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【発明の名称】 生ゴミ処理機
【発明者】 【氏名】船引 史正

【要約】 【課題】ユーザの希望に応じて確実に処理材の劣化を防止する。

【構成】処理材を収容する処理槽21と、前記処理材の活性を良好状態に調整するための調整手段(攪拌部材23、電気ヒータ28、送風ファン30,32)と、前記調整手段を制御する制御手段(マイコン61)とを備えた生ゴミ処理機において、前記処理槽21への生ゴミの未投入予定期間を入力するための未投入期間入力部(未投入期間表示部53、未投入スイッチ59)を設け、前記制御手段は、未投入期間が入力されると、その期間が経過するまで前記調整手段の動作を抑制制御する留守モードを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理材を収容する処理槽と、前記処理材の活性を良好状態に調整するための調整手段と、前記調整手段を制御する制御手段とを備えた生ゴミ処理機において、
前記処理槽への生ゴミの未投入予定期間を入力するための未投入期間入力部を設け、
前記制御手段は、未投入期間が入力されると、その期間が経過するまで前記調整手段の動作を抑制制御する留守モードを備えることを特徴とする生ゴミ処理機。
【請求項2】
前記未投入予定期間を日数入力または時間入力とし、前記留守モードでは、制御手段は、入力期間に応じて前記調整手段の動作を異なるように抑制制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項3】
前記調整手段は、前記処理槽内の生ゴミおよび処理材を攪拌する攪拌手段を備え、
前記制御手段は、前記攪拌手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、未入力状態と比較して1周期でのオン時間比率が短くなるように制御するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生ゴミ処理機。
【請求項4】
前記調整手段は、前記処理槽内の処理材を加熱する加熱手段を備え、
前記制御手段は、前記加熱手段を、前記未投入期間の未入力状態では、オン、オフ制御により前記処理槽内が所定温度に維持されるように制御し、前記留守モードでは、前記加熱手段の動作を停止するように制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【請求項5】
前記調整手段は、前記処理槽内の空気を排気する排気手段を備え、
前記制御手段は、前記排気手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、未入力状態と比較して1周期でのオン時間比率が短くなるように制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【請求項6】
前記調整手段は、前記処理槽内へ空気を供給する給気手段を備え、
前記制御手段は、前記給気手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、前記給気手段の動作を停止するように制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【請求項7】
前記処理槽内の処理材の含水量または温度に基づく処理材状態を検出する手段を設け、
前記制御手段は、前記未投入期間の未入力状態では、前記検出手段の検出値に基づいて前記調整手段を補正制御し、前記留守モードでは、前記検出手段による検出を停止するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【請求項8】
前記制御手段は、前記未投入期間が入力され、前記検出手段の検出値に基づく処理材の状態が予め設定した状態になると、前記留守モードを実行するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の生ゴミ処理機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、処理槽に投入される生ゴミを、処理材に生息する微生物の活動により分解処理する生ゴミ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用の生ゴミ処理機としては、生ゴミを細かく破砕する破砕方式、生ゴミの水分を無くすことにより重量および容積を低減させる乾燥方式、および、好気性の微生物(バイオ菌)を基材に担持させた処理材によって生ゴミを発酵させて分解するバイオ方式の3種の方式のものがある。
