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【発明の名称】 生花選別装置および生花束移送方法
【発明者】 【氏名】俣野 元治郎

【要約】 【課題】生花束の仕分け用ラックへの移送処理にかかる時間を短縮し、処理能力を向上できると共に、仕分け用ラックの数を削減して構成の簡略化、占有床面積の低減を図ることもできる生花選別装置および生花束移送方法を提供する。

【構成】生花1の生花群を所定の重量範囲に基づいてそれぞれの段階区分に選別する計量選別手段14と、生花群が段階区分別に搬出される搬出トレイ31,32,33と、搬出された生花群を生花束とする結束手段16と、生花束を収納する仕分け用ラックA,Bに生花束を移送する移送手段15とを備えた生花選別装置10において、少なくとも1つの仕分け用ラックに、互いに異なる複数段階区分の生花束同士を一緒に入れるように移送手段15を制御する制御部17を具備する。結束手段16に近接して配置されている側の仕分け用ラックBにどの区分の生花束を移送するかは制御部17の操作等で作業者が任意に設定できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生花群を、所定の重量範囲に基づいてそれぞれの段階区分に選別する計量選別手段と、
前記生花群が段階区分別に搬出される搬出トレイと、
前記搬出された生花群を結束して所定本数の生花束を作成する結束手段と、
前記生花束を仕分け用ラックに移送する移送手段とを備えた生花選別装置において、
前記移送手段の動作を制御する制御部を具備し、
前記制御部が、少なくとも1つの前記仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように前記移送手段を制御することを特徴とする生花選別装置。
【請求項2】
前記複数段階区分が、隣り合わない段階区分であることを特徴とする請求項1に記載の生花選別装置。
【請求項3】
前記搬出トレイに、搬出された生花群の茎の端部が当接する受部材が設けられており、
前記受部材の少なくとも1つに、前記端部が当接することによって該端部に任意の色を着色する着色手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生花選別装置。
【請求項4】
前記搬出トレイに搬出された生花群のうちの少なくとも1群に、前記結束手段によって生花束とされた後でも外部から目視可能な識別棒を加入する識別棒加入手段を具備することを特徴する請求項1に記載の生花選別装置。
【請求項5】
前記仕分け用ラックの数が前記搬出トレイの数よりも少ないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生花選別装置。
【請求項6】
段階区分別に作成された生花束を、移送手段によって仕分け用ラックに移送する生花束移送方法において、
所定の重量範囲に基づいてそれぞれの段階区分に計量選別した生花群を、前記段階区分別に搬出トレイに搬出し、
前記搬出された生花群を前記搬出トレイから結束手段へ移送して所定本数からなる生花束を作成し、
前記生花束を、仕分け用ラックのうちの少なくとも1つに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように移送することを特徴とする生花束移送方法。
【請求項7】
前記仕分け用ラックのうち、前記結束手段に近接して配置されている側の仕分け用ラックへの移送頻度が最も高くなるように前記生花束の移送先を決定することを特徴とする請求項5に記載の生花束移送方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生花選別装置および生花束移送方法に係り、特に、生花束の仕分け用ラックへの移送処理にかかる時間を短縮し、処理能力を向上することができる生花選別装置および生花束移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、投入された生花群に対して、不要な葉や茎の除去等を実行した後、所定のサイズまたは等級に選別し、さらに該サイズまたは等級ごとに所定本数からなる生花束を作成して回収部に移送するまでの処理を自動的に行う装置が知られている。
【0003】
特許文献1および2には、重、中、軽の3等級に選別されて搬出トレイに搬出された生花群を、電動の保持アームで移送する途中で結束して生花束に加工した後、等級ごとに設けられた回収部に移送するようにした花卉の処理装置が開示されている。
