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【発明の名称】 洗浄装置
【発明者】 【氏名】吉田 真美子

【氏名】藤塚 正史

【氏名】中津川 直樹

【要約】 【課題】複数の被洗浄物をより少ない液量でより確実に洗浄でき、軽量化および小型化が可能な洗浄装置を得る。

【構成】被洗浄物2を回転して移動させると共に前記被洗浄物2の少なくとも一部の部位が浸漬する液位125を維持して液体121を貯留し、前記移動する被洗浄物2を前記液体121に浸漬させる洗浄槽120と、付勢されて振動し前記洗浄槽120を振動させる振動子124とを備え、前記振動子124を付勢して前記洗浄槽120を振動させ前記回転して移動する前記被洗浄物2を洗浄するように構成し、連続的に複数の被洗浄物2を少ない液量で洗浄できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
披洗浄物を搬送する搬送路に直列に設置され、前記搬送される被洗浄物が通過する間に前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、前記被洗浄物を回転して移動させると共に前記被洗浄物の少なくとも一部の部位が浸漬する液位を維持して液体を貯留し、前記移動する被洗浄物を前記液体に浸漬させる洗浄槽と、前記被洗浄物を前記搬送路から前記洗浄槽に導く上流移動通路と、前記被洗浄物を前記洗浄槽から前記搬送路に導く下流移動通路と、付勢されて振動し前記洗浄槽を振動させる振動子とを備え、前記振動子を付勢して前記洗浄槽を振動させ前記回転して移動する前記被洗浄物を洗浄するようにした洗浄装置。
【請求項2】
前記下流移動通路は、前記液体の液位より高位置となる部分を有し該部分と前記洗浄槽との連結部との間が斜面で構成され、且つ前記洗浄槽を介して前記振動子の振動が伝達され又はその振動子とは別の振動子の振動が伝達されて振動することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記上流移動通路は、前記液体の液位より高位置となる部分を有し該部分と前記洗浄槽との連結部との間が斜面で構成され、且つ前記洗浄槽を介して前記振動子の振動が伝達され又はその振動子とは別の振動子の振動が伝達されることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄槽と前記下流移動通路と前記上流移動通路とのうち少なくともいずれか1つは、前記被洗浄物を複数個直列に移動させる配列路を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記配列路は、複数並列に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記配列路は、前記被洗浄物を蛇行させるよう構成されていることを特徴とする請求項、4又は5に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記被洗浄物は円板形状であり、前記洗浄槽は、前記被洗浄物がその周縁部を前記洗浄槽の底部に接して回転して移動するよう構成され、前記洗浄槽に貯留される液体の液位は、前記被洗浄物の半径以上直径未満に設定され、前記振動子は前記洗浄槽の側面部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいづれかに記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄槽に貯留される液体を循環させる循環路と、前記循環路に設けられ前記液体を循環させる循環ポンプと、前記循環する液体の少なくとも一部を濾過するフィルタとを備えてなる請求項1乃至7のいずれかに記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波等による振動を利用して被洗浄物を洗浄する洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波振動を用いて半導体ウエハや液晶基板などの薄板状の被洗浄物を洗浄する洗浄装置として、超音波により振動する振動子を取り付けた上面部材及び下面部材により、全体を水に浸漬させた被洗浄物を水と共に挟んで被洗浄物を移動したりその場で水平回転したりして洗浄するようにした洗浄装置が提案されている。例えば、特許文献1参照
【0003】
又、従来、静止して動かない被洗浄物を洗浄対象とし、この被洗浄物に超音波を照射した水を吐出して洗浄するようにした洗浄装置が提案されている。例えば、特許文献2参照
【0004】
【特許文献1】特開2000−150439号公報
【特許文献2】特開平11−300299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されたような従来の洗浄装置の場合、厚さの薄い被洗浄物全体を水に浸漬して洗浄することを前提とするものであり、被洗浄物の厚みが薄くなければ或いは平らでなければ、浸漬するための水量が必ず必要である。また、複数の被洗浄物を連続的に洗浄するために洗浄装置内外で被洗浄物を取り付けたり取り外したり或いは移動したりその場で水平回転したりするための比較的複雑で大がかりな搬送や駆動機構が必要である。
【0006】
又、特許文献2に示されたような従来の洗浄装置は、静止した被洗浄物の局所的な部位に液体を吐出して洗浄するようにした装置であり、被洗浄物の全面を洗浄するには、洗浄装置を被洗浄物の全面に向けて走査する走査機構が必要であり、又、洗浄の確実性に欠け、少ない液量で洗浄することは容易ではない。
【0007】
