| 【発明の名称】 |
ロッド材圧延システム |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 巧
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| 【要約】 |
【課題】使用する孔型の変更が容易なロッド材圧延システムを提供する。
【構成】ロッド材圧延システムは、水平方向に延びる被圧延材の移送経路12に互いに直列に隣り合って配置される第1圧延機24及び第2圧延機26を備える。第1圧延機24は、上下方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第1ロール66と、第1ロール66間に少なくとも2つの第1の孔型70を形成するよう第1ロール66のそれぞれに形成された複数の周溝と、第1ロール66を上下させ、第1の孔型のうち一つを移送経路12に位置付ける昇降装置とを含む。第2圧延機は、移送経路12と直交する水平方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第2ロール102と、第2ロール102間に少なくとも2つの第2の孔型を形成するよう第2ロール102のそれぞれに形成された複数の周溝とを含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水平方向に延びる被圧延材の移送経路に互いに直列に隣り合って配置される第1圧延機及び第2圧延機を備えたロッド材圧延システムにおいて、 前記第1圧延機は、 上下方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第1ロールと、 前記第1ロール間に少なくとも2つの第1の孔型を形成するよう前記第1ロールのそれぞれに形成された複数の周溝と、 前記第1ロールを上下させ、前記第1の孔型のうち一つを前記移送経路に位置付ける昇降装置と を含み、 前記第2圧延機は、 前記移送経路と直交する水平方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第2ロールと、 前記第2ロール間に少なくとも2つの第2の孔型を形成するよう前記第2ロールのそれぞれに形成された複数の周溝と を含み、 前記第2圧延機は、前記第2の孔型のうち一つが、前記移送経路に位置付けられるように配置される ことを特徴とするロッド材圧延システム。 【請求項2】 前記第1及び第2圧延機を搭載するベースフレームと、 前記ベースフレームに対し前記第2圧延機の位置を決めるための位置決め装置と を更に備え、 前記位置決め装置は、 前記第2圧延機のハウジングに、前記移送経路と直交する水平方向にて互いに離間し且つ反対向きに形成された少なくとも2つの当接面と 前記ベースフレームに固定され、前記当接面の各々の近傍に1つずつ配置される固定ブロックと、 前記固定ブロックの各々に前記移送経路と平行に延びるピンを介して1つずつピン結合され、前記ピンの周りを回転することにより作動位置及び待避位置のうち一方に位置付けられる可動ブロックと、 前記固定ブロックの各々に形成され、自身にピン結合された前記可動ブロックが前記待避位置にあるとき、前記当接面に当接する第1の位置決め面と、 前記可動ブロックの各々に形成され、自身が前記作動位置にあるとき、前記当接面に当接する第2の位置決め面と を含む ことを特徴とする請求項1に記載のロッド材圧延システム。 【請求項3】 前記位置決め装置は、前記作動位置に位置付けられた前記可動ブロックに連結されるアダプタブロックを更に含み、 前記アダプタブロックは、前記可動ブロックの前記第2の位置決め面に代えて前記当接面に当接する第3の位置決め面を有する ことを特徴とする請求項2に記載のロッド材圧延システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、線材又は丸棒等のロッド材の圧延システムに係わり、より詳しくは、2パスのロッド材圧延システムに関する。 【背景技術】 【0002】 線材は、所定温度まで加熱された被圧延材をその移送経路に配置された複数の圧延機を順次通過させて製造され、移送経路の下流端に配置された巻取機に巻き取られる。圧延機は、移送経路の上流に配置される粗列、中流に配置される中間列、下流に配置される仕上列に概ね大別され、仕上列の圧延機により最終製品としての線材が成形される。 