トップ :: B 処理操作 運輸 :: B08 清掃

【発明の名称】 基材洗浄装置及び基材洗浄方法
【発明者】 【氏名】山 崎 昌 保

【氏名】鈴 木 理 之

【要約】 【課題】フレキシブルな基材に付着した異物を効率よく除去し、また除去した異物が再付着しにくい基材洗浄装置、及び当該基材洗浄装置を用いた基材洗浄方法を提供すること。

【構成】本発明の基材洗浄装置は、搬送されてくるフレキシブルな基材1を洗浄する洗浄部20と、洗浄部20の下流側に配置され、洗浄された前記基材1を乾燥させる乾燥部40とを備えている。前記基材1は、少なくとも洗浄部20に搬送される際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてくるフレキシブルな基材を洗浄する洗浄部と、
洗浄部の下流側に配置され、洗浄された前記基材を乾燥させる乾燥部とを備え、
前記基材は、少なくとも前記洗浄部に搬送される際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送されることを特徴とする基材洗浄装置。
【請求項2】
洗浄部の上流側に、前記基材を巻き出す巻出部が配置され、
乾燥部の下流側に、乾燥された前記基材を巻き取る巻取部が配置されたことを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項3】
巻出部は、巻き出す前記基材を巻き付けて保持する巻出軸を有し、
巻取部は、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、
当該巻出部の巻出軸及び巻取部の巻取軸は各々、垂直方向を向いて延在したことを特徴とする請求項2記載の基材洗浄装置。
【請求項4】
巻出部は、巻き出す前記基材を巻き付けて保持する巻出軸を有し、
当該巻出部の巻出軸は、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、
巻出部と洗浄部との間に、洗浄部に搬入される前記基材を、幅方向が垂直方向を向くよう回転させる基材回転部を設けたことを特徴とする請求項2記載の基材洗浄装置。
【請求項5】
洗浄部と乾燥部との間に、洗浄された前記基材をさらに洗浄するリンス部を設けたことを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項6】
巻出部の下流側近傍に、前記基材を送るフィードローラが設けられ、
巻出部と巻取部の間において、当該フィードローラのみが前記基材に接触することを特徴とする請求項2記載の基材洗浄装置。
【請求項7】
フィードローラ近傍に、前記基材に加わるテンションを検出する検出部を設け、
フィードローラは、当該検出部からの信号に基づいて、前記基材の搬送速度を調整し、
巻出部と巻取部の間において、フィードローラのみ、又はフィードローラと検出部のみが前記基材に接触することを特徴とする請求項6記載の基材洗浄装置。
【請求項8】
洗浄部下方に、前記基材を支持する搬送用コロが設けられたことを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項9】
洗浄部は、前記基材に洗浄用液体を吹き付ける吹付洗浄部を有することを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項10】
洗浄部は、前記基材に洗浄用液体を膜状に流下させる流下洗浄部を有することを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項11】
乾燥部は、前記基材に空気を吹き付けて、前記基材を乾燥させるエアーナイフを有することを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項12】
前記基材は、前記洗浄部及び前記乾燥部に搬送される際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送されることを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項13】
乾燥部は、垂直方向に延在するとともに、前記基材の一方の面に空気を吹き付けて、前記基材を乾燥させるエアーナイフと、当該エアーナイフに対向して垂直方向に延在するとともに、前記基材の他方の面に空気を吹き付ける支持エアー供給部とを有し、
前記基材は、エアーナイフから吹き付けられる空気と、支持エアー供給部から吹き付けられる空気によって、幅方向が垂直方向を向いて延在することを特徴とする請求項12記載の基材洗浄装置。
【請求項14】
乾燥部は、前記基材の温度を上昇させて、前記基材を乾燥させる加熱装置を有することを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項15】
洗浄部と乾燥部の間に、互いを仕切る仕切板が設けられ、
当該仕切板には、搬送される前記基材が通過する搬送スリットが設けられたことを特徴とする請求項1記載の基材洗浄装置。
【請求項16】
洗浄部とリンス部の間、及びリンス部と乾燥部の間に、互いを仕切る仕切板が設けられ、
当該仕切板の各々には、搬送される前記基材が通過する搬送スリットが設けられたことを特徴とする請求項5記載の基材洗浄装置。
【請求項17】
巻取部は、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、
当該巻取部の巻取軸は、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、
洗浄部と乾燥部との間に、洗浄部から搬出される前記基材を、幅方向が巻取軸と平行に延在するよう再度回転させる基材再回転部を設けたことを特徴とする請求項4記載の基材洗浄装置。
【請求項18】
巻取部は、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、
当該巻取部の巻取軸は、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、
乾燥部と巻取部との間に、乾燥部から搬出される前記基材を、幅方向が巻取軸と平行に延在するよう再度回転させる基材再回転部を設けたことを特徴とする請求項4記載の基材洗浄装置。
【請求項19】
洗浄部により、搬送されてくるフレキシブルな基材を洗浄する洗浄工程と、
洗浄部の下流側に配置された乾燥部により、洗浄された前記基材を乾燥させる乾燥工程とを備え、