【特許文献1】特許第3122631号公報
【特許文献2】特許第3122649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2の処理装置では、仕分け用のラック等で構成される回収部が搬出トレイの数と同じ数だけ設けられており、かつ略平面上に並列するように配設されているので、搬出トレイから結束手段を経由しての最大移送距離が長くなると共に累積移送距離が増え、移送処理にかかる時間が増して、結果的には装置全体の処理能力、能率の向上を妨げる要因になるという課題があった。また、処理装置の占有床面積が大きく、生産コスト低減等に関しても工夫の余地が残されていた。
【0005】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、生花束の仕分け用ラックへの移送処理にかかる時間を短縮し、処理能力を向上することができる生花選別装置および生花束移送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するために、本発明は、生花群を、所定の重量範囲に基づいてそれぞれの段階区分に選別する計量選別手段と、前記生花群が段階区分別に搬出される搬出トレイと、前記搬出された生花群を結束して所定本数の生花束を作成する結束手段と、前記生花束を仕分け用ラックに移送する移送手段とを備えた生花選別装置において、前記移送手段の動作を制御する制御部を具備し、前記制御部が、少なくとも1つの前記仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように前記移送手段を制御する点に第1の特徴がある。
【0007】
また、前記複数段階区分が、隣り合わない段階区分である点に第2の特徴がある。
【0008】
また、前記搬出トレイに、搬出された生花群の茎の端部が当接する受部材が設けられており、前記受部材の少なくとも1つに、前記端部が当接することによって該端部に任意の色を着色する着色手段が設けられている点に第3の特徴がある。
【0009】
また、前記搬出トレイに搬出された生花群のうちの少なくとも1群に、前記結束手段によって生花束とされた後でも外部から目視可能な識別棒を加入する識別棒加入手段を具備する点に第4の特徴がある。
【0010】
また、前記仕分け用ラックの数が前記搬出トレイの数よりも少ない点に第5の特徴がある。
【0011】
また、段階区分別に作成された生花束を、移送手段によって仕分け用ラックに移送する生花束移送方法において、所定の重量範囲に基づいてそれぞれの段階区分に計量選別した生花群を、前記段階区分別に搬出トレイに搬出し、前記搬出された生花群を前記搬出トレイから結束手段へ移送して所定本数からなる生花束を作成し、前記生花束を少なくとも1つの仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように移送する点に第6の特徴がある。
【0012】
さらに、前記仕分け用ラックのうち、前記結束手段に近接して配置されている側の仕分け用ラックへの移送頻度が最も高くなるように前記生花束の移送先を決定する点に第7の特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、少なくとも1つの仕分け用ラックに視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束が混在して収納されるようにしたが、例えば、同じ仕分け用ラックに異なる2つの段階区分の生花束が入っていても、箱詰め等を行う出荷作業者は、2つの段階区分の違いを目視で簡単に識別できるようになる。これにより、段階区分の識別作業に影響を与えることなく、移送手段による移送距離を短くすることができるので、移送処理にかかる時間を短縮すると共に全体として作業能率を向上し、単位時間当たりの処理本数を増加することが可能となる。また、仕分け用ラック数を削減できることにより、生花選別装置の占有床面積や生産コストを低減することもできるようになる。さらに、所定の仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように移送手段を制御することは、制御部のプログラム変更等で実行可能であるため、既存の選別装置に対しても、小変更を加えるのみで、例えば3個の仕分け用ラックを有する既設の装置で結束手段(または搬出トレイ)に近接する2個(または最近接の1個)のみを使用するように制御モードを変更するだけで、作業効率の向上を図ることができるようになる。
