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【発明の名称】 汚染土壌の洗浄装置及び洗浄方法
【発明者】 【氏名】北川 明子

【氏名】牛尾 亮三

【氏名】本間 智英

【要約】 【課題】重金属等で汚染された土壌を簡易な装置で安定して浄化することができる汚染土壌の洗浄装置を提供する。

【解決手段】汚染土壌を工程ごとに重力によって移送し洗浄する洗浄装置において、ドラム型洗浄機4で攪拌して洗浄を行い、湿式振動篩5で分級する。篩5aに留まる粗流分は第1のタンク6に収容し、篩を通過した細粒分は第2のタンク7に収容する。第1のタンク及び第2のタンクは地表面下に配置し、ドラム型洗浄機に汚染土壌を送り込むホッパー3を、油圧シャベル2等によって直接に土壌を投入することができる低い位置に設置する。これにより、コンベア等を使用することなくホッパーへ土壌を投入することができる。また、油圧シャベルの操縦者がホッパーの内部を視認する反射鏡8を取り付け、土壌のホッパーへの投入を適切に行うとともに、ホッパー内に洗浄水の供給及び圧縮空気の吹きつけを行い、ホッパー内の土壌の付着や凝塊を回避する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害物質で汚染された土壌が投入されるホッパーと、
該ホッパーの下部に設けられた開口から前記土壌が導入され、該土壌に加水して洗浄するドラム型洗浄機と、
該ドラム型洗浄機から排出された土壌を分級する振動篩と、
該振動篩により分級された土壌を回収する複数のタンクと、を有し、
前記ホッパーは、地表面の走行及び土壌をすくい取って搬送することができる土工用建設機械により、前記土壌の投入が可能な位置に設けられ、
前記振動篩は、前記ドラム型洗浄機から排出され、重力により移送された洗浄後の土壌を篩い分けることができる位置に配置され、
前記複数のタンクは、前記振動篩を通過した土壌及び前記振動篩上に留まった土壌が重力によって移送され収容される位置に配置され、複数のタンクのうちの少なくとも一つは、一部又は全部が地表面下となる位置に設置されていることを特徴とする汚染土壌の洗浄装置。
【請求項2】
前記土工用建設機械の操縦者による前記ホッパー内の視認を可能とする1又は2以上の反射鏡を備えることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項3】
前記反射鏡は、鏡面の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つの変更が可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項4】
前記土工用建設機械の操縦者が該土工用建設機械の操縦席から操作することによって前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する反射鏡操作装置を有することを特徴とする請求項3に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項5】
前記土工用建設機械の操縦者の位置情報に基づき、該操縦者が前記ホッパー内を視認できるように前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する反射鏡調整装置を有することを特徴とする請求項3に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項6】
前記ホッパー内に、洗浄水の供給と圧縮空気の吹きつけとのいずれか一方又は双方を行う土壌付着抑制手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの内面に洗浄水を流下させるものであることを特徴とする請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの内面に向けて高圧の洗浄水を噴射するものであることを特徴とする請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの壁面に設けられた吐出口から洗浄水を吐出し、該ホッパーの内面に流下させるものであり、
前記圧縮空気の吹き付けは、前記吐出口からの洗浄水の吐出を停止して、該吐出口から又は該吐出口付近に設けられた空気吹出口から圧縮空気を吹き出すものであることを特徴とする請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄水の供給量、噴射される高圧の洗浄水の噴射角度又は噴射速度が前記ホッパーに投入される土壌の状態に応じて調整可能となっていることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項11】
前記圧縮空気を吹き付ける上下方向の角度、水平方向の角度、吹き付ける空気量又は圧縮空気の圧力が、前記ホッパーに投入される土壌の状態に応じて調整可能となっていることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置。
【請求項12】
地表面の走行及び有害物質で汚染された土壌をすくい取って搬送することができる土工用建設機械によって前記土壌の投入が可能な位置にホッパーを設け、