【0003】
そのうち、バイオ方式の生ゴミ処理機は、処理機本体の処理槽内に、回動可能な攪拌手段が配設されるとともに、前記処理槽の外部に、内部を加熱するための加熱手段が配設されている。また、処理槽内の空気を排気するための排気手段、および、処理槽内に空気を供給するための給気手段が配設されている。
【0004】
そして、制御手段は、前記加熱手段によって処理槽の内部を所定温度範囲内に維持しながら、投入した生ゴミを前記攪拌手段によって処理材と攪拌することによって処理を行い、処理後の水分や臭気を触媒ヒータで除去しながら排気ファンにより排出する構成としている。
【0005】
しかし、この生ゴミ処理機では、ユーザが長期外泊などにより生ゴミを投入しない場合には、必要以上の攪拌、加熱および給排気により、無駄な電力消費が行われるばかりか、処理材の劣化を促進させ、寿命(使用可能期間)が短くなり、最悪の場合には微生物を死滅させてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであり、このような生ゴミ処理機に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−171545号公報
【特許文献2】特開2002−126703号公報
【特許文献3】特開2004−209375号公報
【0008】
特許文献1では、3日間、投入口の蓋が開閉されなければ生ごみが投入されていないと判断できるため、その時間が経過するとユーザが不在であると判断し、加熱手段や攪拌手段などを全て停止させる留守モードを実行する構成としている。
【0009】
特許文献2では、蓋体の開閉が所定期間以上ない場合で、かつ、含水率が所定値以下のときは換気手段のみを動作させる留守モードを実行する構成としている。また、この留守モードの解除は蓋の開閉を検知することにより行っている。
【0010】
また、特許文献3では、蓋の開閉に拘わらず、処理材の含水率が予め設定したしきい値を下回ると、または、予め設定した回数しきい値を下回ると、排気手段を弱運転する留守モードを実行する構成としている。
【0011】
しかしながら、特許文献1,2の留守モードは、蓋体の開閉に基づいて実行するか否かを判断する。一方、近年では、人体センサなどによって蓋体を自動開放可能としたものも提供されている。そのため、このような自動開放可能としたものにおいて、外泊中に小動物を検出した場合など、ユーザが意図しない蓋体の開放がなされると、留守モードが解除されるという不都合がある。
【0012】
また、特許文献1の留守モードは、加熱手段や攪拌手段などの処理材調整手段を全て停止させるため、その留守モード実行時間が長期間である場合には酸素不足となり、処理材にカビ等が発生するという問題がある。そして、最悪の場合には、微生物(バチリス菌等)が死滅してしまうという問題がある。
【0013】
なお、特許文献2,3の留守モードでは、換気手段を動作させるため、カビ等の問題を抑制することはできるが、処理槽の底部分に位置する処理材への給気や換気は期待できないため、やはりカビ等が発生するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、ユーザの希望に応じて確実に処理材の劣化を防止できる生ゴミ処理機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、本発明の生ゴミ処理機は、処理材を収容する処理槽と、前記処理材の活性を良好状態に調整するための調整手段と、前記調整手段を制御する制御手段とを備えた生ゴミ処理機において、前記処理槽への生ゴミの未投入予定期間を入力するための未投入期間入力部を設け、前記制御手段は、未投入期間が入力されると、その期間が経過するまで前記調整手段の動作を抑制制御する留守モードを備える構成としている。
【0016】
この生ゴミ処理機によれば、未投入期間入力部の操作により未投入期間が入力されると、その期間が経過するまで留守モードを実行するため、ユーザが意図することなく留守モードが解除されることはない。そして、この留守モードでは、調整手段を抑制制御するため、確実に処理材の劣化を抑制できる。また、抑制制御により、非使用時の消費電力を削減できる。
【0017】
この生ゴミ処理機では、前記未投入予定期間を日数入力または時間入力とし、前記留守モードでは、制御手段は、入力期間に応じて前記調整手段の動作を異なるように抑制制御することが好ましい。このようにすれば、更に確実に処理材の劣化を抑制できる。
【0018】