前記基材は、少なくとも前記洗浄部に搬入される際に、幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送されることを特徴とする基材洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな基材を洗浄する基材洗浄装置及び基材洗浄方法に係り、とりわけ、フレキシブルな基材に付着した異物を効率よく除去し、また除去した異物が再付着しにくい基材洗浄装置及び当該基材洗浄装置を用いた基材洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックフィルムからなるフレキシブルな基材が、エレクトロニクス関連分野で使用されるケースが増えている。これに伴い、プラスチックフィルムの品質に対する要求も厳しくなってきている。特に、異物や粉塵等が、プラスチックフィルムに付着したり混入したりすると、致命的な品質欠陥となる。このため、このような異物や粉塵等を除去するために用いられるプラスチックフィルムの洗浄技術は、特に重要になってきている。
【0003】
ガラス等の枚葉基板については、既に多くの洗浄装置が開発されているが、ロール状のブラスチックフィルムを高度に洗浄する洗浄装置は、未だあまり知られていない。
【0004】
例えば、特許文献1には、ロールtoロールのフィルム洗浄装置についての発明が記載されており、具体的には、複数の箇所に設けられたガイドロールで、プラスチックフィルム(フレキシブルな基材)を搬送させながら、洗浄液でプラスチックフィルムを洗浄する方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2にも同様に、複数の箇所に設けられたガイドロールでプラスチックフィルム(フレキシブルな基材)を支持しつつ搬送しながら、純水を噴霧して、プラスチックフィルムを洗浄する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2002−316116号公報
【特許文献2】特開2005−279577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら従来技術のように、プラスチックフィルムを、複数箇所に設けられたガイドロールで搬送しながら洗浄すると、プラスチックフィルムとガイドロールとの接触箇所で、プラスチックフィルムに異物や粉塵等が付着したり、プラスチックフィルムにキズがついたりすることがある。
【0007】
また、プラスチックフィルムを水平方向に配置して搬送するため、プラスチックフィルムの上面を洗浄液で洗浄した後、その洗浄液を除去しないと、異物や粉塵等が再度、プラスチックフィルムに付着する可能性もある。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、フレキシブルな基材に付着した異物を効率よく除去し、また除去した異物が再付着しにくい基材洗浄装置、及び当該基材洗浄装置を用いた基材洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、搬送されてくるフレキシブルな基材を洗浄する洗浄部と、洗浄部の下流側に配置され、洗浄された前記基材を乾燥させる乾燥部とを備え、前記基材が、少なくとも前記洗浄部に搬送される際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送されることを特徴とする基材洗浄装置である。
【0010】
このような構成により、フレキシブルな基材の両面を同時に洗浄することができ、洗浄により浮遊した異物等がそのまま下方へ流されるため、当該基材に付着した異物を効率よく除去することができる。また、除去した異物が再付着しにくくすることができ、高い洗浄効率を実現することができる。また、基材洗浄装置の幅方向の大きさを小さくすることができる。さらに、基材洗浄装置内を通過するフレキシブルな基材の長さを短くすることができるため、当該基材の品質が低下することを防止することができる。
【0011】
本発明は、洗浄部の上流側に、前記基材を巻き出す巻出部が配置され、乾燥部の下流側に、乾燥された前記基材を巻き取る巻取部が配置されたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0012】
本発明は、巻出部が、巻き出す前記基材を巻き付けて保持する巻出軸を有し、巻取部が、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、当該巻出部の巻出軸及び巻取部の巻取軸が各々、垂直方向を向いて延在することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0013】
本発明は、巻出部が、巻き出す前記基材を巻き付けて保持する巻出軸を有し、当該巻出部の巻出軸が、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、巻出部と洗浄部との間に、洗浄部に搬入される前記基材を、幅方向が垂直方向を向くよう回転させる基材回転部を設けたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0014】
本発明は、洗浄部と乾燥部との間に、洗浄された前記基材をさらに洗浄するリンス部を設けたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0015】
このような構成により、洗浄部によって、フレキシブルな基材から浮遊された異物や粉塵等、又はフレキシブルな基材に残留した異物や粉塵等を、効率よく洗い流すことができる。
【0016】
本発明は、巻出部の下流側近傍に、前記基材を送るフィードローラが設けられ、巻出部と巻取部の間において、当該フィードローラのみが前記基材に接触することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0017】
このような構成により、フレキシブルな基材がフィードローラ以外の部材に接触しないため、当該部材に付着した異物や粉塵等の汚れが当該基材に付着することを防止することができる。
【0018】
本発明は、フィードローラ近傍に、前記基材に加わるテンションを検出する検出部を設け、フィードローラは、当該検出部からの信号に基づいて、前記基材の搬送速度を調整し、巻出部と巻取部の間において、フィードローラのみ、又はフィードローラと検出部のみが前記基材に接触することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0019】
このような構成により、フレキシブルな基材を最適なテンション及び速度で搬送することができ、かつフレキシブルな基材がフィードローラ、又はフィードローラと検出部以外の部材に接触することによって、当該部材に付着した異物や粉塵等の汚れが当該基材に付着することを防止することができる。
【0020】