【0014】
第2の発明によれば、複数段階区分が、隣り合わない段階区分であるようにしたので、同じ仕分け用ラックに混在して収納された異なる段階区分の生花束の視覚的な差異が大きくなり、作業者が段階区分の違いをより簡単かつ確実に識別できるようになる。
【0015】
第3の発明によれば、搬出された生花群の茎の端部が当接する受部材の少なくとも1つに着色手段を設けるようにしたので、同じ仕分け用ラックに複数段階区分の生花束を入れた場合でも、目視による段階区分の識別をより簡単に行うことができるようになる。
【0016】
第4の発明によれば、搬出トレイに搬出された生花群のうちの少なくとも1群に、結束手段によって生花束にされた後でも外部から目視可能な識別棒を加入する識別棒加入手段を具備するようにしたので、同じ仕分け用ラックに複数の段階区分の生花束を入れた場合でも、目視による段階区分の識別をより簡単に行うことができるようになる。また、識別棒は、生花束の箱詰め時等に回収して何度でも再利用できるので、資源の消費を低減できるようになる。
【0017】
第5の発明によれば、仕分け用ラックの数が搬出トレイの数よりも少ないようにしたので、仕分け用ラック数の削減が可能となり、生花選別装置の構成を簡略化し、占有床面積や生産コストを低減することができるようになる。
【0018】
第6の発明によれば、少なくとも1つの仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように生花束を移送するので、区分の識別作業に余分の負担をかけることなく移送手段による移送距離を短くすることができ、移送処理にかかる時間を短縮すると共に全体として作業能率を向上し、単位時間当たりの処理本数を増加することが可能となる。この方法は、もちろん既設の選別装置にも適用できる。さらには、仕分け用ラック数の削減も可能となる。
【0019】
第7の発明によれば、結束手段に近接して配置されている側の仕分け用ラックへの移送頻度が最も高くなるように生花束の移送先を決定するようにしたので、累積移送距離を短くして移送処理にかかる時間をさらに短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る生花選別装置の構成を示すブロック図であり、図2は、生花選別装置の制御部とその周辺構成を示す機能ブロック図である。また、図3は、図1を上面図と想定した場合に矢印E方向から見た生花選別装置10の模式図である。なお、図1のブロック図中における各構成要素の配置は、実際の生花選別装置10の上面図にほぼ対応するように示している。本実施形態に係る生花選別装置10は、複数の生花1、すなわち生花群を花乗台部11にセットすることで、予め設定した重量の段階区分ごとに所定本数からなる生花束を作成し、該生花束を仕分け用ラック部40に収納するまでを自動的に処理する装置である。生花1は、花冠2、葉部3、茎部4からなり、生花選別装置10は、キクのほか、バラやカーネーション等の種々の生花の処理が可能である。なお、生花選別装置の各部の具体的構成の一例は、前記特許文献1、2に例示されたものとほぼ同じでよいので、それらの図示説明は省略する。
【0021】
以下に、生花選別装置10の動作を説明する。作業者は、生花1をその花冠2を所定の方向に向けて、1本づつ連続的に花乗台部11に乗せるようにセットする。セットされた生花1は、花冠2が所定の位置に揃えられると共に、回転式のカッターとこれを駆動するモータとを備えるカッター部12において、茎部4の先端部が切断されてすべて同一の長さに揃えられる。続いて、葉落とし部13に送られた生花1は、茎部4の基端部の葉が除去されて計量選別手段14へ送り出される。該計量選別手段14は、生花1の重量を計量する計量機構と、該計量機構の計測結果に基づいて、生花1を3つの段階区分に選別分類する選別機構とから構成される。前記計量機構は、図2に示すように、生花1を乗せるV字型の受部材14bを電子秤14aの上に配設した構成とされている。該計量機構に乗せられた生花1は、その重量が1本づつ計測された後に、不図示の選別機構に移される。前記電子秤14aによる計測値は、電気信号として制御部17に出力されて記憶部17aに格納される。制御部17は、この記憶情報と予め設定された重量範囲情報とを比較照合することで、生花群を大、中、小の3段階の区分に選別分類することができる。
