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【発明の名称】 プラズマ洗浄装置
【発明者】 【氏名】福田 正行

【氏名】村上 直也

【要約】 【課題】異常放電を回避でき、マガジン内の複数のプリント基板のプラズマ洗浄が均一に行なえるプラズマ洗浄装置を提供すること。

【構成】真空チャンバー1が所定の真空状態とされ、高周波電源10からの高周波電圧が左部電極2、右部電極3に自動整合器11を介して高周波電圧を印加される。すると、プラズマ反応性ガスが真空チャンバー1の左右側壁の導入口1A、1Bを介して該真空チャンバー1内に導入され、更に該真空チャンバー1内に導入され左部電極2及び右部電極3を貫通して両電極2、3間に供給されたプラズマ反応性ガスである酸素ガスはプラズマ化され、酸素はラジカル化する。そして、ラジカル化された酸素がマガジン7内のプリント基板6に付着している汚染物質と化学反応を起こして、真空チャンバー1の後壁に開設された排出口1Cを介して排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を側面に開設した開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とするプラズマ洗浄装置。
【請求項2】
真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を側面に開設した開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記開口に面して電極を配設して、前記マガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に前記電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とするプラズマ洗浄装置。
【請求項3】
真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を両側面に開設した一対の開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記各開口に面して一対の平行な電極を配設して、前記マガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に前記電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とするプラズマ洗浄装置。
【請求項4】
前記プラズマ反応性ガスは前記電極に形成した開口を介して前記マガジンの前記開口に向けて供給することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプラズマ洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、真空状態にされたチャンバー内にプリント基板を収納し、電極に高周波電源により高周波電圧を印加して反応性ガスをプラズマ化し、前記プリント基板を洗浄するプラズマ洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の洗浄装置は、例えば特許文献1などに開示されている。一般に、多数のプリント基板の洗浄が一括して行なえるように、マガジン内に複数のプリント基板を収納し、チャンバー内に配設された一対の平行な上部電極及び下部電極間において前記マガジンをこの下部電極上に載置して洗浄を行なっていた。
【特許文献1】特開2002−153832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、多数のプリント基板の洗浄を一括して行なうに際して、反応性ガスを各プリント基板に供給することが困難であり、プラズマ洗浄が均一とならないという問題があった。また、マガジン部に異常放電が発生することもあった。
【0004】
そこで本発明は、異常放電を回避でき、マガジン内の複数のプリント基板のプラズマ洗浄が均一に行なえるプラズマ洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため第1のプラズマ洗浄装置に係る発明は、真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を側面に開設した開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とする。
【0006】
また第2のプラズマ洗浄装置に係る発明は、真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を側面に開設した開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記開口に面して電極を配設して、前記マガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に前記電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とする。
