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【発明の名称】 面状製品の両面クリーニング方法と両面クリーニング装置
【発明者】 【氏名】飯干 正一

【氏名】長田 康

【要約】 【課題】面状製品の高クリーン化・ローラ調整機能・ローラ調整時の簡易性・面状製品の走行性・低ランニングコスト・構成の簡潔化・低イニシャルコストなどを実現する面状製品の両面クリーニング方法と両面クリーニング装置の提供。

【構成】複数のクリーニングローラ11a・11bを繰出系と引取系との間に介在させ両系を結ぶラインと交差するように配置する。面状製品Sが繰出系側からクリーニングローラ11a・11bを経由して引取系側へと進行するときに、面状製品Sが一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過、面状製品Sの各片面が一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触、面状製品Sがクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変える、面状製品Sとクリーニングローラ11a・11bとの面接触状態を定常的に保持など、これらの条件を満足させて面状製品Sの両面を同期的にクリーニングする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在で平行な複数のクリーニングローラを面状製品の繰出系と引取系との間に介在させて当該両系を結ぶラインと交差するように配置しておき、面状製品が繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行するときに、面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するという条件と、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するという条件と、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるという条件と、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態を定常的に保持するという条件とを満足させて、面状製品を両面を同期的にクリーニングすることを特徴とする面状製品の両面クリーニング方法。
【請求項2】
面状製品の幅方向の揺動に追随してクリーニングローラを揺動させるためクリーニングローラ揺動用の支点を面状製品の繰出系側に設定しておき、面状製品に幅方向の揺動が発生したとき、これに追随させてクリーニングローラを揺動させる請求項1記載の面状製品の両面クリーニング方法。
【請求項3】
面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とする面状製品の両面クリーニング装置。
【請求項4】
面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを回転自在に支持している支持器とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とする面状製品の両面クリーニング装置。
【請求項5】
面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を回転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とする面状製品の両面クリーニング装置。
【請求項6】
面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を自転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構と、第2支持器を面状製品の幅方向に揺動自在なるよう支持している第3支持器とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とする面状製品の両面クリーニング装置。
【請求項7】
面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を自転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構と、第2支持器を面状製品の幅方向に揺動自在なるよう支持している第3支持器と、第2支持器の揺動範囲を規制するための揺動規制機構とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とする面状製品の両面クリーニング装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はホイル(箔)・フィルム・テープ・シート・フレキシブルボードなどの面状製品についてその両面を同期的にクリーニングするための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
