Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
洗浄装置 - 特開2008−6425 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B08 清掃

【発明の名称】 洗浄装置
【発明者】 【氏名】村上 束

【要約】 【課題】従来の洗浄装置は、洗浄液の移送に長時間を要し、洗浄タクトが長く生産性が低かった。生産性を向上するためには大容量のポンプを必要とし、装置の大型化、設備費の増大があった。この事情に鑑み、小容量のポンプでも液移送の時間を短縮する事で生産性を向上させ、装置の小型化、コストダウンを図る洗浄装置を提供する。

【構成】本発明に係る洗浄装置は、洗浄槽(2)に供給する洗浄液を蓄える供給液貯液槽(1)を洗浄槽(2)の上部に設置し、洗浄槽(2)から排出された洗浄液を蓄える排出液貯液槽(3)を洗浄槽(2)の下部に設置する。洗浄液A(13)を配管(6)、(7)で高低差による液移送を行い、排出液貯液槽(3)から供給液貯液槽(1)へは小容量ポンプによる液移送が行われるようにする手段を有することを特徴とする洗浄装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式洗浄における洗浄装置において、洗浄液を洗浄槽(2)に供給する供給液貯液槽(1)を洗浄槽(2)の上部に設置し、洗浄槽(2)からの排出液を受ける排出液貯液槽(3)を洗浄槽(2)の下部に設置した事を特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
洗浄液の供給及び排出に空気圧で加圧し移送する手段を設けた請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
洗浄槽を複数有する請求項1記載の洗浄装置。
【請求項4】
貯液槽を複数有する請求項1記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は金属、樹脂、ガラス、電子部品などの被洗浄物を洗浄する湿式洗浄における1槽式洗浄装置において、洗浄液を洗浄槽への供給と、洗浄槽からの排出を短時間で行うための液移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の1槽式洗浄装置には、洗浄槽へ洗浄液を供給し洗浄槽からの排出液を備蓄する貯液槽を配置し、ポンプで液移送を行っているものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、金属、樹脂、ガラス、電子部品など被洗浄物の表面に付着している油分、フラックス、剥離剤、塵埃などの汚れを除去するために水系、炭化水素系、ハロゲン系などの洗浄剤を用いた湿式洗浄法が広く採用されている。湿式洗浄の洗浄工程は浸漬洗浄、リンス、乾燥の3工程がある。各工程を独立した槽で行う多槽式洗浄装置と、全ての洗浄工程を洗浄槽1槽で行う1槽式洗浄装置がある。多槽式は1槽の洗浄と搬送時間が洗浄タクトとなるため、洗浄タクトが短く生産性が高い。しかし、バスケットを移動するための搬送装置が必要で装置の大型化、設備費の増大があった。従来の1槽式洗浄装置は、全ての洗浄工程を洗浄槽1槽で行うためバスケットの搬送装置は必要ないが、各工程が終了しなければ次の工程に進めず、洗浄タクトが長くなっていた。浸漬洗浄の工程では、洗浄液の供給と排出及び備蓄にポンプによる液移送を行っている。従来の1槽式洗浄装置は貯液槽が1槽で、液移送が完了しなければ次工程を開始する事が出来ない。洗浄液の移送は洗浄液の供給、排出、備蓄の3工程がある。従来の洗浄装置は、洗浄液の供給、排出、備蓄を貯液槽1槽で行っているため、液移送時間はポンプ容量に比例し、液移送時間を短縮するには容量の大きいポンプを設置する必要があった。従来の洗浄装置では容量0.4kw程度の小型渦流ポンプを使用しており、流量は30L/min程度である。容量60Lの一般的な洗浄槽では洗浄液の供給に2分、排出に2分を要し、液移送に4分を要する。