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【発明の名称】 不良品の検出方法及び装置
【発明者】 【氏名】小久保 真

【要約】 【課題】連続して搬送されてくる半製品の不良品を好適に検出することができる不良品の検出方法を提供すること。

【解決手段】本発明の不良品の検出方法は、連続して搬送されてくる半製品を光透過性の接触体の表面に接触させ、前記半製品を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像に基づいて、前記半製品の良不良を判定する。接触体2の裏面側から光を照射することが好ましい。接触体2をドラム20で構成し、半製品10をドラム20を回転させながら、その周表面200に巻きかけて伸展させることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して搬送されてくる半製品を光透過性の接触体の表面に接触させ、前記半製品を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像に基づいて、前記半製品の良不良を判定する不良品の検出方法。
【請求項2】
前記接触体の裏面側から光を照射する請求項1に記載の不良品の検出方法。
【請求項3】
前記接触体をドラムで構成し、前記半製品を該ドラムの周表面に巻きかけて伸展させる請求項1又は2に記載の不良品の検出方法。
【請求項4】
前記ドラムを回転させる請求項3に記載の不良品の検出方法。
【請求項5】
前記半製品が吸収性物品の半製品である請求項1〜4の何れかに記載の不良品の検出方法。
【請求項6】
請求項1に記載の不良品の検出方法を実施するための装置であって、前記半製品を接触させて伸展させる光透過性の接触体と、光源と、前記半製品を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像を撮像する撮像機と、前記透過画像に基づいて前記半製品の良不良を判定する画像処理機とを備えている不良品の検出装置。
【請求項7】
前記光源が前記接触体の裏面側に配されている請求項6に記載の不良品の検出装置。
【請求項8】
前記接触体がドラムで構成されている請求項6に記載の不良品の検出装置。
【請求項9】
前記ドラムが回転可能に設けられている請求項8に記載の不良品の検出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、不良品、特に、使い捨ておむつや生理用品等の吸収性物品の製造工程において発生する不良品の検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用品等の吸収性物品は、吸収性ポリマーを含む吸収体の製造、糸ゴムなどの弾性部材の配置、各部材の接合、所定形状への裁断等といった多くの工程を経て製造されている。このような製造工程では、材料の柔軟性や物性のばらつき、加工自体の複雑さから、まれに不良品が発生する。製品の高い品質を維持するためには、完成品の状態で不良品を自動的に検出し、排除することが望ましいが、吸収性物品には、胴回りや脚回りのギャザーを形成するための弾性部材や、不織布等の柔軟な部材が多く使用されており、個々の完成品の状態では、縮んでしわのある状態となる。このため、各部材が適切に配置されているか否かを個々の完成品の状態で検出することは困難である。
【0003】
また、吸収性物品の不良品を検出する方法に関する従来技術としては、吸収性物品を構成する部材に含まれる蛍光物質の蛍光発光を利用し、製品の製造工程中にインラインで不良品を自動的に検出できるようにした技術が提案されているが(下記特許文献1参照)、部材に含まれる蛍光物質の含有量の管理が必要になり、材料コストも割高になるおそれがある。
【0004】
【特許文献1】特開平10−38541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされた不良品の検出方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、連続して搬送されてくる半製品を光透過性の接触体の表面に接触させ、前記半製品を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像に基づいて、前記半製品の良不良を判定する不良品の検出方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
また、本発明は、上記本発明の不良品の検出方法を実施するための装置であって、前記半製品を接触させて伸展させる光透過性の接触体と、光源と、前記半製品を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像を撮像する撮像機と、前記透過画像に基づいて前記半製品の良不良を判定する画像処理機とを備えている不良品の検出装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連続して搬送されてくる半製品の不良品を好適に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の不良品の検出装置(以下、単に検出装置ともいう。)を、吸収性物品の製造工程に適用した一実施形態を示す模式図である。図1において符号1は検出装置、10は半製品を示している。なお、図1において、半製品10は便宜上簡略化して示している。
【0011】
図1に示すように、検出装置1は、連続的に搬送されてくる使い捨ておむつの半製品10を当接させて伸展させる光透過性の接触体2と、光源3と、半製品10を伸展させた状態で光を照射したときの透過画像を撮像する撮像機4と、前記透過画像に基づいて半製品10の良不良を判定する画像処理機5とを備えている。
【0012】
