トップ :: B 処理操作 運輸 :: B09 固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生

【発明の名称】 汚染土壌の浄化方法
【発明者】 【氏名】山下 清志

【氏名】石川 裕

【要約】 【課題】汚染土壌を浄化する際に混在物の分別を乾式で実施する場合に有害物が空気中に飛散し、環境への悪影響の恐れがある。

【構成】掘削された汚染土壌1を水を入れた水槽2に投入し、投入された汚染土壌1をバックホー等を用いてかき回すことにより、まず木屑、プラスチック等浮遊物を除去し、次いで磁選機を用いて鉄筋、空き缶、鉄線等の鉄屑を除去し、鉄屑を除去した後に、選別機を使用して所定の大きさの砂、礫を分離し、減量化された残渣を含む泥水に重金属捕集剤15や凝集剤17を添加して固液分離を行い、脱水ケーキ20を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染土壌を有害物水封水槽に投入し、汚染土壌に含まれた有害物を水封する状態下で前記汚染土壌から混在物を除去することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
【請求項2】
水封下で混在物を除去した汚染土壌の沈殿物から湿式の選別機を用いて段階的に砂、礫を分別して除去することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
【請求項3】
水封下で混在物を除去した汚染土壌の沈殿物から湿式の選別機を用いて段階的に砂、礫を分別して除去し、その後に泥水に重金属捕集剤もしくは凝集剤の少なくとも何れかを添加して固液分離することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
【請求項4】
水封下にある汚染土壌から水に浮く混在物を浮遊分離した後に、沈殿物中の混在物である金属屑を磁選機を用いて除去することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
【請求項5】
水封下にある汚染土壌から重機により特大物の混在物を除去することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は汚染土壌の浄化方法に関し、特に汚染土壌に混入した混在物を除去する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、汚染土壌が存在する地域としては、廃棄物等の埋立により造成されたところが多くある。また、当該地域には土砂に混じって木屑や鉄屑等の各種屑等(以下混在物という)が埋められている場所が多数存在する。
【0003】
これらの地域では混在物が汚染土壌を浄化する作業の妨げとなるので、前処理としてバックホー等の重機を使用して特大の混在物を取り除いた後に、手作業や乾式篩いにかける等の方法によって土砂と混在物を分別していた。
【0004】
この種の先行技術には、例えば特許文献1に開示するものがある。これは、汚染土壌前処理装置として有害物質の大部分を含む1mm以下(好ましくは0.2mm以下)の粒径の微粒の土壌を分別する分別手段を備えるものである。分別手段は、内部に土壌を投入する塔本体と、この塔本体内に高さ方向に沿って間隔をあけて取り付けた下方側ほどメッシュサイズの小さくなる複数のふるいと、塔本体を振動させる加振機と、分別された土壌を塔本体から送出する送出口と、塔本体に取り付けられて熱風を送給して土壌を乾燥させる熱風送給機とを備えている。
【0005】
また、特許文献2には土壌分別装置が記載されている。これは、第1ホッパーから連続して送出される土壌を一定間隔置きに抽出して分析装置で分析するものであり、分析装置で分析する間に第1ホッパーから送出する土壌を第2ホッパーで一時的に貯留する。第2ホッパーから送出する土壌は、分析装置の分析結果に応じて仕分け装置で仕分けして、汚染土壌用のストックヤードと、非汚染土壌用のストックヤードとに送出する。第2ホッパーに貯留した土壌が排出し終わるまでの間、第1ホッパーから送出する土壌を一時的に貯留する仮受体を設けて、先行する土壌群と後続する土壌群とが第2ホッパー内で混じり合うのを防ぐ。以て、対象土壌は分析装置の分析に要する時間分だけ送出される土壌群ごとに分析して汚染土壌と非汚染土壌とに連続して分別する。
【0006】
また、特許文献3には土壌浄化装置が記載されている。これは、残留性有機汚染物質であるハロゲン化合物または油を含んでいる有害物質で汚染された土壌を洗浄槽内に投入し、洗浄槽内に抽出溶剤を循環給排して土壌を洗浄するものであり、洗浄槽内に投入する土壌の透液性及び透気性を高めるために土壌に砂及びビーズの少なくとも一方を予め混合するものである。
【特許文献1】特開2001−219155号公報
【特許文献2】特開2006−61851号公報
【特許文献3】特許第3740076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したように前処理として汚染土壌の浄化作業の妨げとなる特大の混在物をバックホー等の重機で取り除くには多大な手間と費用を要する。また、特大の混在物を除去した汚染土壌を乾燥させて後に手作業や乾式篩いにかけて土砂と混在物を分別する方法では、汚染土壌の乾燥のために必要なエネルギーや費用が多大となる。更に、乾式で行う場合には、有害物が空中へ飛散して周辺環境が悪化する恐れがあった。
【0008】
本発明は、前処理として土砂と混在物を安全かつ効率的にしかも経済的に分けることができる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌を有害物水封水槽に投入し、汚染土壌に含まれた有害物を水封する状態下で前記汚染土壌から混在物を除去することを特徴とする。
【0010】
