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【発明の名称】 廃蛍光ランプの口金除去方法
【発明者】 【氏名】尾崎 東志郎

【要約】 【課題】小さな力で簡単にバルブと口金の接着を剥がし、分離する作業が行えると共に、管を連続的に供給して送りを停止することなく口金を除去することが可能であり、口金の水銀除去工程などの処理工程を簡略化し、金属部のリサイクル化も可能とした廃蛍光ランプの口金除去方法を提供しようとする。

【構成】廃蛍光ランプのバルブ1から口金2を除去する方法であって、口金2の部分を叩打部材8で叩打し、バルブ1と口金2の接着を引掻き剥がすと共に、衝撃で分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃蛍光ランプのバルブから口金を除去する方法であって、口金の部分を叩打し、バルブと口金の接着を引掻き剥がすと共に、衝撃で分離させることを特徴とする廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項2】
バルブの両側の口金の部分を同時に叩打することを特徴とする請求項1記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項3】
バルブを固定し、口金の部分を叩打することを特徴とする請求項1又は2記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項4】
叩打する前に、予めバルブと口金の接着部を加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項5】
叩打する前に、予め口金からピンを除去もしくは、ピン根本付近でピンを切断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項6】
回転体に突設した叩打片で口金の部分を叩打し、バルブと口金の接着を剥がして分離することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項7】
回転体の前を、並設した廃蛍光ランプの口金部が連続して搬送されることを特徴とする請求項6記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項8】
口金部の搬送移動ラインに対して同一位置となる回転体の回転面に、叩打片が回転体から放射状に複数突設して設けてあることを特徴とする請求項7記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項9】
回転体を搬送移動ラインの連続する複数の口金部に亘って設けると共に、各口金部に対応する間隔で、回転面に叩打片が突設して設けてあることを特徴とする請求項8記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【請求項10】
各口金部に対応する叩打片を、回転面で互いに異なる角度で突設したことを特徴とする請求項9記載の廃蛍光ランプの口金除去方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み等の廃蛍光ランプの両端部に取り付けられている口金をバルブから除去するための口金除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプは図7に示す様にガラス製の直管状のバルブ1の両端にそれぞれピン2a、2a付きの口金2を取り付け、バルブ1の内面に蛍光体3を塗布すると共に、バルブ1内に水銀蒸気を含むガスを封入している。
そして、バルブ1の両端部にはそれぞれフィラメント4が設けられ、各フィラメント4から延長する導入線5が口金2のピン2a、2aに固定された構成となっている。
尚、バルブ1と口金2はフェノール樹脂系セメント等による接着剤6で接着されている。
【0003】
使用済み等の廃蛍光ランプの処理に際して、省資源化の目的で金属部やガラス材料を回収し再利用するため、回収率を高くすることが望まれている。
従来、使用済み等の廃蛍光ランプを産業廃棄物として処分する時は、一般的には口金を除去せず付けたまま一括して破砕するか、もしくは口金に隣接するバルブの両端部を残して口金を付けたままバルブの両端部を切断する方法が採られている。
【0004】
しかし、口金を付けたまま一括して破砕する方法では、金属、プラスチック等を分別する必要があり、また、バルブの両端部を口金が付いたまま切断する方法では、両端部は一括して破砕されるため、付属の口金も水銀により汚染され、加熱、酸洗浄などにより水銀除去を行った後、金属、プラスチック等を分別する必要があり、煩雑な工程が必要とされている。
【0005】
そこで、口金を除去したバルブの全体を破砕することによって、バルブ用ガラスの殆んど全部を安全に回収することができる蛍光ランプのバルブ用ガラスの回収処理方法と、それに使用する蛍光ランプの口金除去装置を本出願人が特開2004−111325として提案している。