前記土工用建設機械の操縦者が、反射鏡を介して前記ホッパー内の土壌の状態を観察しながら、土壌を前記土工用建設機械によって直接に該ホッパー内に投入し、
該ホッパーから重力によってドラム型洗浄機に土壌を導入するともに、洗浄水を加えて土壌を洗浄し、
前記ドラム洗浄機から排出された土壌を重力によって振動篩上に搬送し、該振動篩によって篩い分け、
前記振動篩によって篩い分けられた土壌のそれぞれを重力によって搬送し、複数が設けられたうちの少なくとも一つは一部又は全部が地表面下となる位置に設置されているタンクにそれぞれ収容し、
前記タンク毎に収容された土壌を取り出し、次の工程を行うために搬送することを特徴とする汚染土壌の洗浄方法。
【請求項13】
前記ホッパー内には、洗浄水の供給と圧縮空気の吹き付けとのいずれか一方又は双方を行い、前記土壌のホッパー内への付着を抑制しながら前記土工用建設機械による土壌の投入を行うことを特徴とする請求項12に記載の汚染土壌の洗浄方法。
【請求項14】
前記土壌をホッパー内に投入するときに、前記洗浄水を該ホッパー内の壁面に流下させておき、該ホッパー内に土壌の付着が生じたときに洗浄水の高圧下での噴射又は圧縮空気の吹き付けを行うことを特徴とする請求項13に記載の汚染土壌の洗浄方法。
【請求項15】
前記ホッパー内に土壌の付着が生じて、該ホッパーの壁面に設けた吐出口が覆われ、前記ホッパー内の壁面に流下させる洗浄水の供給が阻害されるときに、壁面を流下する前記洗浄水の供給を停止した後、同じ吐出口から圧縮空気を吹き出すことによって吐出口上の土壌を除去し、再度ホッパー内の壁面に吐出口から所定量の洗浄水を流下させることができる状態に戻すことを特徴とする請求項14に記載の汚染土壌の洗浄方法。
【請求項16】
前記土工用建設機械によって前記ホッパー内に土壌を投入する工程は、該土工用建設機械の操縦者が、前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する操作をして該ホッパー内を視認し、該ホッパー内の状態を確認して行うことを特徴とする請求項12から請求項15までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、油や重金属等の有害物資で汚染された土壌を洗浄する洗浄装置及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガソリンスタンド周辺の市街地や工場跡地、射撃場等において、漏出油、有機溶剤又は重金属等で土壌が汚染していることが多く報告されるようになっている。このように土壌が有害物質で汚染されていると、地下水への混入や河川への流入が生じたり、土地の再利用に支障をきたすことがある。
このような汚染土壌の処理には、産業廃棄物として処分場に埋めて廃棄する方法、または汚染物質を焼却や洗浄によって取り除いて土壌を修復し、再利用する方法が一般的に採用されている。しかしながら、地中に埋めて廃棄する方法は、環境保全等の問題により処分場の確保が困難になってきており、また焼却する方法においては処理コストが高いという問題が生じている。このため、近年は、環境保全の面で優れ、低コストで処理が可能である洗浄方法を採用する例が多くなっている。
【0003】
一般的な汚染土壌の洗浄による浄化方法は、特許文献1または特許文献2に開示されるように、コンベヤ等で汚染土壌を搬送し、ドラム型洗浄機等に投入するともに加水して壊砕する。そして、水や洗浄剤等と一緒に混練して付着した汚染物質を土壌の粒子表面から剥離して水相に移し、その後分級して汚染物質を含む部分を分離処理する方法が多く採用されている。
【特許文献1】特開2005−28290号公報
【特許文献2】特開2004−261700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような汚染土壌の洗浄装置では、汚染土壌の搬送及び洗浄工程が能率良く進むように、土壌洗浄の各工程で使用する機械や機器は、工程順に高い位置から低い位置へと直列的に配置されている。したがって、最初の工程である土壌壊砕工程で使用する機器、つまり汚染土壌を投入するホッパーや土壌洗浄機は、洗浄装置の中では一番高い所に配置され、後の工程で使用する機器は、これらホッパーや土壌洗浄機よりも下方に順次設置される。このようにホッパーや土壌洗浄機が高い位置に設置されることとなるので、浄化しようとする土壌は最初に高い位置へ搬送しなければならず、コンベア等の運搬機械が必要となる。
また、上記のように汚染土壌をスラリー化して洗浄するまでの搬送経路が長くなっていると、シルトや粘土を多く含む土壌ではホッパーやコンベアに付着して洗浄経路の閉塞を起こし易くなり、円滑な洗浄処理を妨げる場合が生じる。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汚染された土壌の投入及び搬送を効率よく行うことができる汚染土壌の洗浄装置及び洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、 有害物質で汚染された土壌が投入されるホッパーと、 該ホッパーの下部に設けられた開口から前記土壌が導入され、該土壌に加水して洗浄するドラム型洗浄機と、 該ドラム型洗浄機から排出された土壌を分級する振動篩と、 該振動篩により分級された土壌を回収する複数のタンクと、を有し、 前記ホッパーは、地表面の走行及び土壌をすくい取って搬送することができる土工用建設機械により、前記土壌の投入が可能な位置に設けられ、 前記振動篩は、前記ドラム型洗浄機から排出され、重力により移送された洗浄後の土壌を篩い分けることができる位置に配置され、 前記複数のタンクは、前記振動篩を通過した土壌及び前記振動篩上に留まった土壌が重力によって移送され収容される位置に配置され、複数のタンクのうちの少なくとも一つは、一部又は全部が地表面下となる位置に設置されていることを特徴とする汚染土壌の洗浄装置を提供する。
