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【発明の名称】 汚染土壌の加熱浄化装置
【発明者】 【氏名】蓬莱 秀人

【要約】 【課題】ダイオキシン等を含む汚染土壌をも好適に加熱浄化処理できる汚染土壌の加熱浄化装置を提供する。

【構成】内周壁に耐火材を施工した加熱処理キルン1と、加熱土壌を一時貯蔵するストックビン12と、加熱処理キルン1の排ガスを高温で所定時間滞留させる酸化分解炉14と、冷却塔18と、バグフィルター19とを配設する。そして、加熱処理キルン1でダイオキシンを含む汚染土壌を約1800℃の高温で加熱してダイオキシンを揮発、熱分解させてガス化する。また約600℃程度に加熱した土壌をストックビン12にて貯蔵して曝気を行って残留するダイオキシンをガス化して離脱させる。これらガス化したダイオキシンを酸化分解炉14で加熱分解する。酸化分解炉14からの排ガスは冷却塔18にて急冷させてダイオキシンの再析出を押さえ、バグフィルター19にて排ガス中の微細分を除去する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周壁に耐火材を施工して汚染土壌を高温で加熱浄化処理できる加熱処理キルンと、該加熱処理キルンの排出側に加熱土壌を一時貯蔵するストックビンと、該加熱処理キルンの排ガスを所定温度で所定時間滞留させてガス化した汚染物質を加熱分解させる酸化分解炉と、該酸化分解炉の下流に排ガス温度を低下させる冷却塔と、冷却塔の下流に集塵機であるバグフィルターとを備えたことを特徴とする汚染土壌の加熱浄化装置。
【請求項2】
前記ストックビンを加熱処理キルンの排出側下位に配設してキルンから排出される加熱土壌を直接受け入れるようにすると共に、ストックビンの上位に酸化分解炉を搭載したことを特徴とする請求項1記載の汚染土壌の加熱浄化装置。
【請求項3】
バグフィルターの入口側に活性炭を混入した消石灰を吹き込む消石灰供給装置を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の汚染土壌の加熱浄化装置。
【請求項4】
酸化分解炉の出口温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した酸化分解炉出口温度がガス化した汚染物質を加熱分解させる所定温度に維持されるように加熱処理キルンのバーナ燃焼量を制御するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の汚染土壌の加熱浄化装置。
【請求項5】
加熱処理キルンからの排出土壌の温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した排出土壌温度が設定した温度に維持されるように加熱処理キルンの回転数を制御するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の汚染土壌の加熱浄化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、軽質油、重質油、VOC(揮発性有機化合物)に加えて、ダイオキシン、PCBなどの汚染物質を含んだ汚染土壌をも加熱して浄化処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業活動に伴って各事業所の敷地内やその周辺地域の土壌が油等の汚染物質の廃液によって汚染され、その土壌の地下を流れる地下水にまで汚染が及んでいるといったことが取り沙汰されて問題となっている。このように汚染された土壌を浄化処理する一方法として、加熱用ロータリーキルンを利用して土壌中にしみ込んでいる揮発性有機化合物を揮発・分解させて浄化処理を行っている。そして、灯油、軽質油に加えて、特許文献1記載の汚染土壌浄化処理装置では汚染土壌の加熱時に生成される有害物質である硫黄酸化物や塩化水素に対して消石灰を添加して中和させることで重質油、マシン油、VOCなども処理できるようにしている。
