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【発明の名称】 液体除去方法および液体除去装置およびウェブ処理装置
【発明者】 【氏名】山村 流士

【要約】 【課題】液体が付着したウェブに対する液体除去処理において、付着液体を除去しきれないことによる液滴残りやミストの再付着等により発生するシミを、解消することが可能な液体除去方法および液体除去装置を提供する。

【構成】上流側から下流側へ搬送される、液体が付着したウェブから液体を除去する方法であって、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付けるとともに、気体吹き付け位置を挟んでウェブ搬送方向の上流側と下流側とからウェブ周辺の気体を排気することを特徴とする液体除去方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から下流側へ搬送される、液体が付着したウェブから液体を除去する方法であって、
ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付けるとともに、気体吹き付け位置を挟んでウェブ搬送方向の上流側と下流側とからウェブ周辺の気体を排気することを特徴とする液体除去方法。
【請求項2】
液体が付着したウェブから液体を除去する装置であって
液体が付着したウェブを上流側から下流側へ搬送するウェブ搬送手段と、
ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付ける気体吹き付け手段と、
前記気体吹き付け手段を覆うように設置され、ウェブ側に開口部を備え、かつ開口部とは異なる位置に排気ダクトを少なくとも1個備えている排気用筐体と、
前記排気ダクトから排気用筐体内部および開口部周辺の気体を排出するための排気手段と
を備えていることを特徴とする液体除去装置。
【請求項3】
前記ウェブ搬送手段は前記ウェブを支持し搬送する搬送ローラーを備え、
前記気体吹き付け手段は前記搬送ローラーとウェブを挟んで対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の液体除去装置。
【請求項4】
さらに、前記排気ダクトから排出された気体を、前記気体吹き付け手段に送る気体循環経路を備え、
前記気体循環経路は液体およびミスト捕集手段を備え、
前記排気手段は前記気体循環経路内に前記液体およびミスト捕集手段の後に設けられていることを特徴とする、請求項2または3の液体除去装置。
【請求項5】
前記気体循環経路はさらに集塵手段を備え、
当該集塵手段は前記気体循環経路内に、前記排気手段の後に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液体除去装置。
【請求項6】
ウェブに対して、液体を用いた処理を行うウェブ処理装置であって、
ウェブに対する処理に用いる液体を供給する手段と、
液体が付着したウェブから液体を除去する手段とを備え、
前記液体が付着したウェブから液体を除去する手段として、請求項2〜5のいずれかに記載の液体除去装置を備えていることを特徴とするウェブ処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が付着したウェブの、液体除去方法および液体除去装置およびウェブ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェブ状基材の各種加工は、ロール状に巻かれたウェブ状基材を巻き出しおよび巻き取りしながらウェブ搬送し、その間に所定の処理を行うのが一般的である。このようなウェブ処理において、洗浄液による洗浄処理などウェブに液体が付着する工程の最後には、付着している液体を除去してウェブを乾燥させる必要がある。
【0003】
ウェブに付着している液体を除去する方法としては、2台のエアーナイフを対向するように設置してその間にウェブを通してウェブの両面の同じ位置に気体を吹き付ける方法や、エアーナイフをローラーに対向させて設置してローラーに抱かれている状態のウェブに対して気体を吹き付ける方法や、ニップローラーによりウェブを挟み込む、などの方法がよく用いられている。
【0004】
エアーナイフによる液体除去方法では、ウェブからいったん吹き飛ばされた液体が液体除去後のウェブに再付着することによるシミ、液体除去部から巻き上げられたパーティクルが原因である異物の付着が問題となっていた。
【0005】
また、ウェブの各種加工はクリーンルーム内で行われることも多い。その場合、ウェブの液体除去のために吹き付ける気体をクリーンルーム外部から大量に供給すると、クリーンルーム内外で気圧差が生じることになりクリーンルーム内のエアーバランスが崩れるという問題が発生していた。
【0006】