線材として、断面形状が円形形状の丸棒を圧延する場合、例えば仕上列は、少なくとも第1圧延機と第2圧延機とを含み、第1圧延機は、断面形状が円形形状の中間製品を、断面形状が楕円形状の中間製品に圧延する。第2圧延機は、第1圧延機で圧延された中間製品を、断面形状が円形形状の最終製品に圧延する。このため、第1圧延機は、その1対のロール間に形成された楕円形状の孔型(オーバル孔型)を有し、第2圧延機は、その1対のロール間に形成された円形形状の孔型(丸孔型)を有する。 【0003】 例えば、特許文献1は、ガイドレス圧延機列を開示し、このガイドレス圧延機列は、中間列に使用されるものであるけれども、第1圧延機及び第2圧延機が、圧延経路(パスライン)に互いに直列に隣り合って配置されている。 【特許文献1】特開2002-66615号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 従来技術のガイドレス圧延機列では、各圧延機がマルチカリバ型であって、各圧延機の1対のロールが複数の孔型を有するものの、使用する孔型を変更する際、ロールをその軸線方向に移動させる作業が煩雑であり、変更に時間がかかるという問題があった。 本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用する孔型の変更が容易なロッド材圧延システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明によれば、水平方向に延びる被圧延材の移送経路に互いに直列に隣り合って配置される第1圧延機及び第2圧延機を備えたロッド材圧延システムにおいて、前記第1圧延機は、上下方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第1ロールと、前記第1ロール間に少なくとも2つの第1の孔型を形成するよう前記第1ロールのそれぞれに形成された複数の周溝と、前記第1ロールを上下させ、前記第1の孔型のうち一つを前記移送経路に位置付ける昇降装置とを含み、前記第2圧延機は、前記移送経路と直交する水平方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第2ロールと、前記第2ロール間に少なくとも2つの第2の孔型を形成するよう前記第2ロールのそれぞれに形成された複数の周溝とを含み、前記第2圧延機は、前記第2の孔型のうち一つが、前記移送経路に位置付けられるように配置されることを特徴とするロッド材圧延システムが提供される(請求項1)。 【0006】 好ましくは、前記第1及び第2圧延機を搭載するベースフレームと、前記ベースフレームに対し前記第2圧延機の位置を決めるための位置決め装置とを更に備え、前記位置決め装置は、前記第2圧延機のハウジングに、前記移送経路と直交する水平方向にて互いに離間し且つ反対向きに形成された少なくとも2つの当接面と前記ベースフレームに固定され、前記当接面の各々の近傍に1つずつ配置される固定ブロックと、前記固定ブロックの各々に前記移送経路と平行に延びるピンを介して1つずつピン結合され、前記ピンの周りを回転することにより作動位置及び待避位置のうち一方に位置付けられる可動ブロックと、前記固定ブロックの各々に形成され、自身にピン結合された前記可動ブロックが前記待避位置にあるとき、前記当接面に当接する第1の位置決め面と、前記可動ブロックの各々に形成され、自身が前記作動位置にあるとき、前記当接面に当接する第2の位置決め面とを含む(請求項2)。 【0007】 好ましくは、前記位置決め装置は、前記作動位置に位置付けられた前記可動ブロックに連結されるアダプタブロックを更に含み、前記アダプタブロックは、前記可動ブロックの前記第2の位置決め面に代えて前記当接面に当接する第3の位置決め面を有する(請求項3) 【発明の効果】 【0008】 本発明の請求項1のロッド材圧延システムでは、昇降装置により第1ロールを上下させることで、2つ以上の第1の孔型のうち使用する第1の孔型を容易に移送経路に位置付けることができる。すなわち、使用する第1の孔型を容易に変更することができる。この結果として、第1の孔型の変更に要する作業時間が短縮され、ロッド材圧延システムの稼働率が向上する。 【0009】 請求項2のロッド材圧延システムはベースフレーム及び位置決め装置を更に備え、位置決め装置によれば、固定ブロックの第1の位置決め面又は可動ブロックの第2の位置決め面に、第2圧延機のハウジングの当接面が当接することで、ベースフレームに対し、第2圧延機が位置決めされる。