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溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置 - 特開2008−36595 | j-tokkyo
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【発明の名称】 溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置
【発明者】 【氏名】吉村 典之

【氏名】鈴木 今朝男

【氏名】尾崎 泰照

【要約】 【課題】部品や部品組立体(ワーク)を短時間に十分に洗浄、乾燥させることができ、しかも、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができて、溶剤の消費量が少なく、環境を汚染することのない、溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置を提供する。

【構成】ワークを溶剤で洗浄して、ワークに付着する油分やパーティクルを除去するとともに、ワークを乾燥させるために、ワークを溶剤液に浸漬させて洗浄する複数の洗浄槽11〜13と、これらの洗浄槽のうちの最終段洗浄槽13を出たワークを溶剤蒸気で洗浄及び乾燥させる蒸気乾燥槽20とを備えている溶剤洗浄装置が、蒸気乾燥槽20を出たワークを密閉された室内で完全に乾燥させる密閉型完全乾燥槽30と、該密閉型完全乾燥槽30で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引し、液化して、回収する溶剤回収装置40とをさらに備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを溶剤で洗浄して、前記ワークに付着する油分やパーティクルを除去するとともに、前記ワークを乾燥させるために、
前記ワークを溶剤液に浸漬させて洗浄する複数の洗浄槽と、
複数の前記洗浄槽のうちの最終段洗浄槽を出た前記ワークを溶剤蒸気で洗浄及び乾燥させる蒸気乾燥槽と
を備えている溶剤洗浄装置が、
前記蒸気乾燥槽を出た前記ワークを密閉された室内で完全に乾燥させる密閉型完全乾燥槽と、
前記密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引し、液化して、回収する溶剤回収装置と
をさらに備えて成る
ことを特徴とする溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項2】
前記密閉型完全乾燥槽は、その内部に前記ワークを加熱・乾燥させるためのヒータと、ガス攪拌ファンとを備え、
前記密閉型完全乾燥槽で発生した溶剤蒸気を前記ガス攪拌ファンにより攪拌して、槽内に拡散させるようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項3】
前記密閉型完全乾燥槽は、その内部とガス吸引口及びガス吐出口を介して流体連通する閉鎖循環路を備え、
前記閉鎖循環路には、送風ファンと、ヒータと、フィルターとが設けられており、
前記ガス吸引口より前記送風ファンにより吸引した溶剤蒸気を前記ヒータにより加熱し、前記フィルターにより濾過して、前記ガス吐出口より前記密閉型完全乾燥槽内に吐出するようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項4】
前記溶剤回収装置が、
前記密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して、予備冷却する予備冷却器と、
前記予備冷却器を出た溶剤蒸気を吸引して、圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機を出た、加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する第1及び第2の熱交換器と、
前記第1及び第2の熱交換器を出た溶剤液を回収する回収タンクと、
少なくとも前記第1及び第2の熱交換器に冷媒ガスを交互にもしくは同時に供給する冷凍機と
を備えて成り、
前記第1及び第2の熱交換器は、前記溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されて、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられるようにされており、この位置の切替えに同期して、前記シリーズ接続の下流側に位置する一方の熱交換器が前記加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、前記シリーズ接続の上流側に位置する他方の熱交換器が前記冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項5】
前記一方の熱交換器には、前記冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、
前記他方の熱交換器には、外部熱源の投入が遮断されている
ことを特徴とする請求項4に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の熱交換器は、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、
前記一方の熱交換器には、前記冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、
前記他方の熱交換器には、前記他方の熱交換器が備える他方の前記外部ヒータが発生する外部熱源が投入され、
前記他方の熱交換器が前記冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、前記他方の外部ヒータが発生する外部熱源が前記他方の熱交換器の前記解凍運転をサポートするようにされている
ことを特徴とする請求項4に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項7】
前記溶剤回収装置が、
前記密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して、予備冷却する予備冷却器と、
前記予備冷却器を出た溶剤蒸気を吸引して、圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機を出た、加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する第1及び第2の熱交換器と、
前記第1及び第2の熱交換器を出た溶剤液を回収する回収タンクと、
少なくとも前記第1及び第2の熱交換器に冷媒ガスを交互にもしくは同時に供給する冷凍機と
を備えて成り、
前記第1及び第2の熱交換器は、前記溶剤蒸気の流れに対してパラレルに接続されて、一方の熱交換器が前記加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、他方の熱交換器が前記冷却運転を中断して、前記溶剤蒸気の流れから切り離された状態で自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項8】
前記一方の熱交換器には、前記冷凍機の膨張弁を出た極冷冷媒ガスが供給され、
前記他方の熱交換器には、前記冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスが供給されるようにされている
ことを特徴とする請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の熱交換器は、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、
冷却運転を続行する前記一方の熱交換器には、前記冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、
冷却運転を中断する前記他方の熱交換器には、前記他方の熱交換器が備える他方の前記外部ヒータが発生する外部熱源が投入されるようにされている
ことを特徴とする請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の熱交換器は、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、
前記一方の熱交換器には、前記冷凍機の膨張弁を出た極冷冷媒ガスが供給され、
前記他方の熱交換器には、前記冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスが供給されるとともに、前記他方の熱交換器が備える他方の前記外部ヒータが発生する外部熱源が投入され、 前記他方の熱交換器が前記冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、前記他方の外部ヒータが発生する外部熱源が前記他方の熱交換器の前記解凍運転をサポートするようにされている
ことを特徴とする請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項11】
前記第1及び第2の熱交換器は、1つの共通のタンク内に収納され、
前記タンクは、前記回収タンクを兼ねており、
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間には、仕切り壁が設けられ、各熱交換器における熱交換作用が互いに干渉し合わないようにされている
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の熱交換器は、フィン付き管式熱交換器により構成されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置。










