トップ :: B 処理操作 運輸 :: B07 固体相互の分離;仕分け

【発明の名称】 類似ボルト分別シュート
【発明者】 【氏名】岡野 惠浩

【要約】 【課題】極めて簡単な構成により、頭部の軸方向厚みが異なる2種類のボルトを分別し、2種類の落下口へ安定して落下させることができる類似ボルト分別シュートを提供する。

【解決手段】類似ボルト分別シュート1は、円盤形状の頭部を備えたボルトを滑降させ、ボルトを、小頭ボルトと、小頭ボルトよりも頭部の軸方向厚みが大きい大頭ボルトとに分別する。類似ボルト分別シュート1は、溝状レーン21を滑降するボルトが小頭ボルトである場合には、小頭ボルトを分別用プレート3の下を通って終端落下口23へ落下させる一方、溝状レーン21を滑降するボルトが大頭ボルトである場合には、大頭ボルトの頭部を分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接させて、大頭ボルトを分岐落下口22へ落下させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤形状の頭部を備えたボルトを滑降させ、該ボルトを、小頭ボルトと、該小頭ボルトよりも上記頭部の軸方向厚みが大きい大頭ボルトとに分別するための類似ボルト分別シュートであって、
該類似ボルト分別シュートは、ボルトの滑降方向に対して下降傾斜させた状態で設置したシュート本体部を有しており、
該シュート本体部は、ボルトを滑降させる溝状レーンと、該溝状レーンの下流側先端位置に形成した終端落下口と、上記溝状レーンにおける途中位置に形成した分岐落下口とを備えており、当該溝状レーン、当該終端落下口及び当該分岐落下口は、上記シュート本体部の上面から形成してあり、
上記溝状レーンは、ボルトのねじ部を通過させるためのスリット状溝部と、該スリット状溝部の両側に形成し上記頭部を載せて滑降させるための一対の段差状溝部とを備えており、
上記シュート本体部の上面において上記分岐落下口の下流側位置には、当該シュート本体部の上面を斜めに横切る上流側傾斜側面を備えた分別用プレートが配設してあり、
上記分岐落下口は、上記スリット状溝部を介して一方の上記段差状溝部の側に偏って形成してあり、上記上流側傾斜側面は、上記一方の段差状溝部の側が上記滑降方向の下流側に位置する状態で上記シュート本体部の上面を斜めに横切っており、
上記溝状レーンは、上記シュート本体部を設置した状態において、上記一方の段差状溝部の側が鉛直方向上方に位置する状態で、上記滑降方向に直交する横断面方向に傾斜しており、
上記溝状レーンを滑降する上記小頭ボルトは、上記分別用プレートの下を通って上記終端落下口へ落下させる一方、上記溝状レーンを滑降する上記大頭ボルトは、その上記頭部を上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面に当接させて上記分岐落下口へ落下させるよう構成したことを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項2】
請求項1において、上記小頭ボルト及び上記大頭ボルトのいずれか一方は、組付に用いる正規ボルトであり、他方は、正規ボルトに混入した類似ボルトであることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記溝状レーンは、上記シュート本体部の上面から、該上面に対して上記横断面方向に傾斜した状態で形成してあることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項4】
請求項3において、上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面は、上記シュート本体部の上面に垂直な方向に対し、該上面との間の角度が開く方向に傾斜していることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記シュート本体部は、複数本のボルトを保管する保管ボックスに接続してあり、該保管ボックスから流下したボルトを、1列に並べて上記溝状レーンに配置して順次滑降させるよう構成してあり、
上記シュート本体部において上記分岐落下口の形成位置よりも上記滑降方向の上流側の位置には、上記溝状レーンに配置されたボルトの滑降阻止と、該滑降阻止の解除とを繰り返し行う滑降規制手段が配設してあることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項6】
請求項5において、上記滑降規制手段は、上記滑降阻止の解除を行ったときには、1本だけボルトを滑降させるよう構成してあり、