また、液体除去を目的としたニップローラーの場合には、付着している液体の影響でウェブの蛇行が発生したりウェブに傷がついたりすることが問題となっていた。
【0007】
そこで、吹き飛ばされた液体およびミストを、エアーナイフの直近にて周囲の気体ごと回収するという方法や装置が公開されている。これら従来の技術では、対象物に対するエアーナイフのからの気体噴出角度を法線方向から下流側に傾けて設置し、その反対側に回収口を設けたことを特徴としている。(例えば、特許文献1,2,3,4,5参照)
【特許文献1】特開平6−99150号公報
【特許文献2】特開平7−35478号公報
【特許文献3】特開2001−33165号公報
【特許文献4】特開2003−229404号公報
【特許文献5】特開2003−282525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしエアーナイフの気体噴出口より噴出された気体は、噴出口から距離が離れるほど噴出圧が極端に落ちる。従って、対象物に対するエアーナイフからの気体噴出角度を法線方向から傾けるほど、対象物とエアーナイフのあいだの距離が長くなり、法線方向に設置した場合に比べて気体噴出圧が弱くなっていく。
【0009】
よって、対象物に対するエアーナイフからの気体噴出角度を法線方向から傾けて設置すると、対象物に大量の液体が付着している場合、完全に液体を除去する事が出来ないという問題があった。
【0010】
更に従来技術は、平坦な板状のもの、あるいはウェブ状のものでも平坦または平坦に近い状態で搬送されているものを対象物としているため、円柱状のウェブ搬送ローラー上での液体除去には適していない。つまり、これらの従来技術の方法または装置を使って円柱状のウェブ搬送ローラー上で液体除去を行おうとすると、ウェブ搬送ローラー表面とエアーナイフまたは回収口のどちらかに距離があく箇所が出来る。そのため、付着液体を除去しきれない、または、吹き飛ばされた液体やミストのうち少なくとも一部が回収口から回収されずに残ってしまうという問題があった。
【0011】
本発明はこのような従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は対象物の液体除去処理において、気体吹き付け手段からの噴出気体や吹き飛ばされたミストおよび液体を確実に回収できる液体除去方法および液体除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、上流側から下流側へ搬送される、液体が付着したウェブから液体を除去する方法であって、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付けるとともに、気体吹き付け位置を挟んでウェブ搬送方向の上流側と下流側とからウェブ周辺の気体を排気することを特徴とする液体除去方法としたものである。
【0013】
この請求項1に記載の液体除去方法では、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付けるようにしているので、噴出気体の圧力が高い状態で気体を吹き付けることができる。また、気体吹き付け位置を挟んでウェブ搬送方向の上流側と下流側とからウェブ周辺の気体を排気することを特徴としているので、下流側に流れる液体やミストがあった場合でも回収が可能である。
【0014】
本発明の請求項2に係る発明は、液体が付着したウェブから液体を除去する装置であって液体が付着したウェブを上流側から下流側へ搬送するウェブ搬送手段と、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度でウェブに気体を吹き付ける気体吹き付け手段と、前記気体吹き付け手段を覆うように設置され、ウェブ側に開口部を備え、かつ開口部とは異なる位置に排気ダクトを少なくとも1個備えている排気用筐体と、前記排気ダクトから排気用筐体内部および開口部周辺の気体を排出するための排気手段とを備えていることを特徴とする液体除去装置としたものである
【0015】
この請求項2に記載の液体除去装置では、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度で気体を吹き付けるように気体吹き付け手段を設置しているので、噴出気体の圧力は高い状態で吹き付けることができる。また、気体吹き付け手段から噴出した気体やウェブから吹き飛ばされた液体およびミストは排気用筐体の開口部から排気用筐体内部に回収され、排気ダクトより排出される。
【0016】
更に、排気用筐体の開口部は気体吹き付け手段の吹き付け口の上流方向、下流方向共に開いているため、噴出気体および吹き飛ばされた液体やミストが上流方向、下流方向のどちらに流れたとしても回収できる。
【0017】
