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【発明の名称】 作物の選別装置及び作物の選別方法
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男

【氏名】小田切 元

【氏名】高木 真吾

【氏名】岩部 孝章

【要約】 【課題】収穫した作物の選別作業の作業効率や選別能率を向上させて、選別精度を高め、選別条件等の細かい設定が可能な作物の選別装置及びこのような選別方法を提供する。

【構成】作物を搬送する搬送ベルト15aを備えた搬送コンベア15により搬送される作物の重量及び/又は形状を検出する検出装置と、検出装置の検出結果に基づいて搬送中の作物をはね出し装置20により搬送ベルト15aの搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出す作物の選別装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を搬送する搬送部(15a)を備えた搬送装置(15)と、
該搬送装置(15)により搬送される作物の重量及び/又は形状を検出する検出装置(24)と、
該検出装置(24)の検出結果に基づいて、搬送中の作物を前記搬送部(15a)の搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出す送り出し装置(20)と
を設けたことを特徴とする作物の選別装置。
【請求項2】
作物を搬送しながら、該作物の重量及び/又は形状を検出して、該検出結果に基づいて、搬送中の作物を搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出すことを特徴とする作物の選別方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜などの作物の選別装置及び作物の選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
根菜などの作物の収穫作業について、ニンジンを例にして収穫作業の一例を以下に説明する。従来のニンジン収穫作業は、圃場においてニンジン収穫機の前進走行にともない、引起し手段によりニンジンの茎葉を引起しながら、掘り起こし手段によりニンジンの両側面の土壌を掘り起こし、互いに逆回転する一対の無端ベルトからなる挟持搬送ベルトでニンジンの茎葉を挟持した状態で引き抜き、その後、前記挟持搬送ベルトで収穫機後方に搬送する過程で茎葉を切断し、さらに後方に搬送するための搬送コンベアに移し、搬送コンベアからニンジンを種類や大きさなどに分けて選別し、収納コンテナに収納していた。
【0003】
このように一連の収穫作業によって収穫されたニンジンは、種類や大きさあるいは重量などにより選別された後、市場に出荷される。この選別作業は、人手によることも多く、作業者の熟練の度合いによって作業効率が異なり、また作業に要する手間や時間がかかり、作業者の負担も大きかった。
【0004】
そこで、最近では選別作業が機械化され、根菜の大きさなどを検出する検出装置を設けた選別装置が提案されており、該選別装置は、根菜を選別する際に、検出装置からの検出結果に基づいて搬送コンベア上の根菜を所定の位置にはじき出すはじき装置を備えている。該はじき装置は、径方向外側に延びる翼が回転することで翼の先端部分が根菜に当たって、搬送方向と交差する方向に根菜をはじくような構成である。
【特許文献1】特開平10−258257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の発明によれば、翼の先端には根菜が衝突する衝突面が形成されており、所定の位置に根菜をはじくようにするために、この衝突面は、搬送される根菜が衝突するときに搬送方向と平行な面に対して、搬送方向上手側が搬送される根菜から離れるように傾斜している構成である。根菜には、搬送方向上手側から下手側への慣性力が働いているが、はじき装置により搬送方向下手側から搬送方向上手側への方向の力を与えることで、慣性力と相殺されて、根菜が目的とする方向である搬送方向と交差する方向以外にはじかれることを抑えている。
【0006】
しかし、上記特許文献1記載の構成によれば、はじき装置の翼は一方向に回転するのみであり、搬送コンベアの一側方においてしか根菜を収穫できず、選別処理量が多くなると対応できないため、選別作業の作業効率や選別能率の面では未だ改善の余地があった。また、このように搬送コンベアの一側方においてしか根菜を収穫できないことで収穫スペースも限られるために選別条件等の細かい設定は難しく、選別精度を高めることができず、選別条件等の細かい設定が可能な作物の選別装置や選別方法が要望されていた。
