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廃棄物処分場の構造 - 特開2008−667 | j-tokkyo
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【発明の名称】 廃棄物処分場の構造
【発明者】 【氏名】太田 義治

【氏名】新木 光昭

【氏名】篠 幸次

【氏名】渡部 直人

【氏名】加賀 靖浩

【要約】 【課題】廃止されたトンネルを利用し、その内部空間を埋立て処分場として、産業廃棄物を廃棄可能とする。

【構成】トンネル内面3aに展着される不織布製外側緩衝層7と、外側緩衝層7に係着可能な連結帯体35を備える遮水シート材の第1の遮水層14及びこれに積層される不織布製第1の緩衝層15とを備え外側緩衝層7に展着される第1の被覆層8と、第1の緩衝層15に係着可能な連結帯体41を備える遮水シート材の第2の遮水層22及びこれに積層される不織布製第2の緩衝層23とを備え第1の被覆層8を覆い坑内面を構成する第2の被覆層9とを具備し、連結帯体35,41が、外側緩衝層7及び第1の緩衝層15に係着可能な雄側面ファスナー36,42と帯状シート部材とを縫着して得られ、第1の緩衝層15を挟み、第1,第2の遮水層14,22とで二重遮水構造を構成し、不織布よりなる第2の緩衝層23が内面となるトンネル内空間に廃棄物が埋立てられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルを利用した廃棄物処分場の構造であって、
前記トンネル内面に展着され固定される不織布よりなる外側緩衝層と、
該外側緩衝層の坑内側の面を覆い、展着される第1の被覆層と、
該第1の被覆層の坑内側の面を覆い、坑内面を構成する第2の被覆層と、
を具備し、
前記第1の被覆層は、前記外側緩衝層に係着可能な小幅な連結帯体が備えられる遮水シート材よりなる第1の遮水層と、該第1の遮水層に積層形成される不織布よりなる第1の緩衝層とを備え、
前記第2の被覆層は、前記第1の緩衝層に係着可能な小幅な連結帯体が備えられる遮水シート材よりなる第2の遮水層と、該第2の遮水層に積層形成される不織布よりなり、前記坑内面となる第2の緩衝層とを備え、
前記第1,第2の被覆層に設けられる各連結帯体は、前記外側緩衝層及び第1の緩衝層に係着可能な雄側係合片を有した面ファスナーと、前記第1,第2の遮水層となる遮水シート材と同材質の帯状シート部材とを、縫着により一体化し、前記面ファスナーを係着層とし前記帯状シート部材を接合層として形成し、該接合層は、前記各遮水層となる遮水シート材に対して熱溶着にて接合されて構成され、
前記第1の緩衝層を挟み、前記第1の遮水層と第2の遮水層とで二重遮水構造を構成し、前記第2の緩衝層にて内面が形成される前記トンネル内空間に廃棄物が埋立てられることを特徴とする廃棄物処分場の構造。
【請求項2】
トンネルを利用した廃棄物処分場の構造であって、
前記トンネル内面に展着され固定される第1の被覆層と、
該第1の被覆層の坑内側の面を覆い、展着される第2の被覆層と、
該第2の被覆層を覆い、坑内面を構成する不織布よりなる内側緩衝層と、
を具備し、
前記第1の被覆層は、前記トンネル内面に固着される取付片を有し前記トンネル内面に当接配置され該トンネル内面に被着される不織布よりなる第1の緩衝層と、該第1の緩衝層に積層形成される遮水シート材よりなる第1の遮水層とを備えるとともに、該第1の遮水層の坑内側の面に前記第2の被覆層に係着する連結帯体が設けられ、
前記第2の被覆層は、前記連結帯体に係着可能な不織布よりなり前記第1の被覆層を覆う第2の緩衝層と、該第2の緩衝層に積層形成される遮水シート材よりなる第2の遮水層とを備えるとともに、該第2の遮水層の坑内側の面に前記内側緩衝層を構成する不織布に係着する連結帯体が設けられ、
前記第1,第2の被覆層に設けられる各連結帯体は、前記第2の緩衝層及び前記内側緩衝層に係着可能な雄側係合片を有した面ファスナーと、前記第1,第2の遮水層となる遮水シート材と同材質の帯状シート部材とを、縫着により一体化し、前記面ファスナーを係着層とし前記帯状シート部材を接合層として形成し、該接合層は、前記各遮水層となる遮水シート材に対して熱溶着にて接合されて構成され、
前記第2の緩衝層を挟み、前記第1の遮水層と第2の遮水層とで二重遮水構造を構成し、前記内側緩衝層にて内面が形成される前記トンネル内空間に廃棄物が埋立てられることを特徴とする廃棄物処分場の構造。
【請求項3】
前記第1,第2の被覆層に接合される前記連結帯体を構成する面ファスナーの雄側係合片は、先端がマッシュルーム形状とされることを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物処分場の構造。
【請求項4】
前連結帯体を構成する帯状シート部材と面ファスナーとの縫着には、耐熱性を備えた繊維よりなる縫着糸を用いることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の廃棄物処分場の構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物などの所謂産業廃棄物などを処分するために、トンネルを利用して、このトンネル内に廃棄し処分を行うこととする廃棄物処分場の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物は、特定の処分場にて適正に、すなわち有害物質などが土中などに流出することのないような施設にて埋立て処理される。一般的に、この処分場は、地面に凹設された構造で、底面に所定の遮水工を施し、貯留状態とする。遮水工としては、通常、軟質合成樹脂やゴムなどで形成された遮水シートを用いて構成され、また、この遮水シートが破損することのないように、保護層を設けて構成される。
【0003】
また、土木建設にて生じる土砂などの不用土は、その掘削土壌中に有害物質などが含まれない場合には、産業廃棄物とはならずに通常の埋立処分場にて廃棄処分等されるが、有害物質が含まれる、或いは有害物質が含まれるおそれのあるものなどの場合は、汚染土として上記した遮水工の施された凹所などの処分場にて廃棄となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的な廃棄物処分場は、一度に大量の廃棄物を処理する場合などには、容易にその大量な廃棄物を収容できる施設を用意することができないことがある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、トンネルを利用し、その内部空間を埋立て処分場として、廃棄物を廃棄可能とする廃棄物処分場の構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の廃棄物処分場の構造では、トンネル2を利用した廃棄物処分場の構造1であって、