上記分岐落下口は、上記スリット状溝部及び上記一方の段差状溝部の形成箇所を利用して形成してあることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【請求項7】
請求項5において、上記滑降規制手段は、上記滑降阻止の解除を行ったときには、2本だけボルトを滑降させるよう構成してあり、
上記分岐落下口は、上記溝状レーンから分岐して形成した分岐レーンの下流側先端位置に形成してあり、
上記分岐レーンは、上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面の形成方向に沿って形成してあることを特徴とする類似ボルト分別シュート。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のボルト群から、小頭ボルトと大頭ボルトとを分別することができる類似ボルト分別シュートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鋼製フレームに溶接用ボルトを溶接して製造する自動車用構造部品等の溶接工程においては、作業者は、複数本のボルトを保管するボックスから1本だけ又は所定本数のボルトを取り出し、このボルトを規定位置に配置して溶接を行っている。
そして、作業者又は装置等の所定の箇所へ1本ずつ又は所定本数ずつボルトを供給するに当たっては、レール上において複数本のボルトを1列に並べて滑降させ、滑降規制手段によって1本ずつ又は所定本数ずつボルトを供給することが考えられる。
【0003】
装置等の所定の箇所へ1本ずつ又は所定本数ずつボルトを供給する技術としては、例えば、特許文献1に開示された頭付き軸体の多列供給装置がある。そして、特許文献1においては、ドラム内から落下された頭付き軸体を、各搬送レールに振り分けて流下させることができ、複数本の頭付き軸体を個別かつ同時に、それぞれ一定姿勢で供給することができる工夫を行なっている。
また、特許文献2においては、溶接ボルト類を収納するホッパから、傾斜させたレールにボルトの頭部をのせて一列に整列してレール終端に供給する溶接ボルト類の自動供給装置について開示されている。そして、特許文献2においては、連続してレールから押し出されてくる溶接ボルトがレール上で重なり合っても確実に分離することができる工夫を行っている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2等の従来技術においては、1つのレールに2種類のボルトが混ざって流下する際に、この2種類のボルトを簡単な構造で分別することができる工夫はなされていない。すなわち、例えば、溶接工程において、溶接を行うための正規ボルトの中に、頭部の軸方向長さが異なる類似ボルトが混入した場合に、正規ボルトの中から類似ボルトを分別して取り出すことができる工夫はなされていない。
【0005】
【特許文献1】特開平7−81731号公報
【特許文献2】特開平10−109750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、極めて簡単な構成により、頭部の軸方向厚みが異なる2種類のボルトを分別し、2種類の落下口へ安定して落下させることができる類似ボルト分別シュートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、円盤形状の頭部を備えたボルトを滑降させ、該ボルトを、小頭ボルトと、該小頭ボルトよりも上記頭部の軸方向厚みが大きい大頭ボルトとに分別するための類似ボルト分別シュートであって、
該類似ボルト分別シュートは、ボルトの滑降方向に対して下降傾斜させた状態で設置したシュート本体部を有しており、
該シュート本体部は、ボルトを滑降させる溝状レーンと、該溝状レーンの下流側先端位置に形成した終端落下口と、上記溝状レーンにおける途中位置に形成した分岐落下口とを備えており、当該溝状レーン、当該終端落下口及び当該分岐落下口は、上記シュート本体部の上面から形成してあり、
上記溝状レーンは、ボルトのねじ部を通過させるためのスリット状溝部と、該スリット状溝部の両側に形成し上記頭部を載せて滑降させるための一対の段差状溝部とを備えており、
上記シュート本体部の上面において上記分岐落下口の下流側位置には、当該シュート本体部の上面を斜めに横切る上流側傾斜側面を備えた分別用プレートが配設してあり、
上記分岐落下口は、上記スリット状溝部を介して一方の上記段差状溝部の側に偏って形成してあり、上記上流側傾斜側面は、上記一方の段差状溝部の側が上記滑降方向の下流側に位置する状態で上記シュート本体部の上面を斜めに横切っており、
