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飛散性物質のゲル状化による飛散防止方法及び除去方法 - 特開2008−6326 | j-tokkyo
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【発明の名称】 飛散性物質のゲル状化による飛散防止方法及び除去方法
【発明者】 【氏名】住田 量彦

【要約】 【課題】アスベスト及びダイオキシン類を剥離除去する際にこれらの粉塵が飛散しないようゲル状にして除去する。ゲル状になるためアスベストまたはダイオキシン類を容易に除去できるとともに、作業効率を向上させることのできるこれらの除去方法を提供する。

【構成】アスベスト粉塵発生源またはダイオキシン類付着源を隔離し、隔離により密閉区分された内部を集塵装置により負圧に維持する。ゲル化工程1により、アスベストまたはダイオキシン類が付着している部分に浸透剤(A液)を吹き付け、アスベストまたはダイオキシン類を湿潤させる。そして、その後所要の時間養生させた後、アスベストまたはダイオキシン類に架橋剤(B液)を高圧噴射装置を使用して高圧で吹付けることによる架橋反応でゲル化するものである。ゲル状になったアスベスト及びダイオキシン類は高圧噴射により容易に剥離され、ケレン等の作業効率を向上させ、短期かつ安価に除去することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛散性物質に対する浸透性の薬剤塗布と架橋剤の高圧噴射によって作用される架橋反応によるゲル状化飛散防止工程と、ゲル状化された飛散性物質を除去する工程とを特徴とする飛散性物質除去方法。
【請求項2】
アスベスト粉塵発生源に対する浸透性の薬剤塗布と架橋剤の高圧噴射によって作用される架橋反応によるアスベストのゲル状化飛散防止工程と、ゲル状化されたアスベストを除去する工程とを特徴とするアスベスト除去方法。
【請求項3】
非飛散製アスベスト含有建材等に対する浸透性の薬剤と架橋剤の混合液噴射によって作用される架橋反応によるゲル状化飛散防止工程と、ゲル状化された非飛散性アスベストを除去する工程とを特徴とするアスベスト除去方法。
【請求項4】
ダイオキシン類発生源に対する浸透性の薬剤塗布と架橋剤の高圧噴射によって作用される架橋反応によるダイオキシン類のゲル状化飛散防止工程と、ゲル状物質に包み込まれたダイオキシン類を除去する工程とを特徴とするダイオキシン類除去方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離時に粉塵の飛散する物質を剥離除去する際にこれらの粉塵が飛散しないようにするための方法に関するものであり、特にアスベスト及びダイオキシン類の飛散防止、除去に有効である。
【背景技術】
【0002】
高分子ゲルは生活用品などに利用されすでに身近なものとなっている。
ゲルは固体と液体の中間に属する状態を取る物質と位置づけられ、その化学組成やさまざまな要因によって、粘性のある液体からかなり固い固体まで変化する。
【0003】
アスベストは軟らかく、耐熱・対磨耗性にすぐれているため、建物における耐火材、断熱材または防音材等として壁面部分または天井部分に使用されるものとして知られていたが、繊維が肺に突き刺さったりすると肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになり、WHO(世界保健機関)ではアスベストを発ガン物質と断定した。建築物各所に吹付けされたアスベストが経年経過や地震等により剥離落下し、飛散された粉塵を居住者が吸引し災害が起こる可能性が考えられます。また建物の解体や、吹付アスベストを撤去する工事などにおいては、アスベストが容易に周辺へ飛散するため、上記壁面部分または天井部分を含む相当範囲を事前に密閉した環境下で作業がなされていた。
【0004】
アスベスト処理方法としては、1.除去方法 2.被覆工法(封じ込め) 3.飛散防止方法(ケミカル)が行われています。
第1の方法は、除去現場をビニールシート等で完全に覆い作業員が防塵マスクや保護衣を着用し工具でアスベストを削り取り密閉し、処理場へ搬入して処理(処理法には問題)を行っております。しかしながらこの方法では、多額の経費・多量のアスベストが排出されることから起る作業員の健康問題・処理技術及び処理場確保・不法投棄・環境問題等課題が山積しております。
