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アスベスト等の飛散性粉塵の飛散防止又は固定液 - 特開2008−12471 | j-tokkyo
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【発明の名称】 アスベスト等の飛散性粉塵の飛散防止又は固定液
【発明者】 【氏名】古矢 晃敬

【要約】 【課題】アスベスト等の吹き付け材の風化又は解体工事に伴い発生する粉塵(アスベスト粉末)の飛散を、適確且つ経済的に抑制又は防止する事を可能にする。

【構成】アラビア・ゴム等の多糖類の溶液に界面活性剤及び増粘剤を均質に配合して成る固定液を、アスベスト等の吹き付け材に適量噴霧して、吹き付け材の風化した粉塵を湿潤・固着させ、解体時に発生する粉塵の飛散を抑制又は防止する。固定液が乾燥した後でも、水で再湿潤すれば、固定液の粘性が戻って被処理材の解体時に発生する粉塵の飛散を抑制又は防止する。又、増粘剤が水を含めば体積が膨張して被処理材が剥離し易くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラビア・ゴム等の多糖類水溶液に界面活性剤と増粘剤とを均質配合して成るアスベスト等飛散性粉塵の飛散防止又は固定液。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アスベスト等を含む断熱・耐火又は結露防止・保温・吸音用吹き付け材等の風化又はアスベスト等を含む建材及び焼却炉の解体工事又は微生物濾過フィルター(HEPAフィルター)の交換・撤去工事等に伴い発生する粉塵(アスベスト粉末、ダイオキシンを含む灰、ウィルス等微生物を含む塵埃等)の固定又は飛散防止及び殺菌を目的とする粉塵の飛散防止又は固定(着)液に関する。
【背景技術】
【0002】
アスベスト等を含む吹き付け材の風化又は解体工事に伴い発生する粉塵(アスベスト粉末)は風に載って広く空間に飛散して、近接する広範囲の住民の健康に悪影響を及ぼす事が、近来問題視されている。
そこで、既設のアスベスト等の風化吹き付け材の撤去又は風化アスベストを含む建材の解体・撤去が急がれている現状であるが、従来、吹き付け材の風化アスベスト又はアスベストを含む建材の解体・撤去工事に伴い発生する粉塵の飛散防止方法としては、事前に工事対象物を幕で蔽って外界と遮断するとか、既設の吹き付け材に界面活性剤を含む水を散布して充分に湿潤させ工事中の粉塵の発生を抑制し、吹き付け材等を除去後、さらに表面に有機高分子樹脂剤を含む液を塗布して残存する粉塵を固定すると言った方法が一般的に採られていた。
【0003】
しかしながら、単に幕を用いて施工対象物を外界と遮断するだけでは、粉塵の飛散を防止する目的を充分に果たすことが困難で、これは補助的な手段に過ぎない。
水を散布して粉塵の発生を抑制する方法は、単に被処理材に水を浸透させて湿潤し粉塵の発生を抑制する操作であるから、工事中、対象物が乾燥しないようするために大量の水を必要とする。従って、施工前に排水処理の設備を整える必要がある事や、それにより生じた汚泥についても、乾燥後であれば粉塵が再発生して了う事になるので、別途、飛散防止処理が必要になる等の問題がある。
【0004】
また、有機高分子樹脂剤等を含む液を塗布した場合は、樹脂に含まれる揮発性溶剤の蒸発により、施工時の閉鎖空間における当該揮発性溶剤の濃度管理及び有毒発生ガスの処理が必要になって来る事。更には、乾燥すると被処理材とコンクリート面や鉄骨の表面等の部材との接着性が向上するため、解体時の処理が難しくなる、等の問題がある。
即ち、時間が経つと剥離・解体時に粉塵が発生し易くなる。
【0005】
【非特許文献1】建築物の解体等工事における「石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」 建設業労働災害防止協会企画開発課 平成17年8月9日 初版発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、上記従来法に内在する欠陥を除去し、簡単、経済的な手段で風化又は解体に伴い、吹き付け材等から発生する粉塵(アスベスト粉末)が広く空間に飛散するのを効果的に固定若しくは抑制する湿潤・固定液を提供し、以って、アスベストを含む吹き付け材の処理/解体環境を衛生的にし、且つ、処理工事を促進する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アラビア・ゴムなどの多糖類水溶液に界面活性剤と増粘剤とを均質に配合したアスベスト等の飛散性粉塵の湿潤・固定液を用意して、これを吹き付け材などの被処理物に噴霧・自然浸透させ湿潤し、粉塵を固定する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(a)本液は、界面活性剤を適量配合する事により、被処理物に対し自然浸透し易くして湿潤効果を奏する事及び殺菌効果を生じる事を可能にする。
(b)対象物を湿潤後は、アラビア・ゴムなどの粘性によって粉塵(アスベスト粉末)を固着して飛散を抑制し、乾燥後は、固定する。
(c)増粘剤は、湿潤状態では粘性向上による固定に相乗するが、接着性に劣るので、乾燥後の再湿潤により、剥離し易くなる。
【0009】
