| 【発明の名称】 |
汚染物質の加熱処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 理人
【氏名】奥村 泰一
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| 【要約】 |
【課題】汚染物質に含まれているダイオキシン等の有機塩素化合物の分解機能に優れ、かつ、流通ガス中に含まれる水分やタール分等の凝縮防止を図る。
【構成】内筒11と外筒12により2重筒形回転体10を形成する。内筒11の前端部に1次空気導入部20を有する被処理物導入装置21を設けると共に内筒の内壁面に被処理物移送用の螺旋板22を設ける。更に、外筒12の前端部に被処理物排出フード17を設けると共に外筒の後端部に排ガス排出フード18を設ける。更に、被処理物排出フード17に2次空気導入部24と被処理物排出部25とを設けると共に排ガス排出フードに排ガス排出部26を設ける。更に、2重筒形回転体10を前端部が後端部よりも低くなるように前傾させると共に2重筒形回転体の外側に加熱手段16を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイオキシンやPCB等の有機塩素化合物に汚染された土壌や底質などの汚染物質を無害化する汚染物質の加熱処理装置において、内筒と外筒により2重筒形回転体を形成し、前記内筒の前端部に1次空気導入部を有する被処理物導入装置を設けると共に、前記内筒の内壁面に被処理物移送用の螺旋板を設け、更に、前記外筒の前端部に被処理物排出フードを設けると共に、前記外筒の後端部に排ガス排出フードを設け、更に、前記被処理物排出フードに2次空気導入部と被処理物排出部とを設けると共に、前記排ガス排出フードに排ガス排出部を設け、かつ、前記2重筒形回転体を前端部が後端部よりも低くなるように前傾させると共に、前記2重筒形回転体の外側に加熱手段を設けたことを特徴とする汚染物質の加熱処理装置。 【請求項2】 前記内筒と前記外筒との間隙に接続リブを設けて前記内筒と前記外筒とを一体化したことを特徴とする請求項1記載の汚染物質の加熱処理装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ダイオキシン(DXNs)やPCBなどの有機塩素化合物に汚染された土壌やヘドロ(以下、底質という。)などの汚染物質を無害化する汚染物質の加熱処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、図4に示すように、2基の加熱装置51,52を上下2段に設置すると共に、上段加熱装置51の出口53と下段加熱装置52の入口54とを略垂直な連結ダクト55によって連結した加熱処理装置50を用いてダイオキシン(DXNs)やPCBなどの有機塩素化合物に汚染された汚染物質mを無害化する汚染物質の加熱処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 この加熱処理方法では、上段加熱装置51で加熱した汚染物質mを連結ダクト55を経て下段加熱装置52に供給するようにしているが、連結ダクト55を通過する間に上段加熱装置51によって加熱された汚染物質mが大幅に温度低下(例えば、150〜200℃程度低下)することが分かった。この温度低下を補うには、下段加熱装置52の長さを長くしたり、或いは、下段加熱装置52に設けた電熱ヒーター(図示せず)の容量や灯油バーナ(図示せず)を増加することが必要であるが、その場合、下段加熱装置52が長大になる一方、電熱ヒーターの消費電力や灯油バーナの灯油の消費量が増加すると言う問題がある。 【0004】 他方、下段加熱装置52に供給した2次空気jは、連結ダクト55を経てその上部に設置した高温分離装置56に流入するため、連結ダクト55内を落下する汚染物質mに付随する粉塵を大量に噴き上げることになる。このため、高温分離装置56内に設けた高温バグフィルタやセラミックフィルタなどのフィルタが目詰まりする虞れがある。なお、符号iは、下段加熱装置51に供給した1次空気である。更に、上記のように、2基の加熱装置51,52を上下2段に設置すると、加熱処理装置50の高さが必然的に高くなり、加熱処理装置50のメンテナンスが高所作業になるなどの問題があった。 【0005】 このような問題を解消するため、内筒と外筒よりなる2重筒形状の加熱処理装置を考案するに至ったが、図5に示すように、内筒61と外筒62とからなる2重筒形状の加熱処理装置60があることが分かった(例えば、特許文献2参照。)。 