【0007】
この汚染土壌の洗浄装置では、地表面を走行し土壌をすくい取って搬送する土工用建設機械、例えば油圧シャベル等により汚染土壌を直接ホッパーに投入することができるので、洗浄装置に導入するまでの搬送手段が簡略化される。これにより汚染土壌の投入の効率が向上し、費用を低減することが可能となる。
また、洗浄装置で使用するホッパー、ドラム型洗浄機、振動篩及びタンクが洗浄工程の順に高い所から低い所へ配置されているので、汚染土壌をその重力により移動させて次の工程で使用される機器に送り込むことができる。これにより、洗浄工程における土壌の移送を効率よく行うことができ、洗浄装置の維持・管理の費用も低減される。さらに、タンクを、一部又は全部が地表面下となるように配置することによって、最初に土壌を投入するホッパーの位置を低く設定することができ、土壌の投入を効率よく行うことが可能となる。
一方、汚染土壌を油圧シャベル等によって直接にホッパーへ投入することができるので、スラリー化するまでの土壌の搬送経路が短くなり、土壌にシルトや粘土を多く含む場合であっても、搬送経路に付着して円滑な搬送が阻害されるのを少なくすることができる。また、土壌の付着等を防止するように操業状態を管理することも容易となる。
なお、本発明は、上記振動篩が単一のものであっても良いし、篩目の大きさが異なる複数の振動篩を含むものであっても良い。複数の振動篩を用いることによってスラリーから分離する土壌を粒径に応じて複数の範囲に分級して取り出すことができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記土工用建設機械の操縦者による前記ホッパー内の視認を可能とする1又は2以上の反射鏡を備えるものとする。
【0009】
この汚染土壌の洗浄装置では、土工用建設機械の操縦者は反射鏡を介してホッパーの内部を視認することができ、ホッパー内の土壌の残留状態を認識することができる。したがって、操縦者が投入量や投入速度等を加減して過不足なく適切に汚染土壌を投入することができる。これにより、ホッパー内に過剰投入された土壌が固まったり、ドラム型洗浄機に投入される土壌が不足するのが防止され、洗浄処理を効率よく行うことが可能となる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記反射鏡は、鏡面の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つの変更が可能に支持されているものとする。
【0011】
土工用建設機械の走行によって操縦者が移動しても、この汚染土壌の洗浄装置に備えられた反射鏡の位置、上下方向の角度、そして水平方向へ旋回するときの方向角を変えて、上記操縦者がホッパーの土壌投入口や内部を見ることができ、汚染土壌の投入状況を正確に把握することができる。
なお、上記反射鏡は操縦者がホッパー内だけではなく、ホッパー付近に設けられた給水用の設備や振動篩上の状態を視認できるように調整されるものであっても良い。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記土工用建設機械の操縦者が該土工用建設機械の操縦席から操作することによって前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する反射鏡操作装置を有することを特徴とする請求項3に記載の汚染土壌の洗浄装置。
【0013】
この洗浄装置では、土工用建設機械の操縦者が、反射鏡を見ながら適切な位置及び角度に反射鏡を調整することができ、反射鏡の調整を効率よく適切におこなうことができる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記土工用建設機械の操縦者の位置情報に基づき、該操縦者が前記ホッパー内を視認できるように前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する反射鏡調整装置を有するものとする。
【0015】
この洗浄装置では、土工用建設機械の走行によって操縦者が移動したときに、この移動した位置に対応して鏡の位置及び角度等を迅速に調整され、常に操縦者がホッパー内の状態を視認することができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記ホッパー内に、洗浄水の供給と圧縮空気の吹きつけとのいずれか一方又は双方を行う土壌付着抑制手段を備えるものとする。
【0017】
