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【発明の名称】 飛行物選別装置
【発明者】 【氏名】佐藤 健司

【要約】 【課題】圧搾空気製造設備規模の増大と稼働時の費用増加を最小限にとどめ、経済性を確保しつつも、大きな飛行物も選別する場合の選別性能劣化を防ぐ飛行物選別装置を提供する。

【構成】飛行物選別装置の構成として、選別すべき物体を搬送して端から飛ばすためのベルトコンベアと、ベルトコンベアで搬送中のまたは端から飛ばされた飛行中の物体を画像検査する検査用カメラと、検査用カメラによる検査結果に応じて、飛行物体の軌道を選択的に変更するために圧搾空気を作用させる、ベルトコンベアの幅方向に延びる少なくとも2列の圧搾空気ノズルアレーと、を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別すべき物体を搬送して端から飛ばすためのベルトコンベアと、
該ベルトコンベアで搬送中のまたは端から飛ばされた飛行中の物体を画像検査する検査用カメラと、
該検査用カメラによる検査結果に応じて、飛行物体の軌道を選択的に変更するために圧搾空気を作用させる、ベルトコンベアの幅方向に延びる少なくとも2列の圧搾空気ノズルアレーと、
を有することを特徴とする飛行物選別装置。
【請求項2】
請求項1記載の飛行物選別装置において、選別すべき物体に複数の質量の物体が含まれている場合、最大製品の質量が最小製品のn倍(小数切り上げ)のとき、圧搾空気ノズルアレーの列の数がnであることを特徴とする飛行物選別装置。
【請求項3】
請求項1記載の飛行物選別装置において、前記検査用カメラは物体の大きさおよび良否を検査し、前記圧搾空気ノズルアレーは、検査結果の大きさに応じて圧搾空気を噴射する圧搾空気ノズルアレーの列数とノズル数を決定し、検査結果の良否に応じて圧搾空気ノズルアレーから圧搾空気を噴射することを特徴とする飛行物選別装置。
【請求項4】
請求項3記載の飛行物選別装置において、選別すべき物体に複数の質量の物体が含まれている場合で最大製品の質量が最小製品のn倍(小数切り上げ)のとき、最大製品の質量を検出したとき、圧搾空気が物品に作用している時間内での積算の使用ノズルの数を最小製品の積算の使用ノズルの数に対してnとすることを特徴とする飛行物選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を落下、若しくは飛び出させた状態で光学検査等を行い、光学検査等の判別結果に応じて物品の飛行軌道を変更することで選別する飛行物選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物などに混入している不良品や石などの非製品を分別するために、穀物をベルトコンベアなどで定速状態にし、ベルトコンベア端から飛び出させ、飛行状態において画像検査し、その良否判定結果を、電磁弁で制御されている圧搾空気ノズル列(アレー)を使用し、不良物の軌道を変えることで分別する技術がある。幅広のベルトコンベアを使用する場合は、幅方向に並んだ多数の圧搾空気ノズル列を使用することもある。
【0003】
そのような従来例として、特開2005−265534号公報は、ベルトコンベア上の農作物(たばこ原料)を画像検査し、ベルトコンベア端から飛び出させ、画像検査の良否判定結果に応じて電磁弁で制御されているベルトコンベアの幅方向に並んだ多数の圧搾空気ノズル列を使用し、不良物の軌道を変えることで分別する異物検査装置を開示している。
【0004】
また、特開2004−113904号公報は、加熱した穀物をシュータから落下させ、落下中に赤外線カメラによって画像検査を行い、検査の不良判別に応じてエジェクタで不良品を飛ばして選別する種付き穀物の選別装置を開示している。
【特許文献1】特開2005−265534号公報
【特許文献2】特開2004−113904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このように飛行中、または落下中の物体に圧搾空気を当てて軌道を変える場合、物体が大きいと、同じように圧搾空気を当てても変化する軌道量が不足し、分別に失敗する確率が大きくなり、選別性能が劣化する問題がある。
【0006】
飛行物体に対して十分な軌道変更量を与えるためには以下の手段が考えられる。
【0007】
1.圧搾空気ノズルの直径を増やして空気吐出量を増やす。
【0008】
2.圧搾空気の圧力を上げて空気吐出量を増やす。
【0009】
3.圧搾空気ノズルを飛行進行方向に複数段設け、空気吐出量を増やす。
【0010】