【0006】
この出願の口金除去装置は、蛍光ランプの口金の外周を半径方向に把持するクランプと、クランプを開閉駆動する駆動源とを備えており、クランプは緩衝材を介して口金を把持することをその要旨とする。
そして、除去に際してはクランプで口金を把持し、バルブを軸心のまわりに回転させて、バルブから口金を分離するものである。
【特許文献1】特開2004−111325
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前掲の技術は、口金とバルブを接着していた接着剤を剥がす作業に強い力が必要であるという問題点を有していると共に、バルブを軸心のまわりに捻じるため、バルブの管径の違いや、メーカー等によりバルブと口金の接着強度、バルブのガラスの強度の違いによって、固定時もしくは回転時にバルブが割れる場合もあり、適合可能な種類が限定されていた。
【0008】
また、口金除去はバルブの一個一個を把持し、捻りを加えて行うものであるから機械構成が複雑化すると共に、管を連続的に供給し、送りを停止することなく口金を除去する方法が採れず効率の面で問題となっていたのである。
【0009】
そこで、本発明は小さな力で簡単にバルブと口金の接着を剥がし、分離する作業を行える共に、管を連続的に供給しても送りを停止することなく口金を除去することが可能であり、口金の水銀除去工程などの処理工程を簡略化し、金属部のリサイクル化も可能とした廃蛍光ランプの口金除去方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため請求項1記載の本発明の廃蛍光ランプの口金除去方法は、廃蛍光ランプのバルブから口金を除去する方法であって、口金の部分を叩打し、バルブと口金の接着を引掻き剥がすと共に、衝撃で分離させることを特徴とするものである。
【0011】
口金部を叩打することによって、バルブと口金の接着部へ直に、引掻き剥がす衝撃を与え、力のロスがなく、接着剤層が破壊されて接着が剥がれると共に、衝撃によりピンとフィラメントの途中でバルブ内の導入線が切断し、バルブと口金が分離するのである。
【0012】
次に、請求項2記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、バルブの両側の口金の部分を同時に叩打することを特徴とするものである。
バルブの両側の口金を同時に分離でき、効率の良い除去作業が可能となる。
【0013】
次に、請求項3記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、バルブを固定し、口金の部分を叩打することを特徴とするものである。
バルブを固定することによって、叩打の衝撃が口金部に集中して小さな力で口金を分離でき、効率の良い除去作業が可能である。
【0014】
次に、請求項4記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、叩打する前に、予めバルブと口金の接着部を加熱することを特徴とするものである。
予め加熱によって接着部の接着剤が軟化し、接着剤層を脆くした後、叩打すれば接着剤層は殆んど破壊されているので、バルブから口金を小さな力で簡単に分離することができる。
【0015】
次に、請求項5記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、叩打する前に、予め口金からピンを除去もしくは、ピン根本付近でピンを切断することを特徴とするものである。
フィラメントと接続しているピンへの導入線が予め切断されるので、叩打することによってバルブから口金を小さな力で簡単に分離することができる。
【0016】
次に、請求項6記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、回転体に突設した叩打片で口金の部分を叩打し、バルブと口金の接着を剥がして分離することを特徴とするものである。
叩打に回転力を利用することにより、叩打のタイミング及び衝撃力を調整することが容易に行えるものである。
【0017】
次に、請求項7記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、回転体の前を、並設した廃蛍光ランプの口金部が連続して搬送されることを特徴とするものである。
口金部を叩打するのみで管からの除去を図るものであるから、並設した廃蛍光ランプの口金部を連続して搬送させての作業が可能となるものである。
【0018】
次に、請求項8記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、口金部の搬送移動ラインに対して同一位置となる回転体の回転面に、叩打片が回転体から放射状に複数突設して設けてあることを特徴とするものである。
回転体から放射状に複数突設したいずれかの叩打片で、搬送される口金部が叩打されれば良いため、タイミングの調整が容易となるものである。
【0019】