本発明は、洗浄部下方に、前記基材を支持する搬送用コロが設けられたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0021】
このような構成により、搬送用コロが、フレキシブルな基材を下方から支持することができるので、当該基材が、重力の影響で下方に落ち込むことを、確実に防止することができる。また、搬送用コロは、上方からの洗浄用液体によって、常に清潔に保たれているため、搬送用コロと接触するフィルムに異物や粉塵等の汚れが付着することを防止することができる。
【0022】
本発明は、洗浄部が、前記基材に洗浄用液体を吹き付ける吹付洗浄部を有することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0023】
このような構成により、フレキシブルな基材に洗浄用液体を吹き付け、当該基材に付着した異物、粉塵等のパーティクルを浮き出させることができる。
【0024】
本発明は、洗浄部が、前記基材に洗浄用液体を膜状に流下させる流下洗浄部を有することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0025】
このような構成により、フレキシブルな基材に洗浄用液体を膜状に流下させることができるので、当該基材を広い面積で一度に洗浄することができる。
【0026】
本発明は、乾燥部が、前記基材に空気を吹き付けて、前記基材を乾燥させるエアーナイフを有することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0027】
このような構成により、フレキシブルな基材に熱的負荷等を与えずに、当該基材上の洗浄用液体を除去することができる。
【0028】
本発明は、前記基材が、前記洗浄部及び前記乾燥部に搬送される際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送されることを特徴とする基材洗浄装置である。
【0029】
このような構成により、フレキシブルな基材上に付着した洗浄用液体が重力により下方へ落ちるため、当該基材を効率よく乾燥することができる。
【0030】
本発明は、乾燥部が、垂直方向に延在するとともに、前記基材の一方の面に空気を吹き付けて、前記基材を乾燥させるエアーナイフと、当該エアーナイフに対向して垂直方向に延在するとともに、前記基材の他方の面に空気を吹き付ける支持エアー供給部とを有し、前記基材が、エアーナイフから吹き付けられる空気と、支持エアー供給部から吹き付けられる空気によって、幅方向が垂直方向を向いて延在することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0031】
このような構成により、フレキシブルな基材を接触させることなく乾燥させることができるので、当該基材に異物や粉塵等の汚れが付着したり、当該基材にキズがついたりすることを防止することができる。
【0032】
本発明は、乾燥部が、前記基材の温度を上昇させて、前記基材を乾燥させる加熱装置を有することを特徴とする基材洗浄装置である。
【0033】
本発明は、洗浄部と乾燥部の間に、互いを仕切る仕切板が設けられ、当該仕切板には、搬送される前記基材が通過する搬送スリットが設けられたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0034】
このような構成により、洗浄部でフレキシブルな基材から洗い流された異物や粉塵等が、洗浄部の下流側に配置された乾燥部内に拡散するおそれがなく、当該基材に異物や粉塵等が再付着することを防止することができる。
【0035】
本発明は、洗浄部とリンス部の間、及びリンス部と乾燥部の間に、互いを仕切る仕切板が設けられ、当該仕切板の各々には、搬送される前記基材が通過する搬送スリットが設けられたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0036】
このような構成により、洗浄部でフレキシブルな基材から洗い流された異物や粉塵等が、洗浄部の下流側に配置されたリンス部内で拡散するおそれがなく、当該基材に異物や粉塵等が再付着することを防止することができ、かつリンス部でフレキシブルな基材から洗い流された異物や粉塵等が、リンス部の下流側に配置された乾燥部内で拡散するおそれがなく、当該基材に異物や粉塵等が再付着することを防止することができる。
【0037】
本発明は、巻取部が、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、当該巻取部の巻取軸が、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、洗浄部と乾燥部との間に、洗浄部から搬出される前記基材を、幅方向が巻取軸と平行になるよう再度回転させる基材再回転部を設けたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0038】
本発明は、巻取部が、巻き取った前記基材を巻き付けて保持する巻取軸を有し、当該巻取部の巻取軸が、水平方向に延在するか、又は垂直方向に対して傾斜して延在し、乾燥部と巻取部との間に、乾燥部から搬出される前記基材を、幅方向が巻取軸と平行になるよう再度回転させる基材再回転部を設けたことを特徴とする基材洗浄装置である。
【0039】
本発明は、洗浄部により、搬送されてくるフレキシブルな基材を洗浄する洗浄工程と、洗浄部の下流側に配置された乾燥部により、洗浄された前記基材を乾燥させる乾燥工程とを備え、前記基材が、少なくとも前記洗浄部に搬入される際に、垂直方向を向いて延在した状態で搬送されることを特徴とする基材洗浄方法である。
【0040】
このような構成により、フレキシブルな基材の両面を同時に洗浄することができ、洗浄により浮遊した異物等がそのまま下方へ流されるため、当該基材に付着した異物を効率よく除去することができる。また、除去した異物が再付着しにくくすることができ、高い洗浄効率を実現することができる。また、基材洗浄装置の幅方向の大きさを小さくすることができる。さらに、基材洗浄装置内を通過するフレキシブルな基材の長さを短くすることができるため、当該基材の品質が低下することを防止することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、フレキシブルな基材を、少なくとも洗浄部に搬入する際に、幅方向が垂直方向に向いた状態で搬送することによって、フレキシブルな基材の両面を同時に洗浄することができ、洗浄により浮遊した異物等がそのまま下方へ流されるため、当該基材に付着した異物を効率よく除去することができる。また、除去した異物が再付着しにくくすることができ、高い洗浄効率を実現することができる。また、基材洗浄装置の幅方向の大きさを小さくすることができる。さらに、基材洗浄装置内を通過するフレキシブルな基材の長さを短くすることができるため、当該基材の品質が低下することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る基材洗浄装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0043】