【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願の発明は、溶剤洗浄装置に関し、OA機器等精密機器の製造工場の生産ラインにおいて発生する中間品である各種部品や部品組立体(ワーク)を溶剤を用いて洗浄し、これらのワークに付着する油分やパーティクルを除去して、これらのワークを乾燥させる溶剤洗浄装置であって、特に、その溶剤を高い回収効率で回収する溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の部品や部品組立体は、高い加工精度と組立精度とが求められるため、それらの表面に付着する切削用冷却油等の油分や切削屑(切粉)、一般ゴミ等のパーティクルについても、それらの完全な除去が求められる。一般に、機械の部品や部品組立体を洗浄する方法としては、従来、水洗浄機と溶剤洗浄機とが使用されている。
【0003】
水洗浄機は、洗浄液として純水や超純水を使用するので、洗浄液となる水自体の入手が比較的容易であり、メンテナンスも、洗浄槽の構成段数を増すことも、容易であり、設備コストが比較的安価で、環境に優しい等のメリットがある反面、錆び易く、乾燥処理が時間を要して難しい、タクトタイムが長く、生産性が悪い、油分の除去には洗剤を使用しなければならず、油分汚れに加えて洗剤も除去する必要が生ずる等のデメリットがあり、純水設備は必要ではあるが、現在では、専らパーティクルやイオン汚れ除去を目的として、半導体部品、電子部品、電気機械部品の最終洗浄用にしか使用されていない。
【0004】
これに対して、これらの部品や部品組立体に付着する油分やパーティクルを除去するためには、一般に、溶剤洗浄機が使用される。この場合の溶剤には、油分分解能が高く、水に比較してぬれ性が高く、蒸発性(乾燥性)が良い等の性質を兼ね備えていることが求められ、臭素系溶剤(ブロム)、代替フロン、トリクレン、トリクロロエタン、炭化水素系溶剤等が使用されている。図10には、このような溶剤洗浄機の一般的な構成が図示されている。
【0005】
図10において、従来の溶剤洗浄機010は、複数の洗浄槽011、012、013・・・、ベーパー槽020を備えている。また、複数の洗浄槽011、012、013・・・の多くは、その底部に超音波発振器025を備えている。そこで、所定の生産工程を経て製造された中間品である各種部品や部品組立体等のワーク(W)は、それらのまとまった数量が籠026に入れられ、該籠026がハンガー027により吊持、搬送されて、順次、これらの洗浄槽011、012、013・・・及びベーパー槽020を通される(矢印A1〜A4参照)。
【0006】
先ず、ワークは、第1の洗浄槽011に搬入され、そこに浸漬されて、超音波発振器025により励起された溶剤液の振動を受けながら、該ワークに付着した油分やパーティクルが物理的及び化学的に分離される。ここで、物理的分離とは、溶剤液の振動により発生するキャビテーション(空洞破壊)に起因する物理的な力及び溶剤のぬれ性に起因する物理的な力による分離であり、化学的分離とは、溶剤の物質分解能に起因する化学変化による分離である。そして、このような油分やパーティクルの分離作用が、複数段の洗浄槽において複数回繰り返される。
【0007】
このようにして複数の洗浄槽011、012、013・・・を通過したワークは、最後に、ベーパー槽020に搬入されて、溶剤蒸気による洗浄と乾燥とが行なわれる。このベーパー槽020においては、槽底部の液槽に貯留された溶剤液がヒータ021により溶剤蒸気圧温度以上に加熱されて、発生した蒸気がワークを加熱し、ワーク自体は冷却されているためにワーク表面に溶剤が凝縮し、この溶剤の凝縮液がワーク表面になお付着して残っている油分やパーティクル等の汚れを洗い落として分離する。
【0008】
ベーパー槽020の上部内周壁には、冷却管が複数回巻回されてなる冷却器022が取り付けられており、ワークにより凝縮された溶剤の気化溶剤やベーパー液槽から上昇して来る溶剤蒸気がこの冷却器022により冷却されて凝縮し、冷却器022の下方の樋023に集められる。このように、ベーパー槽020内においてワークにより凝縮された溶剤が気化されてしまうことがワークの乾燥となるのである。
【0009】
樋023に集められた凝縮液は、そこから槽外の水分離器024に導かれ、この水分離器024において水が分離されて得られた溶剤液は、再び最終段洗浄槽01Nに戻される。このようにして再生された溶剤液を受け入れて液面高さを増した洗浄槽01Nからは、溶剤液が溢れて、順次、前段の洗浄槽01N−1、01N−2・・・に流入し(矢印B1、B2参照)、これらの洗浄槽内の溶剤液がより新鮮な溶剤液により入れ換えられる。なお、このような溢れた溶剤液の前段洗浄槽への戻りを容易にするために、複数の洗浄槽011、012、013・・・は、図10に図示されるように、前段の洗浄槽程、その液面が低くなるようにされている。
【0010】
しかしながら、このような従来の溶剤洗浄機010にあっては、一般に、溶剤の消費量が多い上に、ベーパー槽020のみによりワークを乾燥させることが困難である。その理由は、ワークの比熱が一般に小さく、このため、ワークに付着する溶剤の蒸発潜熱でワークが直ぐに冷却されて溶剤の蒸発性が悪くなり、ワークに付着する溶剤が蒸発し切れないままに残り、特に凹形状部や盲孔に溜まる溶剤が蒸発し切れないうちにワークが冷却されて、溶剤が残留して残ったまま、ワークがベーパー槽020から搬出されてしまうからである。
【0011】
このように、決められた洗浄機内でワークを乾燥し切れないとなると、洗浄機からワークが搬出された後、洗浄機外でワークを自然蒸発・乾燥させざるを得なくなる。しかしながら、このような洗浄機外でのワークの自然蒸発・乾燥は、溶剤が大気に発散されることになり、環境汚染の原因にもなりかねず、また、大気放出のために溶剤が回収されず、溶剤消費量のさらなる増大を招くことにもなる。これらの問題の発生を回避するためにも、ワークの乾燥は、あくまでも洗浄機内で済ませることが鉄則である。
【0012】
本出願人は、先に、これらの問題点を解決するために、ワークを溶剤洗浄機内で短時間に十分に洗浄、乾燥させることができ、これにより、ワークに付着する油分やパーティクルを略完全に除去して、しかも、溶剤の回収効率が高くて、溶剤の消費量が少なく、環境を汚染することのない溶剤洗浄機を発明して、特許出願を行った(特許文献3)。しかしながら、このものにおいても、溶剤回収がなお十分とは言い難く、この解決のため、例えば、溶剤ガスを熱交換器内に導いて冷却して凝縮させ、その溶剤液を回収するとしても、熱交換器内に流入してくる溶剤ガスには必然的に大気中の水分が含まれるため、連続運転を行えば時間とともに熱交換器内部は着霜することになり、その解凍を行うためには定期的に回収運転を停止せざるを得ず、効率が悪いものであった。したがって、溶剤ガスを長時間にわたって連続的且つ効率的に凝縮させて回収することができるようにするためには、なお、改善すべき点が残されていた。
【特許文献1】特開平7−265817号公報
【特許文献2】特開平8−039019号公報
【特許文献3】特開平2003−305417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本願の発明は、従来の溶剤洗浄機が有する前記のような問題点を解決して、OA機器等精密機器の製造工場の生産ラインにおいて発生する中間品である各種部品や部品組立体(ワーク)を溶剤洗浄装置内で短時間に十分に洗浄、乾燥させることができ、これにより、ワークに付着する油分やパーティクルをさらに完全に除去して、しかも、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができて、溶剤の消費量が少なく、環境を汚染することのない、溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような課題は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、ワークを溶剤で洗浄して、前記ワークに付着する油分やパーティクルを除去するとともに、前記ワークを乾燥させるために、前記ワークを溶剤液に浸漬させて洗浄する複数の洗浄槽と、複数の前記洗浄槽のうちの最終段洗浄槽を出た前記ワークを溶剤蒸気で洗浄及び乾燥させる蒸気乾燥槽とを備えている溶剤洗浄装置が、前記蒸気乾燥槽を出た前記ワークを密閉された室内で完全に乾燥させる密閉型完全乾燥槽と、前記密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引し、液化して、回収する溶剤回収装置とをさらに備えて成ることを特徴とする溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置である。
【0015】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
複数の洗浄槽を経て溶剤により洗浄され、蒸気乾燥槽を経て溶剤蒸気で仕上げ洗浄及び乾燥されて、油分やパーティクルが除去されたワークは、次いで、密閉型完全乾燥槽に入り、ここで、密閉された室内で加熱・乾燥されて、ワークの表面、とりわけ、凹形状部や盲孔等の汲み出しにくい所になお付着して残っている溶剤が蒸発させられ、完全に除去される。このようにして、ワークを完全に乾燥させることができる。
【0016】
しかも、このようにしてワークから分離させられて、蒸発し、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気は、次いで、溶剤回収装置に吸引され、ここで、液化して、回収されるので、溶剤の回収効率が著しく向上して、溶剤の消費量を大幅に低減することができる。また、環境を汚染することもない。
【0017】
