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【発明の名称】 清掃装置
【発明者】 【氏名】河野 慎司

【氏名】新宅 宏

【氏名】香川 康弘

【要約】 【課題】量水標の清掃に掛かる負担を軽減する。

【構成】水位4を計測する量水標5の水位表示方向に第1の索条8及び第2の索条9を延設し、量水標5の表示面に当接する清掃具本体10を第1の索条8及び第2の索条9を介して上下方向移動自在に設け、清掃具本体10に取り付けられ、清掃具本体10に浮力を与えて水位に応じて清掃具本体10と共に上下に移動する第1の浮き11及び第2の浮き12を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水位を計測する量水標の水位表示方向にガイド部材を延設し、前記量水標の表示面に当接する清掃具本体を前記ガイド部材を介して上下方向移動自在に設け、前記清掃具本体を上下方向に移動させる移動手段を設けたことを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載する清掃装置において、
前記移動手段は、前記清掃具本体に取り付けられ、当該清掃具本体に浮力を与えて水位に応じて当該清掃具本体と共に上下に移動する浮きであることを特徴とする清掃装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載する清掃装置において、
前記量水標の水位の表示面に対して交差する方向に移動自在に前記ガイド部材を支持する支持部材を設けたことを特徴とする清掃装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は清掃装置に関し、特に、ダムや河川等に設置されて水位を計測する量水標を清掃する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ダムや河川では量水標を設置したり、橋脚の壁面に目盛りを描画して、水位の計測を行っている。一方、ダムの貯水,河川の水流や風雨などの気象条件により、量水標の表面や橋脚の壁面には藻や泥が付着して次第に視認性が低下するため、定期的に量水標等を清掃する必要が生じている。
【0003】
この清掃の際には、作業員が舟を用いて量水標に接近したり、ダムの堤上から命綱等を使用して量水標に接近し、清掃具でこれらの泥等を除去している。このように量水標への接近その他準備を含めた清掃作業には一定の時間を要し、作業員の負担を増大させる問題がある。更に作業員が舟や命綱を使用する場合、転落等の事故を完全に防止する観点から極力そのようなリスクを伴う清掃作業を回避することが望まれる。
【0004】
かかる問題を解決する手段として、水位を計測する目盛りを付したスケールと、ダム等の壁面に設置されてスケールを上方に引き抜き可能に支持する帯板柱とから構成される量水標がある(特許文献1参照)。これにより、上方からスケールの引抜き、スケール表面の泥等の除去、及び帯板柱へのスケールの再設置という一連の清掃作業により、清掃作業に要する時間を短縮することが可能となっている。また、命綱を用いるようなこともなく、リスクを回避することで作業員の安全を確保している。
【0005】
しかしながら、かかる量水標によってリスクを回避し作業時間を短縮できるものの、結局作業員がスケールの清掃作業を人手で行うため、清掃作業の負担を十分に軽減するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】実開平5−84830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、量水標の清掃に掛かる負担を軽減する清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
水位を計測する量水標の水位表示方向にガイド部材を延設し、前記量水標の表示面に当接する清掃具本体を前記ガイド部材を介して上下方向移動自在に設け、前記清掃具本体を上下方向に移動させる移動手段を設けたことを特徴とする清掃装置にある。
【0009】
かかる第1の態様では、清掃具本体が量水標の水位の表示面に当接しつつ上下方向に移動することで量水標の水位の表示面を清掃することができる。この結果、量水標をその設置場所から取り外して清掃したり、舟や命綱等を使用して表示面を清掃することが不要となるため、作業員の清掃作業に掛かる負担を十分に軽減することができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する清掃装置において、
前記移動手段は、前記清掃具本体に取り付けられ、当該清掃具本体に浮力を与えて水位に応じて当該清掃具本体と共に上下に移動する浮きであることを特徴とする清掃装置にある。
【0011】
かかる第2の態様では、清掃具本体を上下方向に移動させる動力として浮きの浮力を用いる。この浮きを清掃具本体に取り付けて清掃具本体に浮力を与え、浮きが水位に応じて清掃具本体と共に上下移動することにより、清掃具本体を上下方向に移動させる。これにより人力やモータ等の特別な動力源が不要となり、作業員の労力を削減し、またモータ等の設置に掛かる経済的な負担を軽減できる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様に記載する清掃装置において、
前記量水標の水位の表示面に対して交差する方向に移動自在に前記ガイド部材を支持する支持部材を設けたことを特徴とする清掃装置にある。