また、水封下で混在物を除去した汚染土壌の沈殿物から湿式の選別機を用いて段階的に砂、礫を分別して除去することを特徴とする。
また、水封下で混在物を除去した汚染土壌の沈殿物から湿式の選別機を用いて段階的に砂、礫を分別して除去し、その後に泥水に重金属捕集剤もしくは凝集剤の少なくとも何れかを添加して固液分離することを特徴とする。
【0011】
また、水封下にある汚染土壌から水に浮く混在物を浮遊分離した後に、沈殿物中の混在物である金属屑を磁選機を用いて除去することを特徴とする。
また、水封下にある汚染土壌から重機により特大物の混在物を除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水封下において汚染土壌から混在物を除去するので、汚染土壌中の有害物質が空中へ飛散することを防止でき、安全で、効率的に汚染土壌を浄化することができ、しかも乾燥を必要としない湿式で分別することにより省エネルギーを実現して経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1〜図2は本発明の汚染土壌の浄化方法を示すブロック図である。図1〜図2に示すように、まず、汚染土壌1を有害物水封水槽2に投入する。汚染土壌1は土砂、木屑、鉄屑等の各種屑の混在物を含み、これらの混在物が汚染土壌を浄化する作業の妨げとなる。
【0014】
このため、有害物水封水槽2へ水封用の水3を供給し、水中において汚染土壌1に含まれた有害物を水封する状態下で汚染土壌1から混在物を除去する。有害物水封水槽2の第1除去工程では水封下にある汚染土壌1から水に浮く木屑等の混在物を浮遊分離し、浮遊物4を汚染土壌1から分離除去する。第2除去工程では水封下にある汚染土壌1の沈殿物から混在物である鉄筋、空き缶、鉄線等の鉄屑5を磁選機を用いて除去する。第3除去工程では水封下にある汚染土壌1からバックホー等の重機により瓦礫等の混在物の特大物6を除去し、有害物水封水槽2に残留する水は槽外へ一旦取り出し、静置後に上澄水7として有害物水封水槽2へ戻す。そして、汚染土壌1はその団粒を所定のサイズ以下にした後に、次の解砕・水洗設備8へ移動させる。
【0015】
前述の有害物水封水槽2における処理だけでは大きいサイズの団粒が残ることがあるので、解砕・水洗設備8では十分浄化を行うために水9を供給して水洗を行いながらロッドスクラバー、ボールミルなどの攪拌解砕機により団粒の解砕を行う。
【0016】
解砕・水洗設備8の解砕物は1次分離設備10および2次分離設備11において所定サイズの礫、砂等を段階的に分別して除去する。つまり、1次分離設備10の第1分別工程では湿式の選別機を用いて網等の篩により礫・粗砂12を除去し、さらに2次分離設備11の第2分別工程では湿式サイクロン等の選別機を用いて砂等13を除去する。
【0017】
以上の工程を経た後に、最終的に粘土、シルト等の微粒子を含む泥水(濁水)が残る。この濁水を濁水槽14に導入し、これに重金属捕集剤15を添加して有害重金属を沈殿させる重金属捕集工程を行う。その後に、濁水を濁水処理設備16に導入し、これに凝集剤17を添加して濁水中に存在する土粒子等を凝集させる。なお、本実施の形態では、重金属捕集剤15および凝集剤17を用いたが何れか一方を添加する場合もある。
【0018】
凝集沈殿した汚泥は貯泥槽18に貯留し、その後に脱水設備19に導入してフィルタープレス等を用いて脱水し、有害物が濃縮された脱水ケーキ20を得る。脱水設備19の濾過水21は濁水槽11に返送する。
【0019】
脱水ケーキ20は汚染土壌を大幅に減量化して有害物を濃縮したものであり、二次処理として溶融処理や資源回収、埋立処分を経済的に行うことができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の手段を用いて実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によれば、水封下で混在物を除去する前処理を行うことで有害物の空中への飛散が防止できる。この水封下で前処理を行なうことを前提とするので、汚染土壌は湿らせたままで掘削して処理施設へ搬入することができ、従来の乾式で分離する方法では汚染土壌を予め乾燥するために粉塵が発生して周辺環境の悪化を招く恐れがあるが、本発明では有害性の粉塵の発生が起こらないので、粉塵対策のための除塵施設の設置が不必要であり、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態における汚染土壌の浄化方法を示すブロック図
【図2】同実施の形態における汚染土壌の浄化方法を示すブロック図
【符号の説明】
【0022】
1 汚染土壌
2 有害物水封水槽
3 水封用の水
4 浮遊物
5 鉄屑
6 特大物
7 上澄水
8 解砕・水洗設備
9 水
10 1次分離設備
11 2次分離設備
12 礫・粗砂
13 砂
14 濁水槽
15 重金属捕集剤
16 濁水処理設備
17 凝集剤
18 貯泥槽
19 脱水設備
20 脱水ケーキ
21 濾過水
【出願人】 【識別番号】503361189
【氏名又は名称】大幸工業株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫

【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘

【識別番号】100096437
【弁理士】
【氏名又は名称】笹原 敏司

【識別番号】100100000
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 洋平


【公開番号】 特開2008−12393(P2008−12393A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183962(P2006−183962)