また、前記調整手段は、前記処理槽内の生ゴミおよび処理材を攪拌する攪拌手段を備え、前記制御手段は、前記攪拌手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、未入力状態と比較して1周期でのオン時間比率が短くなるように制御することが好ましい。このようにすれば、留守モードで過剰な攪拌により処理材を劣化させることなく、処理材の攪拌および空気の供給を行うことができる。
【0019】
さらに、前記調整手段は、前記処理槽内の処理材を加熱する加熱手段を備え、前記制御手段は、前記加熱手段を、前記未投入期間の未入力状態では、オン、オフ制御により前記処理槽内が所定温度に維持されるように制御し、前記留守モードでは、前記加熱手段の動作を停止するように制御することが好ましい。このようにすれば、留守モードで処理材の過剰な乾燥を防止できる。
【0020】
さらにまた、前記調整手段は、前記処理槽内の空気を排気する排気手段を備え、前記制御手段は、前記排気手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、未入力状態と比較して1周期でのオン時間比率が短くなるように制御することが好ましい。このようにすれば、留守モードで処理材の過剰な乾燥を防止したうえで、外気を取り込むことができる。
【0021】
また、前記調整手段は、前記処理槽内へ空気を供給する給気手段を備え、前記制御手段は、前記給気手段を、前記未投入期間の未入力状態では、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御し、前記留守モードでは、前記給気手段の動作を停止するように制御することが好ましい。このようにすれば、留守モードで処理材の過剰な乾燥を防止できるうえ、乾燥傾向の処理材の飛散を防止できる。
【0022】
さらに、前記処理槽内の処理材の含水量または温度に基づく処理材状態を検出する手段を設け、前記制御手段は、前記未投入期間の未入力状態では、前記検出手段の検出値に基づいて前記調整手段を補正制御し、前記留守モードでは、前記検出手段による検出を停止することが好ましい。このようにすれば、無駄な電力消費を削減できる。
【0023】
この場合、前記制御手段は、前記未投入期間が入力され、前記検出手段の検出値に基づく処理材の状態が予め設定した状態になると、前記留守モードを実行することが好ましい。このようにすれば、過湿状態での留守モードの実行を防止できるため、カビの発生や異臭の飛散を防止できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の生ゴミ処理機では、未投入期間が経過するまで留守モードを実行するため、ユーザが意図することなく留守モードが解除されることはない。そして、この留守モードでは、調整手段を抑制制御するため、処理材にカビ等が発生することを防止でき、処理材の劣化を抑制できるとともに、省エネを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、内部の処理槽21に、食品発酵菌や酵母菌等の有機物を分解する能力を有する好気性の微生物(バイオ菌)を多孔質化された木質細片やおがくず等の基材に担持させた処理材を収容し、投入した生ゴミを処理材によって分解させるバイオ方式であり、大略、処理機本体10と、該処理機本体10の上部を開閉可能に閉塞する蓋体38とからなる。
【0027】
前記処理機本体10は、その外装体11の内部に処理槽21を配設することにより、該処理槽21内の処理部と処理槽21外の部品配設部とに区画したものである。この外装体11は、略四角筒状をなす枠体12の底に底板13が配設されるとともに、上部に蓋枠14が配設されたものである。前記蓋枠14には、その前部、即ち、処理機本体10の上面前側に生ゴミの投入口15が設けられている。また、枠体12の内部には、処理槽21の上端に位置するように仕切壁16が配設されている。この仕切壁16には、後述する駆動モータ24の背部に位置するように給気口17が設けられ、この給気口17に後述する給気手段を構成する第2送風ファン32が配設されている。また、仕切壁16には、処理槽21の上端前部に位置するように開口部18が設けられ、該開口部18と前記蓋枠14の投入口15との間には筒状をなすシュート19が配設されている。このシュート19の後面側には吸気口20が設けられ、この吸気口20に後述する排気手段を構成する排気ダクト29が配設されている。
【0028】
前記処理槽21は樹脂(ポリプロピレン)製であり、その横断面積が上側の開口に向けて徐々に広がる有底筒状容器からなる。この処理槽21の前側上部には、前方に位置するシュート19の前面を覆うように前方に膨出する膨出部21aが設けられている。また、この処理槽21の底には、有底筒状をなす軸受部22が一体に設けられている。
