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【発明の名称】 ワーク処理装置およびワーク洗浄方法
【発明者】 【氏名】藤森 和孝

【氏名】平出 正彦

【要約】 【課題】ワークを傷つけることなく確実に洗浄することのできるワーク洗浄装置を提案すること。

【構成】ワーク洗浄装置1の回転ドラム3にワークWを投入し(W1)、回転ドラム3を第1回転方向CCWに回転させて上流側のワーク送りフィン21から、ワークWを、ワークガイド用段差部50を越えて下流側のワーク送りフィン22に引き渡す(W2)。回転ドラム3を逆回転させると、ワークガイド用段差部50によってワークWがワーク捕捉用ポケット40に案内され、そこに捕捉される(W4)。ワーク捕捉用ポケット40にワークWを捕捉した状態で回転ドラム3を正逆回転させながら洗浄液を吹き付けてワークWを洗浄する。洗浄後に、回転ドラム3を第1回転方向に1周以上回転させることにより、ワークWがワーク捕捉用ポケット40から放出され、ワーク送りフィン22によって送られて下流側のワーク送りフィン23に引き渡される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端がワーク投入口とされ、他端がワーク排出口とされている回転ドラムと、
この回転ドラムの内周面に沿って螺旋状に配置された複数枚のワーク送りフィンとを有し、
各ワーク送りフィンは、所定のリードピッチで回転ドラムの内周面の一周分、あるいは複数周分の長さを備え、ワーク送り方向の上流側のワーク送りフィンの後端に対して、隣接配置されている下流側のワーク送りフィンにおけるワーク送り方向の前端が、ワーク投入口の側に後退した位置となるように配置されており、
回転ドラムをその中心軸線回りに第1回転方向に回転すると、ワーク投入口から投入されたワークが各ワーク送りフィンによって中心軸線方向に送り出され、順次に後続のワーク送りフィンに引き渡されて、ワーク排出口から排出されるようになっており、
各ワーク送りフィンの後端と、これに隣接する下流側の各ワーク送りフィンの前端の間には、下流側のワーク送りフィンが延びている方向に向けて開口しているワーク捕捉用ポケットがそれぞれ配置されており、
各ワーク送りフィンの後端から下流側の各ワーク送りフィンの側にワークが引き渡される回転ドラムの内周面部分にはワークガイド用段差部がそれぞれ配置されており、
ワークがワーク送りフィンからワークガイド用段差部を越えて下流側のワーク送りフィンに引き渡された後に、回転ドラムが第1回転方向とは逆の第2回転方向に回転すると、当該ワークガイド用段差部に沿ってワークがワーク捕捉用ポケットに案内されて、当該ワーク捕捉用ポケットに捕捉されることを特徴とするワーク処理用の回転モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記回転ドラムは多孔質素材から形成されており、
前記ワーク捕捉用ポケットには、複数の通気用あるいは通液用の孔あるいは開口が形成されていることを特徴とするワーク処理用の回転モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の回転モジュールと、
前記回転ドラムを中心軸線周りに回転可能な状態で水平に支持している支持部と、
前記回転ドラムを中心軸線周りに回転駆動するための回転駆動部と、
ワークを捕捉可能な回転位置にある前記ワーク捕捉用ポケットに流体を吹き付け可能な流体吹き付け部と、
前記回転ドラムの回転位置を検出するための回転位置検出部と、
前記回転位置検出部の検出結果に基づき、前記回転駆動部による前記回転ドラムの回転駆動を制御すると共に、前記流体吹き付け部による流体の吹き付け動作を制御する制御部とを有していることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記流体吹き付け部は洗浄液吹き付け部であることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記洗浄液吹き付け部は、洗浄液の吹き付け方向を変更可能であることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記洗浄液吹き付け部は、前記回転ドラムの外側および内側から前記ワーク捕捉用ポケットに向けて洗浄液を吹き付けるようになっていることを特徴とするワーク処理装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のうちのいずれかの項に記載のワーク処理装置を用いたワーク洗浄方法であって、
