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【発明の名称】 乳酸発酵組成物及びその製造方法
【発明者】 【氏名】菅原 義人

【氏名】猪野 健一

【要約】 【課題】市販の麹菌を使用することなく、廉価に、短時間に食品廃棄物や家畜糞尿等の有機質廃棄物から無臭の無害な有機肥料や家畜用飼料を製造する方法を提供する。

【構成】古米、外米、屑米を精米して水洗いし、これを発酵室の木箱に入れ発酵室の温度を管理しながら40〜45時間経て麹を作り、この麹から糖化酵素液を得て、この糖化酵素液に酵母菌を混合し、酵母バイオ液を得る。他方、前記糖化酵素液と同等容量の蒸し米糠と酒絞り粕を混合した混合組成物に前記酵母バイオ液を加え、含水率90%の粘液状態にして4〜5日間発酵させ、pH3付近にして乳酸発酵分解活性酵素組成物とする。これに水を加えて希釈液を作り、この希釈液を有機質廃棄物などの原料に一定量噴霧し、これを発酵攪拌機内で一次発酵させ、この処理物を二次発酵堆積槽において自然発酵させ、動物類の飼料とする、乳酸発酵組成物の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
古米、外米、屑米を精米して水洗いし、この洗浄米を蒸し、この蒸し飯を放置し、これに麹菌を混合して撹拌し、これを発酵室の木箱に入れて濡布を掛け、発酵室の温度を管理しながら18〜20時間後に全体を攪拌し、40〜45時間経て麹を作り、この麹容量の3.3倍量の水を58〜60℃に加熱した湯中に前記麹を入れ、4〜5時間放置、糖化酵素液とし、次に、この糖化酵素液に酵母菌を混合し、嫌気状態で発酵させて、酵母バイオ液を得、他方、前記糖化酵素液と同等容量の米糠を蒸し、この蒸し米糠と酒絞り粕を混合した混合組成物に前記酵母バイオ液を加え、含水率90%の粘液状態にし、温度管理しながら攪拌して4〜5日間発酵させ、pH3付近にして乳酸発酵分解活性酵素組成物を製造し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物を機械タンクに使用分量投入し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物容量1に対して3〜5倍量の水を加えて希釈液を作り、他方、破砕脱水機に入れ、水分を調整した有機質廃棄物に前記希釈液を一定量噴霧し、一定温度を維持しながら攪拌混合し、24時間攪拌と静止を繰返して一次発酵させ、この発酵処理物がpH3前後に低下したら、この処理物を二次発酵堆積槽において5〜6日間乳酸自然発酵させ、発酵温度が30〜40℃に下がったら取出して含水率18〜22%まで乾燥したことを特徴とする乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項2】
前記酵母バイオ液として、前記糖化酵素液が温度30℃近傍に低下した状態で酵母菌を混合し、24時間嫌気状態で発酵させた酵母バイオ液を使用することを特徴とする請求項1に記載の乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項3】
前記蒸し飯を放置して前記発酵室の温度が30〜35℃となったとき、この蒸し飯に麹菌を振掛け揉み合せ混合攪拌し、これを濡布の敷いた木箱に入れ、濡布をかけて発酵室内に入れて前記麹を製造し、前記酵母バイオ液として、前記糖化酵素液に、この糖化酵素液容量の0.025%量の酵母菌を混合攪拌した酵母バイオ液を使用することを特徴とする請求項2に記載の乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項4】
前記乳酸発酵分解活性酵素組成物の希釈液を前記有機質廃棄物の1m当り8〜12リットル散布した後、発酵攪拌機に移送投入し、その後攪拌制御は1時間静止、1時間経過後に15分間攪拌し、これを数回繰返し、前記処理物の温度を35℃付近の設定温度範囲内に維持し二次発酵堆積槽に移動後、発酵を止めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項5】
前記請求項2,3に記載のいずれかひとつの製造方法による乳酸発酵分解活性酵素組成物を機械タンクに使用分量投入し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物容量1に対して3〜5倍量の水を加えて希釈液を作り、他方、発酵分解原料として有機質廃棄物を破砕脱水機に入れ、水分を調整し、これに圧送ポンプによって前記希釈液を一定量噴霧し、これを発酵攪拌機に搬送し、一定温度を維持しながら攪拌混合し、24時間攪拌と静止を繰返し乳酸発酵促進させ、この処理物がpH3前後に低下したら、これを前記二次発酵堆積槽に移動させた後、朝夕2時間ずつ通気し、2日に1回攪拌しながら発酵促進、当初15〜24時間は発酵温度40〜45℃でその後発酵が促進し、60〜70℃まで発酵温度が上昇し4〜5日間続き、その後発酵温度が下がり10〜15日間放置することを特徴とした乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項6】