【0029】
前記処理機本体10には、処理槽21内に回転可能に支持される攪拌部材23と、前記仕切壁16上に配設した駆動手段である駆動モータ24とからなり、処理槽21内に収容した生ゴミと処理材とを攪拌する攪拌手段が設けられている。前記攪拌部材23は金属製であり、垂直方向に延びる回転軸25に、攪拌翼を構成する羽根部27A,27B,27C,27Dを放射状に突出するように固着した縦型のものである。回転軸25は、その下端が前記軸受部22に回転可能に支持される一方、上端が継手部材26を介して仕切壁16上に配設した前記駆動モータ24の出力軸に接続されている。回転軸25の下側から3枚の羽根部27A〜27Cは、処理材の内部に埋没する位置に接合され、処理材および生ゴミを上向きに押し上げるように作用するものである。回転軸25の上側の羽根部27Dは、処理材および生ゴミの表面より上方に露出する位置に接合され、投入口15からの投入により処理材上に載った生ゴミを下向きに押し下げ、処理材内に没入させるように作用するものである。
【0030】
図1に示すように、前記処理槽21の外周壁には、該処理槽21の内部の処理材を所定温度範囲内に維持するための加熱手段として面状をなす電気ヒータ28が配設されている。この電気ヒータ28は、処理槽21の下部、具体的には、処理槽21内に処理材および生ゴミを略満量に配設した状態での充填領域(図1中一点鎖線下部)を加熱するものである。
【0031】
前記シュート19に接続する排気手段は、処理槽21における処理材上の炭酸ガスや水分を含む空気を排気するものである。この排気手段は、図2(A),(B)に示すように、攪拌部材23の駆動モータ24を迂回するように配設した排気ダクト29と、該排気ダクト29の内部の出口付近に配設した送風手段である第1送風ファン30とからなる。なお、排気ダクト29の両端には、それぞれフィルター31が配設されている。
【0032】
また、仕切壁16の給気口17には、処理槽21内に位置するように給気手段である第2送風ファン32が配設されている。この第2送風ファン32は、駆動により新鮮な空気を処理槽21内に供給するとともに、第1送風ファン30と一緒に動作させることにより、排気能力を向上させる役割をなす。
【0033】
さらに、前記排気ダクト29の内部において、第1送風ファン30の上流側には、排気する空気に含まれた臭分は勿論、処理槽21内の空気に含まれた臭分を分解除去する脱臭手段が更に配設されている。この脱臭手段は、第1送風ファン30の側から順次処理槽21に向けて配設した触媒33と、温度検出手段であるサーミスタ34と、加熱手段である触媒ヒータ35とを備えている。前記触媒33は、Fe-Cr-Alステンレス構造体からなるハニカム状の基材に白金を担持させ、イオウ系やアンモニア系などの臭分を化学的に反応させてCOやHOに変化させるものである。前記サーミスタ34は、前記触媒33の温度を検出し、その検出値をマイコン61に出力するものである。前記触媒ヒータ35は、触媒33が300℃の温度になるように加熱するもので、マイコン61がサーミスタ34の検出値に基づいてオン、オフ制御する。
【0034】
図1に示すように、外装体11を構成する枠体12の前面と処理槽21との間には、蓋体38を自動開放するために人体の足の進入を検出する測距センサ36と、該測距センサ36を床面から所定高さに配置するためのケース37とが配設されている。前記測距センサ36は、ケーシングの内部に発光素子と、該発光素子から投射した赤外線の反射光を受光する受光素子とを配設したものである。
【0035】
前記蓋体38は、前記処理機本体10の蓋枠14の上面に回動可能に取り付けられるとともに、付勢手段であるヒンジスプリング39により開放方向に付勢されたものである。そのヒンジ接続部分の近傍には、下向きに円弧状に突出する押圧部材40が設けられ、該押圧部材40によるスイッチ41のオン、オフにより、蓋体38の開放および閉塞状態を検出できるように構成している。また、この蓋体38の前部には、下向きに突出した係止受部42が設けられ、この係止受部42がロック手段43によってロックおよびアンロックされる。このロック手段43は、係止受部42を係止する回動可能な係止部材と、該係止部材を動作させるソレノイドとからなる。
【0036】
