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【発明の名称】 コンクリート再生材とその製造方法
【発明者】 【氏名】▲杖▼村 一紀

【要約】 【課題】鉄筋コンクリート廃材をアスファルト舗装の路盤材や地中構造物周囲の堀削部を埋める埋め戻し材として再利用しても、地下水のpH上昇を抑制し、環境汚染が生じる懸念を回避する。

【構成】本発明のコンクリート再生材は、鉄筋コンクリート廃材が砕石状に破砕され且つ鉄筋が分離除去されてなるコンクリート破砕物と、アスファルト廃材を砕石状に破砕してなるアスファルト破砕物とが、所定比率(例えば、コンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、重量%で60〜70:30〜40)で混合されると共に所定温度(例えば、200〜300℃)で加熱処理され、コンクリート破砕物1の表面がアスファルト2で被覆されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリート廃材を素原料としたコンクリート再生材であって、
前記鉄筋コンクリート廃材が砕石状に破砕され且つ鉄筋が分離除去されてなるコンクリート破砕物と、アスファルト廃材を砕石状に破砕してなるアスファルト破砕物とが、所定比率で混合されると共に所定温度で加熱処理され、前記コンクリート破砕物の表面がアスファルトで被覆されていることを特徴とするコンクリート再生材。
【請求項2】
前記所定比率は、コンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、重量%で60〜70:30〜40であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート再生材。
【請求項3】
前記所定温度は、200〜300℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート再生材。
【請求項4】
前記コンクリート破砕物及び前記アスファルト破砕物の粒径は、いずれも40mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート再生材。
【請求項5】
舗装用路盤材に使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート再生材。
【請求項6】
埋め戻し材に使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート再生材。
【請求項7】
鉄筋コンクリート廃材を破砕し、鉄筋を分離除去してコンクリート破砕物を得る第1の破砕工程と、
アスファルト廃材を破砕してアスファルト破砕物を得る第2の破砕工程と、
前記コンクリート破砕物と前記アスファルト破砕物との混合比率が重量%で60〜70:30〜40となるように混合すると共に、200〜300℃で加熱処理して前記アスファルト破砕物を溶融させ、前記コンクリート破砕物の表面を前記溶融したアスファルトで被覆する混合・加熱工程とを含むことを特徴とするコンクリート再生材の製造方法。
【請求項8】
前記混合・加熱工程で得られた固形物を撹拌する撹拌工程を含むことを特徴とする請求項7記載のコンクリート再生材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート再生材とその製造方法に関し、より詳しくは、建設現場や建物解体現場から廃棄される鉄筋コンクリート廃材を再利用したコンクリート再生材、及び該コンクリート再生材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場や建物解体現場等から産業廃棄物として排出される鉄筋コンクリート廃材は、従来より、ジョークラッシャー等の破砕機を使用して粒径40mm以下に破砕し、この破砕物をアスファルト舗装の路盤材として再利用したり、水道管や排水管等の地中構造物周囲の堀削部を埋める埋め戻し材として再利用している。
【0003】
例えば、特許文献1では、40mm以下の粒径に破砕してなるコンクリート廃材100質量部に対し、粒径5mm以下が90質量%以上の高炉スラグを3質量部以上混合した路盤材が提案されている。
【0004】
この特許文献1では、コンクリート廃材を路盤材に再利用した場合に、工事後の路盤から土壌環境基準を超える六価クロムが溶出することがあることから、コンクリート廃材に対し所定量の高炉スラグを添加し、これにより六価クロムの溶出を防止し、コンクリート廃材を再利用している。
【0005】
また、特許文献2では、コンクリート廃材の水素イオン濃度を精選砂利と切込砂利又は切込砕石を調合して水素イオン指数pHを8.5以下とし、これにより前記コンクリート廃材を基礎床固め砂利やアスファルト舗装の路盤材に再利用した技術が提案されている(特許文献2)。
