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【発明の名称】 水底における遮水シート同士の接合部構造、および遮水シート同士の接合方法
【発明者】 【氏名】和木 多克

【氏名】石田 正利

【氏名】池谷 典尚

【要約】 【課題】廃棄物埋立地内などにおいて、水中から水底下方への水の浸入を防止するために、水底における遮水作業を水中でする場合に、この遮水作業が容易にできるようにする。

【構成】水底5に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シート7,8の互いの対向縁部9,10の接合部構造である。両対向縁部9,10のうち、一方の対向縁部9に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部17aが一方の対向縁部9に取り付けられる一方、他端縁部17bが他方の対向縁部10側に向けて突出し、この他方の対向縁部10をその上方から覆う帯形状の被覆シート17と、他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填された遮水材21とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シートの互いの対向縁部の接合部構造であって、
上記両対向縁部のうち、一方の対向縁部に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記一方の対向縁部に取り付けられる一方、他端縁部が上記他方の対向縁部側に向けて突出し、この他方の対向縁部をその上方から覆う帯形状の被覆シートと、上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填された遮水材とを備えたことを特徴とする水底における遮水シート同士の接合部構造。
【請求項2】
上記他方の対向縁部に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記他方の対向縁部に取り付けられる一方、他端縁部が上記被覆シート側に向けて突出し、この被覆シートをその上方から覆う帯形状の他の被覆シートと、上記両被覆シートの間の空間に充填された上記遮水材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の水底における遮水シート同士の接合部構造。
【請求項3】
上記空間に挿入され、流動状態の上記遮水材が通過可能なスペーサを備えたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の水底における遮水シート同士の接合部構造。
【請求項4】
上記各被覆シートに複数の貫通孔を形成し、流動状態の上記遮水材が上記各貫通孔を通過可能にしたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の水底における遮水シート同士の接合部構造。
【請求項5】
水底に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シートの互いの対向縁部を接合させる接合方法であって、
上記両対向縁部のうち、一方の対向縁部に沿って長く延びる帯形状の被覆シートを設け、この被覆シートの幅方向の一端縁部を上記一方の対向縁部に取り付ける一方、他端縁部を上記他方の対向縁部側に向かって突出させ、
次に、上記両遮水シートを水底に設置し、上記被覆シートにより他方の対向縁部をその上方から覆い、
次に、上記両対向縁部と被覆シートとを水平方向の各外方と上方とから取り囲む囲繞体を上記両遮水シート上に形成し、
次に、上記囲繞体の内部に流動状態の遮水材を注入して、この遮水材を上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填させるようにしたことを特徴とする水底における遮水シート同士の接合方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、管理型廃棄物埋立地の埋立地内などで、水中から水底下方への水の浸入を防止するよう複数の遮水シートを並設する場合において、これら遮水シート同士を水中で接合することを可能にした水底における遮水シート同士の接合部構造、および遮水シート同士の接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記水底における遮水シート同士の接合部構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、水底に沿って延び、かつ、互いに並設される複数の遮水シートが設けられている。そして、互いに隣り合う両遮水シートの互いの対向縁部のうち、一方の対向縁部の上面側に他方の対向縁部が重ね合わされている。また、上記両遮水シートに跨るように、防水シートが設けられている。この防水シートの下面には、水中で硬化する接着剤が塗布されている。この接着剤により、水中において上記防水シートが上記両遮水シートに跨る所定位置に接着され、これにより、上記両遮水シートの間のシールが達成されて、これら両遮水シートが互いに結合されるようになっている。
【0003】