浸漬洗浄、リンス、乾燥の洗浄工程に要する実洗浄時間が4分の場合、洗浄タクトは1バスケット当たり8分を要する。日産100バスケットを洗浄する場合は洗浄作業に13時間20分を要する。液移送に要する時間は6時間40分となり、洗浄作業時間に大きな比率を占める。従って、洗浄作業の時間短縮には液移送のポンプ容量を大きくする必要があり、装置の大型化による設置スペースの増大、設備費の増加を招いていた。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、1槽式洗浄装置の洗浄液移送を流量の大きいポンプを使用しなくても、従来の洗浄装置より短時間で行う事で、洗浄タクトの短縮を行い、生産性の向上と装置の小型化及びコストダウンを図る洗浄装置を提供する事を課題とする。
【発明を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、洗浄液の貯液槽を供給と備蓄用の槽と排出用の槽に分離し2槽の構成とした。洗浄槽(2)に供給する洗浄液A(13)を蓄える供給液貯液槽(1)を洗浄槽(2)の上部に設置し、バルブA(10)と配管A(6)で接続する。洗浄槽から排出された洗浄液B(14)を蓄える排出液貯液槽(3)を洗浄槽(2)の下部に設置し、バルブB(11)と配管B(7)で接続した。供給液貯液槽(1)、洗浄槽(2)、排出液貯液槽(3)の高低差を利用し、洗浄槽(2)へ洗浄液の供給と、洗浄槽(2)からの排出を行う。次の浸漬洗浄のために洗浄液B(14)をポンプ(9)により排出液貯液槽(3)から供給液貯液槽(1)へ液移送を行い備蓄する。本発明は、以上の構成からなる洗浄装置である。
【発明の効果】
【0006】
供給液貯液槽(1)を洗浄槽の上部に、排出液貯液槽(3)を洗浄槽の下部に設置し、高低差により洗浄液を移送することで洗浄液の洗浄槽(2)への供給及び排出にポンプなどの動力を使用しなくても配管とバルブのみで可能となり設備費を低く抑える事が出来る。配管を従来の装置より大きい40A以上とする事やエアー圧を加える事で液移送時間が短縮され、洗浄タクトの短縮が出来る。次の浸漬洗浄のために供給液貯液槽(1)に洗浄液の備蓄が必要で、排出液貯液槽(3)から供給液貯液槽(1)へポンプ(9)で液移送する。次の工程である蒸気洗浄や乾燥工程の時間で液移送を完了すれば良いため、流量の少ない0.4kw程度の小容量ポンプで液移送に時間を掛けても洗浄タクトが長くなる事はない。従って、大容量ポンプは必要なく、従来の小容量ポンプでも生産性の高いコンパクトな洗浄装置が低コストで製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0007】
本発明の一実施形態を、図1に示す。以下、本発明につき図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0008】
図1にて貯液槽を設置した1槽式洗浄装置の事例を示す。本洗浄装置は、供給液貯液槽(1)、洗浄槽(2)、排出液貯液槽(3)、蒸留槽(4)、凝縮装置(5)から構成されている。供給液貯液槽(1)は洗浄槽(2)より高い位置に設置され配管A(6)で接合され、バルブA(10)が設置されている。排出液貯液槽(3)は洗浄槽(2)より低い位置に設置され、配管B(7)で接合され、バルブB(11)が設置されている。供給液貯液槽(1)と排出液貯液槽(3)はバルブC(12)とポンプ(9)で接続されている。液循環は、供給液貯液槽(1)から洗浄槽(2)、排出液貯液槽(3)をへて供給液貯液槽(1)へ戻る。さらに、この液循環が繰り返される。本発明の洗浄装置は以上の構成からなる。
【0009】
浸漬洗浄はバルブA(10)を開く事で、洗浄液が供給液貯液槽(1)から配管A(6)を通って洗浄槽(2)に供給されて始まる。洗浄液は高低差で自然落下し供給されるのでポンプなどの動力を必要としない。配管のサイズは、従来の装置では15A〜20A程度であるが、25A以上とする事で移送時間が短縮される。この時、供給液貯液槽(1)のエアーバルブ(8)を開きエアーを供給する事で、エアー圧に押され移送時間はさらに短縮される。