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その密閉型完全乾燥槽が、その内部にワークを加熱・乾燥させるためのヒータと、ガス攪拌ファンとを備えていて、密閉型完全乾燥槽で発生した溶剤蒸気をガス攪拌ファンにより攪拌して、槽内に拡散させるようにされていることを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載された発明は、この構成により、密閉型完全乾燥槽内でのワークの加熱・乾燥を迅速に、効率良く行うことができる。
【0019】
また、その請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その密閉型完全乾燥槽が、その内部とガス吸引口及びガス吐出口を介して流体連通する閉鎖循環路を備え、該閉鎖循環路には、送風ファンと、ヒータと、フィルターとが設けられており、ガス吸引口より送風ファンにより吸引した溶剤蒸気をヒータにより加熱し、フィルターにより濾過して、ガス吐出口より密閉型完全乾燥槽内に吐出するようにされていることを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載された発明は、この構成により、ヒータにより加熱されて生成された乾燥熱源となる温風を、ヒータにより再加熱し、フィルターにより浄化して、再生しつつ、密閉型完全乾燥槽内を循環させて、そこでのワークへのパーティクル等の汚れ再付着を防止しつつ、ワークの加熱・乾燥をさらに迅速に、さらに効率良く行うことができる。
【0021】
さらに、その請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その溶剤回収装置が、密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して、予備冷却する予備冷却器と、該予備冷却器を出た溶剤蒸気を吸引して、圧縮する圧縮機と、該圧縮機を出た、加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する第1及び第2の熱交換器と、該第1及び第2の熱交換器を出た溶剤液を回収する回収タンクと、少なくとも該第1及び第2の熱交換器に冷媒ガスを交互にもしくは同時に供給する冷凍機とを備えて成り、第1及び第2の熱交換器は、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されて、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられるようにされており、この位置の切替えに同期して、そのシリーズ接続の下流側に位置する一方の熱交換器が加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、そのシリーズ接続の上流側に位置する他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転されることを特徴としている。
【0022】
請求項4に記載された発明は、この構成により、溶剤回収装置が備える第1及び第2の熱交換器が、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されて、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられながら、溶剤蒸気の冷却運転と自己の解凍運転とに交互に切替え運転されるので、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができる。
【0023】
また、その請求項5に記載された発明は、請求項4に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その一方の熱交換器には、冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、他方の熱交換器には、外部熱源の投入が遮断されていることを特徴としている。
【0024】
請求項5に記載された発明は、この構成により、第1及び第2の熱交換器のうちの他方の熱交換器の解凍運転には、溶剤蒸気自身の保有熱が利用されて、外部熱源を必要とすることがないので、溶剤回収を効率的、経済的に行うことができる。
【0025】
また、その請求項6に記載された発明は、請求項4に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その第1及び第2の熱交換器は、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、その一方の熱交換器には、冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、他方の熱交換器には、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源が投入され、該他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、該他方の外部ヒータが発生する外部熱源が該他方の熱交換器の解凍運転をサポートするようにされていることを特徴としている。
【0026】
請求項6に記載された発明は、この構成により、第1及び第2の熱交換器のうちの他方の熱交換器の解凍運転には、溶剤蒸気自身の保有熱が利用されるとともに、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源が投入され、該他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、該外部熱源が該他方の熱交換器の解凍運転をサポートするようにされているので、該他方の熱交換器での自己の解凍を強制的に、短時間に行って、その氷結をより良く防止することができ、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0027】
さらに、その請求項7に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その溶剤回収装置が、密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して、予備冷却する予備冷却器と、該予備冷却器を出た溶剤蒸気を吸引して、圧縮する圧縮機と、該圧縮機を出た、加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する第1及び第2の熱交換器と、該第1及び第2の熱交換器を出た溶剤液を回収する回収タンクと、少なくとも該第1及び第2の熱交換器に冷媒ガスを交互にもしくは同時に供給する冷凍機とを備えて成り、第1及び第2の熱交換器は、溶剤蒸気の流れに対してパラレルに接続されて、一方の熱交換器が加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、他方の熱交換器が冷却運転を中断して、前記溶剤蒸気の流れから切り離された状態で自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転されることを特徴としている。
【0028】
請求項7に記載された発明は、この構成により、溶剤回収装置が備える第1及び第2の熱交換器が、溶剤蒸気の流れに対してパラレルに接続されて、溶剤蒸気の冷却運転と自己の解凍運転とに交互に切替え運転されるので、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができる。
【0029】
また、その請求項8に記載された発明は、請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その一方の熱交換器には、冷凍機の膨張弁を出た極冷冷媒ガスが供給され、他方の熱交換器には、冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスが供給されるようにされていることを特徴としている。
【0030】
請求項8に記載された発明は、この構成により、他方の熱交換器での自己の解凍運転に、その熱源として、冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスが使用されるので、その他の外部熱源を必要とすることがなく、溶剤回収装置の機器構成を比較的簡易に行うことができる。
【0031】
また、その請求項9に記載された発明は、請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その第1及び第2の熱交換器が、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、冷却運転を続行する一方の熱交換器には、冷凍機を出た冷媒ガスが供給され、冷却運転を中断する他方の熱交換器には、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源が投入されるようにされていることを特徴としている。
【0032】
請求項9に記載された発明は、この構成により、他方の熱交換器での自己の解凍運転に、その熱源として、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源が投入されるので、該他方の熱交換器での自己の解凍を強制的に、短時間に行って、その氷結を防止することができ、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0033】
さらに、その請求項10に記載された発明は、請求項7に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その第1及び第2の熱交換器が、第1及び第2の外部ヒータをそれぞれ備え、一方の熱交換器には、冷凍機の膨張弁を出た極冷冷媒ガスが供給され、他方の熱交換器には、冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスが供給されるとともに、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源が投入され、該他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、該他方の外部ヒータが発生する外部熱源が該他方の熱交換器の解凍運転をサポートするようにされていることを特徴としている。
