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【発明の名称】 ドライアイススノー洗浄装置および方法
【発明者】 【氏名】稲垣 徹

【氏名】岩戸 康人

【氏名】宇川 忠士

【要約】 【課題】起動時間を大幅に短縮するとともに安定したドライアイススノーを噴射できるドライアイススノー洗浄装置を提供する。

【構成】加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズル1から被洗浄物に対して噴射して洗浄をする装置であって、供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させるオリフィス3と、上記オリフィス3から噴射ノズル1に至る流通管2とを備え、上記流通管2の先端部よりも噴射ノズル1側の部分から分岐して流通管2とは離隔した状態で噴射ガス供給管4が連通し、上記流通管2の内径Dに対し長さLが(D×1000)±(D×125)未満となるよう設定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする装置であって、
供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる絞り部と、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管とを備え、
上記噴射ノズルの噴射口近傍に噴射ガスを供給する噴射ガス供給管が上記流通管とは熱的に隔離された状態で存在しており、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1000)±(D×125)未満となるよう設定されていることを特徴とするドライアイススノー洗浄装置。
【請求項2】
加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする装置であって、
供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる絞り部と、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管とを備え、
上記噴射ノズルの噴射口近傍に噴射ガスを供給する噴射ガス供給管が上記流通管とは熱的に隔離された状態で存在しており、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満となるよう設定されていることを特徴とするドライアイススノー洗浄装置。
【請求項3】
上記絞り部の開口面積を0.018mm±0.008mm以内となるよう設定した請求項1または2記載のドライアイススノー洗浄装置。
【請求項4】
液化炭酸ガスの供給圧力を7MPa±1MPa以内となるよう設定した請求項1〜3のいずれか一項に記載のドライアイススノー洗浄装置。
【請求項5】
加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする方法であって、
供給された液化炭酸ガスを絞り部で断熱膨張させ、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管内を流通させて噴射ノズルより噴射する際、
上記噴射ノズルの噴射口近傍に、流通管とは熱的に隔離した状態で配置されて連通する噴射ガス供給管から噴射ガスを供給し、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLを(D×1000)±(D×125)未満としたことを特徴とするドライアイススノー洗浄方法。
【請求項6】
加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする方法であって、
供給された液化炭酸ガスを絞り部で断熱膨張させ、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管内を流通させて噴射ノズルより噴射する際、
上記噴射ノズルの噴射口近傍に、流通管とは熱的に隔離した状態で配置されて連通する噴射ガス供給管から噴射ガスを供給し、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満としたことを特徴とするドライアイススノー洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、起動時間を大幅に短縮するとともに安定したドライアイススノーを噴射できるドライアイススノー洗浄装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液化炭酸ガスをオリフィスやニードル弁等の絞り機構で断熱膨張させることによって微細なドライアイスを生成し、キャピラリと呼ばれる細管内を流通させることでドライアイスを凝縮させながらユースポイントで噴射ガスとともに噴射させて被洗浄物を洗浄することが行われている。このようなドライアイススノー洗浄方法は、原料ガスとして高純度の液化炭酸ガスが用いられるためにエレクトロニクス分野での応用が期待されている。
【0003】
このようなドライアイススノー洗浄方法では、強固に付着した異物を除去するために必要なドライアイスの粒子径および密度を得るため、一般に、キャピラリのチューブ内径をφ1.5mm以上、長さを2m以上とする必要がある。このような状態でドライアイススノーを生成させると、キャピラリ内部が冷却され過ぎて流路の閉塞現象が起こり、安定したドライアイススノーの噴射ができないという問題がある。
【0004】
そこで、キャピラリを二重管構造として内管にドライアイススノーを流通させ、外管に加熱した噴射ガスを流すことで過度の冷却による閉塞を防止し、ドライアイススノーの噴射の安定化を図ることが行われている(例えば下記の特許文献1および2)。
【特許文献1】特開2001−259555号公報