上記溝状レーンは、上記シュート本体部を設置した状態において、上記一方の段差状溝部の側が鉛直方向上方に位置する状態で、上記滑降方向に直交する横断面方向に傾斜しており、
上記溝状レーンを滑降する上記小頭ボルトは、上記分別用プレートの下を通って上記終端落下口へ落下させる一方、上記溝状レーンを滑降する上記大頭ボルトは、その上記頭部を上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面に当接させて上記分岐落下口へ落下させるよう構成したことを特徴とする類似ボルト分別シュートにある(請求項1)。
【0008】
本発明の類似ボルト分別シュートは、その構造に工夫を行うことにより、電気的又は機械的な特別な機構を用いることなく、頭部の軸方向厚みが異なる2種類のボルトを分別することができるものである。
本発明の類似ボルト分別シュートは、上記溝状レーン、終端落下口及び分岐落下口を備えたシュート本体部と、上記分別用プレートとを用いた極めて簡単な構成を有している。
【0009】
より具体的には、上記溝状レーンは、スリット状溝部と一対の段差状溝部とを備えており、小頭ボルト及び大頭ボルトは、そのねじ部をスリット状溝部内を通過させると共に、その頭部を一対の段差状溝部上に載せて、当該溝状レーンを滑降することができる。
そして、特に、上記分別プレートにおける上流側傾斜側面の形成状態、分岐落下口の形成状態、及び溝状レーンの横断面方向における傾斜状態に工夫を行ったことにより、溝状レーンを滑降するボルトは、次のようにして、小頭ボルトと大頭ボルトとの2種類に分別することができる。
【0010】
本発明において、溝状レーンを滑降するボルトが小頭ボルトである場合には、この小頭ボルトは、分別用プレートにおける上流側傾斜側面に当接することなく、分別用プレートの下を通って終端落下口へ落下することができる。
ところで、仮に、シュート本体部を架台等に設置した状態において、溝状レーンが横断面方向において傾斜していない場合、又は分岐落下口が一方の段差状溝部に偏って形成されていない場合には、小頭ボルトは、分別用プレートにおける上流側傾斜側面に当接しなくても、分岐落下口へ落下してしまうおそれがある。
【0011】
これに対し、本発明においては、シュート本体部を架台等に設置した状態において、溝状レーンは、分岐落下口を形成した側である一方の段差状溝部の側が、他方の段差状溝部の側に比べて鉛直方向上方に位置する状態で、横断面方向に傾斜している。また、分岐落下口は、スリット状溝部を介して一方の段差状溝部の側に偏って形成してある。
これらの工夫により、溝状レーンを滑降する小頭ボルトは、その頭部の自重を、一方の段差状溝部に比べて他方の段差状溝部に大きく作用させた状態で、滑降することができる。そのため、小頭ボルトが誤って分岐落下口へ落下してしまうことを防止することができ、小頭ボルトを安定して終端落下口まで滑降させることができる。
【0012】
一方、本発明において、溝状レーンを滑降するボルトが大頭ボルトである場合には、この大頭ボルトの頭部は、分別用プレートにおける上流側傾斜側面に当接して分岐落下口へ落下することができる。
ところで、仮に、分別用プレートにおける上流側傾斜側面が、シュート本体部の上面を垂直に横切って形成されている場合には、溝状レーンを滑降する大頭ボルトは、分別用プレートにおける上流側傾斜側面に当接したときに滑降が停止してしまい、分岐落下口へ落下することができないおそれがある。
【0013】
これに対し、本発明においては、分別用プレートにおける上流側傾斜側面が、一方の段差状溝部の側が他方の段差状溝部の側に比べて滑降方向の下流側に位置する状態で、シュート本体部の上面を斜めに横切って形成してある。これにより、溝状レーンを滑降する大頭ボルトの頭部が上流側傾斜側面に当接したときには、この大頭ボルトを安定して分岐落下口へ落下させることができる。
【0014】
それ故、本発明の類似ボルト分別シュートによれば、極めて簡単な構成により、頭部の軸方向厚みが異なる2種類のボルトを分別し、2種類の落下口へ安定して落下させることができる。
【0015】
なお、分別用プレートを配設した部分において、シュート本体部の上面から一対の段差状溝部の底面までの溝形成深さは、小頭ボルトの軸方向厚みよりも深いと共に大頭ボルトの軸方向厚みよりも浅くなっている。また、分別用プレートにおける上流側傾斜側面は、分岐落下口近傍の下流側に位置している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記小頭ボルト及び上記大頭ボルトのいずれか一方は、組付に用いる正規ボルトとし、他方は、正規ボルトに混入した類似ボルトとすることができる(請求項2)。