上記土壌付着抑制手段は、土壌がホッパーに付着する前にドラム型洗浄機へ落下するように機能するものや、付着してしまった土壌をドラム型洗浄機へ送り出すように機能するものを含むものであり、双方の機能を有するものが望ましい。
この汚染土壌の洗浄装置では、ホッパーの汚染土壌の投入口付近もしくは内壁面に洗浄水を供給することによって、土壌の付着を防止することができる。また、上記洗浄水の供給とともに又は洗浄水の供給に代えて圧縮空気を供給し、その風圧で汚染土壌が投入口やホッパーの内壁面に膠着するのを防止することできる。
なお、上記ホッパー内に供給される洗浄水は、ホッパーの内面を洗浄するための洗浄水として用いられた後、土壌とともにドラム型洗浄機内に導入され、ここで土壌にさらに加えられる水とともに土壌の洗浄水として用いられるものである。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの内面に洗浄水を流下させるものとする。
【0019】
ホッパーの内面に洗浄水が供給され、内面に沿って洗浄水の流れが形成されている状態では、シルト又は粘土を多く含む土壌であってもホッパーの内面に付着し難くなり、付着しても流水によって流下させることができる。したがって、ホッパー内に土壌が付着して滞留するのが抑制される。
【0020】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの内面に向けて高圧の洗浄水を噴射するものとする。
【0021】
供給される洗浄水が高圧で吹き付けられることにより、ホッパーの内部に付着した土壌を剥離又は壊砕して流下させることができ、ホッパー内に付着して滞留する土壌を有効に除去することができる。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記洗浄水の供給は、前記ホッパーの壁面に設けられた吐出口から洗浄水を吐出し、該ホッパーの内面に流下させるものであり、 前記圧縮空気の吹き付けは、前記吐出口からの洗浄水の吐出を停止して、該吐出口から又は該吐出口付近に設けられた空気吹出口から圧縮空気を吹き出すものとする。
【0023】
この洗浄装置では、洗浄水の供給によってホッパー内に土壌が付着するのを有効に抑制するとともに、土壌の付着が生じた時、特に洗浄水の吐出口が土壌により覆われ、閉塞している時には、吐出口から圧縮空気を吹き出して付着した土壌を風圧で押し上げ、剥離して落下させることができる。
【0024】
請求項10に係る発明は、請求項6から請求項8までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記洗浄水の供給量、噴射される高圧の洗浄水の噴射角度又は噴射速度が前記ホッパーに投入される土壌の状態に応じて調整可能となっているものとする。
【0025】
請求項11に係る発明は、請求項6から請求項8までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄装置において、 前記圧縮空気を吹き付ける上下方向の角度、水平方向の角度、吹き付ける空気量又は圧縮空気の圧力が、前記ホッパーに投入される土壌の状態に応じて調整可能となっているものとする。
【0026】
この汚染土壌の洗浄装置では、ホッパー内に供給される洗浄水の量、高圧で噴射する角度、噴射速度又は噴射量を、土壌に含まれるシルト・粘土の割合や含水量に応じて調整することができる。これにより、土壌の付着を抑制し、付着が生じても適切に剥離してドラム型洗浄機に投入することができる。また、圧縮空気の吹き付け角度、吹き付ける角度、圧力等を調整することもでき、ホッパー内のいずれの位置に付着した土壌も剥離し、ホッパー内を良好な状態に維持することができる。
【0027】
請求項12に係る発明は、 地表面の走行及び有害物質で汚染された土壌をすくい取って搬送することができる土工用建設機械によって前記土壌の投入が可能な位置にホッパーを設け、 前記土工用建設機械の操縦者が、反射鏡を介して前記ホッパー内の土壌の状態を観察しながら、土壌を前記土工用建設機械によって直接に該ホッパー内に投入し、 該ホッパーから重力によってドラム型洗浄機に土壌を導入するともに、洗浄水を加えて土壌を洗浄し、 前記ドラム洗浄機から排出された土壌を重力によって振動篩上に搬送し、該振動篩によって篩い分け、 前記振動篩によって篩い分けられた土壌のそれぞれを重力によって搬送し、複数が設けられたうちの少なくとも一つは一部又は全部が地表面下となる位置に設置されているタンクにそれぞれ収容し、 前記タンク毎に収容された土壌を取り出し、次の工程を行うために搬送することを特徴とする汚染土壌の洗浄方法を提供するものである。
【0028】
この洗浄方法では、汚染土壌をホッパーに効率よく適切に投入することができるともに、洗浄工程、分級工程及び分級された土壌をタンクへ収容する工程を重力による移動によっておこなうことができ、簡単な装置で効率の良い処理が可能となる。
【0029】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の汚染土壌の洗浄方法において、 前記ホッパー内には、洗浄水の供給と圧縮空気の吹き付けとのいずれか一方又は双方を行い、前記土壌のホッパー内への付着を抑制しながら前記土工用建設機械による土壌の投入を行うものとする。
