トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 銅または銅合金材およびその製造方法、並びに半導体パッケージ
【発明者】 【氏名】高野 浩聡

【氏名】太田 真

【氏名】鈴木 喜夫

【要約】 【課題】表面粗さの値が低くかつ微細クラックの少ない表面特性を有する、めっき性に優れた銅または銅合金材およびその製造方法、並びにこれをリードフレーム材として備える半導体パッケージを提供する。

【構成】表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以下、かつ最大高さ(Rmax)で1μm以下であり、さらに材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下である銅または銅合金材を、仕上げ前圧延として、ショットブラスト処理した、Raで0.1〜1μmの表面粗さを有するロールを用いて圧延を行い、仕上げ圧延として、Raで0.1μm未満の表面粗さを有するブライトロールを用いて、トータル圧延量を10μm以上200μm以下の範囲で圧延を行い、製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以下、かつ最大高さ(Rmax)で1μm以下であり、さらに材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下であることを特徴とする銅または銅合金材。
【請求項2】
仕上げ前圧延として、ショットブラスト処理した、算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1μmの表面粗さを有するロールを用いて圧延を行い、仕上げ圧延として、算術平均粗さ(Ra)で0.1μm未満の表面粗さを有するブライトロールを用いて、トータル圧延量を10μm以上200μm以下の範囲で圧延を行うことを特徴とする銅または銅合金材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の製造方法により製造された銅または銅合金材であって、材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下であることを特徴とする銅または銅合金材。
【請求項4】
表面に2層又は3層構造のめっきが施された請求項1又は請求項3に記載の銅または銅合金材をリードフレーム材として備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項5】
前記めっきの1層目はニッケルめっきであり、任意に選んだ1mmエリア内においてニッケルめっき未着部が無いことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、銅または銅合金材およびその製造方法、並びに半導体パッケージに関し、特に、リードフレーム材に使用される、めっき性に優れた銅または銅合金材およびその製造方法、並びに当該銅または銅合金材をリードフレーム材として備える半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージを構成するリードフレーム材は、半導体チップとともに重要な構成要素の1つである。このリードフレーム材は、半導体チップを搭載するダイパッド部、ワイヤボンディングによりチップに連結されるインナーリード部、基板等の回路と接続するためのアウターリード部から構成される。
【0003】
半導体パッケージの組立過程においては、半導体チップとインナーリードのワイヤボンディング特性やダイパッド部のはんだ付け特性を向上させるために、ダイパッド部とインナーリード部に銀などの金属めっきをする場合が多い。さらに、モールディング後には、基板等への実装時のはんだ付け特性を向上させるためにアウターリードにはんだめっきを行う。
【0004】
このアウターリードへのはんだめっき過程において、めっき液がインナーリードまで浸透することが多発するため、改善案が提案されている。これは、特許文献1に開示されている事前めっきリードフレーム(Pre-Plated Frame、以下PPFとする)方式である。
【0005】
このPPF方式は、半導体パッケージング工程の前にはんだ濡れ性に優れためっきを施すものであり、外層にパラジウムめっきを施すものである。当該パラジウムめっきを施す前に、リードフレーム材の表面にニッケルのような別の金属でめっきし、パラジウムの接着が一層良くなるようにすることが必要である。
【0006】