工場および食品工場から排出される有機質廃棄物を水分調整剤に染込ませ、水分比率60〜65%になるようにし、これに前記希釈液を噴霧して発酵攪拌機に投入し、混合、発酵、攪拌の繰り返し、6〜10時間発酵促進し、二次発酵堆積槽に移動し、2日に1回攪拌しながら発酵促進、その後発酵温度が下がり10〜15日間放置することを特徴とする請求項5に記載の乳酸発酵組成物の製造方法。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれか1つの製造方法によって製造された乳酸発酵組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、有機質物排出(廃棄)処分される一般生ゴミや食材残渣食品加工から排出される加工残渣など人間食材の残渣物等を、有効活用し家畜やペット、魚類などの動物飼料として再資源の有効利用を図ること、及び家畜糞尿や有機質廃棄物を、乳酸発酵分解処理製法で悪臭を抑制し、短時間でアミノ酸や有機栄養素を含む良質な有機発酵肥料を造り、地球環境に公害の無い循環型社会を目指し、有機質のリサイクルを還元することのできる動物類の飼料や有機肥料として好適な乳酸発酵組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機質廃棄物は、ほとんどが焼却処分され、家畜糞尿だけがボカシ堆肥として、大地に還元されているが、人間生活や社会生活において、さまざまな廃棄物を、焼却処分が多く行なわれている。その結果、大気汚染や環境汚染など自然環境を破壊しており、土壌環境にしても戦後食料難を基に、質より量産をかかげ化学肥料栽培や農薬散布を指導推進してきた給果、農地は微量要素欠乏し病害虫が多発し、作物は様々な病原菌や害虫被害におかされ、そのつど農薬による防除が指導されている。このような土壌消毒により微生物を死滅させることになっているため、化学無機質肥料や農薬駆除で栽培した作物を食する人間も様々な現代病にかかり、免疫力が低下している。こうした土壌汚染は河川や湖沼、海洋汚染を引き起こす原因となってきた。
【0003】
こうした環境破壊から、自然環境保全を目指し体質改善を求められている。公害汚染の一つである廃棄物リサイクル法である従来の有機質廃棄物はほとんどが腐敗発酵分解である。このような腐敗発酵分解の肥料は、未熟分解状態で土壌に散布施すると、地中の土壌菌で分解されてアンモニアや硫化水素などの有害ガスを発生し、根や葉を傷め枯らすことになっていた。腐敗発酵分解を完熟まで分解すると、有機物質廃棄物のタンパク質はアミノ酸からさらにアンモニアや硝酸までに分解され、無機質肥料になる。また腐敗発酵分解は、一般にはアミノ酸のチッソやイオンを好む硫酸還元菌やアンモニア化成菌がアミノ酸をエサに繁植し、アミノ酸を無機のアンモニアや硫化水素に分解し、悪臭を放し腐敗が起こる。このため、悪臭公害が発生し近隣の人々からクレームが付き、現在の堆肥化施設ではクレームのない施設はないとまで言われており、悪臭を断つため、脱臭装置を取り付け、臭の抑制を計っているが、完全に臭を除去することは出来なかった。
【0004】
また、堆肥化技術では、古くから体積型ボカシ堆肥を作り、農地に施しているが、畜産環境対策事業として、機械による堆肥製造設備化が推進され、ここ近年廃棄物リサイクル法が政令され、西暦2004年以後の家畜糞尿の野積禁止、罰則制度が施行されるため、処理施設の整備が求められている。施設を確立するには、設置場所や機種選定の問題がある。設置場所については、悪臭公害や汚染公害などでの住民反対による設置場所の設定難、例え公害を一切出さないとしても、廃棄物処理施設が出来ると聞いただけで、反対のための反対である。これは現在までに施行された技術の結果だと考えられる。また、機種設定についても、機械の構造や処理工程が変わっても結果は同じで、腐敗発酵分解であるため腐敗分解となり、悪臭が発生していた。このことは一度に大量の有機質物を分解処理する技術が無かったからで、そのためには悪臭公害や汚水公害がなく安全に、一度に大量の有機質廃棄物を分解処理が出来る技術が求められている。
【0005】
そこで乳酸発酵分解処理に関わる先行技術に関連する発明として、特許文献1の「有機物質の発酵分解促進資材と適合型発酵分解促進資材の製造方法」、及び特許文献2の「有機性食品廃棄物の処理方法」などが知られている。特許文献1に記載される発明は、加熱処理した米糠または麩と水に市販の麹とミネラル成分を含有した鉱泉水および/またはミネラルとを混合し、主に、前記麹の酵素で自己消化させて酵素消化液となし、当該酵母を加えて発酵させ、アルコールや乳酸菌や有機酸を含む酸性液に生成したことを特徴とする有機質物の発酵分解促進資材の製造方法で、米糠を発酵させてアルコールや乳酸を含有する酸性溶液とするものである。
また、特許文献2に記載される発明は、有機食品廃棄物に、乳酸菌及び/又は乳酸菌の生育基質となる糖類を添加し、乳酸菌発酵処理することにより中間処理物を得ることを特徴とする有機性食品廃棄物の処理方法で、有機食品廃棄物に糖類を添加し、乳酸菌による発酵させて分解するものであるが、麹菌を添加することによる代謝発酵熱を利用して水分を除去して乾燥させて、乳酸菌や麹菌による飼料を製造することが開示されている。
【特許文献1】特開2002−201089号公報
【特許文献2】特開2001−198553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の方法は、麹菌を得るために市販の高価な麹菌を使用するもので、食品廃材を分解させるにはコスト高となっている。
【0007】
さらに、このような従来の有機物の腐敗発酵分解処理方法は、人間生活社会において不利益を与えることから、発酵分解処理方法で上記の問題を解決しようとするものであり、公害のない環境と循環型社会を造ることを目的とするものである。
【0008】
本発明は、市販の麹菌を使用することなく、一般に廃棄されていた古米、外米、屑米を精米して麹菌を製造し、動物類の飼料や有機肥料に使用できる乳酸発酵組成物を廉価に製造しようとするものである。