図1に示すように、基材洗浄装置は、フィルム(フレキシブルな基材)1を巻き出す巻出部10と、巻出部10の下流側に配置され、巻出部10から巻き出されたフィルム1を洗浄する洗浄部20と、洗浄部20の下流側に配置され、洗浄されたフィルム1を乾燥させる乾燥部40と、乾燥部40の下流側に配置され、乾燥されたフィルム1を巻き取る巻取部50とを備えている。なお、基材洗浄装置は、床面5上に配置されている。
【0044】
また、本願において、「下流」とは、フィルム1の搬送方向(MD方向)に沿った下流を意味する。例えば、乾燥部40が、洗浄部20の下流側に配置されているとは、乾燥部40が、フィルム1の搬送方向に沿って洗浄部20の下流に位置することを意味し、すなわち、乾燥部40が、洗浄部20を通過した後のフィルム1が到達する位置に配置されていることを意味する。他方、「上流」とは、フィルム1の搬送方向(MD方向)に沿った上流を意味する。
【0045】
なお、本願において「幅方向」とはTD方向を意味し、すなわち、フィルム1の搬送方向(MD方向)に垂直な方向であって、フィルム1が延在している方向を意味する。
【0046】
このうち、巻出部10は、図1に示すように、巻き出すフィルム1を巻き付けて保持する巻出軸11を有している。また、巻取部50は、巻き取ったフィルム1を巻き付けて保持する巻取軸51を有している。そして、当該巻出部10の巻出軸11及び巻取部50の巻取軸51は各々、垂直方向を向いて延在している。なお、本願において「垂直方向」とは、床面5に対して略垂直であることを意味する。また、「水平方向」とは、床面5に平行な面内にある一方向を意味する。
【0047】
また、図1に示すように、洗浄部20と乾燥部40との間には、洗浄されたフィルム1を、リンス水によって、さらに洗浄するリンス部30が設けられている。
【0048】
また、図1に示すように、巻出部10の下流側近傍には、フィルム1を送るフィードローラ15が設けられている。
【0049】
また、図1に示すように、フィードローラ15近傍には、フィルム1に加わるテンションを検出する検出ローラ(検出部)16が設けられている。また、フィードローラ15及び検出ローラ16には、制御部19が接続されている。なお、巻出部10と巻取部50の間において、フィードローラ15と検出ローラ16のみがフィルム1に接触している。
【0050】
なお、本実施の形態においては、検出部として検出ローラ16を用いて説明するが、これに限ることなく、検出部として、空気圧を用いてフィルム1に加わるテンションを検出する非接触式のものを用いても良い。このように、検出部として非接触式のものを用いた場合には、巻出部10と巻取部50の間において、フィードローラ15のみがフィルム1と接触することになる。
【0051】
また、図1に示すように、洗浄部20は、垂直方向を向いて延在し、フィルム1に洗浄水(洗浄用液体)を吹き付ける吹付洗浄部21a,21b,21c,21dを有している。
【0052】
この洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dは、フィルム1に洗浄水を吹き付けて、フィルム1に付着したパーティクルを浮き出たせるものである。
【0053】
なお、洗浄部20は、後述するリンス部30と同様に、垂直方向に対して傾斜して延在し、フィルム1に洗浄水を膜状に流下させる流下洗浄部(図示せず)を有してもよい。このような流下洗浄部は、フィルム1に洗浄水を膜状に流下させるので、フィルム1を広い面積で一度に洗浄することができる。
【0054】
また、図1に示すように、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21cは、フィルム1の表面1s側(図1の手前側)に設けられ、吹付洗浄部21b,21dは、フィルム1の裏面1r側(図1の奥側)に設けられている。また、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dは各々、複数の噴射ノズル(図示せず)を有している。そして、これら複数の噴射ノズルは、フィルム1の幅方向全体をカバーする長さで、配列されている。
【0055】
ところで、吹付洗浄部21a,21b,21c,21dの噴射ノズルからの洗浄水の噴射方法は幾つか考えられ、例えば、エアレス(洗浄水のみ)を連続的に噴射する方法、2流体(洗浄水とエアの混合したもの)を連続的に噴射する方法、エアレス(洗浄水のみ)を断続的に高圧で噴射する方法、2流体(洗浄水とエアの混合したもの)を断続的に噴射する方法などが用いることができ、フィルム1の種類によって適宜、選定することができる。
【0056】
また、吹付洗浄部21a,21b,21c,21dの噴射ノズルから噴射された洗浄水は水膜を形成する。そして、当該洗浄水は、純水や、フィルム1に影響を与えない薬剤等を含む洗浄液からなることが好ましい。
【0057】
また、図1及び図2に示すように、リンス部30は、垂直方向に対して傾斜して延在し、フィルム1にリンス水を膜状に流下させる流下リンス部31a,31bを有している。ここで、図1に示すように、リンス部30の流下リンス部31aは、フィルム1の表面1s側(図1の手前側)に設けられ、流下リンス部31bは、フィルム1の裏面1r側(図1の奥側)に設けられている。
【0058】
このリンス部30の流下リンス部31a,31bは、フィルム1にリンス水を供給して、フィルム1の表面1s及び裏面1rで浮き出たパーティクルを流して落とすものである。
【0059】
なお、リンス水としては、純水または超純水を用いることが好ましいが、適宜、水素や酸素などの気体をリンス水内に混合させても良い。
【0060】
また、図1及び図2に示すように、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dと、リンス部30の流下リンス部31a,31bは、洗浄リンス筐体25内に収容されている。また、図1及び図2に示すように、フィルム1の搬送方向に直交する当該洗浄リンス筐体25の側壁25a,25bの各々には、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット26a,26bが設けられている。すなわち、洗浄リンス筐体25の上流側の側壁25aには、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット26aが設けられ、洗浄リンス筐体25の下流側の側壁25bには、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット26bが設けられている。なお、図2は、洗浄部20、リンス部30及び乾燥部40の斜視図であるが、説明のためフィルム1及び吹付洗浄部21a,21b,21c,21dは、図示されていない。