【0022】
前記選別機構は、搬出コンベア部20の上方を通過すると共に搬出コンベア部20の下側を所定の速度で周回する無端状部材を具備し、該無端状部材に、生花1を1本づつ保持する保持部材が回動可能に取り付けられた構成を有している。また、搬出コンベア部20には、搬出コンベア21,22,23が備えられており、各搬出コンベアの上方に、生花1を搬出コンベアに落下させるために前記保持部材を回動させるソレノイド27,28,29がそれぞれ配設されている。このソレノイド27,28,29は、前記制御部17の指令によって作動するので、その作動タイミングを、例えば、電子秤14aによる計量時からの経過時間や、計量時からの無端状部材の移動距離に基づいて、段階区分毎に任意に定めておけば、搬出コンベア21,22,23に、それぞれ予め設定された任意の段階区分の生花1を落下させることができる。本実施形態においては、「大」区分が搬出コンベア21に、「中」区分が搬出コンベア22に、「小」区分が搬出コンベア23にそれぞれ選別落下されるように設定されているが、どの搬出コンベアにどの区分の生花を落下させるかは、制御部17の設定変更によって作業者が任意に変更することができる。
【0023】
なお、重量範囲に基づく生花の選別分類の技術は、前記特許文献1、2等や実公平5−19782号公報等に開示されており公知である。本発明の生花選別に係る制御は、これらの選別分類技術と組み合わせて使用することができる。
【0024】
制御部17には、前記ソレノイド27,28,29のそれぞれの作動回数を計測するカウンタ17bが備えられている。そして、前記カウンタ17bによって各搬出コンベアに所定の本数が落下されたことが検知されると、搬出コンベア21,22,23をそれぞれ駆動する電動モータ25,26,27に駆動指令を発して、各段階区分の生花群を順次搬出トレイ部30に搬送するように構成されている。なお、搬出コンベア21,22,23の駆動を開始する所定の本数は、後述する結束手段で作成される生花束の1束の本数であり、本実施形態では10本に設定されているものとする。また、前記落下本数の計測は、非接触式のセンサ等を用いて、各搬出コンベアへの落下動作等を検知するようにしてもよい。
【0025】
前記計量選別手段14による段階区分分けは、例えば、大:75グラム超、中:50グラム超〜75グラム、小:50グラム以下のように設定することができる。このような設定値は、電子秤による計量機構を備える場合、前記制御部17の記憶部17aに記憶させておくことができると共に、不図示の入力手段の操作等で容易に変更することが可能である。なお、本実施形態では、生花群を3段階の区分に分けているが、分別の段数および区分境界のグラム数は任意であり、例えば、搬出コンベアおよび搬出トレイをそれぞれ一機増やすと共に、特大:80グラム超、大:60グラム超〜80グラム、中:40グラム超〜60グラム、小:40グラム以下、等の4段階に設定してもよい。
【0026】
搬出コンベア部20から送り出された生花群は、搬出トレイ31,32,33を備える搬出トレイ部30に移動される。搬出トレイ31,32,33は、前記搬出コンベア21,22,23にそれぞれ対応する下流位置に配設されているため、前記生花群は、「大」区分が搬出トレイ31に、「中」区分が搬出トレイ32に、「小」区分が搬出トレイ33にそれぞれ搬出されることとなる。図3の模式図では、各搬出トレイ31,32,33に搬出された生花1の茎部4の端面4a,4b,4cを示している。この茎部4の端面の直径は、例えば、80グラムで約8mm、50グラムで約5mm、30グラムで約2mmと、生花1の重量に対応した関係となるため、例えば、「大」と「小」における端面の寸法差はかなり大きなものとなり、両者は作業者の目視によって容易かつ確実に識別することが可能である。
【0027】
また、各搬出トレイには、各段階区分の生花群が搬出コンベアから搬出トレイに移送されたことを検知する検知部31S,32S,33Sがそれぞれ取り付けられている。本実施形態では、検知部31S,32S,33Sによって搬出トレイへの搬出完了が検知されると、前記搬出コンベアの駆動が停止されるように構成されている。また、この検知信号に応答して制御部17は移送手段15の動作を制御する。
【0028】