【0030】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の汚染土壌の洗浄方法において、 前記土壌をホッパー内に投入するときに、前記洗浄水を該ホッパー内の壁面に流下させておき、該ホッパー内に土壌の付着が生じたときに洗浄水の高圧下での噴射又は圧縮空気の吹き付けを行うものとする。
【0031】
上記洗浄方法では、土壌に含まれるシルト・粘土の割合や含水量が多い場合であっても土壌がホッパー内に付着するの有効に抑制し、付着が生じたときには効率よく土壌を剥離して、ドラム型洗浄機に投入することができる。
【0032】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の汚染土壌の洗浄方法において、 前記ホッパー内に土壌の付着が生じて、該ホッパーの壁面に設けた吐出口が覆われ、前記ホッパー内の壁面に流下させる洗浄水の供給が阻害されるときに、壁面を流下する前記洗浄水の供給を停止した後、同じ吐出口から圧縮空気を吹き出すことによって吐出口上の土壌を除去し、再度ホッパー内の壁面に吐出口から所定量の洗浄水を流下させることができる状態に戻す工程を含むものである。
【0033】
この洗浄方法では、土壌付着の抑制及び付着した土壌の剥離を簡単な設備で効率よくおこなうことができる。
【0034】
請求項16に係る発明は、請求項12から請求項15までのいずれかに記載の汚染土壌の洗浄方法において、 前記土工用建設機械によって前記ホッパー内に土壌を投入する工程は、該土工用建設機械の操縦者が、前記反射鏡の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の少なくとも一つを調整する操作をして該ホッパー内を視認し、該ホッパー内の状態を確認して行うものとする。
【0035】
この洗浄方法では、土工用建設機械の操縦者が、ホッパー内の状態を確認しながら効率よく適切に汚染土壌をホッパーに投入することができる。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、本願発明に係る汚染土壌の洗浄装置及び洗浄方法では、汚染土壌を土工用建設機械によって直接に洗浄装置へ投入することができるとともに、投入した後の洗浄工程において、土壌を重力による落下又は滑落によって移送することができ、効率の良い処理が可能となる。また、シルトや粘土の含有量の多い汚染土壌であっても装置への付着が防止され、安定して円滑な処理を行うことができるため、操業コスト管理が容易となる。さらに、従来よりも設備規模をコンパクト化することが可能なため、環境保護にも有益である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である汚染土壌の洗浄装置を示す概略構成図である。
この汚染土壌の洗浄装置1は、土工用建設機械である油圧シャベル2等から汚染土壌が投入されるホッパー3と、ホッパー3の下部開口3aと連接して配置され、ホッパー3から投入された汚染土壌を洗浄するドラム型洗浄機4と、汚染土壌と水とが混合された洗浄後の土壌(スラリー)を粗粒分と細粒分とに分離する湿式振動篩5と、この湿式振動篩5上に残った粗粒分を回収する第1のタンク6と、湿式振動篩5の網目を通過した細粒分を含んだスラリーを回収する第2のタンク7と、ホッパー3の土壌投入口付近及び内部を視認するための反射鏡8と、を有している。
【0038】
上記ホッパー3は、油圧シャベル2によってホッパー3の土壌投入口へ汚染土壌を直接投入できる高さ及び位置に配置されている。本実施の形態では、土壌投入口が地表面から約5mの高さの位置となっている。
上記ドラム型洗浄機4は、ホッパー3の下部開口3aから落下する土壌が円筒状の洗浄機内に導入されるように連結して配置されており、ホッパー3に投入された汚染土壌から量を調整して洗浄機内に導入するものとなっている。そして、収容された汚染土壌に洗浄水を加えて攪拌及び混合するものである。撹拌及び混合により、土壌塊が壊砕されてスラリー化し、さらに撹拌することによって汚染物質が汚染土壌から水相に移動する。
また、このドラム型洗浄機4は、撹拌及び混合されるスラリー状の土壌が重力により移動し、土壌排出口4aに向かって移動するように洗浄機内が傾斜するように配置されている。
【0039】
上記湿式振動篩5は、ドラム型洗浄機4から排出された土壌が重力によって移送される位置に設けられ、移送された土壌が篩5a上に投下されるものとなっている。そして、必要に応じて加水しながら加振し、細粒分を含むスラリーを篩下に分離するものである。篩5aを通過したスラリーは傾斜面5bに沿って流下し、第2のタンク7に投下されるものとなっている。篩5aの網目を通過しない粗粒分は、傾斜して支持された篩上を振動によって下方に搬送され、篩5a上から排出されて第1のタンク6に収容される。
本実施の形態では、網目が2mmの篩5aを用いたが、網目のサイズは汚染物資の種類や土壌の質等に応じて適宜に選択することができる。
【0040】
