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【発明の名称】 入線管路内のクリーニング装置及びクリーニング工法
【発明者】 【氏名】岡野 良成

【氏名】大島 謙二

【氏名】大山 智春

【要約】 【課題】管路内にケーブルが存在する状態で管路内全面を確実に洗浄し、管路内に水が溜まっていても、管路内のクリーニングができ、管路内面に強固に付着した付着物等を確実に除去する。

【構成】導通治具10と掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40とを連結させ、これらの治具にケーブルKを挿通した状態で、これらを管路Pの一端から他端に向けて牽引する。それと同時に、管路Pの他端側から管路P内を吸引・分離回収手段3によって吸引し吸引物を分離回収する。更に、管路Pの一端側から、洗浄水導入手段8によって洗浄水を導入する。払拭治具30は螺旋状に巻かれたブラシ部材32を有し、このブラシ部材は、掻き取り治具20で残った付着物の跡を消すために管路内面に所定の接触幅を有して接触する。払拭治具30はブラシ部材間に螺旋状の通気経路34を形成し、吸引・分離回収手段の吸引によって通気経路34に高速旋回流を生じさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内にケーブルが敷設されている入線管路内をクリーニングする入線管路内のクリーニング装置であって、
外周面に装着されて前記管路の内面に圧接される掻き取り部材と中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる掻き取り治具と、
外周面に装着されて前記管路の内面に接触されて中心軸方向に螺旋状に巻かれて前記中心軸に対して放射状に延びるブラシ部材と前記中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる払拭治具と、
前記掻き取り治具と前記払拭治具とを連結させて、前記各ケーブル挿通孔に前記ケーブルを挿通した状態で、前記掻き取り治具と前記払拭治具とを前記管路の一端から他端に向けて牽引する牽引手段と、
前記管路の一端側及び他端側の一方側に装着され、前記管路内を吸引すると共に吸引物を分離回収する吸引・分離回収手段と、
前記管路の一端側及び他端側の他方側に装着され、気流に混合させて前記管路内に洗浄水を導入する洗浄水導入手段とを備え、
前記払拭治具は、前記ブラシ部材間に該払拭治具の前後に連通する螺旋状の通気経路を形成し、前記吸引・分離回収手段の吸引によって前記通気経路に高速旋回流を生じさせることを特徴とする入線管路内のクリーニング装置。
【請求項2】
前記払拭治具の前記ブラシ部材は、前記掻き取り治具の前記掻き取り部材によって掻き取られた付着物の前記管路内面に残された跡を消すために、前記管路の内面に所定の接触幅を有して接触することを特徴とする請求項1に記載の入線管路内のクリーニング装置。
【請求項3】
連結された前記掻き取り治具と前記払拭治具の最前端と最後端のいずれか一方に連結され、前記管路の内面との間に気流間隙を形成する気流形成面を有する外周面と中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる洗浄治具を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の入線管路内のクリーニング装置。
【請求項4】
連結された前記掻き取り治具と前記払拭治具とからなる連結体、又は該連結体の最前端と最後端のいずれか一方に請求項3に記載の洗浄治具を連結した連結体の少なくとも最前端に導通治具を連結し、
該導通治具は、中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔を備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなり、前記ケーブルを前記管路の中心付近に保持することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入線管路内のクリーニング装置。
【請求項5】
前記掻き取り治具の掻き取り部材は、前記管路の軸方向に沿って複数列に分けて装着されると共に、各列では所定の間隔を持って装着され、全ての前記掻き取り部材によって前記管路の内面全周を掻き取り処理することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の入線管路内のクリーニング装置。
【請求項6】
管路内にケーブルが敷設されている入線管路内をクリーニングするクリーニング工法であって、