検出装置1では、接触体2は内部が中空のドラム20で構成されている。ドラム20の外径は、ドラム20の周面に沿って円弧状で撮像される半製品10の判定領域が透過画像内に十分に映し出されることはもちろん、判定部位が画像処理機5で判定不能となるほど丸く歪まないように設定される。接触体2は、光源3からの光を透過できる材質であれば、特に制限はないが、透明な樹脂、特に、加工や入手のしやすさからアクリル系樹脂が好ましい。また、光を透過させない材質であっても、半製品10の良不良の判定箇所に光を透過させる透過孔を設け、接触体に光透過性を持たせた形態とすることもできる。
【0013】
ドラム20の周面には、半製品10との間に、当該半製品10に含まれている正弦波状に配置されたレッグ部弾性部材11D(図2参照)が伸張し、且つ主にレッグ部弾性部材11Dによって生じる半製品10の幅方向の縮みを抑えた状態(以下、このような状態を伸展させた状態ともいう。)となるような摩擦力が生じるように十分な巻き付け角度をもって半製品10が巻きかけられている。また、前記摩擦力を向上させる手段としてドラム20の周面にシリコーン樹脂コーティングを施すことも可能である。
【0014】
ドラム20は、図示しない駆動源でドラム20の軸回りに回転可能に設けられている。ドラム20の回転速度は、周速度がドラム20前後の半製品10の搬送速度とほぼ同じとなるように設定することが好ましい。ドラム20を前記速度で回転させることで、半製品10を安定的に伸展させた状態でドラム20に巻かけることが可能となり、正確な不良品の検出を行うことができる。
【0015】
ドラム20の前後には、半製品10の搬送手段としてニップローラー21、22が配されている。これらのニップローラー21、22でドラム20の前後で半製品10を挟みながらドラム20の周面に半製品10を接触させることで、半製品10を安定的に伸展させた状態でドラム20の周面に巻きかけることができる。搬送手段21、22はニップローラー以外にも半製品10を伸展させた状態で搬送できるベルトコンベア、より好ましくは吸引などの搬送品保持手段を持つベルトコンベア、幅縮みを抑制するに十分な表面摩擦抵抗を持たせた搬送ローラーなどが好ましい。また搬送手段の前工程で半製品10に発生したしわや幅縮みを除去する目的でエキスパンダーロールなどのしわ取りロールを使用することも可能である。
【0016】
光源3は、接触体2の裏面側、即ちドラム20内に配されている。光源3は、接触体2を介して半製品10に光を照射したときに、透過画像が撮像できる光の照射能力を有していればよい。光源3としては、蛍光灯、より好ましくは高周波点灯装置を備えた蛍光灯、発光ダイオード(LED)を備えた照明装置等が挙げられる。
【0017】
撮像機4は、光源3による光の照射によって半製品10の透過画像を撮像できるものであればよい。撮像機4としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体(CMOS)を備えた電子カメラが挙げられる。インラインによる高速での画像処理を考慮すると、半製品10の検出対象領域が撮像機4の視野内に入ったタイミングで画像を撮像できる機能を持つシャッタカメラがより好ましい。
【0018】
画像処理機5は、撮像機4で撮像した半製品10の透過画像の特定の検出対象領域について、領域内の画素の明暗データを統計的に処理し、結果得られる数値が許容範囲内であれば良品、許容範囲外であれば不良品であると判定するものであればよい。
具体的には、特定領域(例えば、図2の領域A)内の画素、その明暗データにしきい値を設けることで白と黒の二値画像とし、白黒何れかの画素数を計数しその数により良否を判定する二値化処理や、特定領域内のX方向もしくはY方向の明暗データの変化率を計算し、その変化率にしきい値を設け、明暗データの変化数(明暗データのエッジ数)を計数し、その数や位置により良否を判定するエッジ検出処理などの機能を持つ画像処理機が使用される。
【0019】
次に、本発明の不良品の検出方法の実施形態について、前記検出装置1を使用した実施形態に基づいて説明する。
【0020】
図1に示したように半製品10の製造ラインに検出装置1を設置する。そして、ドラム20を回転させ、連続して搬送されてくる帯状の半製品10をドラム20の周表面に巻きかける。
【0021】
図2に示したように、本実施形態において、検査対象となる半製品10は、外包シート11の連続体上に吸収性本体12が所定間隔おきに接合され、吸収性本体2の間にレッグホール13が設けられた連続体である。
【0022】
外包シート11は、外層シート11Aと内層シート11Bとの間に、ウェスト部弾性部材11C、レッグ部弾性部材11D及び胴回り部弾性部材11Eが配されている。
【0023】
外包材11を構成する外層シート11A及び内層シート11Bは、ヒートシール、高周波シール又は超音波シール等の手法により互いに接合される。
【0024】
外層シート11A、内層シート11Bには、従来からこの種の使い捨ておむつに使用される材料が使用される。外層シート及び内層シートの材料としては、不織布、紙、樹脂フィルム或いはこれらを複合化した複合シート等を基材シートとし、該基材シートに高い延伸加工を施して伸縮性や立体形状を賦形したシート等が挙げられる。
【0025】
ウェスト部弾性部材11Cは、おむつのウェスト部に位置するように接着剤で接合固定されている。レッグ部弾性部材11Dは、後に形成されるレッグホール13及び股下部分の形態に合わせて供給されて接着剤で接合固定されている。レッグ部弾性部材11Dは、外層シート11A及び内層シート11Bの流れ方向に直交する方向に公知の揺動ガイド(図示せず)で揺動されながら、両帯状シート間に導入される。ウェスト部弾性部材11C、レッグ部弾性部材11D及び胴回り弾性部材11Eには、従来からこの種の物品に使用されている通常のものを採用することができる。ウェスト部弾性部材11C、レッグ部弾性部材11D及び胴回り弾性部材11Eとしては、それぞれ、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
