トップ :: B 処理操作 運輸 :: B21 本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き

【発明の名称】 平角線の製造方法及び平角線の製造装置
【発明者】 【氏名】鹿嶋 泰規

【氏名】川上 恭昌

【要約】 【課題】長時間にわたって厚さ寸法・幅寸法の寸法精度を向上させることができる平角線の製造方法を提供することを目的とする。

【構成】横断面円形の導線Dを2台以上のロールに順次送り込んで目標厚さ寸法・目標幅寸法の平角線Cを製造する平角線の製造方法に於て、平角線Cの最終厚さ寸法を最下流位置の最終ロール2,2の下流にて測定し、その最終厚さ寸法と目標厚さ寸法との大小を比較して最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整する。かつ、平角線Cの最終幅寸法を最終ロール2,2の下流にて測定し、その最終幅寸法と目標幅寸法との大小を比較して最終ロール2,2の一つ上流側の上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整する。そして、上流ロール1,1にて最適断面積の中間線材Mを製造し最終ロール2,2へ送って、目標厚さ寸法・目標幅寸法の平角線Cを製造する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面円形の導線(D)を2台以上のロールに順次送り込んで目標厚さ寸法(T0 )・目標幅寸法(W0 )の平角線(C)を製造する平角線の製造方法に於て、
上記平角線(C)の最終厚さ寸法(T1 )を最下流位置の最終ロール(2)(2)の下流にて測定し、その最終厚さ寸法(T1 )と上記目標厚さ寸法(T0 )との大小を比較して上記最終ロール(2)(2)のロール間隔寸法(X2 )を調整し、かつ、上記平角線(C)の最終幅寸法(W1 )を上記最終ロール(2)(2)の下流にて測定し、その最終幅寸法(W1 )と上記目標幅寸法(W0 )との大小を比較して上記最終ロール(2)(2)の一つ上流側の上流ロール(1)(1)のロール間隔寸法(X1 )を調整して、該上流ロール(1)(1)にて最適断面積(S0 )の中間線材(M)を製造し上記最終ロール(2)(2)へ送って、上記目標厚さ寸法(T0 )・目標幅寸法(W0 )の平角線(C)を製造することを特徴とする平角線の製造方法。
【請求項2】
上記上流ロール(1)(1)と上記最終ロール(2)(2)とがそれぞれ冷却されつつ又は加熱されつつ圧延する請求項1記載の平角線の製造方法。
【請求項3】
横断面円形の導線(D)をそのまま圧延して又は他のロールを通過させた後圧延して中間線材(M)を製造する上流ロール(1)(1)と、該中間線材(M)を圧延して平角線(C)を製造する最終ロール(2)(2)とを、順次配設し、上記最終ロール(2)(2)の下流にて上記平角線(C)の最終厚さ寸法(T1 )を測定する厚さ測定器(3)と、上記最終ロール(2)(2)の下流にて上記平角線(C)の最終幅寸法(W1 )を測定する幅測定器(4)とを、備え、該幅測定器(4)から得た上記最終幅寸法(W1 )と上記平角線(C)の目標幅寸法(W0 )との大小を比較して上記中間線材(M)が該目標幅寸法(W0 )の平角線(C)を得るための最適断面積(S0 )となるように上記上流ロール(1)(1)のロール間隔寸法(X1 )を調整する第1ロール制御手段(5)と、上記厚さ測定器(3)から得た上記最終厚さ寸法(T1 )と上記平角線(C)の目標厚さ寸法(T0 )との大小を比較して上記平角線(C)が上記目標厚さ寸法(T0 )となるように上記最終ロール(2)(2)のロール間隔寸法(X2 )を調整する第2ロール制御手段(6)とを、具備したことを特徴とする平角線の製造装置。
【請求項4】
上記上流ロール(1)(1)と上記最終ロール(2)(2)とに冷却装置(7)又は加熱装置(19)を付設した請求項3記載の平角線の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、平角線の製造方法及び平角線の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横断面円形の導線を一対の圧延ロール間に送り込んで圧延して横断面矩形の平角線を製造する製造装置がある(例えば、特許文献1参照)。そして、導線が圧延(塑性変形)される際に生じる加工熱や、圧延ロールと導線間に生じる摩擦熱等にて、圧延ロールが加熱され熱膨張したり、圧延ロール表面が摩耗することにより、ロール間隔が変動し、製造される平角線の厚さ寸法・幅寸法が不均一になるといった問題があった。さらに、圧延ロール表面の摩擦係数が変化することによっても平角線の厚さ寸法・幅寸法が不均一となっていた。そのため、従来では、圧延ロールを冷却したり、製造された平角線の厚さ寸法や幅寸法のデータをフィードバックしてロール間隔を調整するといった対策が採られていた。
