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【発明の名称】 シート洗浄装置及びシート洗浄方法
【発明者】 【氏名】高橋 文夫

【要約】 【課題】汚れの再付着を良好に阻止でき、これまでにない良好なシート洗浄を達成し得る画期的な技術を提供する。

【構成】洗浄液2が貯留する洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させて前記洗浄液2にシート材1を浸漬することでシート材1を洗浄するシート洗浄装置において、洗浄槽3内に洗浄液2を供給する供給手段Sを設け、この供給手段Sは前記洗浄槽3内に洗浄液2を吐出供給するノズル部5を有し、このノズル部5は洗浄槽3内を搬送通過するシート材1に向けて前記洗浄液2を吐出することでこの洗浄槽3内に洗浄液2を供給し且つシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させる液流発生供給部5として構成し、洗浄槽3の液貯留上限値を超えた洗浄液2をこの洗浄槽3からオーバーフローさせる余液排出部6を、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側に設けた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送手段により、洗浄液が貯留する洗浄槽内にシート材を搬送通過させて前記洗浄液にシート材を浸漬することでこのシート材を洗浄するシート洗浄装置において、前記搬送手段は、前記洗浄槽内にガイドローラを一体若しくは互いに回動軸が平行となるように複数体配設して前記シート材を前記洗浄槽の上方から洗浄槽内に搬送導入し前記ガイドローラを経由してこの洗浄槽の上方へと搬送導出する構成とし、前記洗浄槽には、前記洗浄液をこの洗浄槽内に供給する供給手段を設け、この供給手段は前記洗浄槽内に洗浄液を吐出供給するノズル部を有し、このノズル部は洗浄槽内を搬送通過する前記シート材に向けて前記洗浄液を吐出することでこの洗浄槽内に洗浄液を供給すると共にこのシート材の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させる液流発生供給部として構成し、この洗浄槽の液貯留上限値を超えた洗浄液をこの洗浄槽からオーバーフローさせる余液排出部を、この洗浄槽内を搬送通過する前記シート材の巾方向側に設けたことを特徴とするシート洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄槽の上部にしてこの洗浄槽内を搬送通過する前記シート材の巾方向左右側方に前記余液排出部を設けると共に、この左右の余液排出部間にして前後方向側にはこの余液排出部を設けず、この洗浄槽の前記余液排出部を設けた上部部位に到達した洗浄液がこの洗浄槽の上部にして左右両側に設けた余液排出部からオーバーフローするように構成したことを特徴とする請求項1記載のシート洗浄装置。
【請求項3】
前記供給手段は、少なくとも前記洗浄槽内を搬送通過する前記シート材と対向する近接位置に前記液流発生供給部を設ける構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のシート洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄槽は、この洗浄槽内を搬送通過する前記シート材の巾方向側にしてこの洗浄槽内に設けた前記搬送手段のガイドローラの軸方向端部位置の近接位置に、この洗浄槽内の洗浄液をオーバーフローさせる前記余液排出部とは異なる第二の余液排出部を設けた構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート洗浄装置を用い、供給手段の液流発生供給部からシート材に向けて前記洗浄液を吐出して、このシート材の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させつつ洗浄槽内に洗浄液を供給してこの洗浄槽の余液排出部から洗浄液を常時オーバーフローさせながら、前記搬送手段によりこの洗浄槽内にシート材を搬送通過させてシート材を洗浄することを特徴とするシート洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材を洗浄液を貯留した洗浄槽内に通過させて前記洗浄液にシート材を浸漬することでこのシート材を洗浄する洗浄装置及びシート洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シート材を洗浄液に浸漬して洗浄するシート洗浄装置が種々提案されている。これらは一般に、所定の搬送手段により、前記洗浄液が貯留された洗浄槽内にシート材を搬送通過させることでこのシート材を前記洗浄液に浸漬させ洗浄を行うものである。