【特許文献1】特開2005−169327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記装置では、灯油、軽質油、重質油、マシン油、VOCを含んだ汚染土壌を浄化処理できるが、ダイオキシンやPCBなどを浄化処理するには適していない。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、ダイオキシン等を含む汚染土壌をも好適に加熱浄化処理できる汚染土壌の加熱浄化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1記載の汚染土壌の加熱浄化装置にあっては、内周壁に耐火材を施工して汚染土壌を高温で加熱浄化処理できる加熱処理キルンと、該加熱処理キルンの排出側に加熱土壌を一時貯蔵するストックビンと、該加熱処理キルンの排ガスを所定温度で所定時間滞留させてガス化した汚染物質を加熱分解させる酸化分解炉と、該酸化分解炉の下流に排ガス温度を低下させる冷却塔と、冷却塔の下流に集塵機であるバグフィルターとを備えたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の汚染土壌の加熱浄化装置にあっては、前記ストックビンを加熱処理キルンの排出側下位に配設してキルンから排出される加熱土壌を直接受け入れるようにすると共に、ストックビンの上位に酸化分解炉を搭載したことを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の汚染土壌の加熱浄化装置にあっては、バグフィルターの入口側に活性炭を混入した消石灰を吹き込む消石灰供給装置を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の汚染土壌の加熱浄化装置にあっては、酸化分解炉の出口温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した酸化分解炉出口温度がガス化した汚染物質を加熱分解させる所定温度に維持されるように加熱処理キルンのバーナ燃焼量を制御するように構成したことを特徴としている。
【0009】
更に、請求項5記載の汚染土壌の加熱浄化装置にあっては、加熱処理キルンからの排出土壌の温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した排出土壌温度が設定した温度に維持されるように加熱処理キルンの回転数を制御するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る請求項1記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、内周壁に耐火材を施工して汚染土壌を高温で加熱浄化処理できる加熱処理キルンと、該加熱処理キルンの排出側に加熱土壌を一時貯蔵するストックビンと、該加熱処理キルンの排ガスを所定温度で所定時間滞留させてガス化した汚染物質を加熱分解させる酸化分解炉と、該酸化分解炉の下流に排ガス温度を低下させる冷却塔と、冷却塔の下流に集塵機であるバグフィルターとを備えたので、耐火材を施工した加熱処理キルンでダイオキシンを含む汚染土壌を高温で加熱でき、土壌中のダイオキシンを揮発、熱分解させてガス化して浄化できると共に、ストックビンで加熱土壌を一時貯蔵して曝気を行って土壌中に残留する微量のダイオキシンもガス化させて離脱させることができる。更に、これらガス化させたダイオキシンを酸化分解炉にて高温排ガス雰囲気中に所定時間さらすことで加熱分解でき、また酸化分解炉を通過した排ガスを冷却塔にて急冷させてダイオキシンの再析出を押さえることができるなど、ダイオキシン等を含む汚染土壌をも好適に浄化処理できる。
【0011】
本発明に係る請求項2記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、前記ストックビンを加熱処理キルンの排出側下位に配設してキルンから排出される加熱土壌を直接受け入れるようにすると共に、ストックビンの上位に酸化分解炉を搭載したので、ストックビン内にてガス化した汚染物質も上昇してそのまま酸化分解炉内へと導かれて加熱分解処理できると共に、装置を立体的に積み上げることでコンパクト化できて好ましい。
【0012】
本発明に係る請求項3記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、バグフィルターの入口側に活性炭を混入した消石灰を吹き込む消石灰供給装置を備えたので、活性炭を混入した消石灰をバグフィルターのろ布表面に被覆させて排ガス中のダイオキシンを活性炭で吸着除去できると共に、排ガス中の酸性ガス(Sox、HCL)を中和することができ、ダイオキシン等を含む汚染土壌をも好適に浄化処理できる。
