トップ :: B 処理操作 運輸 :: B09 固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生

【発明の名称】 曝気装置
【発明者】 【氏名】吉 田 宏

【氏名】上 沢 進

【氏名】土 屋 勉

【要約】 【課題】汚染物質が空気と接触する機会が多く、且つ、汚染物質と空気とが接触している時間を長くすることが出来て、しかも、処理能力が高い曝気装置の提供。

【構成】複数本のスライム搬送用配管(152)と、同一個所(Px)で複数本のスライム搬送用配管(152)と合流している高圧エア配管(151)とを有しており、スライム搬送用配管(152)の各々は曝気槽(5)底部近傍に連通しスライム搬送装置(154)が介装されており、高圧エア配管(151)はエア供給装置(153)に連通しており、高圧エア配管(151)の曝気槽(5)側の端部は、曝気槽(5)内のスライムが貯留している領域上方の空間内にスライムと空気との混合流を噴射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曝気槽及びスライム噴射装置を備えており、スライム噴射装置は、複数本のスライム搬送用配管と、同一個所で複数本のスライム搬送用配管と合流している流体用配管とを有しており、複数本のスライム搬送用配管の各々は曝気槽底部近傍に連通しており且つスライム搬送装置が介装されており、流体用配管は流体供給装置に連通しており、流体用配管の曝気槽側の端部は、曝気槽内のスライムが貯留している領域上方の空間内にスライムを含む混合流を噴射する様に構成されていることを特徴する曝気装置。
【請求項2】
曝気槽内のスライムが貯留する領域にスライムの混合手段を設けた請求項1の曝気装置。
【請求項3】
密閉容器状の曝気槽と、曝気槽の底部近傍に配置されたスライム噴射装置と、スライム噴射装置近傍に配置された高圧エア噴射装置とを有し、スライム噴射装置はスライムを鉛直方向上方へ噴射する様に構成され、高圧エア装置は高圧エアを鉛直方向上方へ噴射する様に構成されていることを特徴とする曝気装置。
【請求項4】
密閉容器状の曝気槽と、曝気槽の底部近傍に配置され且つ高圧エア噴射装置が形成された高圧エア供給装置と、曝気槽の天井部近傍に配置され且つスライム噴射装置が形成されたスライム供給装置とを備え、高圧エア噴射装置は高圧エアを鉛直方向上方へ噴射する様に構成されており、スライム噴射装置はスライムを鉛直方向下方へ噴射する様に構成されており、高圧エア供給装置とスライム供給装置とが相互に反対の方向へ回転する様に構成されていることを特徴とする曝気装置。
【請求項5】
密閉容器状の曝気槽と、曝気槽の底部近傍に配置された高圧エア噴射装置と、曝気槽の天井部近傍に配置され且つスライム噴射装置が形成されたスライム供給装置とを備え、高圧エア噴射装置はタンクの内壁に沿って螺旋状に旋回して流れる高圧エア噴流を噴射する様に構成されており、スライム噴射装置は回転しつつスライムを鉛直方向下方へ噴射する様に構成されていることを特徴とする曝気装置。
【請求項6】
密閉容器状の曝気槽と、曝気槽の底部近傍に配置された高圧エア噴射装置と、曝気槽の天井部近傍に配置され且つスライムと高圧エアの混合物を噴射する噴射装置が形成された管状の噴射装置とを備え、高圧エア噴射装置はタンクの内壁に沿って螺旋状に旋回して流れる高圧エア噴流を噴射する様に構成されており、管状の噴射装置は曝気槽の横断面中心から偏寄した位置に配置されていることを特徴とする曝気装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、曝気装置に関する。より詳細には、本発明は、汚染された土壌から汚染物質を除去することに適合した曝気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の土壌浄化工法では、浄化しようとする領域の汚染土壌を、全て掘り起す場合が多い。掘り起された汚染土壌は、処理施設に送られる。処理施設に送られた汚染土壌は、化学的処理、物理的処理が加えられ、汚染物質が除去される。
【0003】
しかし、係る方法では、浄化しようとする領域の汚染土壌を掘り起こす段階で、汚染土壌中の汚染物質が、周囲の環境に拡散してしまう可能性が存在する。
また、掘り返した汚染土壌を掘り起こす必要が無く、しかも、汚染土壌が存在する領域の近傍で汚染物質を除去、処理することが可能な汚染土壌浄化技術が望まれていた。
【0004】
従来技術において、いわゆる交差噴流を用いて汚染土壌を切削し、施工領域を高精度で決定し、充填材料の数量を正確に把握することを可能ならしめる技術が提案されている(特許文献1)。
しかし、係る従来技術は、汚染土壌を原位置に留めたまま、汚染物質を土壌から除去する旨は、開示されていない。
また、交差噴流を用いて切削する際に発生するスライムや気体中に包含される汚染物質の処理についても、何等開示するものではない。
【0005】
本発明者は、土壌に包含される汚染物質が、揮発性物質(VOC)である場合には、噴流を用いて切削する際に発生するスライムを曝気装置へ供給することにより、スライムからVOCが良好に分離されることに着目した。
しかし、従来の曝気装置は下水道に貯留する汚泥等の処理を目的としたものであり、好気性微生物を活性化して有機性の汚物を分解するための構成となっている。換言すれば、従来の曝気装置は、汚染された土壌の浄化を対象としておらず、そのため、汚染された土壌のスライムの曝気処理には適していない。
具体的には、従来の曝気装置では、汚染物質が空気と接触する機会が少なく、また、汚染物質と空気とが接触している時間も短い。それに関連して、曝気処理能力が、極めて低い。
【0006】
例えば、油分により汚染された土壌の浄化に曝気装置を用いる従来技術も存在する(例えば、特許文献2参照)。
しかし、係る従来技術で使用される曝気装置自体は、従来の汚泥処理用の装置であり、上述した様な問題を解決するものではない。
【特許文献1】特開2003−159584号公報
【特許文献2】特開2005−279423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、汚染物質が空気と接触する機会が多く、且つ、汚染物質と空気とが接触している時間を長くすることが出来て、しかも、処理能力が高い曝気装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の曝気装置は、曝気槽(第1のスライム曝気タンク5)及びスライム噴射装置(スライム循環噴射装置15)を備えており、スライム噴射装置(15)は、複数本のスライム搬送用配管(スライム循環管路152)と、同一個所(交差合流部Px)で複数本のスライム搬送用配管(スライム循環管路152)と合流している流体(例えば、高圧エア、薬液)用配管(例えば、高圧エア噴射管151)とを有しており、複数本のスライム搬送用配管(152)の各々は曝気槽(5)底部近傍(のスライムが貯留している領域)に連通しており且つスライム搬送装置(スライムポンプ154)が介装されており、流体用配管(151)は流体供給装置(例えば、コンプレッサ153、薬液供給装置)に連通しており、流体用配管(151)の曝気槽(5)側の端部は、曝気槽(5)内のスライムが貯留している領域上方の空間内にスライムを含む混合流(例えば、スライムと空気との混合流)を噴射する様に構成されていることを特徴としている(請求項1:図3、図4)。
【0009】
ここで、前記複数本のスライム搬送用配管(152)の各々には、空気吸引装置(空気導入口152c)が設けられているのが好ましい(図3、図4)。
そして、空気吸引装置としては、スライム搬送用配管(152)の流路断面積を縮小した部分(絞り部分)を設け、流路断面積を縮小した部分に空気導入用の開口部(空気導入口152c)を設けるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の曝気装置において、曝気槽(5)内のスライムが貯留する領域にスライムの混合手段(ミキサーM)を設けるのが好ましい(請求項2:図5)。
【0011】