【0003】
従って、シート材から流出した汚れが洗浄槽内の洗浄液に浮遊し、この汚れがシート材に再付着するという問題がどうしても生ずる。
【0004】
また、この種のシート洗浄装置は、例えば、特開平9−314084号公報に開示されているように、洗浄液を貯留した洗浄槽内にガイドローラを配設し、このガイドローラにシート材を経由させることでこのシート材を洗浄槽内に搬送通過させる(即ち、洗浄槽の上方からシート材を搬送導入し、ガイドローラを経由してこの洗浄槽の上方にシート材を搬送導出させる)構成が一般的であるから、このガイドローラ(特に、両端のベアリングなど)から不可避的に汚れが排出(発塵)される。
【0005】
よって、この種のシート洗浄装置には、シート材からの汚れのみならず、特にガイドローラからの発塵など、様々な汚れが洗浄槽内の洗浄液に浮遊し、これらがローラに再付着するという問題を有した。
【0006】
そこで、シート材を洗浄する間、洗浄槽に下方位置から洗浄液を供給し続け、洗浄槽の貯留上限値を超えた洗浄液をこの洗浄槽の上部から常時オーバーフローさせながら洗浄を行うようにしたタイプも従来からある。
【0007】
これらは、洗浄槽内の洗浄液に浮遊する汚れを、オーバーフロー(排水)する洗浄液と共に洗浄槽から排出しながらシート材の洗浄を行うので、それだけ洗浄槽内の汚れを少なくでき、よって、それだけ上記汚れの再付着をそれだけ抑止できるものの、この再付着の抑止効果は決して十分に得られるものではない(例えば、洗浄槽の下方で洗浄液に流出した汚れは、この洗浄槽内を下方から上部へと流れオーバーフローにより排出されるまでの過程で、十分にシート材に再付着できてしまう)ため、結局、上記問題を良好に解決し得るものとは言えない。
【0008】
【特許文献1】特開平9−314084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来から開発されているシート洗浄装置について更なる研究開発を進め完成したもので、シート材への汚れの再付着をこれまでになく極めて良好に抑止でき、従来の装置に比して極めて良好なシート洗浄を達成し得る画期的なシート洗浄装置及びシート洗浄方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
所定の搬送手段Mにより、洗浄液2が貯留する洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させて前記洗浄液2にシート材1を浸漬することでこのシート材1を洗浄するシート洗浄装置において、前記搬送手段Mは、前記洗浄槽3内にガイドローラ4を一体若しくは互いに回動軸4aが平行となるように複数体配設して前記シート材1を前記洗浄槽3の上方から洗浄槽3内に搬送導入し前記ガイドローラ4を経由してこの洗浄槽3の上方へと搬送導出する構成とし、前記洗浄槽3には、前記洗浄液2をこの洗浄槽3内に供給する供給手段Sを設け、この供給手段Sは前記洗浄槽3内に洗浄液2を吐出供給するノズル部5を有し、このノズル部5は洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1に向けて前記洗浄液2を吐出することでこの洗浄槽3内に洗浄液2を供給すると共にこのシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させる液流発生供給部5として構成し、この洗浄槽3の液貯留上限値を超えた洗浄液2をこの洗浄槽3からオーバーフローさせる余液排出部6を、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側に設けたことを特徴とするシート洗浄装置に係るものである。
【0012】
また、前記洗浄槽3の上部にしてこの洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向左右側方に前記余液排出部6を設けると共に、この左右の余液排出部6間にして前後方向側にはこの余液排出部を設けず、この洗浄槽3の前記余液排出部6を設けた上部部位に到達した洗浄液2がこの洗浄槽3の上部にして左右両側に設けた余液排出部6からオーバーフローするように構成したことを特徴とする請求項1記載のシート洗浄装置に係るものである。
【0013】