【0034】
請求項10に記載された発明は、この構成により、他方の熱交換器での自己の解凍運転に、その熱源として、冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガスと、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータが発生する外部熱源とが投入されるので、該他方の熱交換器での自己の解凍をさらに強制的に、さらに短時間に行って、その氷結をさらに良く防止することができ、溶剤回収がきわめて長時間にわたって連続的に行われたとしても、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0035】
また、その請求項11に記載された発明は、請求項9又は10に記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その第1及び第2の熱交換器が、1つの共通のタンク内に収納され、このタンクは、溶剤液の回収タンクを兼ねており、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間には、仕切り壁が設けられ、各熱交換器における熱交換作用が互いに干渉し合わないようにされていることを特徴としている。
【0036】
請求項11に記載された発明は、この構成により、溶剤洗浄装置をコンパクトに構成して、製作コストを低減することができるとともに、両熱交換器での熱交換を効率良く行わせることができる。
【0037】
さらに、その請求項12に記載された発明は、請求項9ないし11のいずれかに記載の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置において、その第1及び第2の熱交換器は、フィン付き管式熱交換器により構成されていることを特徴としている。
【0038】
請求項12に記載された発明は、この構成により、熱交換性能に優れたフィン付き管式熱交換器を使用して、第1及び第2の熱交換器の氷結しにくい構造を得ることができ、これにより、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0039】
前記のとおり、本願の発明の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置によれば、複数の洗浄槽を経て溶剤により洗浄され、蒸気乾燥槽を経て溶剤蒸気で洗浄及び乾燥されて、油分やパーティクルのほとんどが除去されたワークは、次いで、密閉型完全乾燥槽に入り、ここで、密閉された室内で加熱・乾燥されて、ワークの表面、とりわけ、凹形状部や盲孔等の汲み出しにくい所になお付着して残っている溶剤が、油分やゴミと共に蒸発させられ、完全に除去される。このようにして、ワークを完全に洗浄、乾燥させることができる。
【0040】
しかも、このようにしてワークから分離させられて、蒸発し、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気は、次いで、溶剤回収装置に吸引され、そこで、液化して、回収されるので、溶剤の回収効率が著しく向上して、溶剤の消費量を大幅に低減することができる。また、環境を汚染することもない。
【0041】
特に、この溶剤回収装置が、第1及び第2の熱交換器を備えるものとされ、これらの熱交換器が、シリーズもしくはパラレルに接続されて、一方の熱交換器が溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように交互に切替え運転されるので、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的、経済的に行うことができる。
その他、前記したような種々の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
ワークを溶剤で洗浄して、ワークに付着する油分やパーティクルを除去するとともに、ワークを乾燥させるために、ワークを溶剤液に浸漬させて洗浄する複数の洗浄槽と、複数の該洗浄槽のうちの最終段洗浄槽を出たワークを溶剤蒸気で洗浄及び乾燥させる蒸気乾燥槽とを備えている溶剤洗浄装置が、該蒸気乾燥槽を出たワークを密閉された室内で完全に乾燥させる密閉型完全乾燥槽と、該密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引し、液化して、回収する溶剤回収装置とをさらに備えて成るものとする。
【0043】
この溶剤回収装置は、密閉型完全乾燥槽で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して、予備冷却する予備冷却器と、該予備冷却器を出た溶剤蒸気を吸引して、圧縮する圧縮機と、該圧縮機を出た、加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する第1及び第2の熱交換器と、該第1及び第2の熱交換器を出た溶剤液を回収する回収タンクと、少なくとも該第1及び第2の熱交換器に冷媒ガスを交互にもしくは同時に供給する冷凍機とを備えて成り、該第1及び第2の熱交換器は、溶剤蒸気の流れに対してシリーズもしくはパラレルに接続されて、一方の熱交換器が加圧された溶剤蒸気を冷却して、液化する冷却運転を続行する間、他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転されるものとする。
【0044】
ここで、一方の熱交換器での溶剤蒸気の冷却運転における熱源としては、冷凍機を出た冷媒ガスもしくは極冷冷媒ガスを使用するものとし、他方の熱交換器での自己の解凍運転における熱源としては、溶剤蒸気自身の保有熱、冷凍機の圧縮機を出た高温冷媒ガス、外部ヒータが発生する外部熱源等を単独でか、もしくは組み合わせて使用するものとする。
【実施例】
【0045】
次に、本願の発明の第1の実施例(実施例1)について説明する。
図1は、本実施例1の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置の、当該溶剤回収装置部分を除いた部分の概略構成図、図2は、同溶剤洗浄装置がさらに備える密閉型完全乾燥槽の変形例を示す図、図3は、同密閉型完全乾燥槽の他の変形例を示す図、図4は、本願の発明の各実施例の溶剤洗浄装置に共通する溶剤回収装置の一般的な概略構成図、図5は、本実施例1の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置(以下、「本実施例1の溶剤回収装置」と略称する場合がある。その他の実施例について同様。)の模式的な概略構成図である。
【0046】
本実施例1の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置は、特にOA機器等精密機器の製造工場の生産ラインにおいて発生する中間品である各種部品や部品組立体(以下、これらを総称して「ワーク」という。この「ワーク」は、図1において符号Wで示されている。)を溶剤で洗浄して、これらのワークに付着する切削用冷却油等の油分や切削屑(切粉)、一般ゴミ等のパーティクルを除去し、これらのワークを乾燥させるとともに、洗浄に用いられた溶剤を高い回収効率で回収するために使用される。
【0047】
その全体構成は、概略、図1及び図4に図示されるように、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13と、第3段の洗浄槽13に続くベーパー槽(蒸気乾燥槽)20と、該ベーパー槽20に続く密閉型完全乾燥槽30と、該密閉型完全乾燥槽30に続く溶剤回収装置40とから成っている。
【0048】
第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13、ベーパー槽20の詳細な構造と作用とは、図10に図示される従来の溶剤洗浄機010における第1段ないし第3段の洗浄槽011〜013、ベーパー槽020の詳細な構造と作用と略同様であり、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13、ベーパー槽20は、従来の溶剤洗浄機010の第1段ないし第3段の洗浄槽011〜013、ベーパー槽020にそれぞれ付された符号の頭文字0を単に削除して示しただけのものであるので、重複する詳細な説明を省略する。
なお、符号10は、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13、ベーパー槽20から構成され、従来の溶剤洗浄機010に対応する溶剤洗浄機部分を示している。洗浄槽の段数は、必要に応じて増設される。
【0049】
ここで、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13、ベーパー槽20におけるワークの洗浄・乾燥は、従来の溶剤洗浄機010の説明でも述べたとおり、一般に、溶剤の消費量が多い上に、ベーパー槽20のみによりワークを乾燥させることが困難である。その理由は、従来の溶剤洗浄機010の説明でも簡単に述べたが、ここで、さらに敷衍して説明すれば、以下のとおりである。