そして、上記各遮水シート、防水シート、および接着剤により、水中から水底下方への水の浸入が防止され、つまり、水底での遮水が達成される。このため、例えば、埋め立てのために廃棄物を水中に投棄したような場合に、この水中から水底下方への水(保有水)の浸入が防止され、水底下方の土壌や地下水が汚染される、ということが防止される。
【0004】
ここで、上記水底に対し上記各遮水シートなどを設置することにより、水底での遮水作業をしようとする場合には、まず、各遮水シートが水底に設置される。次に、互いに隣り合う両遮水シートに跨る所定位置に対し、上記防水シートが精度よく位置決めされて、接着剤により接着させられる。これにより、上記遮水作業が終了する。
【特許文献1】特開2002−59109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記水底での遮水作業においては、上記防水シートは、水中にあって自由に揺れ動こうとしがちである。このため、この防水シートを上記所定位置に対し精度よく位置決めする、ということは容易でない。よって、上記従来の技術では、水底での遮水作業は煩雑になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、廃棄物埋立地内などにおいて、水中から水底下方への水の浸入を防止するために、水底における遮水作業を水中でする場合に、この遮水作業が容易にできるようにすることである。
【0007】
請求項1の発明は、水底5に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シート7,8の互いの対向縁部9,10の接合部構造であって、
上記両対向縁部9,10のうち、一方の対向縁部9に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部17aが上記一方の対向縁部9に取り付けられる一方、他端縁部17bが上記他方の対向縁部10側に向けて突出し、この他方の対向縁部10をその上方から覆う帯形状の被覆シート17と、上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填された遮水材21とを備えたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記他方の対向縁部10に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部18aが上記他方の対向縁部10に取り付けられる一方、他端縁部18bが上記被覆シート17側に向けて突出し、この被覆シート17をその上方から覆う帯形状の他の被覆シート18と、上記両被覆シート17,18の間の空間23に充填された上記遮水材21とを備えたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記空間20,23に挿入され、流動状態の上記遮水材21が通過可能なスペーサ24を備えたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記被覆シート17,18に複数の貫通孔26を形成し、流動状態の上記遮水材21が上記各貫通孔26を通過可能にしたものである。
【0011】
請求項5の発明は、水底5に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シート7,8の互いの対向縁部9,10を接合させる接合方法であって、
上記両対向縁部9,10のうち、一方の対向縁部9に沿って長く延びる帯形状の被覆シート17を設け、この被覆シート17の幅方向の一端縁部17aを上記一方の対向縁部9に取り付ける一方、他端縁部17bを上記他方の対向縁部10側に向かって突出させ、
次に、上記両遮水シート7,8を水底5に設置し、上記被覆シート17により他方の対向縁部10をその上方から覆い、
次に、上記両対向縁部9,10と被覆シート17とを水平方向の各外方と上方とから取り囲む囲繞体35を上記両遮水シート7,8上に形成し、
次に、上記囲繞体35の内部に流動状態の遮水材21を注入して、この遮水材21を上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填させるようにしたものである。
【0012】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0013】
本発明による効果は、次の如くである。
【0014】
請求項1の発明は、水底に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シートの互いの対向縁部の接合部構造であって、
上記両対向縁部のうち、一方の対向縁部に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記一方の対向縁部に取り付けられる一方、他端縁部が上記他方の対向縁部側に向けて突出し、この他方の対向縁部をその上方から覆う帯形状の被覆シートと、上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填された遮水材とを備えている。
【0015】