(d)液が乾燥した後であっても、再び水分を補給するだけで液の粘性が復活して粉塵の発生を抑制する事が出来る。つまり、一端、固定液を施工した対象物は粉塵が固着され、粉塵の飛散を抑制(防止)する。又、乾燥後であっても水分を再補給する事によって、簡単に液(固化部位)が粘性を復活し、粉塵の飛散を抑制できる。かつ、増粘剤等の効果により剥離し易くなる。
(e)本液の使用によって、一度の噴霧で対象物の湿潤・固定が可能である。
(f)更に、本液は単に溶液である事から、施工に当たり有害ガスの発生の恐れが無い。
【0010】
(g)即ち、アラビア・ゴムなどの多糖類水溶液に界面活性剤と増粘剤とを均質に配合した固定液を、風化したアスベスト等の吹き付け材に対して噴霧し自然浸透させ、当該液の粘着性により吹き付け材に内在する粉塵となり得る物質を固着し、粉塵が風化又は解体処理時に外界に飛散する事を防止する効果を得るものである。
【0011】
本液の噴霧処理後に吹き付け材等が乾燥しても、水分を再補給する事により、固定液の粘性が容易に復活するため、処理後、長時間経っても、剥離・解体作業時の粉塵発生を抑制することが出来る。又、増粘剤は水分を含む事により、体積が膨張し、接着性が劣る状態を発揮できるので処理済み吹き付け材が基材から剥離し易くなる。処理済み吹き付け材等は固定液に滑沢性がが生じるので、綺麗に剥離し易く剥離後も粉塵が発生しない。
【0012】
ダイオキシンを含む灰が付着した焼却炉の解体工事や、バイオハザード施設等の微生物汚染防止用高精度除菌フィルター(HEPAフィルター)の交換作業や解体工事により飛散するウィルス・細菌等の微生物群のフィルターへの固定と殺菌処理を同時に行うことが可能である事、又、界面活性剤を適量加える事により、油塵等、水を弾じく塵埃であっても、固定が可能である。
【0013】
風化アスベストの固定又は解体除去のために費やされる費用は、経験によれば、専ら、その準備工程の粉塵飛散防止処理作業に費やされる割合が大きいので、粉塵飛散防止又は固定液の特徴及びその使い易さは、経済的且つ適確に作業を進める得るか否かに、大きく影響する。本液の上記特徴は、健康・経済的に風化アスベストの固定又は解体除去作業を施行するのに適切であると信じられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本液を組成する各成分は、粘着剤、界面活性剤及び増粘剤として業界に流通している剤であれば、必ずしも実施例に例示した名称(商品名)のものに限られない。なお、その組成比は、各剤に期待される特性の発揮が相互に損なわれない範囲とする。
【実施例】
【0015】
配合(重量比)
アラビア・ゴム粉末 5% (粘着剤)
ポリエチレングリコール(PG4000) 1% (界面活性剤)
カルボキシメチルセルロース(CMC) 1% (増粘剤)
水 93%
固定液の調整
【0016】
60〜80℃の湯で均質に溶かす。
散布方法
【0017】
プランジャーポンプで低圧ミスト散布する。噴霧器の噴霧ノズルを被処理面より30cm程度離し、散布面積が直径30cm〜50cm程度になるように調節して、処理対象面に45°〜90°の角度で満遍なく静かに散布する。この時、吹き付け材料が飛散しないような噴射圧に調節する。散布面に固定液の表面張力が発生していない事を確認する事。
散布量:非処理物の厚み・体積の20%〜30%程度の容量とする。
(厚み1〜3cmの場合)実体積の5倍以下で充分湿潤するに足りる量
実施例:1リットル/m
但し、水分量による重さで吹き付け材が剥離・崩壊しない範囲とする。
効果の確認
【0018】
作業中の粉塵測定を行い、以下の成果を得た。
(1)粉塵濃度測定値
作業前粉塵濃度 0.03 mg/m
作業中粉塵濃度 0.016mg/m
作業後粉塵濃度 0.018mg/m
(2)アスベスト分析
【0019】
作業前 有 (50%含有)
作業中空気濃度 0.06f/m
作業後空気濃度 不検出
処理後の耐火性 変化無し
【産業上の利用可能性】
【0020】
アスベスト等を含む耐火・耐熱等吹き付け材の施工個所は、都市内又はその周辺に立地する公共用建物、工場その他個人用住宅等、枚挙に暇が無い。これらの建築材は、経年変化を経て、アスベストの風化の時期を経過している事例が多く、アスベスト等に対する健康被害が判明した後には、可及的短時期間に撤去又は分解工事を施すことが望ましい場合が少なくない。
然し乍ら、その多くは都市内に立地して、工事中、隣接周辺域に風に載ってアスベスト粉塵が飛散し、付近住民の健康に影響を及ぼす恐れが在る。本液の特徴は、風化アスベスト等を含む建材の粉塵の固定又は解体工事の際に広く発揮されるものと信じられる。

【出願人】 【識別番号】595067165
【氏名又は名称】古矢 晃敬
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100088225
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 浩一

【識別番号】100127959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 武


【公開番号】 特開2008−12471(P2008−12471A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187831(P2006−187831)