外周面に装着されて前記管路の内面に圧接される掻き取り部材と中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる掻き取り治具と、外周面に装着されて前記管路の内面に接触されて中心軸方向に螺旋状に巻かれたブラシ部材と前記中心軸に沿って前記ケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる払拭治具とを用い、
前記掻き取り治具と前記払拭治具とを連結させて、前記各ケーブル挿通孔に前記ケーブルを挿通した状態で、前記掻き取り治具と前記払拭治具を前記管路の一端から他端に向けて牽引すると同時に、前記管路の一端側及び他端側の一方側から前記管路内を吸引すると共に吸引物を分離回収し、前記管路の一端側及び他端側の他方側から気流に混合させて前記管路内に洗浄水を導入することを特徴とする入線管路内のクリーニング工法。
【請求項7】
前記掻き取り部材の掻き取り処理によって、前記管路内面の付着物を取り除き、前記払拭治具によって、前記管路内面から掻き取られて残った付着物の跡を消すことを特徴とする請求項6に記載された入線管路内のクリーニング工法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、管路内にケーブルが敷設されている入線管路を対象にして、管路内をクリーニングするクリーニング装置及びクリーニング工法に関する。
【背景技術】
【0002】
地中等へのケーブル敷設には、敷設領域に設置した管路内にケーブルを敷設する入線管路を用いた敷設方式が一般に採用されている。この入線管路においては、管路内に敷設されているケーブルの保安を確保するために管路の維持管理が必要であり、老朽化した入線管路に対しては内面の補修等の更新作業を施す必要がある。
【0003】
そして、このような更新作業を施す前段の作業としては、入線管路内の異物、或いは錆等の内面付着物を除去するクリーニング作業が不可欠であるが、管路内にエンドレスのケーブルが存在する入線管路では、このケーブルの存在が邪魔になって前述したクリーニング作業を十分に行うことができない問題がある。
【0004】
これに対して、下記特許文献1には、ケーブルが敷設された地中管路内を洗浄する洗浄装置及び洗浄方法が提示されている。この従来技術は、図1(a)(断面図)に示すように、地中管路P内の開口端から挿入されて管路P内に洗浄用の流体を供給する供給ホースJ1と、供給ホースJ1の先端に設けられると共に流体を管路P内に噴出する噴射ノズルJ2とを備え、更に、供給ホースJ1を管路P内に押し込むための押し込みロッドJ3とこの押し込みロッドJ3を供給ホースJ1に沿わせて連結保持する締結部材J4とを備えるものである。この従来技術によると、ケーブルKが敷設された管路P内の空間を利用して噴射ノズルJ2を管路Pに挿入し、噴射ノズルJ2から前方又は周囲に高圧水を噴射させて管路内を洗浄する。そして、噴出された水及び管路内の被除去物Wを吸引手段で吸引して管外へ排出するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−286540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来技術では、噴射ノズルJ2から噴射される高圧水の噴射方向をケーブルKが一部遮ることになるので、ケーブルKの陰になった部分が十分に洗浄できないという問題がある。
【0007】
また、図1(b)(断面図)に示すように、マンホールMに配設される管路Pの配管に低い箇所があり、その低い箇所に水Waが溜まっている場合には、水の中では噴射ノズルJ2から噴出される高圧水の噴射エネルギーが吸収されてしまうので、管路P内面に付着した被除去物を効果的に除去することができなくなってしまうという問題がある。
【0008】
更には、高圧水のみに頼る従来技術の方法では、管路内面に強固に付着した付着物や錆等を完全に除去することができない場合があり、これがその後に行うライニング等の補修作業の精度を低下させる原因になっていた。
【0009】
本発明は、このような事情に対処することを目的とするものであり、管路内にケーブルが存在する状態で管路内全面を確実に洗浄することができ、管路内に水が溜まっている状況であっても、効果的に管路内のクリーニングを行うことができ、或いは管路内面に強固に付着した付着物や錆等を確実に除去して、その後に行う補修作業の精度を向上させることができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。
【0011】