この発明は、このような従来の洗浄装置の課題を解決するためになされたものであり、複雑な搬送機構や駆動機構や走査機構を必要とせず、連続的に複数の被洗浄物をより少ない液量でより確実に洗浄でき、軽量化および小型化が可能な洗浄装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る洗浄装置は、披洗浄物を搬送する搬送路に直列に設置され、前記搬送される被洗浄物が通過する間に前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、前記被洗浄物を回転して移動させると共に前記被洗浄物の少なくとも一部の部位が浸漬する液位を維持して液体を貯留し、前記移動する被洗浄物を前記液体に浸漬させる洗浄槽と、前記被洗浄物を前記搬送路から前記洗浄槽に導く上流移動通路と、前記被洗浄物を前記洗浄槽から前記搬送路に導く下流移動通路と、付勢されて振動し前記洗浄槽を振動させる振動子とを備え、前記振動子を付勢して前記洗浄槽を振動させ前記回転して移動する前記被洗浄物を洗浄するするようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る洗浄装置によれば、被洗浄物を回転して移動しながら洗浄するので、より簡単に連続的に複数の被洗浄物を洗浄できるとともに、貯留する液体の液位が低くても被洗浄物を確実に洗浄できる洗浄装置を得ることができる。又、少ない液体の量で洗浄可能であり、貯留する液体の量を少なくすることで、少なくとも洗浄槽を軽量化及び小型化することができ、設置場所の制限を少なくすることができる。更に、貯留する液体の量を少なくすることで、液体の温度上昇が大きくなり洗浄効果が増大する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による洗浄装置の側面構成図、図2はその洗浄槽の正面断面図、図3は洗浄槽の平面図、図4は超音波振動子の断面図、図5は図4のA−A線に沿う矢視方向の断面図である。図1〜図5に示すこの発明の実施の形態1による洗浄装置は、パチンコ玉の洗浄に用いる洗浄装置として示しているが、パチンコ玉の洗浄に限らず、球形若しくは円柱形の被洗浄物の洗浄に適用可能である。
【0011】
図1〜図5に於いて、被洗浄物としてのパチンコ玉2が移動する移動通路としての搬送路1は、図1の左方から右方に向って低くなるようにその長さ方向に若干の傾斜を持って配置されている。この搬送路1の中を、複数個のパチンコ玉2が高い位置から低い位置へと回転して移動する。パチンコ玉2は、直径11[mm]程度の球体であり、搬送路1が傾斜しているので重力により搬送動力を必要とせずに図1の左方から右方へ、多数ひしめき合いながら移動する。尚、別途図示しないベルトコンベア等の搬送機構を備えれば、搬送路1に傾斜が無くとも、或いは登り傾斜であってもパチンコ玉2を移動させることは容易である。
【0012】
搬送路1の途中に、この発明の実施の形態1による洗浄装置100が搬送路1に直列に設置されている。ここで、直列に設置されているとは、上流側の搬送路1から搬送されてきたパチンコ玉2が洗浄装置100を通過して下流側の搬送路1に排出されるように設置されていることを意味する。勿論、この場合、下流側の搬送路1の代わりにパチンコ玉2を受ける受入箱等を設置していてもよい。洗浄装置100は、搬送路1に対して着脱自在でなくとも良いが、着脱自在としておけば、そのメンテナンス性が高まる。洗浄装置100には、上流移動通路110、液体としての水121を貯留した洗浄槽120、下流移動通路130が直列に設けられている。パチンコ玉2は、洗浄装置100内を、上流移動通路110、洗浄槽120、下流移動通路130の順に回転して移動する。
【0013】
上流移動通路110は、一端が搬送路1の端部に当接して連結され、図1の左方から右方に向って低くなるよう傾斜して配置されている。洗浄槽120は、一端が上流移動通路110の他端に連結され、水平に配置されている。下流移動通路130は、一端が洗浄槽120の他端に連結されると共に他端が搬送路1の端部に当接して連結され、図1の左方から右方に向って高くなるよう傾斜して配置されている。搬送路1、上流移動通路110、洗浄槽120、及び下流移動通路130の両側の側部には、側板122が設けられている。
【0014】
上流移動通路110、洗浄槽120、及び下流移動通路130の夫々の底部113、123、133には、その長さ方向に張架された8本のワイヤ127が配設されている。この8本のワイヤ127は、上流移動通路110、洗浄槽120、及び下流移動通路130の夫々に、並列した4本の配列路128を形成する。この4本の配列路128の夫々は、その長さ方向に1列にパチンコ玉2を移動させる幅を備える。又、4本の配列路128の横方向のピッチは、パチンコ玉2の幅+1[mm]程度とされている。
【0015】
夫々の配列路128を形成する各1対のワイヤ127は、パチンコ玉2の下面に接してパチンコ玉2の移動を導くように、上流移動通路110、洗浄槽120、及び下流移動通路130の夫々の底部113、123、133の上面から所定の間隔を介して中空に浮かせて張架されている。夫々のワイヤ127は、例えば、底部123、113、133に適当な間隔で配置する図示しない支柱によって張架され且つ支持されている。
【0016】
尚、配列路128は、ワイヤ127により形成されなくてもよく、例えばワイヤ127の様に中空に浮かせた板材や、夫々の底部123、113、133に付着させた板材や、底部123、113、133に断続的に設けた突起物等により形成しても良い。又、配列路128の横方向に並列する数を増減することで、パチンコ玉2の洗浄する処理量洗浄する個数の増減を容易に行うことができる。
【0017】