【0013】
本発明に係る請求項4記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、酸化分解炉の出口温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した酸化分解炉出口温度がガス化した汚染物質を加熱分解させる所定温度に維持されるように加熱処理キルンのバーナ燃焼量を制御するように構成したので、排ガスに随伴するガス化した汚染物質を酸化分解炉内で確実に加熱分解できる。
【0014】
本発明に係る請求項5記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、加熱処理キルンからの排出土壌の温度を温度計測器にて逐次測定し、測定した排出土壌温度が設定した温度に維持されるように加熱処理キルンの回転数を制御するように構成したので、加熱処理キルン内で汚染土壌を所望の温度に加熱できて確実に浄化処理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る請求項1記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、汚染土壌に含まれるダイオキシンを効果的に浄化処理できるように、内周壁に耐火材を施工し、例えば約1800℃程度の高温にも耐えうる加熱処理キルンを配設する。また、加熱処理キルンの排出側には加熱土壌を一時貯蔵するストックビンを配設すると共に、加熱処理キルンから導出される排ガスを例えば約2秒程度滞留させ、かつ排ガス温度を約800℃程度に維持させることによって、排ガスにてガス化した汚染物質を加熱分解させる酸化分解炉を配設する。また、酸化分解炉の下流には高温の排ガス温度を、例えば180℃程度まで急冷させる冷却塔を配設すると共に、冷却塔の下流には集塵機であるバグフィルターを配設する。
【0016】
そして、加熱処理キルンのバーナを燃焼させながらダイオキシンを含む汚染土壌をキルン内に投入すると、汚染土壌がキルン内を転動流下する間に約1800℃程度の高温雰囲気にさらされ、土壌温度が約300〜400℃程度に達すると土壌中のダイオキシンが揮発並びに熱分解してガス化する。この土壌をそのまま加熱し続けて約600℃前後まで昇温させてからストックビンへと投入して貯蔵する。ストックビンにおいて約600℃の加熱土壌をしばらく貯蔵、例えば約1時間程度貯蔵して曝気を行うことで土壌中に残留する微量のダイオキシンをもガス化させる。
【0017】
前記加熱処理キルンから導出される排ガス及びストックビンにてガス化したダイオキシンを酸化分解炉へと導き、酸化分解炉内で約800℃の排ガスに約2秒程度さらすことで、排ガス中に存在するガス化したダイオキシン、及びストックビンにてガス化したダイオキシンを加熱分解させる。続いて、酸化分解炉を通過した排ガスを冷却塔へと導き、約180℃程度まで急冷させてダイオキシンの再析出を押さえた後、バグフィルターにて排ガス中の微細分を除去する。
【0018】
このように、内周壁に耐火材を施工した加熱処理キルン、加熱土壌を一時貯蔵するストックビン、加熱処理キルンの排ガスにてガス化した汚染物質を加熱分解させる酸化分解炉、冷却塔、バグフィルターを備えた浄化装置によって、ダイオキシンなどを含む汚染土壌をも好適に浄化処理できる。
【0019】
また、本発明に係る請求項2記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、加熱処理キルンの排出側下位にストックビンを配設してキルンから排出される加熱土壌を直接受け入れるようにすると共に、ストックビンの上位に酸化分解炉を搭載する。これによって、ストックビン内にてガス化した汚染物質が上昇してそのまま酸化分解炉内へと導かれて加熱分解処理でき、また装置もコンパクト化できる。
【0020】
また、本発明に係る請求項3記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、活性炭を混入した消石灰を貯蔵する消石灰貯蔵ビン、所定量の消石灰を切り出すスクリューフィーダー及びバグフィルターの入口側に消石灰を吹き込むブロア等より成る消石灰供給装置を備える。そして、活性炭を混入した消石灰をバグフィルター19の入口側に吹き込んでろ布に被覆させる。これによって、排ガス中のダイオキシンを活性炭に吸着させて除去できると共に、排ガス中の酸性ガス(Sox、HCL)を中和することができ、ダイオキシン、重質油、VOC等を含む汚染土壌をも好適に浄化処理できる。