このため、上記水底に対し上記各遮水シートなどを設置することにより、上記水底での遮水作業をしようとするときには、まず、上記両遮水シートを水底に設置し、上記被覆シートにより他方の対向縁部をその上方から覆い、次に、流動状態の遮水材を上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填させるよう注入すればよい。そして、これによれば、上記被覆シートや遮水材により上記両遮水シートの間のシールが達成されて、これら両遮水シートが互いに接合される。
【0016】
ここで、上記発明によれば、被覆シートの一端縁部は一方の対向縁部に取り付けられていて、この一方の対向縁部に対し被覆シートは予め適正に位置決めされている。このため、上記各遮水シートを所定の相対位置となるよう水底に設置しさえすれば、上記他方の対向縁部に対しても上記被覆シートは適正に位置決めされることとなる。よって、これら各対向縁部と被覆シートとの互いの精度のよい位置決めが容易にできる分、上記水底での遮水作業が、より容易にできる。
【0017】
請求項2の発明は、上記他方の対向縁部に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記他方の対向縁部に取り付けられる一方、他端縁部が上記被覆シート側に向けて突出し、この被覆シートをその上方から覆う帯形状の他の被覆シートと、上記両被覆シートの間の空間に充填された上記遮水材とを備えている。
【0018】
ここで、上記したように、他の被覆シートの一端縁部は他方の対向縁部に取り付けられていて、この他方の対向縁部に対し他の被覆シートは予め適正に位置決めされている。このため、上記各遮水シートを所定の相対位置となるよう水底に設置しさえすれば、上記一方の対向縁部に対しても上記他の被覆シートは適正に位置決めされることとなる。よって、これら各対向縁部と他の被覆シートとの互いの精度のよい位置決めが容易にできる分、上記水底での遮水作業が、より容易にできる。
【0019】
そして、前記したように、他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に遮水材が充填されることに加えて、上記両被覆シートの間の空間にも遮水材が充填される。よって、上記両遮水シートの間のシールがより確実に達成される。
【0020】
請求項3の発明は、上記空間に挿入され、流動状態の上記遮水材が通過可能なスペーサを備えている。
【0021】
このため、上記遮水作業において、上記空間に遮水材を充填しようとするとき、この遮水材の重みなどにより、上記空間が変形する、ということは上記スペーサにより防止され、この空間は所望形状に維持される。よって、この空間内への遮水材の充填が円滑かつ容易にでき、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【0022】
請求項4の発明は、上記被覆シートに複数の貫通孔を形成し、流動状態の上記遮水材が上記各貫通孔を通過可能にしている。
【0023】
このため、上記空間に対し遮水材を充填しようとして、上記被覆シートの外方から遮水材を供給するとき、この遮水材は、上記各貫通孔を通過することにより、上記空間に円滑かつ容易に充填される。よって、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【0024】
請求項5の発明は、水底に沿って延び、かつ、互いに隣り合うよう並設される両遮水シートの互いの対向縁部を接合させる接合方法であって、
上記両対向縁部のうち、一方の対向縁部に沿って長く延びる帯形状の被覆シートを設け、この被覆シートの幅方向の一端縁部を上記一方の対向縁部に取り付ける一方、他端縁部を上記他方の対向縁部側に向かって突出させ、
次に、上記両遮水シートを水底に設置し、上記被覆シートにより他方の対向縁部をその上方から覆い、
次に、上記両対向縁部と被覆シートとを水平方向の各外方と上方とから取り囲む囲繞体を上記両遮水シート上に形成し、
次に、上記囲繞体の内部に流動状態の遮水材を注入して、この遮水材を上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填させるようにしている。
【0025】
このため、前記請求項1に基づく効果が生じると共に、次の効果も生じる。
【0026】
即ち、上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に遮水材を充填しようとするとき、この充填は上記囲繞体の内部を通して行われる。このため、上記囲繞体の容量や形状を適正に定めてやれば、上記空間に向けて注入しようとする遮水材が無用に水中に拡散する、ということが防止され、上記空間への遮水材の充填が効率よくできる。よって、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の水底における遮水シート同士の接合部構造に関し、廃棄物埋立地などにおいて、水中から水底下方への水の浸入を防止するために、水底における遮水作業を水中でする場合に、この遮水作業が容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0028】
即ち、水底における遮水シート同士の接合部構造として、水底に沿って延び、かつ、互いに並設される複数の遮水シートが設けられている。互いに隣り合う両遮水シートの互いの両対向縁部のうち、一方の対向縁部に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部が上記一方の対向縁部に取り付けられる一方、他端縁部が上記他方の対向縁部側に向けて突出し、この他方の対向縁部をその上方から覆う帯形状の被覆シートと、上記他方の対向縁部と被覆シートとの間の空間に充填された熱可塑性遮水材とが設けられている。