【0006】
この特許文献2では、原料の混合割合を、コンクリート廃材〜30%、精選砂利〜20%、切込砂利又は切込砕石〜50%とすることにより、水素イオン指数がpH8.5以下となるように調整可能としている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−240313号公報
【特許文献2】特開平11−181937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、コンクリートは水素イオン指数pHが12〜13の強アルカリ性を有しており、また、建設現場や建物解体現場から排出される鉄筋コンクリート廃材には大腸菌や黄色ブドウ状球菌等の好アルカリ性細菌類が多数付着している。したがって、コンクリート廃材を路盤材や埋め戻し材として地中に埋設させると、地下水がこれらコンクリート廃材と接触してpHが上昇し、上述した大腸菌や黄色ブドウ状球菌等の好アルカリ性細菌類が増殖し、環境汚染を招くおそれがある。
【0009】
しかしながら、特許文献1は、コンクリート廃材に対し所定量の高炉スラグを添加したに過ぎず、したがって、たとえ六価クロムの溶出を防止できたとしても、コンクリート廃材に付着している細菌類を駆除することができず、このため、アスファルト舗装の路盤材や地中構造物周囲の埋め戻し材に使用した場合、地下水のpHの上昇によって細菌類が増殖し、環境汚染を招くおそれがある。
【0010】
また、特許文献2は、コンクリート廃材の水素イオン濃度を精選砂利と切込砂利又は切込砕石を調合してpHを8.5以下に抑制しようとしているが、精選砂利や切込砂利をコンクリート廃材中に混在させたところで大量のコンクリート廃材がそのままの状態で使用されているため、現実的にはpHを9以下となるように調合するのは困難と考えられる。すなわち、特許文献2の調合物は、若干はpHが小さくなるものの、依然としてpHが10以上の強アルカリ性を示すと考えられる。したがって、斯かる調合物を地中に埋設した場合、地下水のpHが上昇し、このためコンクリート廃材に付着している細菌類がアルカリ性下、増殖するおそれがあり、環境汚染を招く懸念を解消することはできない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされてものであって、鉄筋コンクリート廃材をアスファルト舗装の路盤材や地中構造物周囲の堀削部を埋める埋め戻し材として再利用しても、地下水のpHが上昇するのを抑制することができ、環境汚染を招くのを回避することができるコンクリート再生材、及びこのコンクリート再生材を簡単かつ安価に製造することができるコンクリート再生材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
道路上に敷設されたアスファルト舗装は、通常、1〜3年程度で劣化することから、周期的に切削・除去し、新たに舗装工事を行っている。この場合、舗装用として再利用が可能なアスファルト材は、切削物である旧アスファルト材のうち、60〜70%であることが経験的に知られており、残余のアスファルト材(旧アスファルト材のうち、30〜40%)は産業廃棄物として廃棄されている。しかも、アスファルトのpHは、8〜9とコンクリートに比べて小さく、したがってコンクリート破砕物をそのまま地中に埋設した場合に比べ、地下水のpH上昇を抑制できると考えられる。
【0013】
そこで、本発明者は、鉄筋コンクリート廃材と共にアスファルト廃材をも再利用することを想起し、鋭意研究したところ、所定条件下、コンクリート破砕物とアスファルト破砕物とを混合させて加熱処理を施すことにより、砕石状のコンクリート廃材の表面をアスファルトで被覆することができ、これにより高価な設備投資を要することなくpHの上昇を抑制できるコンクリート再生材を得ることができるという知見を得た。
【0014】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るコンクリート再生材は、鉄筋コンクリート廃材を素原料としたコンクリート再生材であって、前記鉄筋コンクリート廃材が砕石状に破砕され且つ鉄筋が分離除去されてなるコンクリート破砕物と、アスファルト廃材を砕石状に破砕してなるアスファルト破砕物とが、所定比率で混合されると共に所定温度で加熱処理され、前記コンクリート破砕物の表面がアスファルトで被覆されていることを特徴としている。
【0015】
また、本発明のコンクリート再生材は、前記所定比率は、コンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、重量%で60〜70:30〜40であることを特徴としている。
【0016】