この場合には、溝状レーンを滑降させる正規ボルトの中に、類似ボルトが混入した際に、この正規ボルトの中から類似ボルトを分別して取り除くことができる。そのため、上記類似ボルト分別シュートにおける溝状レーンを通過させた後には、組付に用いる正規ボルトの中に、組付に不要な類似ボルトが混入することを防止することができる。
【0017】
また、上記溝状レーンは、上記シュート本体部に対して上記横断面方向に傾斜した状態で形成することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記シュータ本体部及び分別用プレートの自体を、横断面方向に対して傾斜させる必要がなく、シュータ本体部の設置を容易にすることができる。
【0018】
また、上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面は、上記シュート本体部の上面に垂直な方向に対し、該上面との間の角度が開く方向に傾斜させることが好ましい(請求項4)。
この場合には、溝状レーンをシュート本体部に対して横断面方向に傾斜した状態で形成した際に、当該傾斜状態で形成した溝状レーンを滑降する大頭ボルトは、斜めに傾いた状態の頭部を上流側傾斜側面に当接させて、分岐落下口へ落下することができる。これにより、シュータ本体部の設置を容易にすると共に、大頭ボルトを安定して分岐落下口へ落下させることができる。
【0019】
また、上記シュート本体部は、複数本のボルトを保管する保管ボックスに接続すると共に、該保管ボックスから流下したボルトを、1列に並べて上記溝状レーンに配置して順次滑降させるよう構成し、上記シュート本体部において上記分岐落下口の形成位置よりも上記滑降方向の上流側の位置には、上記溝状レーンに配置されたボルトの滑降阻止と、該滑降阻止の解除とを繰り返し行う滑降規制手段を配設することが好ましい(請求項5)。
この場合には、保管ボックスから溝状レーンにボルトを供給し、滑降規制手段によって、溝状レーンに載置された複数本のボルトの滑降を阻止することができる。また、滑降規制手段を操作したときには、溝状レーンに載置された複数本のボルトのうちの所定本数を滑降させ、小頭ボルト又は大頭ボルトに分別して、上記終端落下口又は分岐落下口へ落下させることができる。
【0020】
また、上記滑降規制手段は、上記滑降阻止の解除を行ったときには、1本だけボルトを滑降させるよう構成し、上記分岐落下口は、上記スリット状溝部及び上記一方の段差状溝部の形成箇所を利用して形成することができる(請求項6)。
この場合には、溝状レーンを滑降する1本のボルトを、小頭ボルト又は大頭ボルトに分別して、上記終端落下口又は分岐落下口へ安定して落下させることができる。
【0021】
また、上記滑降規制手段は、上記滑降阻止の解除を行ったときには、2本だけボルトを滑降させるよう構成し、上記分岐落下口は、上記溝状レーンから分岐して形成した分岐レーンの下流側先端位置に形成し、上記分岐レーンは、上記分別用プレートにおける上記上流側傾斜側面の形成方向に沿って形成することもできる(請求項7)。
この場合には、溝状レーンを滑降する2本のボルトを、小頭ボルト又は大頭ボルトに同時に分別して、上記終端落下口又は分岐落下口へ安定して落下させることができる。
【実施例】
【0022】
以下に、本発明の類似ボルト分別シュートにかかる実施例につき図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の類似ボルト分別シュート1は、図1〜図5に示すごとく、円盤形状の頭部81を備えたボルト8を滑降させ、このボルト8を、小頭ボルト8Bと、この小頭ボルト8Bよりも頭部81の軸方向厚みtが大きい大頭ボルト8Aとに分別するためのものである。この類似ボルト分別シュート1は、ボルト8の滑降方向Lに対して下降傾斜させた状態で設置したシュート本体部2を有している。
【0023】
図3〜図5に示すごとく、シュート本体部2は、ボルト8を滑降させる溝状レーン21と、この溝状レーン21の下流側先端位置に形成した終端落下口23と、溝状レーン21における途中位置に形成した分岐落下口22とを備えている。この溝状レーン21、終端落下口23及び分岐落下口22は、シュート本体部2の上面201から形成してある。
また、溝状レーン21は、ボルト8のねじ部82を通過させるためのスリット状溝部211と、このスリット状溝部211の両側に形成し頭部81を載せて滑降させるための一対の段差状溝部212とを備えている。
【0024】
図1に示すごとく、シュート本体部2の上面201において分岐落下口22の下流側位置には、シュート本体部2の上面201を斜めに横切る上流側傾斜側面31を備えた分別用プレート3が配設してある。そして、分別用プレート3における上流側傾斜側面31は、分岐落下口22近傍の下流側に位置している。