今、ベーパー槽20内に溜められた溶剤液を加熱し、沸騰させて、溶剤蒸気を発生させると、この溶剤蒸気は、空気より重いため、液面上に蒸気相として存在する。この蒸気相中に、溶剤の沸点よりも低い温度のワークを導入すると、ワーク表面に溶剤蒸気が凝縮する。この凝縮した溶剤液は、ワーク表面に付着している油分やパーティクルなどを除去しつつ、流れ落ちる。このように、ワーク表面に常に清浄な溶剤が凝縮し、流れ落ちることによって蒸気洗浄が進行する。ワークは、次第に蒸気により温められ、やがて、ワーク表面の温度は、蒸気温度と同じになるため、溶剤蒸気の凝縮が起こらなくなり、ワークは乾燥される。このようにして蒸気乾燥が完了したワークは、蒸気相を乱さないようにゆっくりと引き上げられ、ベーパー槽20の外に出される。しかしながら、ワークの大きさや形状によっては、ベーパー槽20のみによりワークを完全に乾燥させることが困難である。ワークが大きい場合は、その表面を一様に温めて完全乾燥させるのが難しく、また、凹形状部や盲孔がある場合は、それらに溜まる溶剤が蒸発し切れないうちにワークがベーパー槽20から出されて、そのまま溶剤が残留してしまうからである。
【0050】
そこで、本実施例1の溶剤洗浄装置においては、ベーパー槽20を経たワークを完全に乾燥させるとともに、蒸発した溶剤の高効率回収を図るために、ベーパー槽20の直後に密閉型完全乾燥槽30が設置され、また、この密閉型完全乾燥槽30の後に溶剤回収装置40が設置されている。
【0051】
密閉型完全乾燥槽30は、その内部の周壁にヒータ32が周回されて設置されており、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13、ベーパー槽20において発生した溶剤蒸気とともに、室内(槽内)に搬入されたワーク(及び該ワークを収容するトレイ)は、この完全に密閉された室内で、ヒータ32により高温に保持された雰囲気の中で加熱されて、その特に凹形状部や盲孔に蒸発し切れないままで残っている溶剤が汚れと共に蒸発させられ、ワークは、完全に乾燥される。このようにして完全に洗浄され、乾燥されたワークは、次いで、密閉型完全乾燥槽30の蓋38が開放されることにより、外部へ取り出され、次工程へと搬送される。他方、新たに発生した溶剤蒸気も加わって、ガス濃度が上昇した室内の溶剤蒸気は、高温空気と混合した状態で、配管39を通って溶剤回収装置40へと送られる。符号31は、ベーパー槽20と密閉型完全乾燥槽30との間を仕切るシャッターを示している。
【0052】
なお、この密閉型完全乾燥槽30は、図2に図示されるように、変形されることができる。
この変形例においては、密閉型完全乾燥槽30は、その内部にガス攪拌ファン33を備えている。そして、このガス攪拌ファン33により、密閉型完全乾燥槽30内のガス濃度が上昇した溶剤蒸気を攪拌して、室内に拡散させる。これにより、密閉型完全乾燥槽30内でのワークの加熱・乾燥を迅速に、効率良く行うことができる。
【0053】
また、この密閉型完全乾燥槽30は、図3に図示されるように、さらに変形されることができる。
この変形例においては、密閉型完全乾燥槽30は、その内部とガス吸引口34a及びガス吐出口34bを介して流体連通する閉鎖循環路34を備えており、この閉鎖循環路34には、送風ファン35と、ヒータ36と、フィルター37とが設けられている。そして、ガス吸引口34aより送風ファン35により吸引された溶剤蒸気を含む温風をヒータ36により加熱し、フィルター37により濾過して、ガス吐出口34bより密閉型完全乾燥槽30内に吐出するようになっている。このようにすることにより、ヒータ36により加熱されて生成された乾燥熱源となる温風をヒータ36により再加熱し、フィルター37により浄化して、再生しつつ、密閉型完全乾燥槽30内を満遍なく循環させて、そこで温風中のパーティクル等がワークに再付着してワークを汚すのを防止しつつ、ワークの加熱・乾燥をさらに迅速に、さらに効率良く行うことができる。
【0054】
次に、溶剤回収装置40の構造と作用とについて説明する。
溶剤回収装置40は、図4に図示されるように、予備冷却器42、圧縮機43、熱交換器ユニット50、分離槽(回収タンク)54及び冷凍機60を備えている。
予備冷却器42は、配管39、41を通して密閉型完全乾燥槽30から供給される温度約70°Cの溶剤蒸気を吸引して、これを、配管44を通して供給される冷却水と熱交換させて、圧縮機43を保護するために、40°Cにまで冷却する。次いで、圧縮機43は、この冷却された溶剤蒸気を吸引して、溶剤蒸気の濃度を高めるために、圧力0.7Mpa、温度70°Cにまで加圧、加温し、これを熱交換器ユニット50に送り込む。熱交換器ユニット50は、この加圧、加温された溶剤蒸気と、冷凍機60から供給される冷媒ガスとを熱交換させて、溶剤蒸気を冷却し、液化する。液化された溶剤及び不凝縮気体の混合体は、配管53、減圧弁75を通って分離槽54に導かれ、そこで、溶剤液と不凝縮気体とに分離される。そして、溶剤液は、そこから水分離器24へと送られて、再び、第1段ないし第3段の洗浄槽11〜13における洗浄用溶剤として使用される。また、不凝縮気体成分は、配管55を通して排気される。なお、ここでは、前記溶剤として、ディップゾール社からSC−52Sという商品名で提供されている臭素系溶剤(沸点71°C)が使用されている。
【0055】
熱交換器ユニット50は、一対の第1の熱交換器51aと第2の熱交換器51bとを備えている。このように、熱交換器ユニット50が熱交換器を一対備えるのは、次の理由による。すなわち、従来の溶剤洗浄機では、溶剤回収がなお十分とは言い難く、この解決のため、例えば、溶剤洗浄機に熱交換器を接続し、溶剤ガスをこの熱交換器内に導いて冷却して凝縮させ、その溶剤液を回収するとしても、熱交換器内に流入してくる溶剤ガスには必然的に大気中の水分が含まれるため、連続運転を行えば時間とともに熱交換器内部は着霜することになり、その解凍を行うためには定期的に溶剤回収運転を停止せざるを得ず、効率が悪いものとなる。そこで、溶剤ガスを長時間にわたって連続的且つ効率的に凝縮させて回収することができるようにするために、熱交換器を2機設けて、これらを交互に使用できるようにするのである。
【0056】
これらの熱交換器は、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続される場合と、パラレルに接続される場合とがあるが、本実施例1においては、シリーズに接続されており、しかも、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられるようになっている。このことを、図5を参照して、具体的に説明すると、(1)圧縮機43を出た溶剤蒸気の流れが実線で示される流れにされ、この流れに対して、第1の熱交換器51aが上流側に、第2の熱交換器51bが下流側にあるようにして、それぞれ配置・接続される配置・接続パターンと、(2)同溶剤蒸気の流れが破線で示される流れにされ、この流れに対して、第2の熱交換器51bが上流側に、第1の熱交換器51aが下流側にあるようにして、それぞれ配置・接続される配置・接続パターンとの間で、交互に切り替えられるようになっているものである。
【0057】
そして、両熱交換器が(1)の配置・接続パターンに設定されている場合には、下流側に位置する第2の熱交換器51bには、冷凍機60で生成された冷媒ガスが後述する分岐冷媒配管61b(図5では実線で示されている)を通して供給され、ここで、溶剤蒸気と冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この間、上流側に位置する第1の熱交換器51aは、その内部を加圧、加温された溶剤蒸気が流れるのみで、冷媒ガスの供給が遮断されて、溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を中断している。そして、前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより−15°C程度にまで冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を、その溶剤蒸気の熱で溶解して除去する解凍運転を続行する。この解凍運転により、第1の熱交換器51aの伝熱壁面の温度は、0°Cにまで回復する。
【0058】
また、両熱交換器が(2)の配置・接続パターンに設定されている場合には、下流側に位置する第1の熱交換器51aには、冷凍機60で生成された冷媒ガスが後述する分岐冷媒配管61a(図5では破線で示されている)を通して供給され、ここで、溶剤蒸気と冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この間、上流側に位置する第2の熱交換器51bは、その内部を加圧、加温された溶剤蒸気が流れるのみで、冷媒ガスの供給が遮断されて、溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を中断している。そして、前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を、その溶剤蒸気の熱で溶解して除去する解凍運転を続行する。
【0059】
このように、本実施例1においては、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されて、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられるようになっており、且つ、この位置の切替えに同期して、シリーズ接続の下流側に位置する一方の熱交換器が加圧、加温された溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を続行する間、シリーズ接続の上流側に位置する他方の熱交換器がその冷却運転を中断して、加圧、加温されて流れて来る溶剤蒸気によって自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転されるようになっているものである。
【0060】
なお、第1及び第2の熱交換器51a、51bには、第1及び第2のヒータ52a、52b(図4参照)がそれぞれ付設されて、これらのヒータが発生する外部熱源が、これらの熱交換器の解凍運転をサポートするように使用されることがあるが、本実施例1においては、使用されないので、不要である。
【0061】
ここで、冷凍機60の構造と作用とについて、さらに詳細に説明する。