また、本発明のコンクリート再生材は、前記所定温度は、200〜300℃であることを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明のコンクリート再生材は、前記コンクリート破砕物及び前記アスファルト破砕物の粒径は、いずれも40mm以下であることを特徴としている。
【0018】
また、本発明のコンクリート再生材は、舗装用路盤材に使用されることを特徴としている。
【0019】
また、本発明のコンクリート再生材は、埋め戻し材に使用されることを特徴としている。
【0020】
また、本発明に係るコンクリート再生材の製造方法は、鉄筋コンクリート廃材を破砕し、鉄筋を分離除去してコンクリート破砕物を得る第1の破砕工程と、アスファルト廃材を破砕してアスファルト破砕物を得る第2の破砕工程と、前記コンクリート破砕物と前記アスファルト破砕物との混合比率が重量%で60〜70:30〜40となるように混合すると共に、200〜300℃で加熱処理して前記アスファルト破砕物を溶融させ、前記コンクリート破砕物の表面を前記溶融したアスファルトで被覆する混合・加熱工程とを含むことを特徴としている。
【0021】
さらに、本発明のコンクリート再生材の製造方法は、前記混合・加熱工程で得られた固形物を撹拌する撹拌工程を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明のコンクリート再生材によれば、鉄筋コンクリート廃材が粒径40mm以下の砕石状に破砕され且つ鉄筋が分離除去されてなるコンクリート破砕物と、アスファルト廃材を粒径40mm以下の砕石状に破砕してなるアスファルト破砕物とが、所定比率(例えば、コンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、重量%で60〜70:30〜40)で混合されると共に所定温度(例えば、200〜300℃)で加熱処理され、前記コンクリート破砕物の表面がアスファルトで被覆されているので、加熱処理されたことによりコンクリート破砕物に付着している細菌類が除去され、しかもpHが8〜9とコンクリートよりもpHの小さいアスファルトでコンクリート破砕物が被覆されることから、路盤材や埋め戻し材として地中に埋設しても、地下水のpHが上昇するのを抑制することができる。また、加熱処理によってアスファルトが炭化状態とされているので、活性炭と同様の水質浄化作用を発揮することができ、環境浄化にも寄与する。
【0023】
このように本発明のコンクリート再生材によれば、路盤材や埋め戻し材として地中に埋設させても地下水のpHが上昇するのを抑制することができ、したがって環境汚染を招くことなく再利用の途を提供することができる。
【0024】
また、本発明のコンクリート再生材の製造方法によれば、鉄筋コンクリート廃材を破砕し、鉄筋を分離除去してコンクリート破砕物を得る第1の破砕工程と、アスファルト廃材を破砕してアスファルト破砕物を得る第2の破砕工程と、前記コンクリート破砕物と前記アスファルト破砕物との混合比率が重量%で60〜70:30〜40となるように混合すると共に、200〜300℃で加熱処理して前記アスファルト破砕物を溶融させ、前記コンクリート破砕物の表面を前記溶融したアスファルトで被覆する混合・加熱工程とを含むので、高価な設備投資を要することなく簡便に上記コンクリート再生材を製造することができる。
【0025】
また、前記混合・加熱工程で得られた固形物を撹拌する撹拌工程を含むので、コンクリート破砕物が表面露出することなく、該コンクリート破砕物を確実にアスファルトで被覆することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
【0027】
図1は本発明に係るコンクリート再生材の一実施の形態を模式的に示した断面図であって、該コンクリート再生材は、砕石状のコンクリート破砕物1の表面がアスファルト2で被覆されている。
【0028】
前記コンクリート破砕物1は、鉄筋コンクリート廃材を素原料とし、粒径40mm以下に破砕されると共に、所定温度で加熱処理され、大腸菌や黄色ブドウ状球菌、その他の細菌類が駆除されている。尚、鉄筋コンクリート廃材に含まれる鉄筋は、後述するように鉄筋コンクリート廃材の破砕後にマグネットセパレータ等の鉄筋分離手段を介して除去される。
【0029】
また、アスファルト2は、アスファルト廃材が粒径40mm以下に破砕されてなるアスファルト破砕物を所定温度で加熱処理して溶融し液状化したアスファルト溶融物が前記コンクリート破砕物1の表面に付着した後固化されてなる。
【0030】
このように本コンクリート再生材は、鉄筋コンクリート廃材を素原料とするコンクリート破砕物と、アスファルト廃材を素原料とするアスファルト破砕物とが所定比率で混合されると共に、所定温度で加熱処理され、これにより前記コンクリート破砕物の表面をアスファルトで被覆している。
【0031】
