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【発明の名称】 条材の熱間圧延方法
【発明者】 【氏名】串田 仁

【氏名】柿本 英樹

【氏名】酒井 英典

【氏名】桐原 和彦

【要約】 【課題】素材ビレットを線材、棒鋼、角材等の条材に熱間圧延する際に形成される表面疵の発生を抑制することができる条材の熱間圧延方法を提供することを課題とする。

【構成】デスケーリング装置3から吐出した高圧洗浄水でスケールを除去するデスケーリング工程での高圧洗浄水の素材ビレット1A表面への衝突圧を80kPa以上とすると共に、圧延工程での圧延材1Bの1パス毎の周方向の圧縮ひずみを、各パス共全て−0.5以上とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材ビレットを加熱炉で加熱する加熱工程と、
その加熱炉から出た素材ビレットの周囲に形成されたスケールを、デスケーリング装置から吐出した高圧洗浄水で除去するデスケーリング工程と、
所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドのロールに設けた種々の孔型によって、前記素材ビレットで成る圧延材を複数パスに分けて順次圧延することで、その圧延材の断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げる圧延工程を有する条材の熱間圧延方法であって、
デスケーリング工程での高圧洗浄水の前記素材ビレット表面への衝突圧は、80kPa以上であると共に、
圧延工程での前記圧延材の1パス毎の周方向の圧縮ひずみは、各パス共全て−0.5以上である
ことを特徴とする条材の熱間圧延方法。
【請求項2】
素材ビレットを加熱炉で加熱する加熱工程と、
その加熱炉から出た素材ビレットの周囲に形成されたスケールを、デスケーリング装置から吐出した高圧洗浄水で除去するデスケーリング工程と、
所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドのロールに設けた種々の孔型によって、前記素材ビレットで成る圧延材を複数パスに分けて順次圧延することで、その圧延材の断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げる圧延工程を有する条材の熱間圧延方法であって、
デスケーリング工程での高圧洗浄水の前記素材ビレット表面への衝突圧は、200kPa以上であると共に、
圧延工程での前記圧延材の1パス毎の周方向の圧縮ひずみは、各パス共全て−0.5以上である
ことを特徴とする条材の熱間圧延方法。
【請求項3】
前記素材ビレットは、Si、Cr、Niのうち少なくとも1種類の合金元素を含有し、かつその含有量が0.1質量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の条材の熱間圧延方法。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉で加熱された素材ビレットを、所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドの対になったロールに設けた種々の孔型によって、複数のパスに分けて順次圧延することで、断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げる条材の熱間圧延方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱炉で加熱された素材ビレットを、所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドの対になったロールに設けた種々の孔型によって、複数のパスに分けて順次圧延することで、断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げることは従来から行われていた。
【0003】
しかしながら、この熱間圧延方法によって線材、棒鋼、角材等の条材製品を製造した場合、熱間圧延終了後の条材の表面に、大きな表面疵が多数形成されてしまうことがあり問題となっていた。このような表面疵が残存したままで鍛造加工等の2次加工を施すと、その表面疵を起点として割れなどの加工欠陥が発生する可能性があった。
【0004】
この表面疵の発生原因としては、圧延によって材料表面に生ずる圧縮ひずみや、加熱炉で材料表面に発生するFeO、Fe、Fe等のスケールが起因していると考えられる。
【0005】
以上の発生原因のうち加熱炉で材料表面に発生するスケールを、除去する方法としては、例えば、特許文献1に記載された熱延鋼板の製造方法がある。この方法は、熱間圧延時に鋼板表面に高圧水ジェットを噴射してデスケーリングを行い、スケールを事前に除去してしまいスケール疵の発生を防止するものであって、例えば、難スケール剥離材であるSi含有鋼及びNi含有鋼に対して、圧延による圧下率、温度、デスケーリングの条件を規定することで、効率的なデスケーリングを行うというものである。
【0006】
しかしながら、条鋼の圧延は、特許文献1に記載された板圧延とは異なり、水平方向、垂直方向等様々な角度からの圧延を繰り返しながら、角、楕円、丸等に断面形状を変化させて断面を順次減少させていく圧延である。そのため、板圧延のように自由に圧下率を変化させることは、孔型からの噛み出しによる折れ込み疵の発生、或いは孔型への充填不足による圧延安定性の低下等様々な問題が発生することが懸念され、採用することは困難である。また、圧延途中の形状が様々な形状に変化するため、単純に板圧延での圧下率と同等の条件にすることはできない。
【0007】
また、もし上記の特許文献1に記載された板圧延に関する技術が条鋼の圧延に採用することができたと仮定し、スケール疵の発生を防止することができたとしても、圧延途中の断面形状と孔型の組み合わせによっては、材料表面の周方向に過度な圧縮ひずみが生じ、これによるしわ疵の発生を抑制することはできない。
【特許文献1】特開平3−77742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の問題を解決せんとして発明したものであって、素材ビレットを線材、棒鋼、角材等の条材に熱間圧延する際に形成される表面疵の発生を抑制することができ、近年の厳しい表面疵保証を満足する条材製品を製造することができる条材の熱間圧延方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、素材ビレットを加熱炉で加熱する加熱工程と、その加熱炉から出た素材ビレットの周囲に形成されたスケールを、デスケーリング装置から吐出した高圧洗浄水で除去するデスケーリング工程と、所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドのロールに設けた種々の孔型によって、前記素材ビレットで成る圧延材を複数パスに分けて順次圧延することで、その圧延材の断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げる圧延工程を有する条材の熱間圧延方法であって、デスケーリング工程での高圧洗浄水の前記素材ビレット表面への衝突圧は、80kPa以上であると共に、圧延工程での前記圧延材の1パス毎の周方向の圧縮ひずみは、各パス共全て−0.5以上であることを特徴とする条材の熱間圧延方法である。
【0010】