本発明の請求項3に係る発明は、前記ウェブ搬送手段は前記ウェブを支持し搬送する搬送ローラーを備え、前記気体吹き付け手段は前記搬送ローラーとウェブを挟んで対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の液体除去装置としたものである。
【0018】
この請求項3に記載の液体除去装置は、気体吹き付け手段を搬送ローラーに対向するように設置して、その搬送ローラー上に支持されている状態のウェブに気体を吹き付けるため、ウェブのばたつきはほとんど起こり得ない。従って、ウェブがばたついて気体吹き付け手段に接触しウェブに傷が付くという心配がない。また、本発明の液体除去装置は搬送ローラー上に設置しても、円柱状の搬送ローラー表面と吹き付け手段および排気用筐体開口部との間の距離を両方とも近く保つことが出来る。従って、円柱状の搬送ローラー上のウェブでも、平坦な状態のウェブと変わりない液体除去の能力を発揮できる。
【0019】
本発明の請求項4に係る発明は、前記排気ダクトから排出された気体を、前記気体吹き付け手段に送る気体循環経路を備え、前記気体循環経路は液体およびミスト捕集手段を備え、前記排気手段は前記気体循環経路内に前記液体およびミスト捕集手段の後に設けられていることを特徴とする、請求項2または3の液体除去装置としたものである。
【0020】
この請求項4に記載の液体除去装置では、排気ダクトから排出された気体を気体吹き付け手段に送る気体循環経路を備え、その気体循環経路の途中に設置した液体およびミスト捕集手段の使用により、回収した気体から液体成分を除去することができる。また前記気体循環経路内に排気手段を設けることにより、排気ダクトから排出した気体を気体吹き付け手段に送る、排気および給気のための手段とすることができる。このようにして、本液体除去装置では気体を循環させて使用しているので、本装置を設置している室内のエアーバランスを保つことができる。
【0021】
本発明の請求項5に係る発明は、前記気体循環経路はさらに集塵手段を備え、当該集塵手段は前記気体循環経路内に、前記排気手段の後に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液体除去装置としたものである。
【0022】
この請求項5に記載の液体除去装置では、前記気体循環経路内にさらに塵埃を捕集する為の集塵手段が設置されているため、気体吹き付け手段にクリーンな気体を供給することができる。また、本液体除去装置でも気体を循環させて使用しているので、本装置を設置している室内のエアーバランスを保つことができる。
【0023】
本発明の請求項6に係る発明は、ウェブに対して、液体を用いた処理を行うウェブ処理装置であって、ウェブに対する処理に用いる液体を供給する手段と、液体が付着したウェブから液体を除去する手段とを備え、前記液体が付着したウェブから液体を除去する手段として、請求項2〜5のいずれかに記載の液体除去装置を備えていることを特徴とするウェブ処理装置。
【0024】
この請求項6に記載のウェブ処理装置では、ウェブに対して液体を使った処理を行った後に請求項2〜5のいずれかに記載の液体除去装置により、付着していた液体を除去して所定の処理を終えることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の液体除去装置では、気体吹き付け手段を、ウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度をもって設置することで、気体吹き付け手段の気体吹き付け口からウェブまでの距離を短く保ち、ウェブに吹き付けるときの気体圧力を高く保つことが可能となった。そのため付着液体を除去する能力が上がり、ウェブの搬送速度を上げる事が可能となった。
【0026】
更に、排気用筐体の開口部は気体吹き付け位置の上流方向、下流方向共に開いているため、吹き飛ばされた液体やミストが上流方向、下流方向のどちらに流れたとしても回収することが可能で、吹き飛ばされた液体やミストの再付着を防ぐ効果がある。
【0027】
また本発明の液体除去装置は、平坦な状態で搬送されているウェブ上および円柱状の搬送ローラーに抱かれた状態のウェブ上のどちらに設置しても、ウェブと排気用筐体開口部との間に大きなすき間を作ることなく設置することが可能である。気体吹き付け手段より噴出した気体はウェブに衝突し、コアンダ効果によりローラーまたはウェブに沿って流れようとするが、排気用筐体開口部とローラーまたはウェブの間の距離が近くかつすき間がないことにより、噴出気体および液体やミストのほとんどを排気用筐体に回収することができる。
【0028】
また、ウェブに吹き付けた気体を回収して再利用することにより、本装置の設置室内のエアーバランスを保つことが出来る。
【0029】