【0021】
また、本発明に係る請求項4記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、酸化分解炉の出口温度を測定する温度計測器を設置する。そして、前記温度計測器によって酸化分解炉の出口温度を計測して燃焼量調整器に取り込み、ガス化した汚染物質を加熱分解できる設定温度、例えば約800℃程度と比較し、その差値量に基づいて加熱処理キルンのバーナ燃焼量を制御する。これによって、排ガスに随伴するガス化した汚染物質を酸化分解炉内で確実に加熱分解できる。
【0022】
また、本発明に係る請求項5記載の汚染土壌の加熱浄化装置によれば、加熱処理キルンからの排出土壌の温度を測定する温度計測器を設置する。そして、前記温度計測器によって排出土壌の温度を計測し、該計測値を回転数調整器に取り込み、予め設定した排出土壌温度と比較し、その差値量に基づいて加熱処理キルンの回転数を制御する。このとき、加熱処理キルンの回転数を上げるとキルン内での土壌の滞留時間が短くなって排出土壌の温度が下降し、これと逆に回転数を下げるとキルン内での土壌の滞留時間が長くなって排出土壌の温度が上昇する。このように、加熱処理キルンからの排出土壌の温度をコントロールすることによって、汚染物質を加熱浄化するに最適な状況を維持することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1中の1は、汚染土壌を加熱浄化する加熱処理キルンであって、例えば約1800℃程度の高温雰囲気にも耐えうるように内周壁に耐火材を施工したドラム2を機台3上に回転自在に傾斜支持し、可変速自在の駆動モーター4によって所定の速度で回転させるようにしている。そして、ドラム2の一端部の投入ホッパ5側に配設したバーナ6よりドラム2内に火炎を形成して熱風を送り込む一方、汚染土壌貯留ホッパ7から払い出される汚染土壌をコンベヤ8、9を介してドラム2内に投入して汚染土壌を高温雰囲気にさらし、汚染土壌中の汚染物質を揮発または熱分解させて浄化している。
【0025】
前記加熱処理キルン1の土壌排出側には、排出土壌温度を測定する温度計測器10を備え、該温度計測器10にて測定した計測値は回転数調整器11に取り込まれ、予め設定した排出土壌温度と比較し、その差値量に基づいてキルン1の駆動モーター4の回転数が制御され、排出土壌温度が設定温度を維持するようにしている。なお、キルン1の回転数を上げるとキルン内での土壌の滞留時間が短くなって排出土壌の温度が下降し、回転数を下げるとキルン内での土壌の滞留時間が長くなって排出土壌の温度が上昇する。
【0026】
また、加熱処理キルン1の排出側下位には、加熱された土壌を一時貯蔵可能としたストックビン12を配設しており、該ストックビン12内に加熱土壌を一時貯蔵することで曝気を行って土壌中に残留する微量の汚染物質をガス化させて離脱除去するようにしている。そして浄化した土壌は搬送手段13にて後述する土壌冷却手段に供給される。
【0027】
前記ストックビン12の上位には、加熱処理キルン1の排ガスを導入して所定時間、例えば約2秒程度滞留させ、排ガス中の汚染物質を高温、例えば800℃程度の排ガス雰囲気にさらして加熱分解させる酸化分解炉14を搭載している。該酸化分解炉14の出口の排気煙道15には排ガス温度を測定する温度計測器16を備え、該温度計測器16にて測定した計測値を燃焼量調整器17に取り込んで予め設定した排ガス設定温度と比較し、その差値量に基づいてバーナ6の燃焼量を制御して酸化分解炉14の出口の排ガス温度を一定に維持するようにしている。
【0028】
前記酸化分解炉14の下流には、高温の排ガスを冷却するための水冷式の冷却塔18を配設し、排ガスに対し水を噴霧してガス温度を約180℃程度まで急冷させるようにしており、これによってダイオキシンの再析出も押さえることができる。
【0029】
冷却塔18の下流には、集塵機であるバグフィルター19を配設する一方、重質油やVOCの加熱浄化過程にて生成される有害物質である硫黄酸化物や塩化水素を中和するための消石灰を貯蔵する消石灰貯蔵ビン20を配設し、所定量の消石灰を切り出すスクリューフィーダー21や排気煙道15内に消石灰を吹き込むブロア(図示せず)等より成る消石灰供給装置を備え、該消石灰供給装置によって消石灰をバグフィルター19の入口側の排気煙道15内に適宜量吹き込み、バグフィルター19内で硫黄酸化物や塩化水素を中和させるようにしている。なお、消石灰に活性炭を混入し、バグフィルター19に吹き込んでろ布に被覆させると、排ガス中のダイオキシンを活性炭に吸着させて除去できる。
