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【発明の名称】 洗浄装置
【発明者】 【氏名】山西 利幸

【氏名】園田 譲

【氏名】上野 紀条

【氏名】井上 勇

【要約】 【課題】ノズルの軸方向に複数設けられた各ノズル孔から噴出する流体を均一化することにより洗浄性能を向上する。

【構成】ノズル2に供給された流体を、ノズル2の終端部に接続した戻し経路4を介して、流体を供給する流体供給経路1に戻して循環させる一方で、ノズル2の軸方向に複数設けた各ノズル孔2aから噴出させる。これにより、ノズル2内の流体が、軸方向に沿って、十分な速度及び量を確保し、圧力(特に動圧)を均一化して、各ノズル孔2aからほぼ均一に噴出するのを可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給する流体供給経路と、この流体供給経路の先端に設けられたノズルと、を具備し、前記流体供給経路から供給された前記流体を、前記ノズルの軸方向に複数設けられたノズル孔から噴出し、被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、
前記ノズルの終端部と前記流体供給経路とを接続し、前記ノズル内の流体を前記流体供給経路に戻し循環させるための戻し経路を設けたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記ノズルに供給される流体は、加温又は冷却された流体であることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記流体供給経路と前記戻し経路との接続部は、エジェクタにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記戻し経路には、流量調整装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物を洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体製造工程にあっては、半導体素子の微細化による高集積化に伴い、半導体ウエハの洗浄工程が全行程の約3割を占めており、洗浄装置は製造歩留まりを維持するための重要な装置となっている。このような洗浄装置としては、ウェット式が主流であり、バス式(多数枚洗浄式)を中心に発展してきたが、枚葉式(単数枚洗浄式)への移行が進んでいる。また、枚葉式にあっては、ドライ式の検討も進んでいる。ここで、ウェット式、ドライ式に拘わらず、ウエハ全体を効率良く洗浄するために多孔ノズルが多用されている。このような多孔ノズルを有する洗浄装置としては、ノズルに供給された洗浄水(流体)を、当該ノズルの軸方向に複数並設されたノズル孔から噴出し、この噴出された洗浄水により半導体ウエハを洗浄するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このノズルからの洗浄水を、炭酸ガスを冷却し生成したドライアイスの微粒子を含むエアロゾルや、アルゴンガスを冷却し生成したアルゴン液滴や固体の微粒子を含むエアロゾルとした洗浄装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、ここでいうエアロゾルとは、気体に液滴や固体の微粒子が混合しているものをいう。
【特許文献1】特開2003−59888号公報
【特許文献2】特開2003−59889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記洗浄装置にあっては、ノズルの終端部側(先端部側)と基端部側で内部の圧力が異なる(特に動圧が大きく異なる)ため、当該ノズルの軸方向に複数設けられた各ノズル孔からの流体の噴出が不均一となり、洗浄にばらつきが生じるという問題があり、洗浄性能の向上が求められている。
【0004】
特に、ノズルに供給される流体を所定に加温又は冷却してその状態を変化させてノズル孔から噴出させる場合には、ノズル内において、当該流体の気液状態が変化して気液混合状態のエアロゾルとなっている場合(例えばアルゴンガスや窒素ガスが冷却により液体に変化し気液混合状態のエアロゾルとなっている場合や、例えば水やイソプロピルアルコール(液体)が加温により気体に変化し気液混合状態のエアロゾルとなっている場合)や、ノズル内において、当該流体が微粒子に変化してエアロゾルとなっている場合(例えば炭酸ガスが冷却によりドライアイスの微粒子に変化しエアロゾルとなっている場合)があり、このような状態にあっては、ノズル内の軸方向に沿って気液状態やエアロゾルの不均一性が加わるため、各ノズル孔からの流体の噴出が一層不均一となり、また、このように状態変化するものにあっては、ノズル外の雰囲気との熱交換や輻射により、その状態がノズル内において元の状態に戻る場合があり、ノズル内の軸方向に沿って状態変化の条件が加わるため、各ノズル孔からの流体の噴出が一層不均一となり、その問題が顕著となる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、ノズルの軸方向に複数設けられた各ノズル孔から噴出される流体が均一化され、洗浄性能が向上された洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による洗浄装置は、流体を供給する流体供給経路と、この流体供給経路の先端に設けられたノズルと、を具備し、流体供給経路から供給された流体を、ノズルの軸方向に複数設けられたノズル孔から噴出し、被洗浄物を洗浄する洗浄装置において、ノズルの終端部と流体供給経路とを接続し、ノズル内の流体を流体供給経路に戻し循環させるための戻し経路を設けたことを特徴としている。