また、前記供給手段Sは、少なくとも前記洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1と対向する近接位置に前記液流発生供給部5を設ける構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のシート洗浄装置に係るものである。
【0014】
また、前記洗浄槽3は、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側にしてこの洗浄槽3内に設けた前記搬送手段Mのガイドローラ4の軸方向端部位置の近接位置に、この洗浄槽3内の洗浄液2をオーバーフローさせる前記余液排出部6とは異なる第二の余液排出部7を設けた構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート洗浄装置に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート洗浄装置を用い、供給手段Sの液流発生供給部5からシート材1に向けて前記洗浄液2を吐出して、このシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させつつ洗浄槽3内に洗浄液2を供給してこの洗浄槽3の余液排出部6から洗浄液2を常時オーバーフローさせながら、前記搬送手段Mによりこの洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させてシート材1を洗浄することを特徴とするシート洗浄方法に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、シート材を、洗浄槽内の洗浄液に浸漬させてこのシート材を洗浄できることは勿論、この洗浄槽内に洗浄液を供給し、液貯留上限値を超えた洗浄液を洗浄槽の余液排出部からオーバーフローさせ、これと共に洗浄槽内を浮遊する汚れも洗浄液と一緒にオーバーフロー(排出)できるから、洗浄槽内に浮遊する汚れを、それだけ減少させることができる。
【0017】
また、液流発生供給部によりシート材の巾方向中央部から巾方向左右側方に向けて液流を発生させ、この液流により、シート材から除去され洗浄液に流出した汚れを直ちにシート材の外方(巾方向左右側方)へと避け流し、且つ、一度シート材の巾方向左右側方へと流れた汚れが再びこのシート材の表面(巾方向中央部)へと流れ戻ってくることも前記液流により良好に阻止できる。
【0018】
尚且つ、前述した洗浄槽の余液排出部は、この洗浄槽を搬送通過するシート材の巾方向側に設けているので、この余液排出部から単に洗浄液をオーバーフローさせ得るだけでなく、この余液排出部へ向かう洗浄液の液流、即ち、シート材の巾方向側へ向かう液流がこの余液排出部よって発生されるから、よって、この余液排出部によっても、前記洗浄槽内の汚れがシート材の巾方向左右側方から巾方向中央部へと流れ戻ってくることを抑止できる。
【0019】
よって、本発明は、折角洗浄液に浸漬して洗浄されたシート材に、再度汚れが付着してしまうことを上述通り極めて効率的に、且つ良好に抑止できるから、これまでのシート洗浄装置においてはどうしても生じてしまう汚れの再付着の問題を解決し、これら従来装置に比して極めて良好なシート洗浄を達成し得る画期的で極めて実用性に秀れたシート洗浄装置となる。
【0020】
また、請求項2記載の発明においては、洗浄槽の上部にして前後方向側ではなく左右両側(この洗浄槽内を搬送通過するシート材の巾方向側)に設けた余液排出部へと洗浄液が向かい、この余液排出部から洗浄液が排出されることとなるから、洗浄槽内に、シート材の巾方向中央部から巾方向側(巾方向左右両側方)へと向かう液流が一層良好に生ずると共に、それだけ上記汚れの再付着の抑止機能も一層顕著に発揮されることとなるなど、一層実用性に秀れたシート洗浄装置となる。
【0021】
また、請求項3記載の発明においては、液流発生供給手段により、シート材と対向する近接位置からシート材に向けて洗浄液を吐出することで、このシート材の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を確実に且つ良好に発生できることは勿論、このシート材に噴きつけ吐出される洗浄液により、シート材の洗浄効果が一層良好に発揮され、それだけシート材の洗浄を一層良好に達成し得る実用性に秀れたシート洗浄装置となる。
【0022】