洗浄槽120は、水平に配置されており、その底部123とその両側の側板122、上流移動通路110の底部113の一部とその側板の一部、及び下流移動通路130の底部133の一部とその側板の一部とにより囲まれた部分に、水位125を有する水121を貯留している。上流移動通路110は、搬送路1との連結部が水位125より高位置となる位置に設けられ、その連結部と洗浄槽120との連結部との間が斜面で構成されている。同様に、下流移動通路130は、搬送路1との連結部が水位125より高位置となる位置に設けられ、その連結部と洗浄槽120との連結部との間が斜面で構成されている。洗浄槽120の底部123の下面に、振動子として超音波振動子124が固定されている。この超音波振動子124は、後述のように構成されたランジュバン型の超音波振動子である。
【0018】
超音波振動子124は、振動電源150によって付勢されて振動する。その振動周波数は20[kHz]以上であればよい。尚、振動周波数はこれに限らず、一般に大きな汚れの場合は振動周波数が低いほど汚れ落とし効果は高く、一方、微細な汚れの場合は振動周波数が高い方が落としやすいと言われており、パチンコ玉の汚れに合わせて振動周波数を選択すればよい。
【0019】
超音波振動子124と洗浄槽120の底部123との固定は、例えば耐熱性エポキシ樹脂等を用いて接着する。尚、超音波振動子124と洗浄槽の底部123との固定は、超音波振動子124と洗浄槽120の底部123にボルト穴を設け、ボルトナットで底部123を挟むようにして固定してもよく、或いは洗浄槽120の底部123の下面にボルトを溶接し、ボルト穴を設けた超音波振動子124をそのボルトに螺合させて固定しても良い。
【0020】
ランジュバン型の超音波振動子124は、図4に示すように、その振動源である環状の圧電素子184を、その両側から金属製の一対の円筒体183によって図示しない電極及び絶縁層を介して挟み込んで構成され、圧電素子184と円筒体183とが一体となって振動する振動子である。図4では圧電素子184が1個のみ挟まれた形態を示しているが、振動の振幅を大きくするために複数の圧電素子を直列に挟む形態のものもあり、その際、例えば2個の圧電素子の直列の場合、両圧電素子の接する部分を正電極、両端部を負電極という様に、隣接する圧電素子184の電極を共有しながら互い違いにして挟むのが一般的である。
【0021】
一対の円筒体183の夫々は、その中央部に雌ネジが形成されたボルト穴186を備えており、このボルト穴186に連結ボルト185を螺合し、一対の円筒体183を互いに接近する方向に締付けることで、圧電素子184をその両側から挟んで締め付けて固定している。ナット付ボルト181は、洗浄槽120の底部123に設けられた貫通穴に差し込まれ、密着層182を介して円筒体183のボルト穴186に羅合されて締め付けられており、これによって超音波振動子124は洗浄槽120の底部123に固定されている。
【0022】
密着層182は、超音波振動子124から洗浄槽120の低部123への振動の伝搬効率が下がる隙間を抑制するためのもので、例えば耐熱性エポキシ等、接着性もある樹脂製の材質で構成されている。又、ナット付ボルト181と底部123との間には図示しないシール材を挟んで水漏れを抑制することが望ましい。上流移動通路110及び下流移動通路130は、超音波振動子124の振動が洗浄槽120を介して伝達されて振動するように夫々洗浄槽120に連結されている。
【0023】
洗浄槽120に貯留された水121の、液位としての水位125は、パチンコ玉2の半径以上で直径未満程度であれば良く、例えば2[mm]程度に維持される。ちなみに水位125が低いほど、洗浄装置100の軽量化効果は当然大きくなる。洗浄槽120の底部123には、循環路140へ繋がる開口部126が設けられている。又、洗浄槽120の側板122の一部には下方へ一段低く切り欠かれた切欠部129が設けられており、この切欠部129からオーバーフローした水は、循環路140へ流れるよう構成されている。
【0024】
循環路140は、その途中に設けられた循環フィルタ141を経て、循環タンク142に導水するように構成されている。循環フィルタ141は、循環路140中の水に含まれる汚れを除去して浄化する。循環フィルタ141による汚れの除去性能は、循環する水の汚れ度合いをどの程度で許容するかで決定すればよく、過剰に汚れの除去性能が高いものである必要性はない。循環フィルタ141は、適当な周期で交換或いは洗浄が実施されることを前提としており、循環路140に着脱自在に固定されている。
【0025】
循環タンク142には循環路143が接続されており、循環路143の途上には循環ポンプ144が設けられている。循環タンク142内の水は、循環ポンプ144により循環路143を介して上流移動通路110の上方へと導かれ、上流移動通路110に注がれる。上流移動通路110は、下方の洗浄槽120へ向かって傾斜しており、循環路143から上流移動通路110へ注がれた水は、その底部113に沿って洗浄槽120へと導かれる。尚、循環タンク142は、洗浄や交換等のメンテナンスを容易にするため着脱自在に固定しておき、又、その内容量もせいぜい10リットル未満程度であることが持ち運びするためには望ましい。
【0026】
洗浄槽120内に貯留された水121は、パチンコ玉2の表面に付着したり蒸発したりして徐々に失われるが、循環路143の水の流量は、所定量、即ち、[洗浄槽120内で蒸発したりパチンコ玉2の表面に付着して失われる水量+洗浄槽120の開口部126から循環路140へ流れる流量]以上とされており、水位125を一定に保持する以上の過剰分は、切欠部129からオーバーフローして循環路140を介して循環タンク142に導水される。これにより、洗浄槽120内の水121の水位125は一定に維持される。
【0027】