【0061】
また、図1及び図2において、洗浄リンス筐体25内であって、吹付洗浄部21a,21b,21c,21dと流下リンス部31a,31bの間には、洗浄部20とリンス部30を区切る仕切板61が設けられている。なお、当該仕切板61には、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット62が設けられている。
【0062】
また、図1及び図3に示すように、乾燥部40は、垂直方向に延在し、フィルム1の表面1sに空気A1を吹き付けて、フィルム1を乾燥させるエアーナイフ41aと、エアーナイフ41aに対向して垂直方向に延在するとともに、フィルム1の裏面1rに空気A2を吹き付ける支持エアー供給部42aと、垂直方向に延在し、フィルム1の裏面1rに空気A1を吹き付けて、フィルム1を乾燥させるエアーナイフ41bと、エアーナイフ41bに対向して垂直方向に延在するとともに、フィルム1の表面1sに空気A2を吹き付ける支持エアー供給部42bを有している。なお、図3は、乾燥部40を図1の矢印IIIから見た平面図である。
【0063】
なお、図1に示すように、エアーナイフ41aは、支持エアー供給部42bの上流側に設けられている。また、エアーナイフ41bは、支持エアー供給部42aの下流側に設けられている。
【0064】
また、図1及び図2に示すように、エアーナイフ41a,41b及び支持エアー供給部42a,42bは、乾燥筐体45内に収容されている。また、図1及び図2に示すように、フィルム1の搬送方向に直交して設けられた、乾燥筐体45の側壁45a,45bの各々には、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット46a,46bが設けられている。すなわち、乾燥筐体45の上流側の側壁45aには、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット46aが設けられ、乾燥筐体45の下流側の側壁45bには、搬送されるフィルム1が通過する搬送スリット46bが設けられている。
【0065】
なお、図1及び図2に示すように、洗浄リンス筐体25の乾燥部40側の側壁25bと、乾燥筐体45のリンス部30側の側壁45aは、リンス部30と乾燥部40の間を仕切る仕切板を構成している。
【0066】
ところで、このようなエアーナイフ41a,41bを用いることによって、フィルム1に熱的負荷等を与えずにフィルム1上の液体を除去することができる。また、エアーナイフ41a,41bから吹き付けられる空気A1は、フィルターを通して無塵化されることが好ましい。
【0067】
なお、乾燥部40は、フィルム1の温度を上昇させて、フィルム1を乾燥させる加熱装置を有してもよい。このような加熱装置は、熱風、赤外線、プラズマなどを用いて、フィルム1を乾燥させることができる。また、加熱装置は、フィルム1に接触することなくフィルム1を乾燥させることができるため、フィルム1に異物や粉塵等が付着したり、キズがついたりすることを防止することができる。
【0068】
なお、加熱装置は、上述したエアーナイフ41a,41bによってフィルム1が十分に乾燥しない場合に、当該エアーナイフ41a,41bの補助として用いることもできる。このように、エアーナイフ41a,41bと加熱装置の両方を用いることによって、フィルム1をより確実に乾燥させることができる。
【0069】
また、巻出部10とフィードローラ15との間に、フィルム1の表面1s及び裏面1rに付着したゴミを除去するゴミ取りローラ(図示せず)を設けても良い。このことにより、フィードローラ15によって、フィルム1の表面1sや裏面1rに付着したゴミが、圧着されることを防止することができる。
【0070】
また、上述した基材搬送装置によって搬送されるフィルム1は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂からなっている。このうち熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0071】
また、上記では基材としてフィルム1を用いて説明したが、これに限ることなく、基材として銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、チタン箔などの金属箔を用いることもできる。
【0072】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0073】
まず、巻出部10の巻出軸11から、フィルム1が巻き出される(巻出工程81)(図1及び図4参照)。
【0074】
このとき、フィードローラ15によってフィルム1が案内される。そして、フィードローラ15近傍に設けられた検出ローラ16が、フィルム1によって押圧される力を検出して、巻出部10及び巻取部50によってフィルム1に加えられるテンションを検出する(テンション検出工程82)(図1及び図4参照)。
【0075】
そして、このように検出ローラ16によって検出されたフィルム1に加わるテンションに関する信号が制御部に送信され、制御部19が、当該信号に基づいて、フィードローラ15によるフィルム1の搬送速度を調整する(搬送速度調整工程83)(図1及び図4参照)。このため、フィードローラ15は、フィルム1を最適な速度で搬送することができる。
【0076】
次に、巻出部10から巻き出されたフィルム1は、洗浄リンス筐体25の側壁25aに設けられた搬送用スリット26aを経由して、巻出部10の下流側に配置された洗浄部20内に導かれる(図1及び図2参照)。
【0077】
次に、洗浄部20によって、巻出部10から巻き出されたフィルム1が洗浄される(洗浄工程85)(図1及び図4参照)。このとき、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dは、フィルム1に洗浄水を吹き付けるので、フィルム1に付着した異物、粉塵等のパーティクルを浮き出させることができる。
【0078】
具体的には、まず、吹付洗浄部21aから吹き付けられる洗浄水により、フィルム1の表面1sに付着したパーティクルが浮き出され、その後、吹付洗浄部21bから吹き付けられる洗浄水によりフィルム1の裏面1rに付着したパーティクルが浮き出される。そして、さらに同様に、吹付洗浄部21cから吹き付けられる洗浄水によりフィルム1の表面1sで浮き出されたパーティクルが洗い流され、その後、吹付洗浄部21dから吹き付けられる洗浄水によりフィルム1の裏面1rで浮き出されたパーティクルが洗い流される(図1参照)。