【0007】
このような洗浄装置によれば、ノズルに供給された流体は、ノズルの終端部に接続された戻し経路を介して、流体を供給する流体供給経路に戻されて循環する一方で、ノズルの軸方向に複数設けられた各ノズル孔から噴出されるため、ノズル内の流体は、軸方向に沿って、十分な速度及び量が確保され、各ノズル孔での圧力(特に動圧)が均一化されて、各ノズル孔からほぼ均一に噴出される。従って、洗浄性能が向上される。
【0008】
ここで、ノズルに供給される流体が加温又は冷却された流体とした場合には、前述したように、ノズル内において、当該流体の気液状態が変化して気液混合状態のエアロゾルとなっている場合や、当該流体が微粒子に変化してエアロゾルとなっている場合があり、また、このように状態変化するものにあっては、ノズル外の雰囲気との熱交換や輻射により、その状態がノズル内において元の状態に戻る場合があり、ノズル孔からの流体の噴出を不均一化させる要因となるため、上記戻し経路の採用が特に有効である。
【0009】
また、流体供給経路と戻し経路との接続部は、エジェクタにより構成されているのが好ましい。このような構成を採用した場合、エジェクタは、機械的駆動部の無い真空ポンプであるから、流体を循環させるための機械的駆動部を有するポンプやファンを設ける場合に比して、循環動力が不要とされると共に汚染(Contamination)の虞が無くされる。
【0010】
また、戻し経路には、流量調整装置が設けられているのが好ましい。このような構成を採用した場合、当該流量調整装置により、流体供給経路に戻される流体の量が容易に調整される。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明による洗浄装置によれば、ノズルの軸方向に複数設けられた各ノズル孔から流体をほぼ均一に噴出でき、洗浄性能を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による洗浄装置の好適な実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る洗浄装置を示す概略構成図であり、本実施形態の洗浄装置は、半導体製造装置に適用されるもので、半導体ウエハ(被洗浄物)を洗浄するためのものである。
【0013】
図1に示すように、洗浄装置100は、流体を供給する流体供給配管(流体供給経路)1と、この流体供給配管1の先端に設けられると共に洗浄室R内に配置されるノズル2と、を備えると共に、流体供給配管1に対して熱交換を行う熱交換器3を備えている。
【0014】
流体供給配管1は、ボンベ等の流体供給源(不図示)に接続されてノズル2に流体を供給するものである。
【0015】
熱交換器3は、流体供給配管1内を流れる流体を冷却/加熱し、流体の状態を変化させるものである。
【0016】
流体供給配管1先端のノズル2は、軸方向に沿って並設された複数のノズル孔2aを備えている。これらのノズル孔2aは、流体供給配管1からノズル2に供給された流体を、洗浄室Rに配置された半導体ウエハSに向けて噴出し洗浄するためのものである。なお、ここでは、半導体ウエハSの洗浄を枚葉式としているが、バス式に対しても勿論適用できる。
【0017】
ここで、特に本実施形態の洗浄装置100は、ノズル2の終端部と流体供給配管1とを接続し、ノズル2内の流体を流体供給配管1に戻し循環させるための戻し配管(戻し経路)4を備えている。この戻し配管4は、ノズル2の終端面(図示左端面)に接続されると共に流体供給配管1の熱交換器3より上流側に接続され、この戻し配管4と流体供給配管1との接続部には、エジェクタ5が設けられている。
【0018】
エジェクタ5は、機械的駆動部の無い真空ポンプであり、流体供給源から流体供給配管1を通して供給される流体を駆動流とし、戻し配管4内の流体を吸引流として、これを合流混合し高速流としてノズル2に供給すると共に、ノズル2内の流体を戻し配管4を介して循環させるものである。
【0019】
また、戻し配管4には、流量調整装置である流量調整バルブ6が設けられている。この流量調整バルブ6は、流体供給配管1に戻す流体の量を調整するためのものである。
【0020】
さらに、流体供給配管1には、マスフローコントローラ(MFC;流量制御装置)7が設けられている。このマスフローコントローラ7は、ノズル2に供給する流体の量を制御するためのものである。
【0021】
次に、このように構成された洗浄装置100の作用について説明する。ここで、流体供給源の流体としては種々のものを用いることが可能であるが、ここでは、例えば窒素ガス等の気体を用い、熱交換器3として冷凍機を用いた場合について説明する。
【0022】
この場合、流体供給源から供給された気体は、流体供給配管1を流れる際に、熱交換器(冷凍機)3により冷却され、液体に状態変化するが、全てが液体に状態変化するのでは無く、気液混合流体のエアロゾルとされる。
【0023】