【0030】
バグフィルター19の下流には、排ガスを吸引排気する排風機22が配設され、バーナ6から加熱処理キルン1内に供給する燃焼ガスを過不足なしに吸引するために、投入ホッパ5の隅部にて検出する静圧がほぼ大気圧程度となるように排気煙道15内の風量調整ダンパー(図示せず)の開度または排風機の回転数を制御して吸引量調整を行っている。そして、排風機22を通過した排ガスは煙突23から大気中に放出される。
【0031】
なお、煙突23には、硫黄酸化物および/または塩化水素の濃度を測定するための濃度計測器(図示せず)を配設し、該濃度計測器による計測値が所定値以下となるように消石灰供給装置のスクリューフィーダー21の駆動モータの回転数をコントロールし、必要な消石灰量を排気煙道15内に吹き込んで排ガス中の硫黄酸化物や塩化水素を中和させるようにしても良い。
【0032】
また、前記ストックビン12に貯蔵した土壌は高温であり、これを冷却して取り扱いやすいようにするための土壌冷却装置24を配設している。土壌冷却装置24は、例えば、ロータリーキルン方式のものを採用し、内部に掻き上げ羽根を周設した円筒状のドラム25を機台26上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させる。
【0033】
前記ドラム25の一端には投入ホッパ27を、他端には排出ホッパ28を配設し、加熱土壌を投入ホッパ27側から投入し、掻き上げ羽根によって掻き上げながら排出ホッパ28側へと移動させる間に、投入側に配設した水噴射ノズル29から噴射する水によって加熱土壌を冷却すると共に、埃が出にくい程度に含水率を高めて取り扱いやすい状態にしている。
【0034】
また、土壌冷却装置24にて発生する埃や水蒸気は、排気ダクト30の末端に配設した排風機31によって吸引排気し、飛散するダストを捕捉するためのバグフィルター32を経由して煙突23より大気中に放出するようにしている。
【0035】
次に、上記加熱浄化装置によってダイオキシンを含む汚染土壌を浄化処理する場合について説明する。浄化処理する場合には、先ず、排風機22にて吸引排気しながら加熱処理キルン1のバーナ6を燃焼させ、例えば約1800℃程度の燃焼ガスをキルン1内に供給する一方、汚染土壌貯留ホッパ7内の汚染土壌をコンベヤ8、9によってキルン1内に供給して加熱する。
【0036】
このとき、酸化分解炉14の出口ガス温度を温度センサー16にて逐次計測し、燃焼量調整器17にて設定したダイオキシンを加熱分解できる温度、例えば約800℃程度となるようにバーナ6の燃焼量をコントロールする。また、冷却塔18にて水を噴射して排ガス温度をダイオキシンが再析出しない約180℃程度まで急冷させるようにコントロールする。また、キルン1から排出される土壌は、排出土壌の温度を温度センサー10にて計測し、例えば約600℃程度となるように、回転数調整器11を介して駆動モータ4の回転数を制御してキルン1の回転数をコントロールする。
【0037】
加熱処理キルン1内に供給された汚染土壌は、約300〜400℃に加熱されると土壌中のダイオキシンが揮発並びに熱分解してガス化する。この土壌をそのまま加熱し続けて約600℃前後に昇温させてからキルン1出口のストックビン12へと投入して貯蔵する。ストックビン12において約600℃前後の加熱土壌をしばらく、例えば約1時間程度貯蔵して曝気を行うことによって土壌中に残留する微量のダイオキシンをガス化させて離脱させる。
【0038】
加熱処理キルン1内及びストックビン12にてガス化したダイオキシンは排ガスに随伴して酸化分解炉14へと導かれ、酸化分解炉14内で約800℃の排ガスに約2秒程度さらされることで、ガス化したダイオキシンが加熱分解される。続いて、酸化分解炉14から導出される排ガスは冷却塔18へと導かれ、約180℃程度まで急冷させてダイオキシンの再析出を押さえた後、バグフィルター19へと導かれる。
【0039】