さらに本発明の課題は、無臭で無害な有機肥料や家畜用飼料として、食品廃棄物や家畜糞尿等の有機質廃棄物から乳酸発酵組成物を短時間で廉価に製造することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記課題は、古米、外米、屑米を精米して水洗いし、この洗浄米を蒸し、この蒸し飯を放置し、これに麹菌を混合して撹拌し、これを発酵室の木箱に入れて濡布を掛け、発酵室の温度を管理しながら18〜20時間後に全体を攪拌し、40〜45時間経て麹を作り、この麹容量の3.3倍量の水を58〜60℃に加熱した湯中に前記麹を入れ、4〜5時間放置、糖化酵素液とし、次に、この糖化酵素液に酵母菌を混合し、嫌気状態で発酵させて、酵母バイオ液を得、他方、前記糖化酵素液と同等容量の米糠を蒸し、この蒸し米糠と酒絞り粕を混合した混合組成物に前記酵母バイオ液を加え、含水率90%の粘液状態にし、温度管理しながら攪拌して4〜5日間発酵させ、pH3付近にして乳酸発酵分解活性酵素組成物を製造し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物を機械タンクに使用分量投入し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物容量1に対して3〜5倍量の水を加えて希釈液を作り、他方、破砕脱水機に入れて水分を調整した有機質廃棄物に前記希釈液を一定量噴霧し、一定温度を維持しながら攪拌混合し、24時間攪拌と静止を繰返して一次発酵させ、この発酵処理物がpH3前後に低下したら、この処理物を二次発酵堆積槽において5〜6日間乳酸自然発酵させ、発酵温度が30〜40℃に下がったら取出して含水率18〜22%まで乾燥する乳酸発酵組成物の製造方法によって達成できる。
【0010】
本発明の前記課題は、前記酵母バイオ液として、前記糖化酵素液が温度30℃近傍に低下した状態で酵母菌を混合し、24時間嫌気状態で発酵させた酵母バイオ液を使用した乳酸発酵組成物の製造方法によって達成できる。
【0011】
本発明の前記課題は、前記蒸し飯を放置して前記発酵室の温度が30〜35℃となったとき、この蒸し飯に麹菌を振掛け揉み合せ混合攪拌し、これを濡布の敷いた木箱に入れ、濡布をかけて発酵室内に入れて前記麹を製造し、前記酵母バイオ液として、前記糖化酵素液に、この糖化酵素液容量の0.025%量の酵母菌を混合攪拌した酵母バイオ液を使用する乳酸発酵組成物の製造方法の構成によって達成できる。
【0012】
本発明の前記課題は、前記乳酸発酵分解活性酵素組成物の希釈液を前記有機質廃棄物の1m当り8〜12リットル散布した後、発酵攪拌機に移送投入し、その後攪拌制御は1時間静止、1時間経過後に15分間攪拌し、これを数回繰返し、前記処理物の温度を35℃付近の設定温度範囲内に維持し二次発酵堆積槽に移動後、発酵を止める乳酸発酵組成物の製造方法によって達成できる。
【0013】
本発明の前記課題は、前記製造方法による乳酸発酵分解活性酵素組成物を機械タンクに使用分量投入し、この乳酸発酵分解活性酵素組成物容量1に対して3〜5倍量の水を加えて希釈液を作り、他方、発酵分解原料として有機質廃棄物を破砕脱水機に入れ、水分を調整し、これに圧送ポンプによって前記希釈液を一定量噴霧し、これを発酵攪拌機に搬送し、一定温度を維持しながら攪拌混合し、24時間攪拌、静止を繰返し乳酸発酵促進させ、この処理物がpH3前後に低下したら、これを前記二次発酵堆積槽に移動させた後、朝夕2時間ずつ通気し、2日に1回攪拌しながら発酵促進、当初15〜24時間は発酵温度40〜45℃その後発酵が促進し、60〜70℃まで発酵温度が上昇し4〜5日間続き、その後発酵温度が下がり10〜15日間放置する乳酸発酵組成物の製造方法の構成によって達成できる。
【0014】
更に、前記乳酸発酵分解活性酵素組成物と、生ゴミや工場から排出される加工残渣及び加工汚泥、業務用生ゴミ、期限切れ食品、家畜糞尿、下水汚泥などの資源を発酵分解処理し有機発酵肥料に再利用するために、有機質廃棄物を準備し、一方前記記載の分解活性組成物(発酵分解原料1m当り、原液2リットル)を機械タンクに使用分量準備し乳酸発酵分解活性酵素組成物容量1に対して3〜5倍量の水を加えて薄めかき混ぜて準備、一方有機質発酵分解原料を発酵攪拌機に投入し、希釈した前記乳酸発酵分解活性酵素組成物(発酵分解原料1mに対して8〜12リットル)を混合し、ロータリー式攪拌機である発酵攪拌機で攪拌混合して発酵させ、発酵攪拌機には攪拌制御タイマーと温風ブロアが装備され、有機質廃棄物を投入時は1時間連続攪拌して有機質廃棄物の発酵原料を十分に混合する。その後攪拌制御は1時間静止、微生物による発酵促進、1時間経過後にタイマー制御により15分間攪拌され、その後は1時間静止、15分間攪拌の繰返し、また、温風ブロアは発酵攪拌機運転当初より連続運転、温風ブロアには温度センサーが装備されており発酵原料の温度が34〜36℃に設定、34℃以下に下がるとセンサー制御により温風を送風し、36℃以上に上がると温風が止まり送風になり設定温度範囲内に維持し、6〜10時間発酵促進する。乳酸発酵分解活性酵素組成物による発酵分解促進で、麹菌がデンプン質を分解しブドウ糖や乳糖などの糖に変え、糖類を餌に酵母菌や乳酸菌が繁殖し、分解酵素により種々な物を分解するが、乳酸菌が得意とする乳糖などの炭水化物を乳酸などに分解する。これによって乳酸は酸性となるのでpHが低下し、pH測定器試験結果pH3.5〜4.5に低下する。酸性値で生息出来ない細菌、微生物は死滅除菌、雑菌による腐敗を防ぐ効果がある。6〜10時間経過後、この処理物を取出し、二次発酵堆積槽に移動させる。この二次発酵堆積槽には通気ブロアが装備されており、朝夕2時間ずつ通気し、2日に1回攪拌しながら発酵を促進し、当初15〜24時間は発酵温度40〜45℃とし、その後発酵が促進し、60〜70℃まで発酵温度が上昇し4〜5日間続く、その後発酵温度が下がり10〜15日間置くことで完熟有機発酵肥料ができる。前記酵母菌や乳酸菌が糖分を求めて繁殖し糖を乳酸などの有機酸に変えpHを酸性にするので雑菌による腐敗を防ぎ悪臭を抑制し、アミノ酸やタンパク、ビタミン、酵素、核酸など植物に活力を与える有機栄養を合成する乳酸発酵組成物の製造方法によって達成できる。