本発明の曝気装置において、密閉容器状の曝気槽(タンク50)と、曝気槽(50)の底部(58)近傍に配置されたスライム噴射装置(スライム噴射管Tsのスライム噴射孔Tsn)と、スライム噴射装置(Tsn)近傍に配置された高圧エア噴射装置(高圧エアの噴射孔)とを有し、スライム噴射装置(Tsn)はスライムを鉛直方向上方へ噴射(Js)する様に構成され、高圧エア装置は高圧エアを鉛直方向上方へ噴射(Ja)する様に構成しても良い(請求項3:図6)。
【0012】
また本発明の曝気装置において、密閉容器状の曝気槽(タンク50)と、曝気槽(50)の底部(58)近傍に配置され且つ高圧エア噴射装置(エア噴射孔Tan)が形成された高圧エア供給装置(高圧エア噴射管Ta)と、曝気槽(50)の天井部(天蓋53)近傍に配置され且つスライム噴射装置(スライム噴射孔Tsn)が形成されたスライム供給装置(スライム噴射管Ts)とを備え、高圧エア噴射装置(Tan)は高圧エアを鉛直方向上方へ噴射(Ja)する様に構成されており、スライム噴射装置(Tsn)はスライムを鉛直方向下方へ噴射(Js)する様に構成されており、高圧エア供給装置(高圧エア噴射管Ta)とスライム供給装置(スライム噴射管Ts)とが相互に反対の方向(R2、R1)へ回転する様に構成しても良い(請求項4:図7)。
【0013】
ここで(請求項4の曝気装置において)、高圧エア噴射装置(Tan)及び/又はスライム噴射装置(Tsn)は、単一の直管状に構成しても良いし(図7)、或いは、螺旋状に構成する(図8)ことが可能である。
【0014】
さらに本発明の曝気装置において、密閉容器状の曝気槽(タンク50)と、曝気槽(50)の底部(58)近傍に配置された高圧エア噴射装置(高圧エアノズルNa)と、曝気槽(50)の天井部(天蓋53)近傍に配置され且つスライム噴射装置(スライム噴射孔Tsn)が形成されたスライム供給装置(スライム噴射管Ts)とを備え、高圧エア噴射装置(Na)はタンク(50)の内壁に沿って螺旋状に旋回して流れる高圧エア噴流(Fa)を噴射する様に構成されており、スライム噴射装置(Tsn)は回転(R)しつつスライムを鉛直方向下方へ噴射(Js)する様に構成するのが好ましい(請求項5:図9)。
【0015】
これに加えて、本発明の曝気装置において、密閉容器状の曝気槽(タンク50)と、曝気槽(50)の底部(58)近傍に配置された高圧エア噴射装置(高圧エアノズルNa)と、曝気槽(50)の天井部(天蓋53)近傍に配置され且つスライムと高圧エアの混合物を噴射する噴射装置(ノズルNnx)が形成された管状の噴射装置(混合ジェット噴射装置Nx)とを備え、高圧エア噴射装置(Na)はタンク(50)の内壁に沿って螺旋状に旋回して流れる高圧エア噴流(Fa)を噴射する様に構成されており、管状の噴射装置(Nx)は曝気槽(50)の横断面中心から偏寄した位置に配置されているのが好ましい(請求項6:図9、図10)。
【0016】
汚染土壌の浄化工法の施工現場において、ボーリング孔(H)を掘削して噴射及び注入装置(2)を挿入し(S1)、噴射及び注入装置(2)を回転しつつ引き上げる際に、噴射及び注入装置(2)の上方に設けた少なくとも一対のノズル(221、222)から高温(例えば、80℃〜90℃)の水から成る交差噴流(Jc)を噴射し、噴射及び注入装置(2)の下方に設けた注入口(21o)から充填材料(C)を注入し、交差噴流(Jc)を噴射し充填材料(C)を注入する際に地上側(E)へ流出したスライム(S)を地上側(E)に設けた浄化設備(4、5、6、7)により汚染物質を除去し、汚染物質が除去されたスライムを噴射及び注入装置(2)へ供給する汚染土壌浄化工法を実施し、そこで用いられる浄化設備(4、5、6、7)に本発明の曝気装置を備えることが好ましい。
【0017】
係る汚染土壌浄化工法において、高温の水から成る交差噴流(Jc)は、高温のエア(例えば、80℃〜100℃)の噴流により、包囲されるのが好ましい。
また、前記交差噴流(Jc)を構成する切削流体は、化学品(例えば、還元剤や酸化剤等)を含有しているのが好ましい。
或いは、前記交差噴流(Jc)を構成する切削流体は、微生物及び/又は微生物の栄養素を包含し、生物を使用したVOC分解剤(例えば、商品名「HRC」として市販されているVOC分解剤等)を包含しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
上述した構成を具備する本発明の曝気装置によれば、同一個所(交差合流部Px)で複数本のスライム搬送用配管(スライム循環管路152)が高圧エア配管(高圧エア噴射管151)と合流しているので、合流個所(交差合流部Px)において、スライム搬送用配管(152)を流れるスライムが高圧エア配管(151)を流れる高圧エアと衝突し、均一に混合するので、スライム中の粘土粒子或いは土壌粒子が空気と良好に接触して、曝気される。
そして本発明によれば、高圧エアとスライムとの混合物は、(第2のスライム搬送管2Tの端部T2bから)曝気槽(第1のスライム曝気タンク5)内の空間、すなわち空気中に噴射されるので、噴射された空間中、すなわち空気中で、粘土粒子或いは土壌粒子が空気とさらに接触する。
【0019】
その結果、本発明の曝気装置によれば、スライム中の土壌粒子或いはVOCが空気と接触する機会が多くなり、且つ空気と接触する時間が長くなるので、曝気効果が向上し、VOCの分離が促進される。
係る作用効果は、前記複数本のスライム搬送用配管(152)の各々に空気吸引装置(空気導入口152c)が設け、そこから空気を吸引して、スライム搬送用配管(152)を流れるスライムと空気とが混合する様に構成すれば、さらに良好に発揮される。
【0020】
さらに、本発明において、スライム搬送用配管(152)に介装されたスライム搬送装置(スライムポンプ154)及び高圧エア配管(151)と連通しているエア供給装置(コンプレッサ153)を適宜選択し、或いは、スライム搬送装置(154)の吐出量とエア供給装置(153)の吐出量を適宜設定することにより、曝気処理するスライムの量を適宜増加することが出来る。
或いは、スライム搬送装置(154)とエア供給装置(153)を大型化して、配管系の内径を増加することによって、曝気処理するスライムの量を増加することができる。
そのため、本発明の曝気装置によれば、大流量のスライムを曝気処理することが可能となる。ここで、当該「大流量」は、好気性微生物の活性化を目的とする従来の曝気装置では、到底処理し得ない流量である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の曝気装置を設けた汚染土壌浄化システム(土壌浄化システム)を示している。
図1において、全体を符号100で示す土壌浄化システムは、施工用マシン101と、掘削機1と、スライム貯留タンク4と、第1のスライム曝気タンク5及び第2のスライム曝気タンク6(曝気装置)とを備えている。
土壌浄化システム100は、さらに、重金属除去装置7と、コンクリートポンプ8とを備えている。
【0022】
図1、図2では、既に削孔されたボーリング孔Hに、掘削機1の後述する三重管ロッド2が挿入され、汚染土壌の浄化工法を施工している状態が示されている。
図1、図2において、符号Gは土壌一般を示し、符号Gpは汚染土壌或いは汚染領域を示す。
【0023】
特に図2で詳細に示す通り、掘削機1は、三重管ロッド2を備えている。三重管ロッド2は、第1の管21と、第2の管22と、第3の管23とが、同心となる様に構成されている。第1の管21が半径方向最内方に配置されており、第3の管23が半径方向最外方に配置されている。
図1及び図2において、ボーリング孔HにはケーシングパイプCPが挿入されている。
【0024】
第1の管21内を充填材料Cが供給される。第1の管21の先端(図2では下端)近傍において、充填材料注入口21oが形成されている。
充填材料Cとしては、通常の固化材のみならず、後述する第2実施形態で説明するように、浄化されたスライムを、再投入して用いることが可能である。また、浄化されたスライムは、切削流体として再投入することが可能である。
【0025】