【0013】
かかる第3の態様では、ガイド部材が量水標の表示面に対して交差する方向に移動自在に支持されるため、ガイド部材に取り付けられた清掃具本体と量水標の水位の表示面との間隔を調節することができる。これにより、清掃具本体の量水標の水位の表地面への接触圧を調節することが可能となり、量水標の表面の汚れをより確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、量水標の清掃に掛かる負担を軽減することができる。特に、清掃具本体を移動させる動力として浮きによる浮力を用いることで、人力やモータ等の特別な動力を用いることが不要となり、経済面や労力面での負担をより軽減する効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0016】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施の形態に係る清掃装置をダムの壁面に配設された量水標に取付けた正面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る清掃装置の斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係る清掃装置の側面図である。
【0017】
図1乃至図3に示すように、山間部等に堤体2を設けて形成されたダムの壁面3に、水位4を計測するための目盛りを付した量水標5が配設されている。量水標5にはダムの底部からの水位4を示す目盛りが所定の間隔で付されており、実際の水面がこの目盛りのどの位置に達しているかを目視することで、ダムの水位を計測することができる。
【0018】
また、量水標5の下方に第2の取付板7が壁面3に配設され、上方に第1の取付板6が同様に壁面3に配設されており、第2の取付板7の表面7aと第1の取付板6の表面6aとが平行に互いに向き合うよう配設されている。
【0019】
清掃装置1は、量水標5の水位表示方向にガイド部材の一例である第1の索条8及び第2の索条9が延設され、量水標5の表示面に当接する清掃具本体10を第1の索条8及び第2の索条9に沿って上下方向移動自在に設け、清掃具本体10に取付けられ、清掃具本体10に浮力を与えて水位に応じて清掃具本体10と共に上下移動する第1の浮き11及び第2の浮き12が設けられている。
【0020】
第1の索条8及び第2の索条9が、第1の取付板6と第2の取付板7との間に亘り延設されている。清掃具本体10は、その両端が第1の索条8及び第2の索条9に係止されて量水標5の表示面方向に押圧されており、且つ各索条8,9に沿って上下方向移動自在にとなっている。すなわち、量水標5の表示面に当接しつつ、上下方向に移動することが可能となっている。
【0021】
更に、移動手段である第1の浮き11及び第2の浮き12が清掃具本体10に取り付けられていることにより、各浮き11,12の浮力が清掃具本体10に伝達する構成となっている。したがって、各浮き11,12が水位に応じて上下方向に移動することにより、清掃具本体10は各浮き11,12と共に、量水標5の表示面に当接した状態で上下方向に移動する。このような清掃具本体10の上下方向の移動により、量水標5の表示面を清掃することが可能となる。
【0022】
なお、清掃装置1は、この量水標5の水位の表示面を清掃するよう配設されているが、清掃の対象は量水標5に限定されず、水位を測定する目盛りが直接描画された壁面3又は橋脚の壁面を清掃の対象としてもよい。
【0023】
以下、清掃装置1の構成について詳細に説明する。
【0024】
第2の取付板7は、量水標5の下方の壁面3に取り付けられて、第1の索条8及び第2の索条9の下端部を支持するために用いられる。同様に、第1の取付板6は、量水標5の上方の壁面3に取り付けられて、第1の索条8及び第2の索条9の上端部を支持するために用いられる。
【0025】
ガイド部材である第1の索条8及び第2の索条9はこれらの第1の取付板6と第2の取付板7との間に亘り設けられており、更に各索条8,9は各取付板6,7に設けられたスライド機構により量水標5の水位の表示面に対してスライドするよう支持されている。この結果、各索条8,9と量水標5との間隔は任意に調節できるようになっている。このスライド機構についての詳細な説明は後述する。
【0026】
なお、ガイド部材は第1の索条8及び第2の索条9のような構成の索条に限定されず、例えば、量水標5の幅方向の両側又は片側の上下方向に亘ってガイドレールを設け、清掃具本体10がこのガイドレールに沿って上下移動するよう構成してもよい。
【0027】
次に、清掃具本体10を上下方向に移動させる移動手段の構成について詳細に説明する。
【0028】
第1の索条8には、中央部を環状に形成した第1の接続部材15が取り付けられており、第1の索条8がその環状部15aを挿通している。同様に、第2の索条9には、中央部を環状に形成した第2の接続部材16が取り付けられており、第2の索条9がその環状部16aを挿通している。
【0029】
これらの第1の接続部材15と第2の接続部材16の各の一端には清掃具本体10が接続されており、清掃具本体10は各接続部材15,16を介して各索条8,9に沿って上下方向に移動自在になっている。
【0030】
一方、第1の接続部材15及び第2の接続部材16の各の他端には第1の浮き11及び第2の浮き12がそれぞれ接続されている。更に、連結部材17の両端が各浮き11,12に接続されている。
【0031】