また、請求項4記載の発明においては、例えばガイドローラのベアリングの発塵などによってガイドローラの軸方向端部から発生した汚れを、近接位置に設けた第二の余液排出部から直ちに排出(オーバーフローする洗浄液と共に流し出す)ことができ、よって洗浄槽内を浮遊する汚れを一層効率的に減少でき、また、この第二の余液排出部も洗浄槽内のシート材の巾方向側に設けられているから、この第二の余液排出部によっても、シート材の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう上記液流の発生が一層助長され、それだけこの液流による上記の汚れの再付着の抑止機能も一層良好に発揮される一層実用性に秀れたシート洗浄装置となる。
【0023】
また、請求項5記載の発明においては、前述した請求項1に係る発明と同様の作用効果を確実に発揮し得る極めて作業性及び実用性に秀れたシート洗浄方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
所定の搬送手段Mにより、洗浄液2が貯留する洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させることで前記洗浄液2にシート材1を浸漬させ、このシート材1を洗浄する。
【0026】
具体的には、シート材1を洗浄槽3の上方から洗浄槽3内に搬送導入し、この洗浄槽3内に設けた搬送手段Mのガイドローラ4を経由した上でこの洗浄槽3の上方へとシート材1を搬送導出させてこの洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させてシート材1の洗浄を行う。
【0027】
ところで、この洗浄槽3内の洗浄液2には、シート材1から洗浄液2に流出した汚れは勿論、例えば前記搬送手段Mのガイドローラ4から発塵した汚れ(塵)などの様々な汚れが流出し、浮遊することとなるので、この浮遊する汚れがシート材1に再付着する問題が生ずる。
【0028】
しかしながら、本発明においては、ノズル部5により洗浄槽3内に洗浄液2を吐出供給する供給手段Sと、この洗浄槽3の液貯留上限値を超えた洗浄液2をこの洗浄槽3からオーバーフローさせる余液排出部6とを設けている為、ノズル部5から洗浄液2を供給し、洗浄槽3の余液排出部6からオーバーフローさせると共に前記浮遊する汚れも一緒に洗浄槽3からオーバーフロー(排出)させることができ、よって、それだけ洗浄槽3内の汚れを減少し、上記汚れの再付着もそれだけ抑止できる。
【0029】
しかも、本発明は、前記ノズル部5が単に洗浄槽3内に洗浄液2を供給するだけのものではなく、このノズル部5から洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1に向けて洗浄液2を吐出することで、このシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させる液流発生供給部5として構成している。
【0030】
従って、シート材1から流出した汚れや、例えば前記ガイドローラ4から排出した汚れを、前記液流発生供給部5が発生させた液流によりシート材1の巾方向左右側方へと避け流し、これらがシート材1に付着することを阻止でき、また、一度シート材1の巾方向左右側方へと避け流した汚れがこのシート材1の表面(巾方向中央部)へと流れ戻ってくることも前記液流発生供給部5が発生させた液流により阻止することができ、よって上記汚れの再付着の問題を一層効率的に抑止できることとなる。
【0031】
更に、本発明においては、洗浄液2をオーバーフローさせる前記余液排出部6を、洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側に設けている。従って、洗浄槽3内では、液流発生供給部5によりシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流と、更にこの洗浄槽3の前記シート材1の巾方向側に設けた余液排出部6へと向かう液流とが生ずる。
【0032】
即ち、余液排出部6をシート材1の巾方向側に設けたことで、シート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流が一層良好に発生されることとなると共に、この液流による上記汚れの再付着の抑止機能が一層良好に発揮されることとなる。
【0033】
よって、本発明は、例えば、供給手段Sの液流発生供給部5からシート材1に向けて前記洗浄液2を吐出して、このシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させつつ洗浄槽3内に洗浄液2を供給してこの洗浄槽3の余液排出部6から洗浄液2を常時オーバーフローさせながら、前記搬送手段Mによりこの洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させてシート材1の洗浄を行うことで、洗浄槽3から洗浄液2をオーバーフローすることにより洗浄槽3内の汚れを減少させることができるだけでなく、洗浄液2の供給しつつ液流を発生させる液流発生供給部5の前記液流により、シート材1やガイドローラ4から発生した汚れをシート材1の表面から直ちに避け流すことができ、且つこのシート材1の巾方向左右側方から再びこのシート材1の表面へと汚れが流れ戻ってくることも阻止でき、よって、シート材1への汚れの再付着を極めて良好に抑止でき、これまでに無い良好なシート材1の洗浄を達成でき得る画期的なシート洗浄装置となる。