図1および図3に示すように、このように構成された生ゴミ処理機には、処理材の温度を検出する温度検出手段として、処理槽21内の処理材の収容域に第1温度センサ44が配設されるとともに、処理槽21の外部に第2温度センサ45が配設されている。そして、これら温度センサ44,45の検出値に基づいて内外の温度差を演算し、その温度差に基づいて予め設定された補正値を第1温度センサ44の検出値による検出温度に加算して、予め設定された処理材の温度制御を行う。なお、処理槽21内において、処理材の上部の空間の温度を検出する第3温度センサを配設し、この第3温度センサの検出値を含めて判断する構成とすれば、更に正確な温度を判断できる。
【0037】
また、処理材の含水量を検出する手段として、処理槽21の内部に位置するように一対の電極46a,46bが配設されている。これら電極46a,46bは、処理槽21の平面視における対向位置で、かつ、上下に所定間隔をもって位置するように配置されている。そして、図示しない電圧印加回路から所定の電圧が印加され、処理材を導体として電流が流れることにより、処理材の含水分を検出できる構成としている。具体的には、処理材を介して通電される電流の大きさは、処理材からなる抵抗値の大きさに比例し、この抵抗値は、処理材の含有水分量の多少に略比例する。従って、電極46a,46bは、例えば、これらの間を一つの抵抗として組み込んでなるブリッジ回路の出力を取り出すことにより、処理材中の含有水分量を正しく検出する水分量センサとして利用できる。
【0038】
さらに、外装体11の正面上部には、生ゴミ処理機の動作状態や設定状態を表示する表示手段である表示パネル47が配設されている。また、この表示パネル47の下部または所定位置に、生ゴミ処理機の動作状態や設定状態を変更操作(入力)するための入力手段である操作パネル54が配設されている。
【0039】
前記表示パネル47は、図4(A)に示すように、その中央に蓋体38を強制開放するための機械式の開放機構(図示せず)を動作させる開放釦48を備えている。そして、表示パネル47の上部には、左側に処理材(バイオ基材)の使用期間を示す期間表示部49が設けられ、右側に処理材の状態を示す処理材状態表示部50が設けられている。また、表示パネルの下部左側には、フィルター31の清掃時期であることを示すフィルター清掃表示部51が設けられるとともに、脱臭機能のオン、オフ状態を示す脱臭表示部52が設けられている。さらに、表示パネル47の下部右側には、ユーザが外出などにより不在であることを意味するデジタル表示形式の未投入期間表示部53が設けられている。
【0040】
前記操作パネル54は、図4(B)に示すように、機器全体を動作または停止するためのON/OFFスイッチ55と、処理材の交換時に操作することにより使用期間をリセットするための基材リセットスイッチ56と、フィルター31の清掃時に操作することにより使用期間をリセットするためのフィルターリセットスイッチ57と、脱臭機能をオン、オフ選択するための脱臭スイッチ58と、外泊などにより未投入予定期間が予め解っている時に操作するための未投入スイッチ59とが設けられている。
【0041】
そして、図1に示すように、前記外装体11と処理槽21との間の前方下部には、駆動モータ24、電気ヒータ28、送風ファン30,32、触媒ヒータ35の駆動回路、電極46a,46bへの電圧印加回路、並びに温度センサ44,45およびサーミスタ等の周辺回路が実装および接続された制御基板60が配設されている。そして、この制御基板60に実装された制御手段であるマイコン61は、図示しない電源コンセントを商用電源に接続することにより、予め設定されたプログラムに従って動作される。本実施形態では、前記未投入スイッチ59の操作による未投入期間の入力の有無で、入力されていない場合には標準モードで制御を実行し、入力されている場合には留守モードで制御を実行する構成としている。
【0042】
具体的には、マイコン61は、未使用期間が入力されていない標準モードでは、まず、蓋体開放手段の役割をなし、前記測距センサ36により人体を含む物体が検出可能な範囲内に近づいたことを検出すると、前記ロック手段43を動作させて係止受部42の係止を解除することにより、ヒンジスプリング39の付勢力によって蓋体38を自動開放させる。この際、攪拌部材23が動作(回転)中である場合には、該攪拌部材23の動作の停止処理を行った後に蓋体38の開放処理を行い、動作中でない場合にはそのまま開放処理を行う。
【0043】
また、スイッチ41により蓋体38が閉塞されたことを検出すると、その閉塞時を制御の開始点として、内蔵したタイマにより時間の計測を開始し、処理材の調整手段である攪拌部材23の回転、電気ヒータ28のオン、オフ、送風ファン30,32および触媒ヒータ35のオン、オフ制御(第1調整処理)を開始する。これにより、処理材に担持させた微生物に対して、適温適湿状態で、常に新鮮な空気に接触させて活性化を促進させるように構成している。