バグフィルター19の手前では消石灰供給装置にて活性炭を混入した消石灰を吹き込んでバグフィルター19のろ布表面に被覆させておき、排ガス中のダイオキシンを活性炭で吸着する。また、土壌中に重質油を含んでいると加熱過程で硫黄成分により硫黄酸化物が生成され、またVOCを含んでいると酸化分解及び熱分解する過程でホスゲンが生成し、これに水蒸気を添加することで加水分解によって塩化水素が生成されることとなるので、これら排ガス中の酸性ガス(Sox、HCL等)を消石灰にて中和する。そして、バグフィルター19にて消石灰、活性炭、及びダスト微粒分を除去して清浄となったガスを煙突23から大気中へと放出する。なお、バグフィルター19にて捕捉回収される消石灰等は特別産業廃棄物として処分される。
【0040】
なお、上記では消石灰貯蔵ビン20に貯蔵される消石灰をスクリューフィーダー21にて予め設定した量を切り出して供給するようにしたが、煙突23にて硫黄酸化物および/または塩化水素の濃度を計測して計測した濃度が所定値以下となるように、スクリューフィーダー21の駆動モータの回転数をコントロールしても良い。
【0041】
また、ストックビン12に貯蔵された加熱土壌は、高温であるため取り扱いやすい温度まで冷却するために土壌冷却装置24に供給される。土壌冷却装置24に供給された土壌は、ドラム25内を転動流下する間に水噴霧ノズル29から水を噴霧されて冷却され、取り扱いやすい状態になって排出ホッパ28から排出され、コンベヤ33によって適宜場所に搬送されて山積みとした後に処理される。前記水噴霧ノズル29から噴霧する水量は、供給する土壌の量と温度等を考慮しながら最適な水量を決定して噴霧するようにすると、加湿過多による付着や詰まりを防止できると共に、加湿不足による粉塵の発生も極力少なくできる。また、ドラム25内にて発生する埃や水蒸気は排風機31によって吸引排気されて下流のバグフィルター32へと導かれ、埃が捕捉された後に煙突23より排気される。
【0042】
このように、内周壁に耐火材を施工した加熱処理キルン1、加熱土壌を一時貯蔵するストックビン12、加熱処理キルン1の排ガスにてガス化したダイオキシンを燃焼分解させる酸化分解炉14、冷却塔18、バグフィルター19、更には活性炭を混入した消石灰を吹き込む消石灰供給装置を備えることによって、ダイオキシンを含む汚染土壌を浄化処理できると共に、軽質油、重質油、VOC(揮発性有機化合物)、PCBなどを含む汚染土壌をこの浄化装置にて浄化処理できる。
【0043】
なお、前記実施例においては、ストックビン12を加熱処理キルン1の排出側下位に配設してキルン1から排出される加熱土壌を直接受け入れるようにすると共に、ストックビン12の上位に酸化分解炉14を搭載する立体的構造としたが、何らこの構造に限定するものでなく、ストックビンを離れて設置してキルン1から排出される加熱土壌を垂直搬送装置にて搬送するようにしても良いなど、適宜の設計変更は可能である。
【0044】
また、加熱処理キルン1にて汚染土壌を加熱する温度は、ダイオキシンを含んでいれば約600℃程度が好ましいが、軽質油、重質油、VOC(揮発性有機化合物)、PCBなど土壌に含まれる汚染物質に応じて加熱浄化するに好ましい温度を適宜設定すると良いものである。また、汚染土壌中にダイオキシンを含まずに重質油、VOCを含んだ汚染土壌であれば、活性炭を混入しない消石灰のみをバグフィルター19に吹き込むようにすると良い。このように、本加熱浄化装置では、ダイオキシンだけでなく、軽質油、重質油、VOC(揮発性有機化合物)、PCBなどの汚染物質を含んだ汚染土壌をも好適に加熱浄化処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る汚染土壌の加熱浄化装置の一実施例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1…加熱処理キルン 6…バーナ
7…汚染土壌貯留ホッパ 10…温度センサー
11…回転数調整器 12…ストックビン
14…酸化分解炉 16…温度センサー
17…燃焼量調整器 18…冷却塔
19…バグフィルター 20…消石灰貯蔵ビン
21…スクリューフィーダー(消石灰供給装置)
24…土壌冷却装置
【出願人】 【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−62168(P2008−62168A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242149(P2006−242149)