【0015】
さらに本発明の前記課題は、上記した乳酸発酵組成物の製造方法のいずれかによって製造された乳酸発酵組成物によって達成できる。
【0016】
本発明は有機質物廃棄物など処分する資源を、低コストでリサイクルするため価格の安い古米や外米、屑米などの廉価な原料米を精米し(この精米時に発生する米糠は後工程で便用)、所要量(製造する分解活性組成物量、体積でリットル×30%×0.45=白米量)を良く水洗いし蒸し、蒸し飯を広げ揉みほぐす、全体温度30〜35℃に冷やし、麹菌(酵素力化の強いアミラーゼ2550,Sアミラーゼ白麹菌の種麹を使用し、その酵素力価は、a465,プロテアーゼ90.3,ペプチダーゼ22800である。)を振り掛け揉み合せ、独自の方法で麹を造り、麹量の3.3倍量の水を加熱して58〜60℃の湯にし、この湯の中に製造した前記麹を入れ、麹菌の分泌する酵素の糖化作用を行なわせるために4〜5時間放置し、含まれるアミラーゼによってデンプン質を分解し、ブドウ糖や乳糖などを含む糖化酵素液を生成させる。麹の酵素は一般に知られるa−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルポキシペプチダーゼなど50種以上がある。
【0017】
次に麹の温度30℃前後に低下したのを確認し、酵母菌0.025%を混合し温度30℃付近で、24時間嫌気状態で発酵させ、アルコールやアミノ酸を含有する酵母バイオ液にする。先に製造した糖化酵素液と同等量の米糠を蒸し、蒸し米糠と酒絞り粕を(蒸し米糠量の0.5割量)を混合,更に前記酵母バイオ液を加え練り合わせ、含水率90%の粘液状にする。
米糠を蒸し処理により、米糠を殺菌するとともに米糠の分解をしやすくし、栄養分を早く引き出し、この米糠にはデンプンや糖類の他、ビタミン、マグネシウムやリン酸などミネラルが多く含まれ、麹菌や酵母の餌になり、また有機質廃棄物の分解時には有機質廃棄物を水に溶けやすくする。
この米糠を蒸すことにより、腐敗菌を殺菌し、分解が促進され、栄養分が早く引き出され、発酵立ち上がり時間が短縮される。蒸さない米糠を使用すると前記乳酸発酵分解活性酵素組成物を製造したときに数日にして青カビ、赤カビが発生して悪臭を発する。
【0018】
本発明では、この米糠にあわせて酒粕(酒絞り粕)を使用するのは、雑菌の繁殖を抑制しグルタミン酸、乳酸、コハク酸、アミノ酸、酢酸など酸類によって殺菌効果が得られる。酒粕を混合使用しない場合は、表面に白カビのような浮遊物が発生する。
酒粕にはタンパク質、脂肪、炭水化物、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンBなどの栄養素が多く含まれ、栄養価値が高い、また、最終製品を粘液状にしたことにより商品の扱い、発送や使用時の簡易性、飼料としての取り扱いが水で溶かすだけで使える便利さを有する。
【0019】
含水率90%の粘液状にした後、タンクに蓋をし、温度30℃前後で1日1回攪拌し4〜5日間発酵、発酵温度が上がるので35℃以上に上がらないように温度管理する。この発酵によりアミノ酸や乳酸を含有する酸性溶液を合成し、pH3付近の乳酸発酵分解活性酵素組成物を生成した。
【0020】
前記乳酸発酵分解活性酵素組成物の製造後、当該乳酸発酵分解活性酵素組成物による有機質廃棄物発酵分解処理する飼料用資材、食品加工工場から廃棄される食材残渣、期限切れ食材など多種多様で、工場から廃棄される廃棄残渣は形状や成分が一定しているものが多い。例えば、豆腐製造工場の大豆の搾り滓、ビール工場の麦芽残渣、油の搾り滓などがある。パン工場から出る期限切れ食品、肉、魚の残渣、野菜果物の腐敗物など、これらの食材残渣は形状多様で、多様な成分と様々な種類が入り交じっている。人間の食生活から出る食材残渣は、成分別に飼育している動物、魚あるいはペットの餌にリサイクルして加工還元する。また食品加工場から出る加工残渣は、ある程度分類された有機質廃棄物となり、成分を組み合わせる事により、家畜やペットの飼料として、発酵分解飼料として加工還元ができる。
【0021】
有機質廃棄物資源を発酵分解するためには、原料を水分調整と破砕する必要があり、前述の前処理用の機械脱水機で、水分60〜65%に調整し、粉砕機で原料を破砕し、発酵処理原料は投入スクリューコンベアなどを使用して発酵撹拌機に投入する。このとき投入スクリューコンベアに配置した乳酸発酵分解活性酵素組成物を水で薄めて(発酵原料10に対して薄め液8〜12リットル)を噴射ノズルから吹きかけながら発酵処理原料を発酵撹拌機へ搬送する。発酵攪拌機で攪拌、発酵の繰り返し、温度34℃〜36℃で24時間発酵促進させる。
【0022】
有機質廃棄物は形状多様で、又含有する成分も複雑で多様であるから、有機質は微生物活動により腐敗菌などがタンパク質を嫌気的に分解し、アンモニア、アミノ酸、アミン、硫化水素、メルカプトエタノールなどの臭気のある物質を発生するが、このような腐敗細菌やボツリヌス菌などの食中毒菌は、中性〜アルカリ性を好み酸性に弱い。そのため前記乳酸発酵分解活性酵素組成物はpH3付近の酸性粘液であるから前述のような腐敗菌等を死滅させることが出来る。有機質廃棄物(発酵処理原料)に、乳酸発酵分解活性酵素組成物(原液2リットルを水で薄め、発酵処理原料10に対して8〜12mリットル)を混合すると、乳酸菌、有機酸、アルコールなどの酸性溶液が、発酵処理原料のpHが低下することにより、腐敗細菌やボツリヌス菌などの食中毒菌の増殖を抑制し腐敗細菌や中性〜アルカリ性細菌が除菌され、乳酸発酵分解が促進する。