【特許文献2】特開2003−145429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような二重管構造とすると、キャピラリの過度の冷却は防止されてドライアイススノーの噴射は安定するものの、外管を流通する噴射ガスが冷熱を奪うため、起動初期のキャピラリの冷却が妨げられ、液化炭酸ガスのバルブを開いてからユースポイントでノズルからドライアイススノーが噴射されるまでの間にタイムラグが生じていた。このようなタイムラグがあると、数秒程度の比較的短時間の噴射洗浄を繰り返す場合に、洗浄工程全体としてのロスタイムが非常に長くなり、洗浄時間を大幅に長時間化するという問題がある。
【0006】
そこで、上記のようなタイムラグを短縮するためにオリフィス径を大きくする等、炭酸ガスの流量を増やすことも考えられるが、このようにすると、炭酸ガスの消費量が急増するうえ、過剰な炭酸ガスを流すことはドライアイススノーの密度低下につながり、所望の洗浄効果が得られなくなるうえ、被洗浄物が冷却されすぎて結露を生じてしまうという別の問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、起動時間を大幅に短縮するとともに安定したドライアイススノーを噴射できるドライアイススノー洗浄装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1のドライアイススノー洗浄装置は、加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする装置であって、供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる絞り部と、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管とを備え、上記噴射ノズルの噴射口近傍に噴射ガスを供給する噴射ガス供給管が上記流通管とは熱的に隔離された状態で存在しており、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1000)±(D×125)未満となるよう設定されていることを要旨とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2のドライアイススノー洗浄装置は、加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする装置であって、供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる絞り部と、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管とを備え、上記噴射ノズルの噴射口近傍に噴射ガスを供給する噴射ガス供給管が上記流通管とは熱的に隔離された状態で存在しており、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満となるよう設定されていることを要旨とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の第1のドライアイススノー洗浄方法は、加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする方法であって、供給された液化炭酸ガスを絞り部で断熱膨張させ、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管内を流通させて噴射ノズルより噴射する際、上記噴射ノズルの噴射口近傍に、流通管とは熱的に隔離した状態で配置されて連通する噴射ガス供給管から噴射ガスを供給し、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLを(D×1000)±(D×125)未満としたことを要旨とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2のドライアイススノー洗浄方法は、加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズルから被洗浄物に対して噴射して洗浄をする方法であって、供給された液化炭酸ガスを絞り部で断熱膨張させ、上記絞り部から噴射ノズルに至る流通管内を流通させて噴射ノズルより噴射する際、上記噴射ノズルの噴射口近傍に、流通管とは熱的に隔離した状態で配置されて連通する噴射ガス供給管から噴射ガスを供給し、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定し、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満としたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、本発明は、上記噴射ノズルの噴射口近傍に、流通管とは熱的に隔離した状態で配置されて連通する噴射ガス供給管から噴射ガスを供給することにより、従来の二重管構造のように起動初期に流通管の冷却が妨げられることがないため、バルブを開いてからドライアイススノーが噴射されるまでの間のタイムラグが大幅に短縮する。また、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定したときに、上記流通管の内径Dに対する長さLを(D×1000)±(D×125)未満としている。あるいは、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定したときに、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満としている。このため、流通管の過度の冷却も有効に防止されてドライアイススノーの噴射も安定化する。
【0013】
本発明において、上記絞り部の開口面積を0.018mm±0.008mm以内となるよう設定した場合には、炭酸ガスの流量が適正化され、炭酸ガスの消費量が不要に増加せず、ドライアイススノーも適正密度が維持できて必要な洗浄効果が得られ、被洗浄物が冷却されすぎて結露を生じてしまう等のトラブルも発生しない。