搬出トレイ31,32,33に移送された所定本数の生花群は、2本のアーム15aを有するクレーン機構等からなる移送手段15によって、結束手段16を経由して仕分け用ラック部40に移送される。移送手段15は、前記搬出トレイ31,32,33に生花群が搬出される毎に、制御部17からの指令信号により各搬出トレイの上方に移動して所定本数の生花1をアーム15aで保持し、結束手段16に移送する。この結束手段16では、合成樹脂等の紐状体からなる結束部材16aで結束されて生花束が作成され、その後、仕分け用ラック部40に移送される。したがって、移送手段15は、結束手段16を挟んで搬出トレイ部30と仕分け用ラック部40との間を、作業が終了するまで繰り返し往復動作することになる。
【0029】
なお、本実施形態では、結束部材16aによって2箇所の結束部を形成するために、生花選別装置10に対して、移送手段15や結束手段16が生花束の長手方向に相対移動できるよう構成されている。また、本実施形態に係る移送手段15は、生花束の移送動作を行わない際には、結束手段16と搬出トレイ部30との間に設定された待機位置(図示破線部)に戻るように制御される。このような待機位置の設定によれば、例えば、仕分け用トレイへの移送が完了した直後に次の生花群を回収するために搬出トレイ部30へ向かう場合にも、途中で必ず待機位置を通るので、移送手段15が無駄な動作をすることがない。また、本実施形態と待機位置の設定が異なる場合であっても、前記検知部31S,32S,33Sからの検知信号を常に監視しておき、検知信号が検知された際には、待機位置に戻ることなく所定の搬出トレイに集荷に向かうように設定することで、移送時間のロスを防いで作業能率を向上することができる。
【0030】
本実施形態に係る生花選別装置10では、結束手段16で作成された、「大」の生花束51、「中」の生花束52、「小」の生花束53を、搬出トレイの数より1つ少ない2つの仕分け用ラックA,Bにすべて収納するように構成されている。なお、仕分け用ラックA,Bは、上面部が開口した略直方体や桶状の容器等で構成されており、側板および底板は、格子状部材や網状部材で形成されてもよい。
【0031】
図4は、仕分け用ラック部40を構成する仕分け用ラックA,Bの模式図である。本実施形態では、3つの段階区分の生花束51,52,53のうち、搬出トレイ31および該搬出トレイ31と仕分け用ラック部40との間に配設される結束手段16(図3参照)により近接して配設される仕分け用ラックBに、隣り合わない段階区分の生花束、すなわち、「大」区分の生花束51および「小」区分の生花束53が一緒に混在収納されており、かつ「中」区分の生花束52が、仕分け用ラックAに単独で収納されるように構成されている。該構成によれば、仕分け用ラックBに収納された2つの段階区分の生花束の直径差が大きくなるので、作業者が段階区分の識別を目視で簡単かつ確実に行うことができると共に、仕分け用ラックの数を搬出トレイの数より少ない2つに減らすことが可能となる。これにより、段階区分の識別作業に余分な負担をかけることなく移送手段15による移送距離を短くすることができるので、移送処理にかかる時間を短縮すると共に全体として作業能率を向上し、単位時間当たりの処理本数を増加することが可能となる。また、仕分け用ラック数の削減が可能となり、生花選別装置10の構成を簡略化し、占有床面積や生産コストを低減することができるようになる。
【0032】
なお、どの区分の生花束をどの仕分け用ラックに収納するかは、移送手段15の動作を制御する制御部17の設定を変更することで作業者が任意に決定できる。本実施形態では、結束手段16に近接して配置されている仕分け用ラックBの方に、「大」および「小」を収納しているが、この設定は、「中」単独の発生頻度より「大」と「小」とを合わせた発生頻度の方が高い場合に有効であり、これによって、前記移送手段15の累積移送距離をさらに減らし、移送処理にかかる時間の短縮が図られている。一般的には、発生頻度が最大になる段階区分の生花束を仕分け用ラックBに収納するのが有利である。
【0033】