水121は、パチンコ玉2に付着したり、蒸発したりして失われることの影響により、結果的に循環タンク142に貯留された水が減少していくことになる。そこで減少していく水量を補うため、循環タンク142には、洗浄水タンク160に接続された給水路161からバルブ163を介して水が必要に応じて補給される。補給する水量の制御は、循環タンク142内の水位145をほぼ一定に保持するようバルブ163を制御することで行われる。
【0028】
具体的には、水位センサ146により循環タンク142内の水位145を検知し、その検知結果によって給水路161の途中に設置したバルブ163を開閉して給水量を制御し、循環タンク142内の水位維持を行う。この制御は、例えば給水量を連続的に調節する連続量制御や、オン−オフ制御とすればよい。尚、更に簡単には、水位センサ146を設けずに、水位によるフロートの上下に連動した弁を機械的に開閉する、いわゆる水洗トイレの水タンクの様な構成としても良い。
【0029】
超音波振動子124は、振動電源150によって付勢され超音波振動を行う。この超音波振動子124の超音波振動は、洗浄槽120の底部123を振動させ、この洗浄槽120の底部123を介して水121及びパチンコ玉2に伝達され、主としてパチンコ玉2の水121に接触している部分が洗浄される。このとき、水121に接している洗浄槽120の底部123や側板122も洗浄される。
【0030】
パチンコ玉2は、洗浄槽120の底部123を回転しながら移動し、その結果、パチンコ玉2の全表面が貯留された水121に浸漬され洗浄される。パチンコ玉2自体も底部123を介して超音波振動が伝達されて振動しており、回転することによりパチンコ玉2の表面に残留する水滴や水膜が存在するので、水121に浸漬されていない部分についても直接水に浸漬されている部分に比べて効果は落ちるものの洗浄効果が生じる。
【0031】
又、洗浄槽120に固定されている上流移動通路110と下流移動通路130にも、洗浄槽120から振動が伝達されており洗浄槽120と共振する。特に上流移動通路110では循環された水に超音波振動が伝達されるのでその底部113自体の洗浄が可能となる。下流移動通路130では、洗浄槽120から伝達される振動によりパチンコ玉2の表面に付着した水を滴下あるいは蒸発しやすくなっていると共に、下流移動通路130の底部133についても洗浄槽120から伝達される超音波振動とパチンコ玉2から滴下した水によって洗浄効果が期待できる。
【0032】
又、下流移動通路130では、伝達された振動によるパチンコ玉2の表面に付着した水の滴下と蒸発以外に、送風ファン170によりパチンコ玉2に向けて送風し、パチンコ玉2の表面を乾燥するようにしている。尚、送風ファン170からの風の出口にヒータを取り付けて温風を送風するようにしておけば、パチンコ玉2の表面の乾燥がより容易となる。
【0033】
尚、洗浄装置100を搬送路1に対して着脱自在に接続する際に、搬送路1へ超音波振動が伝搬すると、洗浄等に要求される振動エネルギーが減衰することになるので、搬送路1と上流移動通路110との間及び下流移動通路130と搬送路1との間は、バネやゴム等の弾性体を介して連結することが望ましい。このように構成することで、搬送路1への振動エネルギーの伝達や振動による騒音発生を最小限に抑制することができる。
【0034】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1による洗浄装置100に於いて、次にその動作を説明する。洗浄装置100の運転開始時に、振動電源150により超音波振動子124の圧電素子184を付勢する。これにより圧電素子184は超音波振動を開始し、その超音波振動は、円筒体183を介して洗浄槽120の底部123及び貯留されている水121に伝達される。又、前述のように上流移動通路110の低部113、及び下流移動通路130の低部133にもその振動が伝達される。
【0035】
一方、循環ポンプ144により、循環タンク142内の水が循環路143を介して上流移動通路110の上流側に注がれ、洗浄槽120内の水121の一部は開口部126から循環タンク142に戻され、又、切欠部129からオーバーフローした水は循環タンク142に戻される。
【0036】
図1の左方の搬送路1から搬送されてきた多数のパチンコ玉2は、上流移動通路110の4本の配列路128に入り、夫々の配列路内で1列となって連続的に重力により図1の右方へ回転しながら移動し、洗浄槽120内の4本の配列路128に至る。上流移動通路110から連続してパチンコ玉2が洗浄槽120内に送り込まれるので、洗浄槽120内のパチンコ玉2は、順次、下流移動通路130内の夫々の配列路128内に押し出されて移動し、更に下流移動通路130から図1の右方の搬送路1へ移動して搬送される。
【0037】
複数のパチンコ玉2は、洗浄槽120の4本の配列路128内を回転しながら図1の右方へ移動し、このとき所定の水位125に保たれている水121に下方の部位が浸漬されるが、回転しているので結果としてその全表面に水121が付着する。このとき超音波振動子124の超音波振動は、洗浄槽120の底部123を介して水121及びパチンコ玉2に伝達されており、主としてパチンコ玉2の水121に浸漬されている部分が洗浄される。又、水121に接している洗浄槽120の底部123や側面122も洗浄される。
【0038】
パチンコ玉2は、洗浄槽120を移動しながら回転しているのでパチンコ玉2の全表面が洗浄される。パチンコ玉2自体も底部123を介して超音波振動が伝達されて振動しており、回転することによりパチンコ玉2の表面に残留する水滴や水膜が存在するので、水121に浸漬されていない部分についても直接水に触れている部分に比べて効果は落ちるものの洗浄効果が生じる。
【0039】