前記トンネル内面3aに展着され固定される不織布よりなる外側緩衝層7と、
該外側緩衝層7の坑内3側の面を覆い、展着される第1の被覆層8と、
該第1の被覆層8の坑内3側の面を覆い、坑内面を構成する第2の被覆層9と、
を具備し、
前記第1の被覆層8は、前記外側緩衝層7に係着可能な小幅な連結帯体35が備えられる遮水シート材17よりなる第1の遮水層14と、該第1の遮水層14に積層形成される不織布よりなる第1の緩衝層15とを備え、
前記第2の被覆層9は、前記第1の緩衝層15に係着可能な小幅な連結帯体41が備えられる遮水シート材25よりなる第2の遮水層22と、該第2の遮水層22に積層形成される不織布よりなり前記坑内面となる第2の緩衝層23とを備え、
前記第1,第2の被覆層8,9に設けられる各連結帯体35,41は、前記外側緩衝層7及び第1の緩衝層15を構成する不織布に係着可能な雄側係合片36a,42aを有した面ファスナー36,42と、前記第1,第2の遮水層14,22となる遮水シート材17,25と同材質の帯状シート部材38,44とを、縫着により一体化し、前記面ファスナー36,42を係着層37,43とし前記帯状シート部材38,44を接合層39,45として形成し、該接合層39,45は、前記各遮水層14,22となる遮水シート材17.25に対して熱溶着にて接合されて構成され、
前記第1の緩衝層15を挟み、前記第1の遮水層14と第2の遮水層22とで二重遮水構造を構成し、前記第2の緩衝層23にて内面が形成される前記トンネル内空間に廃棄物が埋立てられることを特徴とする。
【0007】
この廃棄物処分場の構造では、トンネル2の内面に、二重の遮水層14,22が配置されることとなり、廃棄される廃棄物5に有害な物質が含まれていても、浸出することがなく、また、緩衝層7,15,23を備えていることから、廃棄物5による遮水層14,22の損傷を防止することが可能となる。
また、第1,第2の被覆層8,9を展張する際に、それぞれに設けられた連結帯体35,41による係着で行うことが可能であり、釘打ち、ステープル、接着、溶着など煩雑な作業を不要とし、坑内における展張作業性が向上する。
そして、例えば、従来出入口を封鎖するのみなどで有効的に利用されなくなった大きな空間であるトンネルとしての廃止トンネル2を利用することで、凹所などの新設の作業が必要なく、十分な量の廃棄物を収容可能な場所を用意でき、且つ、短い工事期間で廃棄作業を行うことが可能となる。
【0008】
請求項2記載の廃棄物処分場の構造では、トンネル2を利用した廃棄物処分場の構造であって、
前記トンネル内面3aに展着され固定される第1の被覆層8と、
該第1の被覆層8の坑内側の面を覆い、展着される第2の被覆層9と、
該第2の被覆層9を覆い、坑内面を構成する不織布よりなる内側緩衝層10と、
を具備し、
前記第1の被覆層8は、前記トンネル内面3aに固着される取付片19を有し前記トンネル内面3aに当接配置され該トンネル内面3aに被着される不織布よりなる第1の緩衝層15と、該第1の緩衝層15に積層形成される遮水シート材17よりなる第1の遮水層14とを備えるとともに、該第1の遮水層14の坑内側の面に前記第2の被覆層9に係着する連結帯体35が設けられ、
前記第2の被覆層9は、前記連結帯体35に係着可能な不織布よりなり前記第1の被覆層8を覆う第2の緩衝層23と、該第2の緩衝層23に積層形成される遮水シート材25よりなる第2の遮水層22とを備えるとともに、該第2の遮水層22の坑内側の面に前記内側緩衝層10を構成する不織布に係着する連結帯体41が設けられ、
前記第1,第2の被覆層8,9に設けられる各連結帯体35,41は、前記第2の緩衝層23及び前記内側緩衝層10に係着可能な雄側係合片36a,42aを有した面ファスナー36,42と、前記第1,第2の遮水層14,22となる遮水シート材17,25と同材質の帯状シート部材38,44とを、縫着により一体化し、前記面ファスナー36,42を係着層37,43とし前記帯状シート部材38,44を接合層39,45として形成し、該接合層39,45は、前記各遮水層14,22となる遮水シート材17,25に対して熱溶着にて接合されて構成され、
前記第2の緩衝層23を挟み、前記第1の遮水層14と第2の遮水層22とで二重遮水構造を構成し、前記内側緩衝層10にて内面が形成される前記トンネル内空間に廃棄物が埋立てられることを特徴とする。
【0009】
この廃棄物処分場の構造では、第1の被覆層8に取付片19が設けられた構成とされ、この第1の被覆層8のトンネル内面への取り付けが容易に行えることとなり、また、第2の被覆層9及び内側緩衝層10の展張作業が、それぞれに設けられた連結帯体35,41による係着で行うことが可能であり、釘打ち、ステープル、接着、溶着など煩雑な作業を不要とし、坑内における展張作業性が向上する。
そして、例えば、従来出入口を封鎖するのみなどで有効的に利用されなくなった大きな空間であるトンネルとしての廃止トンネル2を利用することで、凹所などの新設の作業が必要なく、十分な量の廃棄物を収容可能な場所を用意でき、且つ、短い工事期間で廃棄作業を行うことが可能となる。
【0010】
請求項3記載の廃棄物処分場の構造では、前記第1,第2の被覆層8,9に接合される前記連結帯体35,41を構成する面ファスナー36,42の雄側係合片36a,42aは、先端がマッシュルーム形状とされることを特徴とする。
【0011】
この廃棄物処分場の構造では、雄側係合片36a,42aの形状を先端マッシュルーム形状としたことで、緩衝層15,23となる不織布に対して、確実に不織布繊維に絡まり係着が可能となり、また、係着後に容易に互いが分離することがなく、坑内3での展張状態を維持することが可能となる。
【0012】
請求項4記載の廃棄物処分場の構造では、前連結帯体35,41を構成する帯状シート部材38,44と面ファスナー36,42との縫着には、耐熱性を備えた繊維よりなる縫着糸51を用いることを特徴とする。
【0013】
