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【発明の名称】 セキュリティゾーン及びセキュリティゾーンの設置方法、及び樹脂シート袋体。
【発明者】 【氏名】菱田 素

【要約】 【課題】短時間で確実に設置できるセキュリティゾーンを提供すること。

【構成】粉塵を処理する作業スペースの出入り口に設置するセキュリティゾーンAにおいて、セキュリティゾーンAの一室Gは、フレーム1と樹脂シート袋体2からなり、支柱となる縦部材10と横部材11と連結部材12からなるフレーム1内に、予めつなぎ目23を気密状態とした樹脂シート袋体2が保形部材24を用いてフレーム1に取り付けられることによって、前記樹脂シート袋体2を保形させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵を処理する作業スペースの出入り口に設置されるセキュリティゾーンにおいて、セキュリティゾーンの一室は、立体フレームと樹脂シート袋体からなり、立体フレーム内に、樹脂シート袋体が保形部材を用いて立体フレームに取り付けられることによって、前記樹脂シート袋体を保形させていることを特徴とするセキュリティゾーン。
【請求項2】
粉塵を処理する作業スペースの出入り口に設置されるセキュリティゾーンの設置方法において、セキュリティゾーンの一室は、立体フレームと樹脂シート袋体からなり、立体フレーム内に、樹脂シート袋体が保形部材を用いて立体フレームに取り付けられることによって、前記樹脂シート袋体を保形させていることを特徴とするセキュリティゾーンの設置方法。
【請求項3】
出入り口は、樹脂シート袋体の側面を切開することによって形成されることを特徴とする、請求項1記載のセキュリティゾーン。
【請求項4】
出入り口は、樹脂シート袋体の側面を切開することによって形成されることを特徴とする、請求項2記載のセキュリティゾーンの設置方法。
【請求項5】
前記セキュリティゾーンの一室が複数個連なっており、重なり合う樹脂シート袋体側面が気密状態で接着されていることを特徴とする、請求項1又は3記載のセキュリティゾーン。
【請求項6】
前記セキュリティゾーンの一室が複数個連なっており、重なり合う樹脂シート袋体側面が気密状態で接着されていることを特徴とする、請求項2又は4記載のセキュリティゾーンの設置方法。
【請求項7】
セキュリティゾーンを作るときに使用される方体形状の袋体であって、少なくとも側面の一箇所に切開部を有していると共に、立体フレームとの協同により方体形状を保つための保持部材が取り付けられており、折りたたみ自在であることを特徴とする樹脂シート袋体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、アスベスト等の除去作業を行う作業スペースの出入り口に設けるセキュリティゾーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アスベストは、建物の耐火被膜・断熱材・吸音材、ブレ−キ類、電気の絶縁、濾過材料など、極めて多様な工業製品の部分剤として広く使用されていたが、アスベストの粉塵を吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病である塵肺や中皮腫を引き起こすことから、現在、アスベストの除去作業が各地で行われている。
【0003】
このアスベスト除去を行う際に、飛散を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
しかしながら、この除去作業を行う場合、樹脂シートを床や壁に貼り、粉塵が付着しても問題とならない作業スペースを設置する必要がある。さらに、この作業スペースの出入り口となるセキュリティゾーンを設置しなければならない。このセキュリティゾーンは、現場で柔らかいビニールシートを立体的に張り合わせるものであり、時間がかかり、樹脂シート同士の張り合わせも確実に行うには手間がかかり、確実に行わなければ有害なアスベスト粉塵が外気に漏れてしまう可能性があるという問題があった。
【0005】
なお、その他の有害な粉塵が発生する場合も同等の問題があると考えられる。
【特許文献1】特開平1−226979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明は、短時間で確実に設置できるセキュリティゾーンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1記載の発明)
この発明は、粉塵を処理する作業スペースの出入り口に設置されるセキュリティゾーンにおいて、セキュリティゾーンの一室は、立体フレームと樹脂シート袋体からなり、立体フレーム内に、樹脂シート袋体が保形部材を用いて立体フレームに取り付けられることによって、前記樹脂シート袋体を保形させていることを特徴とする。
【0008】
(請求項2記載の発明)
この発明は、粉塵を処理する作業スペースの出入り口に設置されるセキュリティゾーンの設置方法において、セキュリティゾーンの一室は、立体フレームと樹脂シート袋体からなり、立体フレーム内に、樹脂シート袋体が保形部材を用いて立体フレームに取り付けられることによって、前記樹脂シート袋体を保形させていることを特徴とする。
【0009】
(請求項3記載の発明)
この発明は、上記請求項1記載の発明に関し、出入り口は、樹脂シート袋体の側面を切開することによって形成されることを特徴とする。
【0010】
(請求項4記載の発明)
この発明は、上記請求項2記載の発明に関し、出入り口は、樹脂シート袋体の側面を切開することによって形成されることを特徴とする。
【0011】