何れの方策も、飛行物体が小さい場合にも空気吐出量が無駄に増えることになる。圧搾空気の使用量が増えることは、圧搾空気を製造する設備の規模が大きくなる問題と稼働時のエネルギー使用量が増えることによるコスト高となる。
【0011】
選別性能を高くしたい場合は圧搾空気製造設備規模を大きくし、稼働時費用も大きくなる事に甘んじていた。一方、経済性を重視する場合は、選別性能の劣化について甘んじていた。
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするころは、圧搾空気製造設備規模の増大と稼働時の費用増加を最小限にとどめ、経済性を確保しつつも、大きな飛行物も選別する場合の選別性能劣化を防ぐ飛行物選別装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明は、小さい大きさの飛行物体(質量の小さい飛行物体)および大きい大きさの飛行物体(質量の大きい飛行物体)のいずれにも圧搾空気ノズルの形状や圧搾空気の圧力を変えることなく適用できる飛行物選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係る本発明は、選別すべき物体を搬送して端から飛ばすためのベルトコンベアと、該ベルトコンベアで搬送中のまたは端から飛ばされた飛行中の物体を画像検査する検査用カメラと、該検査用カメラによる検査結果に応じて、飛行物体の軌道を選択的に変更するために圧搾空気を作用させる、ベルトコンベアの幅方向に延びる少なくとも2列の圧搾空気ノズルアレーと、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に係る本発明は、上記請求項1の飛行物選別装置において、選別すべき物体に複数の質量の物体が含まれている場合、最大製品の質量が最小製品のn倍(小数切り上げ)のとき、圧搾空気ノズルアレーの列の数がnであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に係る本発明は、上記請求項1の飛行物選別装置において、前記検査用カメラは物体の大きさおよび良否を検査し、前記圧搾空気ノズルアレーは、検査結果の大きさに応じて圧搾空気を噴射する圧搾空気ノズルアレーの列数とノズル数を決定し、検査結果の良否に応じて圧搾空気ノズルアレーから圧搾空気を噴射することを特徴とする。
【0017】
さらにまた、請求項4に係る本発明は、上記請求項3の記飛行物選別装置において、選別すべき物体に複数の質量の物体が含まれている場合で最大製品の質量が最小製品のn倍(小数切り上げ)のとき、最大製品の質量を検出したとき、圧搾空気が物品に作用している時間内での積算の使用ノズルの数を最小製品の積算の使用ノズルの数に対してnとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、圧搾空気製造設備規模の増大と稼働時の費用増加を最小限にとどめ、経済性を確保しつつも、大きな飛行物も選別する場合の選別性能劣化を防ぐ飛行物選別装置が得られる。
【0019】
また、本発明では、小さい大きさの飛行物体(質量の小さい飛行物体)および大きい大きさの飛行物体(質量の大きい飛行物体)のいずれにも圧搾ノズルの形状や圧搾空気の圧力を変えることなく適用できる飛行物選別装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の飛行物選別装置では、選別すべき物体を搬送して端から飛ばすためのベルトコンベアと、該ベルトコンベアで搬送中のまたは端から飛ばされた飛行中の物体を画像検査する検査用カメラと、該検査用カメラによる検査結果に応じて、飛行物体の軌道を選択的に変更するために圧搾空気を作用させる、ベルトコンベアの幅方向に延びる少なくとも2列の圧搾空気ノズルアレーを設ける。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。
(実施例1)
図1は本発明に係る選別装置の第一実施例の基本構成を示す正面図である。図1において、4はベルトコンベアであり、製品(物品)1を連続的に一定速で矢印5の方向へ搬送している。製品1はベルトコンベア端で空中に飛び出し、ラインカメラ(検査用カメラ)2で撮影された情報を基に大きさと良否を判断され、不良品の結果は電磁弁8に伝わる。
なお、ラインカメラ2はベルトコンベア上で搬送中の製品を検査するように配置してもよいものである。電磁弁8の元には圧搾空気源9が接続されており、電磁弁8が開くと圧搾空気が圧搾空気ノズルアレー(ノズル配列体)3のノズルから吐き出され(噴射され)、製品の飛行軌道を変える。
【0022】
良品の場合、電磁弁8は作動せず、製品は6で示す軌道を通る。不良品の場合は圧搾空気により軌道が変わり、7で示す軌道を通る。仕切り板10によって、良品と不良品は異なる場所に堆積し、選別が実現する。