図5は、本実施形態に係る生花束移送制御の手順を示すフローチャートである。この生花束移送制御は、前記制御部17で実行される。ステップS10で生花選別装置10の電源をオンにすると、ステップS11にて作業者によるデータ入力の受付状態となる。このとき、前回作業時に使用したデータをそのまま使うか、新たに変更入力を行うかを選択するようにしてもよい。そして、ステップS12において、どの区分の生花束をどの仕分け用ラックに移送するかを選択入力する。本実施形態では、生花群を「大」、「中」、「小」の3段階に区分するので、「大」および「小」を搬出トレイ31および結束手段16に近接して配設された仕分け用ラックBに移送すると共に、「中」を搬出トレイ31および結束手段16から遠い方の仕分け用ラックAに移送するようにする、または、その反対の設定とするかを選ぶこととなる。
【0034】
続くステップS13で生花群が投入されると、ステップS14では、搬出トレイの検知部31S,32S,33Sの出力が検知される。本実施形態では、検知部31S,32S,33Sが、それぞれ搬出トレイ31,32,33に取り付けられているので、どの検知部からの出力であるかを判定することによって、どの搬出トレイに新たに生花群が搬出されたのかを認識することができる。
【0035】
ステップS15で「大」区分と判定されると、ステップS16において、前記ステップS12での入力事項に従って「大」区分を仕分け用ラックB(またはA)に収納する。前記ステップS15で否定判定された場合は、ステップS17で「中」区分か否かが判定され、肯定判定されるとステップS18で「中」区分の生花束を仕分け用ラックA(またはB)に収納する。そして、前記ステップS17で「中」区分でないと判定されると、ステップS19で「小」区分の生花束を仕分け用ラックB(またはA)に収納し、ステップS20において移送手段15を待機位置へ移動させる。そして、ステップS21では、作業者が生花選別作業を終了するのに伴って動作停止指令が入力されたか否かを判定し、否定判定されるとステップS14へ戻り、肯定判定されると生花束移送制御を終了する。
【0036】
図6は、本発明の第2実施形態に係る生花選別装置10の搬出トレイ31の斜視図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。搬出コンベア21は、ローラ21aと、該ローラ21aと対をなすローラ部材(不図示)との間に巻き掛けられた無端ベルト21bの上面に乗せられた生花1による生花群を、前記搬出トレイ31に搬出する際に駆動される。搬出トレイ31は、脚部を有する壁板61と、生花群が乗せられる荷台板60とから構成されている。壁板61の略中央に設けられた開口部には、軸部材63が取り付けられた受部材62が、O−O軸を中心に揺動自在に軸支されている。そして、受部材62の中央には、任意の色のインクを染み込ませたフェルト等からなる着色手段としての着色パッド62aが配設されている。
【0037】
荷台板60には、搬出コンベア21との間に隙間60aが設けられると共に、受部材62側にスリット60bが形成されている。移送手段15は、前記隙間60aおよびスリット60bに2組のアーム15aが挿入される位置まで下降してからアーム15aを閉動作することで、生花群をスムーズに保持することが可能となる。なお、荷台板60は、ベルトコンベア状物で構成することもできる。
【0038】
搬出コンベア21によって搬出される生花1は、搬出コンベア21の駆動力によって受部材62および着色パッド62aに当接する。すると、生花1の茎部の端部には、着色パッド62aのインクが高い確率で塗布されることとなる。なお、図では2本の生花1のみを示しているが、実際に搬出トレイ31に同時に搬出される生花群は、生花束の1束を構成する所定の本数(本実施形態では10本)であり、着色が施される範囲はそのうちの一部分であってもよい。また、本実施形態では、生花1が乗せられる荷台板60が略水平方向に配設されているが、受部材62に向かって下り勾配を有するように配設されてもよい。
【0039】
壁板61の裏面側には、受部材62の揺動を検知するスイッチボックス64および配線65とからなる検知部31Sが配設されており、生花群が受部材62に当接して受部材62が揺動すると、スイッチボックス64に取り付けられたスイッチ部材(不図示)が作動して生花群の搬出が検知されるように構成されている。なお、上記したような着色手段は、他の搬出トレイ32,33にも同様に設けることで、例えば、3つの段階区分それぞれに異なる着色を施すことが可能である。
【0040】