上記第1のタンク6は、上記のように篩5a上に残った粗粒分を収容するものであり、粗粒分はドラム型洗浄機によって付着していた汚染物質の多くが剥離されており、汚染濃度が低くなっている。一方、第2のタンク7は、篩5aの網目を通過した汚染物質の濃度が高いスラリーを収容するものである。この第1のタンク6及び第2のタンク7は、ともに地下に埋設されており、湿式振動篩5により分級された土壌をそれぞれ第1のタンク6及び第2のタンク7に重力によって投入することができるように湿式振動篩5の下方に配置されている。
【0041】
このように、この洗浄装置1で使用されるホッパー3、ドラム型洗浄機4、湿式振動篩5、第1のタンク6及び第2のタンク7は、ホッパー3に投入された土壌を順次重力によって次の工程に移送することができるように上方から下方へと工程順に配置されている。そして、第1のタンク6及び第2のタンク7を地下に埋設することにより、重力を利用して上方から下方に土壌を移送してもホッパーの位置を低く設定することができ、油圧シャベル等の自走する建設機械でホッパーへ直接に土壌を投入することが容易に行い得るものとなっている。
【0042】
上記反射鏡8は、図1が示すように、ホッパー3の土壌投入口付近の上部に2個が取り付けられており、これらの反射鏡8は、ホッパー3の土壌投入口付近、ホッパー3の内部、及びホッパーの下部開口部分を油圧シャベル2の操縦者が見ることができるように設けられている。この反射鏡8は、地表面から立ち上げられた支柱によって支持されるものであってもよいし、ホッパー3やドラム型洗浄機4を支持する架台に支持されるものであってもよい。また、ホッパー3やドラム型洗浄機4に支持されるものであってよい。
【0043】
この反射鏡8は、鏡面の位置、上下方向の角度及び水平方向の角度の調整が可能に設けられるのが望ましい。油圧シャベル等の建設機械は、地表面を走行移動するものであり、鏡面の角度及び位置の調整によって移動した何れの位置からもホッパー内を視認できるようにすることが可能となる。位置及び角度の調整は、作業者が手動によって行うものでもよいが、駆動装置を備えるものとし、油圧シャベル2の操縦者の手元に置かれた機器(図示せず)により、鏡面の方向や角度の変更を適宜に操作できるものとするのが望ましい。操縦者からの操作信号は有線によって伝達されるものでもよいが、電波・光等を用いて無線により操作できるものが望ましい。また、操縦者以外の監督者等による遠隔操作を可能とするものであっても良い。一方、油圧シャベル2の操縦者の位置を検出するセンサを備えるものとし、このセンサによって得られた位置情報に基づいて反射鏡8の鏡面の角度及び位置が調整されるものとすることにより、油圧シャベル2の操縦者は自ら反射鏡8を操作することなしに常にホッパー内の状態を良好に視認することが可能となる。
【0044】
上記ホッパー3の土壌投入口の周縁部には、図2に示すように、洗浄水を高圧で噴射する複数のノズル9が設けられている。このノズル9は高圧水をホッパー内の土壌が滑落する内壁面に向けて噴射するように設定され、図3に示すように噴射方向を所定の角度θの範囲内で旋回させるように回動が可能となっている。これにより、ホッパー3の内壁面に付着した土壌塊を軟化させ、ドラム型洗浄機4内に落とし込むことができる。また、高圧水の噴射方向を旋回させることにより、ホッパー内の広い範囲に高圧水を吹き付けることができ、効率よくホッパー内の土壌の付着を抑制することができる。
また、洗浄水を高圧で噴射するノズル9は、図4に示すように、ホッパー3の内壁面を貫通した送水管10に取り付けることもできる。
【0045】
ホッパー内に供給する洗浄水は、高圧で噴射するものに代えて、又は高圧で噴射するものとともに、ホッパー3の壁面を重力で流下するように供給しても良い。このように壁面を流下させる洗浄水は、高圧で噴射される洗浄水と同様にホッパーの上方から又は壁面を貫通して供給することができる。
図5は、壁面を流下するように洗浄水が供給されるホッパーの一例を示す平面図(a)及び側面図(b)である。
このホッパー30は、壁面に多数の開口31が形成され、ホッパー30の外側に配置された給水管32がそれぞれの開口31に連結されており、この開口31が洗浄水の吐出口となっている。これらの吐出口から供給された洗浄水はホッパーの壁面を継続的に流下している。このように、壁面に流水があることによって土壌が壁面に付着するのが抑制され、ホッパー内で土壌塊が壁面に付着した状態で滞留するのが抑制される。
【0046】
一方、ホッパー内へ洗浄水を供給するのに代えて、又は洗浄水の供給とともに、圧縮空気をホッパー内に向けて吹き付けることができる。この圧縮空気は、洗浄水を高圧で噴射するノズル9と同様に圧縮空気の吹出口をホッパー3の上縁付近又は壁面を貫通して設け、ホッパー内の土壌に対して圧縮空気を吹き付けるものとする。圧縮空気が吹き付けられる風圧により、土壌が付着するのを防止し、又は付着した土壌を剥離してドラム型洗浄機4に投下するのを促進することができる。
【0047】
また、圧縮空気に吹き出しは、例えば図5に示すようにホッパーの壁面に設けられた吐出口を利用することが考えられる。壁面に土壌が付着してしまったときに吐出口からの洗浄水の吐出を一旦停止し、給水管に圧縮空気が供給されるように切り換えて、吐出口から圧縮空気を吹き出す。これにより、ホッパーの壁面に付着していた土壌は、圧縮空気が吹き出すときの圧力によって押し上げられ、ホッパーの壁面から剥離されてドラム型洗浄機内に落下する。また、上記洗浄水の吐出口から吹き出すのに代えて、吐出口に並べて圧縮空気の吹出口を設け、この吹出口から吹き出しても良い。
