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【発明の名称】 積層パネルの表層材の剥離装置
【発明者】 【氏名】今村 拓志

【要約】 【課題】心材の両面に薄い鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを積層したパネルの残材や廃材から表層材を効率よく剥離する装置を提供することにより、従来廃棄物として焼却されていた積層パネルの残材ないし廃材のリサイクルを可能にする。

【構成】細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に配置したカッタ7、8と、テーブル上に載置した積層パネルを上記カッタに向けて押動するプッシュバー2と、このプッシュバーを前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを備えている。カッタは、パネル表裏の表層材を同時に剥離する上下のカッタを備えたものが好ましい。テーブルの端部に押えローラ6を設け、上カッタ7は、この押えローラの下端より積層パネルの表層材の厚さを越える低さに刃先辺を位置させて、押えローラと一体に昇降移動するように設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に当該テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて配置したカッタと、前記テーブルの上面から前記越える高さの寸法を更に超える寸法の間隔を隔てて当該テーブルの短辺と平行に装架されたプッシュバーと、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを備えている、積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項2】
心材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に当該テーブルの短辺と平行な方向に装架されて当該テーブルの上面に対して近接離隔する昇降方向に移動可能かつ当該上面に向けて付勢された押えローラと、この押えローラの下端より前記表層材の厚さを越える低さに刃先辺を位置させて当該押えローラの反テーブル側に配置されて当該押えローラと一体的に昇降移動するカッタと、前記テーブルの上面から前記刃先辺より更に低い高さで当該テーブルの短辺と平行な方向に装架されたプッシュバーと、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを備えている、積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項3】
心材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に当該テーブルの短辺と平行な方向に装架されて当該テーブルの上面に対して近接離隔する昇降方向に移動可能かつ当該上面に向けて付勢された押えローラと、この押えローラの下端より前記表層材の厚さを越える低さに刃先辺を位置させて当該押えローラの反テーブル側に配置されて当該押えローラと一体的に昇降移動する上カッタと、前記テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて前記上カッタの下方に配置した下カッタと、前記テーブルの上面から前記越える高さの寸法を更に超える寸法の間隔を隔てかつ上面を前記テーブルの上面から前記上カッタの刃先辺より更に低い高さにして当該テーブルの短辺と平行な方向に装架されたプッシュバーと、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを備えている、積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項4】
カッタの刃先角が15°〜30°で、上下のカッタがそれらの背面が向き合うように配置されていることを特徴とする、請求項3記載の積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項5】
背面相互の間隔が反刃先辺側において若干広くなる方向に角度をつけて上下のカッタが設置されていることを特徴とする、請求項4記載の積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項6】
カッタの刃先辺がプッシュバーの移動方向と直交する方向に対して傾斜していることを特徴とする、請求項3から5のいずれか1に記載の積層パネルの表層材剥離装置。
【請求項7】