第2の方法は、既存のアスベストはそのまま残し、アスベストの表面に固化剤を吹き付けることにより塗膜を形成し、アスベストの内部に固化剤を浸透させアスベスト繊維の結合力を強化することにより飛散を防止する方法である。しかし上記の問題については解決されますが、アスベストに被覆された材料の荷重から起る界面剥離又、経年経過や地震等による剥離・離脱等が考えられます。
第3の方法については、硬化剤等による飛散防止効果はあるが、アスベストが硬化することによりケレン等の作業が困難になり、作業効率が悪くなる。
【0005】
上記のような環境下におけるアスベストの飛散防止方法としては、予め水或いは内部浸透の促進の点から界面活性剤を添加した湿潤剤なるものを塗布していた。しかし、アスベストは自身のもつ吸水能力の為に、塗布した直後瞬間的に吸水が始まるが、一定量吸水するとその後は吸水しにくくなり、内部まで充分に浸透しにくいという性質を有しているので、むしろ経時と共に表面の乾燥が進み、剥離除去する際の粉塵の飛散を防止するという目的を充分に達成することはできない。
【0006】
一方、ダイオキシン類は焼却炉や煙突等で焼却する物質の種類等によって発生することがあり、同時にこの種の焼却施設の内部において、ダイオキシン類が含有される有害な焼却灰等が付着していることは問題となっている。そこで、この種の焼却施設を解体撤去する場合においては、当該焼却炉内に付着する焼却灰等を除去し、これらを有害物質として処理することが必要とされていた。しかし、焼却炉内部を乾燥させた状態で焼却灰等を剥離する場合、ダイオキシン類が容易に飛散するものであった。そこで、従来は、焼却灰等が付着する部分の乾燥を防止するため、専ら高圧水によって焼却灰等を剥離する方法が採られていた。そして、上記のような高圧水によって剥離する場合には、ダイオキシン類を含む汚染水が発生するため、この汚染水が地盤に吸収されることを防止しなければならず、剥離作業前には、地表にコンクリートを打設するなどの汚染水の流出防止工程と、剥離作業後には、当該汚染水を回収してこれを検査するとともに凝集沈殿処理するなどの回収工程が必要とされていた。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、アスベスト及びダイオキシン類等を剥離除去する際に効果的にこれらの有害な粉塵の飛散を防止し、容易に除去できる方法を提供せんとするものである。
【0008】
【特許文献1】特開平10−323614号公報
【特許文献2】特開2004−305904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アスベストの除去方法としては、ケレン等の道具を用いて剥離する手作業によらざるを得ず、作業者の負担を大きくするとともに、作業時間が長期化するものであった。また、アスベストの粉塵は容易に飛散することから、アスベスト発生源を密閉包囲する空間内で作業することを強いられるものの、上記包囲空間内にはアスベストが飛散している環境であり、作業者が防塵・防毒マスクを装着するとしても、作業者の健康面に配慮すれば上記環境下において長時間継続して作業することは好ましいものではなく、結果的に作業効率が悪いものとならざるを得なかった。
【0010】
また、非飛散性アスベスト含有建材(Pタイル・スレート等)については、飛散性は少ないがクラッシャー等破砕される過程で含有されているアスベストが飛散する可能性がある。そのために極力散水しながら手はつりすることが望ましいとされているが、工期、コスト等により守られていないのが現状である。
【0011】
一方、ダイオキシン類除去方法にあっては、高圧水の噴出により発生する汚染水を土壌等に浸透させないための準備として、除去作業前における汚染水流出防止工程、および、作業後における回収工程がそれぞれ必要となり、当該工程が大規模かつ長期となる結果、時間および費用は甚大とならざるを得なかった。
【0012】
また、高圧水によって除去されたダイオキシン類を回収するためには、高圧水の噴出で使用された排水たる汚染水を全て回収し、これを有害な廃棄物として適法に処理しなければならず、廃棄物の量的な増加を招来していた。そこで、珪砂等を使用するブラストによって焼却炉内の有害物質を除去する方法を採用することも可能であるが、汚染された珪砂等のブラスト材についても、やはり産業廃棄物としての処理が必要となるため、これらの発生を減少させるためには、さらなる手段が必要となる。