【0034】
尚、例えば、前記洗浄槽3の上部にしてこの洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向左右側方に前記余液排出部6を設けると共に、この左右の余液排出部6間にして前後方向側にはこの余液排出部を設けず、この洗浄槽3の前記余液排出部6を設けた上部部位に到達した洗浄液2がこの洗浄槽3の上部にして左右両側に設けた余液排出部6からオーバーフローするように構成した場合には、洗浄槽3内で、シート材1の巾方向側にのみ設けられた余液排出部6へと流れる洗浄液2により、この洗浄槽3内に前記シート材1の巾方向左右側方へと流れる液流が一層良好に発生されることとなり、よって、上記汚れの再付着抑止機能を一層確実に、且つ良好に発揮されることとなる。
【0035】
また、例えば、前記供給手段Sは、少なくとも前記洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1と対向する近接位置に前記液流発生供給部5を設ける構成とした場合には、この液流発生供給部5によるシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう前記液流を一層確実且つ良好に発生し得ることとなるだけでなく、例えばこのシート材1に向けて近接位置から洗浄液2を吐出することで、シート材1に付着していた汚を除去する作用も一層良好に発揮されるととなるなど、一層秀れた洗浄機能を発揮し得ることとなる。
【0036】
また、例えば、前記洗浄槽3は、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側にしてこの洗浄槽3内に設けた前記搬送手段Mのガイドローラ4の軸方向端部位置の近接位置に、この洗浄槽3内の洗浄液2をオーバーフローさせる前記余液排出部6とは異なる第二の余液排出部7を設けた構成とした場合には、たとえばこのガイドローラ4の軸方向端部位置のベアリングからの発塵など、このガイドローラ4の軸方向端部位置から不可避的に発生する汚れを、この軸方向端部位置の近接位置に設けた前記第二の余液排出部7からオーバーフローする洗浄液2と共に直ちに洗浄槽3から排出させることができ、一層効率的に洗浄槽3内の汚れを減少させられることとなると共に、この第二の余液排出部7もまた上記余液排出部4と同様にシート材1の巾方向側に設けるものであるから、この第二の余液排出部7によって、前記シート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流の発生が一層助長されることとなる。
【実施例】
【0037】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0038】
本実施例は、所定の搬送手段Mにより、洗浄液2が貯留する洗浄槽3内にシート材1を搬送通過させて前記洗浄液2にシート材1を浸漬することでこのシート材1を洗浄するシート洗浄装置である。
【0039】
各部の構成を具体的に詳述する。
【0040】
搬送手段Mは、洗浄槽3内にガイドローラ4を一体若しくは互いに回動軸4aが平行となるように複数体配設したものである。図示した本実施例においては、洗浄槽3内に互いに回動軸4aを平行にして3本のガイドローラ4を配設し、シート材1を前記洗浄槽3の上方から洗浄槽3内に搬送導入して3本のガイドローラ4を蛇行経由してこの洗浄槽3の上方へと搬送導出する構成としている。
【0041】
この搬送手段Mは、図示は省略しているが、シート材1を所定の搬送方向に送る送りローラを洗浄槽3の外方に設けており、洗浄槽3内に配設した各ガイドローラ4は、単にシート材1を密接当接させてこのシート材1の搬送移動と共に回動するガイドローラ4である。尚、この洗浄槽3に配設するガイドローラ4自体も、例えば一対のローラでシート材1を挟んでこの一対のローラでシート材1を所定の搬送方向に送る送りローラとして構成しても良い。
【0042】