面状製品としてはホイル・フィルム・テープ・シート・フレキシブルボードなどが広く知られている。材料材質面からみた面状製品は紙製・布製・木製・合成樹脂製・金属製・二種以上の材料による複合材料製のものなど多種多様であり、技術分野も電気・機械・化学・建築・その他、広範囲に及ぶ。これらは、また、製造段階からみた場合に、一次製品であったり二次以上高次製品であったり最終製品であったりするものである。典型的な面状製品のいくつかは、電子材料・プリント基板・フラットパネル用フィルム・建築材料などであったりする。
【0003】
面状製品についていえば、自明のとおり塵埃の付着や汚れのないのが望ましい。とくに半導体などの分野で用いられる面状製品などは高いクリーン度が要求される。このような要望に応えるものとして、粘着性のクリーニングローラを走行状態にある面状製品の表面に接触させてその表面をクリーニングするという技術がすでに提供されている。これは空気圧系または油圧系を装備した加圧手段でクリーニングローラを面状製品の表面(両面)に接触させ、その製品表面に付着しているゴミを粘着性のクリーニングローラによって集塵するというものである。
【0004】
上述したクリーニング技術では加圧装置を介してクリーニングローラを面状製品の表面に接触させる。その際の接触圧が高かったりすると走行中の面状製品が停止する。そのため面状製品に対してクリーニングローラを軽いタッチで接触させることを要する。とはいえ、そのようなローラ接触圧の設定は簡単でなく、適切なローラ接触圧を常に維持するのも難しい。ゆえに十分なクリーニング効果を得るのが難しくなっている。
【0005】
かかる対策として下記特許文献1に開示されたクリーニング技術が提供されている。この文献技術の場合は、面状製品に対するクリーニングローラ接触圧の設定が簡単・自由・安価に行えるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−125283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のクリーニング技術では、シーソー回動自在なアームの両端で支持された複数のクリーニングローラを面状製品の上面と下面に接触させている。その場合に、面状製品に対するクリーニングローラの接触圧が荷重0グラムにすることもできるという。したがって従来技術は、面状製品に対しクリーニングローラを軽いタッチで接触させるという点で、所期の目的を達成しているといえる。
【0008】
面状製品に対するクリーニングローラの接触圧が荷重0グラムのように小さいときは双方が線接触状態となり、クリーニングローラの周面を広く有効活用した集塵ができないから、面状製品に付着しているゴミなどを効率よく取り除くのが難しくなる。これは解決すべき課題が技術的に対立しているということである。すなわち面状製品に対するクリーニングローラの接触圧を大きくしたときには走行中の面状製品が停止するという既述の不具合が生じ、これを解消するため面状製品に対するクリーニングローラの接触圧を小さくしたときには高効率の集塵が行えなくなるのであるから、この二つの課題を同時解決するのが困難である。それに面状製品の材質・面状製品の表面状況・面状製品の走行速度・ローラの材質・その他諸々の条件を考慮に入れてその都度適切なローラ接触圧を設定するのも難事である。
【0009】
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、高効率集塵による面状製品の高クリーン化・種々の条件に応じることのできるローラ調整機能・ローラ調整時の簡易性・面状製品の走行性・低ランニングコスト・構成の簡潔化・低イニシャルコストなどをはかることのできる面状製品の両面クリーニング方法と両面クリーニング装置とを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記(01)〜(07)に示す課題解決手段を特徴とし、これらの課題解決手段に基づき所期の目的を達成するものである。
(01)本発明に係る面状製品の両面クリーニング方法は、回転自在で平行な複数のクリーニングローラを面状製品の繰出系と引取系との間に介在させて当該両系を結ぶラインと交差するように配置しておき、面状製品が繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行するときに、面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するという条件と、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するという条件と、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるという条件と、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態を定常的に保持するという条件とを満足させて、面状製品を両面を同期的にクリーニングすることを特徴とするとするものである。