この廃棄物処分場の構造では、耐熱性を備えた縫着糸51を用いたことから、連結帯体35,41を遮水シート材17,25に固着する際に、加熱溶着による接合手段を用いることができ、特に、遮水シート材17,25と同材質の帯状シート部材38,44であることで、確実な接合を行える。そして、縫着であることで、異素材の面ファスナー36,42と帯状シート部材38,44とは接着剤や熱溶着などの手段を用いることなく互いに強固に取り付けられ、すなわち、同材質の遮水シート17,25と帯状シート部材38,44は溶着によって固定され一体構造となり、あたかもシート材に面ファスナー36,42が縫着された状態で固着となり、遮水シート17,25と面ファスナー36,42とが固定状態となって、そして、各被覆層8,9の展張が確実なものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による請求項1記載の廃棄物処分場の構造では、トンネルの内面に、二重の遮水層が配置されることとなり、廃棄される廃棄物に有害な物質が含まれていても、浸出することがなく、また、緩衝層を備えていることから、廃棄物による遮水層の損傷を防止することが可能となる。そして、例えば、従来出入口を封鎖するのみなどで有効的に利用されなくなった大きな空間であるトンネルを利用することで、凹所などの新設の作業が必要なく、十分な量の廃棄物を収容可能な場所を用意でき、且つ、短い工事期間で廃棄作業を行うことが可能となる。
また、第1,第2の被覆層を展張する際に、それぞれに設けられた連結帯体による係着で行うことが可能であり、釘打ち、ステープル、接着、溶着など煩雑な作業を不要とし、坑内における展張作業性が向上する。
【0015】
請求項2記載の廃棄物処分場の構造では、第1の被覆層に取付片が設けられた構成とされ、この第1の被覆層のトンネル内面への取り付けが容易に行えることとなり、また、第2の被覆層及び内側緩衝層の展張作業が、それぞれに設けられた連結帯体による係着で行うことが可能であり、釘打ち、ステープル、接着、溶着など煩雑な作業を不要とし、坑内における展張作業性が向上する。
そして、例えば、従来出入口を封鎖するのみなどで有効的に利用されなくなった大きな空間であるトンネルを利用することで、凹所などの新設の作業が必要なく、十分な量の廃棄物を収容可能な場所を用意でき、且つ、短い工事期間で廃棄作業を行うことが可能となる。
【0016】
請求項3記載の廃棄物処分場の構造では、各層の連結帯体の雄側係合片の形状を先端マッシュルーム形状としたことで、緩衝層となる不織布に対して、確実に不織布繊維に絡まり係着が可能となり、また、係着後に容易に互いが分離することがなく、坑内での展張状態を維持することが可能となる。
【0017】
請求項4記載の廃棄物処分場の構造では、耐熱性を備えた縫着糸を用いたことから、連結帯体を遮水シート材に固着する際に、加熱溶着による接合手段を用いることができ、特に、遮水シート材と同材質の帯状シート部材であることで、確実な接合を行える。そして、縫着であることで、異素材の面ファスナーと帯状シート部材とは接着剤や熱溶着などの手段を用いることなく互いに強固に取り付けられ、すなわち、同材質の遮水シートと帯状シート部材は溶着によって一体構造となり、あたかもシート材に面ファスナーが縫着された状態で固着となり、そして、各被覆層の展張が確実なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明による廃棄物処分場の構造の第1の実施の形態を示す断面図、図2は同分解断面図、図3は遮水層となる遮水シートの概略平面図、図4は連結帯体の概略斜視図、図5は連結帯体を遮水シートに取り付ける際の工程概略図、図6は同廃棄物処分場の構造の概略正面図である。
本発明の第1の実施の形態の廃棄物処分場の構造は、例えば、利用されなくなったトンネルである廃止トンネル2を用い、この廃止トンネル2内の空間である坑内3に廃棄物5を搬入し、処分が行われるものである。
この廃棄物処分場の構造1は、外側緩衝層7と、第1の被覆層8と、第2の被覆層9とで大略構成される。
【0019】
外側緩衝層7は、不織布、例えば、厚さ約3mmの長繊維不織布や、厚さ10mmの短繊維不織布で目付量が1500g以上のものより構成されるシート状緩衝材11よりなる。この外側緩衝層7を構成するシート状緩衝材11は、廃止トンネル2の坑内3の内面3aに展着される。廃止トンネル2の内面3aは、例えばコンクリート壁面で構成されており、この内壁面3aに、固定手段によって展張固定される。固定手段としては、釘13などが用いられるが、帯状の支持部材(図示せず)を用い、この支持部材を介してシート状緩衝材11を押さえ、支持部材とともに釘13などを打ち込み固定される。
【0020】
第1の被覆層8は、第1の遮水層14と、第1の緩衝層15と、連結帯体35とで大略構成される第1の被覆シート16よりなる。
第1の遮水層14は、遮水性を備えたシート材、例えば軟質合成樹脂あるいはエラストマーなどを素材としてなる。本実施の形態では、厚さ約1.5mmの低密度のポリエチレンシート材よりなり、所定長さ、所定幅長の略帯状に形成される。
【0021】
この第1の遮水層14である第1の遮水シート17には、連結帯体35が設けられている。連結帯体35は、複数で構成され、小幅な帯状に形成されており、遮水シート17と同素材である低密度ポリエチレンシート材を素材とした、厚さ約1.5mmとされる帯状シート部材38と、先端マッシュルーム形状の雄側係合片36aを備えた面ファスナー36とで構成されている。これら帯状シート部材38と面ファスナー36とは、例えば図4に示すように長手方向両縁部分を縫い目として縫着により一体成形されており、面ファスナー36を係着層37とし、帯状シート部材38を接合層39とされる。なお、この縫着に用いられる縫い糸51は、耐熱性に優れた高強度・高モジュラス繊維であるアラミド繊維よりなり、パラ系アラミド繊維,ポリアリレート繊維,PBO繊維,メタ系アラミド繊維,ポリフェニレンサルファイド繊維,ポリイミド繊維、或いは絹糸や針金等が好適に用いられ、好ましくは、引張り強さ、耐熱性、難燃性に優れるPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維が用いられる。そして、この連結帯体35は、第1の遮水シート17の面上に固定され、複数で構成されており、第1の遮水シート17の一方の面に略等間隔となって配設され、例えば、第1の遮水シート17の長さ方向に沿って取り付けられ、且つ、互いが所定間隔ごととなって設けられる。各連結帯体35は、第1の遮水シート17に対して、接合層39を遮水シート17に対向して加熱溶着などの手段で固定され、特に互いが同材質であることから確実に固着状態となる。固定された状態では、遮水シート17の面上に、面ファスナー36が表出するようになる。
【0022】
なお、この連結帯体35を構成する帯状シート部材38は、第1の遮水シート17或いは後述する第2の遮水シートを成形裁断する際の残片などが用いられることとしてもよい。特に、面ファスナー36に対して、縫着による固定手段で取り付けられることから、帯状シート部材38の素材が、連続したベルト形状でなくとも、縫着を繰り返し、成形することで、連結帯体35を得ることが可能である。
【0023】
