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【発明の名称】 土壌中の油の拡散防止方法及び土嚢
【発明者】 【氏名】石嶋 洋一

【氏名】庭本 克彦

【要約】 【課題】土壌が油で汚染された時に土壌を伝わって或いは地表を伝わって油が拡散又は流出することを防止する方法を提供する。

【構成】油汚染土壌中の油の拡散、流出を防止する為に、油吸着材と汚染の無い土壌を混合し、又は混合せずに交互に層状に一つの土嚢袋に詰め、その土嚢を油の拡散又は流出のおそれのある場所に設置し、設置した土嚢の上から汚染の無い土壌で埋め戻すことを特徴とする油拡散防止方法。内部に油分解微生物を内在させた油吸着材を混合した混合土及び土壌中の微生物によって分解されやすい植物などの生分解性材質を使用した土嚢袋を使用した土嚢が望ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を、油の拡散又は流出のおそれのある場所に設置し、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止することを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項2】
油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を、油の拡散又は流出のおそれのある場所に埋設し、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止することを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の方法において、上記土嚢中の油吸着剤と汚染の無い土壌とが層状に詰められていることを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の方法において、上記土嚢中の油吸着剤と汚染の無い土壌とが混合されて詰められていることを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載のいずれかの方法において、上記土嚢が土壌中の微生物により分解される生分解性材質の袋を用いていることを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5記載のいずれかの方法において、上記土嚢中の汚染の無い土壌として川砂を使用することを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6記載のいずれかの方法において、上記油吸着剤として吸着剤内部に油分解機能をもつ微生物を内在する基材を用いたことを特徴とする油拡散防止方法。
【請求項8】
汚染の無い土壌と油吸着剤とを袋の中に交互に層状に詰めたことを特徴とする油拡散防止用土嚢。
【請求項9】
汚染の無い土壌と油吸着剤とを混合し、該混合物を袋の中に詰めたことを特徴とする油拡散防止用土嚢。
【請求項10】
請求項8または請求項9記載の土嚢において、上記袋が土壌中の微生物により分解される生分解性の材質からなることを特徴とする油拡散防止用土嚢。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10記載のいずれかの土嚢において、上記汚染の無い土壌が川砂であることを特徴とする油拡散防止用土嚢。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11記載のいずれかの土嚢において、上記油吸着剤が油分解機能をもつ微生物を内在していることを特徴とする油拡散防止用土嚢。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は油で汚染された土壌において、油が地表や土中を伝って拡散することを防止するための拡散防止方法及びそれに使用するための土嚢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、冬季における暖房用重油のパイプ破損などの事故により重油が漏出した場合、鉱油の流出や土壌中への蓄積などにより周辺環境への影響が考えられる場合には、油の拡散や河川への流出を防止することが求められる。
このような近隣や河川への流出の緊急防止策として、従来は、油で汚染された土壌を全て掘削して産廃処分するのが一般的であった。この方法は、汚染した油を除去する方法として確実ではあるが、汚染土壌を焼却処分するなどその処理に要する費用の問題があるだけでなく、焼却に使用する燃料による過剰な炭酸ガスの発生など環境への悪影響が避けられず、さらに処理後の土壌は高温で加熱するために土壌としての再利用も困難になる。その上、産業廃棄物処分場の受け入れ容積の不足など社会問題に直面することにもなる。このため、土壌の入れ替えに代えて、安価で環境に優しく、しかも確実に油の汚染拡大を防止する技術が求められている。
【0003】
土壌中の油の拡散等を防止する方法としては、例えば、特開2003−340447号公報(特許文献1)には、油分により汚染された地下水の下流側に、油分吸着ゲル化材あるいはこれを含む層を壁状あるいは柱状に形成し、前記地下水を油分吸着ゲル化材に接触させることを特徴とする油分の不溶化処理方法が提案されている。