【0006】 しかし、従来の加熱処理装置60は、導入口63から内筒61と外筒62との間隙を通って外筒62の奥に焼却灰nを移送するため、図6に示すように、小径管部64の外周面にスクリュー状の羽根65を設けると共に、内筒61の外周面に軸線に平行な複数の仕切羽根66や螺旋状の多数のガイド羽根67a,67bを設けているので、構造が複雑なものになっている。その上、内筒61と外筒62との回転が異なるように、それぞれ、独立した回転機構68,69を備えているので、回転機構などが複雑になる問題がある。従って、建設コストやメンテナンスコストが嵩むことになる。 【0007】 また、従来の加熱処理装置60は、外筒62の奥側において、外筒62内の焼却灰nを重力に逆らって内筒61内にかき上げるため、内筒61内に仕切壁70を設けると共に、その側面に傾斜した多数のガイド板71,72を設けている。更に、上記小径管部64内に焼却灰払い出し用のスクリュー羽根73を設けているので、構造が非常に複雑なものになっている。 【0008】 また、この加熱処理装置60は、流通ガスpを灰温度の低い外筒62の前端部から排出する構造になっているため、灰に比べて水分や可燃分を多く含む土壌や底質などの汚染物質を加熱処理する場合は、加熱処理により蒸発した水分や可燃分の燃焼によって生じたタール分が流通ガスに多量に含まれ、流通ガスp中の含まれる水分やタール分の凝縮によってホッパ74と外筒62とを連通する配管75の閉塞や、フィルター76の目詰まりが発生する虞れがある。更に、この加熱処理装置60は、流通ガスpの取入口が一つであるからダイオキシンやPCBなどの有機塩素化合物を分解に使用する酸素量が不足気味となり、有害な有機塩素化合物の分解機能が必ずしも充分とは言い難い。 【特許文献1】特開2005−152882号公報 【特許文献2】特開2003−126802号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、上記のような問題を改善するためになされたものであり、第1の目的は、汚染物質に含まれているダイオキシンやPCBなどの有機塩素化合物の分解機能に優れると共に、流通ガス中に含まれる水分やタール分などの凝縮防止を図ることができる汚染物質の加熱処理装置を提供することにある。更に、第2の目的は、従来の2重筒形状の加熱処理装置に比較して被処理物送り手段や回転機構などが簡単な汚染物質の加熱処理装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 係る目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る汚染物質の加熱処理装置は、ダイオキシンやPCB等の有機塩素化合物に汚染された土壌や底質などの汚染物質を無害化する汚染物質の加熱処理装置において、内筒と外筒により2重筒形回転体を形成し、前記内筒の前端部に1次空気導入部を有する被処理物導入装置を設けると共に、前記内筒の内壁面に被処理物移送用の螺旋板を設け、更に、前記外筒の前端部に被処理物排出フードを設けると共に、前記外筒の後端部に排ガス排出フードを設け、更に、前記被処理物排出フードに2次空気導入部と被処理物排出部とを設けると共に、前記排ガス排出フードに排ガス排出部を設け、かつ、前記2重筒形回転体を前端部が後端部よりも低くなるように前傾させると共に、前記2重筒形回転体の外側に加熱手段を設けたことを特徴とする。 【0011】 請求項2に記載の発明は、請求項1記載の汚染物質の加熱処理装置において、前記内筒と前記外筒との間隙に接続リブを設けて前記内筒と前記外筒とを一体化したことを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 上記のように、請求項1に記載の発明は、汚染物質の加熱処理装置において、内筒の前端部に1次空気導入部を有する処理物導入装置を設けると共に、被処理物排出フードに2次空気導入部を設け、前記1次空気導入部から導入した新鮮な1次空気によって汚染物質に含有されている水分を蒸発し、可燃分を燃焼させた後、前記2次空気導入部から導入した新鮮な2次空気に含まれている豊富な酸素を使用して汚染土に含有されているダイオキシンやPCBなどの有害な有機塩素化合物を確実に分解することが可能になった。 【0013】 また、この発明は、排ガス温度の高い排ガス排出フードの部分、すなわち、被処理物である汚染物質の加熱処理過程の途中から排ガスを排出できる構造になっているため、水分やタール分の凝縮に起因する配管の閉塞を防止することができる。