木 清己

【要約】 【課題】厚鋼板のように小ロット、多品種のものを生産する場合においても、製品在庫またはスクラップの発生を減らし、歩留りの向上を図ることが可能なスラブ設計方法及びスラブ設計装置を提供する。

【解決手段】厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計方法及びスラブの設計装置であって、それぞれ特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定ステップ及び判定手段と、この判定ステップ及び判定手段でスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当てステップ及びスラブオーダ引き当て手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計方法であって、
特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定ステップと、
該判定ステップでスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当てステップと
を有することを特徴とするスラブ設計方法。
【請求項2】
判定ステップが、余材部を圧延する設備の制約条件を満足する最小スラブ寸法以上かつ最大スラブ寸法以下の範囲内でスラブサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載のスラブ設計方法。
【請求項3】
厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計装置であって、
特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定手段と、
該判定手段でスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当て手段と
を有することを特徴とするスラブ設計装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、厚鋼板の製造過程において、スラブにオーダを引き当てるためのスラブ設計方法及びスラブ設計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
厚鋼板は、製鋼プロセスにおける連続鋳造工程や造塊−分塊等で製造されるスラブを、そのスラブ単位に、客先のオーダに応じて所定の板厚となるように熱間圧延した後、製品寸法に合わせて切断し製造される。一般に、これら厚鋼板におけるオーダの形態、特性は、小ロット、多品種であることが多く、その生産は受注生産方式を採る場合がほとんどである。
【0003】
このような小ロット、多品種のものを生産する場合、効率良くかつ経済的に生産を行う為には、各製造工程単位で、製造ロットへの集約を行う生産計画が重要である。この製造ロットへの集約の中で、複数のオーダ寸法を組み合わせて圧延単位、つまりスラブ単位にまとめる作業がある。これは、まず、オーダの特性からグルーピングを行い、同一グループの中で設備制約を満たす範囲内で、異なるオーダ寸法のものを組み合わせたことにより発生するロスが最小となるように、オーダの組み合わせを決定するものである。
【0004】
このようなオーダの組み合わせ方法については従来から多くの方法が提案されている。例えば、特許文献1には、客先からの注文に応じて鋼板製品を製造する場合に、注文の製品素材への最適な引き当てを短時間で実現するとともに、余剰在庫および歩留りを最適状態に管理することができる引き当て方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、複数のスラブの各々に、一つ以上のオーダを充当する際に、遺伝的アルゴリズムを用いて最適なオーダの組み合わせを決定する方法が記載されている。
【0006】
更に、特許文献3には、複数の鋼片に1以上の注文を充当して、オーダの組み合わせを決定する際に、設備制約および冗長な組み合わせを排除するための制約の下で、考えられる全ての組み合わせを分岐限定法により列挙した後、その列挙された組み合わせの中から0−1計画法を用いて、注文枚数の制約下で、目的の評価関数を最大とする鋼片を選択することにより、最適なオーダの組み合わせを決定する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平6−149850号公報
【特許文献2】特開平7−96311号公報
【特許文献3】特開2004−276034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1〜3に記載されている方法は、いずれもオーダの組み合わせやスラブ引き当ての自由度が大きい場合において、スラブの引き当てにおけるオーダ組み合わせの最適性を追求したものである。そのため、上記方法はオーダの組み合わせの自由度が大きい場合においては有効と考えられるが、厚鋼板のように小ロット、多品種のものを生産する場合で、特にオーダの組み合わせの自由度が極めて低い場合には、大幅な歩留り向上は臨めない。
【0008】
つまり、組み合わせるオーダが少ない小ロット材の場合、多くのスラブ群の中で最も歩留りが良好なスラブを選択し、オーダを引き当てたとしても、スラブに余材部が発生してしまう場合が多い。
【0009】