最近においては、上記の2層めっき構造に加え、より長時間の熱処理を行っても、ワイヤボンディング特性やはんだ付け特性などが低下しないことが望まれるようになったことから、パラジウムめっき皮膜上にさらに金めっき等の金属を極薄くめっきする3層めっき構造が主流になってきている。
【0007】
上記のようなめっきを施す場合、めっき層の剥げや、ピンホールの発生などのめっき不良の発生リスクがある。このような不具合の原因としては、めっき工程の前処理工程の影響があることは言うまでもないが、リードフレーム材の表面状態も非常に大きく影響する。リードフレーム材の表面粗さが大きいと、めっき品質に悪影響がある。
【0008】
リードフレーム材として使われる銅または銅合金材の表面粗さを低く抑える改善案としては、これまでに数多く提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。特許文献2及び特許文献3では、表面粗さを低く抑えた圧延ロールを用いて圧延を施すことにより粗さの小さい表面が得られ、ダイレクトボンディング性が改善されると記載されている。
【0009】
一方、リードフレーム材の表面粗さのほかに、その表面に存在する微細なクラック(以下、微細クラックという)も大きな問題となる。ここで、微細クラックとは、表面に存在する小さな傷であり、接触タイプの粗さ測定器では検出されない大きさである。具体的には、幅が約5μm以下、長さが約10〜40μmの大きさの小さな傷である。図1は、微細クラックの一例を示す図であり、微細クラックが無数に確認される。
【0010】
この微細クラックの部位にめっきを施しても完全なめっきが行えずに空隙が存在することがあり、このような空隙が通常の半導体製造工程で加えられる熱負荷条件下に置かれると微細クラックからの腐食が促進される。
【0011】
また、リードフレームを曲げるベンディング工程を経ると表面に残存していたクラックが成長し、さらにはめっき側にもクラックを生じさせてしまう。
【特許文献1】特開昭63−2358号公報
【特許文献2】特許第2714560号公報
【特許文献3】特開平11−12714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記微細クラックは、接触タイプの表面粗さ測定器では検出されないこともあり、表面粗さの値のみでは微細クラックを管理できない問題があった。
【0013】
従って、本発明の目的は、表面粗さの値が低くかつ微細クラックの少ない表面特性を有する、めっき性に優れた銅または銅合金材およびその製造方法、並びに当該銅または銅合金材をリードフレーム材として備える半導体パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成するため、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以下、かつ最大高さ(Rmax)で1μm以下であり、さらに材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下であることを特徴とする銅または銅合金材を提供する。
【0015】
また、本発明は、上記目的を達成するため、仕上げ前圧延として、ショットブラスト処理した、算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1μmの表面粗さを有するロールを用いて圧延を行い、仕上げ圧延として、算術平均粗さ(Ra)で0.1μm未満の表面粗さを有するブライトロールを用いて、トータル圧延量を10μm以上200μm以下の範囲で圧延を行うことを特徴とする銅または銅合金材の製造方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記本発明の製造方法により製造された銅または銅合金材であって、材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下であることを特徴とする銅または銅合金材を提供する。
【0017】
また、本発明は、上記目的を達成するため、表面に2層又は3層構造のめっきが施された上記本発明の銅または銅合金材をリードフレーム材として備えることを特徴とする半導体パッケージを提供する。
【0018】