【0079】
このとき、図1に示すように、フィルム1は幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送されているので、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dから吹き付けられる洗浄水は、フィルム1の表面1s及び裏面1rに付着することなく、下方に流れていき、洗浄水により浮遊した異物等がそのまま下方へ流される。このため、フィルム1に付着した異物を効率よく除去することができる。また、洗浄水によって除去した異物が、フィルム1に再付着することを防止することができ、高い洗浄効率を実現することができる。
【0080】
このように洗浄部20で洗浄されたフィルム1は、洗浄部20とリンス部30とを区切る仕切板61に設けられた搬送用スリット62を経由して、洗浄部20の下流側に配置されたリンス部30内に導かれる(図1及び図2参照)。
【0081】
その後、リンス部30の流下リンス部31a,31bによって、洗浄されたフィルム1がさらに洗浄される(リンス工程86)(図1及び図4参照)。このように、流下リンス部31a,31bが、洗浄されたフィルム1を、リンス水によってさらに洗浄することによって、吹付洗浄部21a,21b,21c,21dによりフィルム1に残存したパーティクル、又はフィルム1に再付着したパーティクルを、完全によく洗い流すことができる。
【0082】
具体的には、まず、流下リンス部31aによりフィルム1の表面1sのパーティクルが洗い流され、その後、流下リンス部31bによりフィルム1の裏面1rのパーティクルが洗い流される(図1参照)。
【0083】
このとき、リンス部30の流下リンス部31a,31bは、フィルム1にリンス水を膜状に流下させるので、フィルム1を広い面積で一度に洗浄することができる(図1参照)。
【0084】
また、図1に示すように、フィルム1は幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送されているので、リンス部30の流下リンス部31a,31bから流下されるリンス水は、フィルム1の表面1s及び裏面1rに付着することなく、下方に流れていく。このため、フィルム1から洗い流されたパーティクルが、フィルム1の表面1s及び裏面1rに再度付着する可能性を低くすることができる。
【0085】
さらに、図2に示すように、洗浄部20とリンス部30の間に、互いを仕切る仕切板61が設けられている。このため、洗浄部20でフィルム1から浮き出された異物等のパーティクルが、隣接するリンス部30内に拡散するおそれがなく、フィルム1にパーティクルが再付着することを防止することができる。
【0086】
このようにリンス部30で洗浄されたフィルム1は、洗浄リンス筐体25の側壁25bに設けられた搬送用スリット26b、及び乾燥筐体45の側壁45aに設けられた搬送用スリット46aを経由して、リンス部30の下流側に配置された乾燥部40内に導かれる(図1及び図2参照)。
【0087】
次に、洗浄部20の下流側に配置された乾燥部40によって、洗浄されたフィルム1が乾燥され、フィルム1に残存する液体が除去される(乾燥工程87)(図1及び図4参照)。
【0088】
具体的には、まず、乾燥部40のエアーナイフ41aが、フィルム1の表面1sに空気A1を吹き付け、フィルム1の表面1sを乾燥させる。このとき、乾燥部40の支持エアー供給部42aが、フィルム1の裏面1rに空気A2を吹き付けるので、エアーナイフ41aから吹き付けられる空気A1と、支持エアー供給部42aから吹き付けられる空気A2によって、フィルム1をばたつかせることなく、幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送することができる(図1及び図3参照)。
【0089】
その後、乾燥部40のエアーナイフ41bが、フィルム1の裏面1rに空気A1を吹き付け、フィルム1の裏面1rを乾燥させる。このときもやはり、乾燥部40の支持エアー供給部42bが、フィルム1の表面1sに空気A2を吹き付けるので、エアーナイフ41bから吹き付けられる空気A1と、支持エアー供給部42bから吹き付けられる空気A2によって、フィルム1をばたつかせることなく、幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送することができる(図1及び図3参照)。
【0090】
このように、エアーナイフ41a,41b及び支持エアー供給部42a,42bは、フィルム1を接触させることなく、乾燥させることができるので、フィルム1に異物や粉塵等の汚れが付着することを防止することができる。
【0091】
また、フィルム1は、幅方向が垂直方向に向いた状態で乾燥されるため、フィルム1上に付着した洗浄水やリンス水が重力により下方へ落とすことができる。このため、フィルム1を効率よく乾燥することができる。
【0092】
ここで、図1及び図2に示すように、リンス部30は、洗浄リンス筐体25内に収容され、乾燥部40は乾燥筐体45内に収容されている。このため、リンス部30と乾燥部40との間には、リンス部30と乾燥部40を互いに仕切る洗浄リンス筐体25の側壁25b及び乾燥筐体45の側壁45a(仕切板)が設けられている。このため、リンス部30で、フィルム1表面から洗い流された異物等のパーティクルが、隣接する乾燥部40内に拡散するおそれがなく、フィルム1にパーティクルが再付着することを防止することができる。
【0093】
次に、乾燥部40の下流側に配置された巻取部50の巻取軸51によって、乾燥されたフィルム1が巻き取られる(巻取工程89)(図1及び図4参照)。
【0094】
上述した一連の工程において、フィルム1は、巻出部10と巻取部50の間を、垂直方向に配置された状態で搬送される(図1参照)。このため、フィルム1を水平方向に配置して搬送する場合と比較して、基材洗浄装置の幅方向(水平方向)の大きさを小さくすることができる。
【0095】
また、上述した一連の工程において、巻出部10と巻取部50の間において、巻出部10の下流側近傍に配置されたフィードローラ15と検出ローラ16のみがフィルム1に接触している(図1参照)。このため、フィルム1がフィードローラ15及び検出ローラ16以外の部材に接触することによって、当該部材に付着した異物や粉塵等の汚れがフィルム1に付着することを防止することができる。
【0096】