テーブルがオペレータ側が低くなる方向に傾斜しており、上下のカッタの反テーブル側に当該カッタで剥離された表層材を案内するガイド板を備えている、請求項3から6のいずれか1に記載の積層パネルの表層材剥離装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、板状の木材又は発泡樹脂の心材の両面に薄い鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを積層した積層パネル、特にその残材や廃材の表層材を心材から剥離する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
厚さ12〜20mmの木材や発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂の板材の両面に、表面側には厚さ0.1〜0.5mmの樹脂板又は鉄板を貼着し、裏面側には厚さ0.1〜0.5mmの鉄板又はアルミニウム板を貼着した積層パネルが、冷凍庫車の外壁及び後部扉、間仕切り壁などに使用されている。この積層パネルは、パネルメーカーが製造した所定寸法のものを適宜切断して使用するが、このとき、切り残った残材が出る。残材の寸法は、通常幅40〜250mmで、長さが1500mm程度である。この積層パネルの残材は、手作業で心材から表層材を剥離してリサイクルされる場合も一部にはあるが、殆どは産業廃棄物としてそのまま焼却処分されている。焼却処分では、表層材として使用されていた鉄板は焼け残ってリサイクル可能であるが、アルミニウム板は溶けて灰と混じって塊状となり、埋立処分するしかないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
資源の枯渇や地球温暖化などの環境破壊を軽減し、産業廃棄物の量を減らすためには、リサイクルによる残材や廃材の再利用を図ることが必要である。複合材をリサイクルするためには、複合されている材料を分離して回収することが必要であり、積層パネルの残材においては、表層材を心材から剥離することが必要である。この剥離作業は、ペンチなどを使って一部手作業で行われているが、非常に効率が悪く、腕力も必要で、大量の残材を処理することは到底不可能である。
【0004】
また、これらの残材は、冷凍庫車のボディを製造している車体メーカや建築現場などの比較的中小規模の企業現場で発生する。このような中小の企業においては、産業廃棄物の処分に要する多額の費用が企業経営を圧迫しているという現状がある。
【0005】
この発明は、簡便な装置で安価に積層パネルの表層材を効率よく剥離することができる装置を提供することにより、従来廃棄物として焼却されていた積層パネルの残材ないし廃材のリサイクルを可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決したこの発明の積層パネルの表層材剥離装置は、心材61の表面に表層材62を貼着した積層パネル5を滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブル1と、このテーブルの長手一方端に配置したカッタ7、8と、テーブル1上に載置した積層パネル5をこのカッタ7、8に向けて押動するプッシュバー2と、このプッシュバーを前記テーブルの上面15の長手方向に沿って前記カッタ7、8に向けて移動させる移動駆動装置3とを備えている。
【0007】
カッタ7、8は、上カッタ7又は下カッタ8のいずれか一つを配置する構造でも良いが、上下のカッタ7、8を共に備えたものが好ましい。下カッタ8は、テーブルの上面15より積層パネルの表層材62の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて配置する。下カッタ8を設けたときは、前記プッシュバー2は、テーブルの上面15との間に当該上面から下カッタ8の刃先までの高さを超える寸法の間隔を隔てて、当該テーブル1の短辺と平行に装架する。
【0008】
上カッタ7を設けるときは、積層パネル5に種々の厚さのものがあることを考慮して、上カッタ7の刃先が処理する積層パネル5の厚さに応じて自動昇降する構造が好ましい。また、積層パネル5がテーブル1から浮上がるのを防止する手段を設けるのが好ましい。これらを実現するには、テーブル1のカッタ7、8を配置した側の端部に当該テーブル1の短辺と平行な方向に装架されて当該テーブルの上面15に対して近接離隔する昇降方向に移動可能かつ当該上面15に向けて付勢された押えローラ6を設ける。
【0009】
上カッタ7は、この押えローラ6の下端より積層パネル5の表層材62の厚さを越える低さに刃先辺を位置させて、当該押えローラ6を軸支している部材34と一体的に昇降する部材44に固定することにより、押えローラ6と一体に昇降移動するように設ける。プッシュバー2は、テーブルの上面15から上カッタ7の刃先辺より更に低い高さでテーブル1の短辺と平行な方向に装架する。
【0010】