【0026】
吸収性本体12は、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収性コアを有する実質的に縦長の形態を有している。これらの表面シート、裏面シート及び吸収性コアには、従来からこの種の吸収性物品に用いられているものと同様のものが採用される。吸収性コアには、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているもの等が好ましく用いられる。
【0027】
次に、上述のように構成される半製品10を、前記接触部体2に接触させ、伸展させた状態で光源3から光を照射したときの透過画像を撮像機4で撮影する。そして、得られた該透過画像を画像処理機5に取り込み、画像処理を行って半製品10の良不良を判定する。例えば、図2のAの矩形の領域内について、前記画像処理を行って、吸収性本体12の角部の折れ曲がりや、弾性部材11Cの配置の偏り、よれ、切断等の良不良を判定する。そして、その判定結果に基づいて、さらに下流において不良品を排出し、良品のみをさらに後の工程に搬送する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の検出装置1及びそれを用いた不良品の検出方法によれば、弾性部材が多く使用された吸収性物品を、幅縮みやしわの無い伸展させた状態の画像に基づいて、不良品を好適に検出することができる。また、ドラム20を回転させることで、さらに半製品の伸展状態が安定し、正確な透過画像を得ることができる。よって不良品の検出精度を高めることができる。
【0029】
本発明は、前記実施形態に制限されない。
例えば、前記実施形態では、接触体としてドラムを使用したが、接触体は半製品を伸展させた状態でその透過画像を撮影できるものであれば、その形態は特に制限はない。例えば、図3(a)に示すようなコ字型の形態であってもよい。また、接触体は、光透過性を有していればよく、半透明であってもよいし、透明でなくても、図3(b)に示すような検出部分に対応させて光の透過孔23を設けた形態であってもよい。
【0030】
また、ドラム20は回転しなくとも良いが、ドラム20の表面摩擦による張力変化、これによる新たなしわ、縮みの発生を無くすため、巻きかけられた半製品10により回転可能な構造であっても良い。さらにドラムを回転させるために半製品にかかる張力を無くすために、ドラムを直接駆動する駆動源を設けることがより好ましい。
【0031】
また、本発明においては、半製品を伸展させた状態で透過画像が得られればよいので、光源及び撮像装置の位置は検出対象や接触体の形態等に応じて任意に選択することができる。
【0032】
本発明は、前記実施形態のように、弾性部材が配されて、しわや幅方向の縮が発生しやすい吸収性物品以外にも、伸縮性を有するシートやしわの入りやすいシート、これらのシートを使用した吸収性物品等の不良品の検出にも適用することができる。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
【0034】
下記構成の検出装置を使用し、図2に示すようなパンツ型の使い捨ておむつの連続体(半製品)について、下記の撮像条件で透過画像を撮像し、下記の検出条件で不良品の検出を行った。
【0035】
<装置構成>
接触体:外径600mmの中空ドラム(厚み15mmの透明アクリル樹脂製)
光源:インバータ内蔵蛍光灯(モリテックス製、KPK−800×200)
撮像機:CCDカメラ(キーエンス製、CV035C)
画像処理機:画像処理装置(キーエンス製、CV−3000)
【0036】
<撮像条件>
半製品搬送速度:90m/分
ドラム回転速度(周速度):90m/分
【0037】
<検出条件>
得られた透過画像における吸収体の角部の形態を、検出領域内の画素を明暗データ0〜255階調中の100階調をしきい値として二値化し、検出領域内の黒画素(明暗データ0〜100階調)の数が検出領域内の画素総数の50%以上であるときを良品とした。
また、糸ゴムの配置不良については、特定領域内の製品幅方向の明暗データの変化率を求め、変化率の最大値を100とした時に、50以上の変化率を持つ画素数を計数することで糸ゴムの本数を計測し、配置すべき糸ゴムの本数と等しい場合を良品とした。
【0038】
<結果>
高速で搬送されている吸収体の角部の折れ曲がりによる不良及び太さ0.5mmの糸ゴムの蛇行による配置不良を検出することができ、製品歩留まりの向上を図ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の不良品の検出方法及び装置は、吸収性物品の他、衣類、清掃具の不良品の検出にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の不良品の検出装置を使い捨ておむつの製造工程に適用した一実施形態の模式図である。
【図2】実施例において不良品の検出に使用した使い捨ておむつの連続体(半製品)の形態を示す模式図である。
【図3】本発明の不良品検出装置における接触体の他の実施形態の模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1 不良品の検出装置
2 接触体
3 光源
4 撮像機
5 処理機
10 使い捨ておむつの連続体(半製品)
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年12月1日(2006.12.1)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修

【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之


【公開番号】 特開2008−136943(P2008−136943A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−325795(P2006−325795)