冷凍機60は、概略、冷媒配管61が途中において二股に分岐されて分岐冷媒配管61a、61bとされた冷媒回路上に、圧縮機62、凝縮器63、膨張弁64a、64bが、この順に設置されるとともに、圧縮機62と凝縮器63との間から高温冷媒ガス配管67a(往路)、67b(復路)が分岐されることにより構成されている。ここで、膨張弁64aは、分岐冷媒配管61aに設置され、膨張弁64bは、分岐冷媒配管61bに設置されている。これらの分岐冷媒配管61a、61bにおいて、膨張弁64a、64bの上流側には、切替弁65a、65bが設置されている。凝縮器63は、圧縮機62を出た高温冷媒ガスを配管72を通して供給される冷却水と熱交換させて、凝縮させて冷媒液にする。
【0062】
高温冷媒ガス配管67aが冷媒配管61から分岐する個所には、三方弁66が設置されている。そして、この三方弁66が高温冷媒ガス配管67a方向に開にされると、圧縮機62から凝縮器63方向に流れていた高圧、高温の冷媒ガスの一部が高温冷媒ガス配管67a方向に流れる。高温冷媒ガス配管67aは、その末端が分岐冷媒配管61a、61bのいずれかと、熱交換器ユニット50より上流側の位置において切替弁68a、68bにより切替え接続されるようになっている。また、高温冷媒ガス配管67bは、その基端が、分岐冷媒配管61a、61bのいずれかと、熱交換器ユニット50より下流側の位置において切替弁69a、69bにより切替え接続されるようになっている。
【0063】
しかしながら、これら高温冷媒ガス配管67a、67bも、本実施例1においては使用されず、三方弁66、4個の切替弁68a、68b、69a、69bは、いずれも本実施例1においては、閉止されている。したがって、本実施例1においては、これら高温冷媒ガス配管67a、67b、三方弁66、4個の切替弁68a、68b、69a、69bは、除去されても良い。冷凍機60から、これら高温冷媒ガス配管67a、67b、三方弁66、4個の切替弁68a、68b、69a、69bを取り除き、冷媒配管61から分岐冷媒配管61a、61bが分岐されないものは、通常の冷凍サイクルの基本構成を示すものである。
【0064】
冷凍機60は、また、分岐冷媒配管61a、61bが熱交換器ユニット50より下流側で合流する位置と圧縮機62との間の冷媒回路上にアキュムレータ70を備えており、さらに、凝縮器63と、冷媒配管61が熱交換器ユニット50より上流側で二股に分岐されて分岐冷媒配管61a、61bとされる位置との間の冷媒回路上にレシーバタンク71を備えている。その他、冷媒回路上の所定の位置に複数の温度センサや圧力センサ、これらのセンサにより制御される各種弁等を備えているが、詳細な説明を省略する。
【0065】
冷凍機60は、前記のようにして構成されているので、本実施例1において、両熱交換器が(1)の配置・接続パターンに設定されている場合には、切替弁65bが開かれ、膨張弁64bが適度の開度に調節されて、下流側に位置する第2の熱交換器51bに冷凍機60で生成された冷媒ガス(この冷媒ガスは、冷媒液が膨張弁64bを通過後、気化膨脹して得られたものである。)が分岐冷媒配管61bを通して供給される。この間、切替弁65aは閉じられており、上流側に位置する第1の熱交換器51aには、冷媒ガスは供給されない。
【0066】
また、両熱交換器が(2)の配置・接続パターンに設定されている場合には、切替弁65aが開かれ、膨張弁64aが適度の開度に調節されて、下流側に位置する第1の熱交換器51aに冷凍機60で生成された冷媒ガス(この冷媒ガスは、冷媒液が膨張弁64aを通過後、気化膨脹して得られたものである。)が分岐冷媒配管61aを通して供給される。この間、切替弁65bは閉じられており、上流側に位置する第2の熱交換器51bには、冷媒ガスは供給されない。
なお、この冷凍機60は、予備冷却器42に配管44を通して供給される冷却水を生成するためにも使用されるようにシステム構成することが可能である。
【0067】
本実施例1の溶剤回収装置40を備えた溶剤洗浄装置は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
複数の洗浄槽11〜13を経て溶剤により洗浄され、ベーパー槽(蒸気乾燥槽)20を経て溶剤蒸気で仕上げ洗浄及び乾燥されて、油分やパーティクルが除去されたワークは、次いで、密閉型完全乾燥槽30に入り、ここで、密閉された室内で加熱・乾燥されて、ワークの表面、とりわけ、凹形状部や盲孔等の汲み出しにくい所になお付着して残っていた溶剤が蒸発させられ、完全に除去される。このようにして、ワークを完全に乾燥させることができる。
【0068】
しかも、このようにしてワークから分離させられて蒸発し、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気は、次いで、溶剤回収装置40に吸引され、そこで、液化して、回収されるので、溶剤の回収効率が著しく向上して、溶剤の消費量を大幅に低減することができる。また、環境を汚染することもない。
【0069】
さらに、その溶剤回収装置40が、密閉型完全乾燥槽30で発生した、ガス濃度が上昇した溶剤蒸気を吸引して予備冷却する予備冷却器42と、該予備冷却器42を出た溶剤蒸気を吸引して、さらにガス濃度を上昇させるために圧縮する圧縮機43と、該圧縮機43を出た加圧、加温された溶剤蒸気を冷却して液化する第1及び第2の熱交換器51a、51bと、該第1及び第2の熱交換器51a、51bを出た溶剤液を回収する分離槽(回収タンク)54と、該第1及び第2の熱交換器51a、51bに冷媒ガスを交互に供給する冷凍機60とを備えて成り、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されて、このシリーズ接続の上流側の位置と下流側の位置との間で交互に切り替えられるようにされており、この位置の切替えに同期して、そのシリーズ接続の下流側に位置する一方の熱交換器が加圧、加温された溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を続行する間、そのシリーズ接続の上流側に位置する他方の熱交換器が冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、交互に切替え運転されるので、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができる。
【0070】
特に、その一方の熱交換器には、冷凍機60を出た冷媒ガスが供給され、他方の熱交換器には、溶剤蒸気が流れるのみで、外部熱源の投入が遮断されているので、他方の熱交換器の解凍運転には、溶剤蒸気自身の保有熱が利用されて、外部熱源を必要とすることがなく、溶剤回収を効率的、経済的に行うことができる。
なお、第1及び第2の熱交換器51a、51bの上記した切替え運転がきわめて長時間続行されると、冷却運転を続行する側の熱交換器において氷結が進んで、次の切替え運転の時には、その氷結の解凍に溶剤蒸気自身の保有熱では間に合わなくなる可能性があり、そのような事態が生じた場合には、その氷結が熱交換器を詰まらせる虞があるので、そのような事態に至らない氷結時間をデータから割り出して、切替え運転の時間間隔を適切に設定する必要がある。
【0071】
また、密閉型完全乾燥槽30が、その内部にワークを加熱・乾燥させるためのヒータ32と、ガス攪拌ファン33とを備えていて、密閉型完全乾燥槽30で発生した溶剤蒸気をガス攪拌ファン33により攪拌して、室内に拡散させるようにされる場合には、密閉型完全乾燥槽30内でのワークの加熱・乾燥を迅速に、効率良く行うことができる。
【0072】
また、密閉型完全乾燥槽30が、その内部とガス吸引口34a及びガス吐出口34bを介して流体連通する閉鎖循環路34を備え、該閉鎖循環路34には、送風ファン35と、ヒータ36と、フィルター37とが設けられており、ガス吸引口34aより送風ファン35により吸引した溶剤蒸気をヒータ36により加熱し、フィルター37により濾過して、ガス吐出口34bより密閉型完全乾燥槽30内に吐出するようにされる場合には、ヒータ36により加熱されて生成された乾燥熱源となる温風を、ヒータ36により再加熱し、フィルター37により浄化して、再生しつつ、密閉型完全乾燥槽30内を循環させて、そこでのワークへのパーティクル等の汚れ再付着を防止しつつ、ワークの加熱・乾燥をさらに迅速に、さらに効率良く行うことができる。
【0073】
次に、本願の発明の第2の実施例(実施例2)について説明する。
図6は、本実施例2の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。図6に図示されるように、本実施例2の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40aは、実施例1の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40と比較すると、第1及び第2の熱交換器51a、51bにそれぞれ付設された第1及び第2のヒータ52a、52bが、溶剤回収装置40においては、これらの熱交換器の解凍運転をサポートするように使用されなかったのに対して、溶剤回収装置40aにおいては、これらの熱交換器の解凍運転をサポートするように使用される点で異なっている。
【0074】
すなわち、実施例1の溶剤回収装置40においては、加圧、加温された溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行する他方の熱交換器は、その内部を加圧、加温された溶剤蒸気が流れるのみで、外部熱源の投入が遮断されていて、外部熱源と溶剤蒸気との間の熱交換も、外部熱源による熱交換器の伝熱壁の外部からの加熱も行われなかったが、本実施例2の溶剤回収装置40aにおいては、該他方の熱交換器は、その内部を加圧、加温された溶剤蒸気が流れるとともに、その外部には、第1及び第2のヒータ52a、52bのうちの該他方の熱交換器に付設された側のヒータが発生する外部熱源が存在することになるので、この他方の熱交換器は、その内部から溶剤蒸気自身の保有熱による加熱を受けるとともに、その外部から、この外部熱源による加熱を受けることになる。このようにして、この外部熱源は、該他方の熱交換器に投入されて、該他方の熱交換器の溶剤蒸気自身の保有熱による霜取り・解凍運転をサポートするように使用されるものである。