前記ワーク捕捉用ポケットが最も下側の位置となる前記回転ドラムの回転角度位置の状態においてワークを前記ワーク投入口から投入するワーク投入工程と、
前記回転ドラムを第1回転方向に1周以上の角度範囲に亘って回転させて、ワークをワーク送り方向の上流側のワーク送りフィンから、前記ワークガイド用段差部を越えて、下流側のワーク送りフィンに引き渡すワーク送り工程と、
前記回転ドラムを第2回転方向に所定角度回転させて、下流側のワーク送りフィンに引き渡された後のワークを前記ワークガイド用段差部に沿って前記ワーク捕捉用ポケットに案内して、当該ワーク捕捉用ポケットに捕捉された状態とするワーク捕捉工程と、
前記ワーク捕捉用ポケットにワークが捕捉された状態が維持される角度位置の範囲内において、前記回転ドラムを第1および第2回転方向に繰り返し回転させながら、前記洗浄液吹き付け部によって洗浄液を前記ワーク捕捉用ポケットに捕捉されているワークに吹き付けるワーク洗浄工程と、
前記回転ドラムを第1回転方向に回転させて、前記ワーク捕捉用ポケットに捕捉されているワークを下流側のワーク送りフィンに引き渡すワーク放出工程とを含むことを特徴とするワーク洗浄方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記ワーク洗浄工程では、間欠的に洗浄液の吹き付けを行うことを特徴とするワーク洗浄方法。
【請求項9】
請求項7または8において、
洗浄対象のワークに応じて、前記ワーク洗浄工程における前記回転ドラムの回転速度、前記洗浄液の吹き付け角度、および、当該洗浄液の吹き付け量のうちの少なくとも一つを変更することを特徴とするワーク洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク送りフィンが螺旋状に内周面に配置された構成の回転ドラムを用いて各種のワークを送りながら洗浄などの処理を施すワーク処理装置および、当該ワーク処理装置を用いたワーク洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
螺旋状のワーク送りフィンを備えた回転ドラムを用いたワーク洗浄装置では、ワーク送りフィンによって送られるワークに対して洗浄液噴射ノズルから洗浄液を吹き付けてワークを洗浄している。特許文献1にはこの構造の洗浄装置が開示されている。また、ワーク送りフィンを備えた回転ドラムの下側部分を洗浄液に浸漬させた状態でワークを送ることによって、洗浄液内を通過するワークを洗浄するものも知られている。特許文献2にはこの構造の洗浄装置が開示されている。
【0003】
従来における螺旋状のワーク送りフィンを備えた回転ドラムを用いた洗浄装置では、洗浄対象のワークは、回転ドラムの回転に伴って、回転ドラムの下側部分をその中心軸線方向に向けて螺旋状のワーク送りフィンによって送り出される。したがって、回転ドラム内のワーク姿勢がほぼ一定のままである。そのため、洗浄液をワーク全体に吹き付けるために、ワークに対して上下の方向から洗浄液を吹き付けるようにしている。あるいは、洗浄液の吹き付け方向を切り替えるようにしている。また、洗浄液にワークを浸漬する場合においては、回転ドラムを正逆方向に回転させてワークを揺動させて洗浄液をワーク全体に接触させるようにしている。
【特許文献1】特開2004−275819号公報
【特許文献2】特開2001−129499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、ワーク全体に確実に洗浄液を吹き付け、あるいは接触させることができない場合が多い。また、柔らかな素材からなるワークの場合には、回転ドラムを正逆回転することによって、他のワーク、回転ドラムの内周面、あるいは送りフィンに当り、表面が傷付く可能性が高い。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、螺旋状の送りフィンを備えた回転ドラムを用いてワークの洗浄などの処理を行うワーク処理装置において、ワーク全体に洗浄液などを吹き付けてワーク洗浄などの処理を確実に行うことができるようにすることにある。