カッタ7、8は、刃先角が15°〜30°のものが好ましい。上下にカッタを設けるときのカッタ7、8は、それらの背面が向き合うようにして、かつ、背面相互の間隔が反刃先辺側において若干広くなる方向に角度をつけて配置するのが好ましい。これにより、カッタ7、8で表層材62を剥離した後の心材61が上下のカッタ7、8の間を円滑に通過して排出されるようになる。
【0011】
カッタ7、8は、その刃先辺をプッシュバー2の移動方向と直交する方向に対して若干傾斜させて配置するのが好ましい。これにより、プッシュバー2に押された積層パネル5の端部に対するカッタ7、8の食い付きが良くなる。また、下記実施例に示すように、テーブル1の幅方向を水平面に対して30〜60°傾斜させ、上下のカッタ7、8の反テーブル側に当該カッタで剥離された表層材62を案内するガイド板64を設けることにより、剥離された表層材62の回収作業の作業性が改善される。
【発明の効果】
【0012】
この発明により、従来産業廃棄物として焼却処分されていた積層パネルの残材から再利用可能な鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを経済的に分離回収することが可能になり、これらの分離回収した材料を再利用することにより、資源の有効利用を図ることができ、産業廃棄物の減量及び環境破壊の低減を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図1は以下に説明する表層材剥離装置の要部を概念的に示した斜視図で、1はテーブル、2はこのテーブルの長手方向(図1のL方向)に走行するプッシュバー、3はこのプッシュバーを走行させるためのチェーン、4はその駆動スプロケット、6は想像線で示したワーク(積層パネルの残材)5をテーブル面に押圧する押えローラ、7及び8は固定位置に設けられている表層材剥離用のカッタである。
【0014】
テーブル1は、図2に示すように、オペレータ側(図2の右側)が低くなる方向に45°斜させた状態で架台11上にブラケット12で固定されている。以下の説明及び図面では、傾斜しているテーブル1の面直角方向(図1、2のY方向)を上下方向、テーブル面と平行で前記長手方向と直交する方向を幅方向(図1、2のW方向)として説明する。
【0015】
テーブル1は、図2に明示されているように、溝形鋼13の両側(幅方向の両側。以下同じ。)のフランジに角パイプ14を固定した構造で、溝形鋼13の底面によって形成されるテーブル上面15は、角パイプ14の上面より上方に位置している。テーブル1は、角パイプ14の外側(幅方向の外側。以下同じ。)側面に取り付けたブラケット12により架台11に固定されている。
【0016】
テーブル1の両側の角パイプ14の長手両端には、図3に示すように、それぞれ駆動スプロケット4と従動スプロケット16とが配置されている。カッタ7、8を配置した側のスプロケットが駆動スプロケットで、両側の駆動スプロケット4は、幅方向の一本のスプロケット軸17の両側に固定されて同期駆動されている。駆動スプロケット4は、架台11に取り付けたモータ21(図4)により、チェーン30及びトルクリミッタ22を介して図1の矢印a方向に回転駆動される。トルクリミッタ22は、プッシュバー2に過負荷がかかったとき、チェーン3の駆動を停止させるための安全装置である。
【0017】
駆動スプロケット4と従動スプロケット16との間に装架されたチェーン3は、角パイプ14の上下面に近接して走行している。チェーン3はガイドローラ付きのチェーンで、角パイプ14の上面には、このガイドローラを案内するレール23と押えレール24とが固定されている。レール23は、角パイプ14の上面に突出する長手方向の細い板材であり、押えレール24は、チェーン3の外側を囲むように屈曲された断面C形のテーブル長手方向に細長い板材である。チェーン3のガイドローラは、周溝を有するローラで、レール23及び押えレール24の長手方向の辺がその周溝に嵌まり込んだ状態でガイドローラを案内することにより、チェーン3の上下及び幅方向の振れを防止している。
【0018】
角パイプ14の下側を通過するチェーン3の戻り側(緩み側となる。)は、角パイプ14の下面に固定したC形断面の板材からなる下レール25のみで案内されており、チェーン3が緩み側で垂れ下がるのを防止している。
【0019】
チェーン3の全長の半分の間隔を置いた2箇所に、チェーンの長手方向から見てL字形をした羽根26を備えたチェーンリンクが取り付けられており、帯板状のプッシュバー2が、その両側端を当該羽根に固定されて、テーブル1の上面から僅かに離隔した状態で、幅方向に装架されている。プッシュバー2は、チェーン3の周長の半分長さの間隔で2本設けられており、チェーン3の周回により、2本のプッシュバー2が交互にテーブル上面を走行して、テーブル上面に載置されたワークを順次カッタ7、8に向けて押し動かす。
【0020】
