| 【発明の名称】 |
廃石膏ボードのリサイクル方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡村 聰一郎
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| 【要約】 |
【課題】不純物を多く含む廃石膏ボードであっても、地盤改良材以外にもリサイクル可能で、リサイクルコストを低減できる廃石膏ボードのリサイクル方法を提供する。
【構成】廃石膏ボードを解砕した後、粉砕し、分級点100μm程度に分級することによって高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離する。高不純物含有石膏を400℃以上700℃以下で焼成、粉砕して無水石膏を生成する。低不純物含有石膏の一部又は全部を水洗又は脱水し、二水石膏及び/又は半水石膏を回収する。従来不純物を多く含み、地盤改良材としてのみリサイクルされていた廃石膏ボードの一部から二水石膏及び/又は半水石膏を回収することができ、セメント原料等としてリサイクル可能となる。この際、焼成工程が不要であるため、リサイクルコストを低く抑えることもできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃石膏ボードを解砕した後、粉砕及び分級することによって高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離し、 前記高不純物含有石膏より無水石膏を生成し、 前記低不純物含有石膏より二水石膏及び/又は半水石膏を回収することを特徴とする廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項2】 前記廃石膏ボードを解砕した後、不純物と不純物含有石膏とに選別し、該選別した不純物含有石膏を粉砕及び分級することによって高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離することを特徴とする請求項1に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項3】 前記廃石膏ボードの解砕工程の前段で、該廃石膏ボードに水蒸気又は水を噴霧することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項4】 前記選別工程において、篩目100mm以下の篩機を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項5】 前記選別工程において、前記篩機に通電することを特徴とする請求項4に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項6】 前記選別工程において、前記篩機に高温ガスを通風することを特徴とする請求項4又は5に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項7】 前記粉砕及び分級工程において、分級点100μm以下の乾式分級機を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項8】 前記粉砕及び分級工程において、前記乾式分級機に高温ガスを通風することを特徴とする請求項7に記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項9】 前記高不純物含有石膏を400℃以上700℃以下で焼成して粉砕することによって、前記無水石膏を生成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項10】 前記焼成工程で生成される燃焼排ガスを、前記篩機及び/又は前記乾式分級機に通風するための高温ガスとして用いることを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項11】 前記低不純物含有石膏の一部又は全部を水洗又は脱水することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項12】 前記二水石膏の一部又は全部に水を噴霧又は滴下することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。 【請求項13】 前記二水石膏の一部又は全部を押出成形機により成形することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の廃石膏ボードのリサイクル方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、廃石膏ボードのリサイクル方法に関し、特に、不純物を多く含有する廃石膏ボードを地盤改良材以外の用途にリサイクルする方法に関する。 【背景技術】 【0002】 1970年代から住宅材料として石膏ボードが広く利用されてきた。近年、当時建設された建物の解体が始まりつつあり、解体に伴って発生する廃石膏ボードの量が増加する傾向にある。この廃石膏ボードのリサイクル方法としては、石膏ボードの原料として再利用したり、セメント原料、地盤改良材として利用する方法がある。 