【0014】
本発明において、液化炭酸ガスの供給圧力を7MPa±1MPa以内となるよう設定した場合には、炭酸ガスの流量が適正化され、炭酸ガスの消費量が不要に増加せず、ドライアイススノーも適正密度が維持できて必要な洗浄効果が得られ、被洗浄物が冷却されすぎて結露を生じてしまう等のトラブルも発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明が適用されたドライアイススノー洗浄装置の一実施形態を示す図である。
【0017】
このドライアイススノー洗浄装置は、加圧液化炭酸ガスを断熱膨張させることにより形成されたドライアイススノーを噴射ノズル1から被洗浄物(図示せず)に対して噴射して洗浄をする装置である。
【0018】
より詳しく説明すると、供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させる絞り部としてのオリフィス3と、上記オリフィス3から噴射ノズル1に至る流通管2とを備えている。
【0019】
液化炭酸ガスボンベ等から供給された液化炭酸ガスは、供給路6を通ってオリフィス3に導かれ、オリフィス3で断熱膨張されてドライアイススノーが形成されると、細長い流通管2を通って噴射ノズル1に導入され、噴射ノズル1の先端から噴射される。上記供給路6には、炭酸ガス供給弁8ならびに液化炭酸ガスの供給圧力を検知する圧力ゲージ9が設けられている。上記炭酸ガス供給弁8の開閉により液化炭酸ガスの供給をオンオフする。液化炭酸ガスの供給圧力は、図示しないボンベに設けられたヒータで温度調節をすることにより所望の圧力に調節する。
【0020】
上記液化炭酸ガスの供給圧力は、7MPa±1MPa以内となるよう設定するのが好ましい。
【0021】
上記オリフィス3は、その開口面積を0.018mm±0.008mm以内となるよう設定するのが好ましく、より好ましいのは、0.0113〜0.0177mmである。また、上記オリフィス3の厚みは、この例では、0.5mm±0.3mm以内となるよう設定した。なお、上記オリフィス3は供給された液化炭酸ガスを断熱膨張させうる絞り部として機能するのであれば、例えばニードル弁等を適用することも可能である。
【0022】
上記オリフィス3と噴射ノズル1との間には、細長い管である流通管2によって接続され、オリフィス3で断熱膨張して発生したドライアイススノーは、流通管2内を流通しながらドライアイスの凝縮が行われて噴射ノズル1から噴射される。
【0023】
上記流通管2は、上記流通管2の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定したときに、上記流通管2の内径Dに対する長さLが(D×1000)±(D×125)未満となるよう設定されている。また、上記流通管2の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定したときに、上記流通管2の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満となるよう設定されている。
【0024】
そして、上記流通管2は、例えばフッ素樹脂等から形成された可撓性のチューブが用いられ、この例では複数回巻回されて炭酸ガス供給弁8およびオリフィス3とともにノズルユニットケース10に収容されている。ノズルユニットケース10内に収容された流通管2は、図示しない断熱材により覆われて外部からの断熱が行われている。このようにすることにより、起動初期の流通管2内の冷却を一層スムーズにして噴射待ち時間の短縮を図ることができる。
【0025】
また、オリフィス3と炭酸ガス供給弁8との間の流路を流通管2と熱的に接触させたことにより、オリフィス3を通過して膨張する炭酸ガスの寒冷や、流通管2を通過する炭酸ガスの寒冷を、オリフィス3の上流側でオリフィス3に導入される炭酸ガスの冷却に利用することができる。このような構成により、噴射ノズル3から噴射させるドライアイススノーの衝突圧力を調節することが可能となる。
【0026】
また、上記噴射ノズル1の噴射口近傍に噴射ガスを供給する噴射ガス供給管4が上記流通管2とは熱的に隔離された状態で存在している。上記噴射ガス供給管4は、従来の2重管構造のように流通管2と並設するのではなく、流通管2とは断熱材およびノズルユニットケース10を介して隔離して配置されている。そして、この例では、噴射ノズル1の内部通路においてその先端開口近傍まで流通管2の先端が延びており、上記噴射ノズル1に設けた分岐部に噴射ガス供給管4の先端が連通している。
【0027】
上記噴射ガス供給管4には、供給圧力を検知する圧力ゲージ13とが設けられている。また、上記噴射ガス供給管4には、噴射ガスの供給をオンオフする噴射ガス供給弁14と、噴射ガスの供給圧力を調整可能な圧力調整弁12とが設けられている。噴射ガスの供給圧力は、上記圧力調整弁12で調整する。
【0028】
さらに、上記噴射ガス供給管4には、噴射ガスを加熱する一次ヒータ15および、上記一次ヒータ15の加熱温度を調節する温度コントローラ17ならびに上記加熱温度を検知する温度計16が設けられている。また、上記噴射ガス供給管4には、上記一次ヒータ15より下流側に二次ヒータ18が設けられている。さらに、上記二次ヒータ18の加熱温度を調節する温度コントローラ20ならびに上記加熱温度を検知する温度計19が設けられている。
【0029】
上記二次ヒータ18は、一次ヒータ15より下流側で噴射ノズル1との連通部近傍にわたって長尺状にかつ噴射ガス供給管4の周囲に巻きつけるように配置されている。このようにすることにより、噴射ガスが冷却されることなく均一かつ一定の温度を保ったまま噴射ノズル1に導入される。したがって、噴射ノズル1の温度を均一かつ一定に保つことができ、ドライアイススノーの噴射状態を一層安定化させることができる。上記噴射ガスとしては、例えば、高圧の窒素ガス等を用いることができる。
【0030】