また、図4、図5に示すごとく、分別用プレート3を配設した部分において、シュート本体部2の上面201から一対の段差状溝部212の底面までの溝形成深さは、小頭ボルト8Bの軸方向厚みtよりも深いと共に大頭ボルト8Aの軸方向厚みtよりも浅くなっている。
【0025】
図1、図2に示すごとく、上記分岐落下口22は、スリット状溝部211を介して一方の段差状溝部212Aの側に偏って形成してあり、上流側傾斜側面31は、一方の段差状溝部212Aの側が他方の段差状溝部212Bの側に比べて、ボルト8の滑降方向Lの下流側に位置する状態で、シュート本体部2の上面201を斜めに横切っている。
また、図4、図5に示すごとく、溝状レーン21は、シュート本体部2を架台11に設置した状態において、一方の段差状溝部212Aの側が他方の段差状溝部212Bの側に比べて鉛直方向上方に位置する状態で、ボルト8の滑降方向Lに直交する横断面方向Wに傾斜している。
【0026】
図2、図3に示すごとく、上記構成により、本例の類似ボルト分別シュート1は、溝状レーン21を滑降するボルト8が小頭ボルト8Bである場合には、この小頭ボルト8Bを分別用プレート3の下を通って終端落下口23へ落下させる一方、溝状レーン21を滑降するボルト8が大頭ボルト8Aである場合には、この大頭ボルト8Aの頭部81を分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接させて、この大頭ボルト8Aを分岐落下口22へ落下させることができる。
【0027】
以下に、本例の類似ボルト分別シュート1につき、図1〜図5と共に詳説する。
図3に示すごとく、本例の類似ボルト分別シュート1において分別を行うボルト8は、大頭ボルト8Aが自動車部品の製造のために用いる正規ボルト8Aであり、小頭ボルト8Bが正規ボルト8Aに混入した類似ボルト8Bである。また、本例のボルト8は、自動車部品等のワークに溶接して用いる溶接用ボルト8である。この溶接用ボルト8は、円盤形状を有する頭部81と、この頭部81から軸方向へ形成されたねじ部82とからなる。
【0028】
図4に示すごとく、本例の溝状レーン21は、シュート本体部2の長手方向に沿って形成してあり、シュート本体部2の上面201から垂直に形成してある。そして、本例の溝状レーン21は、シュート本体部2を架台11に対して傾斜した状態で設置することにより、一方の段差状溝部212Aの側が他方の段差状溝部212Bの側に比べて鉛直方向上方に位置する状態で、横断面方向Wに傾斜している。
なお、溝状レーン21の横断面方向Wにおける傾斜角度θは、鉛直方向に対して、6〜8°に設定することができる。なお、本例の傾斜角度θは、7°±0.2°とした。
【0029】
図2、図3に示すごとく、本例の分岐落下口22は、スリット状溝部211及び一方の段差状溝部212Aの形成箇所を利用して形成してある。また、本例の終端落下口23の上側開口部付近には、小頭ボルト8Bの落下を円滑にするために、すり鉢状のテーパ面231が形成してある。本例のシュート本体部2には、特に、一対の段差状溝部212の底面を平滑に維持するために、金属メッキ処理が行ってある。
【0030】
また、図3、図4に示すごとく、シュート本体部2の上面201において、分別用プレート3を設けていない部位には、溝状レーン21を滑降するボルト8がバウンドすることを防止するカバー35を取り付けることができる。
また、シュート本体部2の上面201から一対の段差状溝部212の底面までの溝形成深さは、小頭ボルト8Bの軸方向厚みtよりも0.3〜1mm(好ましくは0.5mm程度)に形成することができる。
【0031】
また、図2に示すごとく、スリット状溝部211の底部においては、上記分岐落下口22及び終端落下口23に隣接する位置に、各落下口22、23へ落下するボルト8のねじ部82の落下を円滑にするための逃がし用穴221、231が形成してある。
また、分別用プレート3における上流側傾斜側面31は、ボルト8の滑降方向Lに対して約30°に傾斜させて、シュート本体部2の上面201を斜めに横切るよう形成した。
【0032】
本例の類似ボルト分別シュート1は、保管する複数本のボルト8の中から1本又は所定本数のボルト8を作業者へ供給することができるボルト取出補助装置の構成部品として用いる。また、このボルト取出補助装置は、工場内において、溶接用ボルト8の溶接を行う溶接作業工程において用いることができる。
【0033】
図2に示すごとく、ボルト取出補助装置において、シュート本体部2は、複数本のボルト8を保管する保管ボックス5に接続してある。そして、保管ボックス5から溝状レーン21には、複数本のボルト8が1列に並んで流下している。