【0003】 従来の廃石膏ボードの処理方法の一例として、特許文献1には、石膏ボードを粗破砕し、得られた破砕片をさらに細かく粉砕し、石膏成分と紙成分とに分離する石膏ボードの分別処理方法において、前記破砕片を、インパクトクラッシャの回転ロータに取付けられた打撃板を用いてさらに細かく粉砕し、得られた石膏成分と紙成分の両方が混入した粉砕物を、風力選別機を用いて石膏成分と紙成分とに分離する技術が提案されている。 【0004】 さらに、特許文献2には、同じく廃石膏ボードの処理方法として、紙、布又はビニールクロス等の被覆材で被覆された廃石膏ボ−ドを荒破砕する一次分別破砕工程と、金属類又は前記被覆材の夾雑物と石膏粒とを分離する二次分別破砕工程と、前記石膏粒と前記夾雑物とを篩い分ける一次篩分け工程と、前記石膏粒を所定の粒径以下に粉砕するとともに当該石膏粒に付着した夾雑物の厚みが前記所定の粒径以下である場合のみ通過させる三次分別破砕工程と、前記三次破砕工程を通過した所定の粒径以下の石膏粒と夾雑物とを篩い分ける二次篩分け工程とで構成される技術が提案されている。 【0005】 実際には、石膏ボードの製造工場における不良品等、上記の要領で分離された石膏の不純物含有率が低い場合には、リサイクルルートが確立しているが、不純物の含有率の高い廃石膏ボードについては、リサイクルルートが確立していないため、ほとんど埋め立て処理されている。不純物含有率の高い廃石膏ボードに対応できているのは、不純物の燃焼除去を行い、無水石膏化している地盤改良材へのリサイクルルートのみである。 【0006】 従来の廃石膏ボードのリサイクル方法は、例えば、図2に示すように、まず、住宅等の建物を解体して発生した廃石膏ボードを受け入れ(ステップS51)、解砕せずに除去できる金属を選別し(ステップS52)、選別した金属をリサイクル材として出荷する(ステップS53)。 【0007】 次に、金属を選別して除去した後の廃石膏ボードを、解砕して選別し(ステップS54)、金属を選別して(ステップS55)、上記ステップS53と同様のルートでリサイクル材として出荷するとともに、解砕/選別工程によって発生した紙等を減容圧縮し(ステップS56)、燃料リサイクル材として出荷する(ステップS57)。 【0008】 一方、解砕/選別工程によって金属、紙等を除去した後の廃石膏を焼成し(ステップS58)、粉砕し(ステップS59)、地盤改良材として出荷する(ステップS60)。 【特許文献1】特開2004−313896号公報 【特許文献2】特開2004−243165号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 上述のように、不純物を多く含む廃石膏ボードは、地盤改良材等としてリサイクルすることができるが、地盤改良材を生成するにあたって燃焼工程が必要となるため、リサイクルコストが比較的割高となるとともに、今後の廃石膏ボードの発生量の増加を考慮すると、すべての廃石膏ボードを受け入れることができる程地盤改良材の需要がないため、今後の廃石膏ボードの発生量に応じた消費量を有するとともに、リサイクルコストの低いリサイクルルートと手法を確立する必要があった。 【0010】 そこで、本発明は、上記従来の石膏ボードのリサイクル方法における問題点に鑑みてなされたものであって、不純物を多く含む廃石膏ボードであっても、地盤改良材以外にもリサイクルすることができ、リサイクルコストを低く抑えることも可能な方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記目的を達成するため、本発明は、廃石膏ボードのリサイクル方法であって、廃石膏ボードを解砕した後、粉砕及び分級することによって高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離し、前記高不純物含有石膏より無水石膏を生成し、前記低不純物含有石膏より二水石膏及び/又は半水石膏を回収することを特徴とする。ここで、不純物とは、廃石膏ボードの製造工程及び建築資材として用いられた際に混入した紙、繊維、金属等をいう。 【0012】 そして、本発明によれば、解砕後、粉砕及び分級を介して廃石膏ボードを高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離し、高不純物含有石膏より無水石膏を、低不純物含有石膏より二水石膏及び/又は半水石膏を回収するため、従来、比較的不純物を多く含み、地盤改良材としてのみリサイクルされていた廃石膏ボードの一部から二水石膏及び/又は半水石膏を回収することが可能となり、セメント原料等としてリサイクルすることができる。これによって、地盤改良材としての用途以外の用途にリサイクル可能となるとともに、二水石膏を回収する場合には焼成工程が不要であるため、リサイクルコストを低く抑えることも可能となる。 【0013】 前記廃石膏ボードのリサイクル方法において、前記廃石膏ボードを解砕した後、不純物と不純物含有石膏とに選別し、該選別した不純物含有石膏を粉砕及び分級することによって高不純物含有石膏と低不純物含有石膏とに分離することができる。これによって、不純物の含有率がかなり高い廃石膏ボードについても対応することができる。 【0014】 また、前記廃石膏ボードのリサイクル方法において、前記廃石膏ボードの解砕工程の前段で、該廃石膏ボードに水蒸気又は水を噴霧することができる。これによって、不純物の石膏からの剥離を促進することができる。 