また、特開2002−1284号公報(特許文献2)には、油分汚染土壌に、まず油吸収材を添加し、続いて水溶性固化剤を添加することを特徴とする油分汚染土壌の処理方法が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1記載の方法では、油をゲル化材に接触させることにより拡散を防止するものであるが、設置状況によってはゲル化が十分に行なわれないおそれがあり、また、ゲル化された土壌中に残存する油分が再分解して溶出する可能性があるなどの点で問題がある。また、特許文献2記載の方法では、油分吸収剤(例えばアスファルト乳剤)を注入しながら混合し、続いて同様に水溶性固化剤(例えばセメントミルク)を不透水層11から地上面まで混合して、深層混合孔内の土壌と各薬剤とを混合する方法であるが、混合を十分に行なわない場合には汚染の拡散を防止できない恐れがある。
【特許文献1】特開2003−340447号公報
【特許文献2】特開2002−1284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2006年油汚染対策ガイドラインが環境省より告示され、鉱油の流出や土壌中への蓄積などにより周辺環境への影響が発覚した場合には、まず油の拡散や河川への流出を防止することが最優先となった。このため、安価でかつできるだけ迅速に土壌中の油の拡散を防止することができる油の拡散防止方法を実現することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願第1の発明は、油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を、油の拡散又は流出のおそれのある場所に設置することにより、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止することを特徴とする油の拡散防止方法である。本発明によれば、油で汚染された土壌を実質的に除去することなく、油の拡散を防止することができる。
本願第2の発明は、油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を、油の拡散又は流出のおそれのある場所に埋設することにより油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止することを特徴とする方法であり、設置した土嚢の上に汚染の無い土壌を埋め戻すことにより、油汚染のある場所と油汚染の無い場所の外観をほぼ同じ状態に戻すことができる。
本願第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明において、上記土嚢中の油吸着剤と汚染の無い土壌とが層状に詰められていることを特徴とする方法である。このように構成することにより、油の吸着が良好に行われるとともに、土嚢の変形量を少なくすることができる。
本願第4の発明は、上記第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、上記土嚢中に油吸着剤と汚染の無い土壌とをあらかじめ混合したものを詰めてあることを特徴とする方法である。このようにすることにより、油の吸着を良好に行うとともに、土嚢の変形量を少なくすることができる。
本願第5の発明は、上記第1の発明乃至第4の発明のいずれかの発明において、上記土嚢として、土壌中の微生物により分解される生分解性材質の袋を用いたものであることを特徴とする方法である。このようにすることにより、設置された土嚢若しくは汚染の無い土壌で覆うことにより埋め戻された土嚢は、袋が分解されて土壌と一体化される。
本願第6の発明は、上記第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明において、上記土嚢中の汚染の無い土壌として川砂を使用することを特徴とする方法である。このように構成することにより、土嚢中への油の浸透・吸収が一層良好に行われる。
本願第7の発明は、上記第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明において、上記油吸着剤として吸着剤内部に油分解機能をもつ微生物を内在する基材を用いたことを特徴とする方法である。油分解機能を有する油吸着剤としては、綿の廃材を基材として使用し、これに油分解機能を有する微生物を内在させたものが知られているが、このような油吸着剤を使用することにより、吸着した油を分解することにより油の拡散を防止するだけでなく土壌の浄化をも行なうことができる。
【0007】
本願第8の発明は、汚染の無い土壌と油吸着剤とを袋の中に層状に詰めたことを特徴とする土嚢であり、特に、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止するための拡散防止方法に適したものである。
本願第9の発明は、汚染の無い土壌と油吸着剤とを混合し、該混合物を袋の中に詰めたことを特徴とする土嚢であり、特に、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止するための拡散防止方法に適したものである。
本願第10の発明は、上記第8の発明または第9の発明において、上記袋が土壌中の微生物により分解される生分解性の材質からなることを特徴とするものであり、土壌中に埋設された土嚢の袋が徐々に分解されて土壌の一部となり、実質的に土壌のみを埋め戻したような状態に復元することができる。
本願第11の発明は、上記第8の発明乃至第10の発明のいずれかの発明において、上記汚染の無い土壌が川砂であることを特徴とするものである。川砂を使用することにより土嚢中へ油が浸透しやすくなり、しかも水が浸透しても砂が固化して油の拡散防止の効果がより早く実現できる。