かかる構成により、第1の浮き11及び第2の浮き12の浮力が、第1の接続部材15及び第2の接続部材16を介して清掃具本体10に伝わることにより、清掃具本体10はこれらの浮き11,12の上下移動と共に上下方向に移動することができる。
【0032】
以上に説明したように、各索条8,9に取り付けられた清掃具本体10が量水標5の表示面に当接しつつ各浮き11,12に連動して上下移動することで、量水標5の表示面を清掃することができる。また、各接続部材15,16の環状部分とこの環状部分に挿通した索条との間に遊びを持たせた場合、清掃具本体10は波浪や水流等により水平方向に往復運動することができる。これにより、清掃具本体10は各浮き11,12による上下移動と相俟って往復運動することにより、より高い洗浄力を発揮する。
【0033】
なお、これらの浮き11,12には、塩化ビニールを主たる材料とする管状の容器に発泡スチロールを充填したものを好適に用いることができる。また、清掃具本体10には、ブラシを好適に用いることができるが、これに限定されず、例えばブレード状のゴムを用いてもよい。
【0034】
更に、移動手段は浮きに限定されず、例えばワイヤの両端を清掃具本体10の上部及び下部の各に接続すると共に、各取付板6,7に設けた滑車に当該ワイヤを取り付け、この滑車を回転操作することにより、清掃具本体10を上下方向移動自在に構成してもよい。
【0035】
ここで、第1の取付板6及び第2の取付板7に設けられたスライド機構について詳細に説明する。
【0036】
具体的には、第1の取付板6の表面6aにレール溝13aとレール溝13bとを量水標5に交差する方向に形成し、各レール溝13a,13bに支持具14aとレール14bとをそれぞれスライド自在に設ける。同様に、第2の取付板7の表面7aにレール溝13cとレール溝13dとを量水標5に交差する方向に形成し、各レール溝13a,13bに支持具14cとレール14dとをそれぞれスライド自在に設ける。
【0037】
一方、各支持具14a,14b,14c,14dの上部は環状に形成されており、各索条8,9をこの環状部分に挿通させて巻きつけることにより、索条を支持する。また、各支持具14a,14b,14c,14dをレール溝の任意の位置に固定できるよう構成されている(図示せず)。
【0038】
なお、任意の位置に固定するために、例えばレール溝の開口縁の幅よりも大きいナットをレール溝に埋め込み、支持具に設けられたネジ部とナットが開口縁を挟むよう螺合することで任意の位置に固定できるよう形成した支持具を用いてもよい。
【0039】
かかるスライド機構により、各索条8,9に取り付けられた清掃具本体10と量水標5の表示面との間隔を調節することができる。これにより、量水標5の表示面に対する清掃具本体10の接触圧を調節することが可能となり、量水標5の表示面の汚れをより確実に除去することができる。
【0040】
なお、レール溝を設けず直接的に各索条8,9を取付板に固定させてもよい。例えば下側の第2の取付板7が殆ど水位4の下にあるような場合は、第2の取付板7に索条を直接的に固定するよう形成し、量水標5と清掃具本体10との間隔を調整する際には、第1の取付板6の支持具14a,14bの固定位置を調節する。
【0041】
以上に説明したように、清掃具本体10を各索条8,9に取付けることにより、清掃具本体10を量水標5の表面に当接させることが可能となり、この当接した状態で各浮き11,12により清掃具本体10を上下方向に移動させることで、清掃具本体10は量水標5の水位の表示面に摺接して上下移動することが可能となる。これにより量水標5の表示面は清掃具本体10により清掃される。
【0042】
特に水位に応じて上下移動する各浮き11,12を移動手段として用いることで、清掃具本体10を移動させるための特別な動力が不要となる。またダムのように水位の変動をある程度期待できる場所に量水標5と清掃装置1とが設置される場合は、清掃具本体10が頻繁に上下運動するため、量水標5の表示面の視認性を良好に保つことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ダムや河川等で水位を計測する量水標等の清掃装置を製造販売する産業で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係る清掃装置をダムの壁面に配設された量水標に取付けた正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る清掃装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る清掃装置の側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 清掃装置
2 堤体
3 壁面
4 水位
5 量水標
6 第1の取付板
7 第2の取付板
8 第1の索条
9 第2の索条
10 清掃具本体
11 第1の浮き
12 第2の浮き
13a,13b,13c,13d レール溝
14a,14b,14c,14d 支持具
15 第1の接続部材
16 第2の接続部材
17 連結部材
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之

【識別番号】100128532
【弁理士】
【氏名又は名称】村中 克年


【公開番号】 特開2008−694(P2008−694A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173159(P2006−173159)