すなわち、可動ブロックを作動位置及び待避位置のうち何れに位置させるかで、ベースフレームに対する第2圧延機の搭載位置が変更され、使用する第2の孔型を容易に変更することができる。この結果として、このロッド材圧延システムによれば、簡単な構成にて、第2の孔型の変更に要する作業時間が短縮され、ロッド材圧延システムの稼働率が向上する。 【0010】 請求項3のロッド材圧延システムでは、位置決め装置がアダプタブロックを更に含み、第2圧延機の当接面が、可動ブロックの第2の位置決め面に代えて、アダプタブロックの第3の位置決め面に対して当接する。アダプタブロックの使用により、ベースフレームに対する第2圧延機の搭載位置を3つ以上にすることができ、これにより、第2ロール間に3つの第2の孔型が形成されていても、3つの第2の孔型のうち使用する第2の孔型を容易に移送経路に位置付けることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 図1は、一実施形態に係る線材又は丸棒等のロッド材の製造システムを示し、この製造システムは、例えば、自動車エンジン等の排気バルブに適用される超硬合金の丸棒や工具綱の丸棒の製造に好適に用いられる。 このシステムは、加熱炉10を有し、加熱炉10はロッド材の素材である鋳塊(ビレット)を所定の温度にまで加熱することができる。加熱炉10からは、移送経路12がロッド材の巻取機14まで延びており、この移送経路12には、加熱されたビレットを段階的に圧延すべく、粗列16、中間列18及び仕上列20が設けられている。尚、巻取機14は、ロッド材の寸法(長さ)により省略してもよい。 【0012】 粗列16、中間列18及び仕上列20は、それぞれ、移送経路12に配置される複数の圧延機を有し、ビレットは、各圧延機にて順次圧延される。 より詳しくは、仕上列20は、図2に概略的に示したように、1つの前段圧延機22、第1圧延機24及び第2圧延機26を含み、第1圧延機24及び第2圧延機26は、移送経路12に互いに直列に隣り合って配置されている。 【0013】 なお、第1圧延機24には、第1モータ28が第1減速機30を介して連結され、また、油圧源32が接続されている。第2圧延機26には、第2モータ34が第2減速機36を介して連結されている。 図3及び図4は、第1圧延機24及び第2圧延機26の断面を概略的に示し、第1圧延機24及び第2圧延機26は、1つのベースフレーム38に搭載されている。ベースフレーム38は水平な略長方形の上面を有し、上面の長手方向は移送経路12に沿っている。ベースフレーム38の上面にはその略4隅に位置して柱40が立てられ、第1圧延機24は、上流側の柱40から長手方向略中央までの上面の領域(上流域)に配置されている。また、第2圧延機26は、長手方向中央から下流側の柱40までの上面の領域(下流域)に配置されている。 【0014】 より詳しくは、ベースフレーム38の上面の上流域には、第1圧延機24の4つのジャッキ42が配置され、4つのジャッキ42は、ベース板44の略4隅を下側から支持している。ベース板44の上面にはハウジング46が固定され、ハウジング46は移送経路12によって貫通される空間を中央に有する。ハウジング46は、4つの略円筒形状のチョック(軸受けケース)47を内蔵し、上下のチョック47は組をなす。組をなすチョック47は、互いに協働して、軸受け48を介してロール軸50の両端部を回転自在にそれぞれ支持している。 【0015】 ロール軸50は上下方向に延び、ロール軸50の上端は、スラストベアリング52を介してスラストケース54により覆われている。スラストケース54は、ハウジング46の上部に固定されたスラストケース押さえ56によって押さえられ、ロール軸50のスラスト圧は、スラストベアリング52、スラストケース54及びスラストケース押さえ56を介して、ハウジング46によって支持される。 【0016】 ロール軸50の下端からは円柱状の連結部58が一体に突出し、連結部58は、円柱状のカプラ60に同軸的に形成された挿入穴に挿入される。連結部58とカプラ60とは、相対回転不能に互いに連結されるけれども、挿入穴への連結部58の挿入長さは、段階的に変更可能である。カプラ60は、ユニバーサルジョイント62及びシャフト64を介して第1圧延機24の下方に位置する第1減速機30に連結されている。なお、このような連結を可能にするよう、ハウジング46、ベース板44及びベースフレーム38には、開口部が形成されている。 