【特許文献1】特開2004−122165号公報
【0003】
また、導線を大きく圧延して(圧延倍率の大きい)平角線を製造する場合は、一対の圧延ロールを2台以上設置し、例えば、図5に示すように、円形断面の導線Dを第1圧延ロール41,41に送って圧延して中間線材Mを製造し、その中間線材Mを第2圧延ロール42,42へ送って圧延して平角線Cを製造する。
この場合も上記と同様に、第1圧延ロール41,41と第2圧延ロール42,42は熱膨張するので、中間線材Mや平角線Cの厚さ寸法・幅寸法が不均一となる。これを解消するために、従来は、幅測定器43で測定した中間線材Mの幅寸法を、ロール間隔調整手段45を介して第1圧延ロール41,41へフィードバックしてそのロール間隔を調整し、さらに、幅測定器44で測定した平角線Cの幅寸法を、ロール間隔調整手段46を介して第2圧延ロール42,42へフィードバックしてそのロール間隔を調整していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図5に示した平角線の製造装置(方法)では、第1圧延ロール41,41のロール間隔を変化させると中間線材Mの断面積が変化し、これが第2圧延ロール42,42で製造される平角線Cの厚さ寸法・幅寸法に影響を及ぼすので、高精度に製造することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、長時間にわたって厚さ寸法・幅寸法の寸法精度を向上させることができる平角線の製造方法及び平角線の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る平角線の製造方法は、横断面円形の導線を2台以上のロールに順次送り込んで目標厚さ寸法・目標幅寸法の平角線を製造する平角線の製造方法に於て、上記平角線の最終厚さ寸法を最下流位置の最終ロールの下流にて測定し、その最終厚さ寸法と上記目標厚さ寸法との大小を比較して上記最終ロールのロール間隔寸法を調整し、かつ、上記平角線の最終幅寸法を上記最終ロールの下流にて測定し、その最終幅寸法と上記目標幅寸法との大小を比較して上記最終ロールの一つ上流側の上流ロールのロール間隔寸法を調整して、該上流ロールにて最適断面積の中間線材を製造し上記最終ロールへ送って、上記目標厚さ寸法・目標幅寸法の平角線を製造する方法である。
また、上記上流ロールと上記最終ロールとがそれぞれ冷却されつつ又は加熱されつつ圧延することが望ましい。
【0007】
本発明に係る平角線の製造装置は、横断面円形の導線をそのまま圧延して又は他のロールを通過させた後圧延して中間線材を製造する上流ロールと、該中間線材を圧延して平角線を製造する最終ロールとを、順次配設し、上記最終ロールの下流にて上記平角線の最終厚さ寸法を測定する厚さ測定器と、上記最終ロールの下流にて上記平角線の最終幅寸法を測定する幅測定器とを、備え、該幅測定器から得た上記最終幅寸法と上記平角線の目標幅寸法との大小を比較して上記中間線材が該目標幅寸法の平角線を得るための最適断面積となるように上記上流ロールのロール間隔寸法を調整する第1ロール制御手段と、上記厚さ測定器から得た上記最終厚さ寸法と上記平角線の目標厚さ寸法との大小を比較して上記平角線が上記目標厚さ寸法となるように上記最終ロールのロール間隔寸法を調整する第2ロール制御手段とを、具備したものである。
また、上記上流ロールと上記最終ロールとに冷却装置又は加熱装置を付設することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る平角線の製造方法及び平角線の製造装置によれば、完成品である平角線の最終幅寸法と最終厚さ寸法とを、上流ロールと最終ロールとにフィードバックしてロール間隔寸法を調整(制御)することができ、寸法精度を向上させ長手方向に渡って均一な平角線を製造することができる。