【0010】
25Lのタンクに20Lの水を入れ、40Aのバルブを接続し、高低差を利用した移送実験を行った。40Aの配管の場合、20Lの水を排出する時間は大気圧で17.2秒であった、これに0.5MPaのエアー圧で加圧すると8.5秒に短縮された。この流量は大気圧で70L/min、エアー加圧で140L/minに相当し、60Lの洗浄槽の場合、比重1の洗浄液で26秒で液移送が出来る。従来の洗浄装置でポンプを利用した液移送の場合、一般に使用される容量0.4kwのポンプの流量は高々30L/minである。容量60Lの洗浄槽の場合、液移送に120秒要する。従って、本発明の洗浄装置は従来の方法と比べ、移送時間が大気圧で1/2以下、0.5MPaのエアー加圧で1/4以下に短縮される。
【0011】
浸漬洗浄後、バルブB(11)が開き洗浄液は配管B(7)により排出液貯液槽(3)に高低差で移送する。この移送もエアー圧を加える事で移送時間の短縮が出来る。
【0012】
排出液貯液槽(3)に移送された洗浄液B(14)は、次の浸漬洗浄に備え、供給液貯液槽(1)に備蓄するために液移送が必要である。この液移送は揚程があるためポンプ(9)による移送が必要である。この時点ですでに洗浄槽の液移送は終了しているため、洗浄工程は次のリンス工程に移行する事が出来る。この排出液貯液槽(3)から供給液貯液槽(1)への移送工程は次の工程と同時に進行する事が出来るため、次工程の時間を利用して液移送が可能であり移送時間は洗浄タクトに加算される事がない。次工程のリンス及び乾燥の時間は一般洗浄の場合で2分以上を要するため、容量0.4kw、流量30L/minの小容量ポンプでも60L以上の液移送が洗浄タクトを延長せずに可能となる。
【0013】
洗浄槽容量60L、ポンプ容量0.4kwの洗浄装置で、実洗浄時間4分の被洗浄物を日産100バスケット洗浄する場合、従来の1槽式洗浄装置では、液移送に4分を要し、洗浄タクトは1バスケット8分となり、100バスケットで13時間20分を要する。本発明の洗浄装置では40Aの配管の場合、液移送に約1分を要する。実洗浄時間4分の場合、1バスケットの洗浄タクトは5分となる。100バスケットの洗浄時間は8時間20分となり、従来の装置より、5時間も大幅に短縮される。配管の口径を大きくすることによりさらに短縮される。
【0014】
従って、本発明の洗浄装置により液移送時間が短縮され、洗浄タクトの短縮で生産性が向上する。洗浄タクトの短縮にポンプ容量を大きくする必要がないため装置の小型化、低コスト化が図れる。
【0015】
前洗浄剤や仕上げ洗浄剤など洗浄液が複数の場合は、洗浄液の数に合わせ供給液貯液槽、洗浄槽、排出液貯液槽で構成された複数の貯液槽で構成する事も可能である。その場合は洗浄液を順次洗浄槽に送るように配管とバルブを構成する。
【0016】
洗浄槽を複数にして生産性を上げる事が可能で、配管とバルブの構成により、順次バルブの切り替えで洗浄液を洗浄槽に供給と排出を行う。
【0017】
複数の貯液槽と複数の洗浄槽の場合は配管とバルブの組み合わせで順次バルブを切り替え、各洗浄槽に各洗浄液の供給と排出を繰り返す事で、高度な洗浄性と生産性を持つコンパクトな洗浄装置が低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明実施の洗浄液循環を示したフロー図である。
【符号の説明】
【0019】
(1)供給液貯液槽、(2)洗浄槽、(3)排出液貯液槽、(4)蒸留槽、(5)凝縮装置、(6)配管A、(7)配管B、(8)エアーバルブ、(9)ポンプ、(10)バルブA、(11)バルブB、(12)バルブC、(13)洗浄液A、(14)洗浄液B
【出願人】 【識別番号】506253481
【氏名又は名称】村上 束
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6425(P2008−6425A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−201291(P2006−201291)