【0017】 ロール軸50の中央部には、ロール66が一体に回転可能且つ同軸に嵌合されており、2つのロール66は、それぞれ上下方向に平行に延び且つ移送経路12と直交する水平方向にて互いに隣接している。これらロール66には、第1モータ28の駆動力が、第1減速機30、シャフト64、ユニバーサルジョイント62、カプラ60及びロール軸50を介して伝達され、これにより2つのロール66は互いに逆方向に回転する。 【0018】 ここで、第1圧延機24のロール66は、図5(a)に概略的に示したように、その軸線方向に互いに離間した3つの周溝68a,68b,68cを外周面に有し、2つのロール66は、3つの周溝68の位置が相互に合致するように配置される。各周溝68の断面形状は半楕円形状をなし、互いに合致させられた周溝68間では、断面形状が互いに等しい。このため、ロール66間には、合致した周溝68によって、それぞれ楕円形状の3つの孔型70a,70b,70cが形成される。なお、周溝68の断面形状は、各ロール66の3つの周溝68間では異なっており、ロール66間に形成される3つの孔型70の大きさ、すなわち楕円の長軸及び短軸の長さも互いに異なっている。 【0019】 また、再び図3及び4を参照すると、第1圧延機24のハウジング46の上部前面には、ギアボックス72が固定され、ギアボックス72には昇降ロッド74が上下動自在に挿通されている。ギアボックス72にはハンドル76が取り付けられ、ハンドル76を回転させることで、昇降ロッド74が上下動する。昇降ロッド74の下端には、カバー部材78が固定され、カバー部材78は、両端が開口した先細りの角筒形状をなす。移送経路12はカバー部材78の内側を貫通しており、カバー部材78の先端は、使用される孔型70の近傍に位置している。 【0020】 一方、ベースフレーム38の上面の下流域には第2圧延機26のハウジング80が配置され、ハウジング80もまた、移送経路12によって貫通される空間を中央に有する。ハウジング80は、4つの略円筒形状のチョック82を内蔵し、第2圧延機26では、移送経路12と直交する水平方向にて互いに離間した左右のチョック82が組をなし、組をなすチョック82は、互いに協働して、軸受け84を介してロール軸86の両端部を回転自在にそれぞれ支持している。 【0021】 ロール軸86の一端は、スラストベアリング88を介してスラストケース90により覆われ、スラストケース90は、ハウジング80の側部に固定されたスラストケース押さえ92によって押さえられている。従って、ロール軸86のスラスト圧は、スラストベアリング88、スラストケース90及びスラストケース押さえ92を介して、ハウジング80によって支持される。 ロール軸86の他端からは円柱状の連結部94が一体に突出し、連結部94は、円柱状のカプラ96に同軸的に形成された挿入穴に挿入される。連結部94とカプラ96とは、相対回転不能に互いに連結されるけれども、挿入穴への連結部94の挿入長さは、段階的に変更可能である。カプラ96は、ユニバーサルジョイント98及びシャフト100を介して第2減速機36に連結されている。 【0022】 各ロール軸86の中央部には、ロール102が一体に回転可能且つ同軸に嵌合されており、2つのロール102は、それぞれ移送経路12と直交する水平方向に平行に延び且つ上下に隣接している。これらロール102には、第2モータ34の駆動力は、第2減速機36、シャフト100、ユニバーサルジョイント98、カプラ96及びロール軸86を介してロール102に伝達され、これにより2つのロール102は互いに逆方向に回転する。 【0023】 ここで、第2圧延機26のロール102も、図5(b)に概略的に示したように、その軸線方向に互いに離間した3つの周溝104a,104b,104cを外周面に有し、2つのロール102は、3つの周溝104の位置が相互に合致するように配置される。各周溝104の断面形状は半円形状をなし、互いに合致させられた周溝104間では、断面形状が互いに等しい。このため、ロール102間には、合致した周溝104によって、それぞれ円形形状の3つの孔型106a,106b,106cが形成される。なお、周溝104の断面形状は、各ロール104の3つの周溝104間では異なっており、ロール102間に形成される3つの孔型106の大きさ、すなわち円の半径も互いに異なっている。 【0024】 従って、第1圧延機24及び第2圧延機26は、それぞれ複数の孔型70,106を有するマルチカリバ型の圧延機である。 