第1の緩衝層15は、第1の遮水シート17に積層形成されるように、この第1の遮水シート17の他方の面に設けられる。この第1の緩衝層15は、前記外側緩衝層7と略同等の素材の長繊維不織布や短繊維不織布よりなる緩衝材とされる第1の緩衝シート18よりなり、厚さ約3mm等に形成され、第1の遮水シート17と略同等の長さ及び幅長に形成される。そして、この第1の緩衝シート18に、所定の固定手段を用い、例えば、接着や溶着などの手段にて、第1の遮水シート17に積層固定されるようになっている。なお、第1の緩衝シート18と第1の遮水シート17となる、不織布と遮水シート材とは、全面を互いに接着固定するのではなく、点状、或いは線状などの複数箇所で互いを固定している。また、左右端縁部には、その端縁に沿って図2に示すように、互いが接着固定されない重ね代部分20を有している。
【0024】
そして、この第1の被覆シート16は、外側緩衝層7の坑内側の面に、この面を覆って展着され、第1の被覆層8となる。外側緩衝層7に対する展着は、連結帯体35を構成する面ファスナー36を、外側緩衝層7である不織布に圧着させることで行われる。
【0025】
次に、第2の被覆層9は、上記第1の被覆層8と略同様の構成とされ、第2の遮水層22と、第2の緩衝層23と、連結帯体41とで大略構成される第2の被覆シート24よりなる。
第2の遮水層22は、遮水性を備えたシート材、例えば軟質合成樹脂あるいはエラストマーなどを素材としてなる。本実施の形態では、厚さ約1.5mmの低密度のポリエチレンシート材よりなり所定長さ、所定幅長の略帯状に形成される。
【0026】
この第2の遮水層22である第2の遮水シート25には、連結帯体41が設けられている。連結帯体41は、上記連結帯体35と同様に、複数で構成され、小幅な帯状に形成されており、遮水シート25と同素材である低密度ポリエチレンシート材を素材とした、厚さ約1.5mmとされる帯状シート部材44と、先端マッシュルーム形状の雄側係合片42aを備えた面ファスナー42とで構成されている。これら帯状シート部材44と面ファスナー42とは、縫着により一体形成されており、面ファスナー42を係着層43とし、帯状シート部材44を接合層45とされる。なお、この縫着に用いられる縫着糸51は、耐熱性に優れた高強度・高モジュラス繊維であるアラミド繊維よりなり、パラ系アラミド繊維,ポリアリレート繊維,PBO繊維,メタ系アラミド繊維,ポリフェニレンサルファイド繊維,ポリイミド繊維、或いは絹糸や針金等が好適に用いられ、好ましくは、引張り強さ、耐熱性、難燃性に優れるPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維が用いられる。そして、この連結帯体41は、第2の遮水シート材25の一方の面に略等間隔となって配設され、例えば、第2の遮水シート25の長さ方向に沿って取り付けられ、且つ、互いが所定間隔ごととなって設けられる。各連結帯体41は、第2の遮水シート25に対して、接合層45を遮水シート25に対向して加熱溶着などの手段で固定され、特に互いが同材質であること確実に固着状態となる。固定された状態では、遮水シート25の面上に、面ファスナー42が表出するようになる。
【0027】
なお、この連結帯体41を構成する帯状シート部材44は、上述した第1の遮水シート17或いは上記第2の遮水シート25を成形裁断する際の残片などが用いられることとしてもよい。特に、面ファスナー42に対して、縫着による固定手段で取り付けられることから、帯状シート部材44の素材が、連続したベルト形状でなくとも、縫着を繰り返し、成形することで、連結帯体41を得ることが可能である。
【0028】
第2の緩衝層23は、第2の遮水シート25に積層形成されるように、この第2の遮水シート25の他方の面に設けられる。この第2の緩衝層23は、前記外側緩衝層7と略同等の素材の長繊維不織布や短繊維不織布よりなる緩衝材とされる第2の緩衝シート26よりなり、厚さ約3mm等に形成され、第2の遮水シート25と略同等の長さ及び幅長に形成される。そして、この第2の緩衝シート26に、所定の固定手段を用い、例えば、接着や溶着などの手段にて、第2の遮水シート25に積層固定されるようになっている。なお、第2の緩衝シート26と第2の遮水シート25となる、不織布と遮水シート材とは、上記第1の被覆シート16と同様に、全面を互いに接着固定するのではなく、点状、或いは線状などの複数箇所で互いを固定している。また、左右端縁部には、その端縁に沿って図2に示すように、互いが接着固定されない重ね代部分28を有している。
【0029】
そして、この第2の被覆シート24は、第1の被覆シート16の坑内側の面に、この面を覆って展着され、第2の被覆層9となる。第1の被覆シート16に対する展着は、連結帯体41を構成する面ファスナー42を、第1の被覆シート16の第1の緩衝層15である不織布に圧着させることで行われる。
【0030】
このように構成されたシート状緩衝材11、第1の被覆シート16、及び第2の被覆シート24を廃止トンネル2に取り付けるには、シート展張装置などを用いることで行われる。このシート展張装置は、新たにトンネルを構築する際に、その内壁に遮水シート等を展張する装置と同様のもので、遮水シートなどを、巻回状態で搬入し、巻き戻しながら展張させ、そして壁面に順次固定する装置である。
すなわち、上記したシート状緩衝材11、第1の被覆シート16、第2の被覆シート24は、それぞれシート展張装置を用いることで、廃止トンネル1の坑内壁面3aに順次取り付けていくことが可能となる。
【0031】
まず、シート状緩衝材11が、廃止トンネル2の内壁面3aに展張される。同時に、シート状緩衝材11には、帯状の支持部材が所定の間隔毎に配置され、この支持部材を介してシート状緩衝材11を押さえ、支持部材とともに釘13などが打ち込まれる。シート状緩衝材11は、所定長さ、所定幅長の部材とされ、例えば、トンネル2の周方向、或いは長さ(奥行き)方向に展設され、また、隣り合うシート状緩衝材11と、端縁同士が重なるように展設される。なお、重なり合う端縁は、互いに接合することとしてもよく、或いは重ねた状態でその位置を釘などで固定することとしてもよい。そして、廃止トンネル2の内面3aは、シート状緩衝材11にて覆われ、外側緩衝層7となる。
【0032】