なお、以下において、算術平均粗さ(Ra)を単にRaと表し、最大高さ(Rmax)を単にRmaxと表すことがある。また、ショットブラスト処理したロールを単にショットブラストロールと表すことがある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表面粗さの値が低くかつ微細クラックの少ない表面特性を有する、めっき性に優れた銅または銅合金材、並びに当該銅または銅合金材をリードフレーム材として備える半導体パッケージを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔銅または銅合金材の表面特性〕
本発明の実施の形態に係る銅または銅合金材は、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以下、かつ最大高さ(Rmax)で1μm以下であり、さらに材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり10個以下であることを特徴とする。
【0021】
銅合金材としては、リードフレーム材として一般的に使用される銅合金を用いることが望ましく、例えば、C194、C151、コルソン合金等が適している。
【0022】
表面粗さは、触針式表面粗さ測定器を用いて、JIS B0651−1996に基づきプロファイルを得る。得られたプロファイルを基に、算術平均粗さ(Ra)および最大高さ(Rmax)を算出する(JIS B0601−1994)。
【0023】
微細クラックとは、前述のとおり、接触タイプの粗さ測定器では検出されない程度の幅が約5μm以下、長さが約10〜40μmの大きさの傷である。任意の100μm角あたりの微細クラックの数は、金属顕微鏡により表面を拡大してカウントする。
【0024】
上記表面特性を満たすことにより、リードフレーム材として適した、めっき性に優れる銅または銅合金材を得ることができる。より望ましくは、Raで0.07μm以下、Rmaxで0.7μm以下であり、材料表面の微細クラックが当該表面の任意の100μm角あたり7個以下である
【0025】
〔銅または銅合金材の製造方法〕
上記本発明の実施の形態に係る銅または銅合金材は、仕上げ前圧延として、ショットブラスト処理した、算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1μmの表面粗さを有するロールを用いて圧延を行い、仕上げ圧延として、算術平均粗さ(Ra)で0.1μm未満の表面粗さを有するブライトロールを用いて、トータル圧延量を10〜200μmの範囲で圧延を行うことにより製造される。
【0026】
(仕上げ前圧延)
仕上げ圧延前の中間圧延作業においては、積極的に表面をあらしたショットブラストロールを用いて圧延を行ない、材料表面にロールの粗さを転写させる。ロールの粗度は材質により使い分けても良いが、算術平均粗さRaで0.1〜1μmとする。適度にロール表面を荒らすことにより、ロールにおいて材料のかみ込みが起こり圧延速度を上げることが可能となり、生産効率が良い。
【0027】
中間圧延作業において、Raが0.1μm未満のロールを使用すると、ロールの粗さが足りず、材料とロールの間で十分な摩擦抵抗が得られないため、圧延1パスあたり十分な圧延量が得られない。そのような場合、圧延パス回数が増加するため、生産効率が良くない。更に、そのまま圧延を続けると、スキンパスと呼ばれる材料表層付近のみを圧延する加工状態となる。この場合、材料厚み方向における表層と中心部で圧延加工時に受ける材料の伸びに差が生じ、結果として微細クラックが表層に生じてしまう。
【0028】
また、Raが1μmよりも大きくなると後の仕上げ圧延を経ても、荒れた表面が残留してしまう。よって、中間圧延作業で用いるショットブラストロールの粗さはRaで0.1〜1μmと規定する。より望ましくは、0.2〜0.5μmと規定する。
【0029】
なお、適度な粗さを得るために圧延工程の合間に材料の表面を荒らすバフ工程を導入する方法もある。しかしながら、バフ工程で荒らした材料表面は洗浄工程を経るもののバフ砥粒や銅粉が残留する可能性があるため、表面品質上、良くない。
【0030】
(仕上げ圧延)
仕上げ前圧延を行なった圧延材を用いて仕上げ圧延を実施する。仕上げ圧延の圧延量はトータルで10μm以上200μm以下とする。ここでのトータルとは仕上げ圧延にて加工される圧延量のトータル量であり、パス数は規定しない。
【0031】
仕上げ圧延のトータル圧延量を10μm未満にするとショットブラストロールで圧延した材料の表面の凹凸が仕上げ圧延によって消失できず、材料表面の粗さ値が高くなってしまう。仕上げ圧延のトータル圧延量を200μmより大きくするとショットブラストロールで圧延した材料の表面の凹凸は消失でき、材料表面の粗さは低くなるものの、前述のスキンパス状態が生じ、材料表層部に微細クラックが生じてしまう。よって、仕上げ圧延のトータル圧延量は10μm以上200μm以下と規定する。より望ましくは、20μm以上150μm以下と規定する。