図7は、本発明の第2実施形態に係る仕分け用ラックへの生花束の収納状態を示す模式図である。前記したように、例えば、3つの段階区分の生花束それぞれに異なる着色を施すようにすれば、1つの仕分け用ラックDに3つの段階区分の生花束を一緒に収納した場合でも、段階区分の識別が簡単となって仕分け作業に支障を与えることがない。したがって、仕分け用ラックDを1つにして、移送手段15による移送時間の短縮および図5の制御フローの簡略化を図ることが可能となると共に、生花選別装置10の設置スペースを削減することも可能となる。また、本実施形態では、「大」の生花束51を黒色、「中」の生花束52を赤色、「小」の生花束51を白色に着色しているが、着色は何色でされてもよく、また、区分が3段階であれば、1区分は無着色としても十分な段階区分識別効果を発揮することが可能である。すなわち、この場合は無着色も「着色」の一態様である。なお、前記着色手段は、インク等の塗料に限られず、切り揃えたばかりの茎部の端面が湿気を有することを利用して、有色の粉末を付着させる装置等を利用することもできる。
【0041】
図8は、本発明の第2実施形態の変形例に係る仕分け用ラックへの生花束の収納状態を示す模式図である。前記したような着色手段は、各生花束を、少なくとも1つの仕分け用ラックに、視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束同士が混在して収納されるように2つの仕分け用ラックA,Bに収納する方法と兼用してもよい。本変形例では、「大」区分の生花束51を黒色、「中」区分の生花束52を無着色、「小」区分の生花束51を白色としている。このような構成によれば、作業者の目視による段階区分識別が必要な仕分け用ラックBにのみ着色手段が適用されるので、インク等の資源を節約することが可能となる。さらに、本変形例では、仕分け用ラックBに収納された「大」または「小」の一方を無着色としても、同様の識別効果を得ることができる。
【0042】
図9は、本発明の第3実施形態に係る生花選別装置の識別棒加入手段およびその周辺構成を示す斜視図である。また、図10(a),(b)は、識別棒加入手段の構成を示す断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示している。本実施形態においては、搬出コンベア上に落下される生花群に、生花束の段階区分を識別するための識別棒87を加入する識別棒加入手段80を具備する点に特徴がある。
【0043】
識別棒加入手段80は、搬出コンベア21に隣接して立設された仕切板86に取り付けられた識別棒87の貯留ケース86と、識別棒87を1本ずつ送り出すための送出機構と、該送出機構を駆動する駆動手段84および配線85とから構成されている。前記送出機構は、アクチュエータで構成される駆動手段84によって回転駆動される駆動軸81と、該駆動軸81に結合された少なくとも2つの送出爪82とから構成されている。そして、搬出コンベア21上に生花が所定数落下されて搬出トレイ70に搬出されるまでの間に前記駆動軸81が適宜のタイミングで駆動され、1本の識別棒87が生花群の茎端部の近傍に配置されるように構成されている。
【0044】
図10(a)では、前記駆動軸81に駆動信号が与えられず、駆動軸81に結合された送出爪82が閉位置にある状態を示す。送出爪82の周部には、識別棒87の送出口83aを閉塞する第1爪82aと、該第1爪より短い第2爪が形成されている。そして、図10(b)で示すように、駆動手段84に駆動信号が与えられ、駆動軸81が反時計方向に所定角度回動された開位置になると、送出口83aから識別棒87が1本だけ送出される。このとき、第2爪82bは、送出口83aの最近傍にある識別棒の落下を防ぐ役割を有しており、送出動作が終了すると直ちに時計方向に回動して前記閉位置に戻るように構成されている。
【0045】
このように、識別棒加入手段によって識別棒が1本づつ生花束に加入されることで、前記仕分け用ラックA,Bに移送された後の段階区分の識別をより容易に行うことが可能となる。また、識別棒87は、出荷用の箱詰め作業の際等に生花束から引き抜いてしまえば、何度でも再使用できるので、インク等で着色する方法に比して資源の消費を抑えることが可能となる。なお、前記駆動軸81を駆動するタイミングは、計量選別手段14のソレノイドを駆動する信号などを用いて任意に設定することができる。
【0046】