一つには、管路内にケーブルが敷設されている入線管路内をクリーニングする入線管路内のクリーニング装置であって、外周面に装着されて管路の内面に圧接される掻き取り部材と中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる掻き取り治具と、外周面に装着されて管路の内面に接触されて中心軸方向に螺旋状に巻かれて中心軸に対して放射状に延びるブラシ部材と中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる払拭治具と、掻き取り治具と払拭治具とを連結させて、各ケーブル挿通孔にケーブルを挿通した状態で、掻き取り治具と払拭治具とを管路の一端から他端に向けて牽引する牽引手段(例えば、実施形態における牽引装置7)と、管路の一端側及び他端側の一方側に装着され、管路内を吸引すると共に吸引物を分離回収する吸引・分離回収手段と、管路の一端側及び他端側の他方側に装着され、気流に混合させて管路内に洗浄水を導入する洗浄水導入手段とを備え、払拭治具は、ブラシ部材間に該払拭治具の前後に連通する螺旋状の通気経路を形成し、吸引・分離回収手段の吸引によって通気経路に高速旋回流を生じさせることを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、入線管路内のクリーニング装置は、掻き取り治具と払拭治具と牽引手段と吸引・分離回収手段と洗浄水導入手段とを備えることで、掻き取り治具の掻き取り処理によって管路内面の付着物が取り除かれ、払拭治具によって管路内面から取り除かれた付着物の跡が消される。これと同時に、吸引・分離回収手段によって管路内が吸引されると共に付着物が分離回収され、また洗浄水導入手段によって管路内に導入された洗浄水は、吸引・分離回収手段の吸引によって払拭治具の通気経路を流れて高速旋回流となって管路内面を洗浄する。このため、管路内面を効果的に洗浄することができ、管路内にケーブルが存在する状態で管路内面の全体を確実に洗浄することができる。また高速旋回流に流れる洗浄水は、ブラシ部材内に入り込んだ錆カス等の付着物を押し流すので、ブラシ部材内に錆かす等が溜まる事態を抑制することができる。さらに管路内に水が溜まっている状況であっても、掻き取り治具及び払拭治具によって、管路内面に付着した付着物を取り除くので、管路内のクリーニングを効果的に行うことができる。また管路内面に強固に付着物や錆等が付着していても、掻き取り治具がこれらを掻き取って除き、払拭治具が残った付着物等の跡を消すので、付着物等を確実に除去することができ、その後に行う補修作業の精度を向上させることができる。
【0013】
また一つには、前述した特徴に加えて、払拭治具のブラシ部材は、掻き取り治具の掻き取り部材によって掻き取られた付着物の管路内面に残された跡を消すために、管路の内面に所定の接触幅を有して接触することを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、ブラシ部材は、掻き取り部材によって掻き取られて残された付着物の跡を消すために、管路内面に所定の接触幅を有して接触することで、払拭治具のブラシ性能を向上することができ、付着物の跡を確実に消すことができる。
【0015】
また一つには、前述した特徴に加えて、連結された掻き取り治具と払拭治具の最前端と最後端のいずれか一方に連結され、管路の内面との間に気流間隙を形成する気流形成面を有する外周面と中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる洗浄治具を設けることを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、連結された掻き取り治具と払拭治具の最前端と最後端のいずれか一方に洗浄治具を連結することにより、管路内を吸引すると、洗浄治具の気流形成面に沿って形成された気流が洗浄治具本体と管路内面との間に形成された気流間隙に流入して高速化され、この高速化された気流と洗浄水導入手段によって導入された水が混合した気水混合流が管路内面を順次洗浄する。このため、管路内面に高速の気水混合流を流すことができ、管路内面の洗浄を効果的に行うことができる。
【0017】
また一つには、前述した特徴に加えて、連結された掻き取り治具と払拭治具とからなる連結体、又は連結体の最前端と最後端のいずれか一方に請求項3に記載の洗浄治具を連結した連結体の少なくとも最前端に導通治具を連結し、該導通治具は、中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔を備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなり、ケーブルを管路の中心付近に保持することを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、連結体の少なくとも最前端にケーブルを管路の中心付近に保持する導通治具を連結することで、ケーブルを管路の中心付近に保持することができる。また、連結された掻き取り治具と払拭治具、又は連結された掻き取り治具と払拭治具と洗浄治具の少なくとも最前端に導通治具を連結して、これらにケーブルを挿通することで、掻き取り治具と払拭治具と洗浄治具に挿通されるケーブルを管路の中心付近に保持することができ、掻き取り治具と払拭治具と洗浄治具の牽引移動を円滑に行うことができる。また、ケーブルのセンタリングによって掻き取り治具と払拭治具と洗浄治具の偏りが無くなるので、これらの治具を管路内全面に均一に作用させることができる。