図6に、従来方法におけるスラブ1にオーダ1aを引き当てた場合の圧延の様子を模式的に示す。通常、図6に示すような余材部1bが発生する場合は、スラブ1へオーダ1aを引き当てる段階で、オーダの寸法に合わせてスラブを切断することが多い。しかし、スラブを切断した場合、残りの寸法がハンドリングや加熱、圧延等の設備制約で決定される最小スラブ寸法に満たない場合はスクラップとなる。そのため、スクラップとなる場合はそのまま圧延し、圧延後に余材部1bを製品在庫として採取するか、もしくはスクラップ処理とするしかなく、低歩留りとなる場合が多かった。
【0010】
そこで、本発明は、厚鋼板のように小ロット、多品種のものを生産する場合においても、製品在庫またはスクラップの発生を減らし、歩留りの向上を図ることが可能なスラブ設計方法及びスラブ設計装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計方法であって、
特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定ステップと、
該判定ステップでスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当てステップとを有することを特徴とするスラブ設計方法。
[2]上記[1]において、判定ステップが、余材部を圧延する設備の制約条件を満足する最小スラブ寸法以上かつ最大スラブ寸法以下の範囲内でスラブサイズを決定することを特徴とするスラブ設計方法。
[3]厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計装置であって、
特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定手段と、
該判定手段でスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当て手段とを有することを特徴とするスラブ設計装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、厚鋼板のように小ロット、多品種のものを生産する場合においても、製品在庫またはスクラップの発生を減らし、歩留りの向上を図ることが可能なスラブ設計方法及びスラブ設計装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
【0014】
本発明は、厚鋼板の製造過程における、オーダ情報及びスラブ情報に基づいてスラブにオーダを引き当てるスラブの設計方法及びスラブの設計装置であって、それぞれ特定スラブに対するオーダ引き当て後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定ステップ及び判定手段と、この判定ステップ及び判定手段でスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当てステップ及びスラブオーダ引き当て手段とを有するものである。ここで、前記スラブ設計装置としては、コンピュータ等を用いることができ、コンピュータ等に、オーダ情報及びスラブ情報に基づいて、特定スラブに対するオーダを引き当てた後の当該スラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う判定手段、該判定手段でスラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定された場合には、前記オーダ引き当て後のスラブの余材部に対して採取可能なサイズのスラブを製造するためのオーダを引き当てるスラブオーダ引き当て手段として機能させるためのプログラムを読み込ませることで装置を構成することができる。
【0015】
以下、図1及び図2により、上記各ステップ(各手段についても同様)における処理の詳細を説明する。ここで、図1は、本発明に係るスラブ設計方法の処理フローの一例を示す図である。また、図2は、本発明に係るスラブ設計装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。
【0016】
[判定ステップ(S1)]
図1に示すように本判定ステップ(S1)では、まず、S11において、オーダ情報及びスラブ情報の読み込みを行う。より具体的には、製造に着手しなければならないオーダに関する情報をオーダ情報データベース101から読み込み、さらに、これらのオーダを引き当て可能なスラブの情報をスラブ情報データベース102から読み込む。ここで、前記オーダ情報データベース101には、例えば、製品規格、寸法、仕様、納期等のオーダに関するデータが保存されている。また、前記スラブ情報データベース102には、例えば、スラブ寸法、鋼種、スラブ作製時刻等のスラブに関するデータが保存されている。なお、S11で読み込まれたデータは、データベース等に保存される。
【0017】
次に、S12において、上記S11で読み込んだオーダ情報及びスラブ情報に基づいて、製造に着手しなければならないオーダのスラブへの引き当てを行う。前記引き当て方法としては、例えば、オーダ毎に、上記S11で読み込まれたこのオーダを引き当て可能なスラブ群の中から、最も歩留りが良好となるスラブを選択し、それにオーダを引き当てることにより行うことができる。この場合に、1つのスラブに対して複数のオーダを組み合わせて引き当てることで歩留りがより良好となる場合には、1つのスラブに対して複数のオーダを引き当ててもよい。