次に、第1の被覆シート16が展張される。この第1の被覆シート16は、上記した第1の遮水シート17と第1の緩衝シート18とを予め工場内などで互いを接着或いは溶着して層状に形成し、且つ第1の遮水シート17には、連結帯体35を予め固着しておく。そして、この第1の被覆シート16は、予め連結帯体35が外周となるよう巻回されており、その状態で巻き戻しながら展張作業が行われる。すなわち、第1の被覆シート16を、外側緩衝層7の坑内3側の面を覆うように巻き戻しながら、連結帯体35の表面となる面ファスナー36を、上記シート状緩衝材11(外側緩衝層7)に圧接して固定していく。この作業としては、バイブレーターなどを用いて、面ファスナー36の雄側係合片36aが、第1の緩衝シート18である不織布の繊維に絡まり、係着されることとなる。これにより、第1の被覆シート16は、第1の遮水シート17が外側緩衝層7に対面し、取り付けられることとなる。第1の被覆シート16は、例えば、トンネル周方向に展設され、その幅長毎に複数が坑内に並設されて順次展設される。各第1の被覆シート16は、側端縁同士である重ね代20が互いに重なるように配置固定される。互いに重なる端縁同士は、第1の遮水シート17同士が加熱溶着などで隙間無く接合される。なお、第1の緩衝シート18の端縁同士は、互いを接合せず、重ねた状態とされる。そして、廃止トンネル2の内面には、上記した外側緩衝層7の内側に、第1の被覆層8が、第1の遮水層14と第1の緩衝層15となって形成されることとなる。
【0033】
次に、第2の被覆シート24が展張される。この第2の被覆シート24は、上記第1の被覆シート16と同様、上記した第2の遮水シート25と第2の緩衝シート26とを予め工場内などで互いを接着或いは溶着して層状に形成し、且つ第2の遮水シート25には、連結帯体41を固着しておく。そして、この第2の被覆シート24は、予め連結帯体41が外周となるよう巻回されており、その状態で巻き戻しながら展張作業が行われる。すなわち、第2の被覆シート24を、第1の被覆層8の坑内3側の面を覆うように巻き戻しながら、連結帯体41の位置で押さえ上記同様バイブレーターなどを用い圧着させて、取り付けていく。連結帯体41の面ファスナー42は、雄側係合片42aの先端が、第1の緩衝シート18である不織布の繊維に絡まり、係着されることとなる。これにより、第2の被覆シート24は、第2の遮水シート25が第1の緩衝層15に対面し、取り付けられることとなる。この第2の被覆シート24は、第1の被覆シート16と同様に、例えば、トンネル周方向に展設され、その幅長毎に複数が坑内3に並設されて順次展設される。各第2の被覆シート24は、重ね代28である側端縁同士が重なるように配置固定される。互いに重なる端縁同士は、第2の遮水シート25同士が加熱溶着などで隙間無く接合される。なお、第2の緩衝シート26の端縁同士は、互いを接合せず、重ねた状態とされる。そして、第2の被覆シート24は、廃止トンネル2の坑内3における最内面となり、上記した外側緩衝層7、第1の被覆層8の内側に、第2の被覆層9が、第2の遮水層22と第2の緩衝層23となって形成されることとなる。
【0034】
そして、廃止トンネル内には、その内面から、外側緩衝層7、第1の被覆層8、第2の被覆層9が構成され、各被覆層8,9は、遮水層14,22、緩衝層15,23を構成し、廃止トンネル坑内3の内面3aは、各遮水層14,22によって二重遮水構造となるとともに、第2の緩衝層23にて内面が形成される廃棄物処分場1となる。
【0035】
なお、坑内3の底面3dに構成される、上記した外側緩衝層7,第1の被覆層8,第2の被覆層9においては、坑内3における側面3bや天井面3cに比べて、廃棄物の重量が掛かることから、外側緩衝層7を構成する不織布の厚さ、第1の緩衝層15の厚さ、第2の緩衝層23の厚さの各厚さをそれぞれ厚みのあるもので構成させることが好ましい。例えば、本実施の形態では、最下部に位置する外側緩衝層7を構成する長繊維不織布の厚さを約10mm、中間位置となる第1の緩衝層15を構成する長繊維不織布の厚さを20mm、最上部に位置する第2の緩衝層23を構成する長繊維不織布の厚さを10mmとして構成している。
【0036】
また、この坑内3の底面3dには、コンクリートや砂などを敷きつめ、図7に示すような、路面31が構成されることが好ましい。この路面31は、例えば厚さ約100mmとされ、廃棄物5の、坑内3への搬入及び廃棄処理,埋立て作業を行う車両等が容易に通過可能なようになっている。さらに、略平面状に形成される底面3dと、左右両側面3bとの入隅部分には、図7に示すように、コンクリートによる固定枠32が配設され、各層7,8,9を構成するシート材等の撓みやズレなどを防ぐようになっている。
【0037】
このように構成された廃棄物処分場の構造では、トンネルの一方、或いは両方の出入口より廃棄物が搬入され、図6に示すように、坑内3を埋め立てることで廃棄処分作業が行われる。なお、この埋立て時に、坑内3の側面3bにおける各層7,8,9を構成する各被覆層等が、投棄される廃棄物によりズレなどが発生しないように、この廃棄物の投棄と同時に、土嚢(図示せず)などを坑内底面3dと側壁面3bとの入隅部分に配置し、また、投棄によって上昇する嵩とともに、その側壁面3bとの間に、順次土嚢を積み上げることとしてもよい。また、この埋立て作業は、トンネル坑内の天井まで廃棄物にて埋めてしまわずに、図6に示すように、天井頂部から所定高さの空間、例えば約1000mm程度の空間を残しておくことが好ましい。
【0038】
そして、この廃棄物処分場の構造1では、廃棄量が増えるに伴い、各層7,8,9を構成するシート等に張力が加わった場合にも、坑内3では下から上に連続された閉ざされた横臥状の管状の構成であることから、その張力が集中してしまっても、亀裂、破断などの不具合の発生が少ない。このことから、汚水が外部に洩れだすようなおそれがない。
【0039】
また、天井3cのある空間を廃棄物の処分のために使用しているので、ガス等が発生した場合にも、凹所に廃棄物を投棄する従来の処分場に比べて、周囲に洩れだすおそれが少なく、トンネル両端において対応することで可能である。
【0040】
このように、従来、埋め戻しなどを行ったり、出入口を封鎖するのみなど、再利用するには老朽化が進んでいるような廃止トンネル2を、有効に利用することが可能となり、その空間を活かすことが可能となる。特に、トンネルの老朽化が進み、新たに近隣にトンネルを構築する場合に、その掘削土壌が有害物質などで汚染されている可能性がある、或いは汚染されている場合には、その掘削土壌の廃棄場所として従来のような凹所を新設するよりも、有効に利用することができるものである。
【0041】
なお、上述した廃棄物処分場の構造において、第2の被覆シート24を展設した後に、坑内3内面に、各被覆層7,8,9等を支持する枠状の構造体となる支持枠34を、少なくとも天井3c部分に設けることで、各層を構成するシート等が撓むことなく展張状態を維持することが可能となる。
例えば、図7に示すように、各シート材等を展設し、各層7,8,9を構成した後に、坑内の底面3dと側面3bとの境に設けられる上記した固定枠32に、基端を固定し、坑内の周方向に支持枠34をアーチ状に組み立て、被覆層を支える。この支持枠34は、例えばパイプ状部材より形成され、トンネル長さ方向に、略等間隔、例えば1000mm毎に配置され構成される。また、図示はしないが、坑内略中央付近に、この支持枠34を底面3dから略垂直に支持する杆状部材を立設し配置することとしてもよい。