また、本実施例の搬送手段Mの各ガイドローラ4は、洗浄槽3に対して回動軸4aを固定状態に設け、この回動軸4aに対して、ガイドローラ4を軸方向両端部に備えたベアリング機構10を介して回動自在に設けた構成である。尚、これに限らず、例えば回動軸4aとガイドローラ4とを回り止め状態に一体に設け、このガイドローラ4の回動軸4aの両端部を夫々ベアリング機構10を介して洗浄槽3に対して回動自在に設け、この回動軸4aとガイドローラ4とが一体回動するように構成としても良い。
【0043】
本実施例では、洗浄槽3に洗浄液2を供給する供給手段Sを設けている。
【0044】
この供給手段Sは、具体的には、洗浄槽3内に洗浄液2を吐出供給するノズル部5を有して、この各ノズル部5から洗浄槽3内に洗浄液2を供給する構成としている。
【0045】
このノズル部5は、洗浄槽3内を搬送通過するシート材1に向けて前記洗浄液2を吐出することでこの洗浄槽3内に洗浄液2を供給すると共に、図2に図示したように、シート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流を発生させる液流発生供給部5としても構成している。
【0046】
従って、このシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう液流により、例えばシート材1の表面から剥離した汚れや、ガイドローラ4(特に軸方向両端部のベアリング機構10)から発塵した塵など、洗浄液2に流出した種々の汚れが、前記液流によりシート材1の巾方向左右側方へと直ちに避け流されることとなる。また、一度シート材1の巾方向左右側方へと流れた汚れがこのシート材1の巾方向中央部側に流れ戻ってくることも前記液流により抑止され、よって、この液流発生供給部5の発生する液流により、シート材1に洗浄槽3内を浮遊する汚れが付着(再付着)することを抑止する作用が発揮される。
【0047】
本実施例では、この各液流発生供給部5の液吐出によりシート材1の巾方向中央部から巾方向左右側方へと向かう前記液流が良好に発生し、且つシート材1の表面に向けて勢い良く洗浄液2が吐出されることで、シート材1に付着していた汚れを剥離除去(洗浄)する作用も良好に発揮され得るように、各液流発生供給部5を、図1及び図2に図示したように、洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1と対向する位置(図2に図示したように、シート材1の巾幅に収まる位置)にしてこのシート材1と近接する位置に設けている。
【0048】
また、前述の液流発生供給部5が発生する液流による汚れ付着抑止作用を洗浄槽3内のシート材1の広範囲に発揮させ得るように、図1に図示したように、液流発生供給部5をシート材1の長さ方向(搬送方向)に複数点在させている。
【0049】
この複数の各液流発生供給部5には夫々複数の液吐出口を設けており、図2に図示したように、シート材1の表面に向けて垂直ではなく、巾方向左右側方へ向けてもやや傾いた方向に(図2においては、端に鉛直下方に向けて液吐出するのではなく、左右方向に傾いた下方に向けて)洗浄液2を吐出する液吐出口を設けて、上述の液流が一層良好に発生されるように構成している。
【0050】
尚、本実施例では図1及び図3に図示したように、洗浄槽3の外部からも洗浄液2を供給する補助ノズル部5’設け、この補助ノズル部5’からも洗浄槽3に向けて洗浄液2を吐出供給するようにしている。
【0051】
洗浄槽3は、図1〜図3に図示したように、方形容器状に構成しており、この洗浄槽3の液貯留上限値を超えた洗浄液2をこの洗浄槽3からオーバーフローさせる余液排出部6を、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側に設けている。
【0052】
具体的には、図2及び図3に図示したように、洗浄槽3の上部にしてこの洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向左右側方に前記余液排出部6を設け、一方、図1及び図3に図示したように、この洗浄槽3の上部左右の余液排出部6間にして前後方向側にはこの余液排出部を設けず、この洗浄槽3の前記余液排出部6を設けた上部部位に到達した洗浄液2がこの洗浄槽3の上部にして左右両側に設けた余液排出部6からオーバーフローするように構成している。更に具体的には、方形状の洗浄槽3の上部にして、対向する左右側壁部の上縁高さを、この左右側壁部と直交方向に対向する前後側壁部の上縁高さよりも低く設定することで、洗浄槽3内の洗浄液2が洗浄槽3の上部にして左右側方(この洗浄槽3内のシート材1の巾方向側)からオーバーフローするように前記余液排出部6を構成したものである。
【0053】