【0018】
なお、上記S11及びS12は、それぞれ図2に示すオーダ情報及びスラブ情報の読み込み部11、及び、オーダのスラブへの引き当て処理部12で行われる。
【0019】
次に、S13において、上記S12でオーダが引き当てられたスラブの余材部を分割することで、所定のオーダの引き当てが可能か或いは最小スラブ寸法以上のスラブが採取可能であるか否かの判定を行う。なお、前記余材部とは、スラブ内で、引き当てられたオーダを採取するために必要なスラブ領域以外の部分である。ここでは、前記余材部の寸法が、既存のオーダの引き当てが可能なスラブ寸法以上であるか或いはスラブのハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約で決定される処理可能な最小スラブ寸法以上であるかにより判定される。
【0020】
そして、本S13において、スラブを分割することで、所定のオーダの引き当て或いは最小スラブ寸法以上のスラブの採取が可能であると判定された場合には、余材部を分割可能(Yes)として分割可能判定を行う。この分割可能判定は、各工場、現場での製造命令ならびに製造実績を管理する生産管理システムに送られ、当該スラブに対する分割命令が作製され、分割処理が行われる。
【0021】
また、本S13において、スラブを分割しても、所定のオーダの引き当て或いは最小スラブ寸法以上のスラブの採取ができないと判定された場合には、余材部の分割は不可(No)と判定して、以下のS14に進む。
【0022】
なお、上記S13は、図2に示す余材部分割可否判定部13で行われる。
【0023】
本発明においては、上記S13の処理は必須の処理ではなく、分割の可否を判断せずにそのままS14に進んでもよく、その場合でも本発明の効果を奏することができる。上記S13を行うことで、分割できるスラブに対しては、分割を行い、以下のステップ省略することで、全体の処理を簡略化できるという効果を奏する。
【0024】
次に、S14において、上記S13で、余材部の分割は不可(No)と判定されたスラブの余材部に対して、さらにスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否かの判定を行う。
【0025】
図3に、本S14での処理フローの一例を示す。
【0026】
本S14では、まず、S141で、最大異厚量の算出を行う。最大異厚量とは、1つのスラブ内で、オーダに応じて仕上げの圧延厚さを変えて圧延を行う際の板厚差の最大許容値をいう。ここでは、差厚鋼板やテーパプレート等を製造する際に用いられる異厚圧延の技術が適用される。図4に、異厚圧延を行う場合の圧延の様子を模式的に示す。ここで、異厚量とは、図4において、スラブ1を圧延した後の鋼板におけるtとtの板厚差をいう。なお、前記最大異厚量は、鋼種、圧延寸法(圧延厚、圧延幅等)、圧延設備の設備制約条件等により決定される値であり、圧延設備毎にオーダに基づく圧延寸法が与えられれば一義的に算出できる値である。
【0027】
次に、S142において、異厚圧延が可能か否かの判定を行う。ここでの判定は、上記S141で算出した最大異厚量が、下式(1)を満足するか否かにより行うことができる。
【0028】
スラブ最小厚−圧延厚≦最大異厚量 ・・・(1)
ここで、前記スラブ最小厚は、スラブのハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約で決定される処理可能な最小スラブ寸法により規定されるスラブの最小厚である。また、前記圧延厚は、引き当てられたオーダに基づく仕上げの圧延厚である。
【0029】
ここで、上式(1)を満たす場合(Yes)には、異厚圧延が可能と判定して以下のS143に進み、上式(1)を満たさない場合(No)には、異厚圧延が不可として処理を終了する。
【0030】
次に、S143において、上記S142で、異厚圧延が可能と判定されたスラブに対して、そのスラブの余材部からスラブとして採取可能な寸法が製造可能か否か、例えば、余材部から最小スラブ寸法以上のスラブが製造可能か否かの判定を行う。ここでは、前記余材部に対して、例えば、厚さをスラブ最小厚とし、幅を引き当てられたオーダの圧延幅とした場合のスラブ長さを算出し、これが最小スラブ寸法で規定されるスラブ長さ(最小スラブ長さ)以上であれば、スラブとして採取可能な寸法が製造可能と判定し、前記算出したスラブ長さが最小スラブ長さ未満の場合には製造不可と判定する。
【0031】
本S143でスラブとして採取可能な寸法が製造可能(Yes)と判定された場合には次のステップであるスラブオーダ引き当てステップ(S2)に進み、スラブとして採取可能な寸法が製造不可(No)と判定された場合には処理を終了する。
【0032】
なお、上記S14は、図2に示すスラブ採取可否判定部14で行われる。
【0033】
[スラブオーダ引き当てステップ(S2)]
図1に示すように本スラブオーダ引き当てステップ(S2)では、まず、S21において、スラブの余材部から採取するスラブ寸法を決定する。ここで、採取するスラブ寸法としては、上記S143で算出したように、厚さをスラブ最小厚とし、幅を引き当てられたオーダの圧延幅とした場合に、算出されたスラブ長さのスラブ寸法が、ハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約の範囲内である最大スラブ寸法以下であれば、この寸法のスラブを前記採取するスラブ寸法とすることができる。