【0042】
なお、上述した実施の形態では、図6に示すように、トンネル坑内3の内面周方向の全体に外側緩衝層7、第1の被覆層8、第2の被覆層9を設け、内面全体に二重遮水構造を構築する例として説明したが、図8に示すように、坑内3における天井3c付近に、第2の被覆層9を設けない構造としてもよい。すなわち、天井3cに達するまで廃棄物5を埋め立てずに作業されることで、天井3c部分には、廃棄物5が接触することがなく、破損などが起きにくいことから第2の被覆層9の一部を省略可能となり、これにより、材料コストを抑えることが可能となる。
【0043】
さらに、上述した各実施の形態では、廃棄物を処分するトンネルを、使用されなくなった廃止トンネルとしこれを利用する例として説明したが、新たに掘削されて設けられるトンネルを廃棄処分場として構成してもよいことはもちろんである。例えば、地中に立坑を掘削して設け、その立坑に対して略水平方向に横坑を掘削し形成される新設トンネルなどを廃棄物処分場とする際にも、上記した二重遮水構造よりなる構成にて、上記同様の効果を得ることが可能であり、地中深くに処分場施設を設けることが可能となる。
【0044】
図9は本発明による廃棄物処分場の構造の第2の実施の形態を示す断面図、図10は同分解断面図である。
本発明の第2の実施の形態の廃棄物処分場の構造は、例えば、利用されなくなったトンネルである廃止トンネル2を用い、この廃止トンネル2内の空間である坑内3に廃棄物5を搬入し、処分が行われるものである。この廃棄物処分場の構造1は、第1の被覆層8と、第2の被覆層9と、内側緩衝層10とで大略構成される。
なお、上述した第1の実施の形態の廃棄物処分場の構造を構成する各部と同等構成となる部分については同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0045】
第1の被覆層8は、第1の緩衝層15と、第1の遮水層14と、連結帯体35とで大略構成される第1の被覆シート16よりなる。
第1の緩衝層15は、不織布よりなる緩衝材とされる第1の緩衝シート18よりなり、所定長さ、所定幅長の略帯状に形成される。
【0046】
第1の遮水層14は、第1の緩衝シート18に積層形成されるように、この第1の緩衝シート18の一方の面に設けられる。この第1の遮水層14は、遮水性を備えた遮水シート17を素材としてなる。そして、第1の緩衝シート18に、接着や溶着などの手段にて、第1の遮水シート17が積層固定されるようになっている。なお、第1の緩衝シート18と第1の遮水シート17となる、不織布と遮水シート材とは、点状、或いは線状などの複数箇所で互いを固定している。また、左右端縁部或いは全周となる縁部には、図10に示すように、互いが接着固定されない重ね代部分20を有している。
【0047】
また、第1の緩衝層15である第1の緩衝シート18には、図10に示すように、取付片19が設けられている。取付片19は複数で構成され、短幅な短冊帯状に形成されており、遮水シート17と同素材である低密度ポリエチレンシート材を素材としてなり、厚さ約1.5mmとされる。取付片19は、基端側のみが第1の緩衝シート18の面上に固定される略ヒレ状に形成され、複数で構成されており、第1の緩衝シート18の他方の面に略等間隔となって配設され、例えば、第1の緩衝シート18の長さ方向に沿って取り付けられ、且つ、所定間隔ごととなって設けられる。なお、各取付片19は、第1の緩衝シート18に対して、超音波溶着、加熱溶着などの手段で固定される。
【0048】
さらに、第1の遮水シート17には、図10に示すように、連結帯体35が設けられている。連結帯体35は複数で構成され、小幅な帯状に形成されており、後述する第2の被覆層9の第2の緩衝層23である不織布(第2の緩衝シート26)に係着可能な先端マッシュルーム形状或いは先端鉤状の雄側係合片36aを多数備えた厚さ約2mmの面ファスナー36と、遮水シート17と同じ低密度ポリエチレンシート材を素材とする帯状シート部材38とで構成される。これら帯状シート部材38と面ファスナー36とは、縫着により一体成形されており、面ファスナー36を係着層37とし、帯状シート部材38を接合層39とされる。なお、この縫着に用いられる縫着糸51は、上述した第1の実施の形態と同様に、好ましくは、引張り強さ、耐熱性、難燃性に優れるPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維が用いられる。そして、この連結帯体35は、第1の遮水シート17に略等間隔となってその長さ方向に沿って取り付けられる。各連結帯体35は、第1の遮水シート17に対して、接合層39を遮水シート17に対向して加熱溶着などの手段で固定される。固定された状態では、遮水シート17の面上に、面ファスナー36が表出するようになる。
【0049】
そして、この第1の被覆シート16は、トンネル2の坑内3の内面3aに、この面を覆って展着され、第1の被覆層8となる。トンネル2の内面3aは、例えばコンクリート壁面で構成されており、この内壁面3aに、固定手段によって展張固定される。固定手段としては、釘13などが用いられるが、帯状の支持板部材12を用い、この支持板部材12を介して取付片19を押さえ、支持板部材12とともに釘などを打ち込み固定する。
【0050】
次に、第2の被覆層9は、上記第1の被覆層8と略同様の構成とされ、第2の緩衝層23と、第2の遮水層22と、連結帯体41とで大略構成される第2の被覆シート24よりなる。
第2の緩衝層23は、前記第1の緩衝層15と略同等の素材の不織布よりなる緩衝材とされる第2の緩衝シート26よりなり、厚さ約3mmに形成され、所定長さ、所定幅長の略帯状に形成される。
【0051】
第2の遮水層22は、第2の緩衝シート26に積層形成されるように、この第2の緩衝シート26の一方の面に設けられる。この第2の遮水層22は、遮水性を備えたシート材、例えば軟質合成樹脂あるいはエラストマーなどの遮水シート25を素材としてなる。本実施の形態では、厚さ約1.5mmの低密度のポリエチレンシート材よりなり、第2の緩衝シート26と略同等の長さ及び幅長に形成される。そして、この第2の緩衝シート26に、接着や溶着などの手段にて、第2の遮水シート25が積層固定されるようになっている。
【0052】
なお、第2の緩衝シート26と第2の遮水シート25となる、不織布と遮水シート材とは、上記第1の被覆シート16と同様に、点状、或いは線状などの複数箇所で互いを固定している。また、左右端縁部には、図10に示すように、互いが接着固定されない重ね代部分28を有している。