【0044】
さらに、所定時間(2時間)毎に電極46a,46bによる検出値に基づいて処理材の処理機能(含水率)の状態を判断し、その判断結果に基づいて各部品の制御を調整するとともに表示パネル47の処理材状態表示部50に表示する。ここで、処理材に担持させた微生物が活発に活動するための条件は、温度が20〜40℃程度で、含水率は30〜45%程度の範囲である。そのため、これらの範囲を維持するように、温度センサ44,45による検出温度および電極46a,46bによる検出湿度に基づいて各部品を制御する。また、判断する処理材の状態は、含水率が適量な30%以上で45%以下の良好状態、含水率が30%未満の乾燥状態、および、含水率が45%より多く新たな投入を停止するべたつき状態である。但し、本実施形態では、乾燥状態を示す表示部は設けていない。
【0045】
一方、未入力期間が入力された留守モードは、入力された期間が経過するまで、電気ヒータ28による加熱機能、第2送風ファン32による給気機能、触媒ヒータ35による脱臭機能、温度センサ44,45および電極46a,46bによる処理材状態検出機能、測距センサ36による蓋体38の自動開放機能を停止し、攪拌部材23による攪拌機能、および、第1送風ファン30による給排気機能を、標準モードと比較して1周期でのオン時間比率を短くして抑制制御するものである。また、その制御は、入力された期間によって異なるように制御する構成としている。
【0046】
因みに、未投入スイッチ59の操作による未投入期間表示部53の変更は、2日から99日までの期間で変更が可能である。因みに、この種の生ゴミ処理において、新たな生ゴミを投入した場合には、その処理に略1日の期間は必要であるため、未投入期間として「1日」は入力できない構成としている。また、未投入期間表示部53の変更は、未投入スイッチ59を3秒未満の短い操作の場合には1日毎にインクリメント(増加)させ、3秒以上継続した長い操作の場合には5日毎にインクリメント表示する。さらに、未投入期間が「99」日になった状態で未投入スイッチ59を操作すると、未設定(消灯)に変更する構成としている。
【0047】
そして、留守モードは、未投入期間が入力されると、蓋体38の開閉を問わず、基本的にはその期間が経過するまで継続される。そのため、本実施形態では、予定変更によりユーザが帰宅した場合には、前記未投入スイッチ59の操作により、未投入期間を未設定状態とすることにより、留守モードを解除できるように構成している。
【0048】
次に、マイコン61による生ゴミ処理制御工程について具体的に説明する。
【0049】
この生ゴミ処理制御工程では、マイコン61は、図5に示すように、まず、ステップS1で、未投入期間が入力されているか否かを検出する。そして、入力されていない場合にはステップS2に進み、入力されている場合にはステップS13に進む。
【0050】
ステップS2では、測距センサ36を介して蓋体38の開放要求を検出したか否かを判断する。そして、開放要求を検出した場合にはステップS3に進み、開放要求を検出しない場合にはステップS7に進む。なお、開放釦48による開放はスイッチ41により検出する。
【0051】
ステップS3では、攪拌部材23、電気ヒータ28および送風ファン30,32等の調整手段の停止処理を行った後、ステップS4で、ロック手段43を動作させて蓋体38の開放処理を行う。ついで、ステップS5で、スイッチ41を介して蓋体38が閉塞されたことを検出するまで待機し、蓋体38の閉塞を検出すると、ステップS6で、蓋体38の開放直後であることを意味するフラグfに1を入力した後、ステップS7で、処理材の含水量等に基づいた処理機能の状態を検出する周期を計時する検出周期タイマ(2時間)をリセットしてスタートさせてステップS8に進む。
【0052】
ステップS8では、検出周期タイマタイマがカウントアップしたか否かを検出する。そして、カウントアップした場合にはステップS9に進み、カウントアップしていない場合にはステップS12に進む。
【0053】
ステップS9では、フラグfに0を入力し、ステップS10で、次に処理材の処理機能の状態を検出するために検出周期タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS11で、電極46a,46bによる処理材状態検出処理を実行してステップS12に進む。
【0054】