以上、本発明の液体除去装置によれば、付着液体の除去能力を上げることが可能となり、液滴およびミストの再付着を解消し、本装置の設置室内のエアーバランスを保つことが出来るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態で本発明の請求項2および3の液体除去装置の概略構成を示す模式図である。図1(b)は、液体除去装置をウェブ搬送方向の上流側から見た正面図であり、図1(a)はそのc−c’断面図である。
【0031】
また図2は、図1(a)のうち、気体吹き付け手段である気体噴出用エアーナイフ1付近を拡大した断面図である。
【0032】
図1、図2に示すように、液体除去装置10は、気体吹き付け手段である気体噴出用エアーナイフ1とそれに気体を供給する給気ダクト5、および前記気体噴出用エアーナイフ1を覆うように設置された円筒状の排気用筐体3により構成されている。排気用筐体3は排気ダクト4を備えている。
【0033】
図1(a)および図2に示すように、ウェブは、上流側であるA側から、下流側であるB側へ搬送される。
【0034】
気体噴出用エアーナイフ1は、ウェブ20に対して気体吹き付け手段をウェブに対する法線方向を0°として、上流側を負、下流側を正として、0°〜15°の範囲の角度をもって傾けられて設置されている。従って図2のθは0°〜15°の範囲の角度である。また気体噴出用エアーナイフ1のウェブ20に面した側には、気体吹き出し口であるエアーナイフスリット2が形成されており、そこから吹き出した気体がウェブに吹き付けられる。
【0035】
液体除去装置10は、図示せぬ保持手段により通常は搬送ローラー21に対向する位置に保持されている。液体除去装置10が稼動しているときには、この保持手段により排気用筐体3の開口部6とウェブ20との間隔および、エアーナイフスリット2とウェブ20との間隔が、それぞれ1mm〜3mmに設定されているのが望ましい。
【0036】
また液体除去装置10は図示せぬ移動手段を備えており、ウェブ20を搬送ローラー21上に通す作業を行うときには、液体除去装置10を搬送ローラー21から離れた所に移動させておくことができる。前記移動手段は、ウェブ20を搬送ローラー21上に通す作業が完了したら液体除去装置10を、前記保持手段が保持する元の位置に戻すことができる。
【0037】
また、気体噴出用エアーナイフ1の両端は筒状の排気用筐体3の内側に固定されているが、前記θの角度範囲で吹き付ける角度を変更して固定できてもよい。
【0038】
排気用筐体3はウェブ側に開口部6を備えている。この開口部6はウェブへの気体吹き付けのためと、ウェブ周辺の気体および液滴やミストを吸い込むために設けられている。
【0039】
エアーナイフスリット2から吹き出した気体は、排気用筐体3の開口部6を通ってウェブ20に吹き付けられる。ウェブ周辺の気体およびウェブに付着していた液滴やミストなどは、開口部6を通って排気用筐体3内部に回収され、さらに排気ダクト4から排出される。
【0040】
排気ダクト4の位置は、排気用筐体の開口部の上流側および下流側の両方から距離が等しいほうがよく、開口部の反対側に設置されるのが好ましい。
【0041】
エアーナイフスリット2から吹き出した気体および吹き飛ばされた液滴やミストのうち、エアーナイフスリット2の長手方向両端の外側に流れるものもある。従ってエアーナイフスリット2の長手方向両端の外側からも気体などを回収できるよう、エアーナイフスリット2の長手方向の長さより、排気用筐体3の開口部6の長手方向の長さは、両端とも長くなるようにしておくとよい。
【0042】
図3は本発明の第2の実施形態で、図2と同様に本発明の請求項2および3の液体除去装置の概略構成のうち、気体噴出用エアーナイフ1付近を拡大した断面図であるが、排気用筐体3を楕円筒状にした場合のものである。
【0043】
筒状の排気用筐体3の形状としては、開口部6から吸い込まれた気体が含むミスト、液滴、異物を効率よく排気ダクト4へ導くために円筒状または楕円筒状であることが望ましい。また、円筒状または楕円筒状とすれば製作も容易である。
【0044】
図4(a)および(b)は本発明の第3の実施形態で、排気ダクト4の個数を変えた場合の模式図である。図4(b)は、液体除去装置をウェブ搬送方向の上流側から見た正面図であり、図4(a)はそのc−c’断面図である。
【0045】
図1の場合のように、排気ダクト4が排気用筐体3の中央付近に1つだけという構成だと、排気用筐体3の長手方向の両端付近は、中央付近に比べて排気量が相対的に低くなることがある。そのような排気量の不均一性を低減するためには、排気ダクト4を排気用筐体3の長手方向に複数個設けるとよい。図4には、排気ダクト4を3個設けた場合を示しているが、他の個数でもかまわない。
【0046】
また図5(a)および(b)は本発明の第4の実施形態で、排気用筐体3と排気ダクト4との間に、排気用筐体3の長手方向の長さから排気ダクト4の内径まで収束させるような接続部7を設けたものである。図5(b)は、液体除去装置をウェブ搬送方向の上流側から見た正面図であり、図5(a)はそのc−c’断面図である。