本願第12の発明は、上記第8の発明乃至第11の発明のいずれかの発明において、上記油吸着剤が油分解機能をもつ微生物を内在していることを特徴とする土嚢である。内在する微生物は吸着した油を分解し無害化する。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、土壌の中で拡散,移動,または流出しようとする油は、土嚢中の油吸着材に吸着され、汚染場所よりも下流側への拡散や移動又は流出が阻止される。また、油拡散防止に使用した全ての材料をそのまま土中に残存することも可能であり、更には、望ましい材料等を選択することによって、最終的に土壌中には土壌以外なにも残らないようにすることも可能であり、環境に極めて優しい工法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明は、油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を、油の拡散又は流出のおそれのある場所に設置することにより、油汚染土壌中の油の拡散及び流出を防止することを特徴とする油の拡散防止方法である。すなわち、油汚染土壌中の油の拡散、移動又は流出を防止するために、汚染の無い土壌(土または砂など)と油吸着剤を混合したものをポリエチレンや麻の土嚢袋に詰めて油の拡散又は流出のおそれのある場所に設置することを特徴とする油拡散防止方法である。この場合の設置場所は、土壌中ばかりでなく地表でも有効である。土嚢を設置するためには、まず、油で汚染された土壌の周辺における油の流路又は拡散の方向を見定めて、拡散のおそれのある部分に溝を掘ることが必要であるが、その深さは、通常、油が浸透しにくいような地層、例えば粘土層などに達するまでの深さまで堀り下げられる。この溝の中に、油吸着剤と汚染の無い土壌を詰めた土嚢を設置することにより、拡散,移動又は流出しようとする油は土嚢袋の中の油吸着材に吸着され、それより下流側への拡散,移動又は流出が阻止することができる。
本願発明において、溝の中に設置された土嚢は、そのままの状態であっても良いが、設置した土嚢を汚染の無い土壌で覆い隠すようにして埋め戻すことにより、周囲の環境を早く復元することができる。
【0010】
本願発明において、土嚢中の油吸着剤と汚染の無い土壌とは、層状に詰められていることが好ましい。この場合、油吸着剤の層と汚染の無い土壌の層とは、それぞれ少なくとも一層以上存在すれば良い。層状に詰め込むことにより、良好に油を吸着できるとともに土嚢の変形を少なくすることができる。また、本願発明において、油吸着剤と汚染の無い土壌とをあらかじめ混合して、この混合物を土嚢中に詰めても良い。この場合には、油の吸着性能は層状に詰めた場合よりも劣るが、土嚢の変形量が少ないため、埋め戻したときの表層土の沈下が少ないという利点がある。
また、本発明において,油吸着剤と汚染の無い土壌とを混合したものと、汚染の無い土壌とを層状に詰めた土嚢を使用しても良く、更には,油吸着剤と汚染の無い土壌とを混合したものと、油吸着剤と、汚染の無い土壌とを適宜層状に詰めた土嚢を使用することもできる。
【0011】
また、本願発明において、上記土嚢としては、土壌中の微生物により分解される生分解性材質の袋を用いたものを使用することが好ましい。すなわち、土嚢袋には土壌中に天然に生息する徴生物によって分解される生分解性の材質,例えば麻などの天然植物性繊維からなる材質を使用するのが良い。しかし、特にこれらの機能を持たない材質であっても、本発明の機能が損なわれないことは言うまでもない。
このような土嚢を使用することにより、埋設した土嚢は袋が微生物により分解され土壌の一部となり、実質的に土壌のみとなる。
本願発明において、上記土嚢中の汚染の無い土壌としては、川砂を使用することが好ましい。川砂を使用することにより、通常の土を使用する場合に比し、土嚢中への油の浸透及び吸収が良好になるとともに、水を吸収することにより一層土壌を固化できる。
【0012】
更に、本願発明において、上記油吸着剤としては、吸着剤内部に油分解機能をもつ微生物を内在する基材を用いたものを使用することが望ましい。すなわち、油の吸着材としては、油分解機能を持つ微生物を基材に内在させ、吸着した油を内在する微生物が分解すると共に、その基材自体も土壌中に天然に生息する微生物によって分解される性質をもつ、いわゆる生分解性のものが選択されることが望ましい。油分解機能を有する油吸着剤として、例えば、綿の廃材を基材として使用し、これに油分解機能を有する微生物を内在させたものがあるが、このような油吸着剤を使用することにより、油を吸着保持するだけではなく、吸着した油を分解することができるため、油の拡散を防止するとともに土壌の浄化も行うことができる。
本発明によれば、油拡散防止に使用した全ての材料はそのまま土中に残存するか、又は望ましい材料を選択することによって最終的に土壌の一部に変化し、土壌中には土壌以外なにも残らず、環境には極めて優しい工法といえる。
【0013】
以上,詳述したように、本願発明は油吸着材を土や砂と混合した混合土壌を詰めた土嚢を作ること、さらにその土嚢を油で汚染された土壌の周辺における油の流路又は拡散のおそれのある部分に溝を掘るなどして、その中に埋設又は地表に積み上げることで油の拡散、移動又は流出を防止するものである。土壌中の又は土壌表面の油は流出又は拡散等移動する際に前述の土嚢内に吸着され封じ込められ、以後の移動は完全に阻止される。土嚢内に封じ込められた油はいずれ土壌中の油分解微生物などにより、炭酸ガスと水に分解される。土嚢袋が麻袋など生分解性の材質の場合は袋自体も土中の微生物により分解されて土壌に還元される。また、油吸着材として生分解性の材料を使用すればこの材料も天然に土中に生息する微生物により、時間をかけて土壌に還元される。
