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【発明の名称】 地下水制御管理システム
【発明者】 【氏名】堀口 寿彦

【氏名】村尾 建治

【要約】 【課題】地下水の流れる方向を継続的に制御することができ、また、対象敷地内の汚染された水などが、対象敷地の外部へと流出することを長期に亘って防止することが可能な地下水制御管理システムを提供する。

【構成】汚染土壌3を有する対象敷地内1に複数の観測井戸20及び揚水井戸22を設け、これらの井戸に設けられた水圧検出センサー21で各井戸の水位を検出させ、検出した水位に基づいて、制御処理手段31が水中ポンプ23の駆動制御を行い、揚水井戸22の水位を複数の観測井戸20のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように制御する。これにより、揚水井戸22の設けられた方向に、汚染土壌3に含まれる汚染された地下水の流れを発生させ、この地下水が対象敷地1と隣接する土壌に漏れ出すことを防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象敷地内に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記対象敷地内に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたことを特徴とする地下水制御管理システム。
【請求項2】
汚染土壌若しくはその近傍に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記汚染土壌に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の汚染水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の汚染水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたことを特徴とする地下水制御管理システム。
【請求項3】
前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸に設けた前記検出センサーにより検出された各井戸の水位データを格納する記憶装置と、前記記憶装置に格納された水位データを表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の地下水制御管理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌などを有する対象敷地の地下水を効率的に管理することが可能な地下水制御管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から汚染地では、汚染された土壌の水分が敷地外へと流れ出てしまうケースが問題となっている。こうした汚染された敷地内の土壌の浄化及び汚染の拡散防止にあたり、近年、種々の手段が採られている。特許文献1においては、汚染物質により汚染された汚染土壌領域を遮水壁で囲み、汚染土壌領域の水分を汚染物質と共に外部に吸い出している状態で、遮水壁に形成した地下水流入口から遮水壁内に地下水を取り込むことで、汚染土壌の浄化を行なう汚染土壌の浄化方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−94032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1においては、汚染物質により汚染された汚染土壌領域に地下水を取り込んで、汚染土壌内の水位を短期間で上昇させ、汚染土壌中に含まれる汚染物質の溶解を促進し、汚染物質により汚染された土壌を浄化することは可能ではあるものの、地下水の水位の上下コントロールが難しく、例えば人手により水位のコントロールをするとなると、熟練性や多大な労力が必要となる。
【0005】
また、工場などを有する敷地内又は特定エリアにおいて、地下水の汚染処理、この処理で浄化された水の有効利用、あるいはこれらの調査を行うにあたり、地下水の流れる方向(以下、流向と称す。)、流速、動水勾配を自然環境の変化に委ねるのではなく管理する必要がある。これらは、雨、雪、その他の自然条件や,隣接地の地下水利用などの人為的な条件の変化に対し、隣接地域に汚水が漏れ出さないことを考慮し、常に地下水の流れが隣接地域に漏れ出さないよう地下水の流向を適切にコントロールし続ける必要がある。
【0006】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、第一の目的は、地下水の流れる方向を継続的に制御することであり、第二の目的は、汚染土壌などを有する対象敷地内の汚染された水などが、外部へと流出することを長期亘って防止することが可能な地下水制御管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の地下水制御管理システムは、対象敷地内に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記対象敷地内に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の構成によれば、対象敷地内に設けた複数の観測井戸及び揚水井戸の水位を、各井戸に設けられた検出センサーで検出させ、検出された各井戸の水位に基づいて、制御処理手段がポンプの駆動制御を行い、揚水井戸の水位を複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように揚水井戸内の水を排出する。これにより、制御処理手段が、揚水井戸の水位を全ての観測井戸の水位より低く且つ一定になるよう、継続的に且つ一元的に監視制御することとなり、揚水井戸の水位を各観測井戸の水位より低くすることで、対象敷地内に含まれた地下水は、この地下水の水位より低い揚水井戸に継続的に集水され、地下水の流れる方向を所定方向(集水方向)にコントロールし続けることができる。