また、高温集塵器を採用することにより、フィルターの目詰まりを起すこと無く、徐じんを行うことができるようになった。 【0014】 また、内筒と外筒とが接続され、内筒と外筒とが一体となって回転するので、従来の2重筒形状の加熱処理装置に比べて構造及び回転機構が簡素化され、構造が極めてシンプルになった。また、仕切り板やガイド羽根なども、内筒の内壁面に設けた半径方向高さ20〜30%程度の螺旋板、或いは、外筒の内壁面に設けた半径方向高さ20〜30%程度の螺旋板や攪拌手段だけで良く、構造がシンプルになった。 【0015】 このため、建設コストを安価に押えることができる。また、不具合も起き難いと予想されるので、メンテナンスコストも軽減することが可能となった。また、この発明は、被処理物としての汚染物質が重力によって内筒から外筒に自然落下するので、従来の2重筒形状の加熱処理装置に比べて構造がシンプルとなった。 【0016】 また、請求項2に記載の発明は、前記内筒と前記外筒との間隙に接続リブを設けて前記内筒と前記外筒とを一体化したので、従来の2重筒形状の加熱処理装置に比べて構造及び回転機構ともシンプル化することが可能となった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。 【0018】 図1は、本発明に係る汚染物質の加熱処理装置を含む汚染土処理施設の全体構成図であり、ダイオキシン(DXNs)やPCBなどの有機塩素化合物に汚染された土壌やヘドロ(以下、底質という。)などの汚染物質を無害化するようになっている。なお、この実施の形態では、汚染物質として底質を例に採る。 【0019】 例えば、ダイオキシンで汚染された底質aは、乾燥手段1によって乾燥された後、その下方のホッパ2に一時的に蓄えられる。ホッパ2に貯蔵された乾燥底質bは、後述する加熱処理装置3によって加熱処理される。加熱処理装置3によって浄化又は無害化された底質cは、その下方に設置した冷却器4によって急冷される(例えば、450〜470℃→80〜100℃程度。)。 【0020】 他方、加熱処理装置3より排出された排ガスdは、高温集塵器5に導入され、当該高温集塵器5内の高温バグフィルタ、セラミックフィルタなどのフィルタ6によって濾過される。フィルタ6によって除じんされた粉塵eは、前記ホッパ2に戻される。フィルタ6を通過した排ガスdは、排ガス加熱処理装置7によって加熱され、CO(一酸化炭素)、タール分、ダイオキシン(DXNs)が熱分解される。この排ガス加熱処理装置7には、燃料f及び燃焼用空気gが供給される。排ガス加熱処理装置7で処理された排ガスdは、更に、排ガス処理系活性炭素吸着法や湿式洗煙法などを適用した後処理装置8によって後処理した後、大気中に放出される。 【0021】 上記加熱処理装置3は、図2に示すように、内筒11と外筒12からなる2重筒形回転体10を有している。この2重筒形回転体10は、前後二ヶ所の部分において、内筒11と外筒12との間に複数の支持体13を放射状に設けて両者を一体化している。その上、2重筒形回転体10は、前端部が後端部よりも、若干、低くなるように前傾している。また、外筒12の前後二ヶ所に円環状のタイヤ14を設けると共に、これらのタイヤ14を駆動ローラ15によって支持して2重筒形回転体10が所定の速度(例えば、1〜10rpm程度)で回転するようにしている。また、外筒12の外側に電熱ヒーター16を設けている。この電熱ヒーター16の加熱温度は、500〜550℃に設定されている。その上、この電熱ヒーター16は、500〜550℃の範囲内で10℃ずつ温度調整できるようになっている。 【0022】 更に、上記外筒12の前端部に被処理物排出フード17を設けると共に、外筒12の後端部に排ガス排出フード18を設けている。更に、前記内筒11の前端部に1次空気導入部20を有する被処理物導入装置21を設けると共に、内筒11の内壁面に被処理物移送用の螺旋板22を設けている。この被処理物導入装置21としては、スクリューフィーダー、シュート、プッシャーなどがある。また、螺旋板22の高さとしては、内筒11の半径の20〜30%程度が好ましい。20%未満の場合は、被処理物の移送が不足する。尚、所望により、外筒12には、ヒータ16から外れた内壁部分に螺旋板(図示せず)を設け、ヒータ部分には、リフターを設けても良い。 【0023】 更に、被処理物排出フード17の上部に2次空気導入部24を設けると共に、被処理物排出フード17の下部に処理物排出部25を設けている。更に、排ガス排出フード18の上部に排ガス排出部26を設けている。また、所望により、外筒12の内壁面に攪拌手段として良い。