【0019】
また一つには、前述した特徴に加えて、掻き取り治具の掻き取り部材は、管路の軸方向に沿って複数列に分けて装着されると共に、各列では所定の間隔を持って装着され、全ての掻き取り部材によって管路の内面全周を掻き取り処理することを特徴とする。
【0020】
この特徴によれば、掻き取り部材は、管路の軸方向に沿って複数列に分けて装着され、全ての掻き取り部材によって管路の内面全周を掻き取り処理可能であるので、吸引によって生じる気流を掻き取り部材が遮るのを防ぎ、且つ管路の内面全周を確実に掻き取り処理することができる。
【0021】
さらには、管路内にケーブルが敷設されている入線管路内をクリーニングするクリーニング工法であって、外周面に装着されて管路の内面に圧接される掻き取り部材と中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる掻き取り治具と、外周面に装着されて管路の内面に接触されて中心軸方向に螺旋状に巻かれたブラシ部材と中心軸に沿ってケーブルを挿通するケーブル挿通孔とを備え、該ケーブル挿通孔を開放する分割体からなる払拭治具とを用い、掻き取り治具と払拭治具とを連結させて、各ケーブル挿通孔にケーブルを挿通した状態で、掻き取り治具と払拭治具を管路の一端から他端に向けて牽引すると同時に、管路の一端側及び他端側の一方側から管路内を吸引すると共に吸引物を分離回収し、管路の一端側及び他端側の他方側から気流に混合させて管路内に洗浄水を導入することを特徴とする。
【0022】
この特徴によれば、掻き取り治具と払拭治具とを連結し、各治具のケーブル挿通孔にケーブルを挿通した状態で、これらの治具を管路の一端から他端に向けて牽引すると同時に管路内を吸引する共に管路内に洗浄水を導入することで、管路内にケーブルが存在する状態で管路内全面を洗浄することができ、管路内に水が溜まっている状況であっても、効果的に管路内のクリーニングを行うことができ、管路内面に強固に付着した付着物や錆等を確実に除去することができる。
【0023】
また一つには、前述した特徴に加えて、掻き取り部材の掻き取り処理によって、管路内面の付着物を取り除き、払拭治具によって、管路内面から掻き取られて残った付着物の跡を消すことを特徴とする。
【0024】
この特徴によれば、掻き取り部材の掻き取り処理によって、管路内面の付着物が取り除かれ、払拭治具によって、管路内面から掻き取られて残った付着物の跡を消すので、管路内面に付着した付着物の除去を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係わる入線管路内のクリーニング装置及びクリーニング工法によれば、前述した特徴を有することで、管路内にケーブルが存在する状態で管路内全面を確実に洗浄することができ、管路内に水が溜まっている状況であっても、効果的に管路内のクリーニングを行うことができ、或いは管路内面に強固に付着した付着物や錆等を確実に除去して、その後に行う補修作業の精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係わる入線管路内のクリーニング装置及びクリーニング工法の実施形態を図2から図9に基づいて説明する。本実施形態は、道路下に埋設されて内部にケーブルKが挿通された鋼製の管路P内をクリーニングする場合を例にして説明する。先ず、クリーニング工法を説明する前に、この工法を用いるクリーニング装置について説明する。
【0027】
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の第1実施形態に係る入線管路内のクリーニング装置1の全体構成を示す説明図である。一般に、ケーブルKが敷設されている管路P(入線管路)は、地中のマンホールM間に設置されており、エンドレスのケーブルKがマンホールMを跨いでこの管路P内に敷設されている。
【0028】
このような管路Pの一端には、洗浄水導入手段8が装着されている。この洗浄水導入手段8は、導入口8aを有する2つ割状の装着管8Aを備え、マンホールM内に開口した管路Pの端部外周に装着されて、装着管8Aを介して管路Pの端部を導入口8aに開口させている。また、導入口8aには洗浄水タンク8Bと必要に応じて取り付けられる洗浄剤タンク8Cがバルブ8Dを介して連結されている。
【0029】