【0007】
本発明の課題は、収穫した根菜の選別作業の作業効率や選別能率を向上させて、選別精度を高め、選別条件等の細かい設定が可能な作物の選別装置及びこのような選別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は以下の構成を採用することにより達成される。
請求項1記載の発明は、作物を搬送する搬送部(15a)を備えた搬送装置(15)と、
該搬送装置(15)により搬送される作物の重量及び/又は形状を検出する検出装置(24)と、該検出装置(24)の検出結果に基づいて、搬送中の作物を前記搬送部(15a)の搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出す送り出し装置(20)とを設けた作物の選別装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、作物を搬送しながら、該作物の重量及び/又は形状を検出して、該検出結果に基づいて、搬送中の作物を搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出す作物の選別方法である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、送り出し装置(20)が、検出装置(24)の検出結果に基づいて、作物を搬送部(15a)の搬送方向に対して交差する左側または右側のいずれか一方に選択的に送り出すことができるため、一つの送り出し装置(20)で作物を搬送部(15a)から左右両側に送り出して選別することが可能となる。したがって、作物の重量及び/又は形状などの多くの細かい条件を設定して作物を選別できるため、選別精度を高めることができると共に、選別処理量が多くなることによって選別作業の作業効率や選別能率を高めることができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、搬送部の搬送方向に対して交差する左側または右側のいずれか一方に作物を送り出すことで、作物の重量及び/又は形状などの多くの条件を設定して作物を選別でき選別精度を高めることができると共に、選別処理量が多くなることによって選別作業の作業効率や選別能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1には本発明の実施形態の作物の選別装置の正面図を示し、図2には図1の選別装置の側面図を示し、図3(a)には図1の選別装置の平面図を示し、図3(b)には図3(a)のはね出し装置の拡大図を示す。また、図4(a)には、図2のA−A線断面矢視図を示し、図4(b)には、図4(a)の搬送ベルトの断面形状をV字状とした場合の図を示す。なお、本明細書ではニンジン(イ)の搬送方向に向かって左右をそれぞれ左右方向という。また、図1の正面図においては、選別装置の構成を分かり易くするために搬送コンベアカバー14の図示を省略しており、その他の図面においても図示を省略している場合がある。
【0013】
図1〜図4に示す選別装置により、作物として、根菜のニンジンを選別、収穫する場合について説明する。ニンジン(イ)は圃場から掘り起こされ、移送されながら葉部等が切断された後、搬送コンベア15により搬送されながら種類や大きさなどに分けて選別され、収納コンテナ53に貯留される。
【0014】
図1〜図4に示す本実施形態の選別装置は、ニンジン(イ)を搬送する搬送ベルト15aを備えた搬送コンベア15と、該搬送コンベア15により搬送されるニンジン(イ)の重量及び/又は形状を検出する検出装置24と、該検出装置24の検出結果に基づいて、搬送中のニンジン(イ)を前記搬送コンベア15の搬送方向に対して交差する左右方向に選択的に送り出すはね出し装置20とを設けており、種類や大きさなどによってニンジン(イ)を選別して収納コンテナ53に収納できる。なお、図2では、分かり易いように収納コンテナ53の図示は省略している。また、その他の図面においても収納コンテナ53の図示を省略している場合がある。
【0015】
図1及び図2に示すように、搬送ベルト15aの搬送終端部下方には搬送ベルト15aを回転駆動させる駆動用のモータ15bが設けられており、電源(コンセントで接続)(図示せず)からの通電により回動することで、モータ15bの回動軸15fと同軸上にあるプーリ15cも回動する。そして、プーリ15cの上方に位置するプーリ15dとプーリ15c間にはベルト15eが巻き掛けられており、プーリ15cの回動に伴ってプーリ15dも回動して、プーリ15dの回転軸15gが回転し、搬送ベルト15aが駆動する。搬送ベルト15aの搬送始端部側には回転軸13a(図4)に軸着したプーリ13が設けられ、搬送ベルト15aは、プーリ15dとプーリ13間に巻き掛けられている。