【0007】
また第3のプラズマ洗浄装置に係る発明は、真空状態にされたチャンバー内に複数のプリント基板を両側面に開設した一対の開口を介して出し入れ可能に収納するマガジンを収納し、このマガジンの前記各開口に面して一対の平行な電極を配設して、前記マガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給すると共に前記電極に高周波電源により高周波電圧を印加して前記反応性ガスをプラズマ化し、前記マガジン内に収納されたプリント基板を洗浄することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第2又は第3のプラズマ洗浄装置に係る発明は、前記プラズマ反応性ガスは前記電極に形成した開口を介して前記マガジンの前記開口に向けて供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、異常放電を回避でき、マガジン内の複数のプリント基板のプラズマ洗浄が均一に行なえるプラズマ洗浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1を参照して、先ず本発明の第1の実施形態に係るプラズマ洗浄装置について説明する。1はアースに接続された真空チャンバーで、一対の平行な左部電極2及び右部電極3が配設される。そして、この真空チャンバー1は、図示しない真空ポンプによって所定の真空状態とされる。
【0011】
そして、例えば酸素ガスであるプラズマ反応性ガスが真空チャンバー1の左右側壁の導入口1A、1Bを介して該真空チャンバー1内に導入され、更に該真空チャンバー1内に導入されたプラズマ反応性ガスが左部電極2及び右部電極3のほぼ中央に形成された通気孔を通過して両電極2、3間に供給される。
【0012】
また、真空チャンバー1の底壁上にはアースに接続されるか絶縁性の材質で作製されたステージ5が設けられ、このステージ5上に洗浄すべき複数のプリント基板6を多段に収納したマガジン7が載置される。前記マガジン7は左側面及び右側面が開設され、開設されていない両側面の内側には前記プリント基板6を載置するための支承爪8が複数設けられる。そして、支承爪8上に前記プリント基板6を開設され左側面及び右側面を介して水平方向にスライドできるように載置する。
【0013】
10はアースに接続された高周波電源で、前記左部電極2、右部電極3に自動整合器11を介して高周波電圧を印加して前記プラズマ反応性ガス、即ち酸素ガスをプラズマ化させるものである。そして、生成されたプラズマ中の例えばラジカル化された酸素が前記マガジン7内のプリント基板6に付着している汚染物質(例えば、炭素など)と化学反応を起こして、前記真空チャンバー1の後壁に開設された排出口1Cを介して排出され、結果として前記汚染物質は取り除かれ、プリント基板6は洗浄される。
【0014】
前記高周波電源10に接続された前記自動整合器11は自動整合回路及び測定回路とが配設されている。自動整合回路は、前記高周波電源10のパワーを最大限前記真空チャンバー1内に供給するために、前記高周波電源10のインピーダンスと前記左部電極2のインピーダンスとの整合及び前記高周波電源10のインピーダンスと前記右部電極3のインピーダンスとの整合を自動的に行なう回路である。測定回路はA/D回路及びD/A回路を備え、前記高周波電源10により高周波電圧がケーブル13を介して印加されている左部電極2、右部電極3に生じるマイナスのオフセット直流電圧(Vdc)を常時測定する回路である。なお、前記ケーブル13は前記真空チャンバー1に埋設された絶縁物14を貫通して自動整合器11と左部電極2、右部電極3とを接続している。
【0015】
そして、図示しない制御装置が前記測定回路からの測定されたオフセット直流電圧(Vdc)と予め設定された基準電圧との偏差に応じて前記高周波電圧を変化させるようにPID制御又はオンとオフを一定周期で繰り返すオン/オフ制御を使用して前記高周波電源10を制御する。
【0016】
以上の構成により、以下動作について説明する。図示しない真空ポンプによって真空チャンバー1内の気体が排出口1Cを介して排出され、所定の真空状態とされ、高周波電源10からの高周波電圧が前記左部電極2、右部電極3に自動整合器11を介して高周波電圧を印加される。すると、プラズマ反応性ガスが真空チャンバー1の左右側壁の導入口1A、1Bを介して該真空チャンバー1内に導入され、更に該真空チャンバー1内に導入され左部電極2及び右部電極3の前記通気孔を通過して両電極2、3間に供給されたプラズマ反応性ガスである酸素ガスはプラズマ化され、酸素はラジカル化する。
【0017】