【0006】
また、螺旋状の送りフィンを備えた回転ドラムを用いたワーク処理装置において、柔らかな素材からなるワークの洗浄などの処理を、ワークを傷付けることなく、しかも確実に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、ワーク洗浄などを行うワーク処理装置に用いるのに適した回転モジュールであって、
一端がワーク投入口とされ、他端がワーク排出口とされている回転ドラムと、
この回転ドラムの内周面に沿って螺旋状に配置された複数枚のワーク送りフィンとを有し、
各ワーク送りフィンは、所定のリードピッチで回転ドラムの内周面の一周分、あるいは複数周分の長さを備え、ワーク送り方向の上流側のワーク送りフィンの後端に対して、隣接配置されている下流側のワーク送りフィンにおけるワーク送り方向の前端が、ワーク投入口の側に後退した位置となるように配置されており、
回転ドラムをその中心軸線回りに第1回転方向に回転すると、ワーク投入口から投入されたワークが各ワーク送りフィンによって中心軸線方向に送り出され、順次に後続のワーク送りフィンに引き渡されて、ワーク排出口から排出されるようになっており、
各ワーク送りフィンの後端と、これに隣接する下流側の各ワーク送りフィンの前端の間には、下流側のワーク送りフィンが延びている方向に向けて開口しているワーク捕捉用ポケットがそれぞれ配置されており、
各ワーク送りフィンの後端から下流側の各ワーク送りフィンの側にワークが引き渡される回転ドラムの内周面部分にはワークガイド用段差部がそれぞれ配置されており、
ワークがワーク送りフィンからワークガイド用段差部を越えて下流側のワーク送りフィンに引き渡された後に、回転ドラムが第1回転方向とは逆の第2回転方向に回転すると、当該ワークガイド用段差部に沿ってワークがワーク捕捉用ポケットに案内されて、当該ワーク捕捉用ポケットに捕捉されることを特徴としている。
【0008】
ここで、回転モジュールを、ワークの洗浄あるいは乾燥のために用いる場合などにおいては、前記回転ドラムを多孔質素材から形成し、また、前記ワーク捕捉用ポケットには、複数の通気用あるいは通液用の孔あるいは開口を形成しておけばよい。
【0009】
次に、本発明のワーク処理装置は、
上記構成の回転モジュールと、
前記回転ドラムを中心軸線周りに回転可能な状態で水平に支持している支持部と、
前記回転ドラムを中心軸線周りに回転駆動するための回転駆動部と、
ワークを捕捉可能な回転位置にある前記ワーク捕捉用ポケットに流体を吹き付け可能な流体吹き付け部と、
前記回転ドラムの回転位置を検出するための回転位置検出部と、
前記回転位置検出部の検出結果に基づき、前記回転駆動部による前記回転ドラムの回転駆動を制御すると共に、前記流体吹き付け部による流体の吹き付け動作を制御する制御部とを有していることを特徴としている。
【0010】
ここで、ワーク処理装置をワーク洗浄装置として用いる場合には、前記流体吹き付け部を洗浄液吹き付け部とすればよい。ワーク乾燥装置として用いる場合には、乾燥用空気の吹き付け部あるいは熱風を吹き付けるドライヤとすればよい。
【0011】
また、前記洗浄液吹き付け部は、洗浄液の吹き付け方向を変更可能とすることもできる。さらに、前記洗浄液吹き付け部は、前記回転ドラムの外側および内側から前記ワーク捕捉用ポケットに向けて洗浄液を吹き付ける構成とすることもできる。
【0012】
次に、この構成のワーク処理装置を用いたワーク洗浄方法は、
前記ワーク捕捉用ポケットが最も下側の位置となる前記回転ドラムの回転角度位置の状態においてワークを前記ワーク投入口から投入するワーク投入工程と、
前記回転ドラムを第1回転方向に1周以上の角度範囲に亘って回転させて、ワークをワーク送り方向の上流側のワーク送りフィンから、前記ワークガイド用段差部を越えて、下流側のワーク送りフィンに引き渡すワーク送り工程と、
前記回転ドラムを第2回転方向に所定角度回転させて、下流側のワーク送りフィンに引き渡された後のワークを前記ワークガイド用段差部に沿って前記ワーク捕捉用ポケットに案内して、当該ワーク捕捉用ポケットに捕捉された状態とするワーク捕捉工程と、