従って、この余液排出部6から洗浄液2をオーバーフローさせることで、洗浄槽3内を浮遊する汚れをこの洗浄液2と共に洗浄槽3から排出でき、洗浄槽3内の汚れをそれだけ減少できる。更に、洗浄槽3内の汚れは、単に洗浄槽3の上方に流れるのではなく、洗浄槽3の上方にしてこの洗浄槽3内のシート材1の巾方向側へと流れることとなる(前述の通り、余液排出部6が洗浄槽3内のシート材1の巾方向側に設けられている為)から、例えば洗浄槽3内の汚れが洗浄液2と共に上方へと流れる過程でシート材1の巾方向中央部側へと流れて該シート材1に該汚れが付着してしまうといったことを抑止できる。また、この左右側方からのオーバーフローによって発生されるシート材1の巾方向側へ向かう液流が、上記供給手段Sの液流発生供給部5が発生する液流を一層助長し、よって、このシート材1の巾方向左右側方へと向かう液流が奏する上述の通り秀れた汚れ付着抑止作用が、一層良好に発揮されることとなる。
【0054】
また、本実施例の洗浄槽3には、図2及び図3に図示したように、この洗浄槽3内を搬送通過する前記シート材1の巾方向側にしてこの洗浄槽3内に設けた前記搬送手段Mのガイドローラ4の軸方向端部位置の近接位置(即ち、ガイドローラ4のベアリング機構10の近接位置)に、この洗浄槽3内の洗浄液2をオーバーフローさせる前記余液排出部6とは異なる第二の余液排出部7を設けている(各ガイドローラ4のベアリング機構10の近接位置に夫々設けている。)。
【0055】
従って、このガイドローラ4(特に発塵などにより汚れの発生し易いベアリング機構10)から発生した汚れを、この汚れ発生位置の近接位置に設けたられた前記第二の余的排出部7を介して直ちに洗浄槽3の外部へとオーバーフロー(排出)でき、洗浄槽3内の汚れを一層効率的に排出し減少させられる。
【0056】
尚、本実施例においては、図1に図示したように、洗浄槽3の底部に超音波ユニット8を設けている。これは、槽内に洗浄用液と被洗浄物(金属物など)とを収容して超音波により被洗浄物を振動させることで表面の汚れを剥離・除去する槽式超音波洗浄装置などに一般に使用される超音波ユニット8と同様の構成であり、この超音波ユニット8により、シート材1の洗浄(汚れの剥離・除去)を一層良好に行えるようにしている。
【0057】
また、図中,符号9は、水位センサ9である。仮に洗浄槽3内に洗浄液2が貯留していない状態(超音波ユニット8が洗浄液2に浸漬していない状態)でこの超音波ユニット8が作動すると故障の原因となる為、この水位センサ9により、洗浄槽3内の洗浄液2の水位がこの水位センサ9を設けた所定高さ位置まで達したことを感知して超音波ユニット8の作動を許容せしめ、洗浄液2の水位が所定高さ位置まで達していない状態では超音波ユニット8の作動を許容しないようにしている。
【0058】
以上、本実施例は、上述のように構成したから、図示した通り、シート材1を洗浄槽3内に搬送通過させてこのシート材1を洗浄する間、常に供給手段Sの液流発生供給部5から洗浄液2を吐出供給しつつ、そして洗浄槽3の余液排出部6及び第二の余液排出部7から常に洗浄液2をオーバーフローさせつつこのシート材1の洗浄を実施することにより、洗浄槽3内に浮遊する汚れがシート材1に付着することを良好に抑止しつつ該シート材1の洗浄を実施できる。
【0059】
よって、本実施例は、この種のシート洗浄装置において、シート材1への汚れの再付着を最小限に抑え、従来装置には不可能であって極めて良好なシート洗浄を達成でき得る画期的で極めて実用性に秀れたシート洗浄装置となる。
【0060】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施例に係るシート洗浄装置の説明側断面図である。
【図2】本実施例に係るシート洗浄装置の説明正断面図である。
【図3】本実施例に係るシート洗浄装置の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 シート材
2 洗浄液
3 洗浄槽
4 ガイドローラ
4a 回動軸
5 ノズル部,液流発生供給部
6 余液排出部
7 第二の余液排出部
M 搬送手段
S 供給手段
【出願人】 【識別番号】592037077
【氏名又は名称】クリーン・テクノロジー株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛

【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄


【公開番号】 特開2008−29991(P2008−29991A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208510(P2006−208510)