このとき、プラズマ反応性ガスである酸素ガスは、マガジン7内の各プリント基板6間をほぼ均一に流れ、マガジン7内の左右上下方向の酸素ガスの密度は均一となり、生成されたプラズマもマガジン7内でほぼ均一となる。
【0018】
以上のように、生成されマガジン7内でほぼ均一になっているプラズマ中のラジカル化された酸素が前記マガジン7内のプリント基板6に付着している汚染物質(例えば、炭素など)と化学反応を起こして、真空チャンバー1の後壁に開設された排出口1Cを介して排出され、異常放電も回避でき、結果として前記汚染物質は取り除かれ、マガジン7内の複数のプリント基板6のプラズマ洗浄が均一に行なえる。
【0019】
そして、前記高周波電源10により高周波電圧が印加されている左部電極2、右部電極3に生じるマイナスのオフセット直流電圧は、常時自動整合器11の測定回路により測定される。従って、この測定されたオフセット直流電圧値が入力された制御装置は、前記測定回路からのオフセット直流電圧と予め設定された基準電圧との偏差に応じて前記高周波電圧を変化させるようにPID制御又はオン/オフ制御を使用して前記高周波電源10を制御する。
【0020】
即ち、前記偏差を無くして、測定されたオフセット直流電圧値が基準電圧と同じとなるように、制御装置は前記高周波電源10を制御し、高周波電源10により出力される高周波電圧値を増減させながら、このプラズマ洗浄装置の運転が継続される。
【0021】
従って、前記オフセット直流電圧値を安定的に維持することにより、該オフセット直流電圧値の大小によって、必要以上に洗浄したり、不足したりするという問題が解消され、安定した洗浄の特性が得られるプラズマ洗浄装置を提供することができる。
【0022】
次に、図2に基づいて第2の実施形態について説明するが、第1の実施形態と異なる点にのみ説明するが、第1の実施形態と同一の番号は同一の機能を有し、その説明は省略する。
【0023】
前記真空チャンバー1内に右部電極3及びアースに接続されたアース板20を配設し、プラズマ反応性ガスを真空チャンバー1の右側壁の導入口1Bを介して該真空チャンバー1内に導入し、更に該真空チャンバー1内に導入されたプラズマ反応性ガスを右部電極3のほぼ中央に形成した通気孔を通過してマガジン7内に供給する構成である。従って、マガジン7の上下方向の各段毎のプラズマ反応性ガスの密度のばらつきを極力少なくすることができる。
【0024】
そして高周波電源10により、前記右部電極3に自動整合器11を介して高周波電圧を印加して前記プラズマ反応性ガス、即ち酸素ガスをプラズマ化させるものである。そして、生成されたプラズマ中のラジカル化された酸素が前記マガジン7内のプリント基板6に付着している汚染物質(例えば、炭素など)と化学反応を起こして、前記真空チャンバー1の後壁に開設された排出口1Cを介して排出され、結果として前記汚染物質は取り除かれ、プリント基板6は洗浄される。
【0025】
なお、この第2の実施形態においては、アース板20を配設したが、必ずしもこのアース板20を設ける必要はなく、マガジン7を挟んで右部電極3と対向する真空チャンバー1(アースに接続されている。)の左側壁が他方の電極の役目を果たすものである。
【0026】
なお、電極をマガジン7の上方に設けてもよいが、第1及び第2の実施形態のように、マガジン7のプリント基板の出し入れ用の開口に面して電極を配設して、このマガジンの前記開口に向けてプラズマ反応性ガスを供給することにより、マガジン7内でガスを一層均一にプラズマ化させることができる。
【0027】
また、第1及び第2の実施形態でプラズマ反応性ガスとして酸素ガスを使用したが、これに限らず、例えばアルゴン等の不活性ガスを使用してもよい。この場合、高周波電源により電極に自動整合器を介して高周波電圧を印加して不活性ガスをプラズマ化させ、生成されたプラズマ中のプラスイオンがプリント基板に衝突することにより、プリント基板表面をエッチングして、汚染物質を取り除き、洗浄することとなる。
【0028】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態のプラズマ洗浄装置の概念図である。
【図2】第2の実施形態のプラズマ洗浄装置の概念図である。
【符号の説明】
【0030】
1 真空チャンバー
2 左部電極
3 右部電極
6 プリント基板
7 マガジン
10 高周波電源
20 アース板
【出願人】 【識別番号】300022504
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクインスツルメンツ
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100109368
【弁理士】
【氏名又は名称】稲村 悦男


【公開番号】 特開2008−29930(P2008−29930A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204440(P2006−204440)