前記ワーク捕捉用ポケットにワークが捕捉された状態が維持される角度位置の範囲内において、前記回転ドラムを第1および第2回転方向に繰り返し回転させながら、前記洗浄液吹き付け部によって洗浄液を前記ワーク捕捉用ポケットに捕捉されているワークに吹き付けるワーク洗浄工程と、
前記回転ドラムを第1回転方向に回転させて、前記ワーク捕捉用ポケットに捕捉されているワークを下流側のワーク送りフィンに引き渡すワーク放出工程とを含むことを特徴としている。
【0013】
ここで、ワークの洗浄効率を高めるためには、前記ワーク洗浄工程では間欠的に洗浄液の吹き付けを行うことが望ましい。また、洗浄対象のワークに応じて、前記ワーク洗浄工程における前記回転ドラムの回転速度、前記洗浄液の吹き付け角度、および、当該洗浄液の吹き付け量のうちの少なくとも一つを変更することが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の回転モジュールにおいては、その回転ドラムを第1回転方向に回転させることにより、ワーク送り方向の上流側のワーク送りフィンから、ワークを、ワークガイド用段差部を越えて下流側のワーク送りフィンに引き渡すことができる。また、この後に、回転ドラムを逆回転(第2回転方向に回転)させると、ワークガイド用段差部に沿ってワークがワーク捕捉用ポケットに案内されて、そこに捕捉される。ワーク捕捉用ポケットにワークを捕捉した後に回転ドラムを更に第2回転方向に回転させることにより、ワークを、回転ドラムの最も下側の位置から上方に引き上げることができる。ワーク捕捉用ポケットからワークが放出されない角度範囲内で回転ドラムを繰り返し正逆回転させながら洗浄液などをワークに吹き付けることができる。
【0015】
したがって、従来のように、回転ドラムの最も下側位置にとどまった状態で送り出されながらワークが洗浄される場合とは異なり、ワーク捕捉用ポケットに捕捉されているワークは回転ドラムの回転に伴ってその姿勢が大きく変化する。よって、ワーク全体に対して洗浄液などを吹き付けることができ、ワークの洗浄などの処理を確実に行うことができる。
【0016】
また、柔らかな素材からなるワークの場合には、ワークを1個ずつ投入して、1個ずつワーク捕捉用ポケットに捕捉して、その洗浄などの処理を行うようにすれば、ワークが傷付いてしまうことを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したワーク洗浄装置の例を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1(a)および(b)は、ワーク洗浄装置の全体構成を示す概略構成図および概略断面構成図である。ワーク洗浄装置1は、円環状のワークWを、螺旋状のワーク送りフィンが内周面に形成さている回転ドラムによって送りながら、当該ワークWに洗浄液を吹き付けて洗浄するためのものである。
【0019】
ワーク洗浄装置1は、上方に開口している洗浄液回収槽2と、この洗浄液回収槽2の上側に水平状態に配置されている回転ドラム3を備えた回転モジュール4と、回転ドラム3をその中心軸線3a周りに回転可能な状態で支持している支持部5と、回転ドラム3を回転駆動するための回転駆動部6と、回転ドラム3内を搬送されるワークWに対して洗浄液を吹き付けるための洗浄液吹き付け部7とを有している。また、回転ドラム3の回転位置を検出するための回転位置検出部8と、回転位置検出部8の検出結果に基づき、回転駆動部6による回転ドラム3の回転駆動を制御すると共に、洗浄液吹き付け部7による洗浄液の吹き付け動作を制御する制御盤9とを有している。
【0020】
回転ドラム3は、その一方の開口端がワーク投入口11とされ、ここには、ワーク供給シュート12が配置されている。回転ドラム3の反対側の開口端がワーク排出口13とされ、ここにはワーク排出シュート14が配置されている。ワーク供給シュート12を介して不図示のワーク供給部からワークWが供給され、ワーク排出シュート14から排出される洗浄済みのワークWは不図示のワーク回収部に回収される。
【0021】
回転ドラム3を回転自在の状態に支持している支持部5は、回転ドラム3が回転自在の状態で乗っている前後の左右一対の支持ローラ5a、5bおよび5c、5dを備えている。これらの支持ローラ5a〜5dは例えばゴムローラである。回転ドラム3を回転させるための回転駆動部6は、減速機を備えたギヤドモータ6aと、この出力軸に取り付けられている駆動側歯車6bと、回転ドラム3の外周面に同軸状態で固定されている従動側歯車6cとを備え、駆動側歯車6bと従動側歯車6cが噛み合い状態に保持されている。