【0048】
なお、ホッパー3に吐出口から供給される洗浄水の量やノズルから噴射される洗浄水の噴射角度、噴射速度又は噴射量等は調整可能とすることができ、土壌の状態、例えば土壌に含まれるシルト・粘土の割合や含水量に対応して、ホッパー内に付着し易い土壌のときには洗浄水の量を多く、若しくは噴射速度又は噴射量を大きく調整することができる。また、ホッパー3内に吹き付ける圧縮空気も、吹き付け角度、吹き付ける空気量又は圧縮空気の圧力を土壌の状態等に応じて調整することができ、上記吐出口から洗浄水に代えて吹き出す圧縮空気も圧力を調整することができる。さらに、洗浄水の吐出口、高圧の洗浄水を噴射するノズル、圧縮空気の噴射口の数は必要に応じて増減することができる。したがって、ホッパー3の下部開口付近3a等、形状によって付着しやすい位置に適切に洗浄水の吐出口又は圧縮空気の吹出口を設けたり、高圧の洗浄水の放射が適切に行われるようにノズルを設けるのが望ましい。
【0049】
このような汚染土壌の洗浄装置1では、以下のように汚染土壌の洗浄処理が行われる。
有害物資で汚染された土壌が油圧シャベル2で搬送され、地表面から約5mの高さの位置に設けられたホッパー3の土壌投入口に汚染土壌が直接投入される。油圧シャベル2は、図1に示すように適宜に形成された盛土の上からホッパー3内に土壌を投入することができる。土壌投入口は、油圧シャベル2の操縦者の目線よりも高い位置となることもあるが、操縦者は反射鏡8を介してホッパー3の土壌投入口や内部を視認し、土壌のドラム型洗浄機4への落下状態やホッパー3への付着状態を確認しながら投入量や投入速度を調整する。また、反射鏡8の鏡面の向きや角度が必要に応じて変更されることにより、操縦者は走行する油圧シャベル2上で移動しても常にホッパー内を視認することができる。したがって、ホッパー内に凝塊した土壌が滞留していないかを確認し、土壌が確実にドラム型洗浄機4内に落下するように調整しながら投入することができる。特に、シルトや粘度を多く含んだ土壌は付着しやすいので、随時確認しながら汚染土壌をホッパー3へ投入する。
【0050】
ホッパー内に土壌の凝塊、付着及び膠着等があり、土壌がドラム型洗浄機4の内部に落下せず滞留している場合は、洗浄水の供給口すなわちノズル9から洗浄水を射出させ、土壌を壊砕したり軟化させて、ドラム型洗浄機4に効率よく土壌を落下させる。このとき、ノズル9の向きを図3に示すように定期的に回動させて、ホッパー内の広い範囲で土壌の付着等が防止されるようにしてもよい。なお、ホッパー内の一部に土壌が付着して土壌をドラム型洗浄機4へ投入するのが妨げられているときには、土壌が付着した部分に向けて高圧の洗浄水が噴射されるようにノズル9の向きを操作してもよい。
また、圧縮空気についても同様に操作することによりホッパー内の土壌の付着を有効に防止する。
【0051】
このようにして、ホッパー3に投入された土壌がドラム型洗浄機4の内部に収容されると、さらに洗浄水が加えられ、攪拌されて汚染土壌と洗浄水とが混合される。そして、土壌塊が壊砕されてスラリー化するとともに、汚染物質が汚染土壌の粒子表面から水相に移動する。
【0052】
ドラム型洗浄機4により洗浄された土壌は、湿式振動篩5に移送される。篩5a上には必要に応じて給水管(図示しない)から洗浄水が噴射され、粗粒分の土壌粒子から細粒分の土壌粒子が洗い流され、粒径が2mm未満の土壌粒子と洗浄水の混合物(スラリー)が網目を通過し落下する。そして、傾斜面5bを滑落し、第2のタンク7に収容される。一方、粒径が2mm以上の粗粒分は網目上に残り、振動する篩5aが傾斜して配置されていることによって搬送される。そして、粗粒分は振動篩の端部から投下され、地表面下に設置されている第1のタンク6へ収容される。
【0053】
次に、本願発明に係る装置1を使用した効果確認試験について説明する。
シルト・粘土分が12%の鉛汚染土壌(汚染濃度:1000mg/kg)を、油圧シャベル2を用いて地表面から約5mの高さに設けられたホッパー3の土壌投入口へ投入した。このとき、ホッパー3の上部に設けられた反射鏡8を介してホッパー3内部の土壌の付着状態が確認でき、土壌の投入量および投入速度の調整を適切に行うことができた。
また、ホッパー3の土壌滑落壁面、下部開口3a付近に土壌が付着したり滞留することがあったが、洗浄水の射出及び圧縮空気の吹き付けによって、ホッパー3内部や下部開口3a付近に付着した土壌を洗い流すとともに、凝塊した土壌を壊砕することができ、ホッパー3に投入された土壌をドラム型洗浄機4の内部に効率よく落下させることが可能であった。
【0054】
その後、ドラム型洗浄機4内で土壌に加水し、6rpmの速度でドラム洗浄機4を回転させた。汚染土壌の投入開始後、約10分でドラム型洗浄機4から排出されたスラリーを2mmの網目を有する湿式振動篩5上に投下し、分級を行った。篩5a上の粗粒分と篩5aを通過したスラリーとは地表面下に設置された第1のタンク6及び第2のタンク7にそれぞれ円滑に収容することが可能であった。
上記の方法により継続して汚染土壌の洗浄処理を行ったが、土壌の移送に支障が生じることはなく、汚染土壌の洗浄処理を安定して行うことが可能であることが確認された。
【0055】