第2の管22及び第3の管23には、ノズル221、222が設けられている。ノズル221、222は上下方向に離隔しており、且つ、対となって設けられている。一対のノズル221、222から噴射されるジェット噴流J1、J2は、所定位置Pjc(交差点)で衝突して、いわゆる「交差噴流」Jcを構成している。
ここで、ケーシングパイプCPは、交差噴流Jcと干渉しない様に配置されている。
なお、図2では交差噴流Jcを噴射するノズル221、222は一対のみ示されているが、交差噴流Jcを噴射するノズルを複数対設けることが出来る。
【0026】
ジェット噴流J1、J2は、超高圧の高温水で構成されるのが好ましい。そして、高温水の温度は、切削流体である水が沸騰しない程度の温度、例えば、80〜90℃であるのが好ましい。
図2の三重管ロッド2において、ノズル221、222から充填材料注入口21oに至る領域の機器が、充填用のモニタ20(噴射及び注入装置)を構成している。
【0027】
図2において、高温水噴流J1、J2の周囲を、高温の圧縮空気のジェットJaで包囲している。詳細には図示されていないが、ノズル221、222は同心に配置されており、半径方向内側は第1の管21と第2の管22との環状空間と連通しており、半径方向内側から高温水噴流J1、J2が噴射される。そして、ノズル221、222の半径方向外側は、第2の管22と第3の管23との環状の空間と連通しており、半径方向外側から高温圧縮空気ジェットJaが噴射される。
圧縮空気のジェットJaの温度は、噴流J1、J2を構成する水を気化させない程度の温度である。ただし、圧縮空気ジェットJaは、省略することも可能である。
また、上述の内容では、三重管ロッド2において、充填材料Cが第1の管21内を流れ、高圧温水が第1の管21と第2の管22との間の環状空間を流れ、高温圧縮空気が第2の管22と第3の管23との間の環状空間を流れているが、それに限定される訳ではない。例えば、充填材料Cを第2の管22と第3の管23の環状空間を介して供給し、高圧温水が第1の管21内を流れ、高温圧縮空気が第1の管21と第2の管22の環状空間を介して供給される様に構成しても良い。
【0028】
図1において、三重管ロッド2の地上E側の端部には、三重管スイベル9が取付けられている。
図示はされていないが、三重管スイベル9には、充填材料供給口、超高圧水供給口、圧縮空気供給口が設けられている。第1の管21は充填材料供給口(図示せず)に連通している。第1の管と第2の管22との間の環状の空間は、図示しない超高圧水供給口に連通している。そして、第2の管22と第3の管23との間の環状の空間は、図示しない圧縮空気供給口に連通している。
【0029】
図2において、地表Ef近傍では、三重管ロッド2は口元管3で覆われている。口元管3の外周には、接続口3oが形成されている。明確には図示されていないが、接続口3oは、第3の管23とケーシングパイプCPとの間の環状空間Kと連通している。
第3の管23とケーシングパイプCPとの間の環状空間Kは、スライム及び/又はガスが地上側へ浮上する排出流路となっている。図2において、環状の流路Kにおける矢印Sは、スライム及び/又はガスの流れの方向を示している。
接続口3oには、第1のスライム搬送管T1の一端T1aが接続されている。
【0030】
口元間3の地下側には、カバー3Cが設置されている。
万一、口元管3から有害物質を含むスライムが漏れ出した場合に、漏れ出したスライムが飛散して、地下に浸透することを防ぐために、カバー3Cが設けられている。
口元管3及びカバー3Cは、公知の手段、例えばフランジ等によって接続されている。
【0031】
図1において、第1のスライム搬送管T1の口元管3から離隔した側の端部T1bは、スライム貯留タンク4内の上方から下方に向かって開口している。
第1のスライム搬送管T1において、口元管3近傍の領域には、スライムサンプル抽出装置10が介装されている。
【0032】
スライムサンプル抽出装置10は、施工領域から地上側に排出されたスライムの一部をサンプル(試料)として抽出している。抽出されたスライムは、図示しない分析システムにおいて、分析のために必要な物理的処置、化学的処置が為された後、スライム中に含まれる各種汚染物質濃度や、含水率等が分析される。
【0033】
スライムサンプル抽出装置10に代えて、第1のスライム搬送管T1のスライム貯留タンク4側の端部T1b近傍にガス採取装置を設け、採取されたガスを「ガス中のVOC濃度分析装置」(例えば、「ガスクロマトグラフ−光イオン化検出法」を用いた分析装置)で分析して、汚染物質濃度を測定しても良い。
汚染物質はスライムに溶出する場合もあるが、圧縮空気ジェットJaの空気と混合して、地上側へ出てくる場合がある。そして、第1のスライム搬送管T1からは、圧縮空気ジェットJaを構成したエアも排出されるが、気化した汚染物質、例えば気相のVOCが間欠的に噴出する。
第1のスライム搬送管T1の端部T1b近傍にガス採取装置(図示せず)を設置して、ブロワ等で吸引することにより、採取されたガス(気相の汚染物質と空気との混合ガス)を分析して、リアルタイムで汚染物質濃度を計測することが可能である。
【0034】
スライム貯留タンク4の天蓋41の上には、第1のVOC回収装置11が配置されている。第1のVOC回収装置11は、例えば活性炭の様な吸着材を収容した吸着装置(図示せず)を有しており、VOC等の汚染物質を吸着、回収するように構成されている。
【0035】
第1のVOC回収装置11は、第1の排気ダクトD1によってスライム貯留タンク4の内部と連通している。第1の排気ダクトD1には、第1のブロワ12が介装されている。第1の排気ダクトD1におけるタンク4側の端部D1aは、第1のスライム搬送管T1の他端T1bの近傍に配置されている。
【0036】
図1のスライム貯留タンク4の底部42側には、第1のスライム搬送管T1から排出されたスライムSが既に溜まっている。
第1のスライム搬送管T1の端部T1bと、スライム貯留タンク4に貯留しているスライムSの上面とは落差が存在する。端部T1bからスライムが落下すると、落下したスライムと貯留されているスライムSとが衝突する。係る衝突によって、スライム中の土壌(粘土等)が細かく破砕される。粘土が細かく破砕され、微粒化すれば、粘土と結びついているVOC等の汚染物質は分離し易くなる。
【0037】
スライム貯留タンク4と、第1のスライム曝気タンク5とは、第2のスライム搬送管T2で連通している。第2のスライム搬送管T2の、スライム貯留タンク4側の端部には、第1の搬送ポンプP1が介装されている。
第1の搬送ポンプP1の吸入口P1aから、スライム貯留タンク4内のスライムSが吸い込まれる。
【0038】
第2のスライム搬送管T2には、高回転型(例えば、回転数3000rpm)のミキサー13が介装されている。
第2のスライム搬送管T2を流れるスライム中には、粘土塊が混入しているので、そこで、高回転型のミキサー13を第2のスライム搬送管T2に介装することにより、高回転のミキサー13によってスライム中の粘土塊を破砕して、微粒化している。
スライム中の粘土塊を微粒化すれば、第1のスライム曝気タンク5及び第2のスライム曝気タンク6内における曝気処理により、スライム中のVOCが分離し易くなる。
【0039】
第2のスライム搬送管T2において、高回転型のミキサー13と、第1のスライム曝気タンク5との間の領域には、配管加熱装置14が介装されている。
配管加熱装置14の加熱作用によって、搬送管T2を流過するスライムを昇温し、スライムに含まれるVOCが分離し易くなる。図示の実施形態では、配管加熱装置14による加熱温度は、130℃程度である。
配管加熱装置14の詳細については、図12〜図14で後述する。
【0040】
第2のスライム搬送管T2における曝気タンク5側の端部T2bは、第1のスライム曝気タンク5内部上方において、水平方向に向けて開口している。
第1の曝気タンク5において、鉛直壁面51の上方には、スライム循環噴射装置15が設置されている。スライム循環噴射装置15は、水平方向へ噴射するように構成されている。
第1のスライム曝気タンク5及びスライム循環噴射装置15の構造については、図6、図7を参照して後述する。
【0041】