【0013】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、アスベストまたはダイオキシン類をゲル状化して、飛散を防止し、容易に除去できるとともに、作業効率を向上させることのできるこれらの除去方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
アスベスト除去方法にかかる本発明では、アスベスト粉塵発生源に対するゲル状化飛散防止工程と、ゲル状化することによってアスベストを容易に除去する工程とを有することを特徴とするアスベスト除去方法を要旨としている。
【0015】
非飛散性アスベスト含有製品の除去方法にかかる本発明では、非飛散性アスベスト含有製品に対するゲル状化により経年劣化や破砕等によるアスベストの飛散防止及び非飛散性アスベスト含有製品の簡易な除去方法を要旨としている。
【0016】
また、ダイオキシン類除去方法にかかる本発明は、ダイオキシン類付着源へのゲル状化飛散防止工程と、ゲル状化することによってダイオキシン類を容易に除去する工程とを有することを特徴とするダイオキシン類除去方法を要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
アスベスト除去方法にかかる本発明によれば、緊密に構築される作業スペース等の内部においては、作業者の健康上の配慮から一定時間を超えて作業することができなかったが、作業効率を向上することができるため、所定時間内で広い範囲の除去作業を行うことができることとなり、アスベスト除去のための工事期間を短縮することが可能となるものである。また、本発明による場合、作業スペース内におけるアスベスト粉塵の飛散を効果的に抑制することから、作業環境を向上させることができ、作業スペース内の視界も良好となるため、作業の効率化・安全化を図ることができる。
【0018】
一方、ダイオキシン類除去方法にかかる本発明によれば、高圧水による方法により発生する汚染水の漏洩防止などを考慮することなく除去作業が行えることから、作業効率を向上させ、短期かつ安価に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
アスベスト除去方法にかかる発明の実施形態について説明する。アスベストを含有する耐火材、断熱材または防音材等が設けられている壁面部分または天井部分を含む部屋または建物の全体をビニールシート等の気密性を有するシート材で包囲することにより、周辺との間を隔離するものである。ここで、隔離すべき部屋または建物内部の床面にもビニールシートが敷設され、これらのビニールシートで密閉された作業スペースが構築されるものである。さらに、上記隔離を負圧隔離工程とするため、上記作業スペースに、隣接する位置に必要能力数の集塵装置を設置する。この集塵装置は、上記作業スペース内部を負圧で集塵できるものであって、作業スペース内部の空気を吸引するとともに、排気経路には集塵フィルタが設置され、作業スペース内で飛散したアスベスト粉塵を外部に漏洩させないものである。また、上記作業スペースと外部との出入口付近には、中間にエアシャワーを備えたエアシャワー室を有するクリーンルームが設けられ、作業スペース内で作業した者が外出する際、エアシャワーにより粉塵を排除することができるようにされている。
【0021】
次にアスベストの付着物に対してゲル化工程1が実施される。まず、このゲル化工程1では、上記付着物が付着している表面、すなわち、建物の壁面・天井面に(以下、アスベスト付着面という)に、浸透剤(A液)を塗布することにより行われる。この塗布はスプレー、ローラー、刷毛、コテ等を用いて行う。塗布する浸透剤(A液)には、PVA(合成高分子ビニルアルコール)・ビニルエマルジョンの水溶液が使用され、アスベスト付着面にほぼ均等に吹き付けられる。この薬剤は、上記付着物に浸透することによって当該付着物を湿潤することとなり、粉塵として飛散することを防止するとともに、その剥離を容易にするものである。
【0022】
そして、その後所要の時間養生させた後、アスベスト付着面からのゲル化工程2に移行する。このゲル化工程2は、A液を塗布したアスベスト付着面に対し、架橋剤(B液)を高圧噴射装置でアスベスト付着面に高圧で吹付けることによりA液とB液の架橋反応でゲル化するものである。高圧噴射するB液の架橋剤には、硼砂・硼酸を使用する。