【0016】
また、はね出し装置20は、ニンジン(イ)を搬送する搬送コンベア15上に搬送ベルト15aを跨ぐように設けられた門型のフレーム19の内部にある正逆回転自在なモータ21の出力軸22に、ニンジン(イ)を叩いてはね出すはね出し羽根23を取付けた構成である。モータ21は、正逆回転自在であり、はね出し羽根23を図1に示すように左右に揺動させても良いし、左もしくは右方向に回転させることも可能である。図1によれば、4本のはね出し羽根23を設けた例が図示されているが、特にはね出し羽根23の本数は制限しない。また、はね出し装置20の設置数にも限定はなく、また、取り付けや取り外しが可能な構成としても良い。そして、このはね出し羽根23の一端に、例えばゴムなどの弾性体44を取り付ければ良い。
【0017】
搬送するニンジン(イ)の重量及び/又は形状を検出する検出装置24は、搬送コンベア15上であって、はね出し装置20よりも搬送方向上手側(手前側)に配置されており、はね出し装置20に入る前にニンジン(イ)の重量及び/又は形状を検出する。
【0018】
図5には、本実施形態の選別装置の検出装置24の概略構成を示す。
本実施形態の選別装置の検出装置24は、搬送されるニンジン(イ)の長さを判定する発光部側のセンサー25と受光部側のセンサー26、ニンジン(イ)の重量を測定するロードセル27、及びニンジン(イ)の形状を判定するカメラ28などを備え、これらの測定値の情報(データ)を入力インターフェース29に入力し、コントローラ30に送る。そしてコントローラ30ではこれら入力側から得られた様々なデータを集積、分析し、はね出し装置20のはね出し羽根23をどのように操作し、作動させるかを判断して出力インターフェース31にその結果(情報)を送る。そして出力インターフェース31に送られた情報に基づいて、はね出し装置20内のモータ21が作動し、はね出し羽根23が左右に揺動もしくは回転することで、はね出し羽根23の一端に設けた弾性体44がニンジン(イ)に当たって、ニンジン(イ)がはね出され、ニンジン(イ)の選別、収納が行われる。はね出し羽根23がニンジン(イ)に当たっても、はね出し羽根23の一端に設けられた弾性体44によって当たった際の衝撃を吸収するため、ニンジン(イ)は損傷しにくく、作物の商品価値を高めることができる。
【0019】
そして、搬送コンベア15の搬送ベルト15a上に載置されたニンジン(イ)は、搬送ベルト15aが作動することで、検出装置24を通過する際に、該検出装置24により重量や形状等が測定され、その測定結果によってニンジン(イ)の選別方法がコントローラ30によって決定される。本明細書中、形状には、全体的な大きさや、径、長さ、凹凸具合など平面的、立体的なニンジン(イ)の形に関するあらゆる内容が含まれる。そして、例えば、大きさが比較的大きいニンジン(イ)を早い段階(搬送方向上手側)で収納し、大きさが比較的小さいニンジン(イ)は後の段階(搬送方向下手側)で収納するように、はね出し羽根23を操作しても良い。そして段階的に搬送方向下手側ほど小さいニンジン(イ)を選別するようにしても良い。なお、入力側は発光部側のセンサー25と受光部側のセンサー26のみの構成でも良いし、ロードセル27のみ、カメラ28のみ、もしくはこれらのあらゆる組み合わせでも良い。
【0020】
そして、重量が比較的重いものの場合に、はね出し羽根23を矢印B方向(図4)に回転させて搬送方向に向かって右側にはね出し、反対に重量が比較的軽いものの場合には、はね出し羽根23を矢印A方向(図4)に回転させて搬送方向に向かって左側にはね出すようにしても良い。また、径(幅)の短いニンジン(イ)を搬送方向に向かって右側にはね出し、径(幅)の長いニンジン(イ)を搬送方向に向かって左側にはね出すように区分けしても良い。左右の同じ側に径(幅)の長いものと短いものを選別すると、長いものと短いものの境い目で長短の混入を生じるが、長いものと短いもののはね出し位置を右側と左側に分けることで、長短の混入を防ぐことができる。
【0021】
そして、本構成を採用することにより、このように、搬送ベルト15a上の搬送されてくるニンジン(イ)をはね出し装置20によって左右どちらの方向にもはね出すことができるため、作物の重量や形状に応じて多様な細かい条件でニンジン(イ)を選別することができ、多段階の選別が可能となり、また選別の精度が向上する。そして、選別処理量が多くなることによって選別作業の作業効率や選別能率を高めることができる。