【0034】
ここで、前記算出したスラブ長さが、ハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約から規定される処理可能な最大スラブ長さを超える場合には、最大スラブ長さ以下の範囲内で、スラブ厚さ及びスラブ幅を調整して採取するスラブ寸法を決定する。なお、前記算出したスラブ長さが、最大スラブ長さ以下の場合であっても、スラブ厚さ及びスラブ幅を調整して採取するスラブ寸法を決定するようにしてもよい。
【0035】
前記スラブ厚さについては、最小スラブ厚さ以上で、最大異厚量以下となる範囲で調整可能である。また、スラブ幅については、異幅圧延が可能であれば、ハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約から規定される最小スラブ幅以上、最大スラブ幅以下の範囲で調整可能である。さらに、スラブ長さについてもハンドリング制約や加熱、圧延等の設備制約から規定される最小スラブ長さ以上、最大スラブ長さ以下の範囲で調整可能である。
【0036】
ここで、採取するスラブ寸法を調整する場合には、スラブ厚さをできるだけ厚くするように調整することが好ましい。スラブ厚さが厚い方が当該スラブに対するオーダの引き当ての自由度が大きくなるからである。
【0037】
なお、上記S21は、図2に示すスラブ寸法決定部21で行われる。
【0038】
次に、S22において、余材部へのオーダの引き当てを行う。ここでは、上記S21で決定された寸法のスラブを製造するための仮想のオーダを作成し、その仮想オーダをスラブの余材部に対して引き当てるようにしてもよい。
【0039】
なお、前記引き当てるオーダは仮想オーダに限られるものではなく、上述のS11で読み込んだオーダ情報以降に新たに受注した実際のオーダを引き当てるようにしてもよい。この場合は、本S22において、オーダ情報データベース101にアクセスして、新たなオーダを検索し、該当するオーダがあった場合に引き当てを行う。
【0040】
なお、上記S22は、図2に示すオーダ引き当て部22で行われる。
【0041】
スラブに対する製造に係るオーダ及びスラブを製造するためのオーダは、各工場、現場での製造命令ならびに製造実績を管理する生産管理システムに送られ、当該スラブに対する圧延命令、切断命令が作成され、圧延及び切断が行われる。前記仮想オーダが引き当てられたスラブの余材部は、上記S21で決定されたスラブサイズに圧延、切断された後、オーダの引き当て待ちのステータスとなる。
【0042】
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明はオーダの引き当てられた全てのスラブに対して適用してもよく、また、特定の鋼種、板厚でかつオーダを引き当てた際に所定の歩留りを満たさないスラブに対してのみ本発明を適用してもよい。
【0043】
このように、本発明においては、従来は製品在庫もしくはスクラップとなっていたスラブの余材部が、スラブとして再利用できるようになった。これにより、厚鋼板のように小ロット、多品種のものを生産する場合においても、製品在庫またはスクラップの発生を減らし、歩留りの向上を図ることが可能となる。
【実施例1】
【0044】
図5に、本発明に係るスラブ設計方法を適用した場合(本発明例)のスラブの総合歩留りと、分割の可否のみを考慮した従来方法(比較例)によりオーダの引き当てを行った場合のスラブの総合歩留りの結果を示す。
【0045】
ここで、前記スラブの総合歩留りは、下式(2)により算出した。
(製品質量(t)/一チャージ(溶鋼)当りの良スラブ質量(t))×100(%) ・・・(2)
図5に示すように、比較例において60%程度であったスラブの総合歩留りが、本発明例では70%程度に大幅に向上しており、本発明の効果が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るスラブ設計方法の処理フローの一例を示す図である。
【図2】本発明に係るスラブ設計装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るS14での処理フローの一例を示す図である。
【図4】本発明例に係る異厚圧延を行う場合の圧延の様子を模式的に示す図である。
【図5】本発明例に係るスラブの総合歩留りと、比較例におけるスラブの総合歩留りの結果を示す図である。
【図6】従来方法におけるスラブにオーダを引き当てた場合の圧延の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 スラブ
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
【出願日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【代理人】 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎

【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘


【公開番号】 特開2008−73724(P2008−73724A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−255685(P2006−255685)