【0053】
また、この第2の遮水層22である第2の遮水シート25には、連結帯体41が設けられている。連結帯体41は複数で構成され、小幅な帯状に形成されており、後述する内側緩衝層10である不織布に係着可能な先端マッシュルーム形状或いは先端鉤状の雄側係合片42aを多数備えた厚さ約2mmの面ファスナー42と、遮水シート25と同じ低密度ポリエチレンシート材を素材とする帯状シート部材44とで構成される。これら帯状シート部材44と面ファスナー42とは、縫着により一体成形されており、面ファスナー42を係着層43とし、帯状シート部材44を接合層45とされる。なお、この縫着に用いられる縫着糸51は、上述と同様に、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維等が用いられる。そして、この連結帯体41は、第2の遮水シート25に略等間隔となってその長さ方向に沿って取り付けられる。各連結帯体41は、第2の遮水シート25に対して、接合層45を遮水シート25に対向して加熱溶着などの手段で固定される。固定された状態では、遮水シート25の面上に、面ファスナー42が表出するようになる。
【0054】
そして、この第2の被覆シート24は、トンネル2の内面に展着される第1の被覆シート16のさらに坑内側に配置され、第1の被覆シート16に対して展着される。この展着は、既にトンネル2の坑内内面3aに展着されている第1の被覆シート16に設けられている連結帯体35の面ファスナー36に対して、第2の緩衝シート26である不織布を圧接することで行われる。
【0055】
次に、内側緩衝層10は、不織布、例えば、厚さ約3mmの長繊維不織布や、厚さ10mmの短繊維不織布で目付量が1500g以上のものより構成されるシート状緩衝材11よりなる。不織布より構成され、厚さ約3mmに構成されるシート状緩衝材11よりなる。この内側緩衝層10を構成するシート状緩衝材11は、第2の被覆層9を覆い、廃棄物処分場としての内面を構成することとなる。
【0056】
そして、このシート状緩衝材11は、上記第2の被覆シート24のさらに坑内側に配置され、第2の被覆シート24に対して展着される。この展着は、既にトンネル2の坑内内面3aに展着されている第1の被覆シート16を介して展張されている第2の被覆シート24に設けられている連結帯体41の面ファスナー42に対して、素材である不織布を圧接することで行われ、すなわち、不織布を構成する繊維と面ファスナー42の雄側係合片42aとが互いに係着して取り付けられることとなる。
【0057】
このように構成された第1の被覆シート16、第2の被覆シート24、及びシート状緩衝材11を廃止トンネル2に取り付けるには、上述した第1の実施の形態と同様に、シート展張装置などを用いることで行われる。このシート展張装置は、新たにトンネルを構築する際に、その内壁に遮水シート等を展張する装置と同様のもので、遮水シートなどを、巻回状態で搬入し、巻き戻しながら展張させ、そして壁面に順次固定する装置である。
すなわち、上記した第1の被覆シート16、第2の被覆シート24、シート状緩衝材11は、それぞれシート展張装置を用いることで、廃止トンネル1の坑内壁面3aに順次取り付けていくことが可能となる。
【0058】
まず、第1の被覆シート16が、廃止トンネル2の内壁面3aに展張される。この第1の被覆シート16は、上記した第1の遮水シート17と第1の緩衝シート18とを予め工場内などで互いを接着或いは溶着して層状に形成し、且つ第1の緩衝シート18には取付片19を、第1の遮水シート17には連結帯体35を予め取り付けておく。そして、この第1の被覆シート16は、予め取付片19が外周となるよう巻回されており、その状態から巻き戻しながら展張作業が行われる。すなわち、第1の被覆シート16を、トンネル2の坑内3側の内面3aを覆うように巻き戻しながら、取付片19を支持板部材12にて押さえ、この支持板部材12とともに釘13などを打ち込み、固定していく。これにより、第1の被覆シート16は、第1の緩衝シート18がトンネル内面3aに対面して当接し、取り付けられることとなる。第1の被覆シート16は、例えば、トンネル周方向に展設され、その幅長毎に複数が坑内に並設されて順次展設される。各第1の被覆シート16は、側端縁同士である重ね代20が互いに重なるように配置固定される。互いに重なる端縁同士は、第1の遮水シート17同士が加熱溶着などで隙間無く接合される。なお、第1の緩衝シート18の端縁同士は、互いを接合せず、重ねた状態とされる。そして、廃止トンネル2の内面には、第1の被覆層8が、第1の緩衝層15と第1の遮水層14となって形成されることとなり、また、連結帯体35の面ファスナー36が坑内側に向いた状態となる。
【0059】
次に、第2の被覆シート24が展張される。この第2の被覆シート24は、上記第1の被覆シート16と同様、上記した第2の遮水シート25と第2の緩衝シート26とを予め工場内などで互いを接着或いは溶着して層状に形成し、且つ第2の遮水シート25には、連結帯体41を予め固着しておく。そして、この第2の被覆シート24は、予め第2の緩衝シート26が外周、連結帯体41が内周となるよう巻回されており、その状態から巻き戻しながら展張作業が行われる。すなわち、第2の被覆シート24を、第1の被覆層8の坑内3側の面を覆うように巻き戻しながら、対向する面ファスナー36の位置で押さえ、バイブレーターなどを用いながら圧着させて、取り付けていく。面ファスナー36は、雄側係合片36aが、第2の緩衝シート26である不織布の繊維に絡まり、係着されることとなる。これにより、第2の被覆シート24は、第2の緩衝シート26が第1の遮水層14に対面し、取り付けられることとなる。この第2の被覆シート24は、第1の被覆シート16と同様に、例えば、トンネル周方向に展設され、その幅長毎に複数が坑内3に並設されて順次展設される。各第2の被覆シート24は、重ね代28である側端縁同士が重なるように配置固定される。互いに重なる端縁同士は、第2の遮水シート25同士が加熱溶着などで隙間無く接合される。なお、第2の緩衝シート26の端縁同士は、互いを接合せず、重ねた状態とされる。そして、第2の被覆シート24は、坑内3において、上記した第1の被覆層8の内側に、第2の被覆層9が、第2の緩衝層23と第2の遮水層22となって形成されることとなり、また、連結帯体41の面ファスナー42が坑内側に向いた状態となる。
【0060】