ここで前記所定比率、すなわちコンクリート破砕物とアスファルト破砕物との混合比率は、好ましくはコンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、重量%で60〜70:30〜40に設定されている。
【0032】
すなわち、アスファルト破砕物の混合比率が30重量%未満になると、コンクリート破砕物の含有量が過剰となる一方、アスファルト破砕物の含有量が過少となるため、コンクリート破砕物をアスファルトで完全に被覆することはできず、コンクリート破砕物の一部が表面露出するおそれがある。一方、アスファルト破砕物の混合比率が40重量%を超えると、コンクリート破砕物に被覆されなかったアスファルトが存在し、斯かるアスファルトがアスファルト塊となってコンクリート再生材と混在することとなり好ましくない。
【0033】
そこで、本実施の形態では、コンクリート破砕物とアスファルト破砕物との混合比率を、重量%で、好ましくはコンクリート破砕物:アスファルト破砕物=60〜70:30〜40に設定している。
【0034】
また、加熱処理される所定温度としては、コンクリート廃材に付着している細菌類を駆除することができ、かつアスファルトを溶融させることのできる温度、具体的には200〜300℃に設定される。すなわち、加熱温度が200℃未満ではアスファルトを軟化させることはできるが十分な溶融状態とすることはできない。一方、加熱温度が300℃を超えるとアスファルトが引火するおそれがあり、また、コンクリート廃材中に存在する空孔又は気孔が弾けるおそれがある。したがって加熱温度としては200〜300℃に設定するのが好ましい。
【0035】
このように本実施の形態のコンクリート再生材は、鉄筋コンクリート廃材が粒径40mm以下の砕石状に破砕され且つ鉄筋が分離除去されてなるコンクリート破砕物1と、アスファルト廃材を粒径40mm以下の砕石状に破砕してなるアスファルト破砕物とが、所定比率(例えば、コンクリート破砕物:アスファルト破砕物が、60〜70重量%:30〜40重量%)で混合されると共に所定温度(例えば、200〜300℃)で加熱処理され、前記コンクリート破砕物1の表面がアスファルト2で被覆されているので、加熱処理によってコンクリート破砕物に付着している細菌類が駆除され、かつpHが8〜9とコンクリートよりもpHの小さなアスファルト2でコンクリート破砕物1が被覆されることとなり、路盤材や埋め戻し材として地中に埋設されても、地下水のpH上昇を抑制することができる。また、アスファルトが加熱処理によって炭化状態とされているので、活性炭と同様の水質浄化作用を発揮することができ、環境浄化にも寄与する。
【0036】
このように本発明のコンクリート再生材によれば、路盤材や埋め戻し材として地中に埋設させても地下水のpHが上昇するのを抑制することができ、したがって環境汚染を招くことなく再利用の途を提供することができる。
【0037】
次に、上記コンクリート再生材の製造方法を説明する。
【0038】
図2は、上記コンクリート再生材の製造プロセスを示す製造工程図である。
【0039】
まず、建設現場や建物の解体現場から排出された鉄筋コンクリート廃材を破砕機3に投入して該鉄筋コンクリート廃材を粒径40mm以下に破砕し、次いでこの破砕物をマグネットセパレータ4に通過させて鉄筋を除去し、コンクリート破砕物を得る。
【0040】
一方、舗装道路等から排出されたアスファルト廃材を破砕機5に投入して該アスファルトを粒径40mm以下に破砕し、アスファルト破砕物を得る。
【0041】
次いで、コンクリート破砕物及びアスファルト破砕物を重量%で60〜70:30〜40となるように秤量し、この秤量物をホッパー6に投入して矢印A方向にベルトコンベア7で搬送し、ホッパー8を介して加熱炉9に投入し、ガスバーナー10でコンクリート破砕物及びアスファルト破砕物を加熱させる。
【0042】
すなわち、この加熱炉9は、ガスバーナー10により200〜300℃に温度調整されており、加熱炉9内でコンクリート破砕物及びアスファルト破砕物を所定時間(例えば、2〜3分)加熱し、これによりコンクリート破砕物に付着している細菌類を駆除すると共に、アスファルト破砕物を溶融させてコンクリート破砕物をアスファルトで被覆し、固形物を得る。
【0043】
次に、この固形物を矢印B方向にベルトコンベア11で搬送し、ホッパー12から混合機13に投入する。混合機13では、矢印C方向に回転する第1のブレード14aと矢印D方向に回転する第2のブレード14bの作用によりアスファルトで被覆されたコンクリート破砕物が撹拌されて排出され、その後、自然冷却され、これによりコンクリート再生材が製造される。
【0044】