そして、第1圧延機24では、3つの孔型70のうち1つを、移送経路12に位置付けるべく、昇降装置としての4つのジャッキ42が1つの油圧モータ108によって駆動される。 より詳しくは、図6に示したように、油圧モータ108は、ベースフレーム38の幅方向中央に固定されている。油圧モータ108の出力軸は、ベベルギア110を介して、ベースフレーム38の幅方向外側に向けて延びる2本のリレーシャフト112に連結され、各リレーシャフト112は、ベベルギア113を介して、ベースフレーム38の長手方向に延びる駆動シャフト114に連結される。各駆動シャフト114には、ジャッキ42を構成するウォーム115が互いに離間して2つずつ固定され、各ウォーム115は、ウォーム歯車116と噛み合っている。ウォーム歯車116は、ベースフレーム38に固定された図示しないギアケーシングによって回転自在に支持されており、ウォーム歯車116の中央孔には、上下方向に延びるねじ軸117がねじ込まれている。 【0025】 なお、図3を参照すると、ギアケーシングよりも下方に突出したねじ軸117の下側部分は、軸ケーシング118によって覆われ、上方に突出したねじ軸117の上側部分は、ブーツ119によって覆われる。 この昇降装置によれば、油圧源32から油圧モータ108に油圧が供給されると、油圧モータ108が回転力を発生し、この回転力は、ベベルギア110,113、リレーシャフト112及び駆動シャフト114を介して各ジャッキ42に等しく分配される。ジャッキ42では、ウォーム115の回転に伴いウォーム歯車116が回転し、その回転方向に依存して、ねじ軸117がウォーム歯車116に対し上方向又は下方向に移動する。ねじ軸117が上下動するのに伴い、ベース板44、ハウジング46、チョック47、ロール軸50及びロール66が上下動し、このときのねじ軸117の移動量を調整することで、3つの孔型70のうち一つが、移送経路12に位置付けられる。 【0026】 そして、第2圧延機26については、3つの孔型106のうち1つが移送経路12に位置付けられるよう、位置決め装置119によって、ベースフレーム38に対しハウジング80が位置決めされる。 具体的には、ハウジング80は、図4に示したように各側面に2つずつ当接面120を有する。各当接面120の法線は移送経路12と直交するけれども、ハウジング80の一方の側の当接面120は、他方の側の当接面120とは反対向きである。 【0027】 一方、ベースフレーム38には、図7乃至10に示したように、4つの固定ブロック122がボルト124によって固定され、各固定ブロック122は、ハウジング80の当接面120の各々の近傍に1つずつ配置されている。各固定ブロック122には、ピン126を介してコの字形状の可動ブロック128が連結され、ピン126の軸線は、移送経路12に沿って延びている。可動ブロック128は、ピン126の周りを180度回転可能であり、図7に示したようにベースフレーム38の側縁側の待避位置と、図8に示したようにハウジング80側の作動位置の何れかに位置付けられる。 【0028】 ここで、各固定ブロック122にはハウジング80側に位置決め面130が形成され、位置決め面130は対応する当接面120と平行である。可動ブロック128が待避位置にあるとき、固定ブロック122の位置決め面130は、ハウジング80の当接面120に当接することで、ベースフレーム38に対するハウジング80の位置を決定可能である。 可動ブロック128が作動位置にあるときには、固定ブロック122の位置決め面130は、可動ブロック128によって覆われる。可動ブロック128にも位置決め面132が形成されており、可動ブロック128の位置決め面132は、可動ブロック128が作動位置にあるとき、固定ブロック122よりもハウジング80側に位置付けられる。可動ブロック128の位置決め面132は、ハウジング80の当接面120に平行であり、当接面120に当接することで、ベースフレーム38に対するハウジング80の位置を決定可能である。 【0029】 更に、作動位置にある可動ブロック128には、アダプタブロック134を連結可能であり、アダプタブロック134は、可動ブロック128の位置決め面132に代えて、当接面120に当接する位置決め面136を有する。 より詳しくは、アダプタブロック134は、直方体形状のブロック部138と、ブロック部138と一体に形成されたL字状のフック部140とを有し、フック部140は、可動ブロック128と固定ブロック122との間に形成されたポケット142に係合する。