【実施例】
【0029】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0030】
図において、符号1は、海岸における廃棄物埋立地であり、2は地盤、3は海水である。
【0031】
上記埋立地1内の水底5には樹脂(ゴムを含む)製の保護シート6が敷設されている。上記水底5に沿って延び、かつ、上記保護シート6上に互いに並設される複数の遮水シート7,8が設けられている。つまり、これら遮水シート7,8は、上記保護シート6を介し水底5上に設けられている。上記各遮水シート7,8は熱可塑性の低密度ポリエチレン製であって、剛性を有しているが、ある程度の可撓性を有し、軟化点はほぼ110℃、溶融開始点はほぼ200℃である。
【0032】
上記各遮水シート7,8のうち、互いに隣り合う両遮水シート7,8の互いの対向縁部9,10は互いに平行に延び、かつ、互いに重ね合わされている。具体的には、上記両遮水シート7,8のうち、一方の遮水シート7の対向縁部9の上面に他方の遮水シート8の対向縁部10が面接触するよう重ね合わされている。
【0033】
上記両対向縁部9,10を互いに強固に連結させる連結具12が、上記各対向縁部9,10の長手方向(図面に直交する方向)に沿って複数設けられている。この連結具12は、上記一方の対向縁部9に突設されるフック13と、他方の対向縁部10に形成された係止孔14と上記フック13とにそれぞれ掛合されるロープ15とを備えている。
【0034】
上記両対向縁部9,10のうち、一方の対向縁部9に沿って長く延びる帯形状の被覆シート17と、他方の対向縁部10に沿って長く延びる帯形状の他の被覆シート18とが設けられている。これら被覆シート17,18は、互いに平行に延びている。また、これら被覆シート17,18は、上記遮水シート7,8と同じ材質、同じ厚さとされている。
【0035】
上記被覆シート17の幅方向Aの一端縁部17aは上記一方の対向縁部9に熱溶着W1により取り付けられている。また、上記被覆シート17の他端縁部17bは上記他方の対向縁部10側に向けて突出し、上記被覆シート17の他端縁部17bは上記他方の対向縁部10をその上方から少し離れて覆っている。上記他方の対向縁部10と上記一方の被覆シート17との間の空間20には、熱可塑性遮水材21が充填されている。この遮水材21は、アスファルトマスチックといわれるもので、160±20℃で粘性の大きい熱溶融状態(流動状態)となるものである。
【0036】
上記他の被覆シート18の幅方向Aの一端縁部18aは上記他方の対向縁部10に熱溶着W2により取り付けられている。また、上記他の被覆シート18の他端縁部18bは上記一方の対向縁部9側に向けて突出し、上記他の被覆シート18の他端縁部18bは上記一方の対向縁部9をその上方から少し離れて覆っている。上記一方の対向縁部9と上記他の被覆シート18との間の空間23にも上記遮水材21が充填されている。
【0037】
上記各空間20,23には、これら各空間20,23を所定寸法に維持する帯形状のスペーサ24が挿入されている。このスペーサ24は金属製や樹脂製の単数もしくは複数の剛性のある細線材を三次元的にジグザグ状や螺旋状などに屈曲させて、互いに絡み合わせたようなものである。そして、上記各スペーサ24は、熱溶融状態の上記遮水材21を通過可能とさせる。
【0038】
上記各被覆シート17,18にはそれぞれ複数の貫通孔26が形成されている。これら各貫通孔26は熱溶融状態の上記遮水材21を通過可能とさせる。
【0039】
上記各被覆シート17,18の幅方向Aで、これら対向縁部9,10が互いに重ね合わされた部分28と、上記各被覆シート17,18が互いに重ね合わされた部分29とは互いにほぼ同じ所定寸法L1とされ、互いにほぼ同じところに配置されている。上記所定寸法L1はほぼ500mmとされる。
【0040】
上記各被覆シート17,18の幅方向Aで、これら被覆シート17,18から所定寸法L2だけ離れた各遮水シート7,8上にそれぞれL型の囲繞シート31が熱溶着W3されている。これら各囲繞シート31は、上方に向かって自立するようそれぞれ突設されている。上記所定寸法L2は、ほぼ2.5×所定寸法L1とされ、ほぼ1250mmとされる。上記両囲繞シート31,31は、上記幅方向Aに直交する水平方向に長く延びている。これら囲繞シート31,31の間の空間32に上記遮水材21が充填され、この遮水材21に上記各被覆シート17,18は埋入されている。また、上記各囲繞シート31の外面と、これに連なる上記各遮水シート7,8の上面には他の保護シート33が敷設されている。
【0041】
上記水底5に対し上記各遮水シート7,8などを設置することにより、上記水底5での遮水作業をしようとするときには、下記する水底5における遮水シート7,8同士の接合方法を含めて、次のようになされる。
【0042】
即ち、まず、水底5上に保護シート6が敷設される。一方、大気中で、上記各遮水シート7,8にそれぞれ各被覆シート17,18と囲繞シート31とが熱溶着W1−W3により取り付けられる。次に、上記各被覆シート17,18と囲繞シート31と共に上記各遮水シート7,8が海水3中に沈められる。そして、上記各遮水シート7,8は、保護シート6を介し水底5に沿うようにこの水底5上に並設される。