即ち、平角線の厚さ寸法を決定する最終ロールに、最終厚さ寸法をフィードバックしてそのロール間隔寸法を調整(制御)し、平角線の厚さ寸法を目標幅寸法に製造することができる。また、最終幅寸法を上流ロールへフィードバックし、そのロール間隔寸法を調整(制御)することで、最終ロールへ供給する中間線材の断面積を(最適断面積に)調整(制御)して平角線の幅寸法を目標幅寸法に製造することができる。このようにすることで、各ロールの熱膨張や各ロール表面の摩耗によりロール間隔寸法が変動したり、ロール表面の摩擦係数が変化しても、高精度の平角線を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態に示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の平角線の製造方法及び製造装置は、横断面円形の導線を2台以上のロールにて圧延し横断面矩形の平角線を製造する方法及び装置である。
図1は本発明の平角線の製造装置の実施の一形態を示す全体正面図であり、図2は図1の要部正面図である。
【0010】
図1に於て、左側の10は横断面円形の導線(丸線)Dを巻設した供給ドラム、右側の11は製造した平角線Cを巻き取る巻取ドラムである。供給ドラム10と巻取ドラム11との途中には、導線Dを(そのまま)圧延して中間線材Mを製造する一対の上流ロール1,1と、その中間線材Mを圧延して平角線Cを製造する一対の最終ロール2,2とが、上流から下流へ順次配設されている。この場合は、2台のロール(上流ロール1,1と最終ロール2,2)を備えている。なお、上流ロール1,1と最終ロール2,2は、それぞれ上下に並設された上下ロールである。
また、3は最終ロール2,2の下流にて平角線Cの最終厚さ寸法を測定する厚さ測定器であり、4は最終ロール2,2の下流にて平角線Cの最終幅寸法を測定する幅測定器である。また、12と13は張力調整装置である。
【0011】
ここで、上記平角線Cの最終厚さ寸法と最終幅寸法とについて説明する。
図3は、導線D、中間線材M、平角線Cの断面図であり、上から下へ順に圧延加工された状態を示す。図3に示すように、平角線Cは上下にロール押圧面8,8が形成されており、平角線Cの横断面に於て、このロール押圧面8と直交方向の寸法を最終厚さ寸法T1 とし、ロール押圧面8と平行方向の寸法を最終幅寸法W1 とする。また、最終厚さ寸法T1 と最終幅寸法W1 は、平角線Cの目標厚さ寸法T0 と目標幅寸法W0 とは完全に一致せずに変動する場合がある値であり、言い換えれば、最終厚さ寸法T1 と最終幅寸法W1 は、上記厚さ測定器3と幅測定器4にて測定された平角線Cの実測値である。
【0012】
図2に於て、5は、幅測定器4から得た最終幅寸法W1 と(予め入力されている)目標幅寸法W0 との大小を比較して、平角線Cの幅寸法が目標幅寸法W0 となるように(近づくように)、上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整(制御)する第1ロール制御手段(回路)である。つまり、第1ロール制御手段5は、中間線材Mの断面積が“目標幅寸法W0 の平角線Cが得られる”最適断面積S0 となるように(近づくように)、上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整(制御)するものである。
【0013】
また、第1ロール制御手段5は、最終幅寸法W1 が目標幅寸法W0 より大きいか又は小さいかを比較判断する比較部9を有する。そして、第1ロール制御手段5は、比較部9にて判断した結果を上流ロール1,1を接近離間させる(図示省略の)シリンダ等のアクチュエーターにフィードバックして制御するように構成されている。
【0014】
また、6は、厚さ測定器3から得た最終厚さ寸法T1 と(予め入力されている)目標厚さ寸法T0 との大小を比較して、平角線Cの厚さ寸法が目標厚さ寸法T0 となるように(近づくように)、最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整(制御)する第2ロール制御手段(回路)である。第2ロール制御手段6は、最終厚さ寸法T1 が目標厚さ寸法T0 より大きいか又は小さいかを比較判断する比較部14を有し、この比較判断結果を最終ロール2,2を接近離間させる(図示省略の)シリンダ等のアクチュエーターにフィードバックして制御するように構成されている。
【0015】
図4は、本発明の平角線の製造装置の他の実施形態を示す要部正面図であり、図に於て7は上流ロール1,1の表面を冷却する装置の一例である。図に示すように、上流ロール1,1を冷却する冷却装置7,7が配設されている。冷却装置7は公知のものでよく、図4では、冷却装置7は、上流ロール1の外周面(ロール外周面)に接近する凹曲面15と、ロール外周面と凹曲面15の隙間に冷却液(水)を供給するための冷却液供給路16とを、具備している。また、17はシール部材である。そして、ロール外周面と凹曲面15との隙間に冷却液を供給し、回転する上流ロール1を冷却するようになっている。