一方、このような管路Pの他端には、マンホールM内の管路端部に2つ割状の連結管4が装着されており、この連結管4の導出孔から気密状態を保ってケーブルKが引き出されている。そして連結管4の接続部には可撓性の接続管5の一端が接続され、その他端が地上に設置された分離容器3A,吸引装置3Bからなる吸引・分離回収手段3に接続されている。
【0030】
また管路Pの他端側には、牽引ウインチ7Aを備えた牽引装置7(牽引手段)が地上に装備されて、牽引ワイヤ7Bを管路Pの他端から引き込んでいる。
【0031】
そして、管路P内には、前述した一端側のマンホールMから導通治具10,掻き取り治具20,払拭治具30,洗浄治具40の各クリーニング治具がそれぞれ連結ワイヤ50で連結された状態で挿入され、導通治具10の先端が牽引ワイヤ7Bに連結されて引き込まれる。これらの治具の管路P内への引き込みは連結管4の装着前になされ、その引き込みが完了した後に連結管4が管路Pの端部に気密に装着される。
【0032】
図3は、前述した各クリーニング治具の管路P内での状態を示した側面図である。管路P内に引き込まれる導通治具10,掻き取り治具20,払拭治具30,洗浄治具40は、それぞれの中間部に管路Pに沿ったケーブル挿通孔11,21,31,41を備えている。また、これら各治具は、このケーブル挿通孔11,21,31,41を開放することができる分割体からなり、管路Pの一端側のマンホールM内でケーブル挿通孔11,21,31,41が開放されて、そこにケーブルKを挿通させ各分割体を一体化した後に管路P内に引き込まれる。
【0033】
ここでは、導通治具10,掻き取り治具20,払拭治具30,洗浄治具40を順次連結した例を示しているが、これに限らず、洗浄治具40を省略することが可能である。洗浄治具40の省略については後述する。
【0034】
本実施形態は、掻き取り治具20と払拭治具30とが連結されて、各ケーブル挿通孔21,31にケーブルKを挿通した状態で、これらが管路Pの一端から他端に向けて牽引されることが一つの特徴になる。このように、本発明に係わる入線管路P内のクリーニング装置1は、前述した吸引・分離回収手段3と牽引装置7と洗浄水導入手段8と導通治具10と掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40とを有して構成される。
【0035】
このように構成されたクリーニング装置1の導通治具10を図4に示す。図4(a)は同図(b)におけるA1−A1間の部分断面図を示し、図4(b)は同図(a)におけるB1−B1間の断面図を示している。導通治具10は、図4(a)及び図4(b)に示すように、半割状の分割体10A,10Bをボルト締め等で一体にして円筒状の本体を形成し、その中心軸O10に沿ってケーブル挿通孔11が形成されている。そして、分割体10A,10Bの外周面には外側に張り出した板バネ状のガイドバネ12が取り付けられており、このガイドバネ12が管路Pの内面に当接することで、本体の中心軸O10を管路P内の中心軸線とほぼ同軸上に位置させている。図示の例では、ガイドバネ12は中心軸O10に沿って2列設けられ、各列では120°間隔で3つ設けられている。
【0036】
また、ケーブル挿通孔11の前後の両端部にはラッパ状に拡開するテーパ部11aを設けて、端部の角でケーブルKを傷つけないようにしている。前述した本体の外周には、牽引ワイヤ7B又は連結ワイヤ50を接続するワイヤ接続部13が設けられている。
【0037】
このような導通治具10によると、ケーブル挿通孔11にケーブルKを挿通させることで、ケーブルKを管路Pの中心付近に保持することができる。そして、連結された掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40の最前端に導通治具10を連結して、これらをケーブルKに挿通させることで、掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40に挿通されるケーブルKを管路Pの中心付近に保持することができ、掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40の牽引移動を円滑に行うことができる。また、ケーブルKのセンタリングによって掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40の偏りが無くなるので、これらの治具を管路P内全面に均一に作用させることができる。
【0038】
図5は、前述した掻き取り治具20を示し、図5(a)は同図(b)〜(d)におけるA01−A01,A02−A02,A03−A03間の部分断面図を示し、図5(b)〜(d)は同図(a)におけるB01−B01,B02−B02,B03−B03間の断面図を示している。この掻き取り治具20は、図5(a)〜(d)に示すように、半割状の分割体20A,20Bをボルト締め等で一体にして円筒状の本体を形成し、その中心軸O20に沿ってケーブル挿通孔21が形成されている。そして、分割体20A,20Bの外周には外側に張り出した掻き取り部材22が取り付けられており、この掻き取り部材22が管路Pの内面に当接することで、本体の中心軸O20を管路Pの中心軸線とほぼ同軸上に位置させている。