【0022】
また、図4(a)に示すように、搬送コンベア15の搬送ベルト15aの断面形状を凹形とし、この搬送ベルト15aの凹部の上方に、はね出し羽根23を駆動回転させるモータ21の出力軸22を配置しても良い。すなわち、平面視で、はね出し装置20のはね出し羽根23の回動中心軸(モータ21の出力軸)22が搬送ベルト15aの凹部と重なる構成である。
【0023】
搬送ベルト15a上のニンジン載置面が平坦であると、搬送の際にニンジン(イ)が搬送ベルト15a上から落下することがあるが、このように、搬送ベルト15aの略中央部に凹部を設けることで、搬送中にニンジン(イ)が転がり落ちることを防止しやすい。また、搬送コンベア15上のニンジン(イ)が搬送ベルト15aの中央付近に集まりやすく、モータ21の出力軸22が搬送ベルト15aの凹部の上方にあるため、はね出し羽根23とニンジン(イ)との間隔が略一定になり、はね出し羽根23がニンジン(イ)にあたる際のニンジン(イ)への当たり方に偏りが生じにくい。したがって、うまく所定位置にニンジン(イ)をはね出せないなどのニンジン(イ)のはね出しミスが少なくなり、確実に選別・収納位置にニンジン(イ)をはね出すことができ、選別精度を向上させることができる。
【0024】
また、搬送ベルト15aの断面形状は、はね出し装置20の中央部にニンジン(イ)が寄るようにV字状またはU字状としても良い。
図4(b)に示すように、搬送ベルト15aの断面形状をV字状とし、搬送ベルト15a上にV字溝を形成すれば、検出装置24によって重量等を測定したニンジン(イ)をはね出し装置20により跳ね出して排出する際のタイミングがラグビッチで分かるため、跳ね出す時のタイミングのズレが生じない。
【0025】
図6には本発明の他の実施形態の選別装置の平面図を示し、図7及び図8には図6の選別装置の中のはね出し装置20の拡大図を示す。図7には、プレート36(図6には図示せず)を取り付けた状態の図を示し、図8には、プレート36を外した状態の図を示す。更に図8(a)及び図8(b)には、はね出し羽根23の向きを変えた場合の各部材の位置を表す図を示す。
【0026】
本実施形態によれば、はね出し羽根23の回転軸35を搬送ベルト15aの一方の側面(搬送ベルト15aの搬送方向)に対して角度θ傾ける場合(図8(a))と搬送ベルト15aの他方の側面に対して角度θ’傾ける場合(図8(b))がある。図8に示すように、モータ21の出力軸22とはね出し羽根23の回転軸35とをユニバーサルジョイント32で接続して、搬送ベルト15aの搬送方向に対してはね出し羽根23の回転軸35の角度θ(もしくはθ’)を調節できるように構成している。モータ21の出力軸22は支持部材39により支持され、ユニバーサルジョイント32により回転軸35と出力軸22は接続されている。出力軸22と回転軸35の端部付近にはそれぞれ蛇腹状の管40の支持部材22a、35aが設けられ、ユニバーサルジョイント32部分を伸縮する蛇腹状の管40で覆っている。管40は回転軸35の傾斜角度θ(θ’)に応じて変形する。そして、はね出し羽根23の回転軸35の先端部は軸受37によって支持され、軸受37の軸受カバー38上部において、プレート36とロッド33がネジ42によって軸受カバー38に固定されている。
【0027】
図7に示すように、プレート36には長穴34が設けられ、ネジ42が長穴34を矢印R方向に移動することで、ネジ42によって固定されている軸受カバー38や軸受37もネジ42の動きに伴って移動し、はね出し羽根23の回転軸35の角度θが変化する。図6によれば、搬送方向に向かって左側に跳ね出す構成であるが、右側に跳ね出す構成としても良い。また、図6に示すように搬送方向上手側に跳ね出す構成としても良いし、はね出し羽根23の回転軸35の傾斜角度θを変えて下手側に跳ね出す構成としても良い。また、各はね出し装置20のはね出し羽根23の回転軸35の角度θ(θ’)をそれぞれ別の角度にしても良いし、搬送方向に向かって左右両側に跳ね出す構成としても良い。
【0028】
本構成を採用することにより、搬送ベルト15aの搬送方向に対するはね出し羽根23の回転軸35の角度を調節することによって、ニンジン(イ)の重量や形状、大きさなどの選別条件ごとに最適な傾斜角度ではね出し羽根23をニンジン(イ)に当てることができるようになり、確実に、所定位置に各選別条件のニンジン(イ)をはじき出すことができる。また、ニンジン(イ)のはね出しを円滑に行うことができるようになり、ニンジン(イ)の選別精度を向上させることができる。そして、前記傾斜角度θ(θ’)は調節可能とすることにより、各選別条件に合わせて正確なはね出しを行える。