【0023】
発酵攪拌機で24時間一次発酵させて発酵処理原料の分解が促進し乳酸菌などの増殖により強い酸性と化し、pH測定器による試験結果pH3.5〜4.5に低下する。次に二次発酵堆積槽に移動し、二次発酵堆積槽に装備されている通気ブロアにより朝夕2時間ずつ通気し、1日1回攪拌しながら5〜6日間乳酸自然発酵を促進、2〜3日間が発酵温度55〜62℃に達し、4日目頃から発酵温度が低下し30〜40℃に下がったら取出し、二次発酵堆積槽から出した発酵分解終了時pH5〜6の酸性値となる製品となる。乳酸菌や麹酵素の触媒反応による分解、タンパン、脂肪、炭水化物が分解され、タンパクはペプチド、アミノ酸まで分解され、脂肪は脂肪酸やグリセリンに、炭水化物は二糖類、単糖類まで分解、微生物は種々の成分を分解しアミノ酸から不足するアミノ酸、必須アミノ酸も合成され、発酵促進で製造された。発酵飼料は日持がよく保存に適し、アミノ酸や栄養素を多量に含み、化学物質や防腐剤などは一切含まず、安全な発酵飼料であることを特徴とする。発酵完了後乾燥機で乾燥し発酵を止め、含水率18〜22%に乾燥、造粒機で粒状にし、完成,製品袋詰めの工程で、栄養素が多量に含む動物類、魚類の発酵飼料である乳酸発酵組成物を生成した。この発酵飼料を試食実験実施、穀物や野菜などの繊維質を主原料にした乳酸発酵組成物の飼料を製造した。これを牛の餌に与えたると牛は一瞬に食べ尽くした。また、雑食動物や魚などの飼料として魚や肉類などの混じった原料を用意し、乳酸発酵組成物の飼料に製造して犬や猫に与えるといずれも喜んで食べた。その他鶏や金魚の餌に与え試食実験実施した結果はいずれも良好であった。
【0024】
有機質廃棄物、生ゴミや工場から排出される加工残渣及び加工汚泥、業務用生ゴミ、期限切れ食品、家畜糞尿、下水汚泥など有機質廃棄物は形状が多様である。これらの資源を発酵分解処理し有機発酵肥料に再利用するためにこうした有機廃棄物を、乳酸発酵分解活性酵素組成物で、悪臭を抑制し悪臭公害なく、有機質発酵肥料に還元する。前記有機質廃棄物であるリサイクル資源原料を、発酵撹拌機に投入し、水分を調整する。水分調整材として製品化された有機肥料の戻しコンポストを使用(またモミ殻、米糠、パーク類他も使用できます)し、発酵分解処理する原料に混合、水分含水率60〜65%に調整する。次にこの得られた乳酸発酵分解活性酵素組成物の1m当り2リットルの原液を3〜5倍量の水で薄め、希釈液を発酵分解原料に混合し発酵攪拌機で、発酵攪拌の繰り返しで、温度34〜36℃で6〜10時間一次発酵を促進する。
【0025】
有機質廃棄物は腐敗臭を伴うが、腐敗細菌やボツリヌス菌などの食中毒菌は、中性〜アルカリ性を好み酸性に弱い、乳酸発酵分解活性酵素組成物による発酵分解促進で、麹菌がデンプン質を分解しブドウ糖や乳糖などの糖に変え、糖類を餌に酵母菌や乳酸菌が繁殖し、分解酵素により種々の物を分解するが、乳酸菌が得意とする乳糖などの炭水化物を乳酸などに分解する。乳酸は酸性なのでpHが低下し、測定器試験結果pH3.5〜4.5に低下、酸性値で生息出来ない細菌、微生物は死滅除菌、雑菌による腐敗を防ぐ効果がえられる、腐敗臭については、株式会社環境研究センターによる臭気12品目計量検定の結果、乳酸発酵分解活性酵素組成物を発酵処理原料に混合攪拌し、24時間後の計量、発酵温度60℃以上発酵している上部で計量結果、最高アンモニア1.2ppm 他は1.0ppm 以下または不検出の脱臭効果実証試験で証明されました、その他10人による人体臭気実験をした結果、下記表1に示す。
【表1】


次に二次発酵堆積槽に移し、二次発酵堆積槽には通気ブロアが装備されており、朝夕2時間ずつ通気し、2日に1回攪拌しながら発酵促進、当初15〜24時間は発酵温度40〜45℃とし、その後発酵が促進するので60〜70℃まで発酵温度が上昇し、4〜5日間続く、その後発酵温度が下がり10〜15日間放置することにより完熟有機発酵肥料が製造される。前記酵母菌や乳酸菌が糖分を求めて繁殖し、糖を乳酸などの有機酸に変えてpHを酸性にするので雑菌による腐敗を防ぎ悪臭を抑制し、アミノ酸やタンパク、ビタミン、酵素、核酸など植物に活力を与える有機栄養を合成され、短時間で有機発酵肥料の乳酸発酵組成物が製造される。
有機質廃棄物、食生活から出る生ゴミ類、工場から排出される加工残渣、産業有機廃棄物、家畜排出物糞尿、漁業廃棄物、下水処理場脱水汚物など種類が多様であり、こうした有機廃棄物を、乳酸発酵分解活性酵素組成物で、悪臭を抑制し悪臭公害なく、有機質発酵肥料に還元する。有機質廃棄物であるリサイクル資源原料を、発酵撹拌機に投入し、水分を調整する。水分調整材としては製品化された有機肥料の戻しコンポストを使用(またモミ殻、米糠、パーク類他も使用できます)し、発酵分解処理する原料に混合、水分含水率65±0.5%に調整する。次に乳酸発酵分解活性酵素組成物の1m当り2リットルの粘液を3〜5倍量の水で薄めた希釈液を発酵処理減量に混合し、発酵攪拌機内で、攪拌発酵を繰り返して、温度35±10%で6〜10時間一次発酵させる。
【0026】