【0075】
本実施例2の溶剤回収装置40aを備えた溶剤洗浄装置は、前記のように構成されているので、さらに、次のような効果を奏することができる。
第1及び第2の熱交換器51a、51bのうちの他方の熱交換器の解凍運転には、溶剤蒸気自身の保有熱が利用されるとともに、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータ52aもしくは52bが発生する外部熱源が投入されて、該他方の熱交換器が冷却運転を中断して自己の霜取りを行う解凍運転を続行する間、該外部熱源が該他方の熱交換器の解凍運転をサポートするようにされているので、該他方の熱交換器での自己の解凍を強制的に、短時間に行って、その氷結をより良く防止することができ、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0076】
次に、本願の発明の第3の実施例(実施例3)について説明する。
図7は、本実施例3の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。本実施例3の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40bは、実施例1、2の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40、40aと比較すると、第1及び第2の熱交換器51a、51bが、溶剤回収装置40、40aにおいては、溶剤蒸気の流れに対してシリーズに接続されていたのに対して、溶剤回収装置40bにおいては、溶剤蒸気の流れに対してパラレルに接続される点で異なっている。また、実施例2の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40aと比較すると、第1及び第2のヒータ52a、52bが、溶剤回収装置40aにおいては、これらの熱交換器の解凍運転をサポートするように使用されていたのに対して、溶剤回収装置40bにおいては、これらの熱交換器の解凍運転をサポートするように使用されていない点でも異なっている。しかし、いずれの溶剤回収装置40、40a、40bにおいても、いずれか一方の熱交換器が加圧、加温された溶剤蒸気を冷却して液化する冷却運転を続行する間、他方の熱交換器がその冷却運転を中断して、自己の霜取りを行う解凍運転を続行するように、これらの熱交換器が交互に切替え運転される点で共通している。
【0077】
具体的に説明すると、本実施例3の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40bにおいては、圧縮機43を出た溶剤蒸気の流れが、第1及び第2の熱交換器51a、51bの各々の熱交換器に交互に切替え接続されるようになっている。そして、溶剤蒸気の流れに接続された側の熱交換器には、冷凍機60の膨張弁64aもしくは64bを出た極冷冷媒ガスが供給され、ここで、溶剤蒸気と極冷冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて回収される。この間、溶剤蒸気の流れに接続されなかった側の熱交換器には、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが供給され、ここで、この熱交換器の伝熱壁を外部から加熱して、この熱交換器が前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を、その熱で溶解して除去するようになっている。
すなわち、溶剤蒸気の流れに接続された側の熱交換器は、溶剤蒸気の冷却運転を続行し、溶剤蒸気の流れに接続されなかった側の熱交換器は、自己の解凍運転を続行するように、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、交互に切替え運転されるものである。
【0078】
このことを、図4、図7を参照して、さらに具体的に説明すると、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、(1)圧縮機43を出た溶剤蒸気の流れが実線で示される流れにされ、この溶剤蒸気の流れに対して、第1の熱交換器51aが接続され、第2の熱交換器51bが切り離される配置・接続パターンと、(2)同溶剤蒸気の流れが破線で示される流れにされ、この溶剤蒸気の流れに対して、第2の熱交換器51bが接続され、第1の熱交換器51aが切り離される配置・接続パターンとの間で、交互に切替え接続される。
【0079】
そして、両熱交換器が(1)の配置・接続パターンに設定されている場合には、溶剤蒸気の流れに接続される第1の熱交換器51aには、冷凍機60の膨張弁64aを出た極冷冷媒ガスが分岐冷媒配管61aを通して供給され(図7では実線で示されている)、ここで、溶剤蒸気と極冷冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この間、溶剤蒸気の流れから切り離された第2の熱交換器51bには、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが三方弁66、高温冷媒ガス配管67a(往路)、切替弁68b、分岐冷媒配管61bを通して供給され(図7では実線で示されている)、ここで、この熱交換器の伝熱壁を外部から加熱して、この熱交換器が前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を、その熱で溶解して除去する。
【0080】
また、両熱交換器が(2)の配置・接続パターンに設定されている場合には、溶剤蒸気の流れに接続される第2の熱交換器51bには、冷凍機60の膨張弁64bを出た極冷冷媒ガスが分岐冷媒配管61bを通して供給され(図7では破線で示されている)、ここで、溶剤蒸気と極冷冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この間、溶剤蒸気の流れから切り離された第1の熱交換器51aには、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが三方弁66、高温冷媒ガス配管67a(往路)、切替弁68a、分岐冷媒配管61aを通して供給され(図7では破線で示されている)、ここで、この熱交換器の伝熱壁を外部から加熱して、この熱交換器が前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を、その熱で溶解して除去する。
【0081】
このようにして第1の熱交換器51a及び第2の熱交換器51bを交互に通過した高温冷媒ガスは、温度を低下させた状態で分岐冷媒配管61a、61b、切替弁69a、69bを交互に通り、次いで、高温冷媒ガス配管67b(復路)を通って冷媒配管61に戻される。この高温冷媒ガスが冷媒配管61に戻される位置は、三方弁66と凝縮器63との間の位置とされている。
【0082】
本実施例3の溶剤回収装置40bを備えた溶剤洗浄装置は、前記のように構成されているので、次のような特有の効果を奏することができる。
溶剤回収装置40bが備える第1及び第2の熱交換器51a、51bは、溶剤蒸気の流れに対してパラレルに接続されて、溶剤蒸気の冷却運転と自己の解凍運転とに交互に切替え運転されるので、溶剤回収を長時間にわたって連続的、効率的に行うことができる。
【0083】
また、第1及び第2の熱交換器51a、51bのうちの一方の熱交換器での溶剤蒸気の冷却運転、他方の熱交換器での自己の解凍運転のいずれにも、その熱源として、冷凍機60を出た冷媒ガス(極冷冷媒ガス及び高温冷媒ガス)が使用されるので、その他の外部熱源を必要とすることがなく、溶剤回収装置40bの機器構成を比較的簡易に行うことができる。
【0084】
次に、本願の発明の第4の実施例(実施例4)について説明する。
図8は、本実施例4の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。本実施例4の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40cは、実施例3の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40bと比較すると、自己の解凍運転を続行する他方の熱交換器の外部熱源として、溶剤回収装置40bにおいては、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが使用されたのに対して、溶剤回収装置40cにおいては、それぞれの熱交換器が備える第1もしくは第2のヒータ52a、52bが発生する熱源が使用される点で異なっている。
【0085】
図8を参照して、具体的に説明すると、第1及び第2の熱交換器51a、51bが、実施例3における(1)の配置・接続パターンと同じ配置・接続パターンに設定されている場合において、溶剤蒸気の流れに接続される第1の熱交換器51aには、冷凍機60の膨張弁64aを出た冷媒ガスが分岐冷媒配管61aを通して供給され(図8では実線で示されている)、ここで、溶剤蒸気と冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この点は、極冷冷媒ガスが単に冷媒ガスと呼称されただけで、実施例3と異なるところはない。
【0086】