このように本実施の形態では、鉄筋コンクリート廃材とアスファルト廃材を利用することによりコンクリート再生材が得られる。しかもこのコンクリート再生材は、コンクリート破砕物に加熱処理を施しているので、大腸菌等の細菌類を駆除することができ、さらにpHが12〜13のコンクリート破砕物1をpHが8〜9のアスファルト2で被覆しているので、路盤材や埋め戻し材として地中に埋設しても地下水のpHが上昇するのを抑制することができる。また、加熱処理によってアスファルトが炭化状態とされたことから、コンクリート再生材は活性炭と同様の水質浄化作用を発揮することができ、環境浄化にも寄与する。
【0045】
因みに、加熱処理を行わなかった鉄筋コンクリート廃材の熱未処理品と加熱処理を行った鉄筋コンクリート廃材の熱処理品について、細菌類の有無を測定したところ、熱未処理品は、一般細菌(雑菌)が17000個/mLであり、大腸菌も検出されたのに対し、熱処理品は一般細菌は皆無であり大腸菌は検出されず、したがって加熱処理によって細菌類を駆除できることが確認された。
【0046】
また、加熱処理を行わなかった鉄筋コンクリート廃材とアスファルトで被覆した本発明のコンクリート再生材について、pHを測定したところ、鉄筋コンクリート廃材のpHは12.1と強アルカリ性を示したのに対し、本発明のコンクリート再生材は8.89と低下することが確認された。これにより路盤材や埋め戻し材として地中に埋設しても地下水のpH上昇を抑制することができ、環境汚染を招くのを回避できることが分かった。
【0047】
尚、細菌類の有無、及びpHの測定は、いずれも水質基準に関する省令の規定に基づく厚生労働大臣が定める方法(平成15年7月22日厚生労働省令第261号)に準拠して行った。
【0048】
さらに、本発明者は、上記コンクリート再生材を路盤材として使用し、荷重と地盤の沈下量との関係を調べた。すなわち、アスファルト舗装の路盤材として上記コンクリート再生材を使用し、該路盤上に基層及び表層を敷設した後、直径30cmの平板状の載荷板をアスファルト舗装上に載置し、次いで、該載荷板に0〜5.0×10Paの荷重を負荷し、そのときの地盤沈下量をダイヤルゲージで測定した。
【0049】
図3はその測定結果である。
【0050】
この図3から明らかなように、4.2×10Paの荷重を負荷した場合であっても沈下量は0.186cmであり、したがってアスファルトの舗装道路上に大きな荷重が負荷された場合であっても、顕著な凹凸が生じることもなく、路面の平滑性を確保することができる。したがって、路盤材に使用しても十分な品質を得ることができ、信頼性を確保できることが確認された。
【0051】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、コンクリート破砕物1へのアスファルト2の被覆をより完全なものとするため、加熱炉9で加熱処理を施した後、混合機13で撹拌処理を行っているが、加熱炉9で前記アスファルト2の被覆は略完了していることから、前記撹拌処理を省略しても本発明の課題を達成することができる。
【0052】
また、撹拌処理(撹拌処理を省略する場合は加熱処理)の後工程として分篩処理工程を設けてもよい。すなわち、コンクリート再生材の用途に応じて振動篩い機で分篩し、異なる粒度分布を有するコンクリート再生材を得るようにするのも好ましい。例えば、路盤の場合、通常、上層路盤と下層路盤とからなる二層構造を有しており、上層路盤には粒径30mm以下のコンクリート再生材を使用するのが望ましく、下層路盤には粒径30〜40mmのコンクリート再生材を使用するのが望ましいとされている。このような場合、振動篩い機で分篩することにより、上層路盤や下層路盤に適した粒度分布を有するコンクリート再生材を得ることができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、撹拌工程(撹拌工程を省略する場合は加熱工程)後は自然冷却によりコンクリート再生材を冷却しているが、コンクリート再生材を水槽に浸漬する等して急冷するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るコンクリート再生材の一実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】上記コンクリート再生材の製造プロセスを示す製造工程図である。
【図3】上記コンクリート再生材を路盤材に使用した場合における荷重と沈下量の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 コンクリート破砕物
2 アスファルト廃材
【出願人】 【識別番号】504462456
【氏名又は名称】▲杖▼村 一紀
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100117477
【弁理士】
【氏名又は名称】國弘 安俊


【公開番号】 特開2008−644(P2008−644A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169761(P2006−169761)