プッシュバー2は、駆動スプロケット4側を通過するとき、上下のカッタ7、8の間を通過することとなる。プッシュバー2とカッタ7、8の衝突を避けるために、プッシュバー2は高さ方向の位置を正確に案内することが必要である。この案内は、レール23と押えレール24でチェーン3の高さを規制することで実現できる。図の例では、溝形鋼13の側面に固定した長手方向に細長い板材からなる下ガイド27と、前述した押えレール24の背面に固定した下向きコの字形断面の長手方向に細長い上ガイド28の辺を、プッシュバー2の両側端部の上下面に滑り接触させて、プッシュバー2の高さ方向の案内を更に確実なものにしている。
【0021】
図3〜6に詳細を示すように、テーブル1のワーク送り方向下流側(カッタ7、8を設けた側。以下単に「下流側」と言い、その反対側を「上流側」と言う。)の端部には、テーブル1の上面を幅方向に跨ぐように低い横断フレーム31がその両側下部を角パイプ14の外側面に固定して装着されている。この横断フレームは、その両側の角の内側の部分に下流側に伸びる固定腕32を備えている。この固定腕の下流側端部内側には、上下方向のガイド溝33が形成され、このガイド溝に軸受ブロック34が上下摺動自在に嵌挿されている。軸受ブロック34のガイド溝33に嵌まり込んでいる部分のすぐ内側の上流側を向く面に、上下方向のラック35が設けられている。
【0022】
押えローラ6は、その中心を貫通するローラ軸36に自由回転可能に軸支され、かつそのローラ軸36の両端は、軸受ブロック34に自由回転可能に軸支されている。ローラ軸36の両側端は、軸受ブロック34を貫通して固定腕32に設けた上下方向の長穴40に挿通されており、ローラ6の上下動端がローラ軸36が当該長穴40の上下端に衝突することにより規定される構造となっている。
【0023】
固定腕32のガイド溝33より上流側の位置には、幅方向の軸受孔37が設けられ、この軸受孔に両側端を軸支されて同期シャフト38が装架されている。同期シャフト38の両側端部には、前記ラック35と噛合するセグメント歯車(扇状の歯車)39が固定されている。セグメント歯車39の同期シャフト38への固定構造は、すり割り付きの孔に同期シャフトを通してボルトですり割りを狭める方向に締め付けて固定する構造である。この同期構造により、両側の軸受ブロック34が、従って押えローラ6の両側端が同期昇降する。
【0024】
同期シャフト38の中央部には、上流側に伸びるブラケット41が固定されており、このブラケットと横断フレーム31の上方に設けたばね受け42との間に引張りばね43が装架されている。この引張りばね43がセグメント歯車39を、従ってこれに噛合している軸受ブロック34に両側端を支持された押えローラ6を、下方に付勢して、押えローラ6の下を通過するワークをテーブル面に押し付けている。
【0025】
ローラ軸36の両側端部の押えローラ6と軸受ブロック34の間には、下流側に伸びるカッタ取付腕44が固定されており、このカッタ取付腕の下流側下面に上カッタ7の両端が固定されている。一方軸受ブロック34の上面に下流側に伸びる上板45が固定され、この上板の先端とカッタ取付腕44の外側面に固定したピン46と間に、高さ調整ボルト47が装架されている。押えローラ6の下端、すなわちこの押えローラで押えられるワークの上面と、上カッタ7の刃先との高さ関係は、この高さ調整ボルト47によって調整することができる。
【0026】
一方、下カッタ8は、テーブル1の下流端に幅方向に装架された支持軸51に固定されて下流側に伸びる下カッタ取付腕52の下流端部上面に固定されている。下カッタ取付腕52の下流端部とテーブル1の間には、高さ調整ねじ53が設けられており、テーブル上面と下カッタ8の刃先との高さ関係は、この高さ調整ねじ53によって調整することができる。
【0027】
積層パネルの表層材の厚さは、0.1〜0.5mmであり、上記の構造によれば、この表層材の厚さに応じて上下のカッタ7、8の刃先の高さを微調整できるが、実際にはこの刃先高さの調整はそれほど重要ではない。心材が木材の積層パネルは、最初にカッタの刃先が食い込んだ後は、刃先の傾斜面の楔作用によって表層材がカッタの刃先に当るより前に引き剥がされており、心材がポリウレタンのものでも、カッタの刃先に当るか当らないかの間に心材と表層材とが剥離している。従ってカッタの刃先の微小な高さ調整は、それほど重要ではない。
【0028】
表層材を剥離する積層パネル5は、図7に示すように、木材ないし発泡樹脂の心材61の両面に薄い表層材62を貼り付けた構造である。表層材62は、鉄、アルミニウム又は樹枝のシートで、その厚さは0.1〜0.5mmが一般的である。全体の厚さは12〜18mm程度のものが多い。
【0029】
この発明の表層材剥離装置は、このような積層パネルの残材ないし廃材をテーブル1上に載せ、モータ21を駆動することによりプッシュバー2で当該残材ないし廃材をカッタ7、8に向けて押進させることにより、カッタ7、8の刃先を表層材62と心材61との境目付近に食い込ませ、カッタの刃先の傾斜面の楔作用により、上下の表層材62、62を上下のカッタで剥離するものである。