第1のスライム曝気タンク5において、第2のスライム搬送管T2の端部T2bを、スライム循環噴射装置15に合流せしめ、第2のスライム搬送管T2の端部T2bとスライム循環噴射装置15とを同一の配管で構成することが出来る。
第1のスライム曝気タンク5と、第2のスライム曝気タンク6とは、第3のスライム搬送管T3で連通している。
第3のスライム搬送管T3において、第1のスライム曝気タンク5側の端部には、第2の搬送ポンプP2が介装されている。第1のスライム曝気タンク5内のスライムSは、第2の搬送ポンプP2の吸入口P2aから吸い込まれ、第2のスライム曝気タンク6へ送られる。
【0042】
第2のスライム曝気タンク6の天蓋61上には、第2のVOC回収装置16が配置されている。
第2のVOC回収装置16は、図示しない活性炭やゼオライト等の吸着材から成る吸着層を有し、吸着層により汚染物質を吸着・回収するように構成されている。
吸着層を有するVOC回収装置16に代えて、図15を参照して後述する様に、冷凍式VOC濃縮回収装置16Aを用いることもできる。
【0043】
第2のVOC回収装置16は、第2の排気ダクトD2によって、第1のスライム曝気タンク5の上方と連通している。第2の排気ダクトD2には、第2のブロワ17が介装されている。
第2の排気ダクトD2は、分岐点Pdで第3の排気ダクトD3に分岐している。第3の排気ダクトD3は、第2のスライム曝気タンク6の上方と連通している。
【0044】
第3のスライム搬送管T3の端部T3bと、第2のスライム曝気タンク6に貯留しているスライムSの上面とは落差があり、端部T3bからスライムが落下すれば、落下したスライムは、タンク6内に貯留されているスライムSと衝突する。
衝突することにより、スライムに含まれる固形分は微粒化して、スライムに含まれる汚染物質が分離され易い状態となる。
ここで、第3のスライム搬送管T3に介装された第2のスライムポンプP2は、スライム搬送の機能の他に、搬送されるスライムとタンク6内のスライムとが衝突する際の衝撃を大きくする機能をも有する。
【0045】
第2のスライム曝気タンク6の底部62には、電気泳動式の重金属回収装置18が装備されている。
重金属回収装置18は、陰極18aと、陽極18bと、両極とに接続される電極ラインLeによって構成されている。
【0046】
電極ラインLeに通電することにより、スライムS中に溶け込んだ重金属、或いは、イオン化したその他の汚染物質は、陰極18aと陽極18bの何れかに付着する。
重金属や、その他のイオン化した汚染物質が電極18a、18bに一定量付着したならば、電極18a、18bを交換する。そして、第2の曝気タンク6から取り外された電極18a、18bから、重金属或いはイオン化したその他の汚染物質を除去する。
なお、重金属回収装置18で除去し切れなかった重金属やその他の汚染物質は、第4のスライム搬送管T4から排出される。
【0047】
第1のスライム曝気タンク5では、第2のスライム曝気タンク6に比較して、内部のスライムは、流動が活発である。それに対して、第2のスライム曝気タンク6では、タンク内部におけるスライムSの流動はさほど為されていない。
ここで、電気泳動による重金属の分離は、流動していない状態の方が効率的に実施できる。そのため、第2のスライム曝気タンク6では、電気泳動がし易い状態となっている。そのため、下流側の第2のスライム曝気タンク6において、電気泳動による重金属の分離を行っている。
【0048】
第2のスライム曝気タンク6には、第4のスライム搬送管T4が接続されている。第4のスライム搬送管T4において、第2のスライム曝気タンク6側の端部には、第3のポンプP3が介装されている。
第3の搬送ポンプP3の吸入口P3aから、第2のスライム曝気タンク6内のスライムSが吸い込まれる。
第4のスライム搬送管T4において、第2のスライム曝気タンク6から離隔した側の端部T4bは、ホッパー19の上方に開口している。
【0049】
第4のスライム搬送管T4の途中には、第1の三方弁V31が介装されている。第1の三方弁V31からは分岐管TBが分岐しており、分岐管TBの端部は、スライム排出口TBbとなっている。
第4のスライム搬送管T4において、三方弁V31と端部T4bとの間の領域には、第2の三方弁V32が介装されている。第2の三方弁V32から、分岐管T40が分岐している。
分岐管T40は、重金属除去装置7に連通している。重金属除去装置7には、スライム排出管T41が接続されており、スライム排出管T41は、ホッパー19の上方に開口している。
【0050】
重金属除去装置7は、第4のスライム搬送管T4及び分岐管T40を介して供給された加熱して、スライムからVOCや重金属、PCB等を加熱分解して、除去する。重金属及びPCBが分解・除去され、汚染物質が完全に除去されたスライムは、スライム排出管T41を介してホッパー19に投入される。
【0051】
第1の三方弁V31は、第4のスライム搬送管T4を流れる処理済みのスライムの全量を、切削流体或いは充填材としてリサイクルする場合には、分岐管TB側を閉鎖し、重金属除去装置7及び/又はホッパー19側を開放する。
処理済みのスライムの全量を図示しない産業廃棄物処理設備へ搬送する場合には、第1の三方弁V31の重金属除去装置7及び/又はホッパー19側を閉鎖して、分岐管TB側を開放する。
第4のスライム搬送管T4を流れる処理済みのスライムの一部をリサイクルし、残りは図示しない産業廃棄物処理設備へ搬送する場合には、第1の三方弁V31の重金属除去装置7及び/又はホッパー19側をリサイクル量に対応する開度だけ開放し、且つ、分岐管TB側を図示しない産業廃棄物処理設備へ搬送する量に対応した開度だけ開放する。
【0052】
施工領域の土壌が、重金属、PCB等で汚染されていないことが判明している場合で、且つ、スライムの全量を(切削流体或いは充填材料として)リサイクルする必要がある場合には、第1の三方弁V31における分岐管TBへ通じる側を閉鎖して、第2の三方弁V32における分岐管T40へ通じる側を閉鎖する。そして、第2のスライム曝気タンク6で処理されたスライムの全量を、ホッパー19に投入する。
【0053】
ホッパー19は、第5のスライム搬送管T5を介して、コンクリートポンプ8に接続している。ホッパー19に投入されたスライムは、第5のスライム搬送管T5を流れ、コンクリートポンプ8に吸入される。
コンクリートポンプ8は、第6のスライム搬送管T6を介して、浄化された三重管スイベル9と接続されている。
【0054】
コンクリートポンプ8を稼動することにより、汚染物質が除去されたスライム(切削流体或いは充填材料としてリサイクルされるスライム)は、三重管スイベル9を介して、再度、三重管ロッド2に供給される。すなわち、リサイクル用のスライムは第1の管21の充填材料注入口21oから、充填材料Cとして、浄化工法が施工されている領域に注入される。或いは、(リサイクル用のスライムは)三重管ロッド2のノズル221、222から、切削用流体として噴射される。
なお、リサイクル用スライムの粘度が高い場合や、スライムの含水率が大きい場合には、リサイクル用スライムの性状に応じて、適宜、固化材その他の薬剤を添加すればよい。
【0055】
汚染土壌の浄化工法の施工直後においては、リサイクル用のスライムは発生していない。その場合は、ホッパー19に、別途準備した固化材、例えばセメントミルクを投入する。投入されたセメントミルクはコンクリートポンプ8によって三重管ロッド2に送られ、土壌浄化工法の施工領域において、充填材料Cとして注入される。
【0056】
次に、図3、図4を参照して、図1で示す第1のスライム曝気タンク5の詳細について説明する。
図3、図4において、第1のスライム曝気タンク5にはスライム循環噴射装置15が設けられている。そしてスライム循環噴射装置15は、高圧エア噴射管151と、2本のスライム循環管路152とを備えている。
高圧エア噴射管151の一端151aは、スライム曝気タンク5内に延在しており、曝気タンク5内の空間に向って開口している。高圧エア噴射管151の他端151bは、エアコンプレッサ153に接続されている。
【0057】