アダプタブロック134の位置決め面136は、フック部140とは反対側のブロック部138の面に形成され、対応する当接面120と平行に位置付けられる。ブロック部138の上面には、T字形状の取っ手が固定されている。 【0030】 上述した位置決め装置119によれば、3つの配置が実現され、1つの配置では、図10の一番左側に示したように、第2圧延機26のハウジング80の一方の側の可動ブロック128が待避位置に位置付けられ、他方の側の可動ブロック128は、作動位置に位置付けられるとともにアダプタブロック134が連結される。従って、一方の側の固定ブロック122の位置決め面130と、他方の側のアダプタブロック134の位置決め面136に、当接面120がそれぞれ当接し、位置決めが行われる。 【0031】 また、もう1つの配置では、図10の中央に示したように、両方の側の可動ブロック128が作動位置に位置付けられ、4つの可動ブロック128の位置決め面132が対応する当接面120にそれぞれ当接することで、位置決めが行われる。 更に、残る1つの配置では、図10の一番右側に示したように、他方の側の可動ブロック128が待避位置に位置付けられ、一方の側の可動ブロック128は、作動位置に位置付けられるとともにアダプタブロック134が連結される。従って、他方の側の固定ブロック122の位置決め面130と、一方の側のアダプタブロック134の位置決め面136に、当接面120がそれぞれ当接し、位置決めが行われる。 【0032】 なお、固定ブロック122、可動ブロック128及びアダプタブロック134の寸法並びに固定ブロック122同士及び当接面120同士の間隔は、上記3つの配置が実現されるように適宜設定される。 また、第2圧延機26のハウジング80は、下流側の柱40に固定された4つのシリンダ144によって第1圧縮機24に押し付けられ、これによりベースフレーム38上での長手方向での移動が規制される。 【0033】 上述した製造システムによれば、加熱されたビレットが、移送経路12を移動する過程で、粗列16、中間列18及び仕上列20にて順次圧延され、これにより得られたロッド材が巻取機14に巻き取られる。 図11は、仕上列20での中間製品の断面形状の変化を示しており、前段圧延機22で圧延された中間製品の断面形状は図11(a)に示したように円形形状であり、その直径は、例えば10mm以上30mm以下の範囲にある。第1圧延機24で圧延された中間製品の断面形状は、図11(b)に示したように楕円形状であり、その長軸の長さは、例えば11mm以上40mm以下の範囲にあり、その短軸の長さは、例えば9mm以上29mm以下の範囲にある。最終製品としてのロッド材、すなわち、仕上列20の第2圧延機26で圧延されたロッド材の断面形状は、図11(c)に示したように円形形状であり、その直径は、例えば、9mm以上29mm以下の範囲にある。 【0034】 また、前段圧延機22での減面率は、例えば3%以上20%以下の範囲にあり、第1圧延機24での減面率は、例えば3.5%以上15%以下の範囲にあり、第2圧延機26での減面率は、例えば1.5%以上6%以下の範囲にある。第1圧延機24及び第2圧延機26の2パスでの減面率は、例えば6%以上20%以下の範囲にある。 そして、上述した製造システムにあっては、第1圧延機24及び第2圧延機26で使用する孔型70,106を変更することにより、得られるロッド材の直径を容易に変更可能である。 【0035】 すなわち、第1圧延機24にあっては、油圧源32から油圧モータ108に油圧を供給し、第1圧延機24のベース板44を4つのジャッキ42で所定高さだけ昇降させることでロール66が上下し、これによりロール66間の3つの孔型70のうち所望の孔型70が移送経路12に位置付けられる。 なお、第1圧延機24が上下した距離に合わせて、カプラ60の挿入穴への連結部58の挿入深さが調整される。 【0036】 なお、第1圧延機24が上下した距離に合わせて、ハンドル76を回転させて昇降ロッド74を上下させることで、カバー部材78の先端が、使用される孔型70の近傍に容易に位置付けられる。 一方、第2圧延機26にあっては、第2圧延機26をハウジング80ごとベースフレーム38から持ち上げた後、可動ブロック128及びアダプタブロック134の配置を変更してから、再びベースフレーム38上に降ろす。