また、図2、図3に示すごとく、シュート本体部2において分岐落下口22の形成位置よりも滑降方向Lの上流側の位置には、溝状レーン21におけるボルト8の滑降の規制を行う滑降規制手段4が配設してある。滑降規制手段4は、溝状レーン21に配置されたボルト8の滑降阻止と、滑降阻止の解除とを繰り返し行うと共に、滑降阻止の解除を行ったときには、1本だけボルト8を滑降させるよう構成してある。
【0034】
そして、滑降規制手段4を滑降阻止状態にすることにより、溝状レーン21における複数本のボルト8の滑降を阻止する一方、滑降規制手段4を滑降許可状態にすることにより、溝状レーン21における複数本のボルト8のうち1本だけを下流側へ滑降させることができる。
また、図示は省略するが、ボルト取出補助装置は、作業者によって操作される入力スイッチと、この入力スイッチの入力を受けて滑降規制手段4を動作させるエアバルブ等を用いて構成することができる。
【0035】
また、図2、図3に示すごとく、本例の滑降規制手段4は、例えば、2本のエアシリンダー41を用いて構成することができる。すなわち、溝状レーン21におけるボルト8の滑降方向Lに向けて2本のエアシリンダー41を配設し、各エアシリンダー41の可動部411を、溝状レーン21内に突出してボルト8の滑降を阻止する出位置と、溝状レーン21から退避してボルト8の滑降を許可する戻位置とに移動可能にする。また、各可動部411同士の間には、ボルト8を1本だけ配置することができる間隔を形成しておく。
【0036】
そして、上流側のエアシリンダー41Aの可動部411を出位置にして、この可動部411よりも溝状レーン21の上流側に配置された複数本のボルト8の滑降を阻止した状態で、下流側のエアシリンダー41Bの可動部411を戻位置にすることにより、可動部411同士の間に配置されたボルト8を下流側へ滑降させて、滑降阻止の解除を行うことができる。次いで、下流側のエアシリンダー41Bの可動部411を出位置にすると共に、上流側のエアシリンダー41Aの可動部411を戻位置にすることにより、可動部411同士の間に次の1本のボルト8を配置し、その後、上流側のエアシリンダー41Aの可動部411を出位置にすることができる。上記動作を繰り返すことにより、滑降規制手段4は、溝状レーン21の下流側へ1本ずつボルト8を滑降させることができる。
【0037】
本例の類似ボルト分別シュート1は、その構造に工夫を行うことにより、電気的又は機械的な特別な機構を用いることなく、頭部81の軸方向厚みtが異なる2種類のボルト8を分別することができるものである。
本例の類似ボルト分別シュート1は、上記溝状レーン21、終端落下口23及び分岐落下口22を備えたシュート本体部2と、上記分別用プレート3とを用いた極めて簡単な構成を有している。
【0038】
より具体的には、上記溝状レーン21は、スリット状溝部211と一対の段差状溝部212とを備えており、小頭ボルト8B及び大頭ボルト8Aは、そのねじ部82をスリット状溝部211内を通過させると共に、その頭部81を一対の段差状溝部212上に載せて、当該溝状レーン21を滑降することができる。
そして、特に、上記分別プレートにおける上流側傾斜側面31の形成状態、分岐落下口22の形成状態、及び溝状レーン21の横断面方向Wにおける傾斜状態に工夫を行ったことにより、溝状レーン21を滑降するボルト8は、次のようにして、小頭ボルト8Bと大頭ボルト8Aとの2種類に分別することができる。
【0039】
本例において、溝状レーン21を滑降するボルト8が小頭ボルト8Bである場合には、この小頭ボルト8Bは、分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接することなく、分別用プレート3の下を通って終端落下口23へ落下することができる。
ところで、仮に、シュート本体部2を架台11に設置した状態において、溝状レーン21が横断面方向Wにおいて傾斜していない場合、又は分岐落下口22が一方の段差状溝部212Aに偏って形成されていない場合には、小頭ボルト8Bは、分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接しなくても、分岐落下口22へ落下してしまうおそれがある。
【0040】
これに対し、本例においては、図4、図5に示したように、シュート本体部2を架台11に設置した状態において、溝状レーン21は、分岐落下口22を形成した側である一方の段差状溝部212Aの側が、他方の段差状溝部212Bの側に比べて鉛直方向上方に位置する状態で、横断面方向Wに傾斜している。また、図1、図2に示したように、分岐落下口22は、スリット状溝部211を介して一方の段差状溝部212Aの側に偏って形成してある。