また、最終ロール2,2にも上記上流ロール1,1と同様に冷却装置7,7を取り付けている。
また、各ロール1,2に(図示省略の)加熱装置19を付設してもよく、上記冷却装置7と加熱装置19は、各ロール1,2表面を直接的又は間接的に冷却又は加熱するものや、各ロール1,2内部に熱媒体(吸熱媒体・発熱媒体)を入れ、各ロール1,2全体を冷却又は加熱するものであってもよい。
【0016】
図示省略するが、本発明の平角線の製造装置が一対のロールを3台以上有する場合は、最下流位置ロールが上記最終ロール2,2となり、最終ロール2,2の一つ上流側のロールが上記上流ロール1,1となる。そして、最下流位置のロールの下流に、厚さ測定器3と幅測定器4とを設置して、平角線の最終厚さ寸法T1 と最終幅寸法W1 とを測定するようにする。即ち、最下流位置のロールとその一つ上流のロールのロール間隔寸法を上記のように調整制御すればよい。
【0017】
また、厚さ測定器3と幅測定器4とが測定するデータを最終ロール2,2と上流ロール1,1とにフィードバックする際のタイムラグを少なくするために、厚さ測定器3と幅測定器4は、最終ロール2,2の下流側近傍に配設することが好ましい。また、同様にフィードバック時のタイムラグを少なくするために、上流ロール1,1と最終ロール2,2とを接近させて配置させることが望ましい。
また、厚さ測定器3と幅測定器4は、接触型センサー又は非接触型センサーのどちらでもよく、厚さ測定器3と幅測定器4との配設位置はどちらが上流側でも構わない。
また、上流ロール1,1と最終ロール2,2とを、それぞれ左右一対のロールとしても自由である。
【0018】
図1〜図3に基づき本発明の平角線の製造方法について説明する。
図1に於て、初めに、供給ドラム10から長手方向に渡って同一円形断面の導線(銅線)Dを繰り出し、それぞれ所定ロール間隔寸法をもって回転する上流ロール1,1と最終ロール2,2とに順次送り込む。導線Dは上流ロール1,1にて圧延され上下に平坦なロール押圧面18,18が形成された横断面略矩形の中間線材Mが製造される(図3参照)。中間線材Mは最終ロール2,2にてさらに薄く圧延されると共に、目標厚さ寸法T0 と目標幅寸法W0 とに整えられた横断面略矩形の平角線Cが製造される(図3参照)。
【0019】
一方、厚さ測定器3と幅測定器4は、最終ロール2,2の下流にて、(製造直後の)平角線Cの最終厚さ寸法T1 と最終幅寸法W1 を微小時間ごとに(例えば、1620回/s)測定している。
【0020】
上記のように、導線Dから中間線材Mを経て平角線Cを製造する圧延作業を連続して行うと、導線Dや中間線材Mが塑性変形される際に生じる加工熱や、各ロール1,2と導線D・中間線材Mとの間に生じる摩擦熱等により、各ロール1,2が加熱され熱膨張する。ロール1,2の熱膨張によりロール径が大きくなる、つまり各ロール間隔寸法X1 ,X2 が小さくなるので、上記製造される平角線Cの厚さ寸法と幅寸法は変動する。即ち、厚さ測定器3と幅測定器4とで測定される最終厚さ寸法T1 ・最終幅寸法W1 は目標厚さ寸法T0 ・目標幅寸法W0 とは異なった値となる。
【0021】
厚さ測定器3で測定した最終厚さ寸法T1 のデータは、第2ロール制御手段6の比較部14へと送られる。そして、比較部14にて、最終厚さ寸法T1 が予め入力されている目標厚さ寸法T0 より大きいか又は小さいかを判断する。
最終厚さ寸法T1 はロール間隔寸法X2 によって決まるので、この場合熱膨張にてロール間隔寸法X2 が小さくなったことにより、最終厚さ寸法T1 は目標厚さ寸法T0 より小さい値であると判断される。
【0022】
第2ロール制御手段6は、比較部14の判断結果を最終ロール2,2(のアクチュエーター)へフィードバックさせ、平角線Cの厚さ寸法が目標厚さ寸法T0 となるように(近づくように)最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整する。
具体的には、最終厚さ寸法T1 が目標厚さ寸法T0 より小さいとの判断であるので、ロール間隔寸法X2 を大きくするように最終ロール2,2を制御する。
【0023】
また、1回のフィードバックで動かすロール間隔寸法X2 は微小寸法(例えば、0.06ミクロン)であるので、フィードバックされるごとに、平角線Cの厚さ寸法が目標厚さ寸法T0 となる(近づく)まで、ロール間隔寸法X2 を少しずつ動かす。