この際、固定ブロック122、可動ブロック128又はアダプタブロック134の位置決め面130,132,136に第2圧延機26のハウジング80の当接面120が当接するよう降ろすことで、所望の孔型106が移送経路12に位置付けられる。 【0037】 なお、第2圧延機26の位置に合わせて、カプラ96の挿入穴への連結部94の挿入深さが調整される。 また、上述した第1圧延機24及び第2圧延機26によれば、これらの圧延機の2パスの減面率が6%以上20%以下の範囲にあることから、得られるロッド材の直径の公差が小さく、高精度にてロッド材が圧延される。 【0038】 本発明は上記した実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。 例えば、上記した実施形態において、第1圧延機24及び第2圧延機26の各ロール66,102は、それぞれ3つの周溝68,104を有し、1対のロール66,102間には3つの孔型70,106が形成されていたけれども、孔型70,106の数は2つ以上であればよい。 例えば、上記した実施形態において、第2圧延機26の位置決め装置119は、3つの位置にてハウジング80を位置決め可能であったが、2つ以上の位置にて位置決め可能であればよい。すなわち、アダプタブロック134を用いずに、固定ブロック122及び可動ブロック128の位置決め面130,132の組み合わせのみで位置決めしてもよい。 【0039】 例えば、上記した実施形態において、第2圧延機26の位置決め装置にも油圧モータを採用してもよい。この場合、例えば、第2圧延機26とベースフレーム38との間にガイドレールを敷き、ガイドレール上で第2圧延機26のハウジング80を水平方向に移動させてもよい。ただし、この場合、位置決め装置が大きくなるばかりか、その構成が複雑になるため、上記実施形態のように、固定ブロック122及び可動ブロック128を用いるのが好ましい。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】一実施形態に係るロッド材の製造システムを概略的に説明するブロック図である。 【図2】図1のシステムにおける仕上列及びその周辺の構成を概略的に示すブロック図である。 【図3】図2の仕上列における第1圧延機及び第2圧延機の構成を概略的に示す断面図である。 【図4】図2の仕上列における第1圧延機及び第2圧延機の構成を概略的に示す他の断面図である。 【図5】(a)は第1圧延機のロールを概略的に示し、(b)は第2圧延機のロールを概略的に示す。 【図6】第1圧延機の昇降装置の概略構成を示す図である。 【図7】ベースフレームに固定された第2圧延機の位置決め装置の固定ブロック及び当該ブロックにピン結合された待避位置の可動ブロックを概略的に示す斜視図である。 【図8】図7の固定ブロック及び作動位置の可動ブロックとともに、アダプタブロックを概略的に示す斜視図である。 【図9】図8の固定ブロック及び可動ブロックに、アダプタブロックを取り付けた状態を概略的に示す斜視図である。 【図10】第2圧延機の位置決め装置による位置決めの様子を概略的に示した上面図である。 【図11】図2の仕上列による被圧延材の断面形状の変化を概略的に示す図である。 【符号の説明】 【0041】 12 移送経路 24 第1圧延機 26 第2圧延機 66 ロール(第1ロール) 68 周溝 70 孔型(第1の孔型) 102 ロール(第2ロール) 104 周溝 106 孔型(第2の孔型)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003713 【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月26日(2006.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
【識別番号】100116447 【弁理士】 【氏名又は名称】山中 純一
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| 【公開番号】 |
特開2008−30051(P2008−30051A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−203174(P2006−203174) |
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