上記一次ヒータ15および二次ヒータ18は、噴射ノズル1が過度に冷却される場合に用いられ、噴射ノズル1が冷却され過ぎない場合には用いなくても良い。噴射ノズル1の冷却状況に応じて、一次ヒータ15だけを用いたり二次ヒータ18だけを用いたりすることもできるし、一次ヒータ15と二次ヒータ18を併せて用いることもできる。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、下記のような作用効果を奏する。
【0032】
すなわち、上記流通管2の先端部よりも噴射ノズル1先端側の部分から分岐して流通管2とは熱的に隔離した状態で噴射ガス供給管4を連通させたことにより、従来の二重管構造のように起動初期に流通管2の冷却が妨げられることがないため、液化炭酸ガス供給弁8を開いてからドライアイススノーが噴射されるまでの間のタイムラグが大幅に短縮する。また、上記流通管の内径をφ2mm以上φ2.5mm以内となるよう設定したときに、上記流通管の内径Dに対する長さLを(D×1000)±(D×125)未満としている。あるいは、上記流通管の内径をφ1.5mm以上φ2mm未満となるよう設定したときに、上記流通管の内径Dに対する長さLが(D×1080)±(D×108)未満としている。このため、流通管の過度の冷却も有効に防止されてドライアイススノーの噴射も安定化する。
【0033】
また、上記オリフィス3の開口面積を0.018mm±0.008mm以内となるよう設定したため、炭酸ガスの流量が適正化され、炭酸ガスの消費量が不要に増加せず、ドライアイススノーも適正密度が維持できて必要な洗浄効果が得られ、被洗浄物が冷却されすぎて結露を生じてしまう等のトラブルも発生しない。
【0034】
また、液化炭酸ガスの供給圧力を7MPa±1MPa以内となるよう設定したため、炭酸ガスの流量が適正化され、炭酸ガスの消費量が不要に増加せず、ドライアイススノーも適正密度が維持できて必要な洗浄効果が得られ、被洗浄物が冷却されすぎて結露を生じてしまう等のトラブルも発生しない。
【0035】
図2は、本発明のドライアイススノー洗浄方法を実施するときの、炭酸ガス供給弁8、噴射ガス供給弁14、一次ヒータ15の時間制御シーケンスの一例を示す図である。
【0036】
この例では、まず、噴射ガス供給弁14をオン(開;以下同じ)にし、それから1秒以内程度の準備時間をおいて炭酸ガス供給弁8をオンにする。炭酸ガス供給弁8をオンにするのに先立って、噴射ガス供給弁14をオンにすることにより、噴射ノズル1の結露を防止するようにしている。
【0037】
炭酸ガス供給弁8をオンにしてから、所定のスノー起動時間の後噴射ノズルからのドライアイススノーの噴射が開始し、所定の噴射時間を経て炭酸ガス供給弁8をオフ(閉;以下同じ)にする。この間、この例では約2〜4秒である。
【0038】
そして、噴射されたドライアイススノーを吹き飛ばすとともに、被洗浄物の冷却を防止し、噴射ノズル1の結露を防止するため、この例では約2秒間、噴射ガス供給弁14をオンにした状態を維持するガスブローを行う。この例では、ドライアイススノーの噴射時間と上記ガスブロー時間を併せて洗浄時間としている。その後、噴射ガス供給弁14をオフとし、これで1回の洗浄シーケンスが終了する。そして、所定の待機時間(この例では5〜60秒)時間間隔をあけた後、つぎの洗浄シーケンスを開始する。
【実施例】
【0039】
図3は、流通管2の内径をφ2mmに設定したときに、流通管2の長さLを変更してドライアイススノーが噴出されるまでの起動時間とドライアイススノーの噴射安定性を評価した結果である。このように、流通管の内径φ2mmのときには、長さ4mに設定した状態が起動時間、噴射安定性の両面から最も良い結果が得られた。
【0040】
図4は、流通管2の内径をφ1.6mmに設定したときに、流通管2の長さLを変更してドライアイススノーが噴出されるまでの起動時間とドライアイススノーの噴射安定性を評価した結果である。このように、流通管の内径φ1.6mmのときには、長さ2.5〜3mに設定した状態が起動時間、噴射安定性の両面から最も良い結果が得られた。
【0041】
なお、上記実施例において、起動時間はバルブを開いてからスノーが噴射されるまでの時間であり、以下のように評価した。
○:3秒以内
△:3〜6秒
×:6秒以上
【0042】
また、スノーの安定性は目視により以下のように評価した。
○:安定したスノー量で噴射された。
△:断続的な閉塞が見られた。
×:完全な閉塞が認められた。
【0043】
また、衝突圧力は富士フィルム社製プレスケール(中圧用)にて測定し、以下のように評価した。
○:40MPa以上
△:10〜40MPa
×:10MPa以下
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のドライアイススノー洗浄装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明のドライアイススノー洗浄装置の時間制御シーケンスを示す図である。
【図3】流通管2の内径を2mmとし、長さを変更してドライアイススノーが噴出されるまでの起動時間とドライアイススノーの噴射安定性を評価した結果を示す表である。
【図4】流通管2の内径を1.6mmとし、長さを変更して噴射されたドライアイススノーの噴射圧力を測定した結果を示す表である。
【符号の説明】
【0045】
1:噴射ノズル
2:流通管
3:オリフィス
4:噴射ガス供給管
6:供給路
8:炭酸ガス供給弁
9:圧力ゲージ
10:ノズルユニットケース
12:圧力調整弁
13:圧力ゲージ
14:噴射ガス供給弁
15:一次ヒータ
16:温度計
17:温度コントローラ
18:二次ヒータ
19:温度計
20:温度コントローラ
【出願人】 【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之


【公開番号】 特開2008−43909(P2008−43909A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223740(P2006−223740)