スライム循環管路152の一端152aは、図3において符号Pxで示す交差合流部において、高圧エア噴射管151と合流している。交差合流部Pxにおいて、スライム循環管路152の一端152aは、高圧エア噴射管151の長手方向に対して、鋭角を形成して交差するように合流している。
スライム循環管路152の他端152bは、鉛直壁面51における底部59近傍において、スライム曝気タンク5内へ連通している。
スライム循環管路152の他端152b近傍には、スライムポンプ154が介装されている。
【0058】
スライム循環管路152における交差合流部Px近傍の位置には、空気導入口152cが設けられている。例えば、空気導入口152cを穿孔した位置において、スライム循環管路152の流路を絞ることにより、スライム循環管路152の流路に負圧を生じせしめ、以って、空気導入口152cからエア(外気)を吸引するのである。
ここで、例えば、図示しないコンプレッサを別途配置して、そのコンプレッサの吐出口を空気導入口152cに連通して、高圧空気を送り込むことが可能である。或いは、前記高圧エア噴射管151用のコンプレッサ153から、図示しない管路を介して、空気導入口152cに高圧空気を送り込むことが可能である。
なお、空気導入口152cに、例えば、図示しないコンプレッサから高圧空気を送り込むことも可能である。或いは、浄化作用を有する鉄粉や薬剤等を、空気導入口152cを介して送り込むことも可能である。
【0059】
スライム循環噴射装置15を起動すると、コンプレッサ153が作動して、高圧エア噴射管151内に高圧エアFa1が流れる。同時に、スライムポンプ154も作動して、スライム循環管路152内に矢印Ys(図4参照)で示す様にスライムが流れ、空気導入口152cから吸引されたエアと混合すると共に、交差合流部Pxにおいて、高圧エア噴射管151内を流れる高圧エアFa1と合流する。
なお、スライム循環管路152内のスライムの流れYsは、スライム曝気タンク5内のスライムSの流れである。
【0060】
高圧エア噴射管151の端部151aから、スライム曝気タンク5内の空間に向けて、高圧エアとスライムとの混合流体Jsaが高速で噴射される。高速で噴射された混合流体Jsaは、正面の鉛直壁面52と衝突し、スライム中の粘土は微粒化される。粘土の微粒化により、スライム中のVOCは、曝気による分離が促進される。
ここで、第2のスライム搬送管2Tの端部T2bから噴射された混合流体Jsa(高圧エアとスライムとの混合流体)は、鉛直壁面52と衝突しなくても構わない。換言すれば、スライム搬送管2Tの端部T2bから噴射されるスライムは、曝気タンク5内の空間(スライムが充填されていない空間)に噴射されることが重要である。
スライムが充填されていない空間中に混合流体Jsaを噴射することにより、スライム中の土壌粒子或いはVOCが空気と接触する機会が多くなり、且つ空気と接触する時間が長くなるので、曝気効果が向上し、VOCの分離がより促進されるからである。
【0061】
スライム循環管路152を流れるスライムの流れYsに、空気導入口152cから導入したエアが混合する際にも、上述と同様に、スライム中の土壌粒子或いはVOCが空気と接触する機会が多くなり、且つ空気と接触する時間が長くなるので、曝気効果が向上し、スライム中のVOCの分離が促進される。
交差合流部Pxにおいて、スライム循環管路152と高圧エア噴射管151とが合流することにより、スライム中の土壌粒子或いはVOCが空気と接触する機会がさらに増加し、空気と接触する時間もさらに長くなり、曝気により、VOCの分離がより促進される。
【0062】
さらに、図3、図4で示すスライム曝気タンク5によれば、コンプレッサ153及びスライムポンプ154を適宜選択し、或いは、コンプレッサ153の吐出量と、スライムポンプ154の吐出量を適宜設定することにより、曝気処理するスライムの量を適宜増加することが出来る。
発明者による実験では、例えば毎分2立方メートルのスライムのVOC濃度を1オーダー低下処理することが出来た。勿論、コンプレッサ153及びスライムポンプ154を大型化して、配管系の内径を増加すれば、さらに処理量を増加することができる。
【0063】
次に、図5を参照して、スライム曝気タンクの第2実施形態を説明する。
第2実施形態に係るスライム曝気タンク5Aは、その内部にミキサーMを有している点が、図3、図4のスライム曝気タンク5とは異なっている。
図5において、スライム曝気タンク5Aは、中央に向って下がるように傾斜した底部54を有しており、底部54の中央には、傾斜面より更に一段深く下がった平面部54hが形成されている。
傾斜した底部54には、複数のミキサーMが装備されている。そして、底部中央の平面部54hにも、1台のミキサーMが装備されている。
【0064】
スライム曝気タンク5Aの左側壁51の上方には、壁面貫通孔55が形成されている。スライム曝気タンク5Aの右側壁52の上方領域56には、スライム循環噴射装置15Aが設けられている。
スライム曝気タンク5Aの天蓋53には、左側壁51寄りに、天蓋貫通孔57が形成されている。
【0065】
天蓋53の中央近傍には、VOC回収装置16が載置されている。
VOC回収装置16は、図示しない吸着材(例えば、活性炭及び/又はゼオライト)で構成される吸着層を有し、当該吸着層によって、VOCを吸着・回収するように構成されている。
天蓋貫通孔57とVOC回収装置16とは、ダクトD2により接続されており、ダクトD2にはブロワ17が介装されている。
明確には図示されてはいないが、天蓋貫通孔57と、ダクトD2との隙間は、公知のシール材によってシールされており、VOCの拡散を防止している。
【0066】
図5において、左壁面51に形成された壁面貫通孔55には、スライム貯留タンク4(図1)に連通するスライム搬送管T2が挿入されており、スライム搬送管T2の端部T2bが下向きに配置されている。ここで、壁面貫通孔55と、スライム搬送管T2との間の隙間は、公知のシール材によって密閉とされている。
右壁面52の上方領域56に設けられたスライム循環噴射装置15Aは、図3、図4で説明したスライム循環噴射装置15と同様な構成を具備している。
【0067】
図5において、スライム循環噴射装置15Aは、噴射ヘッド150と、高圧エア管151と、2本のスライム循環管路152、152と、T字管156とを有している。噴射ヘッド150は、噴射ノズル151Nと、2つのスライム吸入部152Nとから構成されている。
スライム吸入部152Nは、噴射ノズル151Nに鋭角で交差する様に合流している。噴射ノズル151Nは、高圧エア管151を介してコンプレッサ153と連通している。
図5では明示されていないが、スライム吸入部152Nは、噴射ノズル151Nとの合流部近傍で流路が絞られており、その部分に空気吸入口が設けられている。
第2の壁面貫通孔56と、スライム循環噴射装置15Aとの間の隙間は、公知のシール材によって密閉とされている。
【0068】
スライム曝気タンク5Aの下方には、T字管156が設けられている。T字管156の中央から分岐している管端156aは、タンク底部の平面部54hに連通しており、T字管156の両端部156bは、2台のスライムポンプ154の吸込み側154aに接続されている。スライムポンプ154の吐出側154bは、スライム循環管路152の何れかの端部152aと接続されている。
スライム循環管路152の何れか一方には、三方弁V3が介装されている。三方弁V3は、噴射ノズル151Nとの合流部と接続されており、或いは、第3のスライム搬送管T3と接続されている。
【0069】
図5の第2実施形態に係るスライム曝気タンク5Aによれば、複数のミキサーMを備えているので、スライム曝気タンク5A内に貯留されているスライムSが滞留することなく、常に撹拌されて、循環する。
図5で示すスライム循環噴射装置15Aのその他の構成及び作用効果については、図3、図4で説明したスライム循環噴射装置15と概略同様である。
【0070】
次に、図6を参照して、第3実施形態について説明する。
図6において、第3実施形態に係るスライム曝気タンク5Bは、サイロ状に形成されており、密閉式のタンク50を有している。タンク50の底部58近傍には、スライム噴射管Tsが水平に配置されている。スライム噴射管Tsの中央には、スライム噴射孔Tsnが形成されている。明確には図示されていないが、スライム噴射孔Tsnの近傍には、高圧エアの噴射孔が形成されてある。