又、前述したように、洗浄槽120に固定されている上流移動通路110と下流移動通路130にも振動が伝達されており、特に上流移動通路110では循環された水に超音波振動が伝達されるのでその底部113自体も洗浄される。下流移動通路130では、洗浄槽120から伝達される振動、及び送風フアン170からの送風により、パチンコ玉2の表面に付着した水は容易に滴下し又は蒸発する。更に、下流移動通路130の底部133も、洗浄槽120から伝達される超音波振動とパチンコ玉2から滴下した水によって洗浄される。尚、動作中における水121の浄化及び補給については、前述の通りである。
【0040】
以上のように実施の形態1に於ける洗浄装置100は、洗浄槽120の側板122の一部を下方へ一段低くした切欠部129を備えており、この切欠部129をオーバーフローする水を循環路140へ流れるようにしたので、洗浄槽120の水121を被洗浄物であるパチンコ玉2の一部を浸漬させる水位125に保つことができ、より少ない水の量で洗浄することができるとともに、貯留する水の量が少ない分、洗浄槽120を軽量化および小型化でき、設置場所の制限を少なくできる。
【0041】
又、超音波振動子124から伝達される超音波振動のエネルギーは最終的には多くが熱に変わり、貯留する水の量が少ない分、水温上昇が大きくなり、温度上昇の点で洗浄効果が増すことになる。又、ここで、一般的に振動伝達距離が同一であれば振動周波数が高くなるほど、振動伝搬の減衰すなわちエネルギーロスによる温度上昇が大きいことが知られており、被洗浄物によっては、温度上昇の効果を増したければ高い周波数を選び、温度上昇を抑制したければ低い周波数を選ぶという選択をすることも可能である。
【0042】
又、上流移動通路110を洗浄槽120まで下り斜面で構成し、パチンコ玉2を斜面を落下しながら回転移動し、その余力で洗浄槽120内においても回転移動するので、パチンコ玉2の表面の多くの面が、超音波が照射される水121に浸漬される機会が増して、十分に洗浄されることになる。
【0043】
又、配列路127を設けたので、パチンコ玉2は直列に連接してスムーズに移動し易く、且つ移動しながら回転し易くなり、パチンコ玉2の前後左右の空間をより確実に広く確保でき、上流移動通路110や洗浄槽120では、循環路143によって供給され底部113に沿って流れる水や超音波が照射された水121にパチンコ玉2が接触する機会が増加し、パチンコ玉2の表面全体をより確実に洗浄し易くなる。又、下流移動通路130ではパチンコ玉2が接触する空気の量が増えて乾燥し易くなる。
【0044】
更に、上流移動通路110は、洗浄槽120に固定されているので、洗浄槽120の振動が共振伝搬され、循環された水が底部113に沿って流れており、底部113自体を洗浄する効果および洗い流す効果があり、底部113への汚れの付着や堆積を抑制できる。又、下流移動通路130を洗浄槽120から登り斜面で固定したので、洗浄槽120の振動が共振伝搬され、上部を移動しているパチンコ玉2の表面に付着している水分を滴下させたり蒸発させたりし易くなり、パチンコ玉2が乾燥し易くなるとともに、底部133への汚れの付着や堆積を抑制できる。
【0045】
実施の形態1における洗浄装置100は、下流移動通路130でパチンコ玉2に付着した水を滴下させたり蒸発させたりして乾燥することを想定しているが、洗浄装置100と下流の搬送路1との間に、例えば送風したり、熱を加えたり、布で拭ったりする図示しない別の乾燥手段を設けるようにしても良い。このようにすることで、パチンコ玉2の乾燥がより確実となる。
【0046】
また、実施の形態1では上流移動通路110には底部113を備えているが、少なくとも一部には底部113を備えないようにしてもよい。このようにすることで、隣接するワイヤ127間の間隙より小さな異物を底部113の無い部分から下部に落下させることができるようになり、洗浄槽120へ異物が混入したりすることを抑制し、またパチンコ玉2の移動や回転が異物によって阻害されることを防止できる。ただし、この場合、循環路143を介して上流移動通路110へ水を導く位置は、底部113の無い部分の下流側とすることが当然必要となる。
【0047】
又、洗浄槽120内の水121を、循環路140、143および循環ポンプ144によって循環させるようにしたので、洗浄槽120内の水121に流れが生じ、洗浄槽120内への汚れの付着や堆積が抑制でき、汚れの排出を促進でき、特に開口部126を底部123に設けたので、汚れを排出し易くなる。又、循環路140に循環フィルタ141を設けたので、循環される水に含まれる汚れを、洗浄槽120の水121に含まれる汚れより減らせられ、パチンコ玉2への汚れの再付着を抑制でき、循環路140、143、循環タンク145や循環ポンプ144内の汚れを抑制でき、例えば清掃周期や使用寿命を長くすることができる。
【0048】
以上述べた実施の形態1に於いては、給水路161により循環タンク142へ給水するようにした構成であるが、給水路161により洗浄槽120や循環路140の途中や上流移動通路110へ給水するようにしても同様な効果を奏する。又、洗浄槽120の直後の下流移動通路130の途中へ給水路161により給水しても良い。洗浄槽120での洗浄後に、汚れていない水が供給されることで、パチンコ玉2に対するすすぎ効果が高く、再付着を最小限とできる。
【0049】
更に、実施の形態1では超音波振動子124を円柱型としたが、形状はこの限りではない。又、個数も1個だけではなく、複数配置しても良い。又、縦振動を利用する超音波振動子ではなく、波打ち振動、すなわちベンディング型の超音波振動子であってもよい。さらには超音波振動子ではなく、20[kHz]未満の振動周波数で振動する振動子であっても良い。
【0050】