【0009】
請求項2の地下水制御管理システムは、汚染土壌若しくはその近傍に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記汚染土壌に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の汚染水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の汚染水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の構成によれば、汚染土壌若しくはその近傍に設けた複数の観測井戸及び揚水井戸の水位を、各井戸に設けられた検出センサーで検出させ、検出された各井戸の水位に基づいて、制御処理手段がポンプの駆動制御を行い、揚水井戸の水位を複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように揚水井戸内の水を排出する。これにより、制御処理手段が、揚水井戸の水位を全ての観測井戸の水位より低く且つ一定になるよう、継続的に且つ一元的に監視制御することとなり、揚水井戸の水位を各観測井戸の水位より低くすることで、汚染土壌に含まれた地下水は、この地下水の水位より低い揚水井戸に継続的に集水され、地下水の流れる方向を所定方向(集水方向)にコントロールし続けることができる。さらに、汚染土壌に含まれた汚染水が、汚染土壌に設けた揚水井戸に向かって集水されるので、汚染土壌の外部に汚染水が漏れ出すことを防止することができる。
【0011】
請求項3の地下水制御管理システムは、請求項1又は2記載の地下水制御管理システムにおいて、前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸に設けた前記検出センサーにより検出された各井戸の水位データを格納する記憶装置と、該記憶装置に格納された水位データを表示する表示装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の構成によれば、記憶装置に格納された複数の観測井戸及び前記揚水井戸内の水位データを表示装置に表示することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の地下水制御管理システムによれば、対象敷地内に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記対象敷地内に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の検出された水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたものである。これにより、揚水井戸の水位を全ての観測井戸の水位より低く且つ一定になるよう、制御処理手段に一元的且つ継続的に監視制御させることができ、地下水の流れが所定方向になるよう、長期に亘って自動的にリアルタイムで管理することができる。
【0014】
請求項2の地下水制御管理システムによれば、汚染土壌若しくはその近傍に設けた複数の観測井戸と、該観測井戸の水位を検出する検出センサーと、前記汚染土壌に設けた揚水井戸と、該揚水井戸の水位を検出する検出センサーと、前記揚水井戸内に設けられると共に該揚水井戸内の汚染水を排出するポンプとを備え、前記複数の観測井戸内及び前記揚水井戸内の汚染水の水位をそれぞれの井戸に設けた検出センサーで検出させ、該検出センサーにより検出された前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸の検出された水位に基づき、前記揚水井戸の水位を前記複数の観測井戸のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、前記揚水井戸内の汚染水を前記ポンプで排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段を備えたものである。これにより、揚水井戸の水位を全ての観測井戸の水位より低く且つ一定になるよう、制御処理手段により一元的且つ継続的に監視制御させることができ、汚染土壌に含まれた地下水の流れが所定方向になるよう、長期に亘って自動的にリアルタイムで管理することができる。
【0015】
請求項3の地下水制御管理システムによれば、請求項1又は2記載の地下水制御管理システムにおいて、前記複数の観測井戸及び前記揚水井戸に設けた前記検出センサーにより検出された各井戸の水位データを格納する記憶装置と、該記憶装置に格納された水位データを表示する表示装置を備えたので、表示装置で複数の観測井戸及び揚水井戸の水位を視覚化して表示することが可能となり、地下水制御管理システムを管理するオペレータなどは、各井戸の水位を表示装置を一目することで簡単に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図3に基づき説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0017】