スライム噴射孔Tsnは、そこから噴射されるスライムのジェットJsが、鉛直方向上方へ噴射される様に構成されている。同様に、図示しない高圧エアの噴射孔も、そこから噴射される高圧エアのジェットJaが鉛直方向上方へ噴射されるように構成されている。
【0071】
タンク50の天蓋53の外縁近傍には、VOCガスの排出管Dvが設けられている。VOCガスの排出管Dvには図示しないダクトが接続され、図示しないダクトは、第2のVOC回収装置16(図1参照)と連通している。
【0072】
スライムの上昇時と落下時において、スライムのジェットJsと高圧エアのジェットJaは衝突する。そして、衝突の際にスライムとエアとが接触して、交じり合う。そのため、スライムがエアに接触(衝突)する時間が長く、曝気が十分に行われて、スライム中のVOCの分離が促進される。
第3実施形態に係るスライム曝気タンク5Bは、曝気性能が良好であるため、土壌のVOC濃度が高い場合に有効である。
【0073】
図示はされていないが、スライムのジェットJsを交差噴流で形成して、鉛直方向上方へ噴射してもよい。交差噴流の衝突個所(交差点)で、スライムのジェットは分散し、微粒化するので、スライム中の土壌粒子或いは粘土粒子が空気に接触する面積が大きくなり、且つ、空気と接触する時間も長くなる。
この場合、高圧エアのジェットJaを交差噴流で構成しても良い。
或いは、スライムのジェットJsを高圧エアのジェットJaで包囲し、それにより交差噴流を構成しても良い(図示せず)。
さらに、図示はされていないが、スライム噴射孔Tsnは、そこから噴射されるスライムのジェットJsが霧状に噴霧される様に構成するのが好ましい。
【0074】
また、第3実施形態のスライム曝気タンク5Bは、密閉式のサイロ状のタンクを用いているので、密封性が高く、防音効果も高い。
従って、曝気を行っている際に、周囲環境に騒音を撒き散らしてしまう恐れが少ない。
図6で示す第3実施形態に係るスライム曝気タンク5Bにおけるその他の構成及び作用効果は、図3〜図5を参照して説明した実施形態と同様である。
【0075】
次に、図7を参照して、第4実施形態について説明する。
図7において、第4実施形態に係るスライム曝気タンク5Cは、サイロ状で密閉式のタンク50を有している。
タンク50の底部58近傍には、高圧エア噴射管Taが水平に配置されている。高圧エア噴射管Taには、複数のエア噴射孔Tanが長手方向に等間隔に穿孔されている。
【0076】
タンク50の天蓋53の外縁近傍には、VOCガスの排出管Dvが設けられている。
VOCガスの排出管Dvには図示しないダクトが接続され、図示しないダクトは、第2のVOC回収装置16(図1参照)と連通している。
【0077】
タンク50内で天蓋53の近傍には、水平に延在するスライム噴射管Tsが配置されている。スライム噴射管Tsには、下向きに複数のスライム噴射孔Tsnが形成されている。
【0078】
高圧エア噴射管Ta及びスライム噴射管Tsは、水平状態で、相互に反対方向へ回転する。図7の例では、スライム噴射管Tsが矢印R1方向へ回転し、高圧エア噴射管Taが矢印R2方向へ回転する。
矢印R1方向へ回転するスライム噴射管Tsから噴射される複数のスライムの噴射ジェットJsは、下方に向かって螺旋状に降り注ぐ。一方、矢印R2方向へ回転する高圧エア噴射管Taから噴射される複数の高圧エアジェットJaは、上方に向かって螺旋状に上昇する。
【0079】
スライムジェットJsと、エアジェットJaとが、上下方向について対向して噴射され、且つ、逆方向に回転する螺旋状に噴射されるため、ジェットJs、Jaが衝突する機会が増加する。ジェットJs、Jaが衝突することにより、スライムとエアとが混合され、スライム中の土粒子或いは粘土粒子が空気に接触する面積が増大し、且つ、空気と接触する時間が増加する。その結果、曝気が良好に行われ、スライム中のVOCの分離が促進される。
なお、高圧エア噴射管Ta及びスライム噴射管Tsを回転させない様に構成することも可能である。また、高圧エア噴射管Ta及びスライム噴射管Tsを同方向に回転させても良い。
図7の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図3〜図6の各実施形態と同様である。
【0080】
図8は、図7の第4実施形態の変形例に係る曝気タンク5E´を示している。
図7において、高圧エア噴射管Ta及びスライム噴射管Tsは直管状に構成されているが、図8の高圧エア噴射管Ta及びスライム噴射管Tsは螺旋状に形成されている。
その他の構成及び作用効果については、図8の変形例は図7の第4実施形態と同様である。
【0081】
次に、図9を参照して、第5実施形態について説明する。
図9において、第5実施形態に係るスライム曝気タンク5Dは、図7の第4実施形態に係るスライム曝気タンク5Cから、水平の高圧エア噴射管Taを省略した構成となっている。そして、第5実施形態に係るスライム曝気タンク5Dにおいては、タンク50の底部58近傍に、1個の高圧エアノズルNaを設けている。この高圧エアノズルNaによって、タンク50の内壁面に沿って高圧エア噴流Faが噴射される。高圧エア噴流Faは、螺旋状に旋回しながら流れ、タンク50の底部からタンク50の天蓋53まで上昇する。
【0082】
タンク上方のスライム噴射管Tsは、矢印R方向に回転する。ここで、スライム噴射管Tsの回転方向Rは、螺旋状の高圧エア噴流Faの旋回方向とは反対方向となっている。
スライム噴射管Tsの回転方向Rと、螺旋状の高圧エア噴流Faの旋回方向とが逆方向となっている結果、スライムのジェットJsと高圧エア噴流エアFaとが衝突する機会は多く、スライム中の土粒子或いは粘土粒子が空気と接触する面積が増加し、空気と接触する時間が増大する。その結果、曝気が良好に行われ、VOCの分離が促進される。
図9の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果に関しては、図7の実施形態と同様である。
【0083】
次に、図10、図11を参照して、第6実施形態について説明する。
図10、図11の第6実施形態に係るスライム曝気タンク5Eは、タンク底部58近傍に高圧エア噴射ノズルNaを設けている。図10、図11では明確に示されていないが、高圧噴射ノズルNaは、噴射された高圧エア噴流が、タンク50の内周面50iに沿って旋回流を形成する様に、構成されている。すなわち、高圧エア噴射ノズルNaから噴射された高圧エアは、タンク上方に向かって螺旋状に旋回する旋回流Faを形成する。
【0084】
タンク50内部の天蓋53近傍の領域には、複数のノズルNnxを有する管状の混合ジェット噴射装置Nxが、水平に配置されている。混合ジェット噴射装置Nxにおける複数のノズルNnxからは、スライムと高圧エアの複合ジェットFxが噴射される。
ここで、管状の混合ジェット噴射装置Nxは、タンク50の横断面の中心よりも偏寄した位置に配置されている換言すれば、管状の混合ジェット噴射装置Nxは、タンク50の横断面の中心を通らない様に延在されている。
【0085】
図9、図10のスライム曝気タンク5Eによれば、スライムと高圧エアの複合ジェットFxにおいて、複合ジェットFxに包含される土粒子或いは粘土粒子は、エアと接触し、曝気される。それに加えて、複合ジェットFxと高圧エアの旋回流Faとが衝突することにより、複合ジェットFxに包含される土粒子或いは粘土粒子は、微粒化された状態で空気と強制的に接触されることになり、空気との接触面積が増大し、空気との接触時間も長くなる。
その結果、スライムは良好に曝気され、スライムに含まれるVOCの分離が促進される。
図10、図11の第6実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図3〜図9の各実施形態と同様である。
【0086】
次に、図12〜図14を参照して、図1で示す配管加熱装置14の構成について説明する。
図12、図13において、配管加熱装置14は、電熱線141と、薬液添加管142とを備えている。