ステップS12では、駆動モータ24および攪拌部材23からなる攪拌制御処理、電気ヒータ28による加熱制御処理、処理材の状態を表示する操作パネル54の表示手段変更処理、および、送風ファン30,32による給排気処理、触媒ヒータ35による脱臭処理からなる第1調整処理を実行してステップS1に戻る。なお、この第1調整処理での各処理は、全て並行して実行される。
【0055】
ここで、ユーザが生ゴミを投入した直後は、ステップS1〜S8を経てステップS12に至る。そして、生ゴミの投入直後は、その時の生ゴミの投入量が不明であるため、それに伴う水分増加および温度低下を予測することはできない。そのため、本実施形態では、投入直後を意味する蓋体38の閉塞を検出した直後に処理材調整処理に至ると、適温適湿の良好状態(含水率40%、温度30℃)の場合と同様の制御を実行する。
【0056】
一方、ステップS1で、未投入期間が入力されている場合には、ステップS13で、フラグfが1であるか否か、即ち、蓋体38の開放により生ゴミが投入された直後であるか否かを検出する。そして、fが1である(投入直後である)場合にはステップS8に進み、fが0である(投入直後ではない)場合にはステップS14に進む。
【0057】
ステップS14では、ステップS11で検出した検出値に基づいた処理材の状態が「べたつき」であるか否かを検出する。そして、「べたつき」状態である場合にはステップS8に進み、「べたつき」状態でない場合にはステップS15に進む。
【0058】
ステップS15では、駆動モータ24および攪拌部材23からなる攪拌制御処理、処理材の状態を除く操作パネル54の表示手段変更処理、および、第1送風ファン30のみによる排気処理からなる第2調整処理を実行してステップS16に進む。なお、この第2調整処理での各処理は、第1調整処理と同様に全て並行して実行される。
【0059】
ステップS16では、未投入期間が経過したか否かを検出する。そして、未投入期間が経過している場合にはステップS8に進み、未投入期間が経過していない場合にはステップS15に戻る。
【0060】
なお、前記フローチャートにおいて、ステップS1〜ステップS12を経てステップS1に戻るルーチンが標準モードであり、ステップS1,ステップS13〜ステップS16に至るルーチンが留守モードである。また、留守モードの第2調整処理では、未投入期間の設定が2日〜7日までと、8日以上とでは、その処理内容(第1留守モードと第2留守モード)が異なる。
【0061】
具体的には、標準モードの第1調整処理では、攪拌制御処理、排気制御処理および給気制御処理は、ステップS11で検出した処理材の含水量に基づいて、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御される。また、加熱制御処理、脱臭制御処理、検出処理、蓋体開放処理および表示処理は、処理材の含水量には拘わらず制御される。
【0062】
本実施形態では、図6(A)に示すように、1周期を10分としている。なお、この図6(A)は含水量が「べたつき」状態の場合であり、攪拌制御処理はオン時間を2分でオフ時間を8分とし、排気制御処理はオン時間を10分でオフ時間を0分とし、給気制御処理は攪拌制御処理とは逆になるようにオン時間を8分でオフ時間を2分とする。なお、これらのオン時間は、処理材が「良好」状態の場合には短くなり、「乾燥」状態の場合には更に短くなる。また、加熱制御処理は、温度センサ44,45の検出値に基づいて常にオン、オフ制御され、脱臭制御処理はサーミスタ34の検出値に基づいて常にオン、オフ制御される。さらに、蓋体開放手段および表示手段も同様に常に動作される。但し、前記脱臭制御処理は、操作パネル54のスイッチ操作によりユーザが実行を解除している場合には動作されない。
【0063】
留守モードの第2調整処理では、攪拌制御処理および排気制御処理は、予め設定したオン時間およびオフ時間からなる周期を繰り返すように制御される。また、表示処理は、経過時間に基づいて未投入期間表示部53のみがデクリメント(減少)され、その他の表示部49〜52は消灯される。さらに、他の加熱制御処理、給気処理、脱臭処理、検出処理および蓋体開放処理は停止される。
【0064】
未投入期間が1週間以内の第1留守モードの第2調整処理では、図6(B)に示すように、1周期を60分としている。そのうち、攪拌制御処理はオン時間を5分でオフ時間を55分とし、排気制御処理は同様にオン時間を5分でオフ時間を55分とする。
【0065】
また、未投入期間が1週間より長い第2留守モードの第2調整処理では、図6(C)に示すように、1周期を120分としている。そのうち、攪拌制御処理はオン時間を5分でオフ時間を115分とし、排気制御処理は同様にオン時間を5分でオフ時間を115分とする。
【0066】