次に、シート状緩衝材11が展張される。シート状緩衝材11は、所定長さ、所定幅長の略帯状部材とされ、上記第1,第2の被覆シート16,24と同様に予め巻回状態とされて、その状態から巻き戻しながら展張作業が行われる。シート状緩衝材11は、第2の被覆層9の坑内3側の面を覆うように巻き戻されながら、対向する面ファスナー42の位置で押さえバイブレーターなどを用いながら圧着させて、取り付けていく。面ファスナー42は、雄側係合片42aが、シート状緩衝材11である不織布の繊維に絡まり、係着されることとなる。これにより、シート状緩衝材11は、第2の遮水層22に対面し、取り付けられることとなる。このシート状緩衝材11は、第1,第2の被覆シート16,24と同様に、例えば、トンネル周方向に展設され、その幅長毎に複数が坑内3に並設されて順次展設される。また、隣り合うシート状緩衝材11と、端縁同士が重なるように展設される。なお、重なり合う端縁は、互いに接合することとしてもよい。そして、廃止トンネル2の坑内3は、シート状緩衝材11にて覆われ、内側緩衝層10となる。
【0061】
そして、廃止トンネル2内には、その内面から、第1の被覆層8、第2の被覆層9、内側緩衝層10が構成され、各被覆層8,9は、遮水層14,22、緩衝層15,23を構成し、廃止トンネル坑内3としての内面3aは、各遮水層14,22によって二重遮水構造となるとともに、内側緩衝層10にて内面が形成される廃棄物処分場1となる。
【0062】
なお、坑内3の底面3dに構成される、上記した第1の被覆層8,第2の被覆層9,内側緩衝層10においては、坑内3における側面3bや天井面3cに比べて、廃棄物の重量が掛かることから、第1の緩衝層15の厚さ、第2の緩衝層23の厚さ、内側緩衝層10を構成する不織布の厚さの各厚さをそれぞれ厚みのあるもので構成させることが好ましい。例えば、本実施の形態では、最上部に位置する(最内周となる)内側緩衝層10を構成する長繊維不織布の厚さを約10mm、中間位置となる第2の緩衝層23を構成する長繊維不織布の厚さを10mm、最下部に位置する(最外周となる)第1の緩衝層15を構成する長繊維不織布の厚さを20mmとして構成している。
【0063】
また、この坑内3の底面3dには、コンクリートや砂などを敷きつめ、路面31が構成されることが好ましい(図7参照)。この路面31は、例えば厚さ約100mmとされ、廃棄物5の、坑内3への搬入及び廃棄処理,埋立て作業を行う車両等が容易に通過可能なようになっている。さらに、略平面状に形成される底面3dと、左右両側面3bとの入隅部分には、コンクリートによる固定枠32が配設され(図7参照)、各層8,9,10を構成するシート材等の撓みやズレなどを防ぐようになっている。
【0064】
このように構成された廃棄物処分場の構造では、トンネルの一方、或いは両方の出入口より廃棄物が搬入され、坑内3を埋め立てることで廃棄処分作業が行われる(図6参照)。なお、この埋立て時に、坑内3の側面3bにおける各層8,9,10を構成する各被覆層等が、投棄される廃棄物によりズレなどが発生しないように、この廃棄物の投棄と同時に、土嚢(図示せず)などを坑内底面3dと側壁面3bとの入隅部分に配置し、また、投棄によって上昇する嵩とともに、その側壁面3bとの間に、順次土嚢を積み上げることとしてもよい。また、この埋立て作業は、トンネル坑内の天井まで廃棄物にて埋めてしまわずに、天井頂部から所定高さの空間、例えば約1000mm程度の空間を残しておくことが好ましい。
【0065】
そして、この廃棄物処分場の構造1では、廃棄量が増えるに伴い、各層8,9,10を構成するシート等に張力が加わった場合にも、坑内3では下から上に連続された閉ざされた横臥状の管状の構成であることから、その張力が集中してしまっても、亀裂、破断などの不具合の発生が少ない。このことから、汚水が外部に洩れだすようなおそれがない。
【0066】
また、天井3cを有する空間を廃棄物の処分のために使用しているので、ガス等が発生した場合にも、凹所に廃棄物を投棄する従来の処分場に比べて、周囲に洩れだすおそれが少なく、トンネル両端において対応することで可能である。
【0067】
このように、従来、埋め戻しなどを行ったり、出入口を封鎖するのみなど、再利用するには老朽化が進んでいるような廃止トンネル2を、有効に利用することが可能となり、その空間を活かすことが可能となる。特に、トンネルの老朽化が進み、新たに近隣にトンネルを構築する場合に、その掘削土壌が有害物質などで汚染されている可能性がある、或いは汚染されている場合には、その掘削土壌の廃棄場所として従来のような凹所を新設するよりも、有効に利用することができるものである。
【0068】
また、上述した実施の形態では、第1の被覆層8となる第1の被覆シート16に、取付片19を設け、トンネル内壁への固定が行われる例を示したが、この第1の被覆シート16の取付手段としては、その他の手段としてもよく、例えば、重ね代20の位置で、第1の緩衝シート18の縁部をトンネル内壁に釘等にて固定させるような方法としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による廃棄物処分場の構造の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同分解断面図である。
【図3】遮水層となる遮水シートの概略平面図である。
【図4】連結帯体の概略斜視図である。
【図5】連結帯体を遮水シートに取り付ける際の工程を示す概略斜視図である。
【図6】同廃棄物処分場の構造の概略正面図である。
【図7】坑内に支持枠を設けた例を示す概略斜視図である。
【図8】他の実施の形態を示す廃棄物処分場の構造の概略正面図である。
【図9】本発明による廃棄物処分場の構造の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図10】同分解断面図である。
【符号の説明】
【0070】
2…トンネル(廃止トンネル)
3…坑内
7…外側緩衝層
8…第1の被覆層
9…第2の被覆層
10…内側緩衝層
14…第1の遮水層
15…第1の緩衝層
17…第1の遮水シート材
22…第2の遮水層
23…第2の緩衝層
25…第2の遮水シート材
31…路面
34…支持枠
35,41…連結帯体
36,42…面ファスナー
37,43…係着層
36a,42a…雄側係合片
38,44…帯状シート部材
39,45…接合層
51…縫着糸
【出願人】 【識別番号】505132770
【氏名又は名称】株式会社エイチ・アール・オー
【識別番号】000106726
【氏名又は名称】シーアイ化成株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光

【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行


【公開番号】 特開2008−667(P2008−667A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171590(P2006−171590)