電熱線141は、第2のスライム搬送管T2を螺旋状に包囲するように巻き回されている。電熱線141に通電することにより、第2のスライム搬送管T2を流れるスライムが、常温以上に昇温するように加熱される。
ここで、電熱線141による加熱温度は、例えば130℃程度が好ましい。電熱線141でスライムを加熱することにより、スライムに含まれるVOCの分離が促進される。
【0087】
薬液添加管142は、第2のスライム搬送管T2に直交するように、第2のスライム搬送管T2の内部に連通している。
スライムサンプル抽出装置10により抽出されたサンプル(試料)を分析することにより、地上側に浮上したスライムの性状が把握出来る。そして、配管加熱装置14においては、分析されたスライムの性状に対応して、必要な薬剤を、第2のスライム搬送管T2を流れるスライムに、薬液添加管142から適宜添加している。
例えば、凝集剤、中和剤、スライム中の粘土粒子間の結合力を弱める作用を奏する薬剤等が添加される。
【0088】
図13、図14で示す様に、第2のスライム搬送管T2に電熱線141を巻き回した領域の内部には、インラインミキサー143が設置されている。
インラインミキサー143により、第2のスライム搬送管T2を流れるスライムSは、その微粒化が促進される。また、薬液添加管142から添加された薬剤は、インラインミキサー143により、スライムと十分に混合されるので、薬剤の薬効が速やかに顕在化する。
【0089】
次に、図15を参照して、図1で示した第2のVOC回収装置16とは異なるVOC回収装置16Aについて説明する。
図15において、VOC回収装置16Aは、ブライン槽(冷媒槽)161を有している。ブライン槽161には、ブライン(冷媒)注入口162と、ブライン排出口163とが形成されている。ブライン槽161内には、VOC配管Lvが通されている。ブライン槽161内におけるVOC配管Lvは、つづら折状に折り曲げられて、熱交換器を構成している。
【0090】
気相のVOC(図15の矢印V1)が、ブライン槽161内を通過する際に、ブライン槽内の冷媒(ブライン)Lcと熱交換を行い、冷却される。冷却された「VOCガスおよび気相中の水分」は、「液相のVOCと液相の水分」(矢印V2)となり、ブライン槽161外に排出される。一部ガス状のままのVOCも除湿されていることから、活性炭等で容易に吸着回収される。また、「液相のVOCと液相の水分」(V2)は、公知の手段によって処理される。
【0091】
図1、図2で示す汚染土壌浄化システム100を用いた浄化工法によれば、汚染土壌Gpは高温(例えば、80℃〜90℃)の水を用いた、高圧、高エネルギーの交差噴流Jcによって、細かく破砕される。
その結果、土壌Gpに付着したVOC等の汚染物質は、交差噴流Jcの熱及び運動エネルギーの相乗作用によって、土壌粒子から剥離、除去され、スライム中に溶出した状態となる。そして、スライムが地上側Eへ流出するのに連行されて、原位置から地上側へ移動させることが出来る。或いは、土壌粒子から除去された汚染物質は、交差噴流Jcと共に噴射された高圧空気の噴流と混合して、地上側へ浮上する。
【0092】
土壌粒子が粘土である場合に、粘土の電荷によりVOCが電気的に吸着する様に、土壌粒子表面に各種汚染物質が吸着する。土壌粒子表面に吸着した汚染物質は、水には溶出し難い。しかし、図示の実施形態において、高温で且つ高エネルギーの交差噴流Jcで粘土粒子が細断されることにより、土壌粒子表面へ吸着したVOC等の汚染物質も、当該粘土粒子から剥離、除去される。
また、土壌粒子の格子状の構造内に取り込まれた汚染物質も、高温で且つ高エネルギーの交差噴流Jcにより格子構造が破壊されるので、土壌粒子から分離する。
その結果、図1、図2で説明した土壌浄化システム100を用いた汚染土壌浄化工法によれば、従来技術では除去が困難であった粘土に含有された汚染物質や、土壌の格子状の構造内に取り込まれた汚染物質であっても、粘土或いは土壌粒子から容易に剥離、除去するのである。
【0093】
図1、図2で説明した土壌浄化システム100を用いた汚染土壌浄化工法において、従来技術では除去が困難であった汚染物質が土壌粒子から分離されて、スライム中に溶出し、或いは、ボーリング孔Hから湧出する気体に混合した状態となる。
スライム中で溶出した状態であれば、スライム貯留タンク4及び第1のVOC回収装置、第1のスライム曝気タンク5と第2の曝気タンク6及び第2のVOC回収装置17、曝気タンク6内の電気泳動式の重金属回収装置18、重金属除去装置7によって、汚染物質は容易、且つ確実にスライム中から除去される。
また、汚染物質が気体に混合した状態であれば、当該気体が大気中に拡散する以前に吸引することにより、容易に捕集することが出来る。
【0094】
図1、図2で説明した土壌浄化システム100を用いた汚染土壌浄化工法では、汚染物質が除去されたスライムは、掘削機1の三重管ロッド2の1対のノズル221、222から切削流体として噴射され、及び/又は、三重管ロッド2の注入口21oから充填材料Cとして注入される。
汚染物質が除去されたスライムは、汚染物質を包含しておらず、原位置へ埋め戻しても、何等問題は発生しない。そして、切削流体及び/又は充填材料Cとして用いられた分だけ、産業廃棄物として処理するべきスライムの量が減少し、産業廃棄物処理のコストが減少する分だけ、汚染土壌浄化に必要なコストを低く抑える事が出来る。
【0095】
ここで、図1、図2で上述した様に、高温で且つ高エネルギーの交差噴流Jcで粘土粒子が細断されることにより、粘土粒子へ電気的に吸着した汚染物質は、当該粘土粒子から剥離する。或いは、土壌粒子の格子状の構造が、高温で且つ高エネルギーの交差噴流により破壊されて、格子内部に閉じ込められた汚染物質が溶出し易くなる。
従来の汚染物質濃度の計測では、計測が為される汚染土壌の土壌粒子に取り込まれ、或いは、電気的に吸着されたVOC等の汚染物質は、水に溶出しないので、計測が困難であった。
それに対して、図1、図2で示す土壌浄化システム100を用いた汚染土壌浄化工法によれば、高温で且つ高エネルギーの交差噴流Jcにより、土壌粒子の格子構造は破壊され、土壌粒子表面に吸着された汚染物質が剥離或いは分離されるので、従来技術では検出不可能であった汚染物質が、計測可能な状態となる。従って、従来の計測方法に比較して、汚染土壌の実体が、より正確に計測されるのである。
【0096】
次に、図16のフローチャートを参照して、図1、図2を参照して説明した土壌浄化システム及び汚染土壌浄化工法の変形例について説明する。
図1、図2で説明したように、土壌浄化システム100によれば、汚染土壌Gpの最下層までボーリング孔Hが削孔されている。そして、削孔されたボーリング孔Hに、掘削機1の三重管ロッド2が挿入される。施工時には、三重管2のノズル221、221及び充填材料注入口21oを含む先端部分である同時充填モニタ20を、上方に引き上げつつ回転させる。
【0097】
ここで、施工領域を交差噴流Jcで切削、細断し、施工領域全体を充填材料Cを注入した後、三重管ロッド2を再び挿入し、交差噴流Jcによる切削、細断と、充填材料Cの注入とを繰り返すことが可能である。
図16の土壌浄化システムの変形例では、その様に、交差噴流Jcによる切削、細断と、充填材料Cの注入とを、複数回に亘って繰り返し処理(施工)することを前提として、掘削と充填材料Cの注入を、概略同時に行う(図16のステップS1)。
【0098】
交差噴流Jcによる切削、細断では、図1及び図2を参照して上述した通り、三重管ロッド2のノズル221、222から温水ジェットJ1、J2を噴射して、交差噴流Jcを構成する。そして、温水ジェットで構成された交差噴流Jcによって、所定の半径方向寸法の領域(施工領域)を、切削、細断する。
ここで、温水ジェットJ1、J2は、高圧エアジェットJaで包囲して噴射することも出来る。
【0099】
交差噴流Jcにより切削、細断された施工領域では、一定の領域内に高圧の流体が噴射されることにより、その内圧が上昇する。スライムの生じた掘削済みの施工領域の内圧が上昇することにより、スライムは三重管ロッド2の流路Kから、第1のスライム搬送管T1を経由して、スライム貯留タンク4に自動的に排出される。汚染物質はスライム内に溶出している。