更に、外筒12の外側に付着防止用のハンマリング装置を設けても良い。 【0024】 次に、上記加熱処理装置の作用について説明する。 【0025】 乾燥器1によって乾燥された底質bは、図2に示すように、被処理物導入装置21によって2重筒形回転体10の内筒11内に供給される。2重筒形回転体10の内筒11に供給された底質bは、2重筒形回転体10の回転に伴い、内筒11の内壁面に設けた螺旋板22によって排ガス排出フード18の方向に連続的に移送される。内筒11内を移動中の底質bは、外筒12の外側に設けた電熱ヒーター16によって加熱される。その際、上記被処理物導入装置21のケーシング23に設けた1次空気導入部20から内筒11内に新鮮な1次空気iが供給されるので、底質bに含まれている水分が蒸発し、可燃分が燃焼する。その間、1次空気hは、底質bと並行に流れる。内筒11内で発生した排ガスdは、排ガス排出フード18の上部に設けた排ガス排出部26を通って高温集塵器5に供給される。 【0026】 内筒11の出口に達した底質bは、内筒11から外筒12内に自然落下する。内筒11の出口温度は、300〜400℃程度になっている。外筒12内に落下した底質bは、2重筒形回転体10の前傾姿勢と2重筒形回転体10の回転により、排ガス排出フード18側から被処理物排出フード17側の方向に移送される。その際、外筒12内にリフター(図示せず)を設けることにより、底質bの攪拌を促進することができる。その間、外筒12内の底質bは、電熱ヒーター16によって所定の温度(例えば、450〜470℃程度)に加熱される。その際、被処理物排出フード17に設けた2次空気導入部24から新鮮な2次空気jが供給されるので、底質bに含まれているダイオキシン(DXNs)やPCBなどの有機塩素化合物が2次空気j中の酸素によって酸化分解され、無害な底質cとなる。この際、2次空気jは、被処理物排出フード17から排ガス排出フード18の方向に流動するため、2次空気jと底質b又はcは、対向流となる。この2次空気jは、排ガス排出フード18の排ガス排出部26より高温集塵器5に供給される。他方、無害化した底質cは、処理物排出部26から冷却器4に供給される。 【0027】 尚、図3の汚染物質の加熱処理装置は、排ガス排出フード18をダクト型に変更した点が図2の汚染物質の加熱処理装置と相違するだけであるから、同じ部品に同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。また、加熱手段としては、電熱ヒータ以外に灯油バーナなどを適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明に係る汚染物質の加熱処理装置を含む加熱処理設備の全体構成図である。 【図2】本発明に係る汚染物質の加熱処理装置の断面図である。 【図3】本発明に係る汚染物質の加熱処理装置の他の実施態様を示す断面図である。 【図4】従来の上下2段式の加熱処理装置の概略構成図である。 【図5】従来の2重管式の加熱処理装置の概略構成図である。 【図6】従来の2重管式の加熱処理装置の要部断面図である。 【符号の説明】 【0029】 10 2重筒形回転体 11 内筒 12 外筒 16 加熱手段 17 被処理物排出フード 18 排ガス排出フード 20 1次空気導入部 21 被処理物導入装置 22 螺旋板 24 2次空気導入部 25 被処理物排出部 26 排ガス排出部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005902 【氏名又は名称】三井造船株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年3月31日(2006.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066865 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一
【識別番号】100066854 【弁理士】 【氏名又は名称】野口 賢照
【識別番号】100068685 【弁理士】 【氏名又は名称】斎下 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−49207(P2008−49207A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−96856(P2006−96856) |
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