【0023】
ここで、本発明の理解を容易にするために、従来例(例えば、特開2005−265534号公報)の圧搾空気ノズルアレーを図2に示す。図2に示すように、この従来例では、ベルトコンベアの幅方向にノズルが並べられた一列の圧搾空気ノズルアレーが用いられている。
【0024】
本発明では、実施例1として、選別対象となる製品の大きさの範囲が1〜2倍である場合を取り上げる。この場合、図3に示すように、2列の圧搾空気ノズルアレーを採用している。
【0025】
前述の従来例の1列の圧搾空気のノズルアレーの場合は、製品の大きさが2倍の時に不良品の軌道変化が十分ではなく、不良品混入率が5%であった。実験例として、圧搾空気ノズルアレーを2列とするとともに、2倍の力の圧搾空気で不良品の軌道変化をさせることを行なった。この場合、不良品混入率を1%に下げることができたが、空気使用量が倍増し、多大な設備投資が必要になる事が明らかになった。
【0026】
これに対して、本発明では、圧搾空気ノズルアレーを2列にするが、圧搾空気の圧力を変えない場合には、不良品混入率を1%を維持できるにも拘わらず、小さな製品に対する無駄な空気使用量が減り、すなわち、具体的には空気使用量は1.5倍で済み、既存設備の能力余裕範囲に入り、設備増強せずに済んでいる。
(実施例2)
更に、第2実施例では、圧搾空気ノズルアレーの列数を図4に示すように3列に増やし、対応可能な製品の大きさの範囲を1〜3倍に広げた場合に適用した。これによって、単位時間当たりの処理可能重量を約3倍に増やすことができる。
【0027】
図5は、図3に示した圧搾空気ノズルアレーの稼働の様子をΔt毎の時間経過で示したものである。図5において、小さな製品の場合は圧搾空気ノズルアレーの前段の1列だけを使用することで、過剰な圧搾空気の使用を防いでいる。半径が2倍の大きな製品の場合は、圧搾空気ノズルアレーの前後2列を使用している。
【0028】
ここで、製品の軌道変更には、関数(使用ノズル数×吐出時間)が重要なファクタとなる。これに関して図5を参照して説明する。図5に示すように(なお、圧搾空気を噴射しているノズルを黒丸で示す)、小さな製品の場合は、時間の経過に伴って製品に圧搾空気が作用する時間内(Δt=1〜Δt=2)での積算の使用ノズル数は4である。直径が2倍の大きな製品の場合は、時間の経過に伴って製品に圧搾空気が作用する時間内(Δt=1〜Δt=5)での積算の使用ノズル数は32であり、小さな製品の場合の使用ノズル数の8倍となっている。
【0029】
物体の体積は半径の3乗に比例する。均質な内容であれば質量も半径の3乗に比例する事になる。半径が2倍の製品は重さは8倍なので、同じ軌道変化を起こさせるためには8倍の力が必要になる。本発明ではそれを実現可能にしている。
【0030】
製品の半径がn倍の場合、ノズルの方向から見た面積はn倍になる。n倍については、製品の大きさに合わせた1列内のノズルで制御で賄うことができる。質量は、n倍なので、上記n策に加えて更にn倍の増力策が必要なのである。
【0031】
一般的に、選別対象となる製品の大きさの範囲は限定された範囲に収まっている事が多いので、例えば、製品の大きさの範囲が1〜2倍以内であれば、圧搾空気アレーの列数は2列でよく(図3)、範囲が1〜3倍以内であれば、列数は3列必要になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る飛行物選別装置の第1実施例および第2実施例の基本構成を示す概略正面図である。
【図2】従来例の圧搾空気ノズルアレーを示す底面図である。
【図3】実施例1の圧搾空気ノズルアレーを示す図である。
【図4】実施例2の圧搾空気ノズルアレーを示す図である。
【図5】圧搾空気ノズルアレーの作用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0033】
1 選別前の製品(物品)
2 検査用カメラ(ラインカメラ)
3 圧搾空気ノズルアレー
4 ベルトコンベア
5 製品走行方向
6 良品の飛行軌道
7 不良品の飛行軌道
8 電磁弁
9 圧搾空気源
10 仕切り板
【出願人】 【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100087583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 増顕


【公開番号】 特開2008−55274(P2008−55274A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−233149(P2006−233149)