【0039】
図示の例では、掻き取り部材22は中心軸O20に沿って3列設けられ、各列では60°間隔で6つ設けられている。また、列毎に取り付け位置が中心軸O20の周りに20°ずれるようにしている。
【0040】
また、ケーブル挿通孔21の前後の両端部にはラッパ状に拡開するテーパ部21aを設けて、端部の角でケーブルKを傷つけないようにしている。前述した本体の外周には、牽引ワイヤ7B又は連結ワイヤ50を接続するワイヤ接続部23が設けられている。
【0041】
この掻き取り治具20によると、洗浄治具40によって洗浄された後又は洗浄される前の管路Pの内面に、掻き取り部材22が所定の圧力で当接して本体の牽引移動によって摺動するので、管路P内面に付着した付着物や錆等を掻き取って除去することができる。
【0042】
この際、掻き取り部材22の配置は、掻き取り部材22を、管路Pの軸方向に沿って複数列に分けて装着すると共に、各列では所定の間隔を持って装着し、全ての掻き取り部材22によって管路Pの内面全周を処理することができるようにしている。これによって、吸引によって生じる気流を掻き取り部材22が遮るのを防ぎ、且つ管路Pの内面全周を確実に掻き取り処理することができる。
【0043】
図6は、前述した払拭治具30を示し、図6(a)は払拭治具30の側面図を示し、同図(b)は払拭治具30の正面図を示している。払拭治具30は、図6(a)及び図6(b)に示すように、半割状の分割体30A,30Bをボルト締め等で一体にして略円筒状の本体を形成し、その中心軸O30に沿ってケーブル挿通孔31が形成されている。そして、本体の外周面に装着されて本体の中心軸方向に螺旋状に巻かれて中心軸O30に対して放射状に延びるブラシ部材32が設けられている。
【0044】
ブラシ部材32は、合成樹脂材料(例えば、硬質ナイロン)で形成され、前述した掻き取り治具20の掻き取り部材22によって掻き取られた付着物の管路内面に残された跡を消すために、管路Pの内面に所定の接触幅Aを有して接触することができるように所定の外径B及び所定幅Cを有している。このブラシ部材32が管路Pの内面に接触することで、本体の中心軸O30を管路Pの中心軸線とほぼ同軸上に位置させている。図示の例では、ブラシ部材32は帯状のブラシ体32aを二重にして中心軸O30に沿って螺旋状に本体に巻き付けて幅方向の寸法を大きくしている。ケーブル挿通孔21の前後端にはラッパ状に拡開するテーパ部31aを設けて、端部の角でケーブルKを傷つけないようにしている。また本体の外周には、牽引ワイヤ7B又は連結ワイヤ50を接続するワイヤ接続部33が設けられている。
【0045】
この払拭治具30によると、前述した吸引・分離回収手段3によって管路P内が吸引されると、管路P内の気流と混合した洗浄水がブラシ部材32間に形成された螺旋状の通気経路34を流れて高速旋回流となり、この高速旋回流によって、ブラシ部材32内に入り込んだ錆カス等の付着物を押し流してブラシ部材32内に錆かす等が溜まる事態を抑制することができ、また管路内面に付着した付着物等に対して、多方向成分を有した力を作用させて、洗浄能力を向上することができる。
【0046】
図7は、前述した洗浄治具40を示し、図7(a)は同図(b)におけるA2−A2間の部分断面図を示し、図7(b)は同図(a)におけるB2−B2間の断面図を示している。この洗浄治具40は、図7(a)及び図7(b)に示すように、半割状の分割体40A,40Bをボルト締め等で一体にして略円筒状の本体を形成し、その中心軸O40に沿ってケーブル挿通孔41が形成されている。そして、分割体40A,40Bの外周には外側に張り出したガイドバネ42が取り付けられており、このガイドバネ42が管路Pの内面に当接することで、本体の中心軸O40を管路P内の中心軸線とほぼ同軸上に位置させている。図示の例では、ガイドバネ42は中心軸O40に沿って2列設けられ、各列では120°間隔で3つ設けられている。また、ケーブル挿通孔41の前後端にはテーパ部41aを設けて、端部の角でケーブルKを傷つけないようにしている。前述した本体の外周には、牽引ワイヤ7B又は連結ワイヤ50を接続するワイヤ接続部43が設けられている。
【0047】
そして、この洗浄治具40の前後両端部には、本体の外周面と管路Pの内面との間に形成される気流間隙S10に気流を圧縮しながらなめらかに案内する気流形成面40aが形成されている。これによって、本体を牽引によって矢印Dr方向に移動させ、それとは逆方向の矢印Va方向に吸引すると、気流形成面40aに沿って形成された気流が気流間隙S10に流入して高速化され、この高速化された気水混合流によって管路P内面が順次洗浄されることになる。