次に、二次発酵堆積槽では、4〜5日経過後より発酵処理原料に放線菌が繁殖し難分解性セルロースやリグニンなどを分解し抗生物質を分泌する。また。放線菌は乾燥を好み生きている細胞には侵入しない死物寄生菌で発酵分解が進んでいる。これを土壌に施すと土壌病害を引き起こすフザリウム菌などの繁殖を抑制する抗生物質を分泌し、発病を防ぐ効果が得られる。有機質発酵肥料の製造工程において、水分含水率100%の廃棄物や汚水、家畜の尿、それと発酵肥料製造の過程で水分調整で出る絞り水などは、発酵肥料製造工程で、発酵肥料完熟製品(完熟製品の含水率35〜40%である)を、戻しコンポストとし水分調整材に使用する。戻しコンポストに水分を染み込ませ、含水率60〜65%に調整し、染み込んだ戻し材をもう一度発酵攪拌機に投入し、乳酸発酵分解活性酵素組成物を混合し発酵分解処理することにより、製造工程において汚水や排水などを出さず、乳酸発酵組成物である肥料が製造された。
【0027】
重要なことは有機質廃棄物を有効活用し、自然環境を守り自然循環を維持できるかである。
本発明の乳酸発酵組成物はタンパク質、脂肪、炭水化物、ミネラル、ビタミン、繊維素の六大栄養素を含む、栄養豊富な発酵飼料に還元し、一方では有機質廃棄物を、良質な乳酸発酵有機肥料として製造する。この乳酸発酵組成物には、アミノ酸、有機酸、酵素などによって無毒化され、吸収されやすくなったミネラル、ビタミン、ホルモン、などが豊富に含まれ、病害虫に阻害されない健康で栄養豊富な作物が収穫出来る。
【0028】
従来型、腐敗発酵分解で処理された堆肥は、有機物タンパク質はアミノ酸、さらにアンモニアや硝酸まで分解され、無機質になる。1840年代にドイツの科学者リービヒが、植物は無機質の栄養分でなければ吸収出来ないという無機栄養説があり、化学肥料や無機質肥料を土壌に施すと、その後、アミノ酸などの有機物が直接植物に吸収され、そのまま体内の代謝経路に組み込まれていくことが証明された。植物がアンモニアや硝酸で吸収した場合は、光合成で生産した炭水化物とこれらの無機態チッソとの合成によりアミノ酸が作られるが、有機体のアミノ酸で吸収されれば、この工程が必要で無くなる。そのため有機肥料は吸収しやすく即効性がある。
【発明の効果】
【0029】
本発明の乳酸発酵組成物は廉価な麹を使用するので、動物の飼料、有機肥料として廉価に製造することが出来る。しかも、この活性酵素組成物は食材残渣などや家畜糞に対して効果的に作用し、臭気を発生する臭気物質は完全に分解し、臭気を撲滅することが出来る。また、発酵によって発生する腐敗細菌やボツリヌス菌などの食中毒菌は、中性〜アルカリ性を好み酸性に弱いので死滅させることができる。食材廃棄物残渣原料に、乳酸発酵分解活性酵素組成物(発酵分解原料10当り、原液2リットル)の原液を3〜5倍量の水で薄め、薄め液を混合すると、乳酸菌、クエン酸、乳酸などの酸性溶液が、分解原料のpHが低下することにより、腐敗細菌やボツリヌス菌などの食中毒菌の増殖を抑制し腐敗細菌や中性〜アルカリ性細菌が除菌され、発酵分解が促進する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の乳酸発酵組成物、およびその製造工程の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の乳酸発酵組成物の製造に使用する乳酸発酵分解活性酵素組成物の工程の概略を示すブロック図、図2は図1の麹を作成するフロー図、図3は図1の糖化酵素液を製造するフロー図、図4は本発明の乳酸発酵組成物の製造工程を示すフロー図、図5は本発明乳酸発酵組成物の動物類の飼料の製造方法の実施形態を示すフロー図、図6は本発明乳酸発酵組成物の有機肥料の製造工程を示す実施形態のフロー図である。
【0031】
有機質廃棄物を家畜やペットの動物類の飼料として、また有機肥料としての資源の有効活用する乳酸発酵組成物について説明する。
(実施例)
以下の原料及び資材を用意し、先に乳酸発酵分解活性酵素組成物の製造、次の材料と使用量を用意した。
古米 13.5 リットル
麹菌 0.10g
水 100.0 リットル
蒸米糠 85.0 リットル
酒粕 15.0 リットル
酵母 0.25リットル
【0032】
前記乳酸発酵分解活性酵素組成物の実施形態の製造工程を説明する。
最初、古米を30Kg入り玄米一袋分を精米機に投入し、精米機で精米して白米とした。この白米13.5リットルを良く水洗いして水に4時間潤したのち、水を切り蒸しあげる。蒸し米をほぐしながら広げ放置し、温度30℃まで低下したら、酵素力化の強い白麹菌0.10gを全体に振り掛け良く揉み混ぜる。これを木箱に入れ、布を80℃以上の湯に入れ殺菌消毒を兼ねて布を濡らし、この布を軽く絞り水を切る。濡布を木箱に敷きその上に麹菌をまぶした蒸し米を入れ均等にする。その蒸し米の上にまた濡れ布を被せ、この木箱を発酵室に入れる。発酵室内の温度を30〜40℃に設定し発酵させる、発酵室内には水入れ容器を用意し室内湿度を50%にする。発酵18〜20時間後に1回揉みはぐし攪拌する。この時点で発酵温度が33〜34℃に上昇している場合は、室温調整し発酵温度が上がり過ぎないようにする。約40〜45時間で麹カビ、アスペルギルス・オリゼが増殖し、麹が出来上がる。
【0033】
麹の出来上がり量は、白米13.5リットル÷0.45=30リットルに増量する。次に麹量の3.3倍量の水100リットルを加熱した58〜60℃の湯にする。この湯に麹を入れ良くかき混ぜる。4〜5時間麹酵素の糖化作用させ、麹の酵素はaアミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルポキシペプチダーゼ、など50種類以上含まれる。蒸し米のデンプン質を分解しブドウ糖や乳糖などを含有する糖化酵素液が生成する。
次にこの糖化液の温度が30〜35℃まで低下したのを確認し、酵母液0.02リットルを混入し良くかき混ぜて、蓋をして発酵室に入れ発酵させる。発酵室温度を30〜32℃に設定し24時間嫌気状態で発酵し、アルコールを含む酵母バイオ液を製造する。