【0015】 さらに、前記廃石膏ボードのリサイクル方法の前記選別工程において、篩目100mm以下の篩機を用いることができる。また、前記選別工程において、前記篩機に通電してもよく、篩機に高温ガスを通風してもよい。これによって不純物及び石膏成分を乾燥させ、より容易に選別を行うことができる。 【0016】 また、前記粉砕及び分級工程において、分級点100μm以下の乾式分級機を用いることができ、この乾式分級機に高温ガスを通風し、粉砕及び分級対象物を乾燥させ、より容易に粉砕及び分級を行うことができる。 【0017】 前記廃石膏ボードのリサイクル方法において、前記高不純物含有石膏を400℃以上700℃以下で焼成して粉砕することによって、前記無水石膏を生成することができる。また、この焼成工程で生成される燃焼排ガスを、前記篩機及び/又は前記乾式分級機に通風するための高温ガスとして用いることで、熱エネルギーを有効活用することができる。 【0018】 さらに、前記廃石膏ボードのリサイクル方法において、前記低不純物含有石膏の一部又は全部を水洗又は脱水することができ、これによって、水溶性不純物を除去し、回収することのできる二水石膏の純度を高めることができる。 【0019】 さらに、前記二水石膏の一部又は全部に水を噴霧又は滴下することができ、これによって、該二水石膏を凝集させてハンドリング性を改善することができる。 【0020】 さらにまた、前記二水石膏の一部又は全部を押出成形機により成形することにより、回収した二水石膏のハンドリング性を改善することができる。 【発明の効果】 【0021】 以上のように、本発明によれば、不純物を多く含む廃石膏ボードであっても、地盤改良材以外にもリサイクルすることができ、リサイクルコストを低く抑えることも可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 次に、本発明の実施の形態について図1を参照しながら説明する。 【0023】 まず、住宅等の建物を解体して発生した廃石膏ボードを受け入れ(ステップS1)、解砕せずに除去できる金属を選別し(ステップS2)、選別した金属をリサイクル材として出荷する(ステップS53)。 【0024】 次に、不純物の石膏からの剥離を促進するため、金属が除去された廃石膏ボードに水蒸気又は水を噴霧した後、インパクト式の解砕機、ロータミル等を用いて解砕し、篩目100mm以下の篩機を用いて選別する(ステップS4)。この際、解砕した廃石膏ボードの乾燥を促進するため、篩機に通電したり、高温ガスを通風することが好ましい。 【0025】 篩機によって選別された金属を除去し(ステップS5)、除去した金属を、上記ステップS3と同様のルートでリサイクル材として出荷する。また、解砕及び選別工程によって発生した紙を減容圧縮し(ステップS6)、燃料リサイクル材として出荷する(ステップS7)。 【0026】 一方、解砕/選別工程によって金属、紙等を除去した後の廃石膏を粉砕し、分級点100μm以下の乾式分級機等を用いて分級し、低不純物含有石膏と、高不純物含有石膏とに分離する(ステップS8)。尚、低不純物含有石膏とは、不純物の含有率が0.5質量%程度以下、高不純物含有石膏とは、不純物の含有率が5質量%程度以下の廃石膏をいう。 【0027】 次に、粉砕/分級工程において分離された低不純物含有石膏を水洗して水溶性不純物を除去して二水石膏を回収する(ステップS9)。得られた二水石膏を押出成形機等で成形してハンドリング性を改善し(ステップS10)、セメント原料として出荷する(ステップS11)。尚、二水石膏の成形の際に、水を噴霧又は滴下することによってハンドリング性の改善を行ってもよい。 【0028】 一方、粉砕/分級工程において分離された高不純物含有石膏を、ケトル炉等を用いて400℃以上700℃以下で焼成し、半水化、無水化工程を経て無水石膏を生成する(ステップS12)。尚、焼成によって発生した燃焼排ガスを、上記解砕/選別工程(ステップS4)において廃石膏を乾燥させるために用いることもできる。 【0029】 次に、生成した無水石膏を竪型のリングミル等で製品粒度に適合するまで粉砕して、粒度を小さくし(ステップS13)、地盤改良材として出荷する(ステップS14)。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明にかかる廃石膏ボードのリサイクル方法を説明するためのフローチャートである。 【図2】従来の廃石膏ボードのリサイクル方法を説明するためのフローチャートである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000240 【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106563 【弁理士】 【氏名又は名称】中井 潤
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| 【公開番号】 |
特開2008−6400(P2008−6400A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−181148(P2006−181148) |
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