請求項2記載の発明は、素材ビレットを加熱炉で加熱する加熱工程と、その加熱炉から出た素材ビレットの周囲に形成されたスケールを、デスケーリング装置から吐出した高圧洗浄水で除去するデスケーリング工程と、所定の間隔をおいて複数配置した圧延スタンドのロールに設けた種々の孔型によって、前記素材ビレットで成る圧延材を複数パスに分けて順次圧延することで、その圧延材の断面積を順次減少させて所定の製品寸法の条材に仕上げる圧延工程を有する条材の熱間圧延方法であって、デスケーリング工程での高圧洗浄水の前記素材ビレット表面への衝突圧は、200kPa以上であると共に、圧延工程での前記圧延材の1パス毎の周方向の圧縮ひずみは、各パス共全て−0.5以上であることを特徴とする条材の熱間圧延方法である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記素材ビレットは、Si、Cr、Niのうち少なくとも1種類の合金元素を含有し、かつその含有量が0.1質量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の条材の熱間圧延方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の条材の熱間圧延方法によると、素材ビレットを線材、棒鋼、角材等の条材に熱間圧延する際に形成される表面疵の発生を、確実に抑制することができ、製品疵深さが0.02mm以下という近年の厳しい表面疵保証を満足する条材製品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
【0014】
本発明の条材の熱間圧延方法は、加熱工程と、デスケーリング工程と、圧延工程を有している。その方法を図1に示す製造工程の順序に基づいて詳細に説明する。
【0015】
まず、加熱工程で、正方形断面や丸形断面の素材ビレット1Aが加熱炉2内に搬入され所定温度に加熱される。その際の加熱温度は、例えば900〜1200℃である。この加熱工程で素材ビレット1Aを加熱することは熱間圧延では必ず必要であるが、その副産物として素材ビレット1Aの表面にはFeO、Fe、Fe4等のスケールが生成されてしまう。このスケールが、本発明が課題としている表面疵発生の原因の一つとなってしまっている。
【0016】
このスケールを除去することが必要であるため、所定の温度に加熱された素材ビレット1Aは加熱炉2から搬出された後、次のデスケーリング工程に進む。デスケーリング工程では、加熱工程で素材ビレット1Aの周囲に形成された前記スケールを、デスケーリング装置3から吐出される高圧洗浄水で除去する。吐出される高圧洗浄水が、素材ビレット1Aの表面に当たる際の衝突圧でスケールは除去される。なお、その衝突圧は、デスケーリング装置3から高圧洗浄水が吐出される際の吐出圧に左右されるが、吐出圧のほか、ノズルタイプ、流量、ノズルと材料(素材ビレット1A)の距離等に条件によっても異なってくる。
【0017】
デスケーリング工程で、表面のスケールが完全に除去された素材ビレット1Aは圧延工程に進む。圧延工程では、素材ビレット1Aで成る圧延材1Bを以下に示す各種圧延装置で圧延することにより、所定の製品寸法の条材1Cに仕上げられる。
【0018】
図1に圧延工程の概要を示しているが、前記デスケーリング装置3の次工程側(下流側)に粗圧延装置A、その下流側に中間圧延装置B、更にその下流側に仕上圧延装置Cが順に並んでおり、水冷装置6をはさんで、最終仕上圧延装置Dが設けられている。最終仕上圧延装置Dの下流側にはレイング式巻取機7が設けられている。粗圧延装置A、中間圧延装置B、仕上圧延装置C、最終仕上圧延装置Dには、それぞれ複数の圧延スタンドが設けられている。圧延スタンドには対になったロール4,4が設けられているが、圧延材1Bを圧延する方向が様々な角度からであるためロール4は様々な方向を向いている。図1に示す実施形態では、90°毎に順次角度を変えて並んだロール4を示している。なお、ロール4の向きは、下記するパススケジュールによって決まる。
【0019】
デスケーリング装置3を出た素材ビレット1Aで成る圧延材1Bは、粗圧延装置A、中間圧延装置B、仕上圧延装置C、最終仕上圧延装置Dの順に進み、所定の間隔をおいて複数配置された圧延スタンドの対になったロール4,4で、複数パスに分けて順次圧延される。この圧延工程で、圧延材1Bの断面積は順を追って減少され最終仕上圧延機Dを出た際には所定の製品寸法に仕上げられる。所定の製品寸法に仕上げられた条材1Cは、最後に、レイング式巻取機7で巻き上げられ、その後、製品として搬出される。以上で条材1Cの熱間圧延による製造を終了する。
【0020】
次に、圧延工程について更に詳細に説明する。複数配置された圧延スタンドのロール4には、図2に示すように、種々の孔型5が加工され設けられている。孔型5には、ボックス、ダイヤ(菱)、スクエア(角)、オーバル(楕円)、ラウンド(丸)等があり、例えば、ボックス→楕円→丸→楕円→角、楕円→角→楕円→角、楕円→丸→楕円→丸というようなパススケジュールが組まれ、ロール4毎の様々な孔型5で圧延されることにより圧延材1Bの断面積は、順を追って減少され、最後のパスで所定の製品寸法の条材1Cにまで仕上げられる。
【0021】
例えば、「角→楕円」というパススケジュールで、圧延材1Bを圧延する場合は、まず、図2(a)に示すように、初期の圧延材1Bをスクエア(角)孔型で圧延する。その圧延によって圧延材1Bの断面形状は略正方形に変形する。次に、図2(b)に示すように、前記圧延材1Bを45°転回させた状態で、オーバル(楕円)孔型によって圧延材1Bを圧延する。この圧延で、圧延材1Bの断面形状は破線で示す略正方形から楕円形に変形し当初の断面形状より小さくなる。このような圧延を順次繰り返すことにより圧延材1Bの断面積は順を追って減少される。なお、「角→楕円」というパススケジュールのように45°異なった方向から圧延する場合は、90°圧延方向が異なる場合のようにロール4の配置を変えるのではなく、圧延材1Bを捻るように転回させることで対応する。
【0022】
次に、図3に基づき、圧延材1Bの周方向の圧縮ひずみεについて説明する。この圧縮ひずみεは、圧延変形前後の圧延材1Bの表面形状(長さ)の変化から求めることができる。図面左の圧延前の圧延材1B断面の表面(曲線)の長さSは、圧延変形によって図面右に示す長さSに変化する。この長さの変化から求めた次式により圧縮ひずみεを算出することができる。
圧縮ひずみε=(S−S)/S
【0023】
なお、この圧縮ひずみεは、通常、圧延変形後の長さSの方が圧延変形前の長さSより小さいため負の数値になるが、SからSに変化する変化量自体が大きくなるほど小さな数値となる。従って、圧縮ひずみεとして得られる値は通常負の値で表されるため、本明細書図面では、例えば、前記変化量自体の最大の値を「圧縮ひずみの最小値」というように表現している。
【0024】
近年は製品の表面疵の深さが0.02mm以下という非常に厳しい表面疵保証が求められている。この表面疵深さが0.02mm以下という基準を達成するためには、圧縮ひずみεがどのような数値の範囲であれば良いのかを、モデル実験と変形解析により求めた。その結果を図4に示す。
【0025】
図4に示す○は圧延材1B(鋼種:SCM435)の表面に1mm間隔のケガキ線を入れてモデル実験で圧延変形を行い求めたデータ、▲は冷間での鉛に1mm間隔のケガキ線を入れてモデル実験で圧延変形を行い求めたデータ、●は圧延材1B周方向の分割数を1mm単位とし(図3より更に細かく分割した。)変形解析により求めたデータである。なお、SCM435の成分(質量%)については表1に示す。
【0026】
【表1】