【0047】
図5のような接続部7を設けた場合、排気ダクト4が1個でも排気用筐体3の長手方向全域から比較的均一な排気が可能となるし、回収された液滴も接続部7の内壁を伝って排気ダクト4から排出されやすくなるという効果がある。
【0048】
図6は本発明の第5の実施形態で、液体除去装置10を搬送ローラー21の下方に設置した場合の模式図である。本実施例では、ウェブ20も搬送ローラー21の下側にかかるようにして搬送されるようにする。このような配置にすると、エアーナイフスリット2から吹き出した気体により吹き飛ばされて排気用筐体3内部に回収された液滴は、重力により排気用筐体3内壁の排気ダクト4のある側に集まるので、液滴を排気ダクトから排出することが容易になる。
【0049】
なお、ここまでの実施例では全て、搬送ローラー21にかかっている状態のウェブ20を対象として記述しているが、平坦な状態のウェブを対象とした場合でも排気用筐体3の開口部6およびエアーナイフスリット2は、搬送ローラー上のウェブと同程度の距離に近づけることが出来るので、本発明の液体除去装置10は平坦な状態のウェブを対象とした場合でも同じ性能を発揮できる。平坦な状態のウェブを対象とする場合には、2本の搬送ローラー上に跨ってかかっている状態のウェブの、2本の搬送ローラー間の部分を対象とすればよい。
【0050】
平坦な状態のウェブを対象とした場合で、エアーナイフから吹き出す気体によるウェブのばたつきが問題となる場合には、本発明の液体除去装置10を2個対向させて設置し、ウェブがその間を通るようにすればよい。
【0051】
図7は本発明の第6の実施形態で、本発明の請求項3または4の液体除去装置の気体の循環経路を示した模式図である。液体除去装置10の排気用筐体3により回収した気体、ミスト、液滴は、排気ダクト4を通り、液体およびミスト捕集手段である液体およびミスト捕集器により、乾燥した気体とミストおよび液滴に分けられる。その後、乾燥した気体が排気手段であるブロワにより送り出され、集塵手段である集塵フィルタ(例えばHEPAフィルタやULPAフィルタ)により除塵され、再度、気体噴出用エアーナイフ1より噴出される。
【0052】
ここでは、排気用筐体3から排気ダクト4を通して気体を回収する排気手段であるブロワは、気体噴出用エアーナイフ1への給気手段にもなっている。
【0053】
このようにウェブに吹き付ける気体を循環させることにより、液体除去装置10が設置されている室内のエアーバランスを崩すことなく、液体除去処理を行うことができる。
【0054】
次に、本発明の第7の実施形態として、本発明の請求項6に記載のウェブ処理装置について説明する。
【0055】
本実施形態のウェブ処理装置は、液体を用いてウェブに対して加工処理を行う処理装置であり、液体を用いて行う処理とは、例えばめっき液を使っためっき処理や、洗浄液を使った洗浄処理などである。
【0056】
本実施形態のウェブ処理装置では、所定の加工処理後、本発明の請求項2から5のいずれかに記載の液体除去装置により、ウェブに付着している液体が除去される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上詳細に説明したとおり、本発明の液体除去装置によれば、付着液体の除去能力を上げることが可能となり、液滴残りおよびミストの再付着を防止し、本装置の設置室内のエアーバランスを保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の液体除去装置の概略構成を示す模式図で、(a)断面図、および(b)正面図である。
【図2】本発明の液体除去装置の排気用筐体が円筒状の場合の断面図である。
【図3】本発明の液体除去装置の排気用筐体が楕円筒状の場合の断面図である。
【図4】本発明の液体除去装置で、排気ダクトが排気用筐体の長手方向に3箇所ある場合の概略図で、(a)断面図、および(b)正面図である。
【図5】本発明の液体除去装置で、排気ダクトが排気用筐体の長手方向全域から排気が可能な場合の概略図で、(a)断面図、および(b)正面図である。
【図6】本発明の液体除去装置を、搬送ローラーの下方に設置した場合の断面図である。
【図7】本発明の液体除去装置の、気体の循環経路を示した図である。
【符号の説明】
【0059】
1 気体噴出用エアーナイフ
2 エアーナイフスリット
3 排気用筐体
4 排気ダクト
5 給気ダクト
6 排気用筐体の開口部
7 排気用筐体3と排気ダクト4の間の接続部
10 液体除去装置
20 ウェブ
21 搬送ローラー
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−29950(P2008−29950A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205727(P2006−205727)