【0048】
この際、気流間隙S10の間隙幅は、これが所望の幅の高速洗浄気流を形成するように本体の外径が設定されている。また、気流形成面40aは所望の気流状態を形成するために各種の形態に設定可能であるが、図示の例では、凸状の湾曲面を形成して管路Pの内面に沿った流れが形成されるようにしている。
【0049】
次に、このように構成された第1実施形態のクリーニング装置1によるクリーニング工法について図2及び図3を用いて説明する。先ず、導通治具10に、掻き取り治具20と払拭治具30と洗浄治具40とを連結させ、各ケーブル挿通孔11,21,31,41に管路Pの一端側から延びるケーブルKを挿通する。このとき、導通治具10が牽引方向前側に位置するように、各治具をケーブルKに装着する。そして、牽引ワイヤ7Bを導通治具10に繋ぎ、牽引装置7によって、これら治具を管路Pの一端から他端に向けて牽引する。これと同時に、管路Pの他端側から吸引・分離回収手段3によって管路P内を吸引すると共にその際の吸引物を分離回収する。また、その際に、管路Pの一端側から洗浄水導入手段8によって気流と混合して管路P内に洗浄水等(必要に応じて洗浄剤を混入させる)を導入する。
【0050】
このような工法によって、掻き取り治具20が管路P内面の付着物を取り除き、払拭治具30が管路内面に残された付着物の跡を消し、洗浄治具40の外周に形成される気流間隙S10を流れる高速の気水混合流が管路P内面を洗浄し、洗浄水と付着物等を吸引・分離回収手段3が分離回収する。
【0051】
この際、掻き取り治具20の掻き取り部材22は、前述したように管路Pの軸方向に沿って複数列に分けて装着されると共に、各列で所定の間隔を持って装着され、全ての掻き取り部材22によって管路Pの内面全周を処理可能にしているので、吸引によって生じる気流が掻き取り部材22によって遮られることはなく、且つ管路Pの内面全周を確実に掻き取ることができる。
【0052】
また、払拭治具30のブラシ部材32は、本体に螺旋状に巻かれているので、吸引・分離回収手段3によって管路P内が吸引されると、管路P内の気流とこれに混合した洗浄水がブラシ部材32間に形成された螺旋状の通気経路34を流れて高速旋回流となって、ブラシ部材32内に入り込んだ錆カス等の付着物を押し流す。このため、ブラシ部材32内に錆かす等が溜まる事態を抑制することができる。また洗浄水は高速旋回流となって流れるので、洗浄水が直線状に流れる場合と比較して、管路内面に付着した付着物等に対して、多方向成分を有した力を作用させることができ、洗浄治具40の洗浄処理と相まって管路内面をより確実に洗浄することができる。
【0053】
このように、第1実施形態に係わるクリーニング装置1は、管路P内にケーブルKが存在する状態で、管路内全面を確実に洗浄することができ、また管路P内に水が溜まっている状況であっても、払拭治具30の高速旋回流による管路内面の洗浄と洗浄治具40の外周を流れる高速の気水混合流による管路内面の洗浄によって、管路内面のクリーニングを行うことができる。さらにクリーニング装置1は、管路内面に強固に付着物や錆等が付着していても、掻き取り治具20と払拭治具30によってこれらを確実に除去することができ、その後に行う補修作業の精度を向上させることができる。
【0054】
次に、本発明のクリーニング装置及びクリーニング工法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態については、前述した第1実施形態との相違点のみを説明し、第1実施形態と同一態様部分については、同一符号を附してその説明を省略する。
【0055】
第2実施形態のクリーニング装置1'は、図8(側面図)及び図9(側面図)に示すように、管路Pの一端に吸引・分離回収手段3が装着され、管路Pの他端に洗浄水導入手段8が装着されており、第1実施形態におけるこれらの管路Pに対する取り付け位置が逆に配置されている。また管路内に挿入されるクリーニング治具は、牽引方向前側から導入治具10、掻き取り治具20、払拭治具30によって構成されている。
【0056】
前述したように、払拭治具30は、吸引・分離回収手段3によって管路P内が吸引されると、管路P内の気流とこれに混合した洗浄水がブラシ部材32間の通気経路34を流れて高速旋回流となって管路内面を洗浄する。つまり、払拭治具30は、掻き取り部材22によって掻き取られた付着物の管路内面に残された跡を消す機能の他に洗浄機能を有している。このため、管路内面を洗浄する手段として払拭治具30を用いて、前述した洗浄治具40を省略することができる。このようにして、第2実施形態における管路P内に挿入されるクリーニング治具は、導入治具10、掻き取り治具20、払拭治具30によって構成されている。
【0057】