【0034】
前工程での酵母バイオ液と同等量100リットルの米糠を蒸す。これは殺菌の目的もあるが、この米糠が分解されやすくする事と、米糠の栄養素デンプンや糖類ビタミン、マグネシュウムやリン酸などミネラルが多く含まれ、麹菌や酵母の餌になり、また有機質廃棄物の分解時にこの有機質廃棄物が水に溶けやすい事などの効果が得られる。
この蒸した米糠に酒絞り粕を米糠量の0.5%量を混ぜ合わせる。酒粕を使用することにより、雑菌の繁植を抑制しグルタミン酸・乳酸・コハク酸・アミノ酸・酢酸など酸類により殺菌効果が得られる他、酒粕に含むタンパク・脂肪・炭水化物・カルシウム・リン・鉄・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・亜鉛・ビタミンBなどの栄養素の活用、蒸し米糠と酒粕を混合、さらにアルコールを含む酵母バイオ液と混合し良くかき混ぜて、含水率85〜95%の粘液状にする。
【0035】
粘液状にした発酵原液を発酵室に入れ、発酵温度30〜35℃程度で発酵させる。発酵が進むにつれ粘液状発酵原料が盛り上がり、盛り上がったら撹拌を繰り返し、4〜5日間で発酵が終わり、乳酸菌、乳酸、クエン酸を含む乳酸混合液とし、これをpH測定器により管理してpH3付近の酸性粘液が合成される。
この製造された乳酸発酵組成物は分析結果、乳酸菌・クエン酸・乳酸などが合成され、生成したことが確認された。
乳酸発酵分解活性酵素組成物
乳酸菌 2.2×10/g
クエン酸 <0.1g/100g
乳酸 1.6 g/100g
pH(10倍希釈液) 3.9
(日本冷凍食品検査協会、試験方法は、BCP加プレートカウント観点平板培養法で乳酸菌を計測、ガラス電極法でpH測定、クエン酸及び乳酸は高速クロマトグラフ法による。)
【0036】
この乳酸発酵分解活性酵素組成物を使用し、有機質廃棄物資源を利用し、家畜やペット・魚類の飼料製造実施に基づき詳細に説明する。
人間食材残渣や食品加工から排出される食品残渣または期限切れ食品などを再利用し、乳酸発酵分解し、飼料を製造する。
製造のために用意した材料は次の通りである。
原料 一般家庭生ゴミ 58Kg 体積 85リットル
ホテル食材残渣 110Kg 160リットル
計 240リットル
乳酸発酵分解活性酵素組成物 0.5リットル
薄め用水 25リットル
【0037】
有機質残渣は形状多様で、最初に金属類の磁選機による分別と、製品加工の際にふるい選別を行なう。分別された原料資材を破砕脱水機にかけて、破砕脱水機は形状5mm程度の大きさに破砕し,更に、水分を脱水する。資材原料の含水率60〜65%に調整し、破砕脱水された原料を発酵攪拌機に投入し、分解活性組成物を混合する。分解活性組成物を使用する場合、水で薄めて使用する。分解活性組成物0.5リットルに対して25リットル量の水で薄めかき混ぜて原料に混合し、発酵攪拌機で発酵、攪拌の繰り返しで24時間、34〜36℃の温度で一次発酵させる。その後、堆積槽に移し二次発酵4〜6日間自然発酵し製造する。発酵分解された製品を、ふるい選別をし、乾燥機にかけ含水率20±2%に乾燥し、造粒機で粒状にし、袋詰めして製品とする。
【0038】
前記乳酸発酵仏界活性酵素組成物による有機質廃棄物を乳酸発酵分解処理し飼料製造する過程を実施の形態に基づき詳細に説明する。
乳酸発酵分解処理技術は、微生物の優劣を定める環境を作る事により、有機質物を迅速に発酵分解し食中毒菌や悪玉菌を抑制し、栄養価が含まれる発酵飼料を製造する。有機質廃棄物は特に腐敗が伴い悪玉菌類が増殖している。この悪玉菌類は中性〜アルカリ性を好み繁植するので、有機質廃棄物を飼料として再利用するには、これら腐敗菌やボツリヌス菌など食中毒菌類の悪玉細菌を排除する。乳酸発酵組成物の乳酸粘液は、pH3付近の酸性粘液であるから、中性やアルカリ性で繁植する細菌は、酸性分解活性組成物を混合する事により、生殖出来ない環境になり死滅する。
発酵攪拌機で攪拌しながら発酵させ、この場合、温度が上昇しないように一定温度を保ち、34〜36℃の温度で発酵させる。乳酸菌や酵素の温度は30〜40℃が酵素作用する最適温度である。また発酵により有機質原料全体がpH3.5〜4.5の酸性化となる。
【0039】
有機質原料が酵素作用により、デンプンを分解するアミラーゼ・タンパク質を分解するプロテアーゼ・核酸を分解するヌクレアーゼや脂肪を分解するリパーゼなど強力な酵素群50種類以上の酵素がある。酵素の働きにより乳酸やクエン酸など酸類を合成し、PHを低下する。酸化状態でも還元状態でも生きられる菌、条件的嫌気性菌である乳酸菌の活動の場となり、乳酸発酵により無毒化されアミノ酸やビタミン、ミネラルを含む発酵食品飼料となる。 有機質食材残渣には家庭や食堂関係から排出されている生ゴミは成分多様で、これらの資源は雑食動物の飼料になり、また食品加工所から排出される加工残渣は、一定成分の有機質廃棄物が見込まれので、こうした成分別資源を組み合わせ、色々な動物の飼料を製造する事が出来る。一般家庭の生ゴミとホテルの食材残渣を乳酸発酵分解処理して製造した、発酵飼料の分析結果表は次の通りである。
【0040】
一般生ゴミから本発明による家畜、ペットの乳酸発酵組成物の飼料分析試験結果は以下の通りであった。
発酵飼料
サルモネラ /25g 陰性
粗たんぱく質 12.7%
窒素全量 2.0%
粗 脂 肪 12.2%
粗 繊 維 16.6%
粗 灰 分 11.2%
カルシウム 0.89%
リ ン 0.83%
食 塩 分 0.9%
鉛 0.5ppm
カドミウム 0.07ppm
総 水 銀 0.02ppm
ヒ 素 検出せず(<0.2ppm)
(サルモネラ〜リンまでは飼料分析基準によって測定、食塩分はモール法による。鉛、カドミウムは原子吸光光度法、総水銀は還元気化原子吸光光度法、ヒ素は電気加熱原子吸光光度法によって測定した。)