これらの工夫により、溝状レーン21を滑降する小頭ボルト8Bは、その頭部81の自重を、一方の段差状溝部212Aに比べて他方の段差状溝部212Bに大きく作用させた状態で、滑降することができる。そのため、小頭ボルト8Bが誤って分岐落下口22へ落下してしまうことを防止することができ、小頭ボルト8Bを安定して終端落下口23まで滑降させることができる。
こうして、部品製造に用いない類似ボルト8Bとしての小頭ボルト8Bは、終端落下口23から回収ボックス等へ回収することができる。
【0041】
一方、本例において、溝状レーン21を滑降するボルト8が大頭ボルト8Aである場合には、この大頭ボルト8Aの頭部81は、分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接して分岐落下口22へ落下することができる。
ところで、仮に、分別用プレート3における上流側傾斜側面31が、シュート本体部2の上面201を垂直に横切って形成されている場合には、溝状レーン21を滑降する大頭ボルト8Aは、分別用プレート3における上流側傾斜側面31に当接したときに滑降が停止してしまい、分岐落下口22へ落下することができないおそれがある。
【0042】
これに対し、本例においては、図1、図2に示したように、分別用プレート3における上流側傾斜側面31が、一方の段差状溝部212Aの側が他方の段差状溝部212Bの側に比べて滑降方向Lの下流側に位置する状態で、シュート本体部2の上面201を斜めに横切って形成してある。これにより、溝状レーン21を滑降する大頭ボルト8Aの頭部81が上流側傾斜側面31に当接したときには、この大頭ボルト8Aを安定して分岐落下口22へ落下させることができる。
こうして、部品製造に用いる正規ボルト8Aとしての大頭ボルト8Aは、分岐落下口22から作業者の掌へ供給することができる。
【0043】
このように、本例においては、溝状レーン21を滑降させる正規ボルト8Aの中に類似ボルト8Bが混入したときでも、正規ボルト8Aの中から類似ボルト8Bを分別して取り除くことができる。これにより、作業者は、分岐落下口22から落下するボルト8を受け取ることにより、部品製造に用いる正規ボルト8Aを確実に受け取ることができる。
そのため、作業者は、正規ボルト8Aを受け取った後には、正規ボルト8Aを用いて溶接作業等の作業を迅速に開始することができる。
【0044】
それ故、本例の類似ボルト分別シュート1によれば、極めて簡単な構成により、頭部81の軸方向厚みtが異なる2種類のボルト8を分別し、2種類の落下口22、23へ安定して落下させることができる。また、類似ボルト分別シュート1を用いてボルト取出補助装置を構成することにより、作業者へ1本ずつ安定して正規ボルト8Aを供給することができる。
なお、小頭ボルト8Bを上記正規ボルトとし、大頭ボルト8Aを上記類似ボルトとすることもできる。この場合においても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
(実施例2)
本例の類似ボルト分別シュート10は、図6〜図10に示すごとく、2本のボルト8を同時に分別することができるものである。
本例の滑降規制手段4は、図7、図8に示すごとく、ボルト8の滑降阻止の解除を行ったときには、2本だけボルト8を滑降させるよう構成してある。具体的には、本例の上流側のエアシリンダー41Aの可動部411と、下流側のエアシリンダー41Bの可動部411との間には、ボルト8を2本配置するための間隔が形成しておく。そして、実施例1と同様に、2本のエアシリンダー41を動作させることにより、溝状レーン21の下流側へ2本のボルト8を同時に滑降させることができる。
【0046】
図6、図7に示すごとく、本例の分岐落下口22は、溝状レーン21から分岐して形成した分岐レーン24の下流側先端位置に形成してある。この分岐レーン24は、溝状レーン21の途中から斜め下流側に向けて分岐して形成してあり、スリット状溝部211の上流側から連続形成した分岐スリット状溝部241と、一方の段差状溝部212Aから延長形成した分岐段差状溝部242とを備えている。
また、分岐レーン24は、分別用プレート3における上流側傾斜側面31の形成方向に沿って形成してある。
【0047】
図9、図10に示すごとく、本例の溝状レーン21は、シュート本体部2に対して横断面方向Wに傾斜した状態で形成してある。これにより、本例のシュート本体部2は、架台11に対して平行な状態で設置することができ、上記保管ボックス5への接続が容易である。