【0027】
図4によると、各データとも略一致しており、製品の表面疵深さが0.02mm以下という基準を達成するためには、圧延材1B周方向の圧縮ひずみεの最小値を−0.5以上にしなければならないことがわかった。また、表面疵を全くなくしようとすると、その圧縮ひずみεの最小値を−0.35以上にすれば良いことがわかった。
【0028】
以上の実験及び解析結果より、圧延変形による圧延材1B周方向の圧縮ひずみεは、−0.5以上、望ましくは−0.35以上にすれば良いことがわかったが、本発明の条材の熱間圧延方法に係る圧延工程では、圧延材1Bを複数パスに分けて順次圧延する必要がある。これらの複数のパスの全てで、圧延材1B周方向の圧縮ひずみεを上記数値の範囲内とする必要がある。なお、当然のことではあるが、その圧縮ひずみεは、圧延材1B表面の一部だけではなく全ての部位で上記数値の範囲内としなければならない。
【0029】
以上説明したように、圧延材1B周方向の圧縮ひずみεを−0.5以上とすれば、問題となる表面疵が発生することはないと想定することができるが、その圧縮ひずみεと合わせて素材ビレット1Aを加熱することによって生成するスケールも検討する必要がある。
【0030】
そのスケールを除去するための工程が既に説明したデスケーリング工程である。デスケーリング工程が必要であることを確認するために図5に示す基礎実験を行った。実験では、1辺10mmの立方体の試料(鋼種はSUJ2)に、深さ0.1mm、幅0.1mm、底の頂点の角度53°の断面略V字形の切れ込み状の人工疵aを加工した試験片bを、孔型cを形成した金型dで圧縮する2軸の熱間圧縮試験(真空内900℃加熱)を行った。この実験は、「角→菱」というパススケジュールでの圧延を模擬したものである。なお、SUJ2の成分(質量%)については表2に示す。
【0031】
【表2】