搬出トレイ70は、壁板72に受部材73を取り付けた構成とされている。受部材73は、2本の腕部74の上端部に設けられた軸74aを中心に揺動自在とされており、受部材73に生花群(および識別棒87)が当接することでリミットスイッチ75のレバー部材77が押され、配線78から搬出コンベア21の停止指令が発信されるように構成されている。なお、リミットスイッチ75に設けられているボタン76は、搬出コンベア21を手動で起動する時に使用するものである。なお、本実施形態に係る識別棒87は、生花束の近傍に安定的に配設されるように角断面の棒とされているが、これを他の断面形状としたり、または、その端部に任意の色を着色する等の種々の変形が可能である。上記したような識別棒加入手段80によれば、簡単な構成によって、識別棒87を生花群の近傍に確実に加入することができるようになる。
【0047】
上記したように、本発明に係る生花選別装置によれば、少なくとも1つの仕分け用ラックに視覚的に識別可能な複数段階区分の生花束が一緒に入るようにしたので、同じ仕分け用ラックに2つの段階区分の生花束が混在するが、箱詰め等を行う出荷作業者は、例えば、2つの段階区分の差が大きいためにその違いを目視で簡単に識別できるようになり、段階区分の識別作業に余分の負担をかけることなく、移送手段による移送距離が短くなって移送処理にかかる時間を短縮することができると共に、生花選別装置の占有床面積や生産コストを低減することができるようになる。また、生花群の茎の端部に着色する着色手段や、生花束の外部から目視可能な識別棒を生花群に加入する識別棒加入手段を具備することによっても、同様に段階区分の識別作業が容易になり、作業者の負担を増すことなく移送処理時間を短縮し、作業能率を向上することができるようになる。また、仕分け用ラックの数を減らして構成の簡略化とコスト低減を図ることもできる。
【0048】
なお、生花束の段階区分の数、仕分け用ラックの形状や数、着色手段によって着色する際の塗色、着色手段の構造、識別棒の形状、識別棒加入手段の構造等は、上記した実施形態に限られず、種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る生花選別装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る生花選別装置の制御部とその周辺構成を示す機能ブロック図である。
【図3】搬出トレイから仕分け用ラックへの移送状態を示す模式図である。
【図4】仕分け用ラックへの生花束の収納状態を示す模式図である。
【図5】本実施形態に係る生花束移送制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る生花選別装置の搬出トレイの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る生花選別装置の仕分け用ラックへの生花束の収納状態を示す模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る生花選別装置の仕分け用ラックへの生花束の収納状態を示す模式図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る生花選別装置の識別棒加入手段およびその周辺構造を示す斜視図である。
【図10】識別棒加入手段の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…生花、10…生花選別装置、14…計量選別手段、15…移送手段、16…結束手段、20…搬出コンベア部、21,22,23…搬出コンベア、30…搬出トレイ部、31,32,33…搬出トレイ、31S,32S,33S…検知部、40…仕分け用ラック部、A,B…仕分け用ラック
【出願人】 【識別番号】594072801
【氏名又は名称】有限会社今村機械
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100084870
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 香樹

【識別番号】100079289
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 道人

【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二


【公開番号】 特開2008−23462(P2008−23462A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199461(P2006−199461)