このように構成されたクリーニング装置1'によるクリーニング工法は、先ず、導通治具10が牽引方向前側に位置するように、導通治具10に、掻き取り治具20と払拭治具30とを連結させて、各ケーブル挿通孔11,21,31に管路Pの一端側から延びるケーブルKを挿通する。そして、導通治具10に牽引ワイヤ7Bを繋ぎ、牽引装置7によって、これらの治具を管路Pの一端から他端に向けて牽引する。これと同時に、管路Pの一端側から吸引・分離回収手段3によって管路P内を吸引し、管路Pの他端側から洗浄水導入手段8によって気流と混合して管路P内に洗浄水等(必要に応じて洗浄剤を混入させる)を導入する。すると、掻き取り治具20の掻き取り処理によって管路P内面の付着物が取り除かれ、払拭治具30の払拭処理によって管路内面に残された付着物の跡が消されるとともに、高速旋回流の洗浄処理によって管路内面が洗浄される。
【0058】
このように、クリーニング治具を、導通治具10と掻き取り治具20と払拭治具30とによって構成すことにより、第1実施形態の場合と同様の効果(管路内全面の確実な洗浄、水が溜まった管路での管路内クリーニング、強固に付着した付着物や錆等の確実な除去)を得ることができるとともに、クリーニング装置1の構成部品を減らして安価にすることができ、またクリーニング作業の負担を軽減することができる。
【0059】
なお、第2実施形態では、管路Pの一端側から他端側にクリーニング治具を牽引する際に、他端側から洗浄水を導入し、一端側から吸引する場合を示したが、これに限るものではなく、一端側から洗浄水を導入し、他端側から吸引してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】従来技術の説明図を示し、同図(a)は管路内に挿入された洗浄装置の側面図を示し、同図(b)は水が溜まった管路の断面図を示す。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるクリーニング装置の側面図を示す。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるクリーニング装置の一部を構成する導入治具、掻き取り治具、払拭治具、洗浄治具の側面図を示す。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる導通治具を示し、図(a)は同図(b)におけるA1−A1間の部分断面図を示し、同図(b)は同図(a)におけるB1−B1間の断面図を示す。
【図5】本発明の第1実施形態に係わる掻き取り治具を示し、同図(a)は同図(b)〜(d)におけるA01−A01,A02−A02,A03−A03間の部分断面図を示し、同図(b)〜(d)は同図(a)におけるB01−B01,B02−B02,B03−B03間の断面図を示す。
【図6】本発明の第1実施形態に係わる払拭治具を示し、同図(a)は払拭治具の側面図を示し、同図(a)は払拭治具の正面図を示す。
【図7】本発明の第1実施形態における洗浄治具を示し、同図(a)は同図(b)におけるA2−A2間の部分断面図を示し、同図(b)は同図(a)におけるB2−B2間の断面図を示す。
【図8】本発明の第2実施形態に係わるクリーニング装置の側面図を示す。
【図9】本発明の第2実施形態に係わるクリーニング装置の一部を構成する導入治具、掻き取り治具、払拭治具の側面図を示す。
【符号の説明】
【0061】
1,1' クリーニング装置
3 吸引・分離回収手段
7 牽引装置(牽引手段)
8 洗浄水導入手段
10 導通治具
10A,10B,20A,20B,30A,30B,40A,40B 分割体
11,21,31,41 ケーブル挿通孔
20 掻き取り治具
22 掻き取り部材
30 払拭治具
32 ブラシ部材
34 通気経路
40 洗浄治具
40a 気流形成面
K ケーブル
10,O20,O30 中心軸
P 管路
10 気流間隙
【出願人】 【識別番号】593080294
【氏名又は名称】株式会社カンドー
【出願日】 平成18年8月4日(2006.8.4)
【代理人】 【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所

【識別番号】100109955
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 貞行

【識別番号】100140154
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 孝治

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−36504(P2008−36504A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212688(P2006−212688)