他方、前記のようにして、第1の熱交換器51aが溶剤蒸気の冷却運転を続行する間、溶剤蒸気の流れから切り離された第2の熱交換器51bには、該第2の熱交換器51bが備える第2のヒータ52bが発生する熱源が投入され、この外部熱源が、この熱交換器の伝熱壁を外部から加熱して、この熱交換器が前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を溶解して除去する。したがって、この場合には、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが使用されることはない。
【0087】
また、第1及び第2の熱交換器51a、51bが、実施例3における(2)の配置・接続パターンと同じ配置・接続パターンに設定されている場合において、溶剤蒸気の流れに接続される第2の熱交換器51bには、冷凍機60の膨張弁64bを出た冷媒ガスが分岐冷媒配管61bを通して供給され(図8では破線で示されている)、ここで、溶剤蒸気と冷媒ガスとの熱交換が行われて、溶剤蒸気は、冷却され、液化されて、回収される。この点は、極冷冷媒ガスが単に冷媒ガスと呼称されただけで、実施例3と異なるところはない。
【0088】
他方、前記のようにして、第2の熱交換器51bが溶剤蒸気の冷却運転を続行する間、溶剤蒸気の流れから切り離された第1の熱交換器51aには、該第1の熱交換器51aが備える第1のヒータ52aが発生する熱源が投入され、この外部熱源が、この熱交換器の伝熱壁を外部から加熱して、この熱交換器が前の切替え運転の時に冷却運転を続行したことにより冷やされて自己の伝熱壁面に付着した霜を溶解して除去する。したがって、この場合には、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスが使用されることはない。
【0089】
本実施例4の溶剤回収装置40cにおいては、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、いずれも熱交換性能に優れたフィン付き管式熱交換器により構成され、1つの共通のタンク73内に収納されており、このタンク73は、溶剤液の回収タンクを兼ねている。したがって、図4に図示されるような別置きの分離槽(回収タンク)54は、不要である。また、第1の熱交換器51aと第2の熱交換器51bとの間には、仕切り壁74が設けられていて、各熱交換器における熱交換作用が互いに干渉し合わないようにされている。
【0090】
本実施例4の溶剤回収装置40cを備えた溶剤洗浄装置は、前記のように構成されているので、次のような特有の効果を奏することができる。
第1及び第2の熱交換器51a、51bのうちの他方の熱交換器での自己の解凍運転に、その熱源として、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータ52aもしくは52bが発生する外部熱源が投入されるので、該他方の熱交換器での自己の解凍を強制的に、短時間に行って、その氷結を防止することができ、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0091】
また、第1及び第2の熱交換器51a、51bが、1つの共通のタンク73内に収納され、このタンク73は、溶剤液の回収タンクを兼ねており、第1の熱交換器51aと第2の熱交換器51bとの間には、仕切り壁74が設けられ、各熱交換器における熱交換作用が互いに干渉し合わないようにされているので、溶剤回収装置40cをコンパクトに構成して、製作コストを低減することができるとともに、両熱交換器での熱交換を効率良く行わせることができる。
【0092】
また、第1及び第2の熱交換器51a、51bは、フィン付き管式熱交換器により構成されているので、熱交換性能に優れたフィン付き管式熱交換器を使用して、第1及び第2の熱交換器51a、51bの氷結しにくい構造を得ることができ、これにより、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0093】
次に、本願の発明の第5の実施例(実施例5)について説明する。
図9は、本実施例5の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。本実施例5の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40dは、基本的に、実施例3、4の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置40b、40cを組み合わせた溶剤回収装置に相当している。すなわち、その溶剤回収装置40dは、自己の解凍運転を続行する他方の熱交換器の外部熱源として、溶剤回収装置40bにおいて使用された、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスと、溶剤回収装置40cにおいて使用された、それぞれの熱交換器が備える第1もしくは第2のヒータ52a、52bが発生する熱源とが、ともに使用されたものである。その他の構造部分は、溶剤回収装置40b、40cのそれぞれ対応する部分と特に異なるところはない。
【0094】
図9は、以上のような溶剤回収装置40dと溶剤回収装置40b、40cとの関係が、やや読み取られにくい図面になっているが、膨張弁64a、64bが1つの弁図形の上に合体させられて象徴的に描かれただけであり、その他の部分については、溶剤回収装置40b、40cのそれぞれ対応する部分と、基本的に異なるところはないものである。第1及び第2の熱交換器51a、51bが、フィン付き管式熱交換器により構成され、1つの共通のタンク73内に収納され、このタンク73が、溶剤液の回収タンクを兼ねる点も、実施例4の溶剤回収装置40cと同様である。したがって、これ以上の詳細な説明を省略する。なお、タンク73で回収された溶剤液は、直接、水分離器24に導かれて良い。
【0095】
本実施例5の溶剤回収装置40dを備えた溶剤洗浄装置は、前記のように構成されているので、次のような特有の効果を奏することができる。
第1及び第2の熱交換器51a、51bのうちの他方の熱交換器での自己の解凍運転に、その熱源として、冷凍機60の圧縮機62を出た高温冷媒ガスと、該他方の熱交換器が備える他方の外部ヒータ52aもしくは52bが発生する外部熱源とが投入されるので、該他方の熱交換器での自己の解凍をさらに強制的に、さらに短時間に行って、その氷結をさらに良く防止することができ、溶剤回収がきわめて長時間にわたって連続的に行われたとしても、該他方の熱交換器での熱交換が終始効率良く行われて、溶剤回収をさらに効率的に行うことができる。
【0096】
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されずに、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本願の発明の第1の実施例(実施例1)の溶剤回収装置を備えた溶剤洗浄装置の、当該溶剤回収装置部分を除いた部分の概略構成図である。
【図2】同溶剤洗浄装置がさらに備える密閉型完全乾燥槽の変形例を示す図である。
【図3】同密閉型完全乾燥槽の他の変形例を示す図である。
【図4】本願の発明の各実施例の溶剤洗浄装置に共通する溶剤回収装置の一般的な概略構成図である。
【図5】本実施例1の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。
【図6】本願の発明の第2の実施例(実施例2)の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。
【図7】本願の発明の第3の実施例(実施例3)の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。
【図8】本願の発明の第4の実施例(実施例4)の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。
【図9】本願の発明の第5の実施例(実施例5)の溶剤洗浄装置が備える溶剤回収装置の模式的な概略構成図である。
【図10】従来の溶剤洗浄機の一般的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
10…従来の溶剤洗浄機相当部分、11〜13…第1段〜第3段洗浄槽、20…ベーパー槽(蒸気乾燥槽)、21…ヒータ、22…冷却器、23…樋、24…水分離器、25…超音波発振器、26…籠、27…ハンガー、30…密閉型完全乾燥槽、31…シャッター、32…ヒータ、33…ガス攪拌ファン、34a…ガス吸引口、34b…ガス吐出口、35…送風ファン、36…ヒータ、37…フィルター、38…蓋、39…配管、40…溶剤回収装置、41…配管、42…予備冷却器、43…圧縮機、44…配管、50…熱交換器ユニット、51a…第1の熱交換器、51b…第2の熱交換器、52a…第1のヒータ、52b…第2のヒータ、53…配管、54…分離槽(回収タンク)、55…配管、60…冷凍機、61…冷媒配管、61a、61b…分岐冷媒配管、62…圧縮機、63…凝縮器、64a、64b…膨張弁、65a、65b…切替弁、66…三方弁、67a…高温冷媒ガス配管(往路)、67b…高温冷媒ガス配管(復路)、68a、68b…切替弁、69a、69b…切替弁、70…アキュムレータ、71…レシーバタンク、72…配管、73…タンク、74…仕切り壁、75…減圧弁、W…ワーク。
















【出願人】 【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
【識別番号】506306536
【氏名又は名称】株式会社ダン科学
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100108545
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 元廣


【公開番号】 特開2008−36595(P2008−36595A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217765(P2006−217765)