次に、請求項9記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、回転体を搬送移動ラインの連続する複数の口金部に亘って設けると共に、各口金部に対応する間隔で、回転面に叩打片が突設して設けてあることを特徴とするものである。
口金部が回転体の前を搬送移動中に複数の叩打片との叩打機会を得るため、より確実な除去を期待できるものである。
【0020】
次に、請求項10記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、各口金部に対応する叩打片を、回転面で互いに異なる角度で突設したことを特徴とするものである。
口金部が回転体の前を搬送移動中に、複数の叩打片とのより多くの叩打機会を得るため、より確実な除去を期待できるものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、叩打によってバルブと口金を分離するため、従来の様なバルブを軸心のまわりに回転させ、捻ってバルブから口金を分離するものに比べて衝撃が接着部に直接伝わり易く、力のロスがなく、小さな力で大きな破壊力を得られ、且つ操作も容易で作業性も良好な効果を有する。
【0022】
又、口金のみを分離しバルブの端部を切断しないので、水銀除去を行なう必要がなく、後の作業工程を簡略化でき金属部のリサイクル化も容易となる効果を有する。
更に、従来の様にバルブを捻らないので、バルブと口金の接着強度の違いやバルブのガラスの強度の違い、さらに管径の違いによる区別をする必要がない。
【0023】
次に、請求項2記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、バルブの両側の口金を同時に分離できるので、作業性が良好となる効果を有する。
【0024】
次に、請求項3記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、バルブを固定することによって、叩打の衝撃が口金部に集中して小さな力で口金を分離でき、効率の良い除去作業が可能となる効果を得られる。
【0025】
次に、請求項4記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、加熱によりバルブと口金との接着部の接着剤が軟化し、予め接着剤層を脆くしてあるため、バルブと口金を分離した後、バルブ側及び口金側に付着している接着剤の除去作業が容易となる効果を有する。
【0026】
次に、請求項5記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、予め導入線が切断されているので、叩打によってバルブから口金を確実に分離できる効果を有する。
【0027】
次に、請求項6記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、叩打に回転力を利用することにより、叩打のタイミング及び衝撃力を調整することが容易に行える効果を発揮するものである。
【0028】
次に、請求項7記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、口金部を叩打するのみで管からの除去を図るものであるため、並設した廃蛍光ランプの口金部を連続して搬送させての作業が可能となるから、作業効率を向上させる効果を有する。
【0029】
次に、請求項8記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、回転軸から放射状に複数突設したいずれかの叩打片に、搬送される口金部が叩打されれば良いことになる結果、搬送速度と回転速度とのタイミングの調整が容易となると共に、搬送速度も速められる効果を有するものである。
【0030】
次に、請求項9記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、口金部が回転体の前を搬送移動中に、複数の叩打片との叩打機会を得るため、より確実な除去を得られる効果を発揮するものである。
【0031】
次に、請求項10記載の本発明廃蛍光ランプの口金除去方法によれば、口金部が回転体の前を搬送移動中に複数の叩打片とのより多くの叩打機会を得るため、さらに確実な除去効果を期待できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
全図を通して同一符合は同一又は相当する部分を示すものとする。
本発明廃蛍光ランプの口金除去方法は、廃蛍光ランプのバルブ1から口金2を分離し、除去するものである。
尚、廃蛍光ランプは使用済みの蛍光ランプの他、製造工程中に生じた不良蛍光ランプ等も含まれる。
【0033】
本発明方法は、バルブ1の口金2を叩打してバルブ1と口金2の接着を剥がし、バルブ1と口金2を分離するものであり、図1は本発明廃蛍光ランプの口金除去方法の一実施の形態を示す工程図である。
【0034】
作業台7上にバルブ1が載置され、口金2を含むバルブ1の端部が作業台7から側方に突き出し、口金2の稍上部に叩打部材8が配置されている。