この発明による方法では、土壌を掘り上げて処分場まで運搬したり、焼却したりする必要がまったくなく、しかも麻袋や油吸着材に生分解性のものを使用すれば、油のみならず土嚢も、その中味もいずれは全て土壌に還元され、後には土だけしか残らず極めて環境に優しい方法といえる。
尚、麻袋の代わりにポリエチレンなど合成樹脂の袋を使用するか、油吸着材として生分解性以外の材料を使用しても本発明の油拡散防止は達成できるが、その場合、油は土中の微生物によって分解されても、袋や吸着材は分解されずに土の中に残ることになる。
以下、本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本願発明がこれら実施例に限定されるものでないことは言うまでも無い。
【実施例1】
【0014】
図1および図2は、本発明の一実施例を説明するための概略図であり、図1は断面図,図2は上面図である。まず、油吸着材と汚染の無い土壌を重量比で1対1から1対5の割合で混合し、この混合土壌を河川堤防の補強などに使用される袋に適量封入して土嚢1を準備した。封入する量は袋の大きさに応じて加減したが、通常、袋の大きさの半分ぐらいが適量である。袋の口は紐などでは結ばずに、袋の余分な部分を折り返して蓋をした。なお、積み上げるときに土壌を入れた袋の形状がある程度自由に変形できるように加減をした。これは土嚢1を所定の場所に、所定の高さに積み上げたときに、できるだけ隣同士を密着させて、空隙ができないようにするためである。
次に、油で汚染された土壌2の周辺の矢印5で示す油の拡散方向の下流側に、土嚢1を設置するための溝を掘る。土嚢袋1を積み上げる位置は、土中の油がそれ以上浸透しない深さ、例えば粘土質など油の浸透しにくい土質が露出する部分4を底とし、油汚染の認められる範囲2全体に亘って、混合土壌を詰めた土嚢袋の長さ又はその整数倍以上の幅の溝を作り、その中に、地中に汚染が認められる位置を全てカバーできる深さまで土嚢を積み上げる。なお、地表に積み上げる場合には、油が土嚢袋の上を乗り越えない程度の高さまで積めばよい。
混合土壌はそれだけでも油を吸着することができるが、本発明においては、土嚢袋を使用することにより、必要な場所に、必要な数だけ設置でき、しかも他の場所で予め土嚢を準備してから必要な場所に運搬することができる。
【実施例2】
【0015】
冬季暖房用の重油タンクの送油パイプが破損し、そこから重油が流出し、土壌を汚染した。近くに河川があり、重油が土壌中を伝わって移動し、河川に流出する懸念が生じた。直ちに汚染地点と河川の間に深さ約1メートル、幅約60センチメートルの溝を長さ30メートルにわたって掘り、この溝に、幅約35センチメートル、長さ約45センチメートル、厚さ約20センチメートルの土嚢を溝全長にわたり3段ずつ積み上げた。1個の土嚢には川砂を主体とした土壌約20キログラム、植物性の油吸着材約10キログラムを混合した混合土壌を詰めた。袋の余剰部分は混合土を詰めた後折り返して蓋をし、積み上げの際にできるだけ形を整えて隙間ができないようにした。溝の中に土嚢袋を積み上げた後、油汚染の無い土壌で溝を埋め、重機で地表を均一に転圧した。この工事により、河川への油の流出は完全に防護され、1年経過した後でも土嚢を埋め込んだ溝の外側の土壌への油汚染はまったく見られていない。
【実施例3】
【0016】
機械加工工場の地下に約25年にわたって機械油が浸透していた。この油が地下を経由して工場内幅6メートルの道路を隔てた敷地外に流出した。この油の流出を防止するために道路部分を掘削し、地下2mから1メートルの深さの範囲に、土壌に微生物を内在させた油吸着材を混合して詰めた土嚢袋を高さ方向に約5段ずつ2列に積み上げた。土嚢を積んだ後は油汚染の無い土壌を埋め戻し、転圧し道路を復旧した。道路の敷地境界側にはモニター用の観測井戸を設置して、地下水への油の油膜の有無を観測しているが、半年経過した後でも地下水への油の混入はまったく認められていない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
油の土壌中での拡散を防止する方法として極めて有効で、実施例にも示したとおり、100%油を遮断することが可能である。産業的にも有用かつ容易に利用でき、油の流出事故の際や工場等長期にわたって蓄積した油の流出防止にも即座に対応が可能である。しかも環境に新たな負荷を与えない点でも優れた方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
土壌を掘削して土嚢袋を設置した状況を示す。
【図1】本願発明の一実施例に係る土嚢設置状況を示す概略説明断面図。
【図2】本願発明の一実施例に係る土嚢設置状況を示す概略説明平面図。
【符号の説明】
【0019】
1:油拡散防止用の土嚢袋
2:油汚染土壌
3:汚染されていない土壌
4:汚染の無い底面
5:油の拡散・流出方向
GL:地表面
【出願人】 【識別番号】501040369
【氏名又は名称】株式会社バイオ・ジェネシス・テクノロジー・ジャパン
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−68244(P2008−68244A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−276922(P2006−276922)