(請求項5記載の発明)
この発明は、上記請求項1又は3記載の発明に関し、前記セキュリティゾーンの一室が複数個連なっており、重なり合う樹脂シート袋体側面が気密状態で接着されていることを特徴とする。
【0012】
(請求項6記載の発明)
この発明は、上記請求項2又は4記載の発明に関し、前記セキュリティゾーンの一室が複数個連なっており、重なり合う樹脂シート袋体側面が気密状態で接着されていることを特徴とする。
【0013】
(請求項7記載の発明)
この発明は、セキュリティゾーンを作るときに使用される方体形状の袋体であって、少なくとも側面の一箇所に切開部を有していると共に、立体フレームとの協同により方体形状を保つための保持部材が取り付けられており、折りたたみ自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このセキュリティゾーンは、短時間で確実に設置できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、この発明のセキュリティゾーンを設置するための最良の形態として実施例について詳しく説明する。
【実施例1】
【0016】
図1はアスベスト除去作業を示す説明図である、図2はセキュリティゾーンの様式を示す説明図である、図3はセキュリティゾーンの一室を示す斜視図である、図4はセキュリティゾーンを示す斜視図である。
【0017】
(このセキュリティゾーンAの基本的用途について)
このセキュリティゾーンAは図1に示すように、アスベスト除去作業を行う時の作業スペースBの出入り口に設置されるものである。
【0018】
作業スペースBには負圧集塵装置Cが設置されており、負圧集塵装置Cは作業スペースB内の空気からアスベスト粉塵をフィルターで取り除き、クリーンな空気を外へ排出させる様態で常に動いている。
【0019】
セキュリティゾーンAは、図2に示すように、更衣室Dと、洗浄室Eと、前室Fとで構成されている。アスベスト除去作業を行う作業者は、更衣室Dで作業着と着替え、洗浄室Eでエアシャワーを行い、前室Fを通過し、作業スペースBに入る。作業者が作業スペースBから出る時は、前室Fで使い捨ての作業着を捨てる。
【0020】
外部空気は更衣室D、洗浄室E、前室F、作業スペースBの順で流れ、負圧集塵装置Cに吸い込まれ、フィルターをとおして、外へ排出される様態となるため、アスベスト粉塵が、外気へ放出されることはない。
【0021】
(このセキュリティゾーンAの一室Gについて)
更衣室D、洗浄室E、前室F等の一室(以下、一室G)は、図3に示すような構成からなる。
【0022】
一室Gは、フレーム1とフレーム1内に収まるように形成された樹脂シート袋体2からなる。
【0023】
フレーム1の素材としては高機能樹脂、硬質樹脂、金属、木等を用いることができる。なお、フレーム1の形状は筒状に限られるものではなく、形状及び素材は当業者が適宜なし得る事項である。
【0024】
樹脂シート袋体2の素材としてはビニールシート、ポリエチレンフィルム、ポリオレフィンフィルム等の気密性を有するシートを用いることができ、樹脂シート袋体2の色は透明、半透明、有色と何でも良く、素材及び色は当業者が適宜なし得る事項である。
【0025】
フレーム1は、図3に示すように、支柱となる四本の縦部材10と、上部に使用する四本の横部材11と、下部に使用する四本の横部材11と、縦部材10と横部材11を連結する連結部材12からなる。
【0026】
図3において、直方体として形成されているフレーム1は、人が歩いて通ることが可能なサイズであって、樹脂シート袋体2の形状保持が可能であればよく、当業者が適宜なし得る事項である。
【0027】
樹脂シート袋体2は、図3に示すように、上面20、側面21、下面22から形成されており、上面20と側面21と下面22はつなぎ目23によって、気密を保つことが可能な様態で接着されている。樹脂シート袋体2もフレーム1と同様に、人が歩いて通ることが可能なサイズであればよく、形状は直方体に限られるものではなく、当業者が適宜なし得る事項である。また、前記つなぎ目23の接着も、溶着や接着剤を用いたものに限られるものではなく、接着テープ等、気密を保つことが可能なものであればよく、当業者が適宜なし得る事項である。
【0028】
樹脂シート袋体2の形状保持は、保形部材24に横部材11を通し、上面20側から吊り下げる様態でなされている。また、風の影響等を受けないように、下面22側も同様に、保形部材24に横部材11を通すことで形状保持することが好ましい。
【0029】
形状保持の方法は樹脂シート袋体2の形が崩れず、人が歩いて通れる様に保つことが可能であれば何でも良く、当業者が適宜なし得る事項である。また、保形部材24はテープ等で貼り付けるものでも良いが、上面20側は樹脂シート袋体2と一体であると、横部材11を保形部材24に挿通させつつフレーム1の組み立てが行える為、組み立てが行いやすい。
【0030】
作業者の出入りを可能とするため、側面21は、四面あるうち二面に切開部25が形成されている。切開部25には開閉自在となるよう、ファスナー付きのシートを貼り付けても良い。
【0031】
(フレーム1及び、樹脂シート袋体2の組み立てについて)
フレーム1は、先ず下面22側の横部材11を連結部材横穴13に差し込み、四角形を作る。その後、縦部材10を連結部材縦穴14に差し込む。次に、縦部材10の上面20側に連結部材縦穴14を取り付ける。
【0032】
この後、横部材11を保形部材24に挿通させつつ上面20側の連結部材横穴13に差し込む。
【0033】
下面22側、上面20側の四角形を組み立てる順番は、組み立て作業者が行い易い順序であればよく、当業者が適宜なし得る事項である。