高圧エアジェットJaを噴射する場合には、土壌粒子から分離した汚染物質であって、気相の汚染物質は、高圧エアジェットJaの空気と混合して、混合気の状態でスライム貯留タンク4へ排出される。
【0100】
掘削され泥水状となった施工領域に、充填材料注入口21oから、充填材料Cを注入する。
掘削開始当初は、リサイクル用のスライムが発生していないので、充填材料として、例えば、別途供給されたセメントミルクが、コンクリートポンプ8から注入される。
【0101】
上述した様に、施工領域で発生したスライムは、第1のスライム搬送管T1を経由して、スライム貯留タンク4内に流入する。スライムサンプル抽出装置10により、第1のスライム搬送管T1を流れるスライムの一部を試料(サンプル)として採取し(サンプリングし)、図示しない分析設備でスライム中の汚染物質濃度等を計測する(図16:ステップS2)。
【0102】
スライムのサンプルを分析して、スライム中の汚染物質濃度が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、閾値は、汚染領域の土壌の全量を置換する(いわゆる「全量置換」を行う)か否かの境界値として設定されている。
汚染物質濃度が閾値以上である場合(ステップS3でYES)、2回目の施工では、比重の大きな充填材料を使用する(ステップS4)。
汚染物質濃度が閾値以上である場合(ステップS3でYES)において、汚染物質を除去したスライムを充填材料Cとして再利用した場合には、汚染物質濃度が環境基準値を下回るまで、多数回に亘って、交差噴流Jcによる切削と充填材料Cの注入とを繰り返さなければならない恐れが存在する。
【0103】
そのため、汚染物質濃度が閾値以上である場合(ステップS3でYES)には、汚染物質を除去したスライムを充填材料Cとして再利用せずに、比重の大きい充填材料を新規に充填する(ステップS4)。そして、当該比重の大きい充填材料により、施工領域における汚染土壌を完全に置換する。
2回目の施工において、比重の大きい充填材料により施工領域における汚染土壌を完全に置換すれば、その施工領域については、交差噴流Jcによる切削と充填材料Cの注入とを繰り返す必要は無い。
【0104】
ステップS3において、汚染物質濃度が閾値未満であれば(ステップS3でNO)、ステップS5に進む。
図1、図2で示す土壌浄化システム100と同様に、スライム貯留タンク4に流入したスライムは、高回転型のミキサー13及び配管加熱装置14が介装されている第2のスライム搬送管T2を介して、第1のスライム曝気タンク5に送られて曝気される。そして、第2のスライム曝気タンク6において、重金属回収装置18により、重金属やイオン化した汚染物質が除去される。
さらに、スライムは必要に応じて重金属処理装置7を経由し、汚染物質が完全に除去される。汚染物質が除去されたスライム(処理済のスライム)は、コンクリートポンプ8を経由して、充填材料C、或いは切削用流体として、掘削機1に送られる。
【0105】
図16のステップS5では、交差噴流Jcにより汚染土壌を切削し、或いは、充填材料Cを注入し、発生したスライムを、図1で示す処理システム100で浄化し、汚染物質を除去して、充填材料C或いは切削用流体として、再び掘削機1に送られるまでのサイクルを、実行する。
ステップS5のサイクルを実行したならば、スライムサンプル抽出装置10により、スライムのサンプル(試料)を抽出する。そして、抽出したスライムサンプルを分析し、スライム中の汚染物質の濃度を計測する(ステップS6)。
【0106】
計測したデータにより、スライム中の汚染物質濃度が、所定値、例えば環境基準値以下であるか否かを判断する(ステップS7)。
汚染物質濃度が、環境基準値以下であれば(ステップS7でYES)、浄化処理を終了する。
汚染物質濃度が、環境基準値を超えていれば(ステップS7でNO)、ステップS5以下を繰り返す。
【0107】
図16を参照して説明した変形例では、スライムサンプル抽出装置10でサンプルスライムを抽出し、地上側へ流出したスライムにおける汚染物質濃度を計測している。このスライムにおける汚染物質濃度により、地中の浄化工法施工領域における汚染濃度を、概略、リアルタイムで把握することが出来る。
そのため、浄化工法施工領域における汚染濃度を、概略、リアルタイムで把握して、スライムを切削流体或いは充填材料として再利用するか否かを判定することが出来る。そのため、スライムを切削流体或いは充填材料として再利用すると、ステップS5で説明したサイクルの繰り返し回数が多くなり過ぎてしまう場合には、スライムを再利用せずに、ステップS4で示す様に、比重の大きい充填材料を使用して、施工コストの節約を図ることが出来る。
【0108】
また、浄化工法施工領域における汚染濃度を、概略、リアルタイムで把握して、ステップS5で説明したサイクルを繰り返す必要があるか否かを正確に判断することが出来るので、不必要な作業(切削、充填から、掘削機1における再利用)を行うことなく、施工コストを節約することが出来る。
【0109】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では、切削流体の噴流は交差噴流を構成しているが、切削流体の噴流を交差させずに、そのまま、例えば水平方向へ噴射しても良い。
また、図示の実施形態では、モニタ10を回転しつつ引き上げて、円柱状の汚染土壌領域を切削、充填しているが、モニタ10を回転せずに、所定の角度だけ揺動しつつ引き上げることにより、所定幅のパネル状の汚染土壌領域を切削、充填する様に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1実施形態を施工するシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1における掘削機周辺を詳細に示した図。
【図3】第1実施形態に係るスライム曝気タンクの詳細を示す平面図。
【図4】図3と同様な側面図。
【図5】第2実施形態のスライム曝気タンクの断面図。
【図6】第3実施形態のスライム曝気タンクの内部構造を示す斜視図。
【図7】第4実施形態のスライム曝気タンクの内部構造を示す斜視図。
【図8】第4実施形態の変形例に係るスライム曝気タンクの内部構造を示す斜視図。
【図9】第5実施形態のスライム曝気タンクの内部構造を示す斜視図。
【図10】第5実施形態に関するスライム曝気タンクの内部構造を示す斜視図。
【図11】図10と同様な横断面図。
【図12】第1実施形態で用いられる配管加熱装置の斜視図。
【図13】図12で示す配管加熱装置の断面図。
【図14】図12で示す配管加熱装置の内部を模式的に示す図。
【図15】第1実施形態で用いられるVOC回収装置の変形例を示す模式図。
【図16】土壌浄化システムの変形例を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0111】
1・・・掘削機
2・・・三重管ロッド
3・・・口元管
4・・・スライム貯留タンク
5、5A〜5E・・・第1のスライム曝気タンク
6・・・第2のスライム曝気タンク
7・・・重金属除去装置
8・・・コンクリートポンプ
9・・・三重管スイベル
10・・・スライムサンプル抽出装置
11・・・第1のVOC回収装置
12・・・第1のブロワ
13・・・高回転型ミキサー
14・・・配管加熱装置
15・・・スライム循環噴射装置、
16・・・第2のVOC回収装置
17・・・第2のブロワ
18・・・重金属回収装置
20・・・同時充填用モニタ
C・・・充填材料
S・・・スライム
【出願人】 【識別番号】390002233
【氏名又は名称】ケミカルグラウト株式会社
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】110000431
【氏名又は名称】特許業務法人高橋特許事務所


【公開番号】 特開2008−55276(P2008−55276A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−233212(P2006−233212)