【0032】
加熱工程で生成されるスケールが表面疵発生の原因となっていることを確認するために、一方の試験片では、予め1100℃で5分間加熱してスケールを生成した後、前記熱間圧縮試験を行い、もう一方の試験片では、デスケーリング工程でスケールを除去した場合を想定し、スケールを生成することなしに前記熱間圧縮試験を行った。
【0033】
図6及び図7に熱間圧縮試験後の各試験片の人工疵部分の断面要部拡大写真を示す。なお、2枚の写真の倍率は同倍率である。図6のスケールを生成した試験片では、熱間圧縮試験後の人工疵が非常に大きくなっており、図7のスケールを生成していない試験片のように、熱間圧縮で人工疵が小さくなっていないことがわかった。このことは、加熱前の素材ビレット1Aに疵があった場合、加熱工程で生成されるスケールを残すと圧延工程で疵が小さくならず表面疵として残ることを意味している。すなわち、デスケーリング工程で事前にスケールを除去すると、表面疵の発生を抑制できることがこの試験によりわかった。
【0034】
なお、今回の試験では試験片の人工疵の深さは両方とも同じ深さとしたが、実際はデスケーリング工程でのスケール除去によって人工疵の表層側は事前除去されるので、スケールを生成しない試験片では、試験前の人工疵はその厚み分浅くする、或いは全くなくするのが実情にあった試験法である。実情にあった試験法で熱間圧縮試験を行った場合を想定すると、人工疵の影響は、今回の試験により得られた結果より小さくなる、全くなくなると考えられる。このことを加味すると、実際の表面疵発生の抑制効果は試験結果より大きいことが分かる。
【0035】
また、今回の試験では素材ビレット1AがSiやCrというFeよりも酸素との親和力の強い合金元素を含む鋼種で試験を行ったが、このような鋼種の場合、粒界酸化によりスケールと地金界面の間に凹凸が発生するため、スケールをデスケーリング工程で事前除去していると表面疵の発生をより抑制することができる。なお、SiとCrのほか、Niでも同様のことが言える。これら3種の合金元素のうち少なくとも1種類の合金元素を含有し、かつその含有量が0.1質量%以上の場合、スケールをデスケーリング工程で事前除去していると表面疵の発生を抑制する効果はより大きい。
【実施例】
【0036】
図1に示す圧延ラインで、圧縮ひずみの最小値が−0.5未満の場合と、圧縮ひずみの最小値が−0.5以上の場合について、デスケーリング工程での高圧洗浄水の素材ビレット表面への衝突圧を変化させて、仕上がった製品の表面疵を確認した。0.01mm以上の表面疵がないものを◎、0.02mm以上の表面疵がないものを○でそれぞれ合格、0.03mm以上の表面疵がないものを△、0.03mm以上の表面疵があるものを×でそれぞれ不合格とした。素材ビレットの鋼種はSCM435(成分については前記の表1に示す。)である。その実験結果を表3に示す。
【0037】
【表3】