【0032】
ロールには、粗さを抑えたブライトロールを用いる。上記の適度な圧延量をブライトロールで仕上げ圧延することにより表面の凹凸部が引き伸ばされ、微細クラックの無い表面特性が得られる。
【0033】
ブライトロールの粗度は、算術平均粗さRaで0.1μm未満とする。中間圧延作業でショットブラストロールを用いて作業するため適度な凹凸が材料表面に生じており、圧延工程による材料変形挙動もスムースに進行する。凸部を潰し、延ばすため、表層だけが延びるスキンパス状態とはならない。その過程において、粗度の低いブライトロールを使用することから、圧延加工しながら粗さ値も小さい材料表面が得られる。
【0034】
ブライトロールの粗さをRaで0.1μm以上にすると仕上げ圧延作業後にも材料表面粗さRaで0.1μm以下、最大高さRmaxで1μm以下が得られない。よって、ブライトロールのRaは0.1μm未満と規定する。より望ましくは、0.07μm以下と規定する。
【0035】
〔半導体パッケージ〕
本発明の実施の形態に係る半導体パッケージは、上記本発明の実施の形態に係る銅または銅合金材をリードフレーム材として備え、当該リードフレーム材表面にめっき、特に、2層又は3層構造のめっきが施されてなることを特徴とする。
【0036】
2層構造のめっきとしては、外層として、はんだ濡れ性に優れためっき、例えば、パラジウムめっきを施し、内層として、外層めっき(パラジウム)の接着性を向上させるめっき、例えば、ニッケルめっきをリードフレーム材の表面に施す。
【0037】
3層構造のめっきとしては、上記2層構造のパラジウムめっき皮膜上にさらに金めっき等の金属を極薄くめっきする。
【0038】
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)本実施の形態に係る銅または銅合金材は、材料表面に微細なクラックも無く、表面粗さも低い良好な表面特性を有することから良好なめっき性を持つため、リードフレーム材として好適に用いることができる。これにより、半導体パッケージ製造工程において重要なめっき工程でめっき不具合の発生を抑え、安定した品質を示すことができる。
(2)表面を荒らしたショットブラストロールを使用して圧延するため、材料のかみ込みが良く、圧延速度も上げることが可能となり、生産効率が向上する。1セットあたりのショットブラスト加工はそれほど高価ではないため、生産効率向上を考慮すればコストにおいて実用上の問題とはならない。
【0039】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
〔実施例1〕
リードフレーム材として一般的な銅−鉄合金であるC19400(CDA番号)に、熱間圧延、焼鈍および冷間圧延の各工程を施し、幅600mm、厚み0.2mmのコイルを供試材として用意した。
【0041】
用意した上記コイルを、Raで0.2μmの粗さにショットブラスト加工した圧延ロールを用いて、厚み0.15mmまで圧延した。
【0042】
図2は、ショットブラストロールを用いて圧延した直後の材料表面を示したものであり、鱗状の表面状態となっている。
【0043】
次に、Raで0.04μmの粗さのブライトロールを用いて、厚み0.127mmまで圧延した。
【0044】
以上のようにして製作した試料No.1について、株式会社東京精密製の触針式表面粗さ測定器を用いて、JIS B0651−1996に基づき、表面粗さを測定し、表面状態を観察した。得られたプロファイルを基に、算術平均粗さ(Ra)および最大高さ(Rmax)を算出した(JIS B0601−1994)。
【0045】
図3は、ブライトロールを用いて圧延した直後の材料表面を示したものであり、表面に微細クラックは殆ど観察されない。また、Raは0.06μm、Rmaxは0.7μmであり、良好な表面特性を有する材料が得られた。
【0046】
更に、得られた材料についてニッケルめっきを施した。
まず、得られたコイル材から材料を採取し、電解脱脂、酸洗処理の順に処理し、その後、表1に示す液組成および条件にて、およそ0.5μm厚みのニッケルめっきを施した。
【0047】
その後、得られた試料中の任意に選んだ1mmのエリア内にめっき未着部がないか顕微鏡にて観察した。その結果、ニッケルめっき未着部が無かった。これより、良好なめっき性を持つ材料(試料No.1)が得られたことが判る。
【0048】
【表1】