又、実施の形態1では液体を水121としているが、界面活性剤等を含む液体であってもよく、界面活性剤による化学的な洗浄効果が加味され、洗浄効果が増す。又、実施の形態1では、切欠部129を水121がオーバーフローするようにして洗浄槽120の水位125を維持するようにしたが、洗浄槽120の水位125を検知する水位センサと、循環フィルタ141の1次側の循環路140にバルブとを設け、このバルブの開閉制御により水位125を維持するようにしても良い。
【0051】
又、循環フィルタ141の1次側の循環路140にバルブを設けるのではなく、開口部126とは別の開口部と、この開口部に接続した配管を設け、さらにその配管途上にバルブを設けて、このバルブの開閉制御により水位125を維持するようにしても良い。
【0052】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2による洗浄装置の側面構成図、図7は、その洗浄槽の正面断面図である。図1〜5と共通の記号は同一部分を示す。図6及び図7に於いて、実施の形態1の洗浄装置と最も大きく異なる点は、パチンコ玉2を駆動する駆動機構190を設けている点である。駆動機構190は、ベルト191をローラ193、上部ローラ194で駆動し、ベルト191に所定間隔で固定した複数個のピン192により、パチンコ玉2を図の右方へ押して移動させる。
【0053】
ローラ193の回転は、図示しないモータによって駆動される。上部ローラ194は、ベルト191の上部を押さえ、ベルト191をスムーズに回転させるためのものであり、図示しない上部からの支柱によってその軸芯が回転自在に支持されている。ベルト191は、ゴム等軟性の樹脂素材である。ピン192は、例えばベルト191に突き刺して固定した画鋲のような形状のものであり得る。
【0054】
尚、実施の形態2では、駆動機構190によりパチンコ玉2を移動させるので、実施の形態1のようにパチンコ玉2を移動するために上流移動通路110に落差を設ける必要はなく、上流移動通路110はより緩やかな傾斜であったり、傾斜等は特に無くても良く、更には上流移動通路110そのものがなくても良い。又、下流移動通路130の傾斜は、実施の形態1の場合より大きなものであってもよい。
【0055】
実施の形態1の場合と異なるもう一つの点は、実施の形態1に於けるワイヤ127に代えてレール板127aを用いて配列路128を形成し、この配列路128に沿ってパチンコ玉2を移動させるようにしている点である。レール板127aは、パチンコ玉2の下面に接してパチンコ玉2の移動を導くように、上流移動通路110、洗浄槽120、及び下流移動通路130の夫々の底部113、123、133の上面から所定の間隔を介して中空に浮かせて設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0056】
以上のように構成された実施の形態2に於ける洗浄装置100は、実施の形態1に記載と同様な効果を奏するとともに、更に、パチンコ玉2を駆動機構190によって駆動するので、パチンコ玉2をより確実に移動でき、又、パチンコ玉2の移動速度を強制的に大きくすることで、洗浄するパチンコ玉2の数を増加し、洗浄装置100を小型化することが容易となる。又、パチンコ玉2の洗浄度合いや乾燥度合いによって移動速度を可変にすることも容易である。更に、ピン192のパチンコ玉2移動方向の間隔を、パチンコ玉2の直径より大きくすることで、パチンコ玉2の前後に空間を確保でき、洗浄や乾燥の効率を高くし易くなる。又、パチンコ玉2を移動するための駆動機構190は、洗浄槽120や上流移動通路110や下流移動通路130の上部側に取り付けられるので、水に曝される部位を少なく構成でき、腐食や絶縁などの面での構成部品や材質などへの配慮も最低限でよく、安価な装置構成が容易となる。
【0057】
尚、実施の形態2に係る洗浄装置によれば、ピン192でパチンコ玉2を押すようにしたが、ベルト191に概ね垂直に立てて取り付けた板状の部材や、U字状の棒体で押すようにしても良い。又、ベルト191に取り付けるピン192の数を低減するため、複数のピン192の先端や途中部等を棒状の部材で図7の水平方向に連結する構造とし、その棒状の部材でパチンコ玉2を押すように構成し、ピン192の数を低減しても良い。更には、その棒状の部材を水位125の下になるようにすることで、前記棒状の部材も洗浄して汚れ抑制することができる。又、ピン192を取り付けずに、ベルト191をパチンコ玉2に直接接触するようにして移動するように構成しても良い。
【0058】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による洗浄装置の洗浄槽の平面図である。図8に於いて、洗浄槽120の底部123に設けた配列路128は、実施の形態1及び2ではパチンコ玉2の移動する方向に直線状に延びるよう構成されていたのに対して、パチンコ玉2の移動方向に左右に蛇行するよう構成されている。配列路128は、ワイヤ127を左右に波状に張ることで蛇行している。配列路128が蛇行しているので、パチンコ玉2が回転移動し易くなり、パチンコ玉2の表面は水や空気に接触する機会が増し、洗浄や乾燥の確実性が増す。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0059】
尚、実施の形態3に於いて、実施の形態2の場合と同様のパチンコ玉2を駆動する駆動機構190を設けても良い。更に、実施の形態3では配列路128を波状に蛇行させたが、三角波状や不定形な波状であっても良い。又、配列路128を、ワイヤ127ではなく、実施の形態2と同様のレール板127aを蛇行させて構成しても良い。又、実施の形態1に於ける変形例で記載したように、底部123に固定した板材や底部123に断続的に設けた突起物を蛇行させて、配列路128の蛇行を実現しても良い。
【0060】
実施の形態4.