次に、ドラム型洗浄機による洗浄から湿式振動篩による分級及びタンクへの収容までの工程において汚染土壌を重力によって移送する従来の洗浄装置10を比較例として以下に説明する。
図6は比較例として用いた従来の汚染土壌の洗浄装置10を示す概略構成図である。
この装置では、洗浄後の土壌を回収するタンク16、17が地表面上に設置されているため、ドラム型洗浄機14は図1に示す洗浄装置より高所に設置されており、汚染土壌を投入するホッパー13がほぼ12mの高さに配置されている。したがって、油圧シャベル12等の土工用建設機械では高所に配置されているホッパー13へ汚染土壌を直接に投入することは困難であるため、ポットコンベア20を用いてホッパー13まで土壌を搬送し投入した。さらに、ポットコンベア20に土壌を供給するために汚染土壌が土工用建設機械等によって直接投入される下部ホッパー21を地上に設置する必要があった。
【0056】
この装置が備えるドラム型洗浄機14、湿式振動篩15、第1のタンク16及び第2のタンク17は、図1に示す本願発明の実施形態の洗浄装置と同じものが用いられている。そして第1のタンク16及び第2のタンク17が地表面上に設けられている点は相違するが、ドラム型洗浄機14と湿式振動篩15との相対的な位置関係、及び湿式振動篩15と第1及び第2のタンク16,17との相対的な位置関係は図1に示す実施形態と同じに設定されている。したがって、ホッパー13から第1のタンク16又は第2のタンク17に土壌を収容するまでの工程で、土壌を重力によって移送することが可能となっている。
なお、洗浄処理を行った汚染土壌は、初期汚染濃度が1000mg/kgの鉛汚染土壌であり、シルト・粘土分の含有量が5%〜10%であった。
【0057】
この洗浄装置では、油圧シャベル12等の自走する土工用建設機械を用いて下部ホッパー21に汚染土壌を投入する。この下部ホッパー21から土壌がポットコンベア20に供給され、上部のホッパー13に搬送される。このホッパー13からドラム型洗浄機14に土壌が投入され、図1に示す洗浄装置1を用いたときと同様に洗浄及び篩分け工程が行われ、第1のタンク16及び第2のタンクにそれぞれ粗粒分及び細流分が収容される。
【0058】
このような工程を継続して行ったところ、シルト・粘土分の含有量が5%〜8%程度の土壌については、円滑にドラム型洗浄機に供給された。しかし、シルト・粘土の含有量が10%の土壌では、土壌がポットコンベア20に徐々に付着し、この付着した土壌により操業開始2日目でポットコンベア20が運行不能となった。このため、洗浄装置の駆動を一旦停止し、ポットコンベア20の駆動装置等の清掃を行い、各所に付着した土壌を除去する必要が生じた。また、シルト・粘土分が10%の汚染土壌では、土壌をポットコンベア20に載せるために使用する下部ホッパー21の排出口で土壌が詰まり、回復作業が必要になった。
【0059】
以上の試験から分かるように、従来の汚染土壌の洗浄装置10を使用した場合は、汚染土壌にシルトや粘土分が10%程度以上含まれると、下部ホッパー21やポットコンベア20に土壌が付着し洗浄処理を停止させざるを得ない状況が多発し、継続した操業が困難となる場合が起こりやすい。
これに対し、本願発明に係る洗浄装置1では、土壌の付着がほとんどなく連続して洗浄処理を行うことができ、安定した操業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本願発明の一実施形態である汚染土壌の洗浄装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す洗浄装置で用いられるホッパー及びこのホッパー内に高圧の洗浄水を噴射するノズルを示す概略断面図である。
【図3】図2に示すノズルの動作を示す概略図である。
【図4】ホッパー内に洗浄水を噴射するノズルの他の例を示す概略断面図である。
【図5】ホッパー内の壁面に洗浄水を流下させる吐出口の配置の一例及びこれらの吐出口に洗浄水を供給する給水管を示す概略図である。
【図6】従来の汚染土壌の洗浄装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0061】
1,10:汚染土壌の洗浄装置、 2,12:油圧シャベル、 3,13:ホッパー、 4,14:ドラム型洗浄機、 5,15:湿式振動篩、 6,16:第1のタンク、 7,17:第2のタンク、 8:反射鏡、 9:ノズル、 10:送水管、
20:ポットコンベア、 21:下部ホッパー、 30:ホッパー、 31:吐出口となる開口、 32:給水管
【出願人】 【識別番号】594082501
【氏名又は名称】スミコンセルテック株式会社
【出願日】 平成18年12月27日(2006.12.27)
【代理人】 【識別番号】100096611
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 清

【識別番号】100098040
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 博之


【公開番号】 特開2008−161766(P2008−161766A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−351701(P2006−351701)