【0043】
次に、互いに隣り合う両遮水シート7,8の各対向縁部9,10が互いに重ね合わされる。また、上記一方の対向縁部9に取り付けられた被覆シート17が他方の対向縁部10をその上方から覆うようにすると共に、他の被覆シート18が上記被覆シート17をその上方から覆うようにする。この際、上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20と、上記両被覆シート17,18の間の空間23とにそれぞれスペーサ24が挿入される。
【0044】
次に、上記両対向縁部9,10と両被覆シート17,18とを水平方向の各外方と上方とから取り囲む囲繞体35が上記両遮水シート7,8上に形成される。上記囲繞体35は、上記幅方向Aに直交する水平方向に長く延び、上記各囲繞シート31とこれら各囲繞シート31の外面に敷設された保護シート33とに外嵌する平面視で長方形枠状の側型枠36と、この側型枠36の上端開口を閉じる上面型枠37と、この上面型枠37を上記側型枠36に着脱可能に連結する不図示の連結具とを備えている。上記囲繞体35は板金製とされているが、コンクリート製であってもよい。
【0045】
そして、上記囲繞体35の内部の空間32に熱溶融状態の遮水材21が充填されるよう、注入管39などを通して遮水材21が注入される。すると、この遮水材21は、まず、上記他の被覆シート18の貫通孔26等を通し上記両被覆シート17,18の間の空間23と、この空間23に挿入されたスペーサ24内とに流入する。次に、上記遮水材21は、上記被覆シート17の貫通孔26等を通し上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20と、この空間20に挿入されたスペーサ24内とに流入する。そして、上記遮水材21は、上記各空間20,23と各スペーサ24内とに充填させられる。この際、上記囲繞体35内の海水3は上記遮水材21により外部に向けて押し出される。また、上記遮水材21は、その性質により、上記各シート7,8,17,18,31に対し十分に密着して、十分な遮水性を発揮する。
【0046】
次に、上記海水3と遮水材21との間で温度交換が行われ、この遮水材21の温度が低下させられて固化される。すると、これら被覆シート17,18や遮水材21により、上記両遮水シート7,8の間のシールが達成されて、これら両遮水シート7,8が互いに接合され、上記水底5での遮水作業が終了する。
【0047】
この結果、上記各遮水シート7,8、被覆シート17,18、および遮水材21により、海水3の水中から水底5下方の地盤2への海水3の浸入が防止され、つまり、水底5での遮水が達成される。なお、その後、必要に応じて、上記囲繞体35を除去すればよい。
【0048】
上記構成によれば、両対向縁部9,10のうち、一方の対向縁部9に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部17aが上記一方の対向縁部9に取り付けられる一方、他端縁部17bが上記他方の対向縁部10側に向けて突出し、この他方の対向縁部10をその上方から覆う帯形状の被覆シート17と、上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填された熱可塑性遮水材21とを備えている。
【0049】
このため、上記水底5に対し上記各遮水シート7,8などを設置することにより、上記水底5での遮水作業をしようとするときには、まず、上記両遮水シート7,8を水底5に設置し、上記被覆シート17により他方の対向縁部10をその上方から覆い、次に、熱溶融状態(流動状態)の遮水材21を上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填させるよう注入し、その後、固化させればよい。そして、これによれば、上記被覆シート17,18や遮水材21により上記両遮水シート7,8の間のシールが達成されて、これら両遮水シート7,8が互いに接合される。
【0050】
ここで、上記構成によれば、被覆シート17の一端縁部17aは一方の対向縁部9に取り付けられていて、この一方の対向縁部9に対し被覆シート17は予め適正に位置決めされている。このため、上記各遮水シート7,8を所定の相対位置となるよう水底5に設置しさえすれば、上記他方の対向縁部10に対しても上記被覆シート17は適正に位置決めされることとなる。よって、これら各対向縁部9,10と被覆シート17との互いの精度のよい位置決めが容易にできる分、上記水底5での遮水作業が、より容易にできる。
【0051】
また、前記したように、他方の対向縁部10に沿って長く延び、その幅方向の一端縁部18aが上記他方の対向縁部10に取り付けられる一方、他端縁部18bが上記被覆シート17側に向けて突出し、この被覆シート17をその上方から覆う帯形状の他の被覆シート18と、上記両被覆シート17,18の間の空間23に充填された上記遮水材21とを備えている。
【0052】