なお、第2ロール制御手段6は、最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整後、次に厚さ測定器3で測定するまでの間(数秒間)は、ロール間隔寸法X2 を調整しない。つまり、調整したロール間隔寸法X2 をそのまま数秒間維持し、平角線Cの厚さ寸法が(変化中でない)安定した状態で厚さ測定器3にて再測定してフィードバックするようになっている。また、厚さ測定器3で再測定した最終厚さ寸法T1 が目標厚さ寸法T0 に達していなければ、フィードバックしてロール間隔寸法X2 を(大きくするように)調整制御する。
【0024】
また、幅測定器4で測定した最終幅寸法W1 のデータは、第1ロール制御手段5の比較部9へと送られる。そして、比較部9にて、最終幅寸法W1 が予め入力されている目標幅寸法W0 より大きいか又は小さいかを判断する。
そして、第1ロール制御手段5は、比較部9の判断結果を上流ロール1,1(のアクチュエーター)へフィードバックさせ、平角線Cの幅寸法が目標幅寸法W0 となるように(近づくように)上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整する。
【0025】
ここでは、各ロール1,2の熱膨張や、第2ロール制御手段6による上記ロール間隔寸法の調整等により、比較部9にて最終幅寸法W1 が目標幅寸法W0 より小さいと判断された場合について説明する。
最終幅寸法W1 が目標幅寸法W0 より小さいとの判断であるので、最終ロール2,2へと送る中間線材Mの断面積を大きくして、製造される平角線Cの幅寸法を大きくする。言い換えれば、中間線材Mの断面積を、“目標幅寸法W0 の平角線Cを得るための”最適断面積S0 となるように(近づくように)大きくする。
【0026】
製造される中間線材Mの断面積を最適断面積S0 に(大きく)するために、第1ロール制御手段5がロール間隔寸法X1 を大きくするように上流ロール1,1を制御する。
このようにロール間隔寸法X1 が調整制御された上流ロール1,1にて、導線Dが圧延されて最適断面積S0 の中間線材Mが製造され、その中間線材Mが上記のようにロール間隔寸法X2 が調整制御された最終ロール2,2に送られ圧延されて目標厚さ寸法T0 ・目標幅寸法W0 の平角線Cが製造される。
また、上流ロール1,1と最終ロール2,2のうち一方のロール間隔寸法が調整制御されている時は、他方のロール間隔寸法の調整制御は行わないようになっており、2台のロールのロール間隔寸法を同時に調整制御しないようにしている。
【0027】
また、第1ロール制御手段5のフィードバックの時間間隔と1回のフィードバックで動かすロール間隔寸法X1 は、第2ロール制御手段6と同様である。
なお、最終厚さ寸法T1 が目標厚さ寸法T0 より大きい場合、及び、最終幅寸法W1 が目標幅寸法W0 より大きい場合については、上記説明したのと逆の作用(制御方法)であるので説明を省略する。
また、上流ロール1,1で高圧延を行い最終ロール2,2で低圧延を行う場合と、上流ロール1,1で低圧延を行い最終ロール2,2で高圧延を行う場合とでは、上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整制御することよって変化する平角線Cの幅寸法の大小が逆転する場合があるが、それぞれの場合に応じて適宜上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整制御すればよい。
【0028】
以上のように、本発明の平角線の製造方法は、横断面円形の導線Dを2台以上のロールに順次送り込んで目標厚さ寸法T0 ・目標幅寸法W0 の平角線Cを製造する平角線の製造方法に於て、平角線Cの最終厚さ寸法T1 を最下流位置の最終ロール2,2の下流にて測定し、その最終厚さ寸法T1 と目標厚さ寸法T0 との大小を比較して最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整し、かつ、平角線Cの最終幅寸法W1 を最終ロール2,2の下流にて測定し、その最終幅寸法W1 と目標幅寸法W0 との大小を比較して最終ロール2,2の一つ上流側の上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整して、上流ロール1,1にて最適断面積S0 の中間線材Mを製造し最終ロール2,2へ送って、目標厚さ寸法T0 ・目標幅寸法W0 の平角線Cを製造するので、完成品である平角線Cの最終幅寸法W1 と最終厚さ寸法T1 とを、上流ロール1,1と最終ロール2,2とにフィードバックしてロール間隔寸法X1 ,X2 を調整することができ、寸法精度を向上させ長手方向に渡って均一な平角線Cを製造することができる。