【0029】
図9〜図12には図1〜図4に示す選別装置に整列コンベアを設けた場合の選別装置の構造を示しており、図9及び図11にはそれぞれ別実施例の側面図を示し、図10には図9の選別装置の平面図を示し、図12には図11の選別装置の平面図を示す。
【0030】
図9〜図12に示すように、搬送コンベア15に搬送される際に、搬送ベルト15aの搬送始端部においてニンジン(イ)の先頭部の間隔を一定にするための整列コンベア45に水平面に対してニンジン(イ)の搬送方向に対して左下がりに傾斜角度α(図9、図10)又は右下がりに傾斜角度β(図11,図12)を設けても良い。整列コンベア45は側板46に設けられたモータ45aが駆動することで搬送コンベア15と同様に回転駆動する。
【0031】
そして、整列コンベア45の側板46のうち、一方の下面にヒンジ47を取り付け、もう一方の下面にはスペーサー48を取付けて、整列コンベア45を搬送方向に対して左右方向に傾斜姿勢になるように構成する。ヒンジ47を用いることで整列コンベア45の傾斜角度α、βが変更可能となる。また、スペーサー48は、整列コンベア45の高さを調節する部材であり、傾斜角度α、βに応じて大きさや形を変えれば良い。図9及び図10に示す例では、整列コンベア45におけるニンジン(イ)の搬送方向に対して左下りに傾斜(角度α)させて整列コンベア45の左端にニンジン(イ)の位置を揃え、図11及び図12に示す例では、同様にニンジン(イ)の搬送方向に対して右下りに傾斜(角度β)させて整列コンベア45の右端にニンジン(イ)の位置を揃えている。
【0032】
本構成を採用することにより、整列コンベア45を傾斜姿勢とすることによって作物が整列コンベア45の左右一側端に集まるので、搬送コンベア15におけるニンジン(イ)の搬送始点が一定位置となる。そして、ニンジン(イ)を一つずつ、一定間隔で検出装置24を通過させることができるので、ニンジン(イ)の選別精度を向上させることができる。また、整列コンベア45が傾斜姿勢となることによってニンジン(イ)が整列コンベア45の一端側に集まるので、整列コンベア45にニンジン(イ)を投入する際に、人手でニンジン(イ)を整列コンベア45の一端に集める作業を省略することができ、作業負担を減らして作業を省力化でき、作業効率を向上させることができる。
【0033】
図13には本発明の他の実施形態の選別装置の平面図を示し、図14には図13の選別装置の側面図を示し、図15には図13の選別装置の正面図を示す。なお、図15には、通路50、51の位置を分かり易くするために図14のA1−A1線断面矢視図を書き加えている。
図13に示すように、搬送コンベア15の搬送方向左側でニンジン(イ)を収穫する場合に、はね出し装置20のはね出し羽根23によって取出し側とは反対側(搬送方向右側)にはね出されたニンジン(イ)がカーテン56に当たって、搬送ベルト15aの下方に設けた通路50を通って取出し側に集まるようにすると、搬送方向右側にはね出されたニンジン(イ)と搬送方向左側にはね出されたニンジン(イ)の取出し口を左右どちらか一方の同じ側にすることができる。
【0034】
図13〜図15に示すように、門型のフレーム19の両側面に支持部材43を接合し、該支持部材43に平面視でL字型のプレート54を取り付け、該L字型のプレート54にピン55を用いてカーテン56を取り付ける。カーテン56の素材に限定はないが、例えばゴムなどの弾性体であれば、ニンジン(イ)が当たっても、損傷を防ぐことができ、跳ね返ってスムーズに通路50に落下する。カーテン56の上部のみ固定して下部を開放することで、ニンジン(イ)がカーテン56に当たった際にカーテン56を押し上げるため、跳ね返る力が減少するので勢いよく跳ね返ることなく通路50に落下する。また、このように上部のみ固定してぶら下げた状態のカーテン56としても良いし、上部と下部をともに固定しても良い。なお、図14では、はね出し羽根23の位置が分かり易いように、カーテン56を一点鎖線で示している。
【0035】
また、図13〜図15に示すように、はね出し装置20の門型のフレーム19側面のうちいずれか一方をニンジン(イ)の取出し側とし、取出し側にはね出されたニンジン(イ)を回収する通路51を更に設け、他方側にはね出されたニンジン(イ)は、搬送ベルト15aの下方に設けた前記通路50を通って取出し側へ落下案内する構成にするとともに、搬送ベルト15aの搬送終端部にもホッパ60を設けてニンジン(イ)を回収する。
【0036】