図1は水処理施設を有する工場が対象敷地内に設置された状態を示す配置図、図2は水処理施設を有する工場が矩形状の対象敷地内に設置された状態を示す縦断面図、図3は対象敷地内に備えられた地下水制御管理システムの概略構成を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、矩形状の対象敷地1に有する汚染土壌3の下部には不透水層たる不透水地層4を有している。
【0019】
対象敷地1の地上には、汚染された水を浄化するための水処理施設5の設置された工場6、事務所7、貯蔵タンク8、倉庫9等が配置されている。
【0020】
対象敷地内の内側周縁部であって且つその4箇所の隅部となる汚染土壌3の近傍には、観測井戸20がそれぞれに設けられており、これら観測井戸20の内部には、各観測井戸20の水位を水圧に基づき検出する水圧検出センサー21が設けられている。
【0021】
22は、対象敷地1内の略中央に設けられた揚水井戸であり、この揚水井戸22内に設けた水中ポンプ23により汚染土壌3に含まれる汚染された地下水が、集水されるようになっている。なお、揚水井戸22と観測井戸20のそれぞれとの間隔はほぼ同じ距離となっており、図1及び図2に示す矢印は、水中ポンプ23を駆動することで揚水井戸22に集水される汚染土壌3内の地下水流の流れ方向を示したものであり、図2に示す一点鎖線は、対象敷地1内の地下水位(以下、水位と称す。)を示している。
【0022】
次に、揚水井戸22の水位を各観測井戸20の水位より低く且つ一定に保つための地下水制御管理システム30について以下に説明する。
【0023】
図3に示すように、地下水制御管理システム30は、揚水井戸22の近傍に設置されると共に、マイコンを構成する制御処理手段31、この制御処理手段31から出力された信号に基づき水中ポンプ23の駆動制御を行う水中ポンプ制御部32、複数の観測井戸20内の各々に設けた水圧検出センサー21、揚水井戸22内に設けた水中ポンプ23、揚水井戸22の水位を水圧に基づき検出する水圧検出センサー21、揚水井戸22内の水枯れ等を検出する渇水センサー34、水中ポンプ23で汲み上げられた揚水井戸22内の水を配管35を介して水処理施設5に供給される際の排水量を計測する流量計36などで構成されている。なお、流量計36及び各井戸に設けられた水圧検出センサー21は、制御処理手段31と信号の入出力可能な接続ケーブル37にて接続されており、渇水センサー34及び水中ポンプ23も同様に、水中ポンプ制御部32と接続ケーブル37で接続されている。
【0024】
制御処理手段31は、複数の観測井戸20及び揚水井戸22に設置された各水圧検出センサー21から出力される水位データを、制御処理手段31に構成された記憶装置38に格納し、記憶装置38に格納される全ての井戸、すなわち観測井戸20及び揚水井戸22の水位をリアルタイムに監視して、観測井戸20のそれぞれの水位より、揚水井戸22の水位が低くなるように、制御処理手段31が水中ポンプ制御部32を介して揚水井戸22の水位を自動的に駆動制御するものである。なお、記憶装置38に格納される検出された前記水位に基づく各井戸(複数の観測井戸20及び揚水井戸22)の測定値などの水位データは、制御処理手段31が液晶モニター装置40などの表示装置に、測定値のみの一覧形式やグラフで表示させることも可能となっていて、地下水制御管理システム30のオペレータなどは、液晶モニター装置40に表示された全ての井戸の測定値などを一目して確認できるようになっている。
【0025】
次に、地下水制御管理システムの動作例について以下に説明する。先ず、オペレータが地下水制御管理システム30を所定の操作で稼動させると、制御処理手段31から、各観測井戸20と揚水井戸22内の水圧検出センサー21に動作指示信号が出力され、各観測井戸20及び揚水井戸22の水位の検出及び測定がなされると共に、制御処理手段31は検出された水位の変化をリアルタイムで継続的に監視する。このような監視状態において、例えば、揚水井戸22の水位が、前記各観測井戸20の水位より高ければ、制御処理手段31は水中ポンプ制御部32を介して水中ポンプ23を駆動させ、揚水井戸22内の汚染された水を配管35を介して工場6内の水処理施設5へと排出することで、対象敷地1の外部から、汚染土壌3内に設けた揚水井戸22に向かう水の流れ(図1及び図2に示す矢印方向)を一定方向になるように発生させ、揚水井戸22内の水位を対象敷地内1に設けた観測井戸20のそれぞれの水位より低く保ち、尚且つ、制御処理手段31が、揚水井戸22の水位が一定になるように、水中ポンプ23の駆動制御を行うことで、全ての観測井戸20の水位より揚水井戸22の水位を低く且つ一定になるように継続的に保つ。よって、汚水土壌3に含まれる地下水の流向を、揚水井戸22に向かう所望の方向に継続的に長期に亘って保つことができる。なお、前述した揚水井戸22から排出された汚染水は、工場6に設けられた水処理施設5により浄化処理が行われるようになっており、また、揚水井戸22が渇水状態にある時は、渇水センサー34が、揚水井戸22内の渇水状態を検出し、この検出信号が水中ポンプ制御部32で検出されると、水中ポンプ制御部32は、出力された出力信号に基づき揚水井戸22内の水中ポンプ23を即座に停止することで、水中ポンプが故障することを回避することができる。
【0026】