【0038】
表3から、圧縮ひずみの最小値を−0.5以上とすることで、深さ0.02mm以上の表面疵が発生しなくなっていることがわかった。また、実施例において、デスケーリング工程での高圧洗浄水の素材ビレット表面への衝突圧を80kPa以上とすることで、深さ0.02mm以上の表面疵が発生しなくなっており、衝突圧を200kPa以上とすることで、深さ0.01mm以上の表面疵が皆無となることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の熱間圧延方法が実施される圧延ラインのレイアウト図である。
【図2】「角→楕円」というパススケジュールで圧延材を圧延した際の圧延材の断面形状の変形状態を示す縦断面図であって、(a)はスクエア(角)孔型での圧延時の状態を、(b)はオーバル(楕円)孔型での圧延時の状態をそれぞれ示す。
【図3】圧延材を圧延した際に発生する圧縮ひずみを説明するための縦断面図である。
【図4】圧縮ひずみと表面疵の深さの関係を示す説明図である。
【図5】デスケーリング工程の必要性を確認するため基礎実験の正面図である。
【図6】基礎実験終了後の一試験片の人工疵部分の断面要部拡大写真である。
【図7】基礎実験終了後の別の試験片の人工疵部分の断面要部拡大写真である。
【符号の説明】
【0040】
1A…素材ビレット
1B…圧延材
1C…条材
2…加熱炉
3…デスケーリング装置
4…ロール
5…孔型
【出願人】 【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之

【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠

【識別番号】100131750
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 芳通


【公開番号】 特開2008−62295(P2008−62295A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−245737(P2006−245737)