本構成を採用することにより、ニンジン(イ)の選別作業後、はね出し羽根23によって右側にはね出されたニンジン(イ)と左側にはね出されたニンジン(イ)を搬送コンベア15による搬送方向の左右どちらか一方の同じ方向から回収できるので、回収作業者の労力負担を軽減することができる。また、検出装置24の設定条件に該当しないニンジン(イ)を搬送ベルト15a搬送終端部で回収することによって、搬送終端部のはね出し装置20を省略することができ、選別装置がコンパクトになるとともにコストダウンも図れる。
そして、検出装置24の設定条件に該当しない、例えば最大サイズのニンジン(イ)を搬送終端部において排出することで、搬送終端部に設けるホッパ60の容量を大きくできる。
【0037】
また、長寸のニンジン(イ)を取出し口側に跳ね出して通路51から回収し、短寸のニンジン(イ)を他側の通路50から取出し口側に集まるように、検出装置24により制御して排出する構成としても良い。取出し口より遠い側の通路50の方が距離が長いため、途中でひっかかることが多い。したがって、転がりやすい短寸、丸みのある大径のニンジン(イ)を取出し口側とは反対側に跳ね出して通路50から回収すれば良い。
【0038】
図16には本発明の他の実施形態の選別装置の平面図を示し、図17には図16の選別装置の側面図を示し、図18には図16の選別装置の正面図を示す。なお、図18には、図15と同様に通路50、51の位置を分かり易くするために、一部図16のA2−A2線断面矢視図を書き加えている。図16〜図18に示した実施形態は、図13〜図15に示したはね出し装置20のはね出し羽根23によって取出し側にはね出されたニンジン(イ)が通る通路51の高さhを、はね出し装置20のはね出し羽根23によって取出し側とは反対側にはね出されたニンジン(イ)が通る通路50の高さhに合わせた場合を示している。
【0039】
搬送コンベア15の搬送方向左側でニンジン(イ)を収穫する場合に、はね出し装置20のはね出し羽根23によって取出し口の反対側(搬送方向右側)にはね出されたニンジン(イ)は、カーテン56に当たって、搬送ベルト15aの下方に設けた通路50を通って取出し口側に集まる。図16に示すように、通路50の搬送始端部側の幅W1は広く、搬送終端部側の幅W2は狭くなっている。そして、通路51の幅W3は、通路50の搬送終端部側の幅W2よりも広くなっている(W3>W2)。もっとも、通路50の搬送終端部側の幅W2と通路51の幅W3は同一であっても良いし、両通路の幅を足すと、通路50の搬送始端部側の幅W1に等しくなるような構成も可能である。
【0040】
本構成を採用することにより、ニンジン(イ)の選別作業後、はね出し羽根23によって右側にはね出されたニンジン(イ)と左側にはね出されたニンジン(イ)を搬送コンベア15による搬送方向の左右どちらか一方の同じ方向から回収でき、更に、はね出し羽根23によって右側にはね出されたニンジン(イ)と左側にはね出されたニンジン(イ)が同じ高さの位置に集まるため、左右方向にはね出されたニンジン(イ)を左右とも同じ高さのままで回収でき、回収作業者の労力負担を軽減することができる。
【0041】
図19には本発明の他の実施形態の選別装置の平面図を示し、図20には図19の選別装置のホッパ60を省略した正面図を示し、図21には図20のはね出し装置によってはね出されたニンジン(イ)の動きを説明する図を示す。図20には一部A3−A3線矢視図を書き加えている。
【0042】
搬送コンベア16a、16bを並列して2列設け、それぞれの搬送コンベア16a、16bに検出装置24a、24b及びはね出し装置20a、20bを設けると、多くのニンジン(イ)の選別が可能となり、選別作業の効率が向上する。
【0043】
図19に示すように、搬送コンベア16a、16bの搬送ベルト16c、16dは、プーリ15dが軸着した回転軸15gを共通にしており、回転軸15gが回転することで両搬送ベルト16c、16dが駆動する構成である。そして、ニンジン(イ)の搬送方向に向かって右側の搬送コンベア16aと左側の搬送コンベア16bにそれぞれはね出し装置20a、20bを設け、取出し側を搬送ベルト16c、16dの搬送方向に対して左側に配置している。はね出し装置20aのはね出し羽根23aとはね出し装置20bのはね出し羽根23bはともに矢印E方向に、すなわちカーテン56a、56bのある方向にニンジン(イ)をはね出すように回転する。
【0044】
右側のはね出し装置20aの矢印E方向に回転するはね出し羽根23aによって搬送コンベア16aの搬送方向に対して左側にはね出されたニンジン(イ)は、カーテン56aに当たって左側の搬送コンベア16bの搬送ベルト16dの下方にあるシュータ52bを通って取出し側に集まる。
【0045】