【0023】
ゲル状化されたアスベストは高圧噴射により容易に剥離し、残存しているアスベストについては、ケレン等で剥離し、密閉した袋に入れて産業廃棄物として処理する。上記のゲル状化によってアスベスト等をケレン等の道具を用いて剥離するときも、これがバラバラにならず、塊として除去することができる。したがって、除去作業を効率よく行うことができると共にゲル状のために粉塵になって飛散することがない。
【0024】
非飛散性アスベスト含有建材等の除去方法にかかる発明の実施形態について説明する。
非飛散性アスベスト含有建材は、経年劣化等が無ければそれ自体はアスベストが飛散することは少ない。しかし、建物の解体等でPタイルやスレート等を撤去する際に容易に破砕され、アスベストが飛散する可能性がある。この場合には、あらかじめ浸透剤(A液)と架橋剤(B液)の混合液をつくり架橋反応を起こし、ゲル状化した液を建材等に噴霧し飛散を防止することにより撤去等の作業中に破砕されてもアスベストが飛散しない。浸透剤(A液)には、PVA(合成高分子ビニルアルコール)・ビニルエマルジョンの水溶液が使用され、B液の架橋剤には、硼砂・硼酸を使用する。
【0025】
ダイオキシン類の除去方法にかかる発明の実施形態について説明する。ダイオキシン類付着源の隔離工程1は、ダイオキシン類を含有する物質が付着している物体について、付着するダイオキシン類を含む全体を包囲してなる密閉区分する工程である。移動不可能な物体については、当該物体の設置場所において気密性を有するシート材により密閉区分されるが、移動可能な物体については、予め構築された密閉性のある作業場等に搬入することにより、当該物体を周辺から隔離させる態様とすることができる。なお、本実施形態においても上記隔離工程1を負圧隔離工程とすることができる。すなわち、上記密閉区分に換気可能な必要能力数の集塵装置を設置し、区分内部の空気を吸引することにより、外部と比較して区分内部を負圧の状態に維持することができ、これにより汚染物質等の漏洩が防止されるのである。また、上記のように隔離された密閉区分内には、十分に作業を行うことのできるスペースが確保されるものである。
【0026】
次にダイオキシン類の付着物に対してゲル化工程1が実施される。まず、このゲル化工程1では、上記付着物が付着している表面、すなわち、焼却炉や煙突等に(以下、ダイオキシン類付着面という)に、浸透剤(A液)を噴出することにより行われる。噴出する浸透剤(A液)には、PVA(合成高分子ビニルアルコール)・ビニルエマルジョンの水溶液が使用され、ダイオキシン類付着面にほぼ均等に吹付けられる。この薬剤は、上記付着物に浸透することによって当該付着物を湿潤することとなり、粉塵として飛散することを防止するとともに、その剥離を容易にするものである。
【0027】
そして、その後所要の時間養生させた後、ダイオキシン類付着面からのゲル化工程2に移行する。このゲル化工程2は、A液を塗布したダイオキシン類付着面に対し、架橋剤(B液)を高圧噴射装置でダイオキシン類付着面に高圧で吹付けることによりA液とB液の架橋反応でゲル化するものである。高圧噴射するB液の架橋剤には、硼砂・硼酸を使用する。
【0028】
ゲル状化されたダイオキシン類は高圧噴射により容易に剥離し、残存しているダイオキシン類については、ケレン等で剥離し、密閉した袋に入れて産業廃棄物として処理する。上記のゲル状化によったダイオキシン類等をケレン等の道具を用いて剥離するときも、これがバラバラにならず、塊として除去することができる。したがって、除去作業を効率よく行うことができると共にゲル状化Xのために粉塵になって飛散することがない。また、高圧水噴射による方法により発生する汚染水の漏洩防止などを考慮することなく除去作業が行える。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によりアスベストやダイオキシン類以外の飛散性物質、特に有害なものをゲル状化することにより飛散を防止し、安全に除去できる可能性がある。
【出願人】 【識別番号】306022915
【氏名又は名称】株式会社 アスア
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6326(P2008−6326A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176439(P2006−176439)