また、本例の分別用プレート3における上流側傾斜側面31は、シュート本体部2の上面201に垂直な方向に対し、この上面201との間の角度が開く方向に傾斜して形成してある。また、この上流側傾斜側面31の傾斜角度θは、溝状レーン21の横断面方向Wにおける傾斜角度θと略同一にしてある。これにより、斜めに傾いた状態で溝状レーン21を滑降する大頭ボルト8Aは、斜めに傾いた状態の頭部81を上流側傾斜側面31に面接触で当接させて、分岐落下口22へ安定して落下することができる。
【0048】
本例においては、上記分岐レーン24を形成したことにより、溝状レーン21を滑降する2本のボルト8を同時に分別することができる。
すなわち、実施例1に示した類似ボルト分別シュート1において、2本のボルト8を同時に滑降させる際に、特に、前側のボルト8が大頭ボルト8Aであり、後側のボルト8が小頭ボルト8Bであるときには、前側のボルト8が分岐落下口22へ落下するときに生ずる回転力を受けて、後側のボルト8も分岐落下口22へ落下してしまうことがあった。これに対し、本例の分岐レーン24を設けた類似ボルト分別シュート10によれば、前側のボルト8が大頭ボルト8Aであり、後側のボルト8が小頭ボルト8Bであるときでも、前側のボルト8を分岐落下口22へ確実に落下させると共に、後側のボルト8を終端落下口23へ確実に落下させることができる。
【0049】
この2本のボルト8を同時に分別することができる理由としては、次のように考える。すなわち、本例の類似ボルト分別シュート10においては、前側の大頭ボルト8Aの頭部81が上流側傾斜側面31に当接した直後において、この大頭ボルト8Aの頭部81は、分岐レーン24における分岐段差状溝部242上に載置された状態にある。そして、この大頭ボルト8Aが分岐落下口22へ落下する前に、後側のボルト8のねじ部82が分岐スリット状溝部241の形成位置を通過することができる。これにより、大頭ボルト8Aと小頭ボルト8Bとが同時に溝状レーン21を滑降する場合においても、これらを同時に分別して各落下口22、23へ落下させることができると考える。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1における、類似ボルト分別シュートの下流側先端部の周辺を示す斜視図。
【図2】実施例1における、類似ボルト分別シュートを示す上面説明図。
【図3】実施例1における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図2におけるA−A線矢視断面説明図。
【図4】実施例1における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図2におけるB−B線矢視断面説明図。
【図5】実施例1における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図2におけるC−C線矢視断面説明図。
【図6】実施例2における、類似ボルト分別シュートの下流側先端部の周辺を示す斜視図。
【図7】実施例2における、類似ボルト分別シュートを示す上面説明図。
【図8】実施例2における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図7におけるC−C線矢視断面説明図。
【図9】実施例2における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図7におけるD−D線矢視断面説明図。
【図10】実施例2における、類似ボルト分別シュートを示す図で、図7におけるE−E線矢視断面説明図。
【符号の説明】
【0051】
1 類似ボルト分別シュート
2 シュート本体部
201 上面
21 溝状レーン
211 スリット状溝部
212 段差状溝部
22 分岐落下口
23 終端落下口
24 分岐レーン
3 分別用プレート
31 上流側傾斜側面
4 滑降規制手段
5 保管ボックス
8 ボルト
8A 大頭ボルト(正規ボルト)
8B 小頭ボルト(類似ボルト)
L 滑降方向
W 横断面方向
【出願人】 【識別番号】000142115
【氏名又は名称】株式会社協豊製作所
【出願日】 平成18年11月7日(2006.11.7)
【代理人】 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰

【識別番号】100110700
【弁理士】
【氏名又は名称】岩倉 民芳

【識別番号】100130155
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥起


【公開番号】 特開2008−114186(P2008−114186A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2006−301925(P2006−301925)