また、上述した一連の工程において、フィルム1の表面1sと裏面1rを反転させる必要がないため、基材洗浄装置内を通過するフィルム1の長さを短くすることができる。このため、フィルム1の品質が低下することを防止することができる。
【0097】
上記では、基材洗浄装置が、巻出部10と巻取部50とを有し、基材洗浄装置が単体として用いられる態様を用いて説明したが、これに限ることなく、本発明の基材洗浄装置は、コーターシステム、印刷システム、ラミネートシステムなどの一部に組み込まれてもよい。
【0098】
変形例
次に図5及び図6により本発明の第1の実施の形態の変形例について説明する。図5及び図6に示す変形例は、乾燥部40において、支持エアー供給部42a,42bを用いる代わりに、円筒形支持エアー供給部49a,49bを用いたものであり、他は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、円筒形支持エアー供給部49a,49bは、床面5に対して回転せずに固定されている。また、図6は、乾燥部を図5の矢印VIから見た平面図である。
【0099】
なお、本変形例では、横断面が円筒形の円筒形支持エアー供給部49a,49bを用いて説明したが、これに限ることなく、様々な形状の横断面からなるものを用いることができる。
【0100】
図5及び図6に示す変形例において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0101】
図5及び図6を用いて、円筒形支持エアー供給部49a,49bを有する乾燥部40によって、フィルム1を乾燥する工程(乾燥工程87)について、説明する(図4参照)。
【0102】
まず、乾燥部40のエアーナイフ41aが、フィルム1の表面1sに空気A1を吹き付け、フィルム1の表面1sを乾燥させる。このとき、乾燥部40の円筒形支持エアー供給部49aが、フィルム1の裏面1rに空気A2を吹き付けるので、エアーナイフ41aから吹き付けられる空気A1と、支持エアー供給部42aから吹き付けられる空気A2によって、フィルム1をばたつかせることなく、幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送することができる(図5及び図6参照)。なお、このとき、フィルム1の裏面1rには、円筒形支持エアー供給部49aから空気A2が吹き付けられるため、フィルム1の裏面1rは、円筒形支持エアー供給部49aに接触しない。
【0103】
その後、乾燥部40のエアーナイフ41bが、フィルム1の裏面1rに空気A1を吹き付け、フィルム1の裏面1rを乾燥させる。このときもやはり、乾燥部40の円筒形支持エアー供給部49bが、フィルム1の表面1sに空気A2を吹き付けるので、エアーナイフ41bから吹き付けられる空気A1と、支持エアー供給部49bから吹き付けられる空気A2によって、フィルム1をばたつかせることなく、幅方向が垂直方向を向いた状態で搬送することができる(図5及び図6参照)。なお、このとき、フィルム1の表面1sには、円筒形支持エアー供給部49bから空気A2が吹き付けられるため、フィルム1の表面1sは、円筒形支持エアー供給部49bと接触しない。
【0104】
なお、図5及び図6に示すように、フィルム1は、円筒形支持エアー供給部49a,49bの周縁に、空気A2を介して巻き付きつつ、搬送される。このため、円筒形支持エアー供給部49a,49bを有する乾燥部40は、フィルム1をより安定した状態で保持しつつ、乾燥させることができる。
【0105】
第2の実施の形態
次に図7(a)(b)により本発明の第2の実施の形態について説明する。図7(a)(b)に示す第2の実施の形態は、洗浄部20下方に、フィルム1を支持する搬送用コロ29が設けたものであり、他は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0106】
図7(a)(b)に示す第2の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
図7(a)(b)に示すように、洗浄部20下方に、フィルム1を支持する搬送用コロ29が設けられている。このため、搬送用コロ29は、フィルム1を下方から支持することができる。この結果、フィルム1が、重力の影響で下方に落ち込むことを、確実に防止することができる。また、図7(a)(b)に示すように、搬送用コロ29の中央部29cは、凹んでいる。このため、搬送用コロ29は、当該中央部29cによって、フィルム1を確実に支持することができる。なお、図7(b)は、搬送用コロ29を上方から見た平面図である。
【0108】
なお、図7(a)(b)に示すように、搬送用コロ29は、洗浄部20内の下方に配置されている。このため、搬送用コロ29は、洗浄部20の吹付洗浄部21a,21b,21c,21dから吹き付けられる洗浄水によって、常に洗浄されている。この結果、搬送用コロ29は、常に清潔に保たれているため、搬送用コロ29と接触するフィルム1に、異物や粉塵等の汚れが付着することはない。
【0109】
第3の実施の形態
次に図8乃至図10(a)−(c)により本発明の第3の実施の形態について説明する。図8乃至図10(a)−(c)に示す第3の実施の形態は、巻出部10の巻出軸11が水平方向(y方向)に延在し、巻出部10と洗浄部20との間に、洗浄部20に搬入されるフィルム1を、幅方向が垂直方向を向くよう回転させる基材回転部70を設けたものである。なお、巻出部10の巻出軸11が水平方向に延在していることに合わせて、フィードローラ15と検出ローラ16は、図8に示すように、水平方向に延在している。その他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図8乃至図10(a)―(c)において、水平方向であって、巻出部10から巻取部50へ向かう方向をx方向とし、水平方向であって、x方向と直交する方向をy方向とし、垂直方向をz方向とする。
【0110】
図8乃至図10(a)−(c)に示す第3の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0111】
基材回転部70は、例えば図9(a)−(c)に示すように、y方向に延在する水平ローラ72と、水平ローラ72の下流側に配置され、yz平面上であって、y方向及びz方向に対して傾斜する方向に延在する垂直傾斜ローラ73と、傾斜ローラ73の下流側に配置され、z方向に延在する垂直ローラ74とを有している。なお、図9(a)は、このような構成を有する基材回転部70の斜視図であり、図9(b)は図9(a)の矢印B1から基材回転部70を見た側方図であり、図9(c)は図9(a)の矢印C1から基材回転部70を見た側方図である。但し、図9(b)(c)においては、説明のため、フィルム1を省略しており図示していない。