【0049】
〔比較例1〜10〕
次に、実施例1とは異なる製造条件の比較例を挙げて説明する。
実施例1と同じ組成の銅合金について、試料No.1と同様の工程で加工する際、そのショットブラストロールの表面粗さRa(μm)、ブライトロールの表面粗さRa(μm)、仕上げ圧延でのトータル圧延量(μm)を表2に示す条件で実施して試料No.2〜11を製造した。
【0050】
得られた各試料について、その表面の任意の100μm角エリア内の微細クラックが10個以下かどうか、仕上げ圧延後の表面粗さ−算術平均粗さRaおよび最大高さRmax、およびニッケルめっき後の任意の1mmエリア内でのめっき未着部の有無を測定した結果を表3に示す。
【0051】
【表2】


【0052】
【表3】


【0053】
本発明の実施の形態に係る試料No.1(実施例1)は、微細クラックが10個以下/100μm角、Raが0.06μm、Rmaxが0.7μm、ニッケルめっきの未着部無し/1mmであり、良好な特性を有しているのに対して、試料No.2〜11(比較例1〜10)は、いずれも特性が劣っている。
【0054】
試料No.2(比較例1)は、ブライトロールの粗さが規定から外れた例である。規定よりも粗いため、仕上げ圧延後の材料表面粗さが粗くなる。結果として、めっき未着部が発生する。
【0055】
試料No.3および4(比較例2および3)は、仕上げ圧延でのトータル圧延量が規定から外れた例である。トータル圧延量が少ないと(比較例2)、ショットブラストロール圧延後の凹凸を平滑に圧延しきれないため、材料表面粗さが粗くなる。トータル圧延量が多いと(比較例3)、材料表面粗さは良好になるが、微細クラックが大量に発生する。結果として、めっき未着部が発生する。
【0056】
試料No.5および9(比較例4および8)は、ショットブラストロールの表面粗さが規定から外れた例である。表面粗さが小さいと(比較例4)、微細クラックが大量に発生する。表面粗さが大きいと(比較例8)、仕上げ圧延後の材料表面粗さが大きくなる。結果として、めっき未着部が発生する。
【0057】
試料No.6および11(比較例5および10)は、ショットブラストロールの表面粗さおよびブライトロールの表面粗さが規定から外れた例である。ショットブラストロールの表面粗さが小さく、ブライトロールの表面粗さが大きいと(比較例5)、微細クラックは大量に発生し、仕上げ圧延後の材料表面粗さも大きくなる。ショットブラストロールの表面粗さが大きく、ブライトロールの表面粗さが大きいと(比較例10)、微細クラックの発生は抑えられるものの材料表面粗さは大きくなる。結果としてめっき未着部が発生する。
【0058】
試料No.7および10(比較例6および9)は、ショットブラストロールの表面粗さおよび仕上げ圧延のトータル圧延量が規定から外れた例である。ショットブラストロールの表面粗さが小さく、仕上げ圧延でのトータル圧延量が少ないと(比較例6)、材料表面粗さは小さく抑えられるものの、微細クラックが大量に発生する。ショットブラストロールの表面粗さが大きく、仕上げ圧延でのトータル圧延量が大きいと(比較例9)、微細クラックは抑えられるものの材料表面粗さが大きくなる。結果として、めっき未着部が発生する。
【0059】
試料No.8(比較例7)は、全ての項目が規定から外れた例である。ショットブラストロールの表面粗さが小さく、ブライトロールの表面粗さが大きく、仕上げ圧延でのトータル圧延量が多いと、微細クラックが大量に発生し、材料表面粗さも大きくなる。結果として、めっき未着部が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】微細クラックの一例を示す図である。
【図2】ショットブラストロールを用いて圧延した直後の材料表面を示した図である。
【図3】ブライトロールを用いて圧延した直後の材料表面を示した図である。
【出願人】 【識別番号】000005120
【氏名又は名称】日立電線株式会社
【出願日】 平成18年8月4日(2006.8.4)
【代理人】 【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄

【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二

【識別番号】100119208
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 勇二

【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子

【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光

【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝


【公開番号】 特開2008−36668(P2008−36668A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−213147(P2006−213147)