また、左側のはね出し装置20bのはね出し羽根23bによって左側にはね出されたニンジン(イ)は、カーテン56bに当たって搬送ベルト16dの左側に設けたシュータ52a上を転がり、取出し側に集まる。シュータ52aの下方に位置するシュータ52bの先端部に、例えばゴムなどの弾性体の板材52b1を取り付けると、シュータ52aから落下するニンジン(イ)は弾性体の板材52b1に当たるため、当たる際の衝撃を吸収し、ニンジン(イ)の損傷を防ぐことができる。なお、取出し側の位置に限定はなく、取出し側を搬送コンベア16a、16bの搬送方向に対して右側に配置しても良い。その場合のシュータ52等の構成は、左右対称の配置とすれば良い。
【0046】
本構成を採用することにより、ニンジン(イ)の選別作業後、搬送コンベア16a、16bの左側もしくは右側の同じ方向から同じ高さで作物を回収することができ、回収作業者の労力負担を軽減することができる。また、弾性体の板材52b1をシュータ52bの先端部より、シュータ52aからニンジン(イ)が落下する点の近傍まで設けていると、上方のシュータ52aから落下するニンジン(イ)と下方のシュータ52bを通るニンジン(イ)同士が接触しても板材52b1が緩衝材となってニンジン(イ)の損傷を防ぐことができる。
【0047】
更に、上方のシュータ52aの端部にゴム状部材52a1を設けた場合は、ニンジン(イ)の動きを示した図21に示すように、ニンジン(イ)がカーテン56bに当たると、矢印Q方向に落下する。そしてシュータ52a上を転がりゴム状部材52a1の上に到達すると、ゴム状部材52a1が垂れ下がり、下方のシュータ52bとの距離が短くなる。したがって、上方のシュータ52aからニンジン(イ)が落下する際の衝撃を和らげ、また下方のシュータ52bを通るニンジン(イ)と合流する際の干渉を和らげることができる。
【0048】
図22には本発明の実施形態等の選別装置の搬送コンベア15に搬送される前に整列させる整列コンベア59の平面図を示し、図23には図22の矢印H方向から見た整列コンベア59の伝動機構を説明するための図を示す。なお、整列コンベア59は、図3や図12などに示した選別装置の始端側に設置して使用するものである。
【0049】
図22に示すように、一対の整列ベルト61a、61bを2連に縦列で設け、搬送方向下手側(後方)の第2整列ベルト61b,61bの回転数を、搬送方向上手側(前方)の第1整列ベルト61a,61aの回転数よりも大きくした構成である。すなわちベルトの回転する速さは、第1整列ベルト61a、第2整列ベルト61b、搬送ベルト15aの順に速くなる構成である。また、一対の第1整列ベルト61a,61aの間に空間部Sを設け、小さなニンジン(イ)を搬送ベルト15aに搬送する前に、該空間部Sにふるい落とすような構成としても良い。
【0050】
図22に示すように、搬送方向に向かって左右両側に軸受62を備える回動軸63に一対の大径プーリ64aを軸着し、整列コンベア59の側板66のニンジン(イ)の投入側に固定すると共に、他端側(搬送コンベア15側)に一対の大径プーリ64b,64bを軸着した回動自在な回動軸67を設け、これらの大径プーリ64a、64b間に第1整列ベルト61aを巻き掛けて第1整列コンベア68を構成する。また、一対の小径プーリ70a,70aを回動軸67の大径プーリ64b,64b間に軸着する。そして、搬送コンベア15側の整列コンベア59の側板66に、両端に軸受71を備える回動軸72を固定し、該回動軸72に一対の小径プーリ70b,70bを軸着し、これらの小径プーリ70a、70b間に第2整列ベルト61bを巻き掛けて第2整列コンベア73を構成する。そして小径プーリ70b、70bを軸着した第2整列コンベア73の回動軸72の両端に、小径プーリ70bよりも径が小さいスプロケット75aを取付け、スプロケット75bとの間にチェーン77を掛け回し、該スプロケット75bに軸着している回転軸76に搬送コンベア15のプーリ13(図2)を軸着することによって、搬送ベルト15aが回転する動力が第2整列ベルト61bから第1整列ベルト61aに伝達され、第2整列コンベア73及び第1整列コンベア68が稼動する。
【0051】