【0034】
フレーム1を組み立てて、樹脂シート袋体2の形状が保持された後、下面22側の保形部材24を取り付ける様態が好ましい為、下面22側の保形部材24は接着テープを用いて固定する事が好ましい。
【0035】
(このセキュリティゾーンAの一室Gが有する効果について)
上述の通り、この一室Gは予め、上面20と側面21と下面22が気密性を保った状態で出荷される為、有害なアスベスト粉塵を外気へ漏らしてしまう危険性がなく、現場の組み立て作業が非常に短時間となる。
【0036】
(一室Gの連結について)
通常セキュリティゾーンは更衣室D、洗浄室E、前室Fからなる。
【0037】
したがって、図4に示すように、セキュリティゾーンAは一室Gが三室連なることによって作製される。図4に示された、縦部材10と横部材11は隣接する一室Gと一室Gにおいて、それぞれ2本ずつ使用している様態であるが、連結部材12を変更することによって、1本ずつとしてもよく(例えば、更衣室Dと洗浄室Eの間は1本ずつ、洗浄室Eと前室Fの間は1本ずつとする。)縦部材10と横部材11の本数、連結部材12の形状は当業者が適宜なし得る事項である。
【0038】
連なることによって隣接された一室Gは、互いに接触する側面21に接着部3を儲け、気密可能な様態で接着する。この接着によって、作業者が切開部25を進行方向4に向かって移動したとしても、一室Gを三室が連なった内部(更衣室D、洗浄室E、前室F内部)の空気は、切開部25以外から漏れることはない。また、上述したように、空気の流れは負圧集塵装置Cによって、常に進行方向4である。
【0039】
接着部3は、空気を通さない接着手段であれば何でも良く、当業者が適宜なし得るものであるが、利便性を考えて、接着テープ等を用いることが好ましい。
【0040】
また、前室Fとなる一室Gの側面21の一方は接着部3によって作業スペースBに気密可能な様態で接着されている。
【0041】
(連結した一室Gが有する効果について)
従来のセキュリティゾーンAでは、全体を覆うシートを被せた後、内部の仕切り(側面21に該当)を作製していた。したがって、全体を覆うシートに傷みが発生した場合、セキュリティゾーンA全体の張りなおしを必要とした。この一室Gを連結したセキュリティゾーンAの場合、傷みが発生した箇所のみを交換することが可能であり、長期使用のコストパフォーマンスにも優れるものである。
【0042】
また、従来のセキュリティゾーンAでは。進行方向4は一直線(方角で例えると、「北、北、北、北」等)に限られてしまうが、この発明では、一室Gの連結箇所を変更することによって、進行方向4を自在(例えば、「北、東、東、北」等)に変更することが可能である。このような様態であると、設置スペースの確保が困難な箇所であったとしても設置が行い易いという利点がある。
【実施例2】
【0043】
図5は実施例2における樹脂シート袋体2を示す斜視図である。
【0044】
実施例2の樹脂シート袋体2は、保形部材24が縦部材10や横部材11の一部分によって保形されるのではなく、図5に示すように、縦部材10と横部材11から連結部材12に挿入する部位を除いた箇所を用いて、保形される様態である。
【0045】
前述した様態の樹脂シート袋体2の保形部材24に縦部材10と横部材11を挿通させ、フレーム1を組み立てると、図5に示すような直方体形状の樹脂シート袋体2である場合、直方体の全ての辺が保形部材24によって保持される。したがって、この樹脂シート2を用いた一室Gは、上面20、側面21、下面22が変形しづらく、実施例1の樹脂シート袋体2を用いて製作した一室Gよりも外的要因(風など)からの影響を受けにくいものとなる。
(その他の効果について)
折りたたみ自在である樹脂シート袋体2は切開部25を設けておくことによって、内部に空気が入ることが可能となり、設置を行う時の使い勝手が向上する。また、進行方向4を自在とするため、切開部25は側面21の一箇所とすることが好ましい。
【0046】
また、フレーム1は解体が可能で、樹脂シート袋体2は折りたたみ可能であることから、セキュリティゾーンAを使用しないときはコンパクトに収納することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】アスベスト除去作業を示す説明図である。
【図2】セキュリティゾーンの様式を示す説明図である。
【図3】セキュリティゾーンの一室を示す斜視図である。
【図4】セキュリティゾーンを示す斜視図である。
【図5】実施例2における樹脂シート袋体2を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
A セキュリティゾーン
B 作業スペース
C 負圧集塵装置
D 更衣室
E 洗浄室
F 前室
G 一室
1 フレーム
10 縦部材
11 横部材
12 連結部材
2 樹脂シート袋体
24 保形部材
25 切開部
3 接着部
4 進行方向
【出願人】 【識別番号】506226681
【氏名又は名称】株式会社ヒシモト
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義

【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士

【識別番号】100121577
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 雅也


【公開番号】 特開2008−6394(P2008−6394A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180838(P2006−180838)