このように、本実施形態の生ゴミ処理機は、第1留守モードと第2留守モードとを備え、それぞれ好気性の微生物が死滅しないように、調整手段としては攪拌手段である攪拌部材23と排気手段である第1送風ファン30のみを動作させる。しかも、その動作時間は、1周期でのオン時間比率が短くなるように構成している。そして、これらの留守モードは、ユーザが未投入期間入力部である未投入スイッチ59の操作により、未投入期間を入力することにより実行され、その期間が経過まで実行する。因みに、ユーザが強制(意図的に)解除するには、未投入スイッチ59の操作により未投入期間をクリアする必要がある。
【0067】
即ち、ユーザが意図することなく留守モードが解除されることはないうえ、この留守モードでは、全ての調整手段の制御を変更する。そして、この留守モードの抑制制御は、処理材の微生物が死滅しない程度に維持できる必要最低限の動作とし、しかも、ユーザが入力した期間に応じて異なるようにしているため、処理材の劣化を確実に抑制し、かつ、非使用時の消費電力を削減できる。
【0068】
具体的には、調整手段の抑制制御として、留守モードでは、攪拌部材23の1周期でのオン時間比率が短くなるようにするため、過剰な攪拌により処理材を劣化させることなく、処理材の攪拌および空気の供給を行うことができる。同様に、排気手段である第1送風ファン30は、留守モードでは、1周期でのオン時間比率が短くなるようにするため、処理材の過剰な乾燥を防止したうえで、内外気の圧力差によって給気口17から外気を取り込むことができる。
【0069】
一方、加熱手段である電気ヒータ28は、留守モードでは動作を停止するため、処理材の過剰な乾燥を防止できる。同様に、給気手段である第2送風ファン32は、留守モードでは動作を停止するため、処理材の過剰な乾燥を防止できるうえ、乾燥傾向の処理材の飛散を防止できる。
【0070】
しかも、前記留守モードは、処理材の状態を検出するための検出手段である電極46a,46bおよび温度センサ44,45の動作を停止するため、無駄な電力消費を削減できる。一方、留守モードは、未投入期間の入力後に、検出手段である電極46a,46bの検出値に基づく処理材の状態が予め設定した状態になると実行する。言い換えれば、水分過多である「べたつき」状態では実行しないように構成しているため、カビの発生や異臭の飛散を防止できる。
【0071】
なお、本発明の生ゴミ処理機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、前記実施形態では、生ゴミの未投入期間を日数入力する構成としたが、時間入力する構成としてもよい。また、未投入期間表示部53をデジタル入力方式とし、未投入スイッチ59の操作によりインクリメント入力する構成としたが、予め設定した複数の期間およびLED表示部を設け、スイッチ操作の度に変更させる構成としてもよい。即ち、未投入予定期間のリセット方法を含む入力方法は、希望に応じて変更が可能である。
【0073】
また、前記実施形態では、入力された未投入期間に基づいて異なる制御を実行する留守モードを2種としたが、3種以上にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態の生ゴミ処理機を示す断面図である。
【図2】排気手段の構成を示し、(A)平面図、(B)は要部断面図である。
【図3】生ゴミ処理機の構成を示すブロック図である。
【図4】(A)は表示パネルの正面図、(B)は操作パネルの正面図である。
【図5】マイコンによる制御を示すフローチャートである。
【図6】(A),(B),(C)は標準モード、第1留守モードおよび第2留守モードの1周期の制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10…処理機本体
15…投入口
21…処理槽
23…攪拌部材(調整手段)
28…電気ヒータ(調整手段)
30…第1送風ファン(調整手段)
32…第2送風ファン(調整手段)
38…蓋体
44,45…温度センサ(処理材状態検出手段)
46a,46b…電極(処理材状態検出手段)
47…表示パネル
53…未投入期間表示部(未投入期間入力部)
54…操作パネル
59…未投入スイッチ(未投入期間入力部)
60…制御基板
61…マイコン(制御手段)
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司


【公開番号】 特開2008−6374(P2008−6374A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179276(P2006−179276)