実施の形態4に係る洗浄装置は、コインの洗浄を行うようにしたものである。図9は、この発明の実施の形態4による洗浄装置の洗浄槽の正面断面図、図10はその平面図である。尚、側面から示す構成は図示していないが、図1又は図6の概略構成図と同様となる。
【0061】
図9、図10に於いて、洗浄槽120は、薄い円柱であるコイン2aが1個立った状態で回転して移動するよう構成されている。複数のコイン2aは、洗浄槽120の中を直列に移動する。洗浄槽120内には、所定の水位125に維持された水121が貯留されている。超音波振動子124aは、洗浄槽120の両側の側板122に固定され、コイン2aの両側に面した水121に超音波が伝達されコイン2aが洗浄される。洗浄槽120の水121の水位125は、コイン2aの径の半分程度とし、コイン2aが移動しながら1回転することでコインの全面が洗浄できる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0062】
実施の形態4に係る洗浄装置は、以上のように構成されているので、コイン2aがその周縁部を洗浄槽120の底部123に接して回転移動する、即ち立てられた状態で回転移動するので、移動し易くなるとともに、コイン2aの、より広い側面から超音波が伝搬されるので、斑の少ない洗浄を行うことができる。
【0063】
尚、実施の形態4では洗浄槽120の両側の側板122に超音波振動子124を設けたが、片側の側板122に超音波振動子124を設けても良い。この場合、水121を介してコイン2aにも超音波振動が伝搬されて振動し、超音波振動子124を取り付けた反対側のコイン2aの側面も洗浄することができる。又、実施の形態1、2と同様、底部123に超音波振動子を設けても良い。更に、実施の形態4では、コイン2aを1列だけ移動させる配列路128としているが、実施の形態1、2、3と同様にワイヤ127やレール板127a等を用いて複数の配列路128を並列に設けても良い。
【0064】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5による洗浄装置の洗浄槽の側面構成図である。実施の形態1乃至4では、洗浄槽120の底部123を水平配置していたが、実施の形態5では、洗浄槽120の底部123を水平に対して傾斜させて配置したものである。その他の構成は、実施の形態1乃至4と同様である。
【0065】
この実施の形態5によれば、洗浄槽120の底部123が傾斜して配置されているので、洗浄槽120内においてパチンコ玉2が回転移動し易く、又、底部123からの水位125が変化しているので、パチンコ玉2の多くの表面に対して水121が接触し易くなる。
【0066】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6による洗浄装置の側面構成図である。多くは実施の形態1と同様な構成であるが、それと異なる点を主体に以下に説明する。図12に於いて、実施の形態1では振動子124は洗浄槽120の底部123に固定され、上流移動通路110及び下流移動通路130を洗浄槽120に固定し一体化していたが、実施の形態6では、上流移動通路110及び下流移動通路130の夫々の底部113、133の下部に、個別に超音波振動子114、134が固定されている。
【0067】
上流移動通路110及び下流移動通路130の傾斜面の端部は、トレー状の洗浄槽120の底部123に載せるように置かれており、上流移動通路110、洗浄槽120及び下流移動通路130は、それぞれ個別に振動する振動体として分離した構成とされている。
【0068】
超音波振動子114、134は、夫々図示しない振動電源に接続されており、上流移動通路110、下流移動通路130を夫々振動させる。このように構成することで、上流移動通路110及び下流移動通路130の底部113、133を、個別により確実に振動させることができるようになり、上流移動通路110、洗浄槽120での洗浄用の振動と、下流移動通路130での乾燥用に適した振動の周波数やエネルギーを個別に選択することができるようになり、夫々洗浄効果や乾燥の効果が増大する。
【0069】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7による洗浄装置の洗浄槽とその周辺の側面構成図、図14はその洗浄槽の正面断面図である。実施の形態1では、洗浄槽120の上面は開口されている前提であるが、実施の形態7では、上面を塞ぐカバー200を設け、更に実施の形態1では被洗浄物の一部の部位のみが水121に浸漬されるようにしていたが、実施の形態7では、洗浄槽120の内部をカバー200まで水121で満たすようにし、実施の形態1における切欠部129の代わりにカバー200に連結したオーバーフロー配管148によって水121がオーバーフローするようにして洗浄槽120の水位125を維持するようにした。
【0070】
又、配列路128を形成するための実施の形態1のワイヤ127は、被洗浄物であるパチンコ玉2の下部に配置していたが、実施の形態7ではパチンコ玉2の上部に配置し、カバー200にワイヤ127bを固定するようにした。尚、このため、実施の形態1では、上流移動通路110、洗浄槽120、下流移動通路130を通して一連のワイヤ127で配列路128を形成していたが、実施の形態7では図示はしていないが、洗浄槽120の配列路128を形成するワイヤ127bと、上流移動通路110、下流移動通路130の配列路128を形成するワイヤとは分離して設置することを前提としている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0071】
この実施の形態7によれば、カバー200を設けたので、空気への自然蒸発や超音波振動によって水面などから空中へ飛散する水の量が抑制され、使用水量をより少なくできる。またカバー200が超音波振動を反射し、パチンコ玉2に対する上面からの洗浄効果の増大が期待できる。また周囲特に上部からの埃やゴミなどが洗浄槽120に入ることを防止でき、水の補給や洗浄や循環フィルタ141などのメンテナンス周期を長くできる。
【0072】
上記実施の形態7ではパチンコ玉2の上部にワイヤ127bを設けて配列路128を形成するようにしたが、実施の形態1と同様にパチンコ玉2の下部にワイヤ127を設けたり、実施の形態2に示したようなレール板127aをパチンコ玉2の上部や下部に設けるようにしても良い。
【0073】
上記実施の形態7は、洗浄槽の底部123を水平配置した実施の形態1に対して洗浄槽120にカバー200を設けた形態であるが、洗浄槽の底部123を傾斜して配置した実施の形態5に対して洗浄槽120にカバー200を設けるようにしても同様な効果を奏する。この場合、カバー200の全てが水121に接触していなくとも、カバー200の一部最も低い位置の範囲のみが水121に接触する程度の水位125であってもよい。
【0074】
尚、洗浄槽120にカバー200を設けた場合、実施の形態2の様な駆動機構190を洗浄槽120の上部には取り付けることはできなくなるが、カバー200を付けていない上流移動通路110や下流移動通路130の上部に別々にあるいは連動して駆動する駆動機構を取り付けるようにしても良い。
【0075】