【0022】
回転位置検出部8は、回転ドラム3の外周面近傍に配置したセンサ8aと、回転ドラム3の外周面から所定の角度間隔で突出している例えば3つの検出片8b、8c、8dとを備えている。これらの検出片8b〜8dがセンサ8aによって検出されて、回転ドラム3の回転位置が検出されるようになっている。回転位置検出部8としてはロータリエンコーダなどの各種のセンサを用いることができる。
【0023】
次に、洗浄液吹き付け部7は、図1(b)から分かるように、回転ドラム3の内側におけるその中心軸線3aに対して一方の側に偏った位置に配置された内側吹き付け部71と、回転ドラム3の外側に配置された外側吹き付け部72とを備えている。内側吹き付け部71は、回転ドラム3の中心軸線3aに平行に配置されている洗浄液供給管73と、この洗浄液供給管73に一定の間隔で取り付けられている複数本のノズル74と、各ノズル74から洗浄液を噴出させるために各ノズル74に圧縮空気を供給するための空気供給管75とを備えている。外側吹き付け部72も同様であり、回転ドラム3の中心軸線3aに平行に配置した洗浄液供給管76と、この洗浄液供給管76に一定の間隔で取り付けられている複数本のノズル77と、各ノズル77から洗浄液を噴出させるために各ノズル77に圧縮空気を供給する空気供給管78とを備えている。各洗浄液供給管73、76には洗浄液タンクおよび供給ポンプなどからなる洗浄液供給源79から洗浄液が供給される。各空気供給管75、78には圧縮空気源80から圧縮空気が供給される。
【0024】
(回転モジュール)
図2は回転モジュール4をワーク投入口の側から見た斜視図である。回転モジュール4は、上記のように、一端がワーク投入口11とされ、他端がワーク排出口13とされている回転ドラム3を備えている。回転ドラム3は、円形の穴が多数形成されているパンチングメタルなどの多孔質素材から形成されている。この回転ドラム3の内周面31に沿って複数枚のワーク送りフィン21、22、23・・・が螺旋状に配置されている。各ワーク送りフィン21、22、23・・・は、一定のリードピッチで回転ドラム3の内周面31に沿って一周分ずつ形成されている。回転ドラム3をその中心軸線3a回りに第1回転方向CCWに回転すると、ワーク投入口11から投入されたワークWがワーク送りフィン21、22、23・・・によって中心軸線3aの方向に送り出され、順次に後続のワーク送りフィン22、23、24・・・に引き渡されて、ワーク排出口13から排出されるようになっている。
【0025】
ここで、各ワーク送りフィン21、22、23・・・は次のように配置されている。隣接配置されている2枚のワーク送りフィン、例えば、ワーク送りフィン21、22においては、ワーク送り方向の上流側のワーク送りフィン21におけるワーク送り方向の後端21bに対して、下流側のワーク送りフィン22におけるワーク送り方向の前端22aが、ワーク送り方向とは逆方向に一定量だけ後退した位置から開始するようになっている。
【0026】
また、上流側のワーク送りフィン21の後端21bと下流側のワーク送りフィン22の前端22aの間には、下流側のワーク送りフィン22が延びている方向に向けて開口しているワーク捕捉用ポケット40が配置されている。ワーク捕捉用ポケット40の開口部41におけるワーク送り方向の側の端からは、回転ドラム3の内周面31に沿ってワークガイド用段差部50が配置されている。ワークWが上流側のワーク送りフィン21からワークガイド用段差部50を越えて下流側のワーク送りフィン22に引き渡された後に、回転ドラム3を第1回転方向CCWとは逆の第2回転方向CWに回転させると、当該ワークガイド用段差部50に沿ってワークWがワーク捕捉用ポケット40に案内され、この中に捕捉されるようになっている。
【0027】
ワーク捕捉用ポケット40およびワークガイド用段差部50は、隣接配置されている各ワーク送りフィンの間にも同様に配置されている。
【0028】
図3は、回転ドラム3の回転に伴うワーク送りフィンによるワークWの送り状態を示す説明図であり、図4はワーク捕捉用ポケット40の部分を拡大して示す説明図であり、図5は回転ドラム3の内周面31を平面上に展開した状態を示す平面展開図である。これらの図を参照して、回転ドラム3の回転に伴うワークWの移動状態を説明する。