この気液混合流体は、ノズル2に供給され、当該ノズル2の軸方向に複数設けられた各ノズル孔2aから噴出される(詳しくは後述)一方で、ノズル2の終端部に接続された戻し配管4に流れ込む。
【0024】
この戻し配管4に流れ込んだ気液混合流体は、その流量が流量調整バルブ6により調整されてエジェクタ5に戻され、エジェクタ5により、戻し配管4の気液混合流体と流体供給源からの気体とが合流混合されて高速流とされ、この流体は、その流量がマスフローコントローラ7により制御されてノズル2に向かい、このノズル2に向かう過程で熱交換器3による冷却が行われながら、流体供給配管1、ノズル2及び戻し配管4により構成される経路を循環する。
【0025】
このように、ノズル2に供給された流体は、戻し配管4を介して流体供給配管1に戻されて循環するため、ノズル2内の流体は、軸方向に沿って、十分な速度及び量が確保され、圧力(特に動圧)やエアロゾルの状態が均一化される。従って、ノズル2の軸方向に複数設けられた各ノズル孔2aからは流体(気液混合流体;気液混合ミスト)がほぼ均一に噴出されて半導体ウエハSが洗浄される。
【0026】
次に、流体供給源の流体として例えば水やイソプロピルアルコール等の液体を用い、熱交換器3として蒸発器を用いた場合について説明する。この場合には、流体供給源から供給された液体は、流体供給配管1を流れる際に、熱交換器(蒸発器)3により加熱され、気体に状態変化するが、前述したのと同様に、全てが気体に状態変化するのでは無く、気液混合流体のエアロゾルとされる。以降の作用は、前述した流体供給源の流体を例えば窒素ガス等の気体とした場合と同様であり、ノズル2に供給された流体は、戻し配管4を介して流体供給配管1に戻されて循環するため、ノズル2の各ノズル孔2aからは流体(気液混合流体;気液混合ミスト)がほぼ均一に噴出されて半導体ウエハSが洗浄される。
【0027】
また、流体供給源の流体として例えば炭酸ガスを用い、熱交換器3として冷凍機を用いた場合には、流体供給源から供給された炭酸ガスは、流体供給配管1を流れる際に、熱交換器(冷凍機)3により冷却され、ドライアイスの微粒子に変化するが、全てがドライアイスの微粒子に状態変化するのでは無く、炭酸ガスにドライアイスの微粒子が混合しているエアロゾルとされる。そして、このエアロゾルは、前述と同様に、ノズル2に供給され、戻し配管4を介して流体供給配管1に戻されて循環するため、ノズル2の各ノズル孔2aからはエアロゾルがほぼ均一に噴出されて半導体ウエハSが洗浄される。
【0028】
また、流体供給源の流体として例えばアルゴンガスを用い、熱交換器3として冷凍機を用いた場合には、流体供給源から供給されたアルゴンガスは、流体供給配管1を流れる際に、熱交換器(冷凍機)3により冷却され、液体に状態変化するが、全てが液体に状態変化するのでは無く、気液混合流体のエアロゾルとされる。そして、この気液混合流体は、前述と同様に、ノズル2に供給され、戻し配管4を介して流体供給配管1に戻されて循環するため、ノズル2の各ノズル孔2aからは気液混合流体がほぼ均一に噴出される。この噴出された流体は、例えば真空の洗浄室内の断熱膨張作用でさらに冷却され一部がアルゴン固体の微粒子に状態変化し、この微粒子を含むエアロゾルにより半導体ウエハSが洗浄される。
【0029】
このように、本実施形態にあっては、ノズル2に供給された流体は、ノズル2の終端部に接続された戻し配管4を介して流体供給配管1に戻されて循環し、ノズル2内の流体は、軸方向に沿って、十分な速度及び量が確保され、圧力(特に動圧)が均一化されるため、ノズル2の軸方向に複数設けられた各ノズル孔2aからは流体がほぼ均一に噴出され、洗浄性能の向上が図られている。
【0030】
また、本実施形態にあっては、流体供給配管1と戻し配管4との接続部が、エジェクタ5により構成されているため、流体を循環させるための機械的駆動部を有するポンプやファンを設ける場合に比して、循環動力が不要とされると共に汚染(Contamination)の虞が無くされている。
【0031】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特にその効果が顕著であるとして、ノズル2に供給される流体が、加温又は冷却された流体であり、当該加温又は冷却により、気液状態が変化し気液混合状態のエアロゾルとなっているものや、微粒子に変化しエアロゾルとなっているもの等に対する適用を述べているが、状態変化の無い流体に対しても勿論適用可能である。
【0032】
また、上記実施形態においては、被洗浄物を半導体ウエハSとしているが、被洗浄物は半導体ウエハ以外であっても良いというのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0034】
1…流体供給配管(流体供給経路)、2…ノズル、2a…ノズル孔、3…熱交換器、4…戻し配管(戻し経路)、5…エジェクタ、6…流量調整バルブ(流量調整装置)、100…洗浄装置、S…半導体ウエハ(被洗浄物)。
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹


【公開番号】 特開2008−29936(P2008−29936A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204919(P2006−204919)