本構成を採用することにより、プーリ64、70及びスプロケット75の径の違いにより搬送ベルト15aと第2整列ベルト61b、第1整列ベルト61aの移動速度をそれぞれ変えることによって、第1整列ベルト61aから第2整列ベルト61bにニンジン(イ)が引き継がれる際に速度差があるため一定の間隔ができる。したがって、ニンジン(イ)が一本ずつ搬送ベルト15aに引き継がれるようになり、検出装置24に複数のニンジン(イ)が入ってしまうことが少なくなって、ニンジン(イ)の選別の精度を向上させることができる。また、第1整列コンベア68の第1整列ベルト61a,61a間の間隔を第2整列コンベア73の第2整列ベルト61b,61b間の間隔よりも広くすると、商品価値の少ない小サイズのニンジン(イ)を第1整列コンベア68の一対の第1整列ベルト61a,61a間に落とすことができ、不要な小サイズのニンジン(イ)を搬送ベルト15aに搬送する前に、前もって選別することができるため、作業効率や選別能率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、根菜類に限らず作物などの選別装置及び選別方法として利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の作物の選別装置の正面図である。
【図2】図1の選別装置の側面図である。
【図3】図3(a)は図1の選別装置の平面図であり、図3(b)は図3(a)のはね出し装置の拡大図である。
【図4】図2のA−A線断面矢視図(図4(a))と図4(a)の搬送ベルトの断面形状をV字状とした場合を示す図(図4(b))である。
【図5】本実施形態の選別装置の検出装置の概略構成を示した図である。
【図6】本発明の他の実施形態の選別装置の平面図である。
【図7】図6の選別装置の中のはね出し装置の拡大図であり、プレートを取り付けた状態の図である。
【図8】図6の選別装置の中のはね出し装置の拡大図であり、プレートを外した状態の図である。図8(a)及び図8(b)は、はね出し羽根の向きを変えた場合の各部材の位置を表す図である。
【図9】図1〜図4に示す選別装置に整列コンベアを設けた場合の一実施例の選別装置の側面図である。
【図10】図9の選別装置の平面図である。
【図11】図1〜図4に示す選別装置に整列コンベアを設けた場合の一実施例の選別装置の側面図である。
【図12】図11の選別装置の平面図である。
【図13】本発明の他の実施形態の選別装置の平面図である。
【図14】図13の選別装置の側面図である。
【図15】図13の選別装置の正面図である。
【図16】本発明の他の実施形態の選別装置の平面図である。
【図17】図16の選別装置の側面図である。
【図18】図16の選別装置の正面図である。
【図19】本発明の他の実施形態の選別装置の平面図である。
【図20】図19の選別装置のはね出し装置の正面図である。
【図21】図20のはね出し装置によってはね出されたニンジンの動きを説明する図である。
【図22】本発明の実施形態等の選別装置の搬送コンベアに搬送される前に整列させる整列コンベアの平面図である。
【図23】図22の整列コンベアの伝動機構を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
13 プーリ 13a 回転軸
14 搬送コンベアカバー 15 搬送コンベア
15a 搬送ベルト 15b モータ
15c、15d プーリ 15e ベルト
15g、15f 軸 16a 右側の搬送コンベア
16b 左側の搬送コンベア 16c 右側の搬送ベルト
16d 左側の搬送ベルト 19 フレーム
20 はね出し装置 20a 右側のはね出し装置
20b 左側のはね出し装置 21 モータ
22 出力軸 22a 支持部材
23,23a,23b はね出し羽根 24 検出装置
25 発光部側のセンサー 26 受光部側のセンサー
27 ロードセル 28 カメラ
29 入力インターフェース 30 コントローラ
31 出力インターフェース 32 ユニバーサルジョイント
33 ロッド 34 長穴
35 回転軸 35a 支持部材
36 プレート 37 軸受
38 軸受カバー 39、43 支持部材
40 蛇腹状の管 42 ネジ
44 弾性体 45 整列コンベア
45a モータ 46 側板
47 ヒンジ 48 スペーサー
50、51 通路 52a 上方のシュータ
52a1 ゴム状部材 52b 下方のシュータ
52b1 弾性体 53 コンテナ
54 L字型のプレート 55 ピン
56,56a,56b カーテン 59 整列コンベア
60 ホッパ 61a、61b 整列ベルト
62 軸受 63 回動軸
64a,64b 大径プーリ 66 側板
67 回動軸 68 第1整列コンベア
70a,70b 小径プーリ 71 軸受
72 回動軸 73 第2整列コンベア
75a,75b スプロケット 76 回転軸
77 チェーン
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子


【公開番号】 特開2008−23422(P2008−23422A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−196401(P2006−196401)