【0029】
まず、図3に示すように、ワーク捕捉用ポケット40が回転ドラム3の最も下側位置にある回転角度位置において、ワークWがワーク投入口11から回転ドラム3の内部に投入される。この回転角度位置においては、最も上流側のワーク送りフィン21の前端21aが回転ドラムの円形断面における最も下側の角度位置にある。なお、回転ドラム3は、一定厚さのパンチングメタルなどを円筒状に丸めて形成したものであり、その継ぎ目部分32は、一定幅で重ねられている。
【0030】
この状態から回転ドラム3を第1回転方向CCWに回すと、ワーク送りフィン21によってワークWがワーク排出側に向けて送り出される。この結果、ワークWは相対的に、図3において矢印で示すように内周面31に沿って移動する。回転ドラム3が1周以上回転すると、ワークWは、ワーク送りフィン21の後端21bから外れて、ワークガイド用段差部50を越えて、ワーク送りフィン22の前端22aの側に引き渡される。
【0031】
ここで、図4から分かるように、ワーク送りフィン21の後端21bと、隣接配置されているワーク送りフィン23の前端23aの間には、回転ドラム3の内周面31の継ぎ目部分32の段差を埋める状態で、台形状のガイド板51が回転ドラムの内周面31に沿って配置されている。このガイド板51におけるワーク移動方向の端と、回転ドラムの内周面31との間が、ワーク送りフィン22の側に面しているワークガイド用段差部50となっている。このワークガイド用段差部50は、ワーク捕捉用ポケット40の開口部41におけるワーク送り方向の端42からワーク送りフィン23まで延びている。
【0032】
ワークWがワーク送りフィン22の側に当る位置まで回転ドラム3を回転させた後に、回転ドラム3を逆の第2回転方向CWに回転すると、ワークWは相対的に逆方向に回転ドラム内周面31に沿って移動し、ワークガイド用段差部50に当る。この後は、ワークガイド用段差部50に案内されてワーク捕捉用ポケット40の開口部41に移動し、開口部41からワーク捕捉用ポケット40の中に入り込む。このようにしてワークWがワーク捕捉用ポケット40に捕捉される。
【0033】
なお、本例では、円弧状の取り付け枠43と、この先端部に片持ち状態で固定した3本のピン44、45、46からなるユニットを、回転ドラム内周面31に固定することにより、当該ユニットと、ワーク送りフィン22の前端22aとの間に、ワーク捕捉用ポケット40が形成されている。ピン44〜46の間は開口となっており、ワーク捕捉用ポケット40に捕捉されたワークWに対して外側から洗浄液を吹き付け可能である。
【0034】
ワーク捕捉用ポケット40にワークWが捕捉された後は、例えば、図2に示す位置まで回転させてもワークWがワーク捕捉用ポケット40に捕捉された状態を維持できる。この後に、回転ドラム3を第1回転方向CCWに回転していくと、ワーク捕捉用ポケット40の開口部41が下向きとなり、そこからワークWが放出され、再びワーク送りフィン22の側に引き渡される。この後は、同一方向の回転ドラム3を回転させることにより、ワークWはワーク送りフィン22によって送られる。
【0035】
(ワーク洗浄動作)
次に、図6は、この構成のワーク洗浄装置1によるワーク洗浄動作の一例を示す工程図である。まず、図6のST1に示すように、ワーク捕捉用ポケット40が回転ドラム3の円形断面における最も下側の角度位置から90度だけ第2回転方向CWに回転した位置A1が、回転ドラム3の初期位置であるとする。この回転角度位置A1から回転ドラム3を第1回転方向CCWに90度回転させて、ワーク捕捉用ポケット40が回転ドラム3の円形断面における最も下側の位置となる回転角度位置A2にし、この状態において、ワークW(1)をワーク投入口11から投入する(ST2:ワーク投入工程、図5のワーク位置W1)。
【0036】
次に、回転ドラム3を第1回転方向CCWに1周以上の角度範囲に亘って回転させて、ワークW(1)をワーク送り方向の上流側のワーク送りフィン21から、ワークガイド用段差部50を越えて、下流側のワーク送りフィン22に引き渡される回転角度位置A3とする(ST3:ワーク送り工程、図4および図5のワーク位置W2)。
【0037】