ここで、上記したように、他の被覆シート18の一端縁部18aは他方の対向縁部10に取り付けられていて、この他方の対向縁部10に対し他の被覆シート18は予め適正に位置決めされている。このため、上記各遮水シート7,8を所定の相対位置となるよう水底5に設置しさえすれば、上記一方の対向縁部9に対しても上記他の被覆シート18は適正に位置決めされることとなる。よって、これら各対向縁部9,10と他の被覆シート18との互いの精度のよい位置決めが容易にできる分、上記水底5での遮水作業が、より容易にできる。
【0053】
そして、前記したように、他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に遮水材21が充填されることに加えて、上記両被覆シート17,18の間の空間23にも遮水材21が充填される。よって、上記両遮水シート7,8の間のシールがより確実に達成される。
【0054】
また、前記したように、空間20,23に挿入され、熱溶融状態の上記遮水材21が通過可能なスペーサ24を備えている。
【0055】
このため、上記遮水作業において、上記空間20,23に遮水材21を充填しようとするとき、この遮水材21の重みなどにより、上記空間20,23が変形する、ということは上記スペーサ24により防止され、この空間20,23は所望形状に維持される。よって、この空間20,23内への遮水材21の充填が円滑かつ容易にでき、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【0056】
また、前記したように、各被覆シート17,18に複数の貫通孔26を形成し、熱溶融状態の上記遮水材21が上記各貫通孔26を通過可能にしている。
【0057】
このため、上記各空間20,23に対し遮水材21を充填しようとして、上記各被覆シート17,18の外方から全体的に遮水材21を供給するとき、この遮水材21は、上記各貫通孔26を通過することにより、上記各空間20,23に円滑かつ容易に充填される。よって、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【0058】
また、上記両遮水シート7,8の接合方法として、上記両遮水シート7,8を水底5に設置し、上記被覆シート17により他方の対向縁部10をその上方から覆い、
次に、上記両対向縁部9,10と被覆シート17とを水平方向の各外方と上方とから取り囲む囲繞体35を上記両遮水シート7,8上に形成し、
次に、上記囲繞体35の内部に熱溶融状態の熱可塑性遮水材21を注入して、この遮水材21を上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に充填させるようにしている。
【0059】
このため、上記他方の対向縁部10と被覆シート17との間の空間20に遮水材21を充填しようとするとき、この充填は上記囲繞体35の内部を通して行われる。このため、上記囲繞体35の容量や形状を適正に定めてやれば、上記空間20に向けて注入しようとする遮水材21が無用に水中に拡散する、ということが防止され、上記空間20への遮水材21の充填が効率よくできる。よって、その分、上記遮水作業が更に容易にできる。
【0060】
なお、以上は図示の例によるが、埋立地1は湖岸や川岸であってもよく、池のようなところであってもよい。また、上記両対向縁部9,10は、上下方向や幅方向Aで互いに少し離れていてもよい。また、各遮水シート7,8への被覆シート17,18の取り付けは接着剤によるものであってもよく、縫合によるものであってもよい。また、上記連結具12は接着剤であってもよく、なくてもよい。また、この連結具12のフック13に代えて係止孔としてもよく、また、係止孔14に代えてフックとしてもよい。また、上記被覆シート17,18は、遮水シート7,8と同じ材質、同じ厚さでなくてもよい。また、上記他の被覆シート18はなくてもよい。
【0061】
また、上記遮水材21は、次のものが選択可能である。即ち、不透水性材料や難透水性材料として、モルタル、コンクリート等の弾性的応答を示す遮水材の他、変形追随性のあるアスファルト混合物等の瀝青材料、粘土、貧配合固化処理土、その他土質系遮水材等の粘弾性的ないしは、粘性的応答を示す遮水材が選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図2の部分拡大断面図である。
【図2】埋立地の部分側面断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 埋立地
5 水底5
7 遮水シート
8 遮水シート
9 対向縁部
10 対向縁部
17 被覆シート
17a 一端縁部
17b 他端縁部
18 被覆シート
18a 一端縁部
18b 他端縁部
20 空間
21 遮水材
23 空間
24 スペーサ
26 貫通孔
28 重ね合わされた部分
29 重ね合わされた部分
35 囲繞体
A 幅方向
L1 所定寸法
L2 所定寸法
W1 熱溶着
W2 熱溶着
W3 熱溶着
【出願人】 【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100084272
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 忠雄


【公開番号】 特開2008−23487(P2008−23487A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−201035(P2006−201035)