(02)本発明に係る面状製品の両面クリーニング方法は、上記(01)において、面状製品の幅方向の揺動に追随してクリーニングローラを揺動させるためクリーニングローラ揺動用の支点を面状製品の繰出系側に設定しておき、面状製品に幅方向の揺動が発生したとき、これに追随させてクリーニングローラを揺動させることを特徴とするものである。
(03)本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は、面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とするものである。
(04)本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は、面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを回転自在に支持している支持器とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とするものである。
(05)本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は、状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を回転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とするものである。
(06)本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は、面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を自転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構と、第2支持器を面状製品の幅方向に揺動自在なるよう支持している第3支持器とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とするものである。
(07)本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は、面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて当該両系を結ぶラインと交差するように配置される回転自在で平行な複数のクリーニングローラと、各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を自転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構と、第2支持器を面状製品の幅方向に揺動自在なるよう支持している第3支持器と、第2支持器の揺動範囲を規制するための揺動規制機構とを備えたものであること、繰出系側からクリーニングローラを経由して引取系側へと進行する面状製品が一つ以上のクリーニングローラ隣接部間を通過するものであること、面状製品の両面を形成している各片面のそれぞれが一つ以上のクリーニングローラ周面に対して面接触するものであること、面状製品がクリーニングローラ周面と接触するごとに進行角度を変えるものであること、および、面状製品とクリーニングローラとの面接触状態が定常的に保持されるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る面状製品の両面クリーニング方法は下記(11)〜(15)のような効果を有するものである。
(11)繰出系から引取系へと走行する面状製品が、その間において、両面とも複数のクリーニングローラと面接触する。このようにして双方が面接触するときは、クリーニングローラの周面を広く有効活用した高効率集塵が実現することとなり、面状製品の両面に対するクリーニングローラの集塵能力が線接触状態に比して格段に増大する。ゆえに面状製品を高クリーン化することができる。
(12)面状製品と各クリーニングローラとの相対接触量を加減することで、双方の適切な面接触状態を得ることができる。これはそのようにすることで種々の条件に対応できるのであるから、クリーニング時の運転が安定する。
(13)種々の条件に適合させるためのクリーニングローラ調整について、これは上記のとおり、面状製品と各クリーニングローラとの相対接触量を加減するだけでよいから簡易に行える。
(14)走行時の面状製品には引取系側からの引張力が作用し、それによるテンションが面状製品にかかる。このときのクリーニングローラは定位置を保持するだけで、面状製品に対して押し込み力などを加えたりはしない。したがって、クリーニングローラに起因して面状製品の走行不能を惹起するようなことがなく、面状製品の走行性が安定に保持される。このようなこともクリーニング運転の安定性につながる。
(15)クリーニングの際、面状製品を繰出系側からクリーニングローラ経由で引取系側へと進行させるだけで、これ以外に動力を要することがないから、低ランニングコストを維持することができる。
(17)面状製品に幅方向の揺動が発生したとき、これに追随させてクリーニングローラを揺動させる場合は、面状製品が無理な負荷がかかりがたく、したがって面状製品を損なうことのない安全なクリーニングを行うことができる。
【0012】
本発明に係る面状製品の両面クリーニング装置は下記(17)〜(22)のような効果を有するものである。
(17)面上製品とクリーニングローラとを適切に面接触させることができる。したがって上述したクリーニング方法を合理的に実施することができる。
(18)各クリーニングローラを回転自在に支持している支持器を備えたものは、その支持器を調整することで面状製品に対する各クリーニングローラの接触量を一括調整することができ、面上製品とクリーニングローラとの適切な面接触状態を得る上で利便性が高い。
(19)各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を回転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構とを備えたものは、上記の一括調整を変位角調整機構に依存して高精度に行うことができるから、より利便性が高い。
(20)各クリーニングローラを自転自在に支持している第1支持器と、各クリーニングローラが公転変位可能となるように第1支持器を自転自在に支持している第2支持器と、第1支持器の回転変位角度を調整するためこれら第2支持器と第1支持器とにわたって設けられた変位角調整機構と、第2支持器を面状製品の幅方向に揺動自在なるよう支持している第3支持器と、第2支持器の揺動範囲を規制するための揺動規制機構とを備えたものは、上記の諸効果があるほか、各クリーニングローラの揺動範囲を揺動規制機構によって所定の範囲内に規制することができる。これは既述とおり、面状製品を損なうことのない安全なクリーニングを行う上で利便性が高い。
(21)上記いずれの場合も構成の主体はクリーニングローラ支持であり、それ以外に特段の構成要素を必要としないから構成が簡潔化する。
(22)簡潔化した構成のものであるから、それによって装置コストが安価になるなど、低イニシャルコストを満足させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る面状製品の両面クリーニング方法と両面クリーニング装置について、その実施形態を添付の図面に基づき説明する。ただし以下に述べる図示の両面クリーニング装置においては、説明の便宜上、当業者の理解の及ぶ範囲内で一部の構成要素を透視したり略示したり省略したり重複表示したりしている。
【0014】
図1〜図2に例示された実施形態のものにおいて、11a〜11bは複数のクリーニングローラ、21は第1の支持器(以下第1支持器という)、31は第2の支持器(以下第2支持器という)、41は第3の支持器(以下第3支持器という)、51は変位角調整機構、61は揺動規制機構、71は安全カバーをそれぞれ示す。
【0015】
複数のクリーニングローラ11a〜11bは、それぞれローラ部材12と軸13とからなるもので、軸13がローラ部材12の両端面中央から突出している。このうちでローラ部材12は、その外周面に他物を接触かつ遊離させることで、当該他物表面に付着している塵埃(ゴミ)を転移集塵することができるものである。この転移集塵には部材の粘着性に依存するタイプと部材の帯電(静電気)に依存するタイプとがある。粘着性集塵を行うための材料としてシリコーン系・ウレタン系などの合成樹脂をあげることができ、静電気集塵を行うための材料としてブチル系の合成樹脂をあげることができる。したがって中空体または充実体からなるローラ部材12は、少なくともその表層部が上記のような材料からなる。具体的一例ではローラ部材12すべてが上記のような材料からなり、他の具体的一例ではローラ部材12の表層部が上記のような材料からなるとともにその残部が軟質合成樹脂・半硬質合成樹脂・硬質合成樹脂・FRP・金属などのいずれかからなる。一方で軸13は硬くて強度のあるものからなる。より具体的にいえば、軸13は金属や合成樹脂(FRPも含む)のうちから選択されたものからなる。
【0016】
複数のクリーニングローラ11a〜11bを回転自在(自転自在)に支持するための第1支持器21は、図示例において一対の枠部材22と他の一対の枠部材(符号なし)とが周知のネジ止め手段で長方形に枠組みされたものである。そのうちの一対の枠部材22には、それぞれの中央部に軸孔が形成されていてそこに軸ピン23が装着できるようになっている。一対の枠部材22には、また、軸ピン23ための軸孔の両隣に軸受用の凹部24が形成されている。この場合の各凹部24は、図2で明らかなように、各枠部材22の一側端面まで達していてその側端面を開放している。この開放部が軸13を出し入れするための出入口になっている。図1で明らかなように、当該出入口は回動自在な開閉片25によって開閉できるようになっている。さらに開閉片25の自由端部側と衝突自在に対応するストッパ用の係止具26が各枠部材22の一側端部に設けられている。こほのか枠部材22には、図1で明らかな複数のロック孔52が形成されている。変位角調整機構51の一部を構成するための複数のロック孔52は、軸ピン23の装着される上記軸孔を中心とする軌跡円(枠部材22における軌跡円)上にあり、かつ、等間隔(あるいは不等間隔)で互いに隣接しているものである。第1支持器21で部材や部品などの構成要素についていうと、それは金属製・合成樹脂製・複合材製のいずれか、または、それらの材料が適材適所で用いられるものである。
【0017】
第1支持器21を回転自在に支持するための第2支持器31は、図示例の場合、一つのベース部材32と一対のサポート部材34とを主体にして構成されるものである。図1〜図2を参照して、ベース部材32の基端部側の下面には軸受部材33が装着されている。一対のサポート部材34には、これらの上端部側に前記軸ピン23を装着するための軸孔(符号なし)が形成されているとともにその下位部分にネジ孔53が形成されている。このネジ孔53も変位角調整機構51の一部を構成するためのものである。第2支持器31の構成要素であるベース部材32と両サポート部材34は、図示例において、ベース部材32の先端部両側に両サポート部材34の下端部内面をあてがい、かつ、それらの部分をねじ止めすることにより組み立てられている。第2支持器31にはこのほか、図1で明らかな一対の揺動規制素子62が装備されている。揺動規制機構61の一部を構成するための両揺動規制素子62は代表的一例として雄ネジ部材(ボルト)からなるものである。両サポート部材34の下端部側には、両揺動規制素子62をねじ込み装着するためのネジ孔63が形成されている。それぞれのネジ孔63にねじ込まれて各サポート部材34の外側面から突出する各揺動規制素子62の突出量は、サポート部材34に対する揺動規制素子62のねじ込み加減で調整できるものであり、その調整状態は、各揺動規制素子62に施された締着素子(ナット)64を両サポート部材34の外側面へねじ込むことで締着保持できるものである。第2支持器31におけるそれぞれの構成要素も金属製・合成樹脂製・複合材製のいずれか、または、それらの材料が適材適所で用いられるものである。
【0018】
第2支持器31を揺動自在に支持するための第3支持器41は、図示例においてベース部42を主体にしたものからなる。図1〜図2を参照して、第3支持器41におけるベース部42の基端部上面には揺動支点用の支軸43が垂直状態で取り付けられている。この支軸43は上述の軸受部材33と対をなすものである。第3支持器41のベース部42には、また、その先端部両側に一体形成されて立ち上がる一対の衝突部材65が備わっている。一対の衝突部材65も、上述した揺動規制機構61の一部を構成するものである。第3支持器41におけるそれぞれの構成要素も金属製・合成樹脂製・複合材製のいずれか、または、それらの材料が適材適所で用いられるものである。
【0019】
図1〜図2を参照して、複数のクリーニングローラ11a〜11b・第1支持器21・第2支持器31・第3支持器41はつぎのようにして組み立てられる。
【0020】
第1支持器21と各クリーニングローラ11a〜11bとの組み立てについて、これは第1支持器21で一対の枠部材22にある凹部24の出入口を開閉片25により一時的に開放し、かつ、各クリーニングローラ11a〜11bの軸13をそれぞれの凹部24内に嵌め込んだ後、開閉片25で凹部24の出入口を閉じることにより完了する。第1支持器21を介して回転自在(自転自在)に支持されたそれぞれのクリーニングローラ11a〜11bは互いに平行するものである。かかるクリーニングローラ11a〜11bには第1支持器21に対する着脱性がある。ちなみに各クリーニングローラ11a〜11bを第1支持器21から取り外すときは凹部24の出入口を開いてそこから軸13を離脱させればよい。
【0021】
第1支持器21と第2支持器31との組み立てについて、これは第1支持器21で両枠部材22の中央部にある軸孔と、第2支持器31で両サポート部材34の上端部側にある軸孔とを互いに一致させた後、これら双方の軸孔にわたり軸ピン23を装着すればよい。かくて第2支持器31で回転自在に支持された第1支持器21は軸ピン23を支点にして回転することができる。かかる第1支持器21の回転は、各クリーニングローラ11a〜11bにとって公転運動に該当する。軸ピン23を支点にして第1支持器21をこれの回転方向へ変位させると、第1支持器21の両枠部材22にあるいずれかのロック孔52と第2支持器31の両サポート部材34にあるネジ孔53とが互いに一致する。この場合において、ネジ孔53にねじ込まれたロックピン(ボルト)54の先端部をこれのねじ込み操作でロック孔52内に挿入すると、第2支持器31に対する第1支持器21の回転変位状態をロックすることができる。また、ロックピン54に施された締着素子(ダブルナット)55で当該ロック状態を締着することにより、このように設定した第1支持器21の回転変位角が保持される。この説明から理解できるように、ロック孔52・ネジ孔53・ロックピン54・締着素子55などは変位角調整機構51の構成要素であり、第1支持器21と第2支持器31との組み立てによって当該変位角調整機構51の組み立ても完了する。
【0022】
第2支持器31と第3支持器41との組み立てについて、これは第2支持器31の両サポート部材34を第3支持器41の両衝突部材65間に納めながら第2支持器31側の軸受部材33と第3支持器41側の支軸43とを相対的な嵌め合い装着で合体すればよい。かくて第2支持器31と第3支持器41とが組み立てられたとき、第2支持器31における両サポート部材34の両揺動規制素子62と第3支持器41の両衝突部材65とが衝突自在に対応する。これらの揺動規制素子62・ネジ孔63・締着素子64・衝突部材65は既述のとおり揺動規制機構61の構成要素であり、第2支持器31と第3支持器41との組み立てによって当該揺動規制機構61の組み立ても完了する。揺動規制機構61について、図1のごとく両揺動規制素子62と両衝突部材65とが接触状態にあるときは、第2支持器31の揺動が完全に規制され、両揺動規制素子62と両衝突部材65との間にクリアランスがあるときは、そのクリアランスの範囲内で第2支持器31の揺動が許容されるものとなる。
【0023】
図1〜図2を参照して一対の安全カバー71には、その中心部から下方に偏心したところに操作孔72がそれぞれ開口されている。両枠部材22は、スペーサ用のスリーブ73とボルト74とを介して第2支持器31の両枠部材22に取り付けられている。すなわち安全カバー71は、そのカバー内面と両枠部材外側面との間に複数のスリーブ73を介在させた状態で両枠部材22の外側に配置され、かつ、安全カバー71やスリーブ73を貫通して両枠部材22にねじ込まれた複数のボルト74によって当該両枠部材22に取り付けられている。この取付状態のとき、各変位角調整機構51のロックピン54は各安全カバー71の操作孔72内に介入する。したがって各ロックピン54は、操作孔72を通じて操作できるようになる。かかる安全カバー71は、第2支持器31と第3支持器41との間の指詰めなどを防止するものである。
【0024】
図1〜図2に例示された両面クリーニング装置は、たとえば長尺な面状製品の両面をクリーニングするとき、その面状製品の繰出系と引取系との間に介在されて使用されるものである。具体的一例としては、第3支持器41が図1〜図2に略示する取付台81上に据え付けられて用いられる。
【0025】
つぎに上記のようにして据え付けられた装置を用いて面状製品の両面クリーニング方法を実施する例を図3に基づき説明する。
【0026】
図3(A)〜(D)において、面状製品Sはすでに述べたとおり、ホイル・フィルム・テープ・シート・フレキシブルボードなどのいずれかに該当する。面状製品Sは、また、紙製・布製・木製・合成樹脂製・金属製・二種以上の材料による複合材料製のものなど、これらのいずれかである。さらに製造段階でいうと、面状製品Sは一次製品〜最終製品のいずれかである。面状製品Sの繰出系S1は、面状製品Sを回転自在なボビン・リール・ドラムなどに満巻きしていて面状製品Sを自由に巻き戻すことができるものである。この繰出系S1が動力で巻き戻し回転することもある。繰出系S1と対峙する引取系S2は、面状製品Sを回転自在な空のボビン・リール・ドラムなどに巻き取るためのものである。引取系S2は通常、動力で巻き取り回転するものである。両面クリーニング装置は繰出系S1と引取系S2との間にあり、所定の姿勢を保持してそこに据え付けられている。
【0027】
図3(A)において、第1支持器21は両枠部材22を垂直に立てている。これは変位角調整機構51を介して第1支持器21がそのように設定されているからである。ゆえに第1支持器21で支持された一対のクリーニングローラ11a・11bも上下に並んでいる。図3(A)において繰出系S1から繰り出された面状製品Sは、両クリーニングローラ11a・11b間を通過して引取系S2により引き取られている。図3(A)の状態では、面状製品Sが両クリーニングローラ11a・11bと非接触の状態にあるため、面状製品Sのクリーニング作用は起こらない。図3(A)のような状態は面状製品Sのクリーニングを実施しないときにとられる。図3(B)では、第1支持器21が変位角調整機構51を介して傾斜姿勢に設定されているため、両クリーニングローラ11a・11b間を通る面状製品Sの両面が両クリーニングローラ11a・11bの周面とそれぞれ面接触している(面接触角15度)。したがって繰出系S1側から両クリーニングローラ11a・11b間を経由して引取系S2側へと進行する面状製品Sすなわちゴミなどの塵埃を付着させている面状製品Sは、これと面接触状態にある両クリーニングローラ11a・11bによりゴミ等を集塵されてクリーニングされ、そのクリーニング後のものが引取系S2で引き取られる。図3(C)は、面状製品Sと両クリーニングローラ11a・11bとの接触面積を図3(A)よりも大きくしたケース(面接触角30度)を示し、図3(D)は、面状製品Sと両クリーニングローラ11a・11bとの接触面積をその図3(C)よりもさらに大きくしたケース(面接触角45度)を示している。以上で明らかなように、面状製品Sと両クリーニングローラ11a・11bとの接触面積は任意に調整できるものである。その接触面積の設定や変更も以上で明らかなとおり、両クリーニングローラ11a・11bの位置や姿勢を変位角調整機構51で設定したり変更したりすることによって行われる。
【0028】
図3(B)〜(D)のようにして面状製品Sを両面クリーニングするとき、揺動規制機構61を介して図1のごとく第2支持器31の揺動を完全規制したり、あるいは、両揺動規制素子62と両衝突部材65との間に適当なクリアランスを介在させて第2支持器31の揺動を許容したりする。このような揺動規制の有無は、面状製品Sを両面クリーニングするときの条件に応じて任意に選択する。
【0029】
上述した実施形態は一例にすぎない。したがって本発明方法および本発明装置の実施形態については下記(31)〜(39)のようなものある。
(31)面状製品Sについては、図3のような水平走行だけでなく、立面走行させたり傾斜走行させたりすることがある。両面クリーニング装置も、上向き姿勢・下向き姿勢・横向き姿勢・傾斜姿勢など、床面・壁面・天井面などを利用してそれに応じた姿勢で据え付けられる。
(32)平行なクリーニングローラも上記に応じ、垂直・水平・傾斜など自由な姿勢に設定してよい。
(33)平行なクリーニングローラは三つ以上の複数であってもよい。その場合に望ましいのは四つ以上の偶数である。
(34)揺動規制機構61が省略される。この場合は第2支持器31が自由に揺動する。
(35)第3支持器41が省略される。すなわち第2支持器31が据付面に直接据え付けられる。この場合は第2支持器31が揺動しない。
(36)第2支持器31と。この場合はもちろん変位角調整機構51も省略され、第1支持器21が取付部材などを介して据付面に据え付けられる。
(37)変位角調整機構51は図示のものに限定されない。その場合の一例として軸ピン23をボルト製とし、これにナット(ダブルナット)を付帯させる。この場合は、第2支持器31に対して第1支持器21の角度を調整した後、ボルト製軸ピン23とナットとで第1支持器21の枠部材22と第2支持器31のサポート部材34とを締め付け固定すればよい。
(38)第2支持器31や第3支持器41が省略されるときの第1支持器21は、枠形であることを要せず、たとえば左右一対・前後一対・上下一対など、いずれかの対をなす軸受部材でも構わない。
(39)安全カバー71は実施形態いかんで不要になるから、省略されることがある。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明方法および本発明装置は、簡易で経済的な手段によって面状製品の両面が高度・安定・安全にクリーニングできるものである。したがって産業上の利用可能性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明方法および本発明装置の一実施形態を示した正面断面図である。
【図2】本発明方法および本発明装置の一実施形態を示した側面図である。
【図3】本発明装置を用いて本発明方法を実施するときの各例を略示した側面説明図である。
【符号の説明】
【0032】
S 面状製品
S1 面状製品の繰出系
S2 面状製品の引取系
11a クリーニングローラ
11b クリーニングローラは
12 ローラ部材
13 軸
21 第1支持器
22 枠部材
23 軸ピン
24 凹部
25 開閉片
26 係止具
31 第2支持器
32 ベース部材
33 軸受部材
34 サポート部材
41 第3支持器
42 ベース部42
43 支軸
51 変位角調整機構
52 ロック孔
53 ネジ孔
54 ロックピン
55 締着素子
61 揺動規制機構
62 揺動規制素子
63 ネジ孔
64 締着素子
65 衝突部材
【出願人】 【識別番号】392013198
【氏名又は名称】株式会社オサダコーポレーション
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一

【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹


【公開番号】 特開2008−29907(P2008−29907A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−202897(P2006−202897)