この後は、回転ドラム3を逆に第2回転方向CWに回転させる。この結果、下流側のワーク送りフィン22に引き渡された後のワークW(1)がワークガイド用段差部部50に当り、このワークガイド用段差部50に沿ってワーク捕捉用ポケット40の開口部41に案内され、当該ワーク捕捉用ポケット40に捕捉される(ST4:ワーク捕捉工程、図4および5のワーク位置W3、W4)。
【0038】
ワークW(1)が捕捉された後は、ワーク捕捉用ポケット40にワークW(1)が捕捉された状態が維持される角度位置の範囲内において、回転ドラム3を第1および第2回転方向に繰り返し回転させながら、洗浄液吹き付け部7によって洗浄液をワーク捕捉用ポケット40に捕捉されているワークWに吹き付ける(ST5:ワーク洗浄工程)。例えば、間欠的に洗浄液の吹き付けを行う。
【0039】
洗浄後は、回転ドラム3を第1回転方向CCWに回転させて、ワーク捕捉用ポケット40に捕捉されているワークW(1)を下流側のワーク送りフィン22に再び引き渡すワーク放出工程を行う。連続してワークW(2)を投入して洗浄動作を行う場合には、図6の工程ST6において新たなワークW(2)を投入し、工程ST3に戻り、回転ドラム3を同一方向に一周以上回転させる。
【0040】
この結果、各ワークW(1)、W(2)が下流側のワーク送りフィン22、23にそれぞれ引き渡された状態になる。上記の工程ST3〜ST6を繰り返すことにより、ワークWを順次に投入して、各ワーク捕捉用ポケット40によって各ワークW(1)、W(2)を捕捉して洗浄を行うことができる。このようにして繰り返し洗浄された後のワークWは最も下流側のワーク送りフィンによってワーク排出口13からワーク排出シュート14に送り出されて、ここから不図示のワーク回収部に排出される。
【0041】
なお、ワークの洗浄効率を高めるためには、洗浄対象のワークに応じて、ワーク洗浄工程における回転ドラム3の回転速度、正逆回転の繰り返し回数、洗浄液の吹き付け角度、洗浄液の吹き付け量などのパラメータを制御すればよい。
【0042】
(その他の実施の形態)
上記の例は本発明をワーク洗浄装置に適用したものである。本発明は、洗浄以外のワークの処理についても適用できる。例えば、ワーク乾燥装置として用いることができる。
【0043】
また、上記の例では、各ワーク送りフィンを所定のリードピッチで回転ドラム内周面1周分の長さとしてある。これを2周分以上の長さとし、各ワーク送りフィンの間にワーク捕捉用ポケットおよびワークガイド用段差部を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)および(b)は、ワーク洗浄装置の全体構成を示す概略構成図および概略断面構成図である。
【図2】回転モジュールをワーク投入口の側から見た斜視図である。
【図3】回転ドラムの回転に伴うワーク送りフィンによるワークWの送り状態を示す説明図である。
【図4】ワーク捕捉用ポケットの部分を拡大して示す説明図である。
【図5】回転ドラムの内周面を平面上に展開した状態を示す平面展開図である。
【図6】ワーク洗浄装置によるワーク洗浄動作の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ワーク洗浄装置
2 洗浄液回収槽
3 回転ドラム
3a 中心軸線
4 回転モジュール
5 支持部
6 回転駆動部
7 洗浄液吹き付け部
8 回転位置検出部
9 制御盤
11 ワーク投入口
12 ワーク供給シュート
13 ワーク排出口
14 ワーク排出シュート
21、22、23、24 ワーク送りフィン
21a、22a、23a 前端
21b、22b 後端
31 内周面
32 継ぎ目部分
40 ワーク捕捉用ポケット
41 開口部
50 ワークガイド用段差部
51 ガイド板
CCW 第1回転方向
CW 第2回転方向
W、W(1)、W(2) ワーク
W1、W2、W3、W4 ワーク位置
【出願人】 【識別番号】392015365
【氏名又は名称】株式会社平出精密
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎


【公開番号】 特開2008−6364(P2008−6364A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178010(P2006−178010)