【0030】
図の装置では、テーブル上を走行するプッシュバー2により、テーブル1上に次々と送り込まれる積層パネルの残材を次々と押動して、表層材の剥離処理を連続的に行うことができる。図の装置では、周回移動するチェーンによりプッシュバー2を走行させているが、プッシュバー2をチェーン3の正逆駆動やシリンダにより往復移動させる構造とすることも勿論可能である。このときは、戻り移動時にプッシュバーを高速走行させることにより、処理速度を向上させるのが良い。
【0031】
カッタ7、8の刃先が表層材62と心材61との境目付近に食い込むと、その後はカッタ7、8の刃先の傾斜面の楔作用により、表層材62が心材61から引き剥がされるようにして剥離される。剥離した表層材には心材が薄い膜状に付着するが、鉄板やアルミニウム板からなる表層材のリサイクルには支障はない。
【0032】
カッタ7、8で表層材を剥離する直前の位置で、テーブル1上の積層パネルの表面を加熱すると、表層材の剥離がより円滑に行われ、かつ表層材への心材の付着量を少なくすることができる。図示の装置には、テーブル上の積層パネルの下面を加熱空気で加熱しようとするときに、テーブル下に設けた熱風発生装置から加熱空気をテーブル上の積層パネルの下面に吹付けることができるように、長穴群55を設けてある。積層パネル上面の加熱は、この長穴群55の上方に熱風発生装置ないし熱風ダクトを設けて、その熱風をテーブル上を移動する積層パネルの上面に吹付けてやればよい。
【0033】
カッタ7、8は、刃先角が15°〜30°とするのが好ましく、図8に示すように背面を向き合うようにして上下のカッタ7、8を配置するのが好ましい。図9に示すように、カッタ背面を外向きにして装着してもよいが、カッタ7、8の刃先角を変更したとき、カッタ取付腕44、52も変更する必要が生ずる。
【0034】
上下のカッタ7、8の互いに向き合う面は、下流側において面相互の間隔が若干広くなるように、少し傾斜させて設置する。これにより、表層材を剥離した後の心材が上下のカッタ7、8の間を円滑に通り抜けるようになる。上下のカッタ7、8は、その刃先の辺をテーブル幅方向に対して若干斜めにして装着するのが好ましい。この構造により、積層パネルの心材にカッタ7、8の刃先が食い付きやすくなる。前述したように、カッタ7、8の刃先がワークに一旦食い付いた後は、刃先の傾斜面の楔作用により表層材が剥離されるので、カッタ7、8の刃先は切れ味のよい鋭利なものにする必要はなく、カッタ7、8の刃先の耐久性もよい。
【0035】
上カッタ7は、押えローラ6を軸支している軸受ブロック34と一体となって昇降する。従って、ワークの厚さに応じて上カッタ7が自動的に昇降して、刃先の高さが自動的に調整される。従って、ワークの厚さが変わったときに人手による装置の段取り変えは不要である。
【0036】
図8に示すように、上下のカッタ7、8の刃先に近接して、剥離した表層材をカッタ7、8との間で案内するガイド板64、64を設けることにより、剥離した表層材がカールして機械に巻きつくのを防止できると共に、上記実施例で示すようにテーブル上面15をオペレータ側に30°〜60°傾斜させた装置では、上面の積層材が装置前方へ、心材がテーブルの長手方向延長上に、裏面の表層材が装置の後方へと分離されて排出されるので、剥離した後の表層材や心材をまとめるのに非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例の表層材剥離装置の要部を概念的に示した斜視図
【図2】実施例の表層材剥離装置の長手中間部の断面図
【図3】実施例の表層材剥離装置をテーブル面直角方向に見た平面図
【図4】実施例の表層材剥離装置の図3のA部における断面図
【図5】実施例の表層材剥離装置の端面図
【図6】実施例の表層材剥離装置の要部の分解斜視図
【図7】積層パネルを示す断面図
【図8】剥離状態を示す図
【図9】図8と異なるカッタの装着構造を示す図
【符号の説明】
【0038】
1 テーブル
2 プッシュバー
3 チェーン
5 積層パネル
6 押えローラ
7 カッタ
8 カッタ
61 心材
62 表層材
【出願人】 【識別番号】396018977
【氏名又は名称】株式会社イマムラ
【識別番号】506232866
【氏名又は名称】株式会社吉岡機販
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100078673
【弁理士】
【氏名又は名称】西 孝雄


【公開番号】 特開2008−12450(P2008−12450A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186966(P2006−186966)