叩打部材8は回転軸9と回転軸9から突設した叩打片10で構成し、回転軸9の回転により叩打片10が口金2を叩打して衝撃を与え、接着剤層が破壊されて接着が剥がれると共に、衝撃によりピンとフィラメントの途中でバルブ1内の導入線が切断し、バルブ1と口金2とを分離するものである。
【0035】
回転軸9の芯はバルブ1及び口金2の上面より上方に位置させるのが望ましく、叩打片10は口金2にのみに衝突し叩打するように長さを調整してある。
したがって、叩打片10による口金2への叩打による衝撃は、叩打すると同時に、上部から外側下へ向けて引掻き剥がす作用を呈するものとなり、衝撃が接着部に直接伝わり易く、力のロスなく、小さな力で大きな破壊力を得られ、バルブ1と口金2とを分離することができるものとなるのである。
【0036】
図1では一方側のみ記載してあるけれど、他方側も同一の叩打部材8を配置し、同期して叩打するものとしてもよく、バルブ1が衝撃で飛び跳ねないように押さえ部材11(図2)を必要により被設(又は昇降自在に被設)しても良い。
また、叩打部材8の叩打片10を、口金2の上部から外側下へ向けて直線的に往復動する叩打ロッドとし、例えばシリンダーやカム機構を利用して作動させることも出来る。
【0037】
図3は他の実施の形態を示すものであり、叩打部材8の回転軸9に叩打片10が回転軸9から放射状に複数突設して設けてあり、一方、バルブ1は搬送ライン上に並設載置され、キャリア12を設けたチェーン駆動13により、叩打部材8の前面をバルブ1が連続して搬送移動する機構としてある。
【0038】
回転軸9に放射状に複数の叩打片10A、10B・・・を突設してあるため、連続して通過するバルブ1の搬送速度と叩打片10の回転速度(叩打衝撃)とのタイミングの調整が容易であり、口金2に複数回の叩打機会を設定することも可能である。
【0039】
図4は、他の実施の形態を示すものであり、叩打部材8の回転軸9に、並設して搬送される複数のバルブ1、1・・に対応する叩打片10、10・・・を突設したものであり、各バルブ1に対応する回転面にも複数の叩打片10A、10B・・・を放射状に配設した機構である。
【0040】
この様にすることにより、連続して搬送されるバルブ1、1・・・は叩打片10、10・・に叩打される複数回の機会があると共に、その機会での放射状に配置した叩打片10A、10B・・・との叩打機会も得られるものとなり、1回の衝撃で口金2が分離しない場合でも複数回の衝撃を与えて分離を確実の行うことも容易になるものである。
【0041】
さらに、放射状に配設する角度を、各バルブ1に対応する回転面相互で変化させたものとすれば、口金1への叩打のためのタイミングを調整すること自体も不要となるほどの確率で、叩打を行えるものとなるのである。
【0042】
次に、図5は、叩打の前に予め廃蛍光ランプのバルブ1と口金2の接着部を加熱するものである。
例えばガスバーナー、電気ヒーター等の加熱器15で加熱したり、電気ヒーター及びファンから成る熱風発生器等の熱風で加熱することもできる。
これにより、バルブ1と口金2を接着している接着部は加熱され、接着剤6は軟化し接着剤層が脆くなり、この状態から前記口金除去方法によりバルブ1から口金2の分離がし易くなる。
【0043】
また、図6は、予め廃蛍光ランプの口金2からピン2aを引き抜くか、或いはピンの根本付近で切断し、ピンと導入線の接続を断っておくものである。
叩打する前にピン2aをペンチ又はプライヤ等の工具16により挟持し、上下左右に力を加え引き抜き(図6の矢印方向)、もしくは回転式カッター、エアーニッパー等でピンをキャップ根本付近で切断し簡単に除去することができる。
これにより、導入線5が切断され、その後に前記口金除去方法によりバルブ1から口金2の分離がし易くなる。
【0044】
以上、本発明方法を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明方法の工程例を示す正面図である。
【図2】本発明方法の一工程例の正面図である。
【図3】本発明方法の他の工程例を示す正面図である。
【図4】本発明方法の他の一工程例の平面図である。
【図5】廃蛍光ランプと口金の接着部の加熱方法を示す要部断面図である。
【図6】廃蛍光ランプから口金のピンの除去方法を示す要部断面図である。
【図7】蛍光ランプの部分断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 バルブ
2 口金
2a ピン
8 叩打部材
9 回転軸
10、10A、10B 叩打片
11 押え部材
15 加熱器
16 工具
【出願人】 【識別番号】302054442
【氏名又は名称】株式会社サワヤ
【出願日】 平成18年7月25日(2006.7.25)
【代理人】 【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道


【公開番号】 特開2008−23495(P2008−23495A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201804(P2006−201804)