【0112】
図9(a)―(c)に示した構成を有する基材回転部70に、水平方向で搬入されたフィルム1(幅方向がy方向に向かって延在した状態で搬入されたフィルム1)は、まず、水平ローラ72によってz方向(正方向)に折曲され、水平ローラ72のz方向(正方向)に向かって搬送される。次に、水平ローラ72を経てz方向(正方向)に向かって搬送されたフィルム1は、垂直傾斜ローラ73によってy方向(正方向)に向かって折り返された後、y方向(正方向)に向かって搬送される。次に、y方向(正方向)に向かって搬送されたフィルム1は、垂直ローラ74によってx方向(正方向)に向かって搬送される。
【0113】
このため、図9(a)―(c)に示した構成を有する基材回転部70によって、水平方向で搬入されたフィルム1を、幅方向が垂直方向に向かった状態で搬出することができる。
【0114】
また、図10(a)−(c)に示すように、基材回転部70は、xy平面上であって、x方向及びy方向に対して傾斜する方向に延在する水平傾斜ローラ76と、水平傾斜ローラ76の下流側に配置され、x方向に延在する第一水平ローラ77と、第一水平ローラ77の下流側に配置され、x方向に延在する第二水平ローラ78と、第二水平ローラ78の下流側に配置され、xz平面上であって、x方向及びz方向に対して傾斜する方向に延在する垂直傾斜ローラ79とを有してもよい。なお、図10(a)は、このような構成を有する基材回転部70の斜視図であり、図10(b)は図10(a)の矢印B2から基材回転部70を見た側方図であり、図10(c)は図10(a)の矢印C2から基材回転部70を見た側方図である。但し、図10(b)(c)においては、説明のため、フィルム1を省略しており図示していない。
【0115】
図10(a)―(c)に示した構成を有する基材回転部70に、水平方向で搬入されたフィルム1(幅方向がy方向に向かって延在した状態で搬入されたフィルム1)は、まず、水平傾斜ローラ76によってy方向(正方向)に折曲され、y方向(正方向)に向かって搬送される。次に、y方向(正方向)に向かって搬送されたフィルム1は、第一水平ローラ77によってy方向(負方向)に折り返され、y方向(負方向)に向かって搬送される。次に、y方向(負方向)に向かって搬送されたフィルム1は、第二水平ローラ77によってz方向(正方向)に折曲され、z方向(正方向)に向かって搬送される。次に、z方向(正方向)に向かって搬送されたフィルム1は、垂直傾斜ローラ79によってx方向(正方向)に折曲され、x方向(正方向)に向かって搬送される。
【0116】
このため、図10(a)―(c)に示した構成を有する基材回転部70によって、水平方向で搬入されたフィルム1を、幅方向が垂直方向に向かった状態で搬出することができる。
【0117】
なお、上記では、巻出部10の巻出軸11が水平方向に延在している態様を用いて説明したが、これに限らず、巻出部10の巻出軸11は垂直方向に対して傾斜して延在してもよい。
【0118】
第4の実施の形態
次に図11により本発明の第4の実施の形態について説明する。図11に示す第4の実施の形態は、巻取部50の巻取軸51が水平方向に延在し、乾燥部40と巻取部50との間に、乾燥部40から搬出されるフィルム1を、幅方向が巻取軸51と平行に延在するよう再度回転させる基材再回転部71を設けたものである。その他の構成は、図8乃至図10(a)−(c)に示す第3の実施の形態と略同一である。
【0119】
図11に示す第4の実施の形態において、図8乃至図10(a)−(c)に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
図11に示した基材再回転部71は、例えば、図9(a)−(c)や図10(a)−(c)に示した基材回転部70と略同一の構成を有している。
【0121】
なお上記では、乾燥部40と巻取部50との間に、基材再回転部71を設けた態様を用いて説明したが、これに限ることなく、リンス部30と乾燥部40との間に、基材再回転部71を設けてもよい。
【0122】
また、上記では、巻取部50の巻取軸51が水平方向に延在している態様を用いて説明したが、これに限らず、巻取部50の巻取軸51は垂直方向に対して傾斜して延在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明による基材搬送装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明の基材搬送装置の第1の実施の形態による、洗浄部、リンス部及び乾燥部を示す斜視図。
【図3】本発明の基材搬送装置の第1の実施の形態による、乾燥部を図1の矢印IIIから見た平面図。
【図4】本発明の基材搬送装置の第1の実施の形態による、基材洗浄方法を示すフロー図。
【図5】本発明による基材搬送装置の第1の実施の形態の変形例を示す構成図。
【図6】本発明の基材搬送装置の第1の実施の形態の変形例による、乾燥部を図5の矢印VIから見た平面図。
【図7】本発明の基材搬送装置の第2の実施の形態による、洗浄部を示す斜視図。
【図8】本発明による基材搬送装置の第3の実施の形態を示す部分構成図。
【図9】本発明の第3の実施の形態による基材搬送装置の基材回転部の一例を示す構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態による基材搬送装置の基材回転部の他の例を示す構成図。
【図11】本発明による基材搬送装置の第4の実施の形態を示す部分構成図。
【符号の説明】
【0124】
1 フィルム(フレキシブルな基材)
10 巻出部
11 巻出軸
15 フィードローラ
16 検出ローラ(検出部)
20 洗浄部
21a,21b,21c,21d 吹付洗浄部
26a,26b,46a,46b,62 搬送スリット
29 搬送用コロ
30 リンス部
40 乾燥部
41a,41b エアーナイフ
42a,42b 支持エアー供給部
50 巻取部
51 巻取軸
61 仕切板
70 基材回転部
71 基材再回転部
81 巻出工程
82 テンション検出工程
83 搬送速度調整工程
85 洗浄工程
86 リンス工程
87 乾燥工程
89 巻取工程
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之

【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平

【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁


【公開番号】 特開2008−29990(P2008−29990A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208373(P2006−208373)