以上のように本実施例における地下水制御管理システム30によれば、汚染土壌3、対象敷地1、或いはこれらの近傍などに設けた複数の観測井戸20と、揚水井戸22の水位を、それぞれの井戸に設けた水圧検出センサー21で検出させ、水圧検出センサー21により検出された複数の観測井戸20及び揚水井戸22の水位に基づき、揚水井戸22の水位を複数の観測井戸20のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように、揚水井戸22内の水を水中ポンプ23で排出する駆動制御を、自動的に行う制御処理手段31を備えたので、汚染土壌3を有する対象敷地1内などに設けた複数の観測井戸20及び揚水井戸22の水位を、各井戸に設けられた水圧検出センサー21で検出させ、検出された各井戸の水位に基づいて、制御処理手段31が水中ポンプの駆動制御を行い、揚水井戸22の水位を複数の観測井戸20のそれぞれの水位より低く且つ一定になるように揚水井戸22内の水を排出するので、制御処理手段31が、揚水井戸22の水位を全ての観測井戸20の水位より低く且つ一定になるよう、継続的に且つ一元的に監視制御することとなり、揚水井戸22の水位を各観測井戸20の水位より低くすることで、対象敷地1内に含まれた地下水は、この地下水の水位より低い揚水井戸22に継続的に集水され、地下水の流れる方向を所定方向(地下水が揚水井戸22に集水される方向)にコントロールし続けることができる。これにより、揚水井戸22の水位を全ての観測井戸20の水位より低く且つ一定になるよう、制御処理手段31に一元的且つ継続的に監視制御させることができ、地下水の流れが所定方向になるよう、長期に亘って自動的にリアルタイムで管理することができる。さらに、汚染土壌3に含まれた汚染水が、汚染土壌3に設けた揚水井戸22に向かって集水されるので、汚染土壌3に含まれた汚染水が、汚染土壌3の外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0027】
さらに、複数の観測井戸20及び揚水井戸22に設けた水圧検出センサー21により検出された各井戸の水位データを格納する記憶装置38と、記憶装置38に格納された水位データを表示する表示装置たる液晶モニター装置40を備えたので、複数の観測井戸20及び揚水井戸22内の水位データを液晶モニター装置40に表示することができ、例えば、地下水制御管理システム30を管理するオペレータなどは、各井戸の水位を液晶モニター装置40を一目することで簡単に確認することができる。
【0028】
さらに、汚染土壌3内の汚染された地下水を、揚水井戸22に設けた水中ポンプ23で排出することで、汚染土壌3の汚染を稀釈化し浄化することができる。
【0029】
さらに、水中ポンプ23が駆動されることで、揚水井戸22の汚染された水が排出されるのに伴い、汚染土壌3内の地下水に負圧が生じ、汚染土壌3と隣接する外部の土壌などから、汚染土壌3内へと、地下水が吸引されて取り込まれる。従って、汚染土壌3の汚染された地下水が、汚染土壌3と隣接する外部の土壌へと漏れ出すことを可及的に防止することができる。
【0030】
さらに、降雨等による自然環境の変化に伴う地下水状況の変化に影響されずに、汚染土壌3などの流向を、制御処理手段31が自動的にコントロールし、地下水の流れる方向の制御を継続的に行わせることにより、工場6などを有する対象敷地1内からその外部へと、汚染土壌3内の汚染された水が排出される影響を長期に亘って排除することができるので、汚染土壌を有する工場敷地などに隣接する周辺地域に汚染された水の流出に伴う地下水汚染の拡散防止及び浄化をすることができ、且つ雨または渇水により汚染土壌3を有する対象敷地1の周辺の水位に変動が生じた場合でも,対象敷地1内の地下水の流向などを自動的に長期に亘って保つことができる。
【0031】
以上本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例の揚水井戸22は単独のものであったが、これに限らず、揚水井戸22が汚染土壌3に複数有する場合であってもよく、その場合には、制御処理手段31が、前述した複数観測井戸20及び複数の揚水井戸22の水位を一元的に管理する。また、対象敷地1の周縁部の4隅に、水圧検出センサー21を有する観測井戸20を設けた一例で説明したが、これに限らず、汚染土壌3やこの汚染土壌3の近傍などに観測井戸20を設けたり、汚染土壌3内の汚染濃度の高い汚染源の近傍に観測井戸20を設置するなど、その設ける位置は適宜選定してもよく、その場合においても前述した作用効果を奏することは言うまでもない。さらに、地下水制御管理システム30は、地下水の流動状況を局部的に任意にコントロールすることができるため、揚水試験場等における特定の地下水状態を維持する必要のある地下水調査にも利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】水処理施設を有する工場が対象敷地内に設置された状態を示す配置図である。
【図2】同上、水処理施設を有する工場が矩形状の対象敷地内に設置された状態を示す縦断面図である。
【図3】同上、対象敷地内に備えられた地下水制御管理システムの概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 対象敷地
20 観測井戸
21 水圧検出センサー(検出センサー)
22 揚水井戸
23 水中ポンプ(ポンプ)
30 地下水制御管理システム
31 制御処理手段
38 記憶装置
40 液晶モニター装置(表示装置)
【出願人】 【識別番号】593181672
【氏名又は名称】株式会社村尾技建
【出願日】 平成18年9月8日(2006.9.8)
【代理人】 【識別番号】100091694
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 守


【公開番号】 特開2008−62206(P2008−62206A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244766(P2006−244766)