【0041】
有機質廃棄物資源で飼料として好ましくない資源を有機質発酵肥料に分解還元する。有機質資源を乳酸発酵分解活性酵素組成物で、発酵分解処理し有機発酵肥料を製造実施に基づき、次の材料を用意した。
原料、家畜糞尿 牛糞 90リットル
豚糞 80リットル
鶏糞 80リットル
水分調整材 戻しコンポスト 100リットル
もみ殻 45リットル
米糠 10リットル
乳酸発酵分解活性酵素組成物 0.8リットル
薄め用水 4リットル
【0042】
有機質生ゴミの腐敗が進行した物や家畜の糞尿、他の動植物性廃棄物類を悪臭なく、迅速に一括発酵分解処理し、有機発酵肥料に還元する事が出来る。有機質廃棄物資源を(固形物類は破砕機で粉砕してから投入)発酵撹拌機に投入し、乳酸発酵分解活性酵素組成物を混合(発酵分解原料10あたり、原液2リットル)する。この乳酸発酵分解活性酵素組成物を使用する場合、水で3〜5倍に薄め使用する。実施に際し用意した原料は水分調整材共405リットル量なので分解活性組成物は0.8リットルを水4リットルで薄めかき混ぜて原料に混合する。薄めるのは迅速に原料全体に混ざるように薄める。原料と前記乳酸発酵分解活性酵素組成物を混合、発酵攪拌機で発酵、攪拌の繰り返しで6時間〜10時間、34〜36℃の温度で一次発酵する。pH3付近の酸性粘液であるから中性やアルカリ性で繁殖する腐敗菌や病原菌、食中毒菌、悪玉細菌は生植出来ない環境にし、悪臭を抑制することができる。
【0043】
次に、6〜10時間経過後に二次発酵堆積槽に移し、この二次発酵は、酸性が強く40〜45℃の発酵温度を保つが、2日目ぐらいから除除に発酵熱が上昇し、60〜70℃に上昇し発酵が促進され、4〜5日目位から白いカビ放線菌が表層より入り繁植し、発酵槽では2日に1回の割合で攪拌し、その後10〜15日間置くことで完熟有機肥料が生成される。
本発明の乳酸発酵組成物である有機肥料を、小松菜で発芽試験をした。発酵分解処理4日目と7日目と15日目の有機肥料を50%と山土50%で発芽試験の結果、いずれも発芽100%の成績でした。また、製造した有機肥料を水田稲作に使用、有機米を3年間収獲した結果、有機肥料で作った有機米は粒が大きく、食べて美味しく、また収穫量も従来の収穫量と変わりなく収獲出来た。この有機肥料を施し栽培する稲作には病害虫被害がなく成育した。また畑に有機肥料を施し、無農薬野菜栽培をしており、有機野菜は大きく育ち食べて美味しく、キュウリを生で食べると甘味がありとても美味しいものが出来た。トマトは寒くなる迄収獲でき、寒さで赤く色付しなくなるまで収獲出来た。無農薬で有機野菜栽培にも病害虫被害が年々抑制された。
【0044】
本発明の乳酸発酵組成物である有機発酵肥料の分析、試験成績証明書は次の通りである。
有機肥料(牛糞・鶏糞・豚糞から)
水 分 24.2%
窒素全量 1.8%
リン酸全量(Pとして) 3.21%
カリウム全量(KOとして) 1.89%
炭素窒素比(C/N) 15
(肥料分析法により測定、ただし炭素窒素比はケルダール法及び炭素計による。)
【0045】
本発明の乳酸発酵組成物による有機肥料の脱臭効果実験成績表は以下の通りであった(茨城県株式会社環境研究センター)。測定は、生ゴミ等を投入したとき。乳酸発酵24時間後、堆積槽に分析したものである。
【0046】
【表2】


【0047】
この結果にあるように、悪臭を発生する成分は完全に存在せず。しかも有害菌は死滅している。
【0048】
また、本発明の乳酸発酵組成物の有機肥料について分析結果は以下の通りであった。
有機肥料
窒素全量 1.8 %
ヒ 素 0.6 ppm
カドミウム 0.30ppm
総水銀量 0.02ppm
有機態窒素 1.59 %
アンモニア性窒素 0.15 %
硝酸性窒素 <0.001%
亜硝酸性窒素 <0.001%
(窒素全量、有機態窒素〜亜硝酸性窒素は肥料分析法による。ヒ素はICP発光分析法により測定、カドミウムは原子吸光光度法、総水銀は還元気化原子吸光光度法によって測定した。)
含有するアミノ酸組成は表3に示される通りであった。
【0049】
【表3】


【0050】
この試験方法は飼料分析基準に準じる。
メチオニンは過ギ酸処理後飼料分析基準に準じる。
この試験成績証明書(日本冷凍食品検査協会)にあるように有機肥料として有害な組成物は殆ど含まれていない。また悪臭の発生も無かった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の乳酸発酵組成物の製造に使用する乳酸発酵分解活性酵素組成物の工程の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の麹を作成するフロー図である。
【図3】図1の糖化酵素液を製造するフロー図である。
【図4】本発明の乳酸発酵組成物の製造工程を示すフロー図である。
【図5】本発明の乳酸発酵組成物の動物類の飼料の製造方法の実施形態を示すフロー図である。
【図6】本発明乳酸発酵組成物の有機肥料の製造工程を示す実施形態のフロー図である。
【出願人】 【識別番号】502397495
【氏名又は名称】株式会社バイオ技研
【出願日】 平成19年7月17日(2007.7.17)
【代理人】 【識別番号】100080698
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 治親


【公開番号】 特開2008−23523(P2008−23523A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−186365(P2007−186365)