即ち、平角線Cの厚さ寸法を決定する最終ロール2,2に、最終厚さ寸法T1 をフィードバックしてそのロール間隔寸法X2 を調整し、平角線Cの厚さ寸法を目標幅寸法W0 に製造することができる。また、最終幅寸法W1 を上流ロール1,1へフィードバックし、そのロール間隔寸法X1 を調整することで、最終ロール2,2へ供給する中間線材Mの断面積を(最適断面積S0 に)調整して平角線Cの幅寸法を目標幅寸法W0 に製造することができる。このようにすることで、各ロール1,2の熱膨張や各ロール1,2表面の摩耗によりロール間隔寸法X1 ,X2 が変動したり、ロール1,2表面の摩擦係数が変化しても、高精度の平角線Cを製造することができる。
【0029】
また、上流ロール1,1と最終ロール2,2とがそれぞれ冷却されつつ又は加熱されつつ圧延するので、冷却しつつ圧延する場合は、圧延時に発生する熱による各ロール1,2の熱膨張を抑制することができ、加熱しつつ圧延する場合は、各ロール1,2を積極的に加熱することで、その後の圧延時の摩擦熱等で熱膨張しにくくすることができる。これにより平角線Cの寸法精度を一層向上させて製造することができる。
【0030】
本発明の平角線の製造装置は、横断面円形の導線Dをそのまま圧延して又は他のロールを通過させた後圧延して中間線材Mを製造する上流ロール1,1と、中間線材Mを圧延して平角線Cを製造する最終ロール2,2とを、順次配設し、最終ロール2,2の下流にて平角線Cの最終厚さ寸法T1 を測定する厚さ測定器3と、最終ロール2,2の下流にて平角線Cの最終幅寸法W1 を測定する幅測定器4とを、備え、幅測定器4から得た最終幅寸法W1 と平角線Cの目標幅寸法W0 との大小を比較して中間線材Mが目標幅寸法W0 の平角線Cを得るための最適断面積S0 となるように上流ロール1,1のロール間隔寸法X1 を調整する第1ロール制御手段5と、厚さ測定器3から得た最終厚さ寸法T1 と平角線Cの目標厚さ寸法T0 との大小を比較して平角線Cが目標厚さ寸法T0 となるように最終ロール2,2のロール間隔寸法X2 を調整する第2ロール制御手段6とを、具備したので、完成品である平角線Cの最終幅寸法W1 と最終厚さ寸法T1 とを、上流ロール1,1と最終ロール2,2とにフィードバックしてロール間隔寸法X1 ,X2 を調整することができ、寸法精度を向上させ長手方向に渡って均一な平角線Cを製造することができる。
即ち、平角線Cの厚さ寸法を決定する最終ロール2,2に、最終厚さ寸法T1 をフィードバックしてそのロール間隔寸法X2 を調整し、平角線Cの厚さ寸法を目標幅寸法W0 に製造することができる。また、最終幅寸法W1 を上流ロール1,1へフィードバックし、そのロール間隔寸法X1 を調整することで、最終ロール2,2へ供給する中間線材Mの断面積を(最適断面積S0 に)調整して平角線Cの幅寸法を目標幅寸法W0 に製造することができる。このようにすることで、各ロール1,2の熱膨張や各ロール1,2表面の摩耗によりロール間隔寸法X1 ,X2 が変動したり、ロール1,2表面の摩擦係数が変化しても、高精度の平角線Cを製造することができる。
【0031】
また、上流ロール1,1と最終ロール2,2とに冷却装置7又は加熱装置19を付設したので、冷却装置7を付設した場合は、圧延時に発生する熱による各ロール1,2の熱膨張を抑制することができ、加熱装置19を付設した場合は、各ロール1,2を積極的に加熱することで、その後の圧延時の摩擦熱等で熱膨張しにくくすることができる。これにより平角線Cの寸法精度を一層向上させて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の平角線の製造装置の実施の一形態を示す全体正面図である。
【図2】要部正面図である。
【図3】導線・中間線材・平角線の断面図である。
【図4】他の実施形態を示す要部正面図である。
【図5】従来の平角線の製造装置を示す全体正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 上流ロール
2 最終ロール
3 厚さ測定器
4 幅測定器
5 第1ロール制御手段
6 第2ロール制御手段
7 冷却装置
19 加熱装置
C 平角線
D 導線
M 中間線材
0 最適断面積
0 目標厚さ寸法
1 最終厚さ寸法
0 目標幅寸法
1 最終幅寸法
1 ロール間隔寸法
2 ロール間隔寸法
【出願人】 【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣


【公開番号】 特開2008−30059(P2008−30059A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203743(P2006−203743)