上記実施の形態7では、洗浄槽120の上部にカバー200を取り付けた上で、洗浄槽120の内部をカバー200まで水121で満たすようにしたが、単にカバー200だけ設けて、被洗浄物の一部の部位のみが水121に浸漬されたままの状態としても良い。このようにしても、空気への自然蒸発や超音波振動によって水面などから空中へ飛散する水の量が抑制されたり、周囲特に上部からの埃やゴミなどが洗浄槽120に入ることを防止でき、水の補給や洗浄や循環フィルタ141などのメンテナンス周期を長くできる、という効果は少なくとも期待できる。
【0076】
また上記実施の形態7では、超音波振動子124を洗浄槽の底部123の下部に取り付けていたが、カバー200の上部に取り付けるようにしても良い。このようにすると、洗浄槽120内部に水121が満たされているため、超音波振動伝達による洗浄作用などでは実施の形態7と同様な効果を奏する上、超音波振動子124に水が接触する可能性をより軽減でき、故障を抑制できたり、寿命を延伸できたり、過度な絶縁処置を不要とできたりし低コストに構成でき、また超音波振動子124の交換などのメンテナンスを、カバー200の着脱によりより簡単に実施できるようになる。
【0077】
その他の実施の形態
実施の形態1、2、4、5、6では、洗浄槽120の水位125を被洗浄物であるパチンコ玉2やコイン2aの径より小さく、即ち被洗浄物の一部の部位のみが水121に浸漬されるようにしていたが、被洗浄物の径程度の水位、即ち被洗浄物1個が完全に水に浸漬される程度の水位125であっても良いこの場合、実施の形態7に示したようなカバー200は無くても良い。
【0078】
このように構成すると、液位125がより低い場合の前述した効果に比べて若干効果が損なわれることもあるものの、ほぼ同様な効果があり、しかも、液体に被洗浄物が接触する機会はより増大し、被洗浄物をより確実に洗浄できる点では効果が増大する。
【0079】
又、被洗浄物としてパチンコ玉2やコイン2a以外に、回転する様なものであれば特に形状に対する制限はなく、断面が円で棒状のものや断面が円以外のものであってもよく、同様な効果を奏する。ただし、四角や三角等、断面の形状が回転し難い形状である場合は特に、実施の形態2のような強制的に被洗浄物を回転移動する駆動機構190に類似したものを設置することが不可欠となる。
【0080】
又、実施の形態1乃至7では、パチンコ玉2等の被洗浄物が搬送路1から洗浄装置100へ全て移動するようにしていたが、洗浄装置100への入口に被洗浄物を洗浄装置100の出口へ導く迂回路を設け、搬送される被洗浄物の一部分のみを洗浄するようにしても良い。洗浄装置100の処理能力洗浄できる被洗浄物の単位時間当たりの個数を超えたり、洗浄装置100が故障したりして、被洗浄物が洗浄装置100へ入りきらない場合に、溢れた被洗浄物をその迂回路へ導くようにする。
【0081】
又、迂回路へは自然に溢れた被洗浄物を通すようにしても良く、更に、洗浄装置100の入口に扉を設け、扉を閉じることで強制的に被洗浄物が迂回路を通るようにしてもよい。このように構成することで搬送路1上の被洗浄物の移動を阻害することがなくなり、洗浄装置100の洗浄処理能力に関係なく、洗浄装置100の洗浄処理能力が搬送路1上の被洗浄物の移動量より低くても、搬送路1上に洗浄装置100を設置できることが可能となり、設置上の自由度が増す。
【0082】
又、実施の形態1乃至7では、循環タンク142、洗浄水タンク160、循環フィルタ141又は振動電源150並びにそれらに付随する循環ポンプ144、バルブ163等を、洗浄装置100に組み込んだ形態であったが、これらを洗浄装置100の外部に分離して設置し、配管や配線で洗浄装置100に接続するように構成しても良い。このように構成することで、洗浄装置100をより軽量化でき、設置上の自由度が増し、又、洗浄装置100の外部に分離した部分を、水の補給や排水やフィルタ交換や清掃等のメンテナンスが容易な場所へ設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】この発明の実施の形態1による洗浄装置の側面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による洗浄装置の洗浄槽の正面断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による洗浄装置の洗浄槽の平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による洗浄装置の超音波振動子の断面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う矢視方向の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2による洗浄装置の側面構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2による洗浄装置の洗浄槽の正面断面図である。
【図8】この発明の実施の形態3による洗浄装置の洗浄槽の平面図である。
【図9】この発明の実施の形態4による洗浄装置の洗浄槽の正面断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4による洗浄装置の洗浄槽の平面図である。
【図11】この発明の実施の形態5による洗浄装置の洗浄槽の側面構成図である。
【図12】この発明の実施の形態6による洗浄装置の側面構成図である。
【図13】この発明の実施の形態7による洗浄装置の洗浄槽とその周辺の側面構成図である。
【図14】この発明の実施の形態7による洗浄装置の洗浄槽の正面断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 搬送路
2 パチンコ玉
2a コイン
100 洗浄装置
110 上流移動通路
113 上流移動通路の底部
114、124、134 超音波振動子
120 洗浄槽
121 水
122 側板
123 洗浄槽の底部
125、145 水位
126 開口部
127、127b ワイヤ
127a レール板
128 配列路
129 切欠部
130 下流移動通路
133 下流移動通路の底部
140、143 循環路
141 循環フィルタ
142 循環タンク
144 循環ポンプ
146 水位センサ
148 オーバーフロー配管
150 振動電源
160 洗浄水タンク
161 給水路
163 バルブ
170 送風ファン
181 ナット付ボルト
182 密着層
183 円筒体
184 圧電素子
185 連結ボルト
186 ボルト穴
190 駆動機構
191 ベルト
192 ピン
193 ローラ
194 上部ローラ
200 カバー
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄

【識別番号】100093562